はじめに
世の中にある職業の中でもかなりの割合を占める小売業ですが、就職活動の際にも多くのエントリーが集まります。
小売業界というとかなり範囲が広いですが、どのような企業に入るとしても志望動機が重要です。
一体どのような志望動機を書けば良いのかというのは、多くの学生が気になるところだと思います。
今回は小売業界の現状や実際の志望動機例、ポイントをご紹介していきます。
小売業界とは
小売業界、別名サービス業とも呼ばれる業界は一般消費者を顧客としている企業であれば必ずといっていいほどスタッフなどの求人を出しています。
デパートやスーパー、土産物屋など、場所や形態の幅は実に広く、自分に合った企業を探すことがとても重要になります。
また、一般的には小売業と聞くと店舗スタッフをイメージされがちですが、将来的には店舗責任者、本社社員といったキャリアプランが用意されており、自分の将来像を明確にしておく必要があります。
ただしどのようなキャリアプランを抱いていたとしても、一度は現場での勤務を経験する可能性が非常に高いので、コミュニケーション能力は不可欠となります。
小売業界の具体的な仕事内容
小売業界でも職種は幅広くあり、仕事内容も多岐にわたります。
どのような仕事があるかを知り、志望する職種を決める際や、エントリーシートや面接でどうアピールするかにつなげる必要があります。
小売業界の中でも、より自分に適性がある職種を見つけたり、ぜひともやってみたい仕事を見つけたりすることで、これまでの経験や自分の強みをアピールでき、内定への道につなげられるからです。
小売業界における主な仕事について、まずは把握しておきましょう。
物流
小売業界の中でも大手企業や複数の店舗を持つ企業やチェーン店などでは、各店舗に配送するための商品や資材などを管理する物流部門があります。
また、1つの企業や店舗でも、オンラインショップなどを展開する企業が増える中、多様な商品をストックする倉庫を持ち、オンライン注文に合わせて商品をピックアップし、梱包して配送する部門が必要になります。
物流部門の仕事も多岐にわたり、資材や商品の仕入れや在庫管理、計画的な配送や注文に応じて納期を厳守しての配送など責任ある仕事が多いです。
ロジスティックス業務などとも言われて、近年重視される仕事で、実店舗、オンラインショップで在庫を共有するケースも増える中、いかに効率的な在庫管理や出庫ができるかが課題となっています。
販売
小売業界を志望する方で、一番人気なのは販売職ではないでしょうか。
自社の商品や業種ごとに異なる商品を、顧客のニーズなどに合わせて提案して販売したり、店舗の運営なども手掛けたりする仕事です。
正社員として販売の仕事を行っていくうえでは、売り上げ目標を達成することに責任を持って取り組むとともに、アルバイトやパートのスタッフの指導や管理などの指導力や管理能力なども求められます。
就活でアピールするには、販売職として売り上げトップになりたいとか、将来的には店長になりたいなど、高い目標を掲げたり、具体的なキャリアプランを提示したりすることが大切です。
ただ、好きな品を売っていれば満足では、正社員としては通用しません。
販売支援
販売支援の仕事も多岐にわたります。
店舗のバックヤードで商品の管理や在庫管理、品出しをしたり、検品をしたりするといった仕事や、顧客のクレーム対応などをする仕事もあります。
また、お店や商品の宣伝や広告を出す仕事や、集客や売り上げアップのためにイベントやキャンペーンなどを企画、運営する仕事なども販売支援業務の重要な役割です。
企業の業態や店舗の規模などによって、販売支援業務の内容も異なってくるので、どんな仕事をしたいかを明確にしましょう。
そのうえで、自分の経験や能力、性格などをどのように活かせるかを考え、アピールしていくことが大切です。
営業
小売業界での営業の仕事は、主に法人セールスや店舗開拓、店舗拡大の仕事がメインです。
法人が開催するイベントや行事、会議などで自社から商品を買ってもらうなど、訪問営業や電話営業、同業他社とのコンペなどを通じて契約をとる仕事などがあります。
大きなイベントであれば、利益も上がりますし、企業との間で継続的に取引ができるようになれば、大口顧客として安定した売り上げを上げることにつながります。
また、小売業界で企業を成長させていくには、店舗の拡大戦略をとることも少なくありません。
法人の職場などに出店させてもらう、まだ店舗がない地域に出店できるようマーケティングリサーチを重ねて条件交渉をするなど、やりがいのある仕事が待っています。
小売業界で働くと身につくスキル
小売業界に就職するか、それとも他の業界を選択肢に入れるか迷われている方もいるかもしれません。
また、小売業界の中でもどの職種が、より自分にとって適性があるのか迷われている方もいることでしょう。
また、将来的に万が一、入社した企業の経営が傾いた際に転職せざるを得ない事態が生じた際に、小売業界で身につけたことを活かせるのか、将来どのようなキャリアを持てるのかも気になるところです。
そこで、小売業界で身につく主なスキルをご紹介します。
コミュニケーション力
コミュニケーション力は小売業界に入る人にとって必須のスキルであるとともに、入社後もどんどん伸ばしていけるスキルの1つです。
小売業界は基本的に顧客への販売サービスを行うことで成り立ち、ただレジで会計するにあたっても笑顔でのコミュニケーションが不可欠です。
いかに人気の商品や高性能な商品を売っていても、スタッフの対応で店を選ばれ、他店で買われてしまうことも少なくありません。
業種によってはお客様のお悩みや希望をヒアリングして、コーディネートの提案や商品の提案販売などを行うことも多く、コミュニケーション力が発達します。
クレームが入ることもしばしばなので、トラブルが生じたときの対応力なども身についていきます。
プレゼンスキル
小売業界では単に顧客がほしい商品を販売するだけでなく、顧客のニーズを引き出しての提案販売を行ったり、顧客心理に働きかけて、より高品質な商品や高額帯の商品を売り込んだり、客単価アップなどにつなげることもしていかなくてはなりません。
そのためにはプレゼンスキルを磨かないと、思うような成果は出ません。
無理な営業や押し売りではなく、顧客がニーズを感じたり、商品の魅力を理解したりして自ら買いたいと思わせるトーク術です。
プレゼンスキルを身につけるには、まずは販売する商品の魅力を自らがしっかりと理解すること、顧客の心理を読み解く力などが必要です。
専門知識を学んだり、ロールプレイングを行ったり、実際に現場経験を積み重ねて、スキルアップが図れます。
市場を読み解く力
小売業界の売れ行きは取り巻く経済環境や政治情勢、市場の変化や顧客心理などに大きく左右されます。
景気が悪くなれば、高額帯の贅沢品やすぐに必要がない商品、衣食住に根差した商品以外の商品などは売れ行きが悪くなります。
一方、オイルショックや感染症拡大など不安要素が募ると、一気に需要が拡大する商品もあります。
長く勤めていけば、経済恐慌や景気の不況、好況や消費税率の引き上げ、大規模災害や感染症拡大、世界規模での戦争や地域紛争などさまざまな事象に直面するはずです。
そのような事象に直面したときの顧客の購買動向などを見ていくうちに、そのときに何が売れるか、どの時期に何が売れるかなどがわかるようになっていきます。
小売業界の志望動機を作成する際の注意点
志望動機を作成する時にありきたりな理由を並べても、人事の方に良い印象を与えることができません。
印象を残せないということは、その就活生を自社で雇った場合のビジョンも見えず、結果不採用となることも多いでしょう。
特に小売業界は幅広い職種ということもあり、より明確な理由を書かないと、どうしても全体的にぼんやりとした志望動機になってしまいます。
そこで、実際にどのような観点を含めた志望動機に仕上げれば良いかをご紹介します。
曖昧な志望動機にしない
はじめに大前提として一番大切にしたいのは、「曖昧な志望動機にしない」という点です。
これは当たり前なことのように思えますが、なかなか明確に細かく志望動機を作成するのは難しいです。
どうしてもどの企業や業界にも当てはまるような志望動機になってしまいがちで、それでは内定をもらうことが難しくなります。
企業が求めている人材はあくまで「自社にフィットするような人材かどうか」です。
就活においてほかのライバルたちは、みなその企業に対し「どうしても入りたい理由」を明確にし志望動機を伝えています。
そのような中で、曖昧な志望動機で勝負してもスタートラインにも立てません。
まず、なぜその企業を選んだのかをもう一度振り返り、思い浮かんだ動機をメモなどに書き起こし、そこから明確な理由を文章として作成させましょう。
過程を重視してアピール
志望動機を作成する際には結果や功績よりも過程を重視してアピールしましょう。
企業は志望動機含む履歴書の内容について、エピソードよりも過程を重視しています。
結果や功績を見ていないわけではありません。
しかし、学生の人柄を知るためには、過程の努力や行動が大切なのです。
結果や功績はあくまで過去のことですが、学生の人柄は入社後にも活かされます。
このような理由で、企業は結果よりも過程を重視しているのです。
そのため志望動機でエピソードを用いる際には過程に焦点を当ててアピールする必要があります。
具体的な説明で想像しやすい内容に
先に、志望動機は過程に焦点を当てて作成すると良いと説明しました。
過程に焦点を当てて説明する際は、具体性を意識してわかりやすい志望動機にしましょう。
過程を説明する際は、読む人が想像しやすいように具体的な説明をする必要があるのです。
過程にどんな課題を見つけて、どのような苦労や努力をしたうえでどのように解決したのか、詳しく説明することを心がけましょう。
エピソードを説明する際には、自身の考えや価値観などを織り交ぜて話すととてもわかりやすい志望動機になります。
あなたがしてきた経験を知らない人でもわかるように説明するには具体性が必須というわけです。
志望動機は自身の人柄をっ知ってもらうチャンスですので、自分らしさをアピールできるように自分の考えや気持ちの変化なども結び付けて説明するといいです。
将来のビジョンまで盛り込む
なぜその企業に入りたいのかという点を明確にした後は、もし入社できた場合には将来どのように成長し、企業に対しどのように貢献できるかを考えてみましょう。
将来どのように成長していきたいかというビジョンを伝えることで、企業側は自社に入社した場合に信念を持って働いてくれる人材だと感じてくれます。
そうなると、面接の段階でも「この人をどのように育てていけば良いだろうか」と相手側も入社した場合の育成法を考えてくれるでしょう。
ここまで具体的に考えさせるような印象を与えることができれば、内定をもらえる確率も高くなります。
その企業が「この人は入社した時、どのように成長し自社に貢献してくれるのか見てみたい。」と思わせられるような完成度を目指しましょう。
小売業の志望動機にアルバイト経験は有効?
小売業に向けて志望動機を作成する際、アルバイト経験をエピソードとして志望動機でアピールすることはできるのでしょうか?
学生時代、アルバイトを頑張った学生は多いのではないでしょうか。
せっかく頑張ったアルバイト経験はぜひとも志望動機に結び付けてアピールしたいところですね。
アルバイト経験は有効
例文でも書かれていますが、アルバイトの経験は非常に有効です。
特に小売業の場合、レジの操作や接客技術、店舗運営の流れなど、理解しなければいけないことの多くはアルバイト経験を通して習得することができます。
新社会人にもかかわらず即戦力になれるという人材を、当然企業は歓迎します。
アルバイトをするのは、志望している企業の運営店舗でなくても構いません。
勿論そこでピンポイントにアルバイトをしていれば好ましいですが、前述したレジの操作や接客技術というのは、別の企業であってもある程度共通するものなので、そこにこだわる企業は少ないでしょう。
業種によってアピールする内容を工夫しよう
アルバイトの業種によっては小売り業と全く関連性のないものもあります。
しかし必ずしもそれらのアルバイト経験が志望動機として使用できないわけではありません。
小売業と関連性の低い業種のアルバイト経験を志望動機としてアピールしたい場合は、業種よりも自身の人柄を活かしたエピソードに着目しましょう。
どうしても小売業と関連性の低い業種についてアピールする際、アルバイト内容に多く触れても企業には刺さりません。
業種が小売業と異なっていて、経験が活かしにくい場合は自分がどんなことを工夫・意識して働いたかなどの自分の人柄を活かしたエピソードを選びましょう。
例えば、笑顔でいることを意識して働いた、間違いのないように集中を切らさず仕事に励んだ、などの説明は小売業にも活かせるエピソードです。
このように、自分がどのように努力や工夫をして働いたのかを説明してみると、関連性の低い業種のアルバイト経験も好印象に繋がります。
将来像を明確にする
志望動機を語る際には、自分のキャリアプランまで話すようにしましょう。
曖昧な志望動機を語る学生は印象に残りませんし、採用したいとも思いません。
しかし入社後に、自分がどういった仕事をどのような役職で取り組みたいかということまで話せる学生であれば、担当者の目にも止まるでしょう。
特に小売業界の場合、現場や本社など、様々な選択肢が用意されているので、担当者としても学生がどのようなキャリアプランを抱いているのかを知りたがっている場合が多いです。
ただし的外れなキャリアプランや、実現不可能な計画を口にしても意味がありません。
自分の抱いているプランが実現可能なのか、実際にそういった仕事をしている社員がいるかなど、企業研究の段階で調べるようにしましょう。
小売業界の志望動機を作成する際のコツ
小売業界は日常生活においてとても身近な存在で、誰もが子どもの頃から消費者として接してきた経緯があります。
それだけに、接客職を志望する場合は具体的な働き方のイメージを持ったうえで、動機を作成できるはずです。
まったく知らない業界では、どんな仕事内容かもわからないため苦労する場合が多いですが、小売業界ではそれがない分、楽なように感じるかもしれません。
ところが、実際にはイメージと現実とのギャップにより、思わぬところに落とし穴がある場合もあるのです。
大切なのは、知っている業界だと過信せず、きちんと業界研究や企業研究をしたうえで臨むことです。
そしてなぜ小売業界を選ぶのか、なぜその会社を選ぶのかを自問自答し、確かな答えを相手に伝えましょう。
また、小売業界にも多種多様な業態があり、それぞれに特徴があります。
自分が志望する先を定めて、第三者が納得できる志望動機を練り上げる工夫が必要です。
小売業界について理解する
まずは小売業界の業界研究が必要です。
イメージだけが先行してズレが生じると、思わぬハードルに引っ掛かる恐れがあるからです。
業界を全体的にとらえることも必要ですが、自分が志望する先がどのような業態でどのような事業を展開しているのか、またこの先どのような経営方針を打ち出しているかは知っておくべきです。
企業研究も怠らず、適切な受け答えができるようにしておきましょう。
小売業界と言えば物を販売するのが仕事だと考える学生が多いですが、商品の仕入れから陳列・展示、販売・接客などさまざまな仕事があります。
こうした業務以外にも販促や企画、経理や人事などのバックオフィスも重要ですし、近年はWebサイトの運営などIT関連の業務も増えています。
たとえば、希望先がネット事業に乗り出しているようであれば、若い世代にそれに対応した知識が求められる可能性も十分にあります。
小売業界がどのような方向へ向かっているのか、希望企業がどこを目指しているのか、正確な最新情報を押さえておくことが重要です。
実際に体験したエピソードをベースに志望動機を考える
志望動機には一定のマニュアルがあるものの、どの企業にも通用するような浅い内容では採用担当者にすぐに見抜かれてしまいます。
漠然とした借りものの文章ではなく、自分にしか書けない内容を盛り込むことで説得力を持たせるようにしましょう。
学生が小売業を志望する場合、どうしても内容は似通ってしまいがちです。
差別化することが重要ですが、一番良い方法が志望するに至ったエピソードを具体的に入れることです。
小売店でアルバイトをした経験から、その店舗で買い物をした消費者としての経験などが挙げられますが、単に好きだとか、気に入っているという内容では意味がありません。
できればそうした体験の中で、もっとこうしたら良いと感じたなど、自分なりに考えた内容を盛り込むことでオリジナリティを加えるのがポイントです。
動機の原体験となったものを明確にし、採用担当者が信頼を持てる志望動機を作成するよう意識を持ちましょう。
なぜその企業なのかを明記する
販売員になりたい、お客さまに接したい、そうした気持ちがあったとしても、なぜその企業でなければならないかがわからなければ志望動機にはなりません。
たとえば、百貨店やスーパーマーケットなど日本全国に数多ある企業の中から、あなたはどうしてその企業を選び出したのでしょうか。
「小売業ならどこでも良い」「就職できればとくにこだわらない」というようでは、まずふるい落とされてしまいます。
その企業でなければならなかった理由を自分の中から探し出し、採用担当者が納得する言葉を絞り出しましょう。
大切なのは、就職先を選ぶというのは決して簡単なことではないと意識することです。
人生の貴重な時間を費やして働くということは、相応の覚悟がなければできません。
さまざまな職種の中から小売業を選び、その中からその企業を選んだ理由は必ずあります。
自分にとってその企業がどんな存在なのか、突き詰めて明確にすることが大切です。
また同時に、企業側が求める人材像とのマッチングも加味する必要があります。
自分が求め、相手も求めているポイントを織り交ぜることで、はじめて自分と企業のニーズを合致させることができると心得ましょう。
接客経験があるなら記載する
小売業を志望するにあたり、接客経験があることはとても良いことです。
志望動機を作成する際にもアルバイト経験はどんどん盛り込み、職業体験を持っていることをアピールしましょう。
また、どんな業務を経験したということに限らず、そのときに考えたことをきちんと書くことが重要です。
課題点でもいいですし、得られた感動についてのエピソードでもいいですし、志望するキッカケになった出来事などを伝えると評価につながりやすいです。
志望動機欄だけでなく、ガクチカ欄でも触れておくとより効果的です。
入社後、やりたい仕事を記載する
就活は内定獲得がゴールではなく、入社後に活躍するための通過点でしかありません。
内定さえ取ったら勝ちだというような考えではなく、本気で企業の成長や社会のために働ける人材であることをわかってもらうためには、入社後の自分をきちんとイメージすることが重要です。
面接時に相手から聞かれることもありますが、志望動機欄に入社後にやりたい仕事を明記しておくのも良い方法です。
正しく企業理解をしているアピールにもなりますので、ぜひ盛り込んでおきましょう。
ただし、書く以上はふわふわしたイメージではなく、具体的な業務内容を書くことが必要です。
「優秀な販売員になりたい」といった言葉ではなく、「効果的な陳列により売り上げ拡大に貢献したい」といった具体性を挙げることで説得力ある志望動機としてください。
小売業界について志望動機が思いつかない時の対処法
自分が入社したい会社があっても、志望動機がどうしても思いつかない場合もあります。
たとえば、第一候補や第二候補の会社から内定をもらえず、そのような時の保険として探していた会社に就活する状況になった場合などです。
このような場合、もし思いついたとしても、ほかの企業に対しても当てはまるような、ありきたりな内容になってしまうことも多いでしょう。
このような時は次にご紹介する2点を実際に試してみましょう。
本命の会社ではなくても、そこが良いと思った理由は必ずあるはずです。
ご紹介する方法を試して、入りたいと思った理由を明確にし、就活を乗り切りましょう。
自己分析をする
まず、一番簡単な方法としては自己分析を細かいところまで行うということです。
自己分析といっても、自分の性格や長所・短所などを考えるだけではなく、そこからあなた自身がどのような考えを持ち、どのような企業であれば就職した後にも情熱を持って一生懸命働けるかを考えてみましょう。
このように、就活時は自分にマッチする会社を選ぶための基準となる「一本の軸」を決めておくことが大切です。
この軸に沿って、選んだ企業が本当に選びたかった企業なのか、または実際に自己分析した中であまり魅力的に感じなくなるのかを判断できます。
もし、軸を作ってそれにマッチしていれば、その点を志望動機として伝えるという使い方もできます。
そうすると、「自分の軸を持ってぶれずに、自分の考えを貫き通せる人だな。」と好印象を与えることもできるでしょう。
自己分析をするには、モチベーショングラフという手法がおすすめです。
下記のサイトで実際に詳しい手順が載っていますので、志望動機作成に困ったら、まず自己分析から始めてみましょう。
きっかけの深堀をする
あなたがその業界に興味を持った時、そのきっかけを深堀りしてみましょう。
この企業に入りたいと思ったということは、何かしらのタイミングで「この業界はおもしろそう!」や「仕事が楽しそう!」などのポジティブな感情が芽生えたはずです。
では、なぜそのように感じたのでしょうか?
その理由を深堀していくことで、あなたが小売業界の企業に興味を持った理由も自分自身で改めてわかるはずです。
そこがわかれば、志望動機を作成する際も伝えたいことをピックアップし書くことができるでしょう。
この方法は自己分析よりも簡単で手軽な方法ですが、自己分析とあわせて行うことでより効果が期待できます。
まず、自己分析を行い、その後より追求したい場合に行うようにしましょう。
応募しない
そもそもの話ではありますが、志望動機がすんなりと思いつかない企業に就活しない方が良いでしょう。
無理やりさまざまな手法を使いながら志望動機を完成させても、面接時に「本当にこの会社に入りたい」という熱意は伝わりにくいかもしれません。
そのような中途半端な気持ちの面は、面接官にも実は伝わっていることもよくあります。
就活は時間との勝負で、やるべきことが多すぎるがゆえに時間がありません。
何をするべきで何が無駄な時間かを常に考えることで、効率的に動くことができるでしょう。
小売業界に就活する場合に志望動機がすんなり思いつかないのであれば、業界自体を変えて一から探してみるのも良いでしょう。
とにかく、就活はなるべく無駄な時間を省いて、自分にマッチする企業を探す近道はないか常に考えましょう。
小売業界の志望動機作成なら就活エージェントを頼ろう
ここまでいろいろな志望動機に関しての情報を書いてきましたが、それでも解決しなかったという場合は、「就活エージェント」を頼ることをおすすめします。
就活エージェントとは、就活生に向けたサービスで、企業と就活生をつなぐためのイベントや就活の極意などを丁寧に教えてくれるサイトもあります。
何事もそうですが、独学だけではそれ以上上に行くには限界があり、その道のプロに頼るのが一番の近道となる場合が多いです。
使用料自体も学生の場合は一切かかりませんので、気軽に始めやすいのもメリットの一つでしょう。
使用者の利用満足度が97%と高いことからも、いかにサービスの質が高く有益な情報を得られるかという事実も把握できると思います。
就活で困ったら、ぜひ就活エージェントに頼ってみてください。
あなたの入りたかった企業に近づくチャンスとなるでしょう。
小売業界に向けた志望動機の基本構成
小売業を志望する場合の志望動機は、どのように構成すれば良いのでしょうか。
志望動機をつらつらと取りとめもなく、並び立てるのはNGです。
文字から文字といった文字制限を基本に、ただ文字を埋めようと文章を書けば良いわけではありません。
内容を充実させれば良いと、単純に考えるのもNGです。
中身のある内容であっても、アピールしたい内容が伝わる構成を踏まないと説得力が生まれません。
どのような構成が理想なのかご紹介します。
結論:私は〇〇という点で貴社を志望しました
志望動機をしっかりとアピールするための一番のポイントは、結論からスタートさせることです。
まず初めに、どんな点で、その企業を志望することになったのか、明確に結論を伝えましょう。
志望動機は何かを問われたのですから、まずはその答えを明確にするのがポイントです。
よくありがちなのは、「これこれの理由で志望しました」「これこれの経験があったことから志望しました」と理由や経験を述べてから、志望動機のポイントを述べるパターンです。
一見、しっかり伝えているように思えますが、結論が出てくるまでの工程が長いため、いったい何を伝えようとしているのかわかりにくくなります。
せっかく考えた理由や伝えたい経験が何の話か伝わりにくくならないよう、まずは結論を一言で述べましょう。
理由:なぜならば、〇〇という経験で〇〇と考えたためです
まず、結論を述べてから、志望するに至ったきっかけとなる理由を述べます。
最初に理由を述べてしまう方がいますが、初めてあなたの話を聞く面接官にとっては、何に対する理由なのかがわかりにくく、肝心な志望動機が伝わりにくくなってしまいます。
そのため、まずは志望動機の結論を述べ、その理由を次に伝えるようにします。
理由は自分の具体的な経験に基づいていることがベストです。
「業界最大手だからです」「一番の成長企業だからです」「同業他社の中で一番年収が高いからです」など、形式的な理由は避けましょう。
その企業で働きたいと思った、きっかけとなる経験を理由として挙げるのがポイントです。
エピソード:私は〇〇で〇〇ということをしていました
その企業を志望するに至った経験や小売業の業種を志望するきっかけとなった経験をはじめ、その企業で仕事をする上で役立つ能力などを発揮できた経験をエピソードとして紹介しましょう。
エピソードの種類は特に制限はありません。
学生時代に取り組んだ部活動や学園祭での経験、アルバイトやボランティアの経験、海外留学や海外旅行先での経験でも問題ありません。
ただし、志望した企業で入社後の活躍に役立つような経験や学びが得られたエピソードであることがポイントです。
企業に貢献できることが示せるよう、なんらかの問題に直面し、それをあなたの行動によって解決できたエピソードを選ぶようにしましょう。
問題:その経験で〇〇という問題に直面しました
どんなエピソードなのか、簡単に伝えたら、次にその経験で直面した問題を紹介します。
あなたの経験談を初めて聞く面接官が、すぐに状況をイメージできるよう、わかりやすく簡潔に状況説明をしましょう。
そのため、複雑すぎて状況が伝わりにくい問題や問題に至った経緯を説明しないと伝わりにくい問題は避けます。
もちろん、複雑な問題でも、一文程度で簡潔に要約できるのであれば、問題ありません。
問題解決という内容を盛り込むことで、単なる思い出話や自慢話になることなく、あなたがどんな経験を通じて成長をしてきたのかをアピールできます。
ビジネスをしていく上で問題はつきものなので、問題に直面した際のあなたの対応力を企業にアピールできる場面でもあります。
行動:そのため、私は〇〇を行いました
直面した問題に対して、あなたが取った行動を説明しましょう。
あなたが主体性をもって能動的に取った行動であることが必要です。
誰かに指示をされて行った行動や意見だけを言って誰かに行わせた行動ではなく、自分から積極的に行った行動であることがポイントです。
なおかつ、その行動が志望動機の構成の最後に述べる結論で、企業に貢献するために役立つ能力や強みとつながっていると説得力が高まります。
小売業の現場では日々、様々な問題が発生します。
お客様からのクレーム、商品の不足、発注ミスや災害などが発生したとき、どんな行動を取れる人物なのか見られていると意識しましょう。
結果:その結果、〇〇になりました
行動に出たところで話が終わってしまっては、問題が解決したのかがわかりません。
行動に出たというプロセスだけでなく、その結果まで、しっかりと報告しましょう。
ビジネスの現場ではプロセスも重要ですが、結果が求められます。
小売業の現場では、お客様に高品質で安全、安心の商品を提供するというプロセスは、もちろん重要ですが、売れるという結果も求められます。
そのため、エピソードを紹介する際も、結果までしっかりと伝えることが大切です。
自分の行動の結果、どんな成果が得られたのかを具体的に説明しましょう。
状況が大きく改善したなど抽象的な表現ではなく、数値を示すなど、より具体的かつ客観的に成果が伝えられるとベストです。
結論:その経験を活かして貴社では〇〇で貢献していきたいと考えております
エピソードで行動の結果まで伝えると、すべてを語り尽くした満足感が生まれますが、エピソードで話を終えてはいけません。
最後の結びとなる結論で、志望する企業に自分を売り込むことが大切です。
問題を解決するという成果がもたらされた、あなたが行動に出たエピソードを通じて学んだことや得たノウハウなどを、入社後にどう活かしたいか、活かせるかをアピールしましょう。
単に「経験を活かして頑張ります」では足りません。
どの企業でも使える汎用性のある内容はNGです。
企業の事業内容や仕事のスタイル、求める人物像などに照らし、具体的にどの部分で貢献できるかをアピールしましょう。
小売業界に向けた志望動機例文集
小売業の志望動機を効果的に伝える構成について学んできました。
次は実践することになります。
志望動機となった一番のポイントは何かを明確にし、そのきっかけとなった経験を理由にするとともに、企業への貢献につながるエピソードを選ぶ必要があります。
手順や準備すべきことは理解したけれど、具体的にどう書けば良いのか、いまいちイメージがつかめない方のために、小売業の志望動機の例文をご紹介しますので、参考にしてみてください。
例文①総合スーパー
私は国民の生活を支える流通を担っている御社の役割に魅力を感じて、志望しました。
大規模災害が発生したとき、いち早く無償で物資を提供し、大きな混乱があっても流通を止めない姿勢に感銘を受け、自分もその役割を担いたいと思ったからです。
私は洪水被害で被災し、避難所に避難した際、自らボランティアを申し出て物資の仕分けを行った経験があります。
女性を中心にデリケートな衛生用品を必要としているのですが、他の方の目が気になることや避難所を運営する市の男性職員に言い出しにくいという悩みがあることがわかりました。
そこで、女性向けケアセット、シニア向けケアセットを用意し、生理用ナプキンや大人のおむつなどをパッケージングしてみたのです。
すると、気軽に受け取れると、どんどん物資が行きわたり、それまでに毎日寄せられていたクレームが7割も削減されました。
この経験を踏まえ、お客様のニーズに親身に耳を傾け、必要とする商品の提供やサービスを提供していける人材として貢献していきたいです。
ポイント
結論、理由、エピソードにまとめの結論と基本構成に沿って話ができています。
災害時などの非常事態でも流通を止めない、必要な物資を届けるという役割を担うこと、国民生活に欠かせない点を志望動機としてアピールしています。
選んだエピソードも、災害ボランティアに関わることなので、話の流れとして理解しやすいスムーズな流れが形成されているのもポイントです。
例文②地元スーパー
私は生まれ育った地元で地域の方の食卓を豊かにしたいと思い、御社を志望しました。
東京の大学に進学したため、一人暮らしを経験しましたが、その際、訪れたスーパーで品揃えの少なさや価格の高さで思うような買い物ができず、御社の品揃えの豊かさとお値打ち価格が理解できたからです。
大学時代のアルバイトは、学校に近いスーパーの総菜調理のスタッフをしていました。
学生街ということもあり、スタッフも若い人が多く、スーパーに並ぶお惣菜もお弁当や揚げ物が中心でした。
ですが、親元が離れているからこそ、おふくろの味が必要と考え、御社で販売されているような煮物やサラダ、魚の総菜を作ろうと提案してみたのです。
売れ残りそうな野菜や魚を使用することで食品ロスも抑えられ、総菜売り場の売上も3倍になりました。
この経験を通じ、地域の方に喜ばれる商品開発を行うなど、より豊かな食卓づくりに貢献したいです。
ポイント
結論、理由、エピソードにまとめの結論と基本構成に沿って話ができているとともに、都会のスーパーと地元のスーパーをどちらも見た結果、地元のスーパーに魅力が感じた点をわかりやすくアピールしています。
都会のスーパーのことを知ったからこそ、地元のスーパーの役割や魅力を理解し、地元を選んだことを伝えられています。
一方で、アルバイトでは、地元のスーパーのノウハウを都会に持ち込むなど、地元のスーパーが都会のスーパーより素晴らしいとのアピールもできているのがポイントです。
例文③コンビニ本部
私はコンビニの役割が現代の生活になくてはならないと考え、御社を志望しました。
若い人のお店と考えていましたが、アルバイトを経験したことで、毎日訪れる高齢者の多さや楽しそうにコンビニスイーツを選ぶ幼い子が多いことに気づいたからです。
私はコンビニで大学3年間アルバイトをしていました。
週に一度、杖を突いて訪れ、外出がままならないために、まとめ買いをされるご高齢者がいました。
重い荷物を持ち、足元も不安があったので、店長の許可を得て、お荷物運びのお手伝いをしたところ、地域の方から認められ、地域優良店として商店会の方からお店が表彰されるに至ったのです。
おかげで、来店数がより増え、高齢者のお客様も倍増しました。
この経験を活かし、少子高齢化のニーズに応えたコンビニに求められる新たなサービスの開発に取り組みたいと考え、御社の本部総合職を志望いたしました。
ポイント
結論、理由、エピソードにまとめの結論と構成がなされてます。
コンビニは若者や一人暮らしの社会人がメインの客層に思えますが、都心を中心に一人暮らしの高齢者の生活を支える身近で便利なお店ともなっています。
地域で子供たちの防犯を守る役割を担っているケースも少なくありません。
コンビニに求められる新たな役割や時代のニーズに沿ったサービスの開発をしたいと、経験談に沿ってアピールができているのがポイントです。
終わりに
小売業界は明暗が分かれる業界でもあります。
上手に戦略を展開して売り上げを上昇させる企業と、苦戦して後ろ向きの経営をしている企業。
企業研究の段階で、自分が志望している企業はどちらのタイプなのかをしっかりと研究し、エントリーするようにしましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート