広告業界は、とても華のあるイメージから、例年多くの就活生から人気を集めている業界です。
しかし、応募数が多い中で通る志望動機はどのように書けばいいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、広告業界の志望動機について、広告業界の基本情報から近年の動向まで交えて解説しています。
広告業界は、業界の特徴や業務内容、その職種について理解することが特に大切な業界になりますので、この記事からその理解を深め、勝ち残れる志望動機を書けるようになりましょう。
目次[目次を全て表示する]
【広告業界の志望動機】そもそも広告業界とは?
広告業界はとても人気のある業界ですが、業界について詳しく理解している、という方は案外いないのではないでしょうか?
特に、これから志望動機を書こうとしているならば、広告業界の理解を深めておく必要があります。
この項目では、そもそも広告業界とは?について説明します。
広告業界は世の中の変化に敏感な業界になりますので、まずは基本の情報を紹介し、そのあと近年のトレンドについても解説いたしますので、ぜひ読みこんでみてください。
広告代理店のビジネスモデル
まず、広告とは何か、広告の目的、またその業態について説明します。
広告とは、商品やサービス、キャンペーンの認知度を上げるために、個人や企業が打ち出すサービスの1つです。
広告主が広告を出す目的は、大きくは以下の3つに分けられます。
・ブランド認知度の向上
・売上の増加
・Webサイトへのアクセス数の増加
広告は、広告主にとって、潜在顧客にアプローチする貴重な機会となります。
その広告を、ターゲット顧客により適格に、より魅力を持ってもらえるように設計し、その手数料を得るのが基本のビジネスモデルとなります。
ただ、従来はそれだけの事業だったところが時代とともに変化し、実際に広告を制作する役割も担うようになったことが広告業界に大きな転換をもたらしました。
社内やグループ内に制作部門を持ち、広告制作と同時にクライアントの商品開発や企業・製品のイメージ構築なども手掛け、イベントプロデュースなども行う企業へと変わったのです。
そんなにも多岐にわたる広告代理店にはどんな種類があるのかについても触れていきます。
総合広告代理店
就活生に人気で誰もが知る有名企業は、ほぼ総合広告代理店に属するといえます。
特徴は、1つのメディア媒体ではなく、実にさまざまな種類の広告枠を取り扱う点です。
テレビはもちろん、新聞・雑誌などメディアというメディアを網羅し、横断的アプローチを可能にする大企業です。
クライアントのマーケティング活動も担当し、広告主と消費者を結ぶのが社会的な役割といえるでしょう。
すべての広告において企画から制作まで総合的に手掛け、業界の中心に座す企業といえます。
メディア媒体を複数またいだ広告の打ち出しは、消費者が同時に同じ情報を目にする機会を生み出します。
例えばテレビCMと同時にインターネット広告を配信し、電車内など交通広告にも同じ情報が露出することで高い訴求効果を生むことができます。
それぞれの出稿がバラバラでは広告主の対応も多大な手間になってしまいますが、総合広告代理店であれば全部まとめて依頼することが可能です。
イメージの統一化も図れるため、労力の面でも費用対効果の面でも非常に高いメリットがあります。
専門広告代理店
専門広告代理店は、1つのメディア媒体に特化し、広告枠を販売する代理店を指します。
例えば新聞広告を専門に取り扱う広告代理店もありますし、屋外広告の枠だけに特化した専門広告代理店などもあります。
この後述べるインターネット広告に関しても、専門に取り扱うという意味では専門広告代理店に属するともいえるでしょう。
専門であるがゆえの独自のノウハウを持ち、理想的な費用対効果を生み出すという特徴があります。
ただ一番大きな特徴は、その立ち位置にあります。
専門広告代理店はメディア側に立った代理店であり、専門メディアの枠を販売する活動をします。
新聞社やテレビ局、出版社などが代表例や主な例ですが、時代とともに総合広告代理店へ転進する流れがあることもまた事実です。
ただ、ターゲットユーザーがある程度明確で、広告を出したい枠が絞れているような場合には、クライアントがわざわざ総合広告代理店に頼む必要がありません。
そうした場合は特定の媒体に強い専門広告代理店に依頼した方がコスト面でも良いという判断になることは当然です。
インターネット広告代理店
近年急成長し、とても無視できなくなったのが、インターネット広告に特化した広告代理店です。
媒体別広告費を見ても急激に伸びており、他のメディア媒体が低迷する中、火のついたような勢いを見せている市場で活躍する代理店になります。
インターネット広告代理店はあらゆる種類のインターネット広告を駆使し、提案から広告を実施する会社です。
クライアントの商品やサービスをプロモーションするためには、どのようなインターネット広告媒体が最適であるかから調査し、最も費用対効果の高い広告を提案します。
すでに名の売れた大手企業も続々と参入しており、リスティング広告やバナー広告、動画広告などの他、メール広告、アフィリエイトなど実にさまざまな展開をしているのが特徴です。
コンテンツマーケティングやソーシャルマーケティングなども専門にし、特に若い世代のユーザーへの高い訴求力は群を抜いています。
おそらく現在の就活生なら、テレビCMよりインターネット広告の方がずっと目にする機会が多いでしょう。
ハウスエージェンシー
ハウスエージェントシーとは親会社やグループ会社など、特定企業に特化した広告案件を専属で対応している会社になります。
仲介手数料などのコスト削減だけではなく、グループ企業が持つ情報などの漏洩リスクが軽減されることから注目を集めています。
広告業界の主な仕事内容
広告業界に入りたいと考えていても、具体的にどのような仕事を担うつもりかがハッキリしていない就活生は、ふるいに掛けられた際に落とされてしまう可能性があります。
詳しい職種は代理店ごとに異なりますが、ここでは入社後どのような仕事を担当することになるか、一般的な内容をまとめているので、順番に見ていきましょう。
広告業界の仕事は大きく分けると3つあり、それぞれが役割を分担して業務にあたっています。
基本的にはすべてクライアントあっての仕事になりますが、それぞれの部署が企業内で具体的にどのような業務を担っているかを解説します。
主な部署とは、以下の通りです。
・営業・サポート
・企画
・クリエイティブ
営業・サポート
営業・サポートは、メイン業務である広告枠の販売を担う部署です。
広告主に出稿やプロモーションの実施を提案したり、広告主から案件の依頼を受けて提案を行ったりすることで、仕事を受注する業務です。
高いコミュニケーション能力で広告主の課題やニーズを引き出すとともに、それを制作部署に伝え、受注につなげることが命題といえるでしょう。
コスト面も含めてプロジェクトをまとめ上げる必要があるため、予算はもちろんスタッフ編成なども含め、広告主の要求に応えられるよう全体の調整を行います。
受注後は納期を守るために進捗管理し、予算オーバーとならないようマネジメントする業務も担います。
企画
営業からの情報をもとに、広告主が求める企画を練り上げるプランナーが企画部署です。
真のニーズや課題を掘り起こし、どのような戦略で消費者へ訴求するかを考えるのが命題です。
マーケティングの実施はもちろん、効果的な広告手法や最新技術なども常にアンテナを張って調査し、いかにクライアントの要望に応えられるプランにするかが腕の見せどころといえるでしょう。
受注は複数の企業の企画のうち、最も優れた企画を選ぶ「コンペティション」になることが非常に多いので、競合に勝ち、案件を獲得するための企画を練りこみ、クリエイティブへ的確に依頼することも重要です。
クリエイティブ
企画から渡された内容を、具体的に形にする部署がクリエイティブです。
広告表現に関するすべての業務を担い、コピーライターやアートディレクター、グラフィックデザイナーなどもここに所属するのが一般的です。
代理店によってはCMの構成を考えるCMプランナーなども存在します。
肩書きはさまざまですが、実際に制作を行う部門であり、広告の最終的なクオリティを左右する重大な任務を持つ部署といえます。
【広告業界の志望動機】広告業界の近年の動向
Web広告の急速な台頭
Web広告とは、インターネット上で顧客に表示される広告のことです。
みなさんもWebブラウザで検索しているとき、SNSを見ている時なんかに表示されるのではないでしょうか。
Web広告の台頭には、2つの理由があります。
まず1つ目の理由は、インターネットの台頭です。
いまでは一般的に使われるインターネットですが、歴史的に見ると普及は最近です。
トレンドに敏感な広告業界では、インターネットの普及でまもなくインターネット上で広告を打ち出すことになりました。
また、もう一つの理由は、インターネット広告ではターゲティングがしやすい点です。
Web上では、ユーザーがどんな系統の記事を訪れているかを測定し、それに合わせた広告を表示させることが可能です。
そのツールの導入は広告業界に大きな革新をもたらしたとともに、広告の導入ハードルを下げることになったのです。
実際みなさんの手元にも、みなさんに興味のある広告が流れてくることが多いのではないでしょうか。
このWeb広告に関しては、今後も伸びていくと見て間違い無いでしょう。
広告のDX化
広告のDX化とは、ツールやシステムを利用して、広告の表示数や予約数、顧客数などを管理できるようになったことです、
広告業界では、データの蓄積が本当に大切になります。
デジタル技術の進歩により、データの抽出、分析、蓄積が容易になり、広告運用に大きな革新をもたらしました。
また、AI技術を活用して広告の効果の測定を自動化することで、効率よくデータが集められるようになったのも特徴です。
広告のDX化は広告運用においてもはや欠かせなくなったといっても過言ではないでしょう。
日本の広告企業の海外進出
日本の広告企業は近年、積極的に海外に進出しています。
その背景には主に3つの理由があります。
・国内市場の縮小
・新興国の経済成長
・デジタル広告市場の拡大
国内市場は、国内で広告が出回り切ってしまったことや、若年層の広告離れから、縮小傾向です。
そのため、まだ広告文化が浸透していなかったり、潜在顧客が多く眠る改題に目を向けるようになったというわけです。
また、海外の中でも特に新興国では、経済成長が著しいです。
経済成長が著しい国では、頻繁に新しい事業やサービスが立ち上がりますが、それらを宣伝する術をもっていないことがほとんどです。
そのため、新興国において宣伝技術をもっている広告業界の企業はかなり重宝される傾向にあります。
また、上記で述べたデジタル技術の進歩も、大きな要因の1つになります。
国内にいても海外の企業とコミュニケーションがとれたり、広告の効果測定を行えるようになった点は、日本の広告企業の海外進出に大きな影響を及ぼしました。
この大きなチャンスをつかむため、今後も海外進出をする広告業界の企業は増えていくと予想されます。
広告業界が人気な理由
なぜ広告業界はここまで人気を集めているのでしょうか。
理由の一つに、「おしゃれ」「かっこいい」というイメージがついていることが挙げられます。
髪型や服装の規定も比較的自由であるために、華やかな社会人生活に憧れる学生から羨望のまなざしで見られているのです。
また、電通や博報堂などの大手広告代理店は平均給与が1,000万円を超えることでも人気を集めています。
業務内容は激務である、時間外労働が多いなどのマイナスイメージもありますが、それを補うほどの魅力があるのです。
【広告業界の志望動機】人事が志望動機から見ること
年収が高く、また華やかなイメージの広告代理店は、ドラマや漫画の舞台になることも多いため憧れを抱く学生は多く、就活の市場では長きにわたって人気を誇る業界です。
そのため、大手の代理店を中心に、毎年募集人数を大きく上回る人数がエントリーするために激戦区として知られています。
狭き門をくぐり内定を得るためには、人事の心を掴む志望動機を作成する必要があります。
果たして、採用担当者は志望動機に何を求めているのでしょうか。
3つに分けて紹介していきます。
・熱意
・人柄
・適性
熱意
まず、熱意があるかどうかがチェックされます。
熱意がある人材かどうかは、仕事にも成果を出し長期にわたり企業に利益をもたらしてくれるかを測る指針の一つです。
採用活動と人材育成には多大なコストがかかります。
コストを回収するためにも、早期離職は企業に取って最も避けたいリスクの一つなのです。
志望動機の中から熱意を感じさせるためには、企業研究を充実させているか、自分なりの価値観で語れているかなどがポイントになります。
人柄
志望動機からは人柄もチェックされます。
能力や学歴は大切ですが、新卒の採用ではポテンシャルや人柄が重要視される傾向があります。
会社を作るのは、働いている人間です。
どんなに優秀でも人柄に問題があれば、円滑に業務は進められません。
企業を成長させてくれる人材か、ストレス耐性やコミュニケーション力があるか、企業は文章一つひとつから読み取ろうとしています。
また、一般常識の有無も人柄の一つとして評価されます。
志望動機を書く際には、自分らしさと社会人としての常識を感じさせる文章にしましょう。
適性
最後に、適性の有無も判断されるでしょう。
企業は、学生とのマッチングをかなり重要視しています。
熱意が十分にあり、人柄が申し分のない学生であっても、企業とのミスマッチがあれば、貢献できる可能性は低く、早期離職のリスクも上がるのです。
志望動機のアピール内容や志望するきっかけなどから、自社にマッチするか否かは判断されます。
企業ホームページの募集要項に書かれている「企業の求める人物像」をチェックし、志望動機の内容がかけ離れていないかをチェックしてください。
【広告業界の志望動機】志望動機を作る前にやること5選
広告業界は、他の業界とは異なり応募者が殺到するため競争率も高くなります。
そのため、広告業界で働きたいと考えている学生は、志望動機をしっかり考えなければなりません。
全国から優秀な学生が応募するので、他の学生との差を広げるような志望動機を考える必要があります。
志望動機を考える際は、次の3つの準備をしっかり行うようにしてください。
準備をしっかり行うことで、他の学生にはない魅力的なエントリーシートを書き上げることができるのでぜひ実践しましょう。
①入社後のキャリアプランを考える
②広告業界への志望理由を考える
③入社後企業にどう貢献できるかを考える
④企業研究を行う
⑤自己分析や他己分析を行う
①入社後のキャリアプランを考える
志望動機を書く際は、入社後のキャリアプランを考えましょう。
広告業界にはさまざまな仕事があり、テレビのコマーシャルを作る人もいれば、自治体とタッグを組んでSNSで話題になるような仕掛けを考える人もいます。
自分が一体広告業界で何をしたいのかを具体的に考えれば、自分が広告業界でどのような働き方を希望しているのかが見えてくるので、ぜひキャリアプランを考えましょう。
この時キャリアプランが思いつかない場合は、企業研究や業界への研究が足りない証拠でもあるので、徹底的に調べるように心がけてください。
②広告業界への志望理由を考える
広告業界に憧れる就活生は少なくありません。
しかし、憧れだけでは説得力のある志望動機を書くことができないので、より具体的な目線で志望動機を考えるようにしましょう。
この時やってはいけないことは、「かっこいい業界」「おしゃれだから」という理由を志望動機に書かないようにすることです。
一見華やかな世界の仕事に思えますが、実際のところは泥臭い仕事もあれば、板挟みになって辛い思いをすることもあります。
広告業界の現状を分析し、自分がどうして広告業界で働こうと思ったのか、自分はどんなことに興味を持ったのかを考えてみましょう。
③入社後企業にどう貢献できるかを考える
広告業界で自分がどのような価値を提供できるか、という点を考えることも大切です。
広告業界は他の業界よりも一層クリエイティブ性が求められます。
自分が広告業界に入ることで、会社に対してどのようなことを提供できるか、自分のスキルと広告業界を掛け合わせた価値は何かを考えましょう。
一見すると難しいことに思えますが、広告業界で本気で働きたいと考えて自分が貢献できることを考えていけば、それが何かは見えてくるようになります。
自分のスキルが広告業界にどう貢献できるか、という点を志望動機に書くことができれば、他の学生と差別化を図ることができます。
ぜひ、自分ならではの強みを探して、志望動機に取り入れてみましょう。
④企業研究を行う
まずは、企業のホームページを見てみましょう。
企業のホームページは、企業のデザインにおける工夫や趣向が垣間見えたり、今までの功績を確認したりできます。
そのページから、企業の今後の方向性や、社風に着目して情報を収集してみましょう。
ここで詳しく調べておけば、企業への理解度が非常に上がります。
なぜかというと、実際に自分が働くことになった場合のビジョンを、より想像しやすくなるからです。
また、説明会や人事面談、OBOG訪問などから、企業がどのような性格やスキル、経験を持つ人材を求めているのかについて把握しておきましょう。
企業の求める人材像を抑えておくことで、自己PRの際に役立てられます。
新卒は熱意が重視されます。
企業研究を充分に行うことで、その企業に対する熱意のアピールも可能になりますので、ぜひ徹底的に企業研究をしてみてください。
⑤自己分析や他己分析を行う
自分の人柄を知るために、自己分析や他己分析を行ってみましょう。
自己分析・他己分析を行うと、今まで見えてこなかった自分の性格や資質が発見できるかもしれません。
自分の性格を理解し、整理することで志望動機の内容も洗練されます。
広告業界に必要な能力と自身の経験やスキル・人柄を結び付けて、魅力的な志望動機を作成しましょう。
自己分析のやり方については、以下の記事も参考にしてみてください。
【広告業界の志望動機】志望動機を書く際のポイント
ここからは広告業界への志望動機を書く時のポイントについて解説していきます。
今回は、5項目をピックアップしています。
広告業界への志望動機を書く時のポイントについてご興味がある方は、参考にしてください。
①自分らしさをアピールする
②広告業界に有効なアピールをする
③憧れで終わらせない
④その企業でなければいけない理由を説明する
⑤自分の熱意も忘れずに
自分らしさをアピールする
志望動機は自分の人柄と結び付ける必要があります。
自分の性格を志望動機に絡めることで企業に効率よく人柄を理解してもらえるのです。
就活において自分らしさをアピールするためには、以下の方法があります。
・自己分析から自分の強みや弱みを理解する
・自分のスキルや特徴を強調する
・自分が業界に興味を持った理由を体験ベースで伝える
ポイントは、いかに自分のことが理解できているか、という点になりますので。ここでもやはり自己分析の必要性が分かるかと思います。
ぜひ自己分析を活用して、自分らしさのアピールを組み立ててみてください。
②広告業界に有効なアピールをする
広告業界において必要な「トレンドへの敏感さ」「コミュニケーション力」「ストレス耐性」などを特に重視して伝えてみましょう。
広告業界は、常に最先端の情報を発信しています。
しかし、その職業柄、さまざまな業界の方と交流したり、または過密なスケジュールをこなさなければならない場合もあるでしょう。
企業も、そのような点に対応できるかどうかを見極めたいと思っています。
そのため、トレンドへの敏感さ・コミュニケーション力・ストレス耐性などが響きやすいのです。
またこれだけではなく、企業研究で、企業の求める人物像を確認し、自分に当てはまるものをアピールしていきましょう。
憧れで終わらせないのがポイント
志望動機は単なる「憧れ」だけで終わらせてはいけません。
なぜなら、それはかなりあいまいな志望動機となるためです。
企業は自社で働きたいと強く思っている人材を採用したいと考えています。
だからこそ、志望動機があいまいでは、その熱意は伝わり切りません。
憧れを持った後、どのようにしてその企業にたどり着いたのか、その憧れに対してその企業はどうだったのか、という点まで伝えられるとよいでしょう。
その企業でなければいけない理由を説明する
その企業を選んだ理由というのも重要です。
広告業界といっても、大手3社、それ以外にも無数の企業が存在します。
「広告業界であればどこでもいい」という学生ではなく、「この企業でなければ意味がない」と断言する学生を雇用したいのが企業の本音です。
その想いをストレートに伝えるためには、他の企業ではなくその企業を選んだ確かな理由を明記するようにしましょう。
自分の熱意も忘れずに
熱意ばかりではいけませんが、熱意が全くないのも問題です。
主旨を明確にして論理的に伝えることを意識する一方で、熱意も込めるように意識してください。
ドライな性格の学生ではなく、情熱や希望に満ちている学生の方が、企業の担当者は採用したいと考えるでしょう。
「広告業界の中でも、御社のビジョンやお会いした方々の人柄に特に惹かれたため、志望させていただきました。」
【広告業界の志望動機】志望動機の構成
広告業界は就活生に人気の業界の一つであり、内定を取るためには高い競争率を突破しなくてはなりません。
一方で、広告業界は体力的にも精神的にも強いことが要求される業界でもあるため、面接において厳しい質問が投げかけられるケースも少なくなく、志望動機も極めてシビアに審査されます。
そのため、広告業界で内定を得るには、内定が取れる志望動機の構成を踏まえるとともに、どのような内容を盛り込んでいくかも、よく吟味していくことが必要です。
広告業界においては職種にもよりますが、プレゼンをする機会や相手と交渉する機会が多いです。
そのため、人に話をする際にはいかに分かりやすく、明確にポイントを伝え、人を自分の話に引き込んで説得をするかが重視されます。
プレゼンスキルや営業トークの基本ともなるのが、次の構成です。
まずは結論からはじめる点を間違えずに、構成の基本ステップを踏んでいきましょう。
①結論
②理由
③エピソード
④結論
①結論:私は〇〇という点で貴社を志望しました
広告業界を志望する人は早期から業界研究や企業研究、就活対策に取り組んでいる人も多く、ゼミなどを通じてプレゼンの練習などもしているかもしれません。
そのため、話のスタートは結論からというのは、当然の常識として身に付けているかもしれないですが、改めて注意して書き始めましょう。
もっとも、結論と理由が混在してしまう人や、余計な前置きを入れたくなる人も多いため、注意が必要です。
志望動機を回答する際の最初は結論から、端的にその広告会社を志望したポイントを伝えましょう。
②理由:なぜならば〇〇という経験で〇〇と考えたためです
結論を述べた後に、その理由を述べます。
なぜ、その企業を志望するに至ったか、志望動機を抱くキッカケとなった経験とその時に考えたことを伝えます。
③エピソード:私は〇〇で〇〇ということをしていました
続いて、その広告企業で活躍するために必要となるような、自分の魅力や強みをアピールするためのエピソードを話します。
面接官に、この人物は見込みがある、うちで活躍できるタイプだと思わせるような魅力を伝えるエピソードであることがポイントです。
また、単なる自慢話や美談では終わらず、結果が出せたという具体的なエピソードでなくてはなりません。
学生生活やアルバイト、ボランティア、海外留学や海外旅行、インターンなど経験の内容は問いませんが、何らかの問題に直面し、それを乗り越えるために自分の強みを発揮させ、解決に至るといった結果が出せたエピソードを選ぶ必要があります。
エピソードの構成は、問題、行動、結果の順に書くとわかりやすいです。 以下で詳しく説明していきます。
問題:その経験で〇〇という問題に直面しました
エピソードの概要を簡潔に分かりやすく述べた後、直面した問題について説明しましょう。
ドラマ仕立てにする必要はありませんが、面接官が瞬時に状況をイメージできるように分かりやすく明快に伝えることがポイントです。
面接官はあなたの経験を見聞きしたのは初めてですので、あなたの話を聞いて、映像が思い浮かぶように直面した状況を伝えましょう。
行動:そのため私は〇〇を行いました
次にその問題に対して、あなたが取った行動について説明します。
あなたが広告会社で活躍できることをイメージし、自分の強みを発揮させた行動であることがポイントです。
結果:その結果〇〇になりました
行動に出ただけで終わりにするのではなく、きちんとその結果を伝えましょう。
問題が解決した、事なきを得たと一言で済ませるのではなく、具体的に成果を示すことがポイントです。
問題が生じていた時点と、あなたの行動を取った後でどう変わったのか、ビフォーアフターを比較して示せると説得力が増します。
具体的な数値の違いなどデータを示して、客観的な指標を用い、行動前と行動後の違いを示せるとベストです。
④結論:その経験を生かして貴社では〇〇で貢献していきたいと考えております
志望動機の話を締めくくる結論として、その広告会社で、エピソードを通じて得た経験を踏まえ、具体的にどう貢献できるかをアピールしましょう。
エピソードの話に熱くなりすぎて、結論を忘れ、時間切れにならないように気を付けましょう。
結論はあなたの入社意欲の高さや、その企業でなくてはならないという熱意をアピールするために欠かせない構成要素です。
○○でという点は、その企業ならではの仕事のスタイルや社風などを踏まえて、具体的に示せることがポイントになります。
そうすることで、他の広告会社ではなく、その企業で活躍したい、貢献したいことが伝わりやすくなるからです。
広告会社で内定を得るには、話し方の構成やエピソードを通じて有能な人材であることをアピールするだけでは足りません。
広告会社としては有能な人材であるだけでなく、内定を出せば、確実に入社してくれるであろう人を求めています。
どの就活生も複数の広告会社にエントリーしていることは了承済みですから、ぜひとも御社にという熱意が伝えられるかが、志望動機の最初と最後の結論における重要なポイントです。
【広告業界の志望動機】例文
ここでは志望動機の例を紹介します。
例を参考にオリジナリティあふれる志望動機を書いてみてください。
私は広告というものを通して、人々の消費の最適化を手助けしたいと考えています。 何かを買う時、無数に提示される選択肢の中から、何がその人に一番合っているのかということを広告という目線から推奨したいと考えています。 御社のWeb広告ではユーザーの検索履歴などから興味の動向をチェックし、条件を絞って最も理想的な商品を表示するというサービスを展開されていますが、この手法と私の理想が非常に強くマッチしていると感じました。 今後はこういった広告の打ち出し方が益々ポピュラーなものになっていくと思いますが、その中でもWeb広告業界最大手として活躍している御社で、私も最先端のサービス、技術を学んでいきたいと考えています。
私が御社を希望したのは、商品がきちんと記憶に残る魅力的な広告を作りたいと考えたからです。御社の広告は非常にデザイン性が高く、人の心を感動させるのと同時に、商品やサービスの印象が強く記憶に残る作品が多いと感じました。〜の映像は、今でも忘れることができません。私は大学時代にデザイン学科を専攻し、ゼミでも広告デザインの研究や実験制作などを行っていましたが、一目見るだけで記憶に定着させる映像を制作するのは非常に難しいと実感しました。デザイン会社でアルバイトをしたり教授のサポートをしたりすることで評価を得られるようになりましたが、経験を積めば積むほど、御社の広告の秀逸さを実感します。私は大学時代に色彩の技術を中心に学びましたので、自身の経験を活かし、商品を際立たせる映像制作で御社に貢献したいと考えております。
私は広告宣伝によって人と人とを結び付ける仕事がしたいと考え、御社を志望しました。現在広告業界で注目されているインターネット広告は、それまで大手企業と人とを結び付けていた広告の在り方を大きく変えつつあると考えます。御社はインターネット広告の分野に精通しており、よい商品やサービスがあっても広く発信することができなかった生産者側と消費者一人ひとりとを強く結び付けています。私は大学時代に村興しイベントを主催する団体でアルバイトをしており、そこで地方から世界に情報を伝えるノウハウとコミュニケーション能力を学びました。御社に入社し、培ったコミュニケーション能力を活かし、世界中の人と人とをつなげる営業分野で活躍したいと希望します。
【広告業界の志望動機】NGな志望動機例
採用担当者がNGと感じる志望動機にはいくつかの共通点があります。
多くの場合、理由が漠然としすぎている、どの業界・企業でも通用する文言といった点が挙げられています。
また、「待遇がよさそうだった」などという志望動機がNGなのは当然ですので注意しましょう。
私は大学時代にデザイン科を専攻し、広告制作について学びました。大学では〜や〜の広告賞に応募し、入賞したこともあります。御社は素晴らしい広告を制作していらっしゃいますし、新人研修にも力を入れておられるので、ぜひ学ばせてもらいたいと感じました。大学時代で培ったことを活かし、よりよい広告を作ることで貢献したいと考えています。
企業へ貢献できる能力のアピールではなく、自分が学びたいために入社したいという動機になってしまっています。
賃金をもらって企業で働くということは、学費を支払って学校に入学するのとはまったく違います。
最初から教えてもらう気しかないと判断されると、とても企業に貢献できる人材には見てもらえませんので注意してください。
私は大学時代に〜や〜など、たくさんのアルバイトを経験しました。サークルも〜や〜など複数に所属し、常にたくさんの人と触れ合うことでコミュニケーションスキルを磨いてきました。また、休み期間中は〜や〜などさまざまな国へバックパック旅行に出かけ、現地の人たちと触れ合うことで幅広い価値観も身に付けることができました。私はこうしたたくさんの経験とコミュニケーションスキルを活かし、御社で活躍したいと考えています。御社は業界大手で、さまざまな業界のクライアントと取引をされています。私は御社に入社して、クライアントと意思疎通を図り、業績アップに大きく貢献したいと考え、志望しました。
さまざまな経験やコミュニケーションスキルをアピールしていますが、広告業界を志望する理由が不明確です。
もちろん実体験が多いのはよいことですが、他の仕事にも通用することであり、なぜ広告業界でなければならないのかが分かりません。
何となく名前の通った大手を選んだだけで、業界研究や企業研究はなされていないと判断されても致し方ないでしょう。
私は広告で感動を生む仕事をしたいと考え、御社を志望しました。特にテレビ広告は大きな感動を生むため、ぜひテレビ広告の仕事で活躍したいと考えています。現在、広告業界はインターネット広告のシェアが急激に伸びていますが、テレビが生活からなくなることはないと考えます。私は子どもの頃からテレビが大好きで、毎日何気なく見ているテレビ画面から思わず感動する映像が流れてくるところにドラマを感じていました。テレビ広告に強い御社に入社し、人々に感動を生むCMに携わる仕事で貢献したいと考え、志望しました。
広告が感動を生むという持論ですが、範囲が広すぎて曖昧であり、広告業界を志望する理由としては弱くなっています。
なぜテレビ広告が大きな感動を生むのか、どのようにそれを確信したのか、客観的に納得できる根拠が示されていないため全体が漠然としたまま進んでいます。
また、自身のアピール内容が明確ではなく、すべてが主観的な内容になっています。
【広告業界の志望動機】志望動機は見直しが重要
我々だけでなく、企業も日々アップデートしています。
「同じ業界だから」「以前書いておいたものがあるから」などの理由で、志望動機を使い回すのはおすすめできません。
その都度、志望動機は見直しましょう。
あらためて向き合うことで、違ったアプローチが見えてくる場合もあります。
自分で見直すだけでなく、家族や友人など身近な人に頼んで見てもらうのも良いでしょう。
また、他社目線での印象などもしっかりと確認しておきましょう。
就活エージェントを活用しよう
まだ活用したことがない人も、この機会にぜひ就活エージェントを活用してみましょう。
自分の力で勉強したり、自分を知っている身近な人に相談したりすることも、もちろん大きな力になります。
しかし、ときには自身をまったく知らない人からの客観的な意見も必要です。
なぜなら、面接をする企業は、自分のことをまったく知らない人だからです。
就活エージェントでは、基礎的なミスの指導から、より魅力的に見えるアドバイスまでもらうことができます。
せっかくなので、企業を志望する前に、さらなるブラッシュアップを目指し、今もっている自分の全力を出し切りましょう。
おすすめのサービスは「就活市場エージェント」です。
おわりに
いかがだったでしょうか。
志望動機を書くときは、まず広告業界に興味を持った理由を明確にした上で、入社後の具体的なキャリアプランや、企業、業界への貢献の仕方をアピールしましょう。
また、志望動機は見直してブラッシュアップすることも大切です。