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はじめに
「私は聞き上手です。」「人の話を聞くのが得意です!」
とても素敵な自己PRですよね。「聞き上手」。つまり相手の話を聞く姿勢ができているということは、ビジネスの場で大きな強みになります。話している相手も気持ちがいいので、信頼関係を築く上で大きな強みです。
企業はコミュニケーション能力の高い人を求めています。円滑なコミュニケーションの基礎となる「話を聞く力」をうまくアピールできれば、良い印象を与えることができるでしょう。
しかし、自分と同じ「聞き上手」を武器にする就活生が多いのが現実です。「人の話をよく聞くところが強みです!」とだけ言うと「また聞き上手ネタか…と」思われてしまうかもしれません。
つまり「聞き上手」という強みはそういった意味でアピールするのが難しい強みでもあるのです。
今回はたくさんいる「聞き上手」のなかでも抜きん出たアピールするために重要なポイントをお伝えしていきます。
大学卒業後、大手人材会社に就職し、新人賞、MVPを受賞。その後、さらなるキャリアステップのため、ベンチャー企業にて人材コンサルティング事業部の立ち上げを行う。キャリアアドバイザー、採用コンサルタントを兼務し、1000名以上の学生と面談を実施し、100社以上の企業の採用コンサルティングを実施。また、就活セミナーの講師として、就活生に対して就活のノウハウも提供し、就活生、企業の目線から最適なアドバイスの提供を行う。
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聞き上手な人の特徴
聞き上手であることを自己PRに用いようと考えている人は今一度、聞き上手である人の特徴を知って、自身の強みを再認識しましょう。
理解力がある
一つ目の特徴は理解力があるという点です。
聞き上手な人は相手の立場に立って物事を考えることができます。
そのため相手の話の要点を掴み、的を得た返答をすることができます。
理解力があることは面接でも大いに役に立ちます。
というのも面接ではいくつかの質問をされますが、それぞれの質問の意図を理解し、適切な回答ができると面接官に良い印象を与えられるからです。
人から相談されやすい
二つ目の特徴は人から相談されやすいという点です。
聞き上手な人は話のテンポを合わせたり、相槌を打つのが上手であるなど、話の聞き方が上手いため、相手に心地よく話をさせることができます。
そのため相手の話を引き出すことがうまく、人から相談されることが多いです。
人から相談されるということは信頼関係を築けている証でもあるため、入社後にも活かせる強みになるでしょう。
相手の意見を受容する
三つ目の特徴は相手の意見を受容するという点です。
聞き上手な人は相手の意見が自分と違っても、それを完全に否定するわけではなく、一度相手の意見を受け入れてから「でもこういう考えもあるのでは?」と柔らかく提案することができます。
相手の意見を受容できることは自分の考えに固執せず、新たな知識を受け入れることができるため、考え方の視野が広がるでしょう。
職種別!聞き上手が活きるのはどんなとき?
そもそも「聞き上手」って、どんな職種で活かせるのでしょうか?
- 日々最先端でお客様と直接関わる販売・接客
- 自社商品を使ってお客様の課題を解決する営業職
- チームワークを大切にバックオフィスから営業を支える営業事務
- お客様からのオーダー通りにシステムを作って納品するシステムエンジニア職
他にもたくさん職種はありますが、皆様もうお分かりでしょうか?そう、聞き上手はすべての職業に活きる必須スキルなのです。話を聞く力は、すべての職種に必要だからです。
だから、もし営業職で応募をしたい会社があるならば
私は人の話をよく聞き、その人が求めていることは何かを考えるのが得意です。
御社に営業職として入社したら、お客様の話を時間をかけてよく聞くことでニーズに合った提案ができる営業マンになります。
そのためにはまず自社製品をよく勉強し、自社が取引をするお客様にはどのような課題をお持ちの方が多いのかを学びたいと考えております。
このようなアピールをすることができます。もし接客、販売の仕事をするならば、
私の強みは相手の話を、明るく相槌を打ちながら聞くことです。
販売の仕事ではまず、「この人と話していて楽しい」と思ってもらえることが大切だと私は考えます。
明るく楽しい気分になって、なんでも話したくなる雰囲気づくりができるように、お声がけの仕方や話しているときの表情、きれいな言葉遣いを心がけようと思います。
このように、
- 自分が目指す職種に求められることは何か
- それに対して「聞き上手」を活かすとしたら具体的にどうするのか
以上をアピールできれば上出来です。
聞き上手をアピールする自己PRの構成
自己PRで聞き上手であることを魅力的にアピールするためには論理的な構成にすることが大切です。
構成としては結論、エピソード、貢献の順に述べるのが理想的です。
そこで、ここからはそれぞれの構成部分に分けて詳しく解説していきます。
結論
自己PRではまず、聞かれている質問に対するアンサーを一言で答えるようにしましょう。
というのも伝えたいPR内容を最初の一文で述べているとその後の話の流れが理解しやすくなるからです。
例としては「私は相手の立場に立って物事を考えることができます。」のようにわかりやすく簡潔に答えるようにしましょう。
エピソード
次に結論で述べた強みが発揮できたエピソードを述べていきます。
理由としては実際に経験したエピソードを述べることで人事担当者が学生のことをイメージしやすくなり、説得力が増すからです。
この時に意識するべきなのはエピソードの流れです。
まずはその強みを用いるきっかけになった課題や問題について述べます。
次に自分がその課題や問題に対してどう考え、どう行動したのかを述べます。
最後に自分の行動によってどんな結果が得られたのかを述べます。
この「課題→行動→結果」という一連の流れを意識すればより論理的なエピソードになるでしょう。
貢献
自己PRの締めには入社後に企業へどう貢献していくかを述べましょう。
ここも自己PRにおいて非常に大切なポイントです。
というのも、人事担当者は学生が自社に貢献できるかどうかをみているからです。
そのためには企業調べを徹底して行い、企業がどんな人材を欲しているのかをあらかじめ知っておく必要があるでしょう。
聞き上手なことを自己PRで魅力的にアピールする方法
聞き上手な性格を自己PRでアピールするには材料を集める必要があります。
ここからは、聞き上手なことを魅力的にアピールするための準備についてお話します。
聞き上手なことをどのようにアピールすればいいのかわからない人はぜひ以下の項目を参考に、情報を集めてみましょう。
聞き上手を自分なりに定義付けしよう
聞き上手といっても多義的です。
そのため、自分がイメージする聞き上手の定義を明確にしましょう。
聞き上手とは具体的にどのような特徴があるでしょうか。
例えば、人から話を聞きだすのが上手なのか、初対面の人とも話が続けられることなのか、相談に適切なアドバイスができることなのか、聞き上手は人それぞれ違います。
自分が想像する聞き上手を明確に言葉でまとめておきましょう。
友人や知人からの意見を参照
聞き上手な性格を裏付けるために、友人や知人からの意見を聞いてみましょう。
友人や知人から、なにか自分についての印象に関するエピソードをヒントにしてみると良いです。
自分だけで聞き上手なエピソードを考えても、どうしても主観的だとおもわれてしまいます。
友人や知人からの意見を参考にすることで、客観的に自身の性格を裏付けることができるのです。
友人や知人から意見を集めてみてください。
聞き上手の度が過ぎると短所になることも知っておく
聞き上手な性格は一般的には長所としてとらえられます。
しかし、聞き上手な性格も度が過ぎると短所になってしまうことも知っておきましょう。
聞き上手が行き過ぎると、例えば、自分の意見がない印象や、積極性や行動力に欠く印象を抱かれてしまいます。
自分の性格の短所的な要素もキチンと鑑みたうえで聞き上手な性格を自己PRしましょう。
聞き上手が企業でどのように活かせるかアピール
聞き上手な性格が、どの業界でも活かせるわけではありません。
営業などのサービス業、人と関わる機会の多い職業は、聞き上手な性格は重宝されます。
聞き上手のアピールが有効である業界に向けてアピールしましょう。
聞き上手な性格が企業でどのように活かせるでしょうか?
企業にどのように貢献できるのかアピールすると、企業もあなたと働くことをイメージできます。
聞き上手を用いた例文
自己PRでは学生生活やアルバイトでのエピソードなど、あなたにしかない実体験を書くべきです。その上で、あなたの「聞き上手」以外の長所も2個3個盛り込んでみましょう!
大学の授業での取り組みについて書くとすれば
授業にはできる限り毎日出席し、先生の講義をしっかり聞きました。
定期試験の前になると、どのような問題が出るかを複数の友人と前もって予想し合いました。
結果、5人くらいの友人と一緒に好成績を収めることができました。
短い文ですが、聞き上手以外にも
- 毎日コツコツ頑張る姿勢
- 仲間と力を合わせて一つの課題に向かう姿勢
- 結果を出すために万全の準備をする計画性
以上をアピールすることができています。
アルバイトでの経験を書くとすれば
カフェでのアルバイト経験です。
注文を取りに行ったところ、「甘くないケーキはどれ?」というお問い合わせを受けました。
お客様の要望をもう少しよく聞いてみようと思い、さっぱりしたフルーツを使ったケーキや、ビターチョコなので甘すぎないチョコケーキを提案しました。
お客様は生クリームが苦手だったようで、チョコケーキをご注文下さいました。
結果、「コーヒーによく合って美味しかった」とお褒めの言葉を頂くことができました。
お客様の要望をより詳しく知るために、こちらから積極的に質問する大切さを学びました。
このエピソードには
- お客様の満足度アップのための質問力
- 自社商品をよく知ろうとする勤勉さ
- お客様との関わりから学ぼうとする姿勢
以上のことが盛り込まれています。
エピソード付きで具体的なので、あなたが「どんな風に聞き上手なのか」をより鮮明に印象付けることができます。
ツッコまれるかも…聞き上手の弱みも自覚しよう
仕事をする上で必須の聞き取る力が優れている「聞き上手」のあなた。良いイメージばかりですが、長所は裏を返せば短所です。
聞き上手ということは、相手の話を聞きすぎるあまり自分の意見が言えなかったり、適当に相槌を打っているという印象を与えてしまい、「この人、何を考えているかわからない。」と、相手によっては信用を失ってしまうかもしれません。面接官があなたのことをよく知るために、長所やアピールに対して答えにくい質問をしてくることもあるかもしれません。
しかし、もし面接の場でツッコまれてもチャンスに変えることはできます!改善すべき点として自覚し、具体的にどのように改善するかを話せばいいのです。
私は話を聞くほうが得意なため、人前でたくさん話すのは苦手です。
これからは社会人として、決められた時間内に自分の伝えたいことを伝えられるように努力をする必要があると思います。
といったように、自分の改善点を把握すればどう改善していくべきかをはっきりと答えることができます。
実際本番でツッコまれたときに「そうですね…はい。」と言葉に詰まってしまわないように、事前に準備しておきましょう!面接やエントリーシートの自己PR。たくさんの学生さんが面接に来る新卒採用ですから、気を付けないとどこかの誰かと同じようなものになってしまいがちです。
自己PRで聞き上手を用いる際の注意点を知っておこう!
聞き上手を自己PRで用いる際には注意点も存在します。
この注意点を知らずにいるとマイナスなイメージを与えてしまうかもしれません。
これからご紹介する3つの注意点に必ず目を通しておきましょう。
受動的になることが聞き上手ではない
聞き上手とは相手の話にうまく応答して、十分に話をさせることだと考えている人が多いと思います。
この考えは間違っていませんが、この認識が強すぎるあまり、面接官の質問に受動的になってしまうというケースがあります。
覚えていてほしいのは受動的になりすぎて、自己主張が弱い人と捉えられてしまうと一気にマイナスなイメージを抱かせてしまうということです。
そのため、具体的なエピソードを用いるなどして聞き上手を強みと捉えてもらえるように心がけましょう。
面接でも振る舞いに気をつける
聞き上手を自分の強みにしたからには面接においても面接担当者に自分が聞き上手であると感じさせることが必要になります。
そのためには
・適度な相槌をする
・話のテンポを相手に合わせる
などの基本的な聞き上手の振る舞いを忘れないようにしましょう。
聞き上手の言い換えを知っておく
「私の強みは聞き上手なことです。」と自己PRをする方法もありますが、聞き上手を言い換えた言葉を用いた自己PRをすることで、他の就活生と差別化することができます。
ここでいくつか例として紹介すると
・相手の話を聞いて、求めているものを考える力
・自分とは違った意見を否定せずに受け入れる力
などが挙げられます。
自分が1番魅力的に伝えられると感じた言葉を用いるようにしましょう。
自己PRの内容に迷ったときは
- この職種に求められることは何か?
- 聞き上手はどう活かせるか?
- 具体的なエピソードプラスワンでオリジナリティを出す
- 短所もしっかり自覚して、改善点と改善策を話せるようにする
以上を思い出して、せっかくなら楽しみながら自己PRを考えてみてください!
【自己PR:聞き上手編】まとめ
自己PRで聞き上手を用いる際には受動的だという印象を与えない、面接での振る舞いにも気をつける、具体的なエピソードを用いて他の就活生との差別化を図るなどして、自身の強みを魅力的に伝える工夫をしましょう。