はじめに
企業への就職が決まり、大学を卒業するまで学生に与えられるのが、内々定および内定です。
しかし、単位が足りずに大学を留年し、せっかくの内定を無駄にしてしまうという話は珍しくありません。
今回は、内定後に留年が決まった場合はどうなるのか、内定先への対処法を紹介します。
内定後に留年が決まるとどうなるの?
内定後に留年が決まると、内定取り消しになってしまうことが多いです。
悪いことをしたわけでもないのに、一度与えた内定を取り消すなんて酷いと思う方もいるでしょう。
しかし、大学の授業というのはほとんどの授業を自身で選び、計画的に単位を取得していきます。
留年するのは自己責任として捉えられ、内定が取り消されても文句を言うことができません。
できる限り就活の前に単位を取り終えて、内定後に留年することがないようにしておくのがベストです
企業に隠すことはできない
留年した場合、それを隠して入社するのはほぼ不可能です。
入社前に企業から卒業証明書の提出を求められた際、対処できません。
近年では、卒業証明書の提出を求めない企業も増えていますが、留年によって卒業していないのにもかかわらず「卒業した」として入社することは、学歴詐称にあたります。
入社時に隠し通せたとしても、後になってその事実が企業に明るみに出れば、最悪の場合は解雇されてしまうでしょう。
留年したことを隠して企業に入社するのは絶対にやめてください。
内定が取り消しになることがある
企業の新卒採用というのはあくまで「大学を卒業すること」を前提に行っています。
そのため、留年した学生というのはその条件を満たしていないことになり、内定が取り消されてしまうのです。
大学を卒業した者のみが入社できるはずなのに、そうではない者が入社したとわかれば、公平性が失われ、他者から批判が生まれるでしょう。
企業側の世間からの信用問題にも関わり、特別扱いをすることはできません。
いくら優秀な学生でも留年したとなれば、企業側も内定を取り消さざるを得ないのです。
内定取り消しにはならない可能性もある
留年した学生は内定取り消しになることが多いですが、絶対というわけではありません。
企業によっては、9月の卒業まで待ってくれるところもあります。
留年ではなく、留学や休学などで初めから3月に卒業しないケースもあり、そのような方を採用している企業は卒業を待ってくれる可能性が高いです。
また、9月の卒業まで企業でアルバイトとして雇ってくれる場合もあります。
企業側に最大限の対応をしてもらうためにも、留年の事実はきちんと伝えましょう。
留年の確認
最初に必要となるのは『自分が本当に留年してしまったのか』ちゃんと確認することです。
一見単位が足りなくて留年が確定したように見えても、資格などを取得したことで貰える単位が存在している可能性もあります。
また、成績が確定している前であれば、教授などに相談して、課題などと引き換えに単位を取得することができる場合もあります。
先ずは落ち着いて、一つ一つの単位をしっかりと計算し直し、なんとかならないか、手を尽くしてみるようにしましょう。
もう一度採点を依頼する
留年の多くの理由として、試験結果が原因で単位が取得できなかったことが挙げられます。
大学は高校までと違って、試験は結果のみが知らされて、あと何点で単位が貰えたのかは基本的にわかりません。
留年した学生からしてみれば「もしかしたら間違いかもしれない」と思うこともあるでしょう。
試験結果に満足がいかない場合、大学や教授によっては改めて採点をしてくれるケースがあります。
ただし、試験結果についての申し立ては、期間が定められていることもあるので注意しましょう。
教授に救済を頼み込む
単位が取得できずに留年が決まったものの、教授によっては救済措置をくれることがあります。
救済措置というのは、本来の単位取得のための条件とは別に、再試験の受験やレポート提出などを課すことです。
留年が決まった学生からしてみれば、まさに救いの手でしょう。
しかし、多くの学生を抱える教授側から救済措置の話があることを期待してはいけません。
救済措置は基本的にはあらかじめ用意されているものではないので、学生側から教授に頼み込む必要があります。
資格を確認する
学部によっては卒業要件の単位として、資格の取得を認めているケースがあります。
授業は年間で組める数が決められていることがほとんどで、上限いっぱいまで授業を入れて、その単位をすべて取得しても卒業要件に満たないということもあるでしょう。
資格であれば、授業とは別で単位が取得できるので、卒業要件を満たしやすくなります。
また、授業のように決まった時間に出席を求められることもありません。
自分の学部が資格で単位を取得できるか、よく確認しましょう。
内定先への対処法
次に、上記のことを確認し、やはり留年が確定してしまっている場合の動きについてご紹介します。
『留年が確定した』=『内定の取り消し』とは限りません。
まずは自分が面識のある企業の人事に相談する必要があります。
留年してしまったということを伝え、その後の動きについて相談してみましょう。
企業によっては一年間内定をキープしてくれ、次の年に入社させてくれる場合もあります。
その場合には最終面接のみ、再度受けることになる場合もありますが、一から就職活動を行うよりも有利なのは言うまでもありません。
ですが当然、企業側と当初締結した契約の内容とは異なる内容になってしまうわけですから、相手には誠心誠意謝罪して相談するようにしましょう。
勿論全ての企業が内定を取り消さないでくれるわけではありませんし、常識で考えるのであれば、内定を取り消されるのが普通です。
そのことを頭に入れた上で、企業側の人事担当者などと相談してみるようにしましょう。
連絡は相手の迷惑にならない時間を考え、なるべく電話で行うようにしましょう。
その際にも「内定を取り消さないでほしい」というものではなく、先ずは謝罪をします。
次に、内定に関する「相談」という形で話すようにしてください。
電話で報告
どうしても留年が避けられない場合は、直ちに企業に報告しましょう。
連絡が早ければ早いほど、企業側も幅広い対応ができます。
基本的に留年の報告は、電話で行うようにしてください。
普段の事務的な連絡であればメールで問題ないですが、留年は緊急の連絡です。
どうしても電話が繋がらない場合はメールも可能ですが、留年の事実が担当者に伝わるまでに時間がかかってしまいます。
一旦メールをするにしても、改めてかけ直すなど、できる限り早く報告できるような行動を心がけましょう。
直接会って謝罪
企業に留年の報告をした後は、電話での謝罪とは別に、直接会って誠心誠意謝罪しましょう。
直接会って誠心誠意謝罪すると、気持ちが伝わりやすいです。
企業によっては電話とメールだけで済ませることもありますが、特に指示がない場合は「会社を訪問して謝罪したい」と申し出てください。
せっかく内定を与えた学生が留年するというのは、企業としても残念な結果です。
新たな人材を確保するのも時間とお金がかかります。
企業に迷惑をかけてしまったという気持ちをしっかりと持ちましょう。
入社の意思を示して相談
企業が、せっかく見つけた優秀な人材を手放したくないと考えることも珍しくありません。
留年が決まった際は、自身だけで対処しようとせずに、企業に相談しましょう。
入社の意思を伝えれば、9月の卒業まで待ってくれることや卒業までアルバイトとして採用してくれることもあります。
ただし、自身の怠惰によって留年するというのは良いイメージがありません。
謝罪だけでなく、留年について反省していることを伝え、今後は同じような失態がないように気を付けましょう。
自分自身での対処法
留年も確定し、企業側への説明も済ませた後、自分自身がどのように行動するかを最後にご紹介していきます。
方法は幾つか存在するので、自分に合ったものを選択してみてください。
基本的には何れの方法でも、就職活動を再度始める、という内容になります。
大学を前期だけ休学して、就職活動に充てる
この方法は、単位がギリギリ足りなかった学生に有効な方法です。
前半だけ大学を休学し、その間に就職活動を再度行います。
そして後期が始まるまでに内定を獲得し、後期は大学の単位取得に努めます。
また、単位がギリギリ足りなかった学生の場合、企業が半年間だけ入社を待ってくれる場合があります。
その場合は前期の間だけ学業に集中し、単位を取得した後、9月に大学を卒業します。
つまり、他の人に約半年遅れて社会人になるのです。
遅れてしまうことは避けられませんが、丸々1年遅れるよりはかなり良いですし、再度就職活動を行う必要もありません。
企業側が1年後までは待ってくれないという場合や、足りない単位が卒論分だけであればこの方法を提案してみるのも良いかもしれません。
前期・後期の両方を大学に在籍して就職活動を行う
単位が圧倒的に足りないという学生は、この方法を取るしか方法がありません。
真面目に大学に通って単位を取りつつ、再度就職活動に臨みましょう。
当然留年の事実は企業側にも伝わってしまうので、就職活動を進める上では不利になります。
留年の事情を丁寧に企業側に説明して、理解を求めるように努力しましょう。
まとめ
当然大学を留年しないようにするのが一番です。
ですがもしも内定獲得後に留年が確定してしまった場合には、なるべく企業や大学に迷惑がかからないよう迅速に、そして誠意を持って行動するようにしましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート