理系の学部に所属している学生の中には、研究に並々ならぬ力を注いでいる人もいるでしょう。
そのため、就活において、研究などの学業をアピールしたいという学生も多いはずです。
専門的な研究の話を就職活動の人事担当者や採用担当者にして、果たして有効なのか、というのも疑問ではあります。
今回は就職活動で必ず聞かれる自己PRにおいて、研究についてアピールする際のポイントや、その効果、例文などをご紹介します。
面接で研究についてアピールしようと考えている学生は、ぜひ参考にしてみてください。
- 企業が自己PRを聞く理由
- 研究の経験からアピールできること
- 研究を自己PRとして際のポイント
- 研究を自己PRする際の注意点
- 自己PRする際の構成
- 研究がテーマの自己PRの例文
- 魅力的な自己PRを作成したい人
- 研究がテーマの魅力的な自己PRを作成したい人
- 例文を参考に自己PRを作成したい人
目次[目次を全て表示する]
【自己PR:研究編】企業が自己PRを聞く理由
魅力的に自己PRをアピールするには、質問の意図を意識する必要があります。
自己PRでは自分の功績をメインにアピールする人が多いで多いですが、実は企業は華々しい功績や成果に注目しているわけではないのです。
企業が見ているのは大きく「社風とのマッチングを見るため」「入社後のポテンシャルを見るため」の2つに分かれます。
社風とのマッチングを見るため
企業は同じビジョンや目標に向かい、同じ熱量で努力できる人を求めています。
そのため、応募者の人柄や考え方、価値観が社風とあっているかどうかに注目しているのです。
入社後のポテンシャルを見るため
企業は入社後に活躍し、企業に貢献してくれる人を求めています。
そのため、企業の求める人物像とあっているかや、入社後に活躍して働いてくれるかを見ているのです。
【自己PR:研究編】研究から企業にアピールできる能力
論理的な思考力
自分の研究や研究の内容を自己PRで伝えたい就活生は、おそらく論文を書いた経験があるはずです。
論文を書く際には、「AがBであるからC」などと、誰もが理解できる内容に仕上げる必要があります。
このように、論文を作成する際に培われた「論理的な思考力」は大いにアピールできるでしょう。
論理的な思考で物事を話せる人は、話がわかりやすく、相手に内容を理解してもらいやすい特徴があります。
実際の仕事においても、論理的に物事を考えられることは、仕事の道筋や計画を立てることに役立てられます。
さらに、考え方が整然としているので説得力があり、相手を納得させることも得意です。
面接の場でも、起承転結に話して論理的な思考ができることをアピールしていきましょう。
地道にコツコツ続けること
研究を行う上で「地道な作業を継続する」という経験を積んできたことでしょう。
研究は結果や成果が出るまでに膨大な時間がかかり、毎日単調な作業の繰り返しになることもあります。
さらには、研究が失敗して修正する必要があることもしばしば起こるでしょう。
このような地道な作業や努力を継続し、成果を出すということは仕事においても同様に重要となります。
入社当初はどうしても単調な仕事ばかりが続いてしまうこともありますが、経験を積むことで大きな業務で活躍できるのです。
ですので、地道なことも嫌がらず積み重ねて研究成果を出した経験をアピールしていきましょう。
今までなかったものを想像する力
最後に、研究において誰にも真似できないこととして「今までになかったものを創造する」ということがあります。
研究の目的は、今まで知られていなかったことを追求して明らかにすることであり、さらには今までになかったものを作り上げるのもまた研究です。
特に、企業は何か新しいものを作る能力のある人は当然ながら採用したいわけです。
会社として次の企画や、次の製品開発、サービス開発などが絶えず考えられている時に、研究で培った新しいことを創造する力、アイデア力などは企業にとって非常に魅力に映ります。
自分のしてきた研究内容が直接企業と関係がある場合は、具体的な研究内容と研究結果をはっきりと伝えて、企業にどう影響があるか、どう生かせるかをアピールしてみましょう。
同じ分野で話が盛り上がると、採用にぐっと近づきます。
企業の求める人物像を意識しよう
研究という経験から培うことができる強みや力は様々です。
企業に響く自己PRを作成するには、より企業の求める人物像に合った強みをアピールすることが重要です。
また、研究から培った専門性を強みをと合わせてアピールすることで即戦力として期待してもらえることでしょう。
【自己PR:研究編】研究内容含めた自己PRの作り方
研究職や開発職、技術職などを目指す理工学部や薬学部などの出身者を中心に、大学時代に取り組んだ研究内容を自己PRに取り上げたい方も多いのではないでしょうか。
また、心理学や社会学などの文学部系の方でも、研究内容をアピールしたい方がいるかもしれません。
志望する業種や職種と関連する研究内容は、自己PRとして良いアピール材料になります。
ですが、卒論や研究発表のように研究成果を論理的に述べても、企業から内定をもらうための自己PRにはなりません。
自己PRとして研究内容をアピールするには、3つのポイントを踏まえることが大切です。
その研究内容を選んだ理由
1つ目として、なぜその研究をしようと思ったのか、選んだ理由を入れましょう。
たとえば、住宅メーカーやマンションディベロッパーに就職を志望している方が、「地震が多い日本で安全な暮らしを支えるべく、制震ダンパーの研究を志しました。」といった具合です。
実際にどんな取り組みを行ったのか
実際にどんな取り組みを行ったのか、専門知識がない方でもわかりやすいように要約して伝えましょう。
専門知識や専門用語を多用したり、研究成果を延々と披露したり、自分の研究がいかにすごいかの自慢話になってはいけません。
選考担当者や面接官は必ずしも技術に詳しい人とは限らないので、初めての方でも伝わる言葉で取り組みについてわかりやすく紹介しましょう。
研究の目標
その研究によって何を目指そうとしていたのか、研究の目標も紹介しましょう。
大学での研究は学生時代だけでは最終的な成果が出ず、ゼミの研究室で引き続き行われるケースも多いです。
自分に課せられた目標や自分に課した目標を伝えて、どこまで達成できたのか、研究を通じて何を得られたのかを明確にしましょう。
【自己PR:研究編】研究を自己PRにする際のポイント
研究の内容を自己PRとしてアピールする際、どのようなことを意識すれば企業から好印象を獲得できるでしょうか?
ここからは自己PRとして研究をアピールする際に意識すると良いポイントを説明します。
結論は先に明確に伝える
結論は自己PRの最初に明確に示してしまいましょう。
結論を先に伝えておかないと話を聞いている側は要点がわからないまま漠然と話を聞き続けることになります。
次第に集中力も切れ、結局あなたの自己PRは魅力が伝わらないままおわってしまうかもしれません。
そのため、先に結論を明確にしておくことが大事なのです。
「私の強みは~です」と端的に、簡潔に最初に示しましょう。
専門性がない人にもわかる言葉で
はじめてあなたの研究について話を聞く人たちは当然専門的な用語がわかるわけありません。
専門性がないとわからないような短語は咀嚼してわかりやすい言葉に置き換えましょう。
また、前置きでその単語の意味を説明しておくことも工夫の一つです。
一度先に説明を加えておけば話しを聞いている人が研究内容を理解できないなんてことも起こりにくいです。
かみ砕いて言い換えるか、先に難しい単語の説明を加えることをオススメします。
将来のビジョンに繋げる
あなたがその強みを発揮し、将来その企業でそうなっていきたいのかを整理してみましょう。
「スペシャリストになりたい」「マネジメントに携わりたい」など、人により将来のビジョンや目標は様々でしょう。
その将来に近づくためにどう強みを発揮していくか、どのように昇進していくのかを整理してみましょう。
企業で目指せるキャリアステップをあらかじめ確認しておくことがカギです。
企業に貢献できることをアピール
あなたがその強みを具体的に入社後にどう生かせるのかを伝えましょう。
例えば、努力を継続することを強みとする場合、「日々の勉強を怠らず、早く独り立ちできるよう努力する」などが挙げられます。
企業はあなたのポテンシャル、すなわち入社後に活躍で切る見込みがあるのかを見ています。
あなたが入社後にどう活躍できるのかを具体的に示しましょう。
企業研究をしっかりと行い、具体的にどのように生かせるのかを伝えると効果的です。
【自己PR:研究編】研究を自己PRにする際の注意点
研究をテーマにした自己PRを作成する際にはいくつか注意すべき点があります。
注意点を押さえずに自己PRをしてしまうとアピールになるどころか、マイナスな印象を与えてしまう可能性があります。
自己PRを作成する前に押さえておきましょう。
専門用語は使わない
研究時に使う専門用語をそのまま自己PRするのは避けましょう。
企業の担当者があなたの研究している分野について詳しいとは限らないので、うまくアピールすることができません。
また、説明力やコミュニケーション能力が不足しているという印象を与えかねないので気を付けましょう。
専門用語を使わざるを得ないという場合は、最初に専門用語の説明を軽くするとよいでしょう。
研究についての説明は簡単でOK
研究がテーマの自己PRを話す際、研究内容の説明に重きを置きすぎている人がいますがこれはNGです。
企業が聞きたいのは研究の内容ではなく、あなたの強みや人柄です。
研究の説明は簡単に済ませ、あなたの強みや人柄をメインにアピールしましょう。
実績はアピールにならない
冒頭に述べたように、功績や実績のアピールは企業に響きません。
あなたがどんなきっかけで強みを発揮したのか、どのようなことを意識して強み発揮したのか、その結果どうなったのかという過程を見ているのです。
そのため、教授に褒められた、賞を獲ったという実績は過程のうちの結果として簡単にアピールしましょう。
企業が自己PRを聞く意図を押さえて、魅力的にアピールしましょう。
【自己PR:研究編】自己PRのオススメの構成
企業が自己PRから知りたいのは、研究の細かい内容ではなく、その人の持つスキルや経験・能力などの人間性です。
そのため、自己PRでは「自分を採用すれば企業にとってこんなメリットがある」ということをしっかりとアピールする必要があります。
限られた時間で効率的に自己PRをするためには、構成もしっかり考えておかなければなりません。
「結論」→「エピソード」→「入社後の業務への活かし方」→「結論」という構成になるのが理想なので、一つひとつ詳しく見ていきましょう。
結論
まずは結論を先に述べます。
この文章構成は「結論先行型」と呼ばれるもので、文章全体で何を言おうとしているのかを相手がすぐ理解できるようにする効果があるのです。
そのため最初の言葉は非常に重要で、人事担当者がその人に興味を持つかどうかを決めるポイントになります。
最初に伝える「自分の強み」が、その企業の求めるもの・マッチするものであれば、「話を最後まで聞いてみたい」と思うはずです。
もし結論がありきたりな内容だったとしたら、ほかの就活生に埋もれてしまいます。
たとえば、「忍耐力がある」「協調性がある」などの自己PRは多くの就活生が使うため、興味を持たれる可能性は低いでしょう。
「ほかの人とは違う」と思わせるワードや言い換え表現を用意することが工夫として挙げられます。
根拠
次に、最初の結論で話した「自分の強み」を裏付ける根拠を説明します。
企業の採用担当者は、あなたと初めて会ので、あなたがその強みを本当に持っている人なのか知ることはできません。
そこで、具体的なエピソードを伝えることでその強みを主張する理由を理解してもらう必要があります。
おすすめは、明確な結果が出ているエピソードです。
たとえば、「視野を変えることで研究を進めることができた」というような内容がわかりやすいでしょう。
具体的な数字を出すと聞いているほうも興味を持ちやすくなり、説得力も増すのでおすすめです。
エピソードを選ぶ際は、アピールしたい強みと嚙み合っている内容であるかをしっかりと確認してください。
入社後どのように活かせるのか
エピソードで強みを裏付けしたら、次はその強みを入社後どのように活かせるのかを伝えてください。
あなたが一生懸命頑張ったこと、結果を出したことは伝わっても、それが「わが社に入社してほしい」と思う気持ちにつながらなければ意味がありません。
「自分にはこんな強みがある」「こんな長所がある」、「だから仕事にこんな風に活かせる」ということが説明できるような流れにする必要があるのです。
もしここで、その企業とはまったく関係のない自己PRをしてしまうと、「うちの会社のことを理解していない」「企業研究が足りない」というように、悪い印象を持たれてしまう可能性があります。
そのため、入念に企業研究を行ったうえで、マッチした内容の自己PRを用意してください。
結論
最後にもう一度、結論となる内容を繰り返し述べてください。
最初に結論は伝えてありますが、エピソードや入社後の活かし方を説明してから再度まとめることで、スムーズに話の内容が頭に入ってきます。
もちろんしつこくならないように最初の結論とは言葉を変える必要はありますが、内容は同じにしてください。
最後に聞いた言葉は特に印象に残りやすいため、自己PRの締めくくりとして効果的です。
結論の言葉を考える時には、熱意を持って取り組んできた内容がその企業を志望した理由にどうつながるのか、上手に説明できるようにしておきましょう。
そうすれば、「その企業で働きたい」という熱意が相手に伝わり、納得を得られやすくなるはずです。
【自己PR:研究編】研究を関連づけた自己PR例文
研究を関連づけた自己PRの例文をご紹介します。
例文を参考に、その研究を選んだ理由や取り組み内容、目標を反映させることを意識して、自己PRを作成してみましょう。
例文①:継続力
私の強みは、一つのことをコツコツやり通すことができる継続力です。
大学時代は温室栽培について研究を行っていましたが、なかなか研究が進まないにも関わらず、発表の締め切りは迫っていました。
私は結果を出すためには愚直にやり続けることが大切だと考え、アルバイトやほかの授業ともスケジュールをうまく調整したうえで研究の時間を多めに確保し、とにかく実験を何度も行って続けてきました。
結果、想定していた結果を実証でき、締め切りに間に合っただけでなく、研究室の教授や先輩には諦めない気持ちや継続力の賜物だと褒めていただきました。
御社に入社した際も地道に努力を続け、成果を出すことで会社に貢献していきたいと考えています。
貴社が推進している自動運転技術の開発チームの一員として、貢献したいと考えています。
例文②:発想力
私の強みは、幅広い視点を持って物事を多角的にとらえることができる発想力です。
大学生活の中では幼児の興味関心について研究するゼミに所属しており、発育とともに変化する興味の方向や関心の引き出し方などを研究テーマにしてきました。
私はその中でも、最近は多くの業界でAIやロボットなどの最先端技術の活用がさかんなことに注目し、AIと幼児の興味関心を掛け合わせた研究ができないかと考えました。
その結果、幼児の興味関心を引き出す親のような役割をAIが果たせる可能性を考え、学内で賞を受賞することができました。
教授にもアイデアが良かったと褒めていただき、発想力や柔軟性に自信を持てるきっかけになりました。
入社後も多角的に考えられる視点を活かし、将来的には、競合他社が思いつかないような独自の商品開発に携わりたいと考えております。
【自己PR:研究編】自己PRを作るなら就活エージェントもおすすめ
自己PRをうまく作ることができずにお悩みなら、就活エージェントの利用もぜひ検討してみてください。
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【自己PR:研究編】終わりに:自己PRに研究を活用しよう
研究をテーマにPRを行う場合、自分の志望する職種、業界などを考慮しつつ研究の話をするようにしましょう。
また例文のように、研究というテーマを通して自分の個性や強みを語るという方法はとても有効です。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート