就活面接で資格は自己PR材料になる?資格取得経験を上手にアピールするポイント

就活面接で資格は自己PR材料になる?資格取得経験を上手にアピールするポイント

就活のESや面接で、自己PRの題材に悩む学生は少なくありません。

一体どのようなことをPRすれば相手に好印象を抱いてもらえるのか、採用に繋がるのかというのは就活を進める上で大きな課題となります。

今回は、そんなPR材料の中でも資格について考えていきます。

語学や簿記、エクセル、普通自動車免許など、大学生に人気のある資格は無数に存在しますが、それらは就活のESや面接でPR素材となるのでしょうか。

この記事では、資格を関連付けた自己PRの例文も載せつつ、考えていきます。

資格は自己PR材料になる?

そもそも資格取得経験は自己PR材料になるのでしょうか?

自己PRでは、部活やアルバイトなどの経験をアピールする学生が多いです。

そのため、資格取得経験が自己PRとして有効なら他の学生とエピソードが被るリスクも軽減することができるでしょう。

企業は資格というものにあまり関心がない

開始早々残念な結論ですが、企業は学生が保有している資格にはあまり興味を持っていない、というのが現実です。

熱意やその他の重視する要素と比較して資格に対する注目度は実に低く、興味を持っている企業は1割ほどとされています。

その中でも、意外なことに語学系の資格は特に興味が持たれていません。

グローバル化が進み、海外で仕事をする機会も着実に増えていく中で、この結果はとても驚きですね。

しかしこれは企業が語学を重視していない、ということではなく、最早学生が一定の語学スキルを有しているのは企業からして当たり前になりつつある、ということなのです。

勿論当たり前なわけですから、持っていないよりは持っていた方が良いのですが、可能であれば最低限の語学スキルを有した上で、アピールするのはもっと違うことや、資格を軸にして違うことを話した方が有効かもしれません。

資格取得からアピールできる強み

自己PRで資格取得をアピールする際には、資格取得よりも、そのときにどのような人柄が活きたのかについて焦点を当てましょう。

例えば、目標遂行力、地道さ、継続力、計画性などの強みをアピールできます。

自分の性格を証明するツールとして、資格取得を活用するのです。

資格について自己PRする際は取得経緯を話そう

企業は学生がどのような資格を持っているのか、それ自体にはあまり興味を持っていないと言いましたが、では資格欄では何をアピールすれば良いのでしょうか。

資格による自己PRのポイントは、資格習得のためのプロセスを説明することです。

どんな資格を取得したのか実績を語るのではなく、資格取得の前後、すなわち資格を取得しようと思ったキッカケや努力の方法、取得した資格を今後どのように活かすのかといったことを伝えることが大切なのです。

ここでは資格を通じた自己PRのポイントについて詳しく説明します。

なぜ取得しようと考えたのかを話す

就職活動における自己PRでは、「なぜこの資格を取得しようと思ったのか」、その経緯を詳しく説明することが大切です。

なぜなら、そこにはあなた自身の人柄や将来像といったものが反映されているからです。

たとえば、IT関連の企業を志望している学生が会社で活躍するために、システムやネットワークに関する資格を取得したならば、企業側はその学生に対して「真面目で仕事に対して前向きである」といった評価をするでしょう。

また、将来の海外進出に向けて語学の資格を取得しているならば、意識が高く向上心に富んでいるといった特徴をアピールできます。

資格による自己PRでは、「なぜこの資格を取得しようと思ったのか」について、必ず説明するようにしましょう。

困難な経験をどう乗り越えたかを話すべし

資格を通じての自己PRでは、取得するまでのエピソードを詳しく説明することがとても重要です。

たとえば、TOEICで800点を取ったときにはその事実だけを伝えるだけでなく、「限られた時間の中でどのように勉強時間を捻出したのか」「効率的な学習のためにどのような工夫をしたのか」といったことにフォーカスを当てて説明するようにするのです。

朝いつもより早起きして勉強時間を作ったというエピソードを添えれば「コツコツ頑張れる学生だな」という印象を与えられるでしょう。

また、独自の学習方法について説明すれば「難問に直面したときに課題を上手に克服できる能力がありそうだ」という評価をもらえるでしょう。

具体的な数字があればなおよし

自己PRでは人事担当者を納得させるだけの説得力がなければいけません。

具体的な数字を使って説明するのは、説得力をアップさせるための良い手段です。

たとえば、単に「TOEICで800点を獲得」とするよりも、「去年は400点しか取れなかったけれど一年間で400点のアップに成功した」としたほうが、努力家で克己心があるという印象がより強くなるでしょう。

また、「日商簿記検定2級合格」とするよりも、「半年間毎日3時間の学習を欠かすことなく続けた結果、合格率が10%ほどの日商簿記検定2級に合格した」としたほうが、人事担当者は学生の努力をより具体的にイメージできるわけです。

企業側に少しでも良い印象を与えるためにも、具体的な数字を使ってアピールすることは非常に効果的です。

資格取得経験を自己PRする際のポイント

これまで紹介したように、資格に関してはどんな資格を持っているかはあまり重要ではなく、資格を取得した経験を説明することのほうがより重要です。

ここでは資格を取得した経験をアピールする際のポイントを紹介します。

過程に焦点を当てる

資格取得は成果よりも過程が重要です。

結果がどうであれ、自分なりに走り続ける力が大きなアピールポイントになるのです。

自分がどこに苦労して、それをどのように乗り越えたのか、何を工夫したのか、などを詳しく説明しましょう。

過程をアピールするためには、エピソードを洗い出す必要があります。

資格を取得するまでの期間について、モチベーショングラフなどを用いて詳しく紐解いていくことをおすすめします。

難易度や努力を詳しく伝える

資格によっては、一般的に知られていないものもあり、その場合はあなたの苦労が正しく伝わりにくくなってしまいます。

そのため、資格について、合格率や受験者数、受験者の平均年齢、学習分野などを調べておきましょう。

自分の努力についても、自分の人柄と結び付けて、どのように勉強したのかを伝えると良いです。

PREP法を利用して話す

資格の取得経験を効果的にアピールするためには、文章や話し方のフォーマットについても注意する必要があります。

ここでは自己PRに最適なPREP法について説明します。

PREP法のPREPは「結論(Point)・理由(Reason)・具体例(Example)・結論(Point)」の頭文字で、最初に結論を述べ、その後に結論に至った理由と具体的な例を紹介し、最後に結論を繰り返すという構成のことです。

このPREP法のフォーマットに基づいて文章や話す内容を組み立てることによって、人事担当者に対してより説得力のあるアピールが可能です。

会社に入ってからも上司への報告やプレゼンなどでよく使われるので、この機会にPREP法をマスターしておくと良いでしょう。

どう考え何を取り組んだのかを具体的に話す

履歴書に資格を記入する際やESや面接で資格に関して聞かれた際に、たくさんの資格を持っている学生はそれを自慢するかのように羅列しがちですが、これはまったく意味がありません。

資格をアピールする場合は志望する企業の業種や職種に役立つ資格を厳選し、1つについて詳しく具体的に説明することが重要です。

難易度の高い資格の場合には壁にぶつかることもあったでしょう。

そのようなときにどのように考えて、どうやって克服したのか、自分なりの学習のコツなどを添えると、信憑性も増して努力や能力も評価されやすくなります。

他の人がやっていないことをアピールする

資格の自己PRでは、数字などを使ってイメージをより具体化することが大切ですが、誰でもできるような努力ではアピールにはなりません。

たとえば、宅建の資格を取得するために3ヶ月間毎日2時間ずつ勉強しましたということをアピールしても、その程度なら他の人もやっているでしょう。

しかし、アルバイトをしながら寝る間を惜しんで1ヶ月で合格したならば、十分なアピールポイントになります。

できるだけ他人ができそうもないことで、自分が実践してきたことを詳しいエピソードを添えて語るようにすると高評価につながります。

入社後にどう生かすかをアピールする

自己PRは強みを伝えるだけで終わってはいけません。

入社後に、資格の取得を通じて獲得したあなたの強みをどう生かし、貢献や活躍をしていくのかを伝えましょう。

また、「強みである○○を発揮して貢献したい」と伝えるのではなく、具体的にどういう場面や業務で発揮するのか、説得力のあるアピールが重要になります。

企業研究もしっかりと行い、企業に響く自己PRに仕上げましょう。

専門性が求められる職種には関連の資格が求められる

ここまでの話を聞いて、就職活動で資格の話をするのは絶望的と思った学生もいるかもしれません。

しかし、そう考えるのはまだ早いです。

前述したように、資格の話に興味を抱いている企業は少ないのですが、事実として存在はしています。

ここでは、その層に対して上手に資格のことをアピールする方法をご紹介します。

先ず何よりも大切なのは『企業のニーズに合った資格を持っている』ということです。

例えば、車に関連する会社であれば、実際に運転する業務でなくとも、免許は持っていた方が良いですし、免許を持っていることによって車に対する興味や関心をアピールすることができます。

このように、資格を企業のニーズとマッチさせることができれば、当然相手は興味を持ちます。

また、自動車業界に入るのであれば、周りも当然普通自動車免許を持っているわけですが、そこから資格ではなく、別の話に派生させることもできるので、切り口として資格を使うのはとても有効です。

企業がどのような人材、資格を必要としているのかというのを正確に知るためには、綿密に企業研究を行って調査する必要があります。

資格を関連づけた自己PR例文

私は数字に興味があり、それがきっかけで大学でも経済学部に進学しました。

多くのことを学んでいく中で、より正確に社会の仕組み、流れを理解したいと思うようになりました。

同時に、将来にわたって長く使える資格をものにしておきたい、という思いもあったので、簿記の資格の取得を志すことにしました。

資格に向けた勉強と並行して大学の学業にも取り組んでいると、それまでは気付かなかった広い視点で授業やニュースを見られるようになり、視野の広がりを感じることができました。

社会で働く上でこの視野の広がりは大きな意味を持つと感じており、企業で働く中でも大いに役立てていきたいと思います。

終わりに

資格でPRをする際に重要なのは、資格をメインに話しすぎないということです。上記の例文のように、それによって得られたことや感じたことを主題として話を進めていくと、自己PRそのものに奥行きが出てきます。

また、何故その資格を取得しようと思ったのかを紹介するべきです。

企業側は学生の行動に対する動機や価値観には大変強い興味を持っているので、そこで自分のやる気の根源を伝えられるようにしましょう。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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