「業界分析をやりたいけど、正しいやり方がわからない…」
「業界分析って何を調べたら良いの?」
業界分析をしようと考えている人の中には、このような悩みや不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
業界分析のやり方を正しく理解することは、就職活動やキャリア形成において非常に重要です。
特定の業界の動向や課題、将来性を把握することで、より的確な企業選びやキャリアプランを立てることができます。
業界分析は、単に企業の情報を集めるだけでなく、競合や市場全体の動向も把握し、自分の目指す職業や業界がどのような位置にあるのかを客観的に理解するための手法です。
本記事では、業界分析の基本的なやり方を紹介し、就職活動に役立つ具体的なステップを解説します。
業界研究を始めたいけどやり方がわからない、という方はぜひ参考にしてみてください。
業界研究とは
業界研究とは、社会にどのような業界が存在し、それぞれがどのような特徴を持っているかを調査する過程です。
自分のやりたい仕事や就職したい会社を見つけるためには、まず興味を持てる業界を絞り込むことが重要です。
業界研究を通じて、様々な業界の特徴や動向を理解し、自分のキャリアプランと照らし合わせることで、より的確な就職先の選択につながります。
業界研究の目的
業界研究の主な目的は、志望業界と志望企業を絞り込むことです。
自分がどんな業界に関心があるのかを明確にすることで、効率的に就活を進められます。
また、関心のある業界とそうでない業界を比較することで、自分の志望動機がより明確になります。
さらに、業界研究は企業研究の一環としても重要で、業界全体の動向や競合状況を理解することで、志望企業の業界内での位置づけや強み、弱みを把握できます。
これにより、面接時の質問にも的確に答えられるようになり、自分のキャリアプランと企業の方向性のマッチングも容易になります。
業界研究は単なる情報収集ではなく、自己分析や企業選択の基盤となる重要なプロセスだということを認識するだけでも、ESや面接のクオリティもかなり高まります。
- 志望業界を絞り込む
- 志望企業を絞り込む
業界研究の流れ
業界研究を効果的に進めるには、一定の手順を踏むことが大切です。
ここでは、一つの業界を調べるときの基本的な流れを紹介します。
この流れに沿って研究を進めることで、業界の全体像から詳細まで、段階的に理解を深めていくことができます。
また、複数の業界を比較する際にも、この流れを活用することで効率的に情報を整理できます。
業界の全体像を把握する
まずは自分が気になっている業界の全体像を把握することから始めます。
具体的には、業界の規模や成長性、主要企業、市場でのポジショニングなどを確認します。
例えば、IT業界であれば、市場規模や成長率、主要プレイヤー(GAFA等)の動向、国内外の市場状況などを調べます。
これにより、その業界が経済全体の中でどのような位置づけにあるのかが分かります。
この段階では、細かい数字よりも大まかな傾向をつかむことに重点を置き、業界全体の雰囲気や特性を理解することを目指します。
各業界の特徴を把握する
次に、各業界の特徴を詳しく調べていきます。
ここでは、業界特有のビジネスモデル(利益を得る仕組み)、主要な製品やサービス、顧客層、販売チャネルなどを把握します。
例えば、アパレル業界であれば、ファストファッションやラグジュアリーブランドなど、異なるセグメントごとのビジネスモデルの違いや、オンラインとオフラインの販売戦略の違いなどを調べます。
さらに、その業界で働く人々に求められるスキルや資質についても調査し、自分のキャリアプランと照らし合わせることが重要です。
今後の動向・将来性を把握する
最後に、業界の将来性や今後の動向を調査します。
現在成長している業界でも、技術革新や社会構造の変化により、将来的に衰退する可能性があります。
そのため、業界のトレンドや、予測される変化について理解することが重要です。
例えば、自動車業界であれば、電気自動車や自動運転技術の進展がどのように業界を変えていくかを考察します。
また、SDGsやESG投資の観点から、その業界がどのような取り組みを行っているかも重要なポイントです。
業界研究で何を調べたら良いのかわからない、という方はこちらの記事も参考にしてみてください。
業界研究のやり方
業界研究の流れがわかったら、次は業界研究の詳しいやり方について把握しましょう。
効果的な業界研究を行うには、系統立てたアプローチが必要です。
限られた時間の中で業界研究を行うには、効率よく進めることが重要なのです。
ここでは、業界研究を進める具体的な方法について解説します。
興味のある業界を選ぶところから始まり、情報収集、そして得た情報の整理まで、段階的に進めていくことで、より深い業界理解につながります。
興味のある業界を選ぶ
業界研究の第一歩は、興味のある業界を選ぶことです。
しかし、様々な業界について知らなければ、興味のある業界を選ぶことは難しいでしょう。
そこで、まずはインターネットや書籍から業界の一覧表を見て、自分が関心を持てそうな企業を探します。
この段階では、「なんとなく気になる」程度で十分です。
例えば、学生時代の経験や趣味に関連する業界、社会課題の解決に貢献している業界、最新技術を活用している業界など、自分なりの基準で興味を持てる業界をリストアップしてみましょう。
また、就活サイトの適性診断ツールを利用して、自分の適性に合う業界を探るのも一つの方法です。
重要なのは、最初から完璧を目指さず、まずは広く浅く多くの業界に触れることです。
- メーカー
- 商社
- 金融
- 小売・流通
- サービス
- IT
- 広告・出版・マスコミ
- 官公庁・団体・公社
こちらの記事では業界の一覧を詳しく紹介しているので、どのような業界があるのか気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
業界の情報を集める
興味のある業界を選んだら、その業界についての情報を収集します。
調べるべき主な項目としては、市場規模、主要企業、ビジネスモデル、業界特有の課題、求められる人物像、将来性などが挙げられます。
情報源としては、業界地図や業界・企業のホームページ、就活サイト、ビジネス誌などがあります。
これらで基本的な情報を押さえたら、より具体的な情報を得るために、企業説明会やOB・OG訪問を活用しましょう。
特に、実際に働いている人の生の声を聞くことで、業界の実態や仕事のやりがいなどを深く理解することができます。
また、業界団体のウェブサイトや白書なども、業界全体の動向を把握するのに役立ちます。
- 市場規模
- ビジネスモデル
- 仕事内容・職種
- 求められる人物像
- 特徴や魅力
- 今後の動向・将来性
- 関連するほかの業界
- 平均年齢・年収・勤続年数
情報を整理する
収集した情報を効果的に整理することで、業界研究の成果を最大化できます。
情報整理の方法としては、業界研究ノート、マインドマップ、スプレッドシートなどがおすすめです。
業界研究ノートは、各業界を詳しく調べる際に有効で、気づいたことや疑問点を随時書き込めます。
マインドマップは、業界の全体像を視覚的に把握したい場合に適しており、業界間のつながりや影響関係を俯瞰的に理解するのに役立ちます。
スプレッドシートは、複数の業界を比較したいときに便利で、市場規模や成長率、主要企業などの項目ごとに整理できます。
これらの方法を組み合わせて使うことで、多角的な視点から業界を分析できます。
また、定期的に情報を更新し、新しい動向や自分の考えの変化を反映させることも重要です。
情報を整理するにあたって、自分で表を作るのがめんどくさい…という方もいらっしゃると思います。
こちらの記事では無料で業界研究ノートのテンプレートを配布しているので、ぜひ覗いてみてください。
業界研究の情報収集手段
業界研究を効果的に進めるには、多様な情報源を活用し、多角的なアプローチを取ることが重要です。
業界の概要を知るには就活サイトや業界団体のホームページが有用で、仕事内容や将来性、平均年収などの具体的な情報は企業や業界のホームページ、専門書籍から得られます。
一方、仕事のやりがいや魅力といった定性的な情報は、企業説明会や合同説明会への参加、OB・OG訪問を通じて、実際に働いている方々の生の声を聞くことで理解を深められます。
これらの情報源を適切に組み合わせることで、業界の全体像から細部まで、幅広く深い知識を獲得することができます。
多角的な情報収集は、より正確で豊かな業界理解につながり、自分に合った業界や企業を見つける助けとなります。
概要→就活サイト、業界団体ホームページ
詳しい情報→企業や業界のホームページ、書籍
定性的な情報→企業説明会・合同説明会、OB・OG訪問
こちらの記事では業界研究に使える書籍について紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
業界研究で見ておくべき項目
全体像を把握すること、主だった特徴を把握することで業界を知ると共に、各業界を比較する視点も重要です。
自分が目指そうとしている業界にどの程度の競争力があるのか、将来性はあるのかを知り、より安定成長や今後が期待できる業界があるかを知って、志望対象にするか判断するにも役立ちます。
業界の市場規模
業界の市場規模がどのくらいあるのか、ターゲット市場はどの市場なのかを確認して比較してみましょう。
ターゲット市場は消費者なのか、法人などのBtoBなのか、また、国内シェアはどのくらいか、海外進出はしているか、世界でのマーケットシェアはどのくらいか、どの国や地域に強いのかなどもチェックします。
今の時代はビジネスがグローバル化しており、少子高齢化で先細りになる国内市場のシェアだけでは、将来的な安定成長が望めなくなるリスクもあります。
国内シェアを見る場合、BtoCなら、主なターゲット層がどこなのか、シニア向けなのか、若者なのか、子育て世代なのかといった点もチェックするとわかりやすいです。
業界全体の仕事内容
各個別企業の事業内容ではなく、業界全体のメイン事業についてチェックしましょう。
どのような位置づけにあって、どんな仕事をしているのかを把握します。
たとえば、1つの製品が製造されて消費者のもとに届くまでには、製造・メーカー業界、卸売り業界、流通業界や運送業界を経て小売業界へと到達します。
そのどの位置づけを担っている業界なのかがわかると、仕事内容も把握しやすいです。
業界の過去・現在・将来について
各業界のメインの仕事内容がわかったところで、過去の変遷や現在メインとしている事業やその売り上げの変遷、将来の展望や見通しなどを調べてみましょう。
たとえば、お菓子メーカーは過去は子供向けのお菓子がメインでしたが、少子高齢化に伴い、大人向けのお菓子や血圧や血糖値をコントロールできる特保認定のチョコレートなどを開発したり、高齢化などを見越してサプリメントや介護食などの開発にも取り組んだりするようになっています。
このように過去からの変遷や現在の状況、将来の見通しは日本社会の構造や世界の動き、時代のニーズなど取り巻く環境が大きく影響します。
業界研究をしていくと、日本社会が置かれている状況や抱えている問題、世界で巻き起こっていることや課題が見えてきます。
時代が置かれている環境を知ることは、就活において志望動機などを書くときにも役立ち、自分の考えを深めることにもつながるのがメリットです。
企業研究も行う
次のステップとして企業研究を行います。
企業研究では、業界研究よりもさらに詳細な調査が必要となります。
具体的には、各企業のビジネスモデル、今後注力する事業領域、社員の特徴、同業他社との比較における強みなどを調べます。
これにより、企業ごとの特徴や違いがより明確になり、自分に最適な企業を見つけやすくなります。
企業研究では、企業のウェブサイトや有価証券報告書、ニュースリリースなどを活用し、より深い情報収集を行います。
また、企業説明会やインターンシップに参加することで、企業の雰囲気や文化を直接体験することもできます。
企業研究を通じて、自分のキャリアプランと企業の方向性の一致度を確認し、より的確な就職先選択につなげることが重要です。
こちらの記事では企業研究の詳しいやり方について解説している他、無料の企業研究ノートのテンプレートを配布しています。
企業研究について悩んでいる方は是非参考にしてみてください。
まとめ:就活での業界研究のやり方
本記事では業界研究のやり方について詳しく説明してきました。
内容をまとめると以下のとおりです。
- 業界研究とは、世の中にどのような業界があるのか調べること。
- 志望業界と志望企業を絞り込むことが業界研究の主な目的。
- 業界研究は全体像→特徴把握→今後の動向の流れで行う
- 知りたい情報に合わせて情報収集の方法を変える
- 企業研究も行う
これらのポイントを押さえて、効率よく業界分析を進めてください。
業界研究に関連する記事も紹介しておくので、こちらも参考にしてみてください。
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