気配り・心配りは仕事をするうえで非常に重要な資質です。
企業側もセールスや事務職、公務員や看護師などを問わず、明るい気配りのできる性格の人材をほしがっているのは間違いなく、できなければ大きな弱み・短所です。
それゆえ、就活や転職で多くの人が自己PRに気配り・気遣いできる性格を長所として選択します。
ただ、問題は自己PRの仕方です。
単に「私は気配り/目配りができます」と素直に言ったり書いたりしただけではほかの似たような自己PRの中に埋没し、何の印象も残せずに終わってしまうでしょう。
気配りや心配りを長所や自己PRとして選択するのは決して間違いではありませんが、相手の心に響かせようと思えばそれなりのこだわりや工夫した書き方・話し方が必要なのです。
そのため、この記事ではESの書き方や話し方のポイント一覧について説明していきます。
【自己PR:気配り・思いやり編】企業が自己PRを聞く意図
ここでは企業が自己PRを聞く意図について紹介します。
企業はただ形式的に自己PRを聞いているわけではありません。
自己PRといえば、企業の正社員の面接でもアルバイトの面接でも定番です。
しかし、そこには意外に深い意図がありますので、これを知って面接に臨みたいところではないでしょうか。
これを知っているといないのとでは、合否の結果に大きな差が出てきてしまいます。
自社で活かせる人材か見極めたい
企業が自己PRを聞く理由は、少し考えてみるとわかります。
こういったことを聞く意図は、あなたがどんな人間なのかを知りたいからです。
また、あなたという人間が企業にとって役立つかを見極める意味もあるでしょう。
自己PRとはあなたが今までの人生を振り返った時に企業に対してできる一番のアピールポイントです。
この自己PRを通して企業はあなたの個性やスキルがどのように役に立つのかを知りたいと考えています。
ここでは同時に、どうやったら自分を知ってもらえるかの能力も見極められているので、着眼点を間違えていると、マイナス評価になってしまうでしょう。
逆に、着眼点が良ければ、相手のことを理解して、しっかりとアピールできる人間という高評価を得られます。
人柄を知りたい
企業は自己RPを通じて、能力を見ている部分もありますが、人柄を見ている部分もあります。
現状は、企業で役立つ能力を持っていないとしても、今後は育てることによって企業の役立つ人間になっていってもらいたいという企業もあるので、能力よりも人柄を重視するところもあるのです。
人柄が良ければ、素直に教えても従ってくれるので、その分だけ成長も早くなります。
また、自己PRであなたのエピソードを聞くことによってあなたがどんな人間でどんなことに頑張れるのかといったあなたの個性を知りたいとも考えているのです。
個性的なことは重要ですが、個性によっては企業と合致しなかったり、逆に非常に相性がよかったりするので、自己RPを通じてわかってくる個性というのは非常に重要なのです。
これらを踏まえると自己PRで重要になってくるのは、あなたの人柄が伝わりやすいようなエピソードを選ぶという点になります。
【自己PR:気配り・思いやり編】気配りは自己PRできる?
社会人になって仕事をするにあたって、社内外の人とのコミュニケーションを円滑にするための能力が必要となります。
そのため、円滑なコミュニケーションに役立つ「気配り」ができるということは、自己PRで十分なアピールポイントとなるでしょう。
【自己PR:気配り・思いやり編】企業で気配り・思いやりが評価される人の特徴
ここからは、企業が求める気配りができる人の特徴を紹介していきます。
これから始める就活で、気配りをアピールポイントにしたいという方は、ぜひ以下の内容を参考にしてみてください。
そもそも『気配りができる』とはどういうことなのでしょうか。
気配りができる人のことや、気配りができる人の特徴を紹介しましょう。
1:状況に合わせた発言ができる
先に「営業職」の項目でもお伝えしましたが、顧客とのコミュニケーションの場では状況に合わせた発言ができなければなりません。
また事務などの職種であっても、同僚との関係を円滑にするために、状況に合わせた発言ができることが好ましいと言えるでしょう。
このような理由から、状況に合わせた発言ができることが求められる傾向があります。
2:謙虚な態度を貫ける
会社に入ると、最初に先輩から仕事を教わる場面が多くあるでしょう。このような場面で雑な仕事の取り組み方をしたり、注意されるとふてくされたりする人がいます。しかしそのような態度をとられると印象も悪く、仕事自体も教えくくなってしまいます。
反対に、周囲の人々や仕事を教えてくれる先輩に感謝の気持ちをもち、謙虚な態度を貫ける人が好まれるでしょう。
3:言われる前に自分で考えて行動ができる
これは細かいビジネスマナーなどに精通し、その上で自分なりに考えて行動をすることができるということです。
自分で考えて行動できることや、自分で考えて動けることはとても大きなメリットとなりますし、これから社会に出るときにさまざまな面で役に立つかもしれません。
4:必要なタイミングで適切に動ける
多くの仕事は個人プレイではなく、チームで協力して行う場合が多いでしょう。そのため、常に周りを見ることを意識して、必要なタイミングで適切な行動をとれる人材は企業から好評価を受ける傾向があります。
5:縁の下の力持ちで感謝の気持ちが強い
縁の下の力持ちだったり、感謝の気持ちが強かったりすることも気配りが上手にできる人の特徴と言えるでしょう。
これは「自分が自分が」と出しゃばらず、誰かをサポートしたり誰かに配慮したりするような仕事に向いている性格でもあります。
また、自分の能力を超えたことをする場合にはチームで動くこともあり、細かな調整や雑用なども積極的に行うことで、より効率よくチームが動き、なおかつチームに感謝されるケースも多いでしょう。
6:人と円滑なコミュニケーションを心がけている
仕事の場面では、報連相(報告・連絡・相談)を欠かさないことでミスや行き違いを防ぐことができるとされています。
特に看護師や保育士などの職種では、このようなコミュニケーションが重要となるでしょう。コミュニケーションを重視することで、自身だけでなく同僚も仕事がしやすくなります。
このように、人と円滑なコミュニケーションを心がける姿勢がある人は、気配りが上手にできていると言えるでしょう。
7:空気を読んで発言ができる
次に、空気を読んで発言ができる点も大事なポイントです。
実はこの世の中、空気を読んで発言ができる人は実は意外と少ないのです。
言わなくてもいいことを言ったり、やらなくてもいいことをやったりする人というのは結構います。
逆に何をしなくてもいいかを判断できたり、何を言うと無駄や余計なお世話になってしまうかを適切に判断できたりするのです。
このため、あえて余計なことを言わないという点も評価されます。
【自己PR:気配り・思いやり編】気配りをアピールすることで企業に与える印象
ここでは自己PRの際に気配りをアピールすることによる印象について紹介します。
気配りというと、プラス点に思われるかと思いますが、企業においてはマイナスに思われることもあるのです。
ただ、基本的にはポジティブに捉えられるので、一つのアピールポイントとして踏まえておくべきでしょう。
コミュニケーション能力がある
自己PRで気配りをアピールすることによって、企業に与えられる印象はコミュニケーション能力の優れている人物です。
コミュニケーション能力は社会人にとって必須のスキルです。
コミュニケーション能力があることをマイナスに受け取る企業は絶対にありません。
また、学生時代は一人でなんでもかんでも解決してきた人もいるかもしれませんが、会社組織においては一人で仕事をすることはまずなく、必ずチームで動きます。
また、社外の方との打ち合わせなどもあるため、それらの際に円滑なコミュニケーションが取れるかどうかを企業は確認しているのです。
そのほかの能力が高くとも、コミュニケーション能力が低ければ、取引先とトラブルになることもあります。
コミュニケーション能力の低い人間を雇うことは、企業にとってはリスク以外の何物でもありません。
これはしっかりと肝に銘じておくべきでしょう。
企業で育成しづらい個性
気配りができるというのは、仕事のスキルなどのように他人に教えてもらってできるようになるようなものではありません。
あなたが自分で考えた結果、その人のためにどのようなことをすれば良いのかを考えられるその気配りは、企業としても非常に高評価です。
ある意味では、ビジネスにおける天性といっても過言ではありません。
ユーザーの問題を解決するのは企業の役目ですが、相手のことを理解する能力がなければ、そもそも問題点が何かに気づけません。
【自己PR:気配り・思いやり編】気配りができることが高評価につながりやすい仕事
ここからは、気配りができることで高評価につながりやすい仕事を紹介していきます。
気配りが上手であることが自分の長所だと感じていて、その長所を仕事に活かしたいと考えている方は、以下の内容を参考にしてみてください。
営業職
営業では顧客のニーズを読み取り、適切なアプローチをすることで売り込みの成功率が上がります。また、顧客とのコミュニケーションの場においては空気を読み、発言や行動で場を和ませるような気配りができることが好ましいと言えるでしょう。
販売スタッフ
販売スタッフの仕事は、さまざまな顧客と会話を交わし、コミュニケーションを行います。その中で十分な気配りをすることで、顧客のニーズを満たしていくのです。
そのため、販売スタッフの仕事では気配りができることが評価されると言えるでしょう。
飲食業や小売業
小売業は、スーパーやコンビニなどで実際に顧客に対して商品の販売を行います。また、飲食業は飲食店で食べ物などを提供する仕事で、同じく接客を行う職業です。
飲食業と小売業、どちらの業種も顧客とのコミュニケーションの中でニーズを読み取り、商品やサービスを提供していきます。そのため、飲食業や小売業も気配りができることが高く評価されるでしょう。
人事
人事は、自身の気配りや思いやりをアピールするのにうってつけな仕事のひとつです。
人事の仕事は、新卒や中途の採用を取り仕切ってよりよい人材の確保に動くことはもちろん、時にはグループ内の人員配置や構成を改めることで、業務全体を円滑に進めやすくするものです。
それぞれの社員の立場に立ち、業務に携わる思いに寄り添いながら仕事を遂行していくため、気配りや思いやりがなければ務まらない仕事といえるでしょう。
社内環境の改善に欠かせない存在であり、自己PRで気配りや思いやりをアピールするのにうってつけの仕事です。
企業が求める人物像を把握しておこう
自己PRで気配りや思いやりをアピールするといい職種は複数あります。
ポイントは“企業によって求める人物像や効果的なアピールは異なる”という点であり、自己PRを考える上で意識しておきましょう。
なぜなら、気配りや思いやりがアピールできる仕事がたくさんあるように、気配りや思いやりから連想できる人物像は、多岐にわたります。
志望する企業によってどういったアピールがもっとも的確であるかを見極める必要があるため、ぜひとも企業研究は入念に行っておくことをおすすめします。
【自己PR:気配り・思いやり編】気配りについて自己PRを作る際の構成
自己PRを作成する際は、自分の強みや経験が仕事においてどのように活かせるかを、相手が具体的にイメージできるように構成する必要があります。
構成方法について詳しく見ていきましょう。
結論:私の自己PRは気配りができるところです(アピールポイント)
まず初めにアピールしたいことを結論として最初に持ってきます。
最初に結論を置くことで、これから語る内容の全体像を相手が把握しやすくなり、より集中して話を聞いてもらえる可能性が高くなります。
可能であれば抽象的な表現を使わずに、なるべく具体的な表現を使うようにしましょう。
「気配り」の種類にもいろいろあります。
単に「気配りができる」とするよりは、「自分の周囲の人たちが気持ちよく動けるような環境づくりができる」のように具体的な表現で言い換えられると、他人と差をつけることができます。
また、アピールポイントを印象付けるためにも「~と思います」のような曖昧な語尾は避け、言い切る形にしましょう。
理由:なぜならば、〇〇で〇〇ということがあったからです
なぜ気配りができるところが自己PRにつながるのか、その強みを発揮したエピソードを使用して強調します。
ここで重要なのが、先に理由を簡潔に説明することです。
いきなり詳細なエピソードに入ってしまうと、肝心な「なぜ?」の部分がわからないまま相手は最後まで話を聞くことになり、冗長的に受け取られてしまいます。
たとえば「部長として部活の雰囲気が良くなるように部員一人ひとりと仲を深めていったことで、チームワークを強めることができたということがあったからです」と先に説明すれば、聞き手は理由を把握した上で、これから部活での気配りエピソードについて話すのだなと聞く態勢を整えることができます。
相手の立場に立った聞きやすさ、理解しやすさを意識して作成しましょう。
エピソード:私は〇〇で、〇〇をしていました
具体的なエピソードを盛り込み、話に説得力を持たせます。
ただし、体験をそのままつらつらと語っても単なる自分語りで終わってしまい、聞き手を無視した印象になってしまいます。
「いつ」「どこで」「誰と」「どのように」といった5W1Hを意識して内容を構成することで、具体性が増すとともに、イメージが湧きやすくなるのです。
また、エピソードとアピールポイントに関係性が見出せないと裏づけにならないため、注意が必要です。
しっかりと裏づけられるような内容になっているか念入りに確認しましょう。
関連するエピソードが思いつかない場合は周囲の友人や家族に相談してみるのも良いです。
問題:その経験で〇〇という問題に直面しました
部活やアルバイト、友人関係など、どんな場面においてもなんらかの障壁はつきものです。
何も大きな挫折や困難がなければアピールとして語れないわけではありません。
自分にとって問題点や課題であったと思うことを見つけ出し、それに対して自分なりにどのように考え、行動し、乗り越えたのかという次のステップへつなげられることが重要です。
また、問題となるエピソードを作成する際は、その問題に直面したときの感情も添えてみましょう。
「なかなかうまくいかなかった」と事実だけつづるよりは、「なかなかうまくいかず悔しい思いをした」と感情も含めたほうがより印象深く聞こえるようになります。
行動:私は〇〇と考え、〇〇を行いました
設定した問題や課題に対してどう対処したかを加えます。
どう努力し行動したかという内容から、採用担当者は仕事への姿勢や取り組み方をイメージするのです。
最終的に取った行動だけではなく、なぜそうするに至ったかという自分の考えを織り交ぜると、思考力や人間性もあわせて伝えることができます。
たとえば、「部員同士がもっと親しくなれるような企画を考えた」と「部員同士の結束力を強めることで、チームとしてより良い成績を残せると思ったので、皆がもっと親しくなれるような企画を考えた」では、結果的に同じ行動を取っていても受ける印象がまったく違います。
前者よりは後者のほうが、今後のビジョンを捉えた上で行動しているという印象が強くなっているでしょう。
また、他者への気配りや協調性もあることが感じ取れます。
入社後のほかの社員との関わり方や業務における考え方、立ち回り方を具体的にイメージしてもらうことができるでしょう。
結果:その結果、〇〇となり、〇〇に大きく貢献しました
行動した結果、どのような実績や成果を出せたかを説明します。
この際に、「~ということについて頑張った」という主観的な表現よりも、「~について3か月間継続して頑張った結果、40点から90点に上がった」というように客観的なデータや数値を盛り込むと効果的です。
また、他人から言われた言葉を使用するのも一つの手です。
たとえば「『あなたのおかげで部員の士気が上がった』と言ってもらえました」というエピソードを入れることで、成果を出せた上、周囲と良好な関係性を築ける人なのだとプラスの印象を与えられます。
これらの方法を用いることで、より説得力が増し、相手を納得させる一因になるでしょう。
結論:その経験を活かして貴社では〇〇で貢献していきたいと考えております
自己PRの最後として、今まで述べた経験から、アピールポイントが入社後にどのように仕事で活かせるかについて言及します。
仕事での活かし方に触れることで、実際に活躍する姿を相手がイメージしやすくなります。
企業研究をしっかりしていて志望職種の仕事内容がわかっている場合は、「貴社の〇〇という仕事で、私の気配りができるという強みを活かし~という風に働きたいです」とまで言えると良いでしょう。
会社への志望度の高さや熱量が伝わり、強い自己PRになります。
【自己PR:気配り・思いやり編】言い換えで差別化をしよう
ところで、面接のときに「私は気配りができます」というのは、正直なところあまりいいアピールとは言えません。
この場合、適切なエピソードを伝えないとこの点が判断されないこともありますし、似たようなアピールは結構あるものです。
実はここでは別の言葉に言い換えて、より違う印象をアピールするのも方法でしょう。
周りのことまで考えて行動できる
まず、一つの言い回しとしては「私は周りのことまで考えて行動できるという側面があります」というようなものです。
これは自分のことだけを考えて進むという強さよりも、自分が周りのことも考えて行動できる協調性があることを示します。
このため、どちらかと言えばサポート業務や介護・看護などの献身を求められる業務などで効率よくアピールすることができるでしょう。
現状を把握し、対応ができる
もう一つの言い回しとしては「私は現状を把握し、適切に対応することができます」というようなものです。
こちらは前の言い回しより自分の積極性や行動力まで一緒にアピールできますので、どちらかと言えば営業職や技術職など、積極的に動く必要がある仕事で気配りをアピールしたいときに使えるでしょう。
気配りとよく似ている言葉
「気配り」に似ている言葉には、「目配り」「心配り」などがあります。しかし、この3語はそれぞれ異なった意味をもっています。それぞれの言葉がもつ意味は、以下の通りです。
気配りとは相手のニーズを想像し、行動することを指します。
目配りとは、周囲の人々や環境に目を配り、何かあったらすぐ気が付くようにすることです。
そして心配りとは、相手の気持ちを推察して心に寄り添い、行動することを指します。
いずれの言葉も意味が似ていますが、細かく使い分けることでより具体的に自身の良さをアピールすることができます。
それぞれの言葉が持つ意味をおさえた上で、自身の自己PRにあてはまる言葉を使うようにしましょう。
【自己PR:気配り・思いやり編】気配り自己PRする際の注意点
自己PRであなたの気配りをアピールする際にはいくつか注意点があります。
そうした注意点にも気を配ることであなたの自己PRはより説得力を持ってアピールすることができます。
ここでは就活生が間違えがちな自己PRの注意点について徹底解説していきます。
誤字脱字に気を付ける
最低限のマナーとも言えますが、自己PRを書く際には誤字脱字に気を付けるようにしましょう。自己PRに誤字脱字があると、読みにくく気配り不足の自己PRだと思われてしまいます。
当たり前の気配りをアピールしない
これは当たり前ですが、やって当たり前のことを気配りとしてアピールしてしまっては気配りしては捉えられません。
例えば、アルバイトでお客様のために積極的に〇〇をしたというようなアピールをしても、企業によっては、それは業務の範囲内じゃないのか?と思われてしまうような内容では企業から良い評価を受けることはできません。
気配りというあなたの良いところをもっと深掘りして、本当に自己PRとしてアピールできる内容なのかを考えることをおすすめします。
また、アピールする際のエピソードは本当に気配りに適しているものかどうかも考えてみてください。
伝え方に気をつける
気配りなどの誰かのために行動できるというアピールは伝え方に気をつける必要があります。
エピソードを聞いた担当者はあなたのアピールに対して恩着せがましいなどの印象を持つかもしれません。
そうしたことがないように、あなたが本当に気配りのできる人であると企業に対して思ってもらえるようなエピソードなどを用いてアピールする必要があるのです。
そのためには一度友達や就活アドバイザーなど、第三者に添削をしてもらってその印象を聞くことをおすすめします。
【自己PR:気配り・思いやり編】自己PRで気配りをアピールする際のポイント
気配りができるのは、社会人としてはとても大切なことです。
職場での上司や同僚、後輩への気配り、顧客や取引先への気配りなど、社内外のさまざまなシーンで求められるものです。
誰もがそれなりに持っていてほしい心構えだからこそ、それを自己PRとして打ち出すには、面接官に「なるほど。」と思わせ、「それは大したものだ。」と心のうちでうならせるようなエピソードが求められます。
さらに気配りができるからなんなのか、仕事にどう活かすことができ、役立てることができるのかも伝えることがポイントです。
具体的に自己PRで気配りをアピールする際の3つのポイントをご紹介します。
自分の気配りで生まれた成果を伝える
行動した結果、どのような実績や成果を出せたかを説明します。
この際に、「~ということについて頑張った」という主観的な表現よりも、「~について3か月間継続して頑張った結果、40点から90点に上がった」というように客観的なデータや数値を盛り込むと効果的です。
また、他人から言われた言葉を使用するのも一つの手です。
たとえば「『あなたのおかげで部員の士気が上がった』と言ってもらえました」というエピソードを入れることで、成果を出せた上、周囲と良好な関係性を築ける人なのだとプラスの印象を与えられます。
これらの方法を用いることで、より説得力が増し、相手を納得させる一因になるでしょう。
普段のコミュニケーションで気を配っている点を紹介する
普段のコミュニケーションでの留意している点を自己PRに盛り込むことで、企業はあなたの人に対する態度や、あなたの人柄を想定することができます。
そのため、普段のコミュニケーションで気を配っていることを紹介して、より説得力がある内容にしましょう。
第三者からかけられた言葉を入れる
「気配り」を自己PRしたいとき、「私は気配りができます。」とあなたが一人で言っているだけでは、その内容に信憑性を持たせることができません。そこで、自己PRには第三者にかけられた褒め言葉などを盛り込んで、内容に説得力を持たせるようにしましょう。
【自己PR:気配り・思いやり編】気配りを自己PRする際のケースごと気を付けること
自己PRで気配り上手なことをアピールするためには、選考先とのやり取りや、面接の場面でも気をつけなければならないことがあります。
ここからは、「気配り」を自己PRに使う際の注意点を紹介していきます。
これから就活をする方は、以下の内容を参考にしてみましょう。
選考先とのやり取りのとき
就活においては、選考を進めるにあたり選考先とのやり取りをする場面が多くあります。
電話連絡をしたり、メールのやり取りをしたりすることもあるでしょう。
たとえ自己PRで「私の強みは気配りができるところです。」と言い切っていても、このような選考先とのやり取りの中で失礼があると台無しです。
選考先とのやり取りの中では、失礼のない言葉遣いを心がけ、返事を返す早さや時間帯などに気を付けるよう心がけましょう。
面接のとき
ESや面接の自己PR対策をするときに意外と落とし穴になるのが、面接時の態度です。
いくら口で「自分は思いやりがあります」「気配りができます」と強みを述べて具体的なエピソードを披露したとしても、肝心の面接で気配りや思いやりができていなければ説得力に欠けてしまいます。
たとえば、時間を気にせずに長々と話続けたり、面接会場に到着したのが時間ギリギリだったりすると、気配りや思いやりができる性格というのは口だけかと思われる可能性大です。
気配りや思いやりという強みを自己PRの材料に使うのであれば、それを誠実な態度で証明しなければなりません。
そのためには、人並み以上に誠実な社会人マナーや相手の反応などには気を使い、失礼がないように思いやりや気配りをする必要があります。
他の就活生と面接を受けるとき
就活ではグループ面接のように、他の就活生と共に面接を受けることがあります。
このようなグループ面接で他の就活生の発言を遮ってしまったり、自己主張ばかりしたりする場面があると、「この就活生は気配りができないな」と思われてしまいます。
「ライバルに差をつけたい」という気持ちがあるかもしれませんが、他の就活生と面接受けるときには周囲に対する態度に気を付けましょう。
【自己PR:気配り・思いやり編】自己PRで気配りをアピールした例文集
ここからは気配りができることを伝える例文を紹介しましょう。
上のポイントを押さえながら気配りができることをアピールしましょう。
アルバイトの経験から
私は相手のニーズを深く考え、気持ちも理解することで、チームの力を最大限引き出すことができます。
私は3年間全国チェーンのステーキハウスで接客のアルバイトを経験しました。
同じ店舗で長期間働いていたこともあり、2年目からは新人のアルバイトの教育担当、一部新人の正社員の方の教育も担当することになりました。
本音で話せる関係ができれば、他のアルバイトとのシフトの調整が楽になって私の指示や説得で円滑にシフトが組むことができました。
その結果、アルバイト同士の信頼関係もできてきて、私の指示も必要なく、各メンバーでシフトの調整をしてくれるようになりました。
この経験から、相手の状況や考え、気持ちまで理解する気配りが、大きな差を生んでしまうことを学ぶことができました。
私が社会人になっても、相手を理解し、気配りを忘れずにチームに貢献できる人材として貴社に貢献したいです。
マネージャーの経験を活かす
私の強みは、周囲の状況を確認して行動できることです。
私は学生時代に、バスケットボール部のマネージャーをやっていました。
1人1人の体調をチェックし、少しでもきつそうであれば声をかけ、水分を取っていない選手にはドリンクを渡すなど、常に部員の体調管理に気を配りました。
その結果、体調を崩す選手が減り勝率もどんどん上がるようになりました。
部員にも感謝され、とても嬉しかったのを覚えています。
入社後は気配りができることを活かし、チームメンバーでの仕事効率を上げていきたいと思っています。
アルバイトでの接客や人間関係
私の強みは、相手の気持ちになって考えることができる点です。
私は居酒屋でアルバイトをしていました。アルバイトを始めた当初は気が利かず、どう動いたら良いかなかなか分かりませんでした。
しかし元々人と話すことが好きであったため、お客様とのコミュニケーションを大切にしていくよう心がけました。そしてお客様との会話の中で、お客様のニーズを先読みして動くことができるようになりました。
また、居酒屋のアルバイトではバイト仲間とのチームワークも重要なものとなります。他のバイト仲間の動きを目で追いながら、サポートするために自分が何をしたら良いか、常に考えながら動くよう努めました。
その結果、多くのリピーターを獲得し、お客様から「ありがとう」「また来たい」との声をいただきました。
御社においてもこのような経験を活かし、顧客のニーズをくみ取れるよう努力していきたいと考えています。
チームリーダー
私の自己PRは、人の気持ちを察して対応する力です。
私は大学の文化祭実行委員会で、チームリーダーとして活動しました。さまざまな学年・学部の学生を統率することはとても難しく、特に話し合いの場を円滑に進めることに難しさを感じました。
そこで人数が多い団体ではあったものの、「一対一の付き合いをおろそかにしてはスムーズなコミュニケーションは成立しない」と考え、メンバーと挨拶や雑談をするよう努力しました。
その結果、話し合いの中で相手が「何を言いたいのか」「なぜそう思ったのか」を次第に理解できるようになり、メンバーそれぞれが納得のいく形での文化祭を完成させることができました。
メンバーからも多くの感謝の言葉も貰い、嬉しかったのを覚えています。
御社では開発職を志望していますが、仕事の場面でも同僚とのコミュニケーションを大切にして、より良い商品開発に努めていきたいです。
ボランティア活動
私の強みは、周りの状況をすぐに判断して、率先して行動できることです。
この強みを特に活かせたのが、ボランティア活動でした。
昨年、○○豪雨の被災地へ向かったときに、現場はとても忙しく指示待ちのボランティアの方がたくさんいました。そのような中、私は手が足りていなさそうな場所を自ら判断し、メンバーへ指示を出しながら率先して行動するようにしました。
その結果、被災地の方々から、多くのお礼の言葉をいただきました。
この強みを貴社でも活かし、チームメンバーのサポートを積極的に行いたいです。
後輩の育成や指導
私の強みは相手の立場に立って考え、行動を起こすことができる点です。
私は高校・大学と、6年間同じ書店でアルバイトをしていました。大学3年生の頃、店長から後輩の指導をするように言われ、数ヶ月間フォローを行いました。
指導を行う中で後輩がどうしても覚えられない事項があり、困っていることに気付きました。そこで後輩のために指導方法を見直し、何度も反芻して伝えるようにするなど工夫をしました。
また、質問しやすい雰囲気を作ることを意識して、後輩との普段のコミュニケーションをより一層とるように心がけました。
その結果、後輩は予定より早く研修を終えることができたのです。店長からも「〇〇くんのおかげで即戦力になるバイトが増えたよ」とお褒めの言葉をいただきました。
このような私の強みを活かし、御社でも社内外での円滑な人間関係の構築に努めたいと思います。
【自己PR:気配り・思いやり編】自己PRで気配りがあることをアピールする際のNG例
自己PR分を書くとき、気配りがあることをアピールするのは悪いことではありません。
ですが、気配りがあることをアピールする際にあまり良くない書き方というのもあります。
ここでは二つのケースを紹介しましょう。
NG例文①
中学生のころから柔道をやっており、いろいろな人と関わることで、多くの人と交流を持ち、その中で気遣いを学ぶことができました。
また、柔道は一瞬の行動が試合の勝敗に大きく影響を及ぼしますので、瞬時に判断して適切に対応する能力も育ったと思っています。
この場合は柔道をやっていたことや、瞬時に判断する能力があるということは伝えられるものの、すべて自己判断で、客観的に見てどうなのかという理論建てた側面がわかりにくくなっています。
具体的にどういうときにどういう風に成功したのか、また、どういう点で対処が必要だったのかというエピソードの部分が大きく欠けています。
このため、あまり論理的ではない文章になってしまっているのです。
NG例文②
私はサークルでプログラミングをしており、そこでイベントの大会のチームリーダーとして動くことになりました。
その際、周囲のみんなが第一にチームで動くことを考えて、チームで動けるようにまずはルールを明確に決め、その上できちんと動けるように細かい配慮をしたり、適切に対応したりできました。
この場合、チームリーダーとして動いたリーダー経験と、周囲のことを考えて適切に動けるという側面の二つがミスマッチしています。
チームで動けるようにルールを決めたり細かい配慮をしたりしたことは、むしろ気遣いが上手な人というよりは、リーダーシップがあるという側面を前面に押し出したほうがいいでしょう。
また、この場合はおそらく結果がどうだったかも知りたくなるものです。
結果についても記載し、努力をアピールする方向で進めるといいでしょう。
【自己PR:気配り・思いやり編】他人とはひと味違う自己PRで内定をつかもう
ES・面接で数多くある「気配りができる」「思いやりがある」という長所・自己PRの中から自分のものに注目してもらい、採用につなげていくためにはより魅力的で説得力のある内容の文章や話に仕上げる必要があります。
そのためには、「オリジナリティが感じられる言葉のチョイスや言い換え」「具体的なエピソードの例」「入社後の活躍をイメージしてもらいやすい抱負」などいったポイントを意識し、先輩などにチェックしてもらうことが大切です。
ほかの人とはひと味違う自己PRを武器にして、着実に内定へと近づいていきましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート