はじめに
就活時にはリクルートスーツを着用することが一般的です。
しかしながら約5割の企業が、面接や会社説明会の際に「服装自由」もしくは「私服でお越しください」という指示を出していることがわかっています。
スーツ姿で活動することに慣れている就活生にとっては、私服指定にされた時にどうすれば良いのか戸惑いが生じるものです。
私服と言われても、やはり常識の範囲内での身だしなみをすることが重要になってきます。
そもそも服装自由と言われた場合、企業側にはどのような意図があるのでしょうか。
また自由な服装でも好印象を持ってもらえるように知っておきべきポイントについて紹介します。
これからの就活において服装自由と指定があった場合の参考にしてください。
【就活時の服装自由とは】指定する人事の意図は?
面接や説明会での就活生の身だしなみは、その人の人間性や社会的マナーを見極める判断材料の一つになります。
それゆえに、だらしない格好であるとマイナス評価につながることが多いです。
そんな中で「自由な服装でお越しください」という人事からの指示には、どういった意図があるのかを考えてみましょう。
服装自由と言われたからといって、何も考えずに適当なスタイルで行くわけにはいきません。
きちんと企業の考えるところを知って、適切な服装を心がけたいものです。
気軽に参加してほしい
特に会社説明会においては、服装自由と呼びかけることで気軽にたくさんの就活生に参加してほしいという意図があります。
堅苦しい服装となるとそれだけで、就活生は緊張してしまいがちです。
会社説明会は企業を知るための一つの手段でもあります。
しかしながら忙しいうえにわざわざ参加するのが面倒に感じる就活生が多いのも事実です。
そんな中でも私服で良いとなれば、時間を作って立ち寄りやすくなります。
面接でも、あまりカチカチになりすぎずに参加してもらうほうが、その人の本当の姿がわかりやすいです。
「どうぞ気を張らずに面接にいらしてくださいね」という意味合いで、服装自由を呼びかける企業も多いといえるでしょう。
就活は、就活生と企業との出会いからスタートします。
より多くの人に気軽に参加してほしいという気持ちから、服装自由と指定する企業は少なくありません。
できるだけ多くの学生と出会いたい
企業側にとっては、説明会に大勢に来てもらうことで自分の会社をより多くの人に知ってもらうことができます。
また採用においても幅の広い人材の中から選ぶことができるので、会社にマッチした優秀な逸材に出会える可能性が広がるわけです。
もちろん採用人数は決まっているので、たくさんの就活生と面接対応するのは大変ではあります。
しかしながら会社としては、妥協して誰かを採用するのではなく自社で活躍してくれるだろう最適な人物を探したいわけです。
そのためにはできる限りたくさんの学生と、接する必要があります。
服装自由にすれば、説明会でも面接でも「それなら行こうか」と思う学生が増えるのは確かです。
そこに企業側の意図があるともいえそうです。
学生の普段の姿が見たい
説明会でも面接でも、人事担当者に気に入ってもらいたいと気合いを入れて参加する就活生はたくさんいます。
けれども人事が見たいのは、無理して良い格好をしている学生ではなく、いつも通り本性が表れている自然体の学生です。
あまりにも自分を繕いすぎている学生では、その人の本当の姿はわかりにくいです。
普段通りの私服で来てくださいと企業側が言うのは、その人のいつもの姿が見たいという気持ちの表れでもあります。
私服を見てこそ、「ああ、この人はこういう雰囲気でこういう面があるのだな」とわかる点は多いものです。
自分を作ってしまいがちな就活において、少しでも学生の本性を知るための方法として私服スタイルでの会社説明会や面接を企画しているのです。
【就活時の服装自由とは】どのような服装と想定されている?
企業に自由な服装でと言われたところで、そもそも服装自由とはどういったスタイルなのか悩む人は多いのではないでしょうか。
服装自由という指示に対しての捉え方も人さまざまです。
とはいえ常識ある人であれば、「服装自由と言われても、マイナス評価につながる服は着て行けないな」と感じるはずです。
まずは一般的に、就活時の服装自由とはどのように想定されているのかを知っていきましょう。
基本はオフィス想定カジュアルかスーツ
服装自由の選考時に就活生に着てほしい服として、55%以上の企業が回答しているのが「オフィスカジュアルスタイル」です。
そして約42%が、「スーツスタイル」と回答しています。
つまり服装自由と指定していても、企業は決してデニムや派手な普段着での来場は求めていないということになります。
参考までに、それ以外の想定スタイルとしては「その人らしさが伝わる普段着」が約34%で、「想定したけれども特にこだわらない」という答えが残り12%ほどです。
このアンケート調査から考えても、服装自由と言われた時に着て行くべきはオフィスカジュアルかスーツが無難といえるのではないでしょうか。
「私服でお越しください」の場合はオフィスカジュアル想定
面接や企業説明会で私服指示が出た場合も、悩んだらオフィスカジュアルスタイルにしましょう。
「私服」という幅は非常に広いですが、私服スタイルでも人事担当者はきちんと見るところを見ています。
マイナスな印象を持たれてしまって選考失敗するよりも、無難にオフィスカジュアルで参加するほうが後悔しないはずです。
企業側もオフィスカジュアルスタイルを想定しているところがほとんどなので、とりあえずはスーツを崩したような気軽な通勤服をイメージしてコーディネートすれば安心です。
就活の服装は冒険するよりも無難にいきましょう。
特例で普段着を見たい場合も
アンケート調査の約34%にあたる「その人らしさが伝わる普段着」という意見の企業には、アパレル業界や化粧品業界などが挙げられます。
ファッション関連商品や美容関連商品を扱う業界では、スタッフのおしゃれのセンスの良さも重要となってきます。
センスの良いスタッフであれば、客からの信頼を得ることができますし接客過程においても自らが見本となることができるからです。
服装自由の指定があった場合には、自分が受ける業界や職種に合った服装を考えることも大切になってきます。
個性やセンスの良さをアピールするべき業界・職種であるのならば、それなりに自分らしさが表現できて素敵だなと感じてもらえる服装を選びたいものです。
【就活時の服装自由とは】スーツで参加するのはアリ?
就活といえばリクルートスーツが定番です。
就活に向けて新しくスーツを用意したという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
スーツ以外で就活するのは不安でしかないという気持ちになるのも無理はありません。
しかし、企業側から「服装自由」と指定されている場合は、スーツを着る必要はなく、かえってスーツでないほうが無難です。
スーツでなくても、派手で露出が多いなど仕事にふさわしくない服装でなければ企業側の心象を損ねることはありません。
企業の指定に従う
就活の際は企業からの指定には基本的にはすべて従いましょう。
スーツのほうが無難で安心できそうですが、何よりも大切なのは企業からどのような指定を受けているのかということです。
企業がスーツでなく私服を指定しているのであれば、スーツを着ていることだけでも企業の規定を破っていることになってしまいます。
「服装自由」となっている場合は、そもそもなぜ服装自由なのかを考えてみましょう。
企業側も意味なく服装を指定するわけではありません。
確実に何かしらの理由や目的があるので、それを意識して服装を選んでください。
「服装自由」であればスーツが禁止されているわけではありませんが、それでもなるべくスーツで行かないほうが無難と言えるでしょう。
臨機応変な対応ができないと思われる
現在の日本では就活の際はリクルートスーツを着用するのが当たり前になっています。
就活シーズンになれば、リクルートスーツを着た就活生を毎日のように目にするでしょう。
しかし、その「就活にはリクルートスーツ」という当たり前は絶対ではありません。
実は就活にはスーツを着なければならないという決まりは一切ありません。
服装自由と言われたにもかかわらずスーツを着てしまうと、自分の中での当たり前を崩せず臨機応変な対応ができない人だという印象を与えてしまいます。
企業側はあなたが選んだ服装からあなたの人柄などを見極めるために、わざと服装に関して規定を設けているのです。
企業からの指定の範囲で、あなたらしさが出せるように気を付けましょう。
特別な事情がない限り私服やオフィスカジュアルで参加しよう
派手な服装が好きな方ですと、私服が派手でどうしても私服だと周囲から浮いてしまうというお悩みを抱えている方もいます。
逆にファッションにこだわりがない方ですとスーツのほかに就活に着て行ける服がないという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、そういった特別な事情がない限りは「服装自由」と言われたらスーツは避けたほうが無難です。
それでも私服だと不安だという方はオフィスカジュアルを取り入れると良いでしょう。
スーツほど堅苦しくはないけれども、職場で浮かないような服装を工夫してください。
スーツを着た人と並んでもあまり違和感のない服装をイメージすると上手に選べます。
もしお金があれば、スーツのほかにもビジネスカジュアルの私服も用意しておきましょう。
【就活時の服装自由とは】基本のオフィスカジュアルについて
服装自由で55%以上の企業が想定した「オフィスカジュアルスタイル」について、具体的にどういうものなのかを見ていきましょう。
一言にオフィスカジュアルと聞いても、ピンとこない人も多いはずです。
もちろん男性と女性でも、それぞれ理想的なオフィスカジュアルスタイルは違ってきます。
上下お揃いでなければダメなのか、色やデザイン、さらに靴やカバンについてもどういったものを身に着けると良いのか紹介します。
オフィスカジュアルとは?
オフィスカジュアルの定義は、はっきりと決められているわけではありません。
就活におけるオフィスカジュアルスタイルを定めるとすれば、「ビジネスシーンにふさわしい服装でありながらも、スーツを少し崩してかっちりし過ぎていない服装」といえるでしょう。
仕事場で職場の人間や取引先、客と対応するのに適した服装であり、相手にプライベートな印象を持たれないことも重要です。
たとえば女性の場合なら、OLとして働いている姿をイメージしてみるとわかりやすいかもしれません。
制服のない会社でオフィスにて接待や事務をするにあたって着るだろう服を、会社説明会や面接でも身に着ければ良いのです。
色選びのポイント
オフィスカジュアルスタイルでは、どういったカラーを選ぶかも重要ポイントになります。
まず避けたいのは、派手な印象を持たれるビビッドカラーです。
赤や黄色、明るすぎるコバルトブルーなどは鮮やかですが就活にはふさわしくありません。
就活で身に着けるべき服の色としては、ネイビーや黒・ベージュや白などいわゆるベーシックカラーがおすすめです。
ほんの少し明るさをプラスしたいのであれば、淡いパステルカラーを差し色にすると良いでしょう。
クリーム色や薄いピンクなど、優しい色合いをコーディネートするのは問題ありません。
トップス
オフィスカジュアルのトップスについて、適切なアイテムを紹介します。
まず男女ともに、ジャケットにスーツの組み合わせは品が良くておおすすめのトップスです。
オフィスカジュアルではジャケットの着用は必須というわけではありませんが、襟のある軽めの羽織り物を合わせるだけで、フォーマルな雰囲気が出てオフィススタイルらしくなるでしょう。
特に冬場はシャツだけでは寒いので、気軽に羽織れるジャケットやカーディガンを用意すれば安心です。
ただし、パーカーやジージャンなどはプライベートな印象になるのでNGです。
シャツやポロシャツ、カットソーなど1枚を着用する場合は、襟付きを選ぶようにしましょう。
ボトムス
ボトムスについて、男女別に見ていきます。
男性の場合は、スラックスやジャケットパンツが無難です。
ジーンズは控え、業種によってはチノパンなどはOKのケースもあります。
ダボッとしたものはプライベート館が出るので、細身タイプを選びたいものです。
女性はパンツスタイルにするなら7~10部丈のスリムなものにしましょう。
ジーンズや短パンは就活にはふさわしくありません。
ただし、業界によってはデニムスタイルでもOKな場合もあります。
スカートにする場合は、膝丈より短いものは控えます。
説明会でも面接でも椅子に座ることがほとんどなので、座った時に気にならない長さが安心です。
またストッキングを着用するようにして、素足のままは避けましょう。
靴
面接でも足元はしっかりと見られています。
靴に関しては、事前までに洗ったり磨いたりして汚れを取り清潔にしておくことが重要です。
男性は、革靴か派手すぎないデザインのスニーカーにします。
スポーツマンの場合は履き古したスニーカーではだらしなく見えてしまうので注意しましょう。
靴下は黒か白が無難です。
女性の場合は、ヒールの低いパンプスを履くのが一般的です。
歩きやすいローファーや業界によってはおとなしめのスニーカーも許容範囲になります。
服装自由と言えども、素足でのサンダルや冬場のブーツは就活には不適切です。
光沢の強い材質の靴も派手に見えるので控えたほうが無難です。
カバン
カバンに関しては、黒や茶色、紺色などのベーシックカラーを選ぶようにします。
形としては、ビジネスバッグが安心ですがきちんとした形であれば問題ありません。
ただしアウトドア感のあるポシェットやクラッチバッグなどは控えるようにします。
会社説明会でも面接でも、会社のパンフレットや書類を貰う可能性が高いです。
また履歴書などを提出しなければならない場合もあります。
大切な書類を折らなくても良いように、A4サイズのカバンを使用することが望ましいです。
両手が開くリュックサックは、色やデザインがカジュアルすぎないものであれば良いでしょう。
大きなロゴやイラストが入っているカバンはNGです。
まとめ
私服や服装自由と指示された時に、失敗しないポイントとしてその会社に合ったスタイルを考えることが何よりです。
あまり深く考えず、オフィスカジュアルスタイルかスーツのどちらかにすれば大きなマイナス評価につながることはまずありません。
前日までに着て行くアイテムを決めて、アイロンもかけて靴も磨いてしっかり準備しておきましょう。
何を着て行くか悩みすぎて当日遅刻してしまうといった残念なことにならないようにしたいものです。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート