就職活動では、一人称を巧みに用いることが大切です。
基本的に男性でも女性でも、就職活動では「私」という一人称を用いることが好ましいですが、状況に応じてはそもそも一人称をあまり多用しない方が良いという場面もあります。
エントリーシートなどでも、自分のことを表現するときには「私」という一人称を使うのが一般的ですが、一人称の使い方や一人称を用いる場面などには柔軟性が求められます。
ここでは、就職活動やエントリーシートなどに用いる一人称について詳しく解説します。
ESの一人称は「私」が最適!
就職活動では、エントリーシートや履歴書などの書類を書く機会が増えます。
そのときに、どのような一人称を用いるべきか悩んだことがある人もいるのではないでしょうか。
普段の生活において、男性なら「僕・俺」、女性なら「わたし、あたし」などの一人称を用いることが多いですが、就職活動の場で一人称を「俺」や「あたし」で通すという人はまずいないでしょう。
ただ、特に男性の場合ですが、「僕」という一人称を使っても良いかどうかについては疑問の余地がありそうな部分です。
確かに、「僕」という一人称は「俺」などのように乱暴な言い方ではありません。
しかし、就職活動においては、やはり「私」という一人称が望ましいでしょう。
この「私」の読みは、「わたし」ではなく「わたくし」です。
自分を表す謙譲語、または丁寧語ですから、社会人として相手と接する際は、やはりこの「私」という一人称が適していると考えられます。
「僕」「俺」「自分」は避けたほうがよい
日常会話や親しい間柄でよく使われる「僕」や「俺」、あるいは「自分」といった一人称は、エントリーシートなどの正式なビジネス書類では使用を避けるのが鉄則です。
男性に多く見られる「僕」や「俺」といった表現は、カジュアルで幼い印象を与えてしまい、社会人としての公私混同を疑われる原因になります。
また体育会系の就活生などが使いがちな「自分」という表記も、ビジネスの場では少しくだけすぎた表現とみなされることがあります。
選考書類は企業に対する公的なオフィシャルな文書ですので、相手に敬意を示すためにも普段の口癖が出ないように意識して「私」に統一しましょう。
日常の会話の癖でうっかり誤った一人称を書いてしまわないよう、提出前には念入りに文章全体を見直す癖をつけておくことが大切です。
「私」と「わたし」「わたくし」はどう使い分ける?
漢字表記の「私」に加えて、ひらがなの「わたし」や、より一層丁寧な「わたくし」という表現の使い分けについて疑問を持つ就活生も少なくありません。
書き言葉であるエントリーシートにおいては、漢字で「私」と書くのが最も自然であり、性別を問わず標準的な表記として人事にも好まれます。
ひらがなの「わたし」は少し柔らかい印象を与えるものの、公的な文書としてはやや幼い印象やカジュアルなイメージを与えてしまう場合があります。
また「わたくし」は非常に丁寧な表現ですが、文章でそのまま書くと少し大袈裟に感じられるため、面接などの話し言葉で活用するのが効果的です。
エントリーシートの本文内では迷わず漢字の「私」に表記を統一し、洗練された読みやすいビジネス文章を完成させていきましょう。
ESの一人称に迷ったときは省略するのも手
エントリーシートに一人称を用いる場合は、まず「私(わたくし)」という表現が望ましいですが、その使い方に関してはいくつか注意しておきたい点もあります。
エントリーシートなどの書類には、文字制限があるのが一般的です。
少ない字数でたくさんの情報を詰め込まなければならないため、省略できる点は省略した方が好ましい文章になります。
エントリーシートや履歴書などは、基本的に自分のことを紹介するための書類であるため、一文ごとに無理に一人称をつけて表現する必要がそもそもありません。
不要な表現を避けて簡潔に叙述するためにも、一人称の多用はできるだけ控えるようにしてみるといいでしょう。
ESの一人称は複数形の場合「私たち」でOK?
エントリーシートや面接などでは、「私」という一人称だけでなく、「私たち」などの複数形の一人称も使う機会が増えます。
就職活動の場などで一人称の複数形を用いる場合は、「私たち」という表現ではなく「私共(わたくしども)」という言い回しが適切だということを覚えておいてください。
「私達」でも間違いではありませんが、「私共」は「私達」の謙譲語であり、「私達」よりも丁寧な言い回しです。
一方、エントリーシートなどの書面では、「我々」という一人称を使うのが一般的です。
書面においても、「私達」という表現に間違いはないのですが、より丁寧な表現を心がけるとするなら、やはり「我々」が好ましい言い方だということを覚えておきましょう。
自分の行動とチームの行動を区別して書く
エントリーシートで「私たち」という複数形の一人称を使う際に最も気をつけるべきなのは、組織全体の動きと自分個人の具体的な行動を曖昧に混ぜ合わせてしまわないことです。
文章のすべてを「私たち」という主語で書いてしまうと、チーム全体の成果や苦労は伝わっても、あなた自身がどのような役割を果たしたのかが選考官に見えなくなってしまいます。
例えば「私たちは店舗の売上向上を目指し、私は接客マニュアルの改訂を担当した」といったように、集団の目標と個人のアクションをしっかり切り分けて記述するのが鉄則です。
チームの目標や課題を示す場面では「私たち」を用い、具体的な施策や思考を述べる場面では「私」へと主語を丁寧に切り替える工夫を徹底しましょう。
主語の境界線を明確に引くことで、組織の一員としての協調性と自発的に行動できる主体性の両方を効果的にアピールすることができます。
「我々」は使う場面に注意する
チームや組織を表す複数形の一人称として「我々」という言葉が頭に浮かぶ人もいるかもしれませんが、書き言葉の選考書類では使用を避けた方が無難です。
「我々」という表現は文脈によってはやや威圧的で硬すぎる印象を読み手に与えてしまい、文章全体のトーンが不自然になってしまうリスクがあります。
エントリーシートのような公的かつ誠実さが求められる書類においては、より丁寧で自然な親しみやすさを持つ「私たち」を選択するのが最も適切です。
無理に固い表現を使って背伸びをする必要はありませんので、相手に不快感を与えない素直で洗練された言葉選びを意識してください。
日常の会話の癖や独特な表現が出ないよう注意を払い、常に採用担当者が読みやすいと感じる言葉遣いで魅力的な文章を作り上げましょう。
ESでは一人称以外の言い回しにも気をつけよう
就職活動での一人称はより丁寧な表現が求められる傾向にありますが、それは一人称の言い方だけに限ったことではありません。
それ以外の人称にも、当然より丁寧な表現方法が求められるので、エントリーシートなどで不躾な言い回しをしないように注意しましょう。
たとえば、「あなた」という二人称は、「貴方様」というように丁寧な表現を心がけてください。
一方、「お父さん」を丁寧に表現しようとして、二人称と同じ要領で「お父様」などということのないように気をつけましょう。
自分の両親や兄弟を表現するときは、「父」「母」「兄」などとするのが基本です。
エントリーシートは尊敬語や謙譲語を用いて書くべきものですが、人称の表現にも尊敬語や謙譲語が必要になるということを覚えておきましょう。
ESの一人称だけでなく就活を通して気をつけよう!
エントリーシートや面接などに限らず、就職活動では「私(わたくし)」や「我々」などの丁寧な一人称の表現を使う機会が増えます。
普段から使い慣れていないと、つい口を付いて「僕」などの一人称を使ってしまうこともあるので、日頃から丁寧な一人称を使うように心がけておきましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート











_720x550.webp)