【例文あり】アナリストの志望動機の書き方とは?書く際のポイントや求められる人物像も解説

【例文あり】アナリストの志望動機の書き方とは?書く際のポイントや求められる人物像も解説

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【アナリストの志望動機】アナリストとは

アナリストとは、特定の業界や企業、あるいは経済全体の動向を調査・分析し、その将来性や価値を評価・予測する専門職です。

一般的には証券会社や資産運用会社に所属し、投資家に対して「どの株を買うべきか」といった投資助言を行う「証券アナリスト」を指すことが多いですが、近年ではビッグデータを活用してビジネス課題を解決する「データアナリスト」や、経営戦略の策定を支援するコンサルティングファームのアナリスト職など、その活躍の場は広がっています。

いずれも、膨大な情報の中から有益なインサイト(洞察)を導き出し、意思決定をサポートするという本質的な役割は共通しています。

就職活動においてアナリストを志望する場合、高い論理的思考力や数字への強さが求められることはもちろんですが、それ以上に「なぜ分析するのか」「分析結果をどう活かしたいのか」という目的意識が重要視されます。

単なる計算係やデータ整理係ではありません。

市場や企業の未来を読み解く洞察力と、自分の予測に対する責任感が問われる厳しい世界です。

まずはアナリストの具体的な業務フローと、職種としての特徴を正しく理解し、憧れだけで務まる仕事ではないことを認識することから始めましょう。

プロフェッショナルとしての覚悟を示すことが、内定への第一歩となります。

アナリストの業務内容

アナリストの業務は、徹底的な情報収集(リサーチ)から始まります。

例えば証券アナリストの場合、担当する業界や企業の財務諸表を読み込むだけでなく、実際に企業の経営陣へのインタビュー(取材)を行ったり、工場見学に参加したり、競合他社の動向を調査したりと、足を使って一次情報を集めることが非常に重要です。

デスクに座ってパソコンを見ているだけが仕事ではありません。

集めた情報を基に、独自の収益予想モデル(アーニングモデル)を作成し、適正株価を算出したり、業界の将来トレンドを予測したりします。

次に、分析結果をレポートとしてまとめ、顧客(投資家やファンドマネージャー)に提供します。

このレポート作成業務(ライティング)に加え、朝会でのプレゼンテーションや、機関投資家への訪問説明などを通じて、自分の分析に基づいた推奨アイデアを売り込みます。

自分の推奨によって数十億、数百億円という資金が動くこともあり、分析力だけでなく伝える力(プレゼン力)も不可欠です。

一方、データアナリストの場合は、SQLやPythonなどのツールを用いてデータを抽出し、統計解析を行ってビジネスの改善案を提示します。

どちらも、情報の収集・分析・加工・発信という一連のプロセスを、高い精度とスピード感を持って回し続けることが日々の中心業務となります。

アナリストの特徴

アナリストという職種の最大の特徴は、高い専門性と実力主義です。

特に金融系のアナリストは、担当セクター(業界)の第一人者として認知されることが目指すべきゴールであり、日経ヴェリタスなどの「アナリストランキング」で上位に入ると市場価値が跳ね上がります。

自分の分析が当たれば賞賛され、外れれば信用を失うという、結果がすべてのシビアな世界です。

そのため、常に勉強を続け、知識をアップデートし続ける姿勢が求められます。

経済情勢、政治、技術革新など、あらゆる要素が分析対象に影響を与えるため、知的好奇心が旺盛で情報の感度が高い人でないと生き残れません。

また、業務量が非常に多く、激務になりがちな点も特徴です。

決算発表シーズンには、一日に何社もの決算説明会に出席し、深夜までレポートを執筆することもあります。

膨大な数字と向き合い続け、プレッシャーのかかる中で正確なアウトプットを出し続けなければなりません。

しかし、その分だけ報酬水準は高く、若手のうちから経営層と対話する機会があるなど、得られる経験値は計り知れません。

自分の頭脳と分析力を武器にマーケットと勝負できるという点は、他の職種にはないアナリストならではの醍醐味であり、大きなやりがいと言えるでしょう。

【アナリストの志望動機】アナリストの魅力

アナリストは、専門的なスキルを駆使して経済やビジネスの最前線に関わることができる、非常に刺激的な職種です。

新卒でこの職を目指す学生にとって、どのような点に魅力を感じるかは志望動機の核となる部分です。

単に「かっこいいから」ではなく、仕事の中身や社会的意義に基づいた魅力を語れるようにしましょう。

ここでは、アナリストとして働くことの代表的な魅力を3つの観点から紹介します。

自身の市場価値向上社会への影響力などは、特にアピールしやすいポイントです。

これらの魅力を自分の言葉で再定義し、志望動機に深みを持たせてください。

専門スキルを極め市場価値を高められる

アナリストとして働く最大の魅力は、汎用性の高い専門スキルが身につき、個人の市場価値を飛躍的に高められる点です。

財務分析、統計解析、業界知識、論理的思考力、プレゼンテーション能力など、アナリストに求められるスキルセットは、どの企業や業界に行っても通用する強力な武器となります。

特に「証券アナリスト」などの資格取得や実務経験を通じて得られる知見は、将来的にファンドマネージャーや事業会社のCFO(最高財務責任者)、経営コンサルタントなどへのキャリアパスを広げる土台となります。

会社に依存せず、「個」の力で生きていけるプロフェッショナルを目指せる環境です。

また、担当する業界(セクター)については、誰よりも詳しい専門家になることができます。

例えば「自動車業界のアナリスト」になれば、自動車メーカーの社長以上に業界全体の動向や競合状況に精通することも可能です。

若手のうちから業界のプロとして認められ、メディアからコメントを求められることもあります。

このように、特定の領域において圧倒的な専門性を確立できることは、知識欲の強い人にとって大きな喜びであり、キャリアの安定性を担保する要素ともなります。

経済や企業の動向を最前線で予測できる

アナリストは、世の中の動きを誰よりも早く察知し、それが未来にどのような影響を与えるかを予測する仕事です。

まだ誰も気づいていない企業の価値を発見したり、新しい技術が社会を変える予兆を掴んだりすることは、知的な冒険とも言えます。

新聞やニュースで報道される前の情報を扱い、自分の分析によって「未来のシナリオ」を描くプロセスには、他では味わえない高揚感があります。

情報の最前線に立ち、知的な謎解きを楽しめる点は、アナリストならではの特権です。

特に、企業のトップマネジメント(社長や役員)への取材を通じて、経営者の生の言葉やビジョンに直接触れられる機会は貴重です。

彼らが何を考え、どのような戦略で会社を成長させようとしているのかを間近で聞き、それを自分なりに咀嚼してレポートに落とし込む作業は、ビジネスパーソンとしての視座を大きく引き上げてくれます。

単なる観察者ではなく、経済のダイナミズムを肌で感じながら仕事ができる環境は、社会やビジネスの仕組みに強い関心を持つ学生にとって、非常に魅力的に映るはずです。

自分の分析が大きな投資判断を左右する

アナリストの仕事は、自己満足の分析で終わるものではありません。

自分の作成したレポートや推奨意見が、機関投資家や個人投資家の判断材料となり、結果として巨額の資金が動くことになります。

自分の分析が正しく、推奨した株価が上昇すれば、投資家に利益をもたらし、市場の適正な価格形成にも貢献できます。

逆に、判断を誤れば損失につながる責任の重さはありますが、その分だけ社会や経済にダイレクトな影響を与えているという手応えを感じることができます。

「あなたのレポートのおかげで利益が出た」「あなたの分析は鋭い」といった評価を直接受けることもあり、自分の仕事の成果が数字や評判として明確に返ってくる点もやりがいの一つです。

特にバイサイド(運用会社)のアナリストであれば、自分の分析がそのままファンドの運用成績に直結します。

自分の知的なアウトプットが実体経済を動かす歯車になるという実感は、大きなプレッシャーであると同時に、アナリストを続ける上での強力なモチベーションとなります。

【アナリストの志望動機】アナリストに向いている人

アナリストの仕事は、向き不向きがはっきりと分かれる職種です。

高い知的能力だけでなく、性格的な適性や行動特性がパフォーマンスに大きく影響します。

企業も選考において、能力だけでなく「アナリストとしての資質」があるかどうかを厳しくチェックしています。

自分がこの職種に向いていることをアピールするために、適性要素を理解し、自分の強みと結びつけることが重要です。

ここでは、アナリストに向いている人の特徴を3つ挙げます。

論理的思考力探究心、そして発信力などがキーワードとなります。

これらが自分に当てはまるかを確認し、具体的なエピソードとともに伝えられるように準備しましょう。

論理的思考力があり数字に強い人

アナリストの基本言語は「数字」と「ロジック」です。

企業の財務諸表を読み解き、複雑な経済指標を分析し、そこから論理的な結論を導き出す能力が必須です。

感覚や直感で「なんとなくこの会社は良さそうだ」と判断することは許されません。

「売上が〇〇%伸びた要因は××にあり、今後△△の影響で利益率は□□%になる」といったように、全ての主張に客観的な根拠と数字の裏付けを持たせられる人が向いています。

数学的な素養はもちろん、物事の因果関係を整理して構造化する力が求められます。

また、膨大なデータの中から異常値やトレンドの変化を見つけ出す「数字に対する感覚」も重要です。

数字の羅列を見て頭が痛くなるような人には務まりませんが、数字の変化にストーリーを見出し、そこに隠された意味を探ることが好きな人には天職と言えます。

事実と数字に基づいて冷静に判断し、論理の積み上げを楽しめる人は、アナリストとして高いパフォーマンスを発揮できる素質を持っています。

知的好奇心が旺盛で探究心がある人

アナリストにとって、情報は生命線です。

担当する業界や企業のことだけでなく、政治、経済、国際情勢、テクノロジー、消費者トレンドなど、あらゆる情報にアンテナを張っておく必要があります。

「なぜ今これが流行っているのか」「このニュースはあの企業にどう影響するか」といった疑問を持ち、自ら能動的に調べ、深掘りしていく探究心が不可欠です。

一つのことをとことん突き詰めるオタク気質な一面がある人や、知らないことを知ることに喜びを感じる人は非常に向いています。

また、表面的な情報だけで満足せず、真実を追求する姿勢も重要です。

企業が発表する耳触りの良い情報を鵜呑みにせず、「本当のリスクはどこにあるのか」「裏には何があるのか」を疑い、多角的な視点から検証する批判的思考(クリティカルシンキング)も求められます。

現状に満足せず、常に「Why(なぜ)」と「So What(だから何)」を問い続けられる知的なタフさを持つ人は、変化の激しい市場でも生き残れるアナリストになれるでしょう。

自分の意見を論理的に伝えられる人

どれほど素晴らしい分析を行っても、それを相手に伝えて納得させなければ価値はありません。

アナリストには、複雑な事象を分かりやすく要約し、論理的に説明するコミュニケーション能力が求められます。

レポートの文章力はもちろん、プレゼンテーションやディスカッションにおいて、相手の疑問に的確に答え、自分の主張を堂々と伝える力が必要です。

特に、自分よりも経験豊富なファンドマネージャーや経営者に対して、自信を持って意見を言える度胸も重要です。

分析結果を伝える際には、「買い」なのか「売り」なのかという明確な結論(ビュー)を示す必要があります。

曖昧な表現でお茶を濁すのではなく、リスクを踏まえた上で自分のスタンスをはっきりさせることがプロの仕事です。

自分の考えを言葉にし、周囲を巻き込んで影響を与えることにやりがいを感じる人は、分析屋にとどまらない「発信するアナリスト」として活躍できるでしょう。

【アナリストの志望動機】アナリストに向いていない人

華やかに見えるアナリストの世界ですが、実際には地味で過酷な業務の積み重ねです。

ミスマッチを防ぐためにも、どのような人がこの職種に苦労する可能性があるかを知っておくことは重要です。

もし以下の特徴に当てはまる場合でも、それを自覚し克服する意思を示すか、あるいは別の強みでカバーする戦略が必要です。

ここでは、アナリストとして働く上で障壁となりやすい人の特徴を3つ紹介します。

地道な作業への耐性不足主観への依存などが挙げられます。

これらを反面教師として、自分がプロフェッショナルとしてどう振る舞うべきかをイメージしてください。

地道な調査やデータ収集が苦手な人

アナリストの仕事の8割は、地道な情報収集とデータ入力などの泥臭い作業です。

華麗なプレゼンの裏には、膨大な資料の読み込み、細かい数値のExcel入力、何百件ものデータ整理といった孤独な作業が存在します。

「分析=スマートでかっこいい仕事」というイメージだけで志望し、コツコツとした単純作業や細かい確認作業を嫌う人は、入社後に大きなギャップ(リアリティショック)を感じることになります。

また、情報の正確性はアナリストの命です。

入力ミス一つが分析結果を大きく狂わせ、顧客に損害を与える可能性もあります。

大雑把で「だいたい合っていればいい」と考える性格の人や、細かい数字をチェックすることにストレスを感じる人は、信頼されるアナリストになることは難しいでしょう。

地味な下調べを厭わず、正確性を追求できる職人気質な姿勢がないと務まらない仕事です。

主観や感情で物事を判断してしまう人

アナリストの判断材料は、あくまで事実(ファクト)と論理(ロジック)です。

「この社長が好きだから」「なんとなく上がりそうだから」といった主観や感情で判断することは、プロとして失格です。

自分の仮説に固執するあまり、都合の良いデータばかりを集めてしまう(確証バイアス)ことも避けなければなりません。

客観的なデータを無視して、自分の思い込みや感情を優先してしまう人は、市場の現実を見誤り、誤った予測を出してしまうリスクがあります。

また、投資家や顧客はシビアなリターンを求めています。

情に流されて「厳しい評価を書くのはかわいそうだ」などと考えていては、正しい情報提供ができません。

時には冷徹なまでの客観性が求められます。

感情と事実を切り離して考えることが苦手な人や、論理的な整合性よりも直感を信じすぎてしまう人は、アナリスト特有の思考プロセスに適応するのに苦労するかもしれません。

プレッシャーに弱く決断力に欠ける人

アナリストは、不確実な未来について予測し、結論を出さなければなりません。

「分からない」とは言えず、限られた情報の中で「こうなる可能性が高い」という判断を下す必要があります。

そして、その判断の結果については責任を負います。

自分の推奨が外れて顧客から厳しい言葉を投げかけられることもあります。

失敗を恐れて決断できない人や、プレッシャーに押しつぶされてしまうメンタルの弱い人には、非常に過酷な環境です。

常に「正解のない問い」に向き合い続ける仕事であるため、精神的なタフさが求められます。

市場が暴落している時でも冷静さを保ち、次の手を考えなければなりません。

他人の顔色を気にしすぎる人や、自分の意見に自信を持てず周囲に流されやすい人は、独自のアナリストとしての価値を発揮することが難しくなるでしょう。

【アナリストの志望動機】志望動機を作成する際のポイント

アナリストは採用人数が少なく、非常に倍率の高い職種です。

そのため、ありきたりな志望動機では選考官の目に留まりません。

なぜアナリストなのか、なぜその業界なのか、そして自分がどのように貢献できるのかを、論理的かつ情熱的に語る必要があります。

ここでは、説得力のある志望動機を作成するための4つのポイントを解説します。

原体験に基づいた動機キャリアビジョンを盛り込むことで、ライバルと差をつける内容に仕上げましょう。

なぜ「アナリスト」かを明確にする

数ある職種の中で、なぜ営業やコンサルタントではなく、あえて「アナリスト」を選んだのかという理由を明確にする必要があります。

「経済学部だから」「株に興味があるから」といった理由だけでは弱いです。

「情報の非対称性を解消し、健全な市場形成に貢献したい」「データという客観的な指標を用いて、企業の真の価値を発掘したい」など、アナリストという機能が果たす社会的役割や業務の本質に触れながら、自分の志向性とリンクさせることが重要です。

例えば、「ゼミの研究でデータを分析し、仮説を立証した時に知的な興奮を覚えた」といった個人的な原体験や、「投資サークルでの活動を通じて、企業分析の奥深さに魅了された」といった具体的なエピソードを交えると説得力が増します。

分析という行為そのものへの適性と熱意をしっかりとアピールしてください。

その業界・対象領域への関心を示す

アナリストは特定の業界や領域(セクター)を担当することが多いため、志望する企業が得意とする分野や、自分が関心を持っている領域について触れることも有効です。

例えば、IT業界のアナリストを目指すならIT技術への興味を、金融業界ならマーケットへの関心を具体的に示しましょう。

「なぜその分野を分析したいのか」という知的好奇心の方向性を伝えることで、入社後の活躍イメージを持たせることができます。

ただし、あまりに担当希望を限定しすぎると「配属リスクがある」と敬遠される可能性もあるため、「特に〇〇業界に関心がありますが、基本的には幅広く分析手法を学びたい」といった柔軟性も見せておくと無難です。

重要なのは、対象への飽くなき探究心を持っていることを証明することです。

分析を通じて何を成し遂げたいかを語る

「分析すること」は手段であり、目的ではありません。

分析の結果、何を成し遂げたいのかというゴール(ビジョン)を語りましょう。

「日本の有望なベンチャー企業を発掘し、資金調達を支援することで経済を活性化させたい」「投資家に正しい羅針盤を提供し、資産形成をサポートしたい」「データに基づいた経営提言を行い、企業の再生に貢献したい」など、仕事を通じて社会や顧客にどのような価値を提供したいかを熱く語ってください。

このビジョンがあるかないかで、単なる「分析オタク」か、将来性のある「プロフェッショナル候補」かの評価が分かれます。

アナリストとしての使命感を持っていることをアピールし、志望動機に深みと広がりを持たせましょう。

自分の強みがどう活きるか具体的に伝える

最後に、自分の能力がアナリストの実務にどう活きるかを具体的に紐づけます。

「粘り強さ」は情報収集に、「論理的思考力」はレポート作成に、「コミュニケーション能力」は取材やプレゼンに活かせます。

未経験であっても、学業や部活動、アルバイトなどで培ったスキルが、アナリストの業務において再現性があることを論理的に説明しましょう。

例えば、「部活動の戦略分析係として、対戦相手のデータを徹底的に分析し、勝率を上げることに貢献した」といったエピソードは、アナリストの業務と親和性が高く好印象です。

「自分を採用することで企業にどのようなメリットがあるか」を客観的に提示する視点を忘れないでください。

【アナリストの志望動機】志望動機を伝える際の注意点

熱意を持って志望動機を作成しても、伝え方を間違えると「アナリストとしての適性がない」と判断されてしまうことがあります。

特に、論理性や客観性が重視される職種であるため、話し方や文章の構成自体が評価対象となります。

ここでは、志望動機を伝える際に陥りがちな3つの失敗例と注意点を解説します。

評論家スタンスの回避論理的な構成など、細部まで意識を配ることで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。

どの企業・組織でも通じる内容にしない

「貴社のグローバルな環境に惹かれました」「成長できると思いました」といった汎用的な志望動機は、アナリストを目指す学生としてはリサーチ不足とみなされます。

アナリストは「調査のプロ」を目指すわけですから、企業研究が浅いことは致命的です。

その企業のリサーチ部門の強み(トップアナリストが在籍している、特定のセクターに強い、独立系であるなど)や、独自のレポートスタイルなどに言及し、「なぜ競合他社ではなく、この会社なのか」を論理的に説明してください。

OB・OG訪問で聞いた話や、実際にその会社のアナリストが書いたレポートを読んだ感想などを盛り込むと、志望度の高さと行動力を裏付けることができます。

徹底的なリサーチに基づいた志望動機を作成すること自体が、アナリストとしての最初の課題(テスト)だと考えましょう。

評論家気取りにならない

アナリストは分析をする仕事ですが、単に外野から批判や評価をするだけの「評論家」になってはいけません。

就活生の中には、企業の経営課題を偉そうに語ったり、知識をひけらかしたりする人がいますが、これは逆効果です。

実務経験のない学生がプロに対して上から目線で語るのは、謙虚さがないと判断されます。

あくまで「学ぶ姿勢」と「貢献する姿勢」を忘れずに、「分析結果を用いて、主体的にどう行動するか、どう提案するか」という当事者意識を持つことが大切です。

分析は顧客や自社のビジネスを成功させるためのツールであることを理解し、地に足の着いた姿勢を見せてください。

結論ファーストで論理的に話す

面接やエントリーシートでは、アナリストとしての基本スキルである「論理的で分かりやすい説明能力」が見られています。

話が回りくどかったり、結論が最後まで分からなかったりすると、「レポートも分かりにくそうだ」「プレゼンができなさそうだ」と判断されてしまいます。

PREP法(結論→理由→具体例→結論)を意識し、簡潔かつ明瞭に伝えることを心がけましょう。

質問に対して的確に答え、論理の飛躍がないように話すことは、アナリストとしての基礎能力の証明になります。

自分の志望動機自体を一つの「分析レポート」のように構成し、相手を納得させるプレゼンテーションを行うつもりで臨んでください。

【アナリストの志望動機】アナリストの志望動機例文

最後に、これまでのポイントを踏まえた具体的な志望動機の例文を3つ紹介します。

金融系、コンサル・経営系、データ分析系と、ターゲットを変えて作成していますので、自分の志望する領域に合わせて参考にしてください。

丸写しにするのではなく、自分の言葉と経験でリライトすることが重要です。

例文1(金融・証券アナリスト志望)

私が貴社の証券アナリストを志望するのは、徹底的な企業分析を通じて「適正な株価」を見出し、健全な市場形成と投資家の資産形成に貢献したいと強く考えているからです。

大学のゼミで企業価値評価を学び、財務データだけでなく、経営者のビジョンやESGへの取り組みが企業価値にどう反映されるかを分析することに知的な興奮を覚えました。

貴社はリサーチ部門の独立性を重視し、中小型株の発掘にも注力されています。

まだ世の中に知られていない優良企業を見つけ出し、光を当てるという貴社の姿勢に深く共感しました。

私の強みである「粘り強く情報を集める探究心」と「数字からストーリーを読み解く論理的思考力」を活かし、投資家の意思決定に資する質の高いレポートを提供できるアナリストを目指します。

例文2(コンサル・経営アナリスト志望)

私は、データに基づいた客観的な分析により、企業の意思決定を支援し、経営課題を解決するプロフェッショナルになりたいと考え、貴社のアナリスト職を志望しました。

学生時代、長期インターンシップ先のベンチャー企業で、売上データの分析からマーケティング施策の改善を提案し、成約率を向上させた経験があります。

この経験から、直感ではなく事実に基づいた分析こそがビジネスを動かす力になると実感しました。

貴社は戦略策定から実行までを一気通貫で支援しており、若手でも裁量を持って分析業務に携われる環境があると伺いました。

私の強みである「仮説思考」と「データを構造化する力」を活かし、クライアントの成長に直結するインサイトを提供できるよう、泥臭い調査も厭わず尽力したいと考えています。

例文3(データアナリスト志望)

私が貴社のデータアナリストを志望する理由は、ビッグデータの活用を通じて、人々の生活をより豊かにする新しいサービスや価値を創造したいからです。

大学で統計学を専攻し、Pythonを用いたデータ解析に取り組む中で、膨大なデータの中に隠された法則性を見つけ出し、課題解決に応用することに大きなやりがいを感じてきました。

貴社は業界最大級のユーザーデータを保有し、データドリブンな意思決定を徹底されています。

その恵まれた環境で、高度な分析スキルを磨きながら、ビジネスインパクトのある施策を立案したいと考えています。

単に数字を出すだけでなく、その先にあるユーザー心理を想像し、現場が使いやすい形での提案を行う「ビジネスに強いアナリスト」として貢献していく所存です。

まとめ

アナリストの志望動機では、単なる知識のアピールだけでなく、「分析を通じて誰にどのような価値を提供したいか」という目的意識を明確にすることが最も重要です。

高い専門性と論理的思考力が求められる職種ですが、その根底にあるのは知的好奇心と、社会や経済への貢献意欲です。

企業研究を深め、自分の強みが調査・分析の実務でどう活きるかを論理的に構成することで、採用担当者に「この学生なら将来のプロフェッショナルになれる」と確信させる志望動機を完成させてください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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