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【インフラエンジニアの志望動機】インフラエンジニアとは
IT業界において、システムやアプリケーションが正常に稼働するための「土台」を作る重要な役割を担うのがインフラエンジニアです。
私たちが普段何気なく利用しているSNSやオンラインショッピング、金融取引などのサービスは、すべてサーバーやネットワークといったITインフラの上に成り立っています。
これらを道路や水道、電気といった生活インフラになぞらえて「ITインフラ」と呼び、その設計・構築・運用を行う技術者がインフラエンジニアです。
就職活動において、Webアプリケーションやゲームを作る「開発エンジニア」に注目が集まりがちですが、インフラエンジニアがいなければそれらのソフトも動きません。
社会生活の根幹を支える不可欠な職業であり、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む現代において、その需要は右肩上がりです。
まずはインフラエンジニアが具体的に何をしているのか、その業務範囲と役割の大きさを正しく理解することが、説得力のある志望動機を作成する出発点となります。
見えないところで世界を動かすプロフェッショナルとしての誇りを知ることから始めましょう。
インフラエンジニアの業務内容
インフラエンジニアの業務は、大きく「設計」「構築」「運用・保守」の3つのフェーズに分かれます。
これらは経験年数やスキルレベルによって担当範囲が異なることが一般的です。
「設計」は、クライアントの要望に合わせて、どのようなスペックのサーバーが必要か、ネットワークをどう繋ぐかといった全体の構成図を描く上流工程です。
高い専門知識とヒアリング能力が求められます。
「構築」は、設計図に基づいて実際に機器を設置し、OSやミドルウェアをインストールして設定を行うフェーズです。
ここでシステムが動く環境を作り上げます。
そして、新卒や未経験者が最初に携わることが多いのが「運用・保守」です。
稼働中のシステムに異常がないかを24時間365日体制で監視し、トラブルが発生した際には迅速に復旧作業を行います。
また、セキュリティパッチの適用やバックアップの取得なども重要な業務です。
近年では、物理的なサーバーを扱うオンプレミス環境だけでなく、AWSやAzureといったクラウドサービスを利用したインフラ構築が主流になりつつあります。
そのため、物理機器の配線や設置といった作業から、ブラウザ上での設定やコードによるインフラ管理(IaC)へと、求められるスキルセットも変化し続けているのが現状です。
インフラエンジニアの特徴
インフラエンジニアの最大の特徴は、システムの「安定稼働」を絶対的な使命としている点です。
華やかな新機能を追加することよりも、「止まらないこと」「遅くならないこと」「安全であること」が評価されます。
そのため、慎重かつ正確な作業が求められ、ミスが許されない緊張感があります。
しかし、その分だけ社会への影響力は計り知れません。
大規模な通信障害やシステムダウンがニュースになることからも分かるように、現代社会においてITインフラの停止は生活の停止を意味します。
また、開発エンジニアと比較して、技術の寿命が比較的長いという側面もあります。
ネットワークの基礎知識(TCP/IPなど)やOS(Linux/Windows)の知識は、時代が変わっても通用する普遍的なスキルです。
一方で、クラウド化やセキュリティ技術の進化など、新しいトレンドも積極的にキャッチアップする必要があります。
普遍的な基礎技術と最先端のクラウド技術の両方を扱える点が、キャリアとしての奥深さです。
裏方として地道にシステムを支え続ける職人気質な側面と、最新技術を駆使して効率化を図るエンジニアらしい側面を併せ持っているのが、インフラエンジニアという仕事の特徴と言えるでしょう。
【インフラエンジニアの志望動機】インフラエンジニアの魅力
インフラエンジニアを目指す学生にとって、その仕事の魅力は単なる「技術職」という枠には収まりません。
社会全体を支えるスケールの大きさや、未経験からでも着実に専門性を身につけられるキャリアパスの確実性は、将来の安定と成長を求める人にとって非常に魅力的です。
開発職のように目に見える派手な成果物は少ないかもしれませんが、その分、システムが動いている限り常に必要とされる存在意義の大きさがあります。
特に近年はクラウド技術の普及により、インフラエンジニアの活躍の場は急速に拡大しています。
物理的な重労働が減り、より知的でクリエイティブな設計やセキュリティ対策に注力できるようになってきています。
ここでは、インフラエンジニアならではのやりがいやメリットを3つの観点から深掘りします。
自分が仕事に何を求めているかと照らし合わせながら、志望動機の核となる魅力を探してみてください。
「縁の下の力持ち」としての誇りを具体的に言語化してみましょう。
社会の当たり前を守る貢献性の高さ
インフラエンジニアの仕事は、水道や電気が止まらないのと同様に、「システムが動いていて当たり前」の状態を維持することです。
普段感謝されることは少ないかもしれませんが、金融、医療、交通、通信といった重要インフラを支えているのは、他ならぬインフラエンジニアたちです。
自分の関わったサーバーやネットワークを通じて、何百万人もの人々が情報をやり取りし、生活を営んでいるという事実は、強烈なやりがいにつながります。
災害時やアクセス集中時にもシステムをダウンさせないための対策を講じ、実際にトラブルを未然に防げた時の達成感は格別です。
「自分がこのシステムを守っている」という静かなる自負は、仕事への強いモチベーションとなります。
表舞台に出ることは少なくとも、社会の根幹を支えているという確かな実感を得られるのはこの職種ならではです。
誰かの生活を支えたい、社会貢献度の高い仕事がしたいと考える人にとって、これほど影響力の大きい仕事は他にないと言っても過言ではありません。
IT社会に不可欠な将来性と安定性
AIやIoT、ビッグデータなど、新しい技術が次々と登場していますが、これらはすべて強固なITインフラがあって初めて機能します。
IT技術が進化すればするほど、その土台となるインフラエンジニアの需要も高まり続けます。
開発言語の流行り廃りは激しいですが、ネットワークやサーバーの基礎知識は陳腐化しにくく、一度身につければ長く活躍できる「食いっぱぐれない」スキルと言えます。
さらに、企業のDX推進に伴い、クラウド環境への移行プロジェクトが各地で進んでいます。
クラウドに精通したインフラエンジニアは現在深刻な人材不足の状態にあり、高い市場価値が認められています。
不景気であってもシステムの保守運用を止めるわけにはいかないため、景気動向に左右されにくい安定性も大きな魅力です。
常に社会から必要とされ続ける安心感と、技術革新の中心でスキルアップできる将来性の両方を兼ね備えた、非常に堅実なキャリア選択肢です。
未経験からでも専門性を磨きやすい
インフラエンジニアは、文系出身者や未経験者でも挑戦しやすい職種の一つです。
その理由は、業務がマニュアル化・標準化されている部分が多く、段階を踏んでスキルアップできる環境が整っている企業が多いからです。
最初は監視や定型的な運用業務からスタートし、システム全体の構造を理解してから、徐々に構築や設計といった高度な業務へとステップアップしていくキャリアパスが一般的です。
また、「Linux技術者認定試験(LinuC)」や「Cisco技術者認定(CCNA)」、「AWS認定」など、実務に直結する資格が豊富に存在し、勉強の目標を立てやすいのも特徴です。
資格取得がそのまま評価や昇給につながるケースも多く、努力が報われやすい環境と言えます。
才能やセンスに依存する部分が大きい開発職に比べ、学習量と経験が着実に実力になる職種です。
コツコツと知識を積み重ね、手に職をつけてプロフェッショナルを目指したい人にとって、最適な環境が用意されています。
【インフラエンジニアの志望動機】インフラエンジニアに向いている人
インフラエンジニアは技術職ですが、求められる資質はプログラマーとは少し異なります。
コードを書くスピードや発想力よりも、システムの構造を正しく理解し、安定的に稼働させるための慎重さや論理的思考力が重視されます。
また、トラブル発生時には冷静な判断と迅速な対応が求められるため、性格的な適性も大きく関わってきます。
自分がインフラエンジニアとして活躍できるイメージを持つために、どのような性格や考え方の人が向いているのかを知ることは重要です。
もし以下の特徴に当てはまる部分があれば、それを具体的なエピソードと共に志望動機に盛り込むことで、採用担当者に「適性がある」と強く印象付けることができます。
自分の性格と業務特性の相性を見極め、強みとしてアピールする準備をしましょう。
仕組みや構造を理解するのが好きな人
インフラエンジニアの仕事は、複数の機器やソフトウェアを組み合わせて一つのシステムを作り上げることです。
「どうやってデータが流れているのか」「なぜこの設定が必要なのか」といった裏側の仕組みに興味を持てる人は、非常に高い適性があります。
幼い頃に機械を分解してみるのが好きだった人や、パソコンの自作経験がある人、あるいは複雑な配線図やネットワーク図を見てワクワクするようなタイプの人です。
また、目に見えない通信の流れを論理的にイメージする力も必要です。
何か問題が起きた時に、「ここがつながっていないなら、あそこが原因かもしれない」と論理的に推測し、パズルを解くように原因を特定していくプロセスを楽しめるなら、インフラエンジニアの才能があります。
単に使うだけでなく、「動く原理」を知りたいという知的好奇心が、技術力向上の原動力となります。
物事の土台や骨組みを作ることに喜びを感じる人に向いています。
責任感が強く地道な作業を継続できる人
インフラエンジニアの業務の多くは、ログの確認や設定値のチェック、バックアップの取得といった地味で細かい作業の積み重ねです。
しかし、その中の一つのミスが大規模なシステム障害につながる可能性があります。
そのため、単純作業であっても気を抜かず、最後まで正確にやり遂げる責任感の強さが求められます。
「まあいいか」と妥協せず、ダブルチェックを徹底できる几帳面さは、この仕事において最大の才能の一つです。
また、障害対応などで粘り強く問題に向き合う姿勢も必要です。
原因が判明するまで諦めずに調査を続け、復旧までやり抜く忍耐力が試されます。
派手な称賛を求めず、当たり前の日常を守るためにコツコツと努力できる人こそが、現場で最も信頼されるエンジニアです。
地道な作業の中に重要性を見出し真摯に取り組める人は、インフラエンジニアとして大成します。
予期せぬトラブルにも冷静に対処できる人
システム障害は、いつ発生するか予測できません。
深夜や休日に突然アラートが鳴ることもあります。
そのような緊急事態において、パニックにならずに冷静に状況を把握し、的確な判断を下せる能力は極めて重要です。
焦って誤った操作をすれば、被害を拡大させてしまう恐れがあるからです。
普段から「もしこうなったらどうするか」というリスクを想定して準備できる慎重さと、いざという時に腹を括って対応できる度胸の良さのバランスが求められます。
予期せぬ変化やトラブルに対して、ストレスを感じすぎるのではなく、「問題を解決すること」に集中できるマインドセットを持っている人は向いています。
感情に流されず、事実に基づいて客観的に対処できる冷静さは、インフラエンジニアにとって強力な武器となります。
【インフラエンジニアの志望動機】インフラエンジニアに向いていない人
どのような職業にも向き不向きがありますが、インフラエンジニアの場合、その業務特性上、性格やライフスタイルによっては苦痛に感じてしまうケースがあります。
入社後のミスマッチを防ぐためにも、ネガティブな側面や厳しい現実についても理解しておく必要があります。
もし向いていない特徴に当てはまるとしても、それを自覚した上で対策を講じるか、あるいは自分の適性に合った別のIT職種(Webデザイナーやフロントエンドエンジニアなど)を検討する材料にしてください。
特に「システムの安定運用」という絶対的なミッションは、人によっては「退屈」や「拘束感が強い」と感じられる要因にもなります。
ここでは、一般的にインフラエンジニアには不向きとされる特徴を解説します。
自分の価値観と照らし合わせ、本当にこの職種で長く働けるかどうか、冷静に判断するためのチェックリストとして活用してください。
目に見える華やかな成果物を作りたい人
インフラエンジニアの成果物は、サーバーの設定やネットワーク環境であり、一般的なユーザーの目には触れません。
「自分が作ったアプリがストアに並ぶ」「デザインしたWebサイトがバズる」といった、分かりやすく華やかな成果を求める人には、物足りなさを感じる可能性があります。
ユーザーから直接「使いやすい」「面白い」といった感想をもらう機会も、開発職に比べると圧倒的に少ないのが現実です。
「自分の作品を世に出したい」「クリエイティブな感性を活かして表現したい」という欲求が強い人は、インフラエンジニアよりもWebデザイナーやアプリ開発エンジニアの方が適しています。
縁の下の力持ちとして黒子に徹することよりも、自分が主役となって評価されたいという志向が強い人には、モチベーションの維持が難しい職種かもしれません。
視覚的な達成感を仕事の第一義とする人は、慎重に検討する必要があります。
不規則な勤務体系や夜勤に対応できない人
インフラエンジニア、特に運用・保守を担当する場合、24時間365日の監視体制が必要となるため、シフト制勤務や夜勤が発生することがあります。
また、システムメンテナンスはユーザーの利用が少ない深夜や休日に行われることが多く、生活リズムが不規則になりがちです。
トラブルが発生すれば、休日であっても緊急呼び出しに対応しなければならないケースもあります(オンコール対応)。
体力に自信がない人や、決まった時間に寝起きする生活リズムを絶対に崩したくない人にとっては、身体的な負担が大きい環境と言えます。
もちろん、設計・構築メインのポジションや、クラウド化によってリモートワークが進んでいる企業もありますが、下積み時代には夜勤を経験することも多いです。
プライベートの時間を完全に固定したい人や、突発的な業務にストレスを感じやすい人には厳しい環境になる可能性があります。
細かい確認作業が苦手で大雑把な人
「とりあえず動けばいい」という感覚は、インフラエンジニアにとって命取りです。
IPアドレスの数字一つ、コマンドのスペル一つ間違えるだけで、システム全体が停止するリスクがあります。
そのため、手順書通りに正確に操作することや、指差し確認を徹底することが求められます。
細かい文字の羅列(ログ)を目視で確認したり、膨大な設定項目を一つずつチェックしたりする作業が日常的に発生します。
大雑把で「細かいことは気にしない」性格の人や、感覚で物事を進めたいタイプの人には、こうした緻密な作業は苦痛でしかないでしょう。
また、ミスをした際の影響範囲が大きいため、慎重さに欠ける行動は周囲からの信頼を失う原因になります。
細部へのこだわりを持てない人や、地道な検証作業を「面倒くさい」と感じてしまう人は、重大な事故を引き起こすリスクがあるため、インフラエンジニアには向いていません。
【インフラエンジニアの志望動機】志望動機を作成する際のポイント
インフラエンジニアの志望動機では、単に「IT業界に興味がある」というだけでは不十分です。
「なぜ開発(プログラマー)ではなくインフラなのか」という点について、明確な理由を語る必要があります。
採用担当者は、あなたがインフラエンジニアの地味ながらも重要な役割を理解しているか、そしてその厳しい業務に耐えうる適性があるかを見ています。
また、企業によって扱う技術領域(オンプレミス寄りか、クラウド寄りか)や得意な業界が異なるため、その企業に合わせたアピールも必要です。
ここでは、採用担当者に「この学生なら安心してインフラを任せられる」と思わせるための志望動機作成のポイントを解説します。
自分の強みとインフラエンジニアの接点を見つけ出し、論理的で熱意の伝わる志望動機を構成しましょう。
なぜ「インフラエンジニア」かを明確にする
最も重要なのは、数あるIT職種の中でインフラエンジニアを選んだ必然性を伝えることです。
「プログラミングが難しそうだから」といった消極的な理由ではなく、インフラならではの魅力に基づいたポジティブな理由が必要です。
「システムを根底から支える社会的責任の大きさに惹かれた」「機械の仕組みを理解し、環境を構築することに面白さを感じる」「一度身につければ長く役立つ専門性に魅力を感じた」などです。
例えば、部活動での裏方経験や、コツコツと継続して成果を出した経験と結びつけると説得力が増します。
「目立つことよりも、チームの基盤を整える役回りが自分に合っている」という自己分析結果を示すのも有効です。
「支える」「守る」「整える」といったキーワードを使い、自身の性格や価値観がインフラエンジニアの役割とマッチしていることを強調してください。
志望企業の扱う技術領域に触れる
一口にインフラエンジニアと言っても、企業によって注力している技術は異なります。
物理サーバーの構築に強みを持つ企業もあれば、AWSやGoogle Cloudなどのクラウド構築に特化した企業もあります。
志望する企業がどのような案件を扱っているかを企業研究で把握し、それに合わせた興味関心を示しましょう。
「御社の大規模金融システムの安定運用実績に惹かれました」や「御社がいち早くクラウド技術を取り入れ、顧客のDXを支援している点に魅力を感じました」といった具体的な言及が必要です。
これにより、単なる憧れではなく、ビジネスとしての方向性を理解して志望していることが伝わります。
企業の得意分野と自分が学びたい技術領域が一致していることをアピールしましょう。
自身の経験を入社後の貢献に紐づける
未経験であっても、これまでの経験からインフラエンジニアに通じる強みをアピールすることは可能です。
アルバイトでの責任ある行動、学業での緻密な研究データ管理、トラブル発生時の冷静な対応エピソードなどは、そのままインフラエンジニアの適性証明になります。
「カフェのアルバイトで、発注ミスがないよう独自のチェックリストを作成し、在庫管理を徹底しました。
この正確性と改善意欲は、インフラの運用業務でも活かせると考えています」のように、具体的なエピソードを交えて貢献イメージを伝えます。
技術は入社後に学べますが、性格やスタンスは簡単には変わりません。
だからこそ、人間性や仕事への姿勢がインフラ向きであることを伝えるのが効果的です。
入社後のキャリアパスを示す
インフラエンジニアの世界は奥が深く、運用監視から始まって、設計構築、セキュリティスペシャリスト、プロジェクトマネージャーなど、多様なキャリアパスがあります。
単に「入社したい」だけでなく、将来どうなりたいかというビジョンを持っている学生は高く評価されます。
「まずは運用業務でシステムの基礎を徹底的に学び、将来的にはクラウド設計のできるエンジニアになりたい」「セキュリティの知識を深め、顧客の資産を守れるスペシャリストを目指したい」など、成長意欲を示しましょう。
これにより、早期離職のリスクが低いと判断されやすくなります。
長期的な視点で自分の成長と会社の発展を重ね合わせている姿勢を見せることが大切です。
【インフラエンジニアの志望動機】志望動機を伝える際の注意点
志望動機を作成する上で、避けるべき表現や陥りやすいミスがあります。
特にインフラエンジニアは専門性が高い職種であるため、誤った認識に基づいた発言は「勉強不足」と判断され致命的になりかねません。
また、安定志向ばかりを前面に出しすぎると、「向上心がない」と捉えられるリスクもあります。
ここでは、志望動機をブラッシュアップするために確認すべき注意点を解説します。
これらを意識することで、マイナス評価を避け、よりプロフェッショナルな印象を与えることができます。
書き上げた志望動機を客観的に見直し、これらのNGポイントが含まれていないかチェックしてください。
採用担当者の視点に立ち、懸念を抱かせない内容に仕上げることが重要です。
どの企業・組織でも通じる内容にしない
「貴社の研修制度が充実しているから」「IT業界は成長しているから」といった理由は、どの企業でも通用してしまいます。
これでは「なぜうちの会社なのか」という問いに答えたことになりません。
特にSIer(システムインテグレーター)やSES(客先常駐)企業は数が多いため、他社との差別化を意識する必要があります。
その企業の主要取引先、強みとする技術分野(ネットワークに強い、サーバーに強い、クラウドに強いなど)、社風、社員インタビュー記事からの引用など、固有名詞や独自情報を盛り込むことで、志望度の高さを証明しましょう。
「あなたの会社でなければならない理由」を一つでも多く見つける努力が必要です。
「安定していそう」という受動的な理由のみにしない
インフラエンジニアの魅力として「安定性」は事実ですが、それを志望動機のメインにしてしまうのは危険です。
「安定しているから選びました」だけでは、「ぶら下がり社員になりそう」「新しい技術を学ぶ意欲がなさそう」というネガティブな印象を与えます。
企業は、変化の激しいIT業界で主体的に学び続け、会社に貢献してくれる人材を求めています。
「社会基盤を支える安定した需要がある環境で、常に最新技術をキャッチアップし続けたい」というように、安定性はあくまで前提とし、その上でどう成長したいかという攻めの姿勢を見せることが大切です。
安定を享受する側ではなく、技術力で安定を作り出す側になるという気概を示してください。
開発エンジニアとの違いを理解していない内容にしない
面接でよくある失敗が、インフラエンジニアの志望動機なのに「アプリを作ってみたい」「Webデザインに興味がある」と言ってしまうことです。
これでは職種理解ができていないと判断され、即不採用になりかねません。
開発(アプリケーション)とインフラ(基盤)は、協力関係にはありますが、業務内容は明確に異なります。
「プログラミングで機能を作る」ことよりも、「システムが動く環境を作る」「障害から守る」ことに興味があることを明確に区別して伝えましょう。
もしプログラミングにも興味があるなら、「インフラの自動化(Infrastructure as Code)に興味があり、Pythonなどのスクリプト言語を用いて効率的な運用を実現したい」といった、インフラ業務に関連づけた文脈で語るように注意してください。
職種の役割分担を正しく理解していることは大前提です。
【インフラエンジニアの志望動機】インフラエンジニアの志望動機例文
最後に、これまでの解説を踏まえた志望動機の例文を3つ紹介します。
文系未経験からの挑戦、理系情報学部からの専門的な志望、そして性格的な適性を活かしたアプローチと、異なる切り口で作成しています。
これらをそのままコピーするのではなく、自分の言葉やエピソードに置き換えてアレンジするための参考にしてください。
例文を読む際は、「結論→理由(エピソード)→入社後のビジョン」という構成や、インフラエンジニア特有のキーワード(基盤、安定稼働、クラウドなど)の使い方に注目してください。
自分らしい言葉で語れるよう、ブラッシュアップしていきましょう。
例文1(文系未経験・社会貢献性重視)
私が貴社のインフラエンジニアを志望するのは、現代社会のライフラインであるITインフラを支え、人々の当たり前の生活を守りたいと強く考えたからです。
昨年の台風で停電を経験した際、情報通信が途絶える不安を痛感し、インフラの重要性を再認識しました。
これを機に、ITの側面から社会基盤を支える仕事に興味を持ちました。
大学時代は吹奏楽部で副部長を務め、練習場所の確保やスケジュールの調整など、部員が演奏に集中できる環境作りに尽力しました。
この裏方としてのサポート経験と持ち前の責任感は、インフラエンジニアの業務に通じると確信しています。
貴社は公共分野のシステム構築に強みを持っており、私の「社会への貢献」という軸と合致しています。
入社後は、ITパスポートの学習で得た基礎知識をさらに深め、一刻も早く現場で信頼されるエンジニアになりたいと考えています。
例文2(理系情報系・技術志向)
私は、クラウド技術を活用した柔軟で堅牢なインフラ構築に携わりたいと考え、貴社を志望いたしました。
大学の研究室では、Linuxサーバーを用いたネットワーク環境の構築を行いました。
物理サーバーの配線からOSの設定、トラブルシューティングまでを経験し、自分の構築した環境でシステムが稼働した時の達成感に魅了されました。
現在はAWSの認定資格取得に向けて学習を続けており、コードによるインフラ管理(IaC)の効率性にも関心を持っています。
貴社はクラウドネイティブな開発を推進されており、最新技術に触れられる環境がある点に強く惹かれました。
私の探究心と基礎知識を活かし、将来的にはお客様の課題に合わせて最適なクラウド環境を設計・提案できるフルスタックなインフラエンジニアとして貢献したいです。
例文3(性格適性・運用保守への意欲)
私の強みである「粘り強さ」と「正確性」を最大限に活かせる職種がインフラエンジニアであると考え、志望いたしました。
私は飲食店でのアルバイトにおいて、3年間無遅刻無欠勤を貫き、毎日の在庫チェックや清掃作業など、ルーチン業務を決して疎かにせず徹底しました。
その結果、店長から「安心して店を任せられる」という評価をいただき、時間帯責任者を任されました。
この経験から、当たり前のことを継続する難しさと重要さを学びました。
インフラエンジニアは、システムの安定稼働を守る「最後の砦」であると理解しています。
貴社の充実した研修制度のもとで確実な技術を身につけ、運用保守の現場においてミスゼロを徹底し、お客様に安心を提供できるエンジニアとして貴社の信頼向上に貢献したいと考えています。
まとめ
本記事では、インフラエンジニアの仕事内容や魅力、向き不向き、そして効果的な志望動機の書き方について解説してきました。
インフラエンジニアは、派手さこそないものの、デジタル社会になくてはならない存在であり、その需要と将来性は非常に高い職種です。
「社会を支えたい」「手に職をつけたい」「仕組みを知りたい」という人にとっては、天職となり得る可能性を秘めています。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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