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【広島市役所の志望動機】広島市役所とは
広島市役所は、中国・四国地方の政治・経済・文化の中枢である広島市の行政運営を担う組織です。
政令指定都市として、県と同等の権限を持つ分野も多く、都市計画や教育、福祉など幅広い領域で主体的な政策決定を行っています。
広島市は、太田川の三角州に形成された「水の都」としての美しい景観を持つ一方で、原爆投下からの復興を遂げた力強い歴史を持つ都市でもあります。
この「復興と平和」の精神は、市政のあらゆる場面に根付いており、職員一人ひとりの行動指針にもなっています。
また、近年では広島駅周辺の大規模な再開発や、都心部でのサッカースタジアム開業など、都市機能の更新が急速に進んでいます。
市民生活を支える基礎自治体としての役割に加え、国内外から多くの人々を惹きつける都市魅力を創造する役割も重要視されています。
志望動機を考える際は、「平和都市としての使命」と「中枢都市としての成長戦略」の両輪を理解することが不可欠です。
まずは、具体的な業務内容と特徴を見ていきましょう。
広島市役所の業務内容
広島市役所の業務は、市民の一生に寄り添う生活支援から、世界に向けた平和発信まで、非常に多岐にわたります。
区役所や出張所では、戸籍や住民票の届出、子育て支援、高齢者福祉、国民健康保険などの窓口業務を行い、市民の困りごとに直接対応します。
一方、本庁では、都市のグランドデザインを描く都市計画、産業振興、観光MICE戦略、公共交通網の整備(路面電車やアストラムラインなど)といった、都市の骨格を作る大規模なプロジェクトを推進しています。
さらに、広島市ならではの最重要業務として「平和推進」が挙げられます。
平和記念式典の開催や、原爆ドーム・平和記念公園の保存・管理、核兵器廃絶に向けた国際的なネットワーク(平和首長会議)の運営など、国境を越えた取り組みを行っています。
また、「デルタ市街地」特有の課題として、水害や高潮対策などの防災インフラ整備も欠かせません。
このように、ローカルな市民生活とグローバルな平和課題の両方にアプローチできる点が、広島市職員の仕事の大きな特徴です。
広島市役所の特徴
広島市役所の最大の特徴は、やはり「国際平和文化都市」としてのアイデンティティです。
単に行政サービスを提供するだけでなく、ヒロシマの心を世界へ伝え、恒久平和の実現に貢献するという明確なビジョンを持っています。
そのため、職員には国際的な視野や、平和に対する深い理解が求められます。
また、戦後の焼け野原から復興を成し遂げた歴史的背景から、困難な課題に対しても諦めずに挑戦し続ける「復興の精神」が組織風土として息づいています。
加えて、マツダをはじめとする自動車産業が集積する「モノづくり都市」としての側面も持ち合わせています。
産業界と連携した技術革新の支援や、雇用の創出、さらには瀬戸内海の豊かな食資源を活かしたブランド推進など、経済活性化に向けた取り組みも活発です。
政令指定都市としての大きな裁量権と、平和都市としての独自性を併せ持ち、地方自治体でありながら世界と直接つながる仕事ができる稀有な環境と言えるでしょう。
【広島市役所の志望動機】広島市役所の魅力
広島市役所で働く魅力は、中四国地方を牽引するリーダー都市としてのダイナミズムと、平和という普遍的な価値を追求する崇高な使命感を同時に味わえる点にあります。
美しい川と海、山に囲まれた豊かな環境の中で、都市の未来と世界の平和に貢献できる仕事は、大きな誇りとなるはずです。
ここでは、就活生が特に注目すべき広島市役所の魅力を3つのポイントで整理します。
これらを志望動機の核として活用し、なぜ広島市で働きたいのかを自分の言葉で語れるようにしましょう。
「国際平和文化都市」として世界へ発信する使命
広島市役所で働く最大の意義は、世界で唯一無二の「平和都市ヒロシマ」の担い手になれることです。
G7サミットの開催地として注目を集めたように、広島市は平和外交の舞台として重要な役割を果たしています。
職員として、平和記念資料館の運営や平和教育の推進、海外諸都市との連携などに携わることで、核なき世界の実現という人類共通の課題に対して、実務レベルで貢献することができます。
これは他の自治体では決して経験できない仕事です。
被爆の実相を次世代へ継承し、世界中から訪れる人々に平和の尊さを伝えるプロセスに関わることは、職業人としてだけでなく、一人の人間としても深いやりがいを感じられるでしょう。
「平和」という大きなテーマを、行政の立場から具体的なアクションに変えていける点は、広島市役所だからこその圧倒的な魅力です。
中四国最大の中枢都市を動かすダイナミズム
人口約118万人を擁する広島市は、中国・四国地方の経済・文化・情報の中心地です。
広島駅周辺の再開発や、広島城周辺エリアの整備、都心部での新たな交通システムの構築など、街の風景を劇的に変えるビッグプロジェクトが現在進行形で動いています。
市役所職員は、これらの都市開発における司令塔として、民間企業や関係機関と調整を行いながら、100年先の広島の姿をデザインする仕事に携わることができます。
また、プロスポーツチーム(広島東洋カープ、サンフレッチェ広島など)と連携したまちづくりや、瀬戸内の観光資源を活かした広域観光の推進など、ソフト面の施策も多彩です。
中枢都市としての求心力を高め、多くの人々が集い交流する賑わいを創出する仕事には、街の成長をダイレクトに感じる手応えと、社会への大きな影響力があります。
「水の都」ならではの美しい景観と住環境
6本の川が流れる美しい水辺景観と、南に瀬戸内海、北に中国山地を望む豊かな自然環境は、広島市の大きな財産です。
市役所では、この「水の都」としての魅力を活かし、河岸緑地の整備や水上交通(雁木タクシーなど)の活用、オープンカフェの設置など、水辺空間の賑わいづくり(リバーフロントの活性化)に力を入れています。
自然と都市機能が調和した、美しく快適な住環境を守り育てる仕事ができます。
また、路面電車が走る情緒ある風景と、近代的なビル群が共存する独特の景観も魅力です。
こうした都市環境の維持管理や、環境負荷の少ないまちづくり(SDGs未来都市)への取り組みも重要な業務です。
働きやすく、住みやすく、そして美しい広島の街を次世代に繋いでいくことに、誇りを持って取り組める環境です。
【広島市役所の志望動機】広島市役所の求める人物像
広島市は、被爆75年を経て新たなステージへと進んでいます。
変化の激しい時代において、平和都市としての発信力を強めつつ、持続可能な都市経営を行っていくためには、高い志と行動力を持った人材が必要です。
志望動機や自己PRを作成する際は、以下の3つの要素を意識し、自分の経験の中にそれらを裏付けるエピソードがないか探してみてください。
広島市の未来を託せる人材であることをアピールしましょう。
平和への想いを持ち世界と対話できる国際感覚
広島市役所の職員にとって、平和への理解は必須の素養です。
しかし、単に「平和を願う」だけでなく、それを具体的な行動や発信につなげられる主体性が求められます。
また、多くの外国人観光客や要人が訪れる国際都市であるため、異文化を受け入れ、コミュニケーションを図れる「国際感覚」も重要視されます。
語学力があれば強みになりますが、それ以上に大切なのは、異なる価値観を持つ人々と対話し、相互理解を深めようとする姿勢です。
留学経験や国際交流ボランティア、あるいはゼミでの多文化共生の研究など、世界に目を向け、多様性を尊重して行動した経験があれば、大きなアピールポイントになります。
ヒロシマの心を世界へ届けるメッセンジャーとしての適性を示してください。
復興の精神を受け継ぎ困難に挑む「バイタリティ」
広島市は、廃墟の中から市民の不屈の努力によって復興を成し遂げた街です。
この「復興の精神」は、現在の市役所においても「困難な課題に直面しても、諦めずに挑戦し続ける姿勢」として受け継がれています。
人口減少や少子高齢化、激甚化する災害など、現代の課題は複雑ですが、前例踏襲にとらわれず、粘り強く解決策を模索する「バイタリティ」と「チャレンジ精神」を持った人材が求められています。
学生時代に、部活動やサークル、アルバイトなどで困難な壁にぶつかり、それを乗り越えた経験は高く評価されます。
失敗を恐れずに新しいことに取り組み、最後までやり遂げるタフさを持っていることを、具体的なエピソードを交えて伝えてください。
市民に寄り添い信頼関係を築く「誠実さ」
行政サービスの基本は、市民との信頼関係にあります。
広島市役所の職員には、市民一人ひとりの声に真摯に耳を傾け、相手の立場に立って考え行動する「誠実さ」が不可欠です。
特に、被爆者支援や福祉行政などの分野では、相手の痛みに寄り添う温かい心が求められます。
また、地域活動やまちづくりにおいては、多様な意見を持つ市民と対話を重ね、合意形成を図る調整力も必要です。
ボランティア活動や接客業などで培った「ホスピタリティ」や「傾聴力」、チーム内での調整役としての経験などは、この資質を証明する良い材料になります。
「広島市民のために尽くしたい」という純粋な奉仕の精神と、誠実な人柄をアピールしましょう。
【広島市役所の志望動機】志望動機を作成する際のポイント
広島市役所の志望動機を作成する際は、単なる「地元愛」や「平和への願い」で終わらせず、具体的なビジョンと論理性を持たせることが重要です。
なぜ広島市役所なのか、そこで行政官として何を実現したいのかを明確にし、採用担当者の記憶に残る内容に仕上げましょう。
ここでは、説得力のある志望動機を構成するための4つのポイントを紹介します。
これらを意識して文章を組み立てれば、あなた自身の強みと広島市の魅力がリンクした、独自性のある志望動機が完成します。
なぜ「広島市役所」かを明確にする
最も重要なのは、「なぜ広島県庁や他の自治体ではなく、広島市役所なのか」という理由です。
広島市が持つ「国際平和文化都市としての独自性」「中四国を牽引する中枢性」「市民生活に近い現場感」といった特徴に触れ、自分のやりたいことが広島市でしか実現できない理由を論理的に説明しましょう。
例えば、「県庁は広域調整が主ですが、私は市民に近い距離で、かつ平和行政の実務を担いたい」や、「他の政令市と比べても、復興の歴史と都市開発の融合というストーリーに惹かれた」といった比較視点が有効です。
広島市役所ならではの役割と、自分のキャリアビジョンが合致していることを強調してください。
関心のある具体的な施策やプロジェクトを挙げる
志望動機に具体性を持たせるために、入庁後に取り組みたい施策や分野を具体的に挙げましょう。
広島市の総合計画や広報紙をチェックし、「G7サミット後の平和発信」「広島駅南口の再開発」「デルタ市街地の防災対策」「地域包括ケアシステムの構築」など、関心のあるテーマを見つけてください。
具体的なキーワードを盛り込むことで、市政について深く勉強していることをアピールできます。
「ただ平和に貢献したい」ではなく、「平和首長会議のネットワークを活用して、若者の交流事業を推進したい」と語ることで、熱意の解像度が上がります。
ただし、知識をひけらかすのではなく、あくまで自分の想いを伝える材料として使いましょう。
自身の強みを行政職としてどう活かすか紐づける
志望動機は、あなたの「やりたいこと(Will)」を伝える場であると同時に、「できること(Can)」を売り込む場でもあります。
過去の経験で培った強みが、広島市役所の業務においてどのように役立つのかを具体的に紐づけて説明しましょう。
例えば、「留学で培った語学力と発信力」は「国際平和プロモーション」に、「ゼミでのフィールドワーク経験」は「地域まちづくり」に活かせます。
自分の強みが、先述した「求める人物像」(国際感覚、バイタリティ、誠実さ)といかにマッチしているかを示すことで、即戦力としてのポテンシャルを感じさせることができます。
自己分析の結果を、行政職の仕事に翻訳して伝えてください。
平和への貢献と市民生活支援の両立視点を持つ
広島市役所を志望する際、「平和」は外せないキーワードですが、それだけに偏りすぎると「現実の市民生活が見えていない」と思われるリスクもあります。
市役所の仕事の大半は、福祉、教育、インフラ整備などの地道な市民サービスです。
志望動機の中では、「平和都市としての発信(グローバル)」と「市民生活の向上(ローカル)」の両方の視点を持つことが重要です。
「平和の基盤は、市民の安定した生活にあると考えます。
だからこそ、私は福祉や防災を通じて市民の日常を守りながら、その平穏な暮らしを世界へ発信したい」といったように、二つの要素をリンクさせて語ると、非常にバランスの良い志望動機になります。
【広島市役所の志望動機】志望動機を伝える際の注意点
熱意を持って志望動機を書いても、ちょっとした視点のズレや表現の選び方で、マイナス評価になってしまうことがあります。
特に広島市は「平和」というセンシティブかつ重要なテーマを扱っているため、慎重な言葉選びが求められます。
ここでは、広島市役所の志望動機を書く際によくある失敗や、避けるべき表現について解説します。
これらをチェックして、論理的で想いの伝わる志望動機を目指しましょう。
どの企業・組織でも通じる内容にしない
「人の役に立ちたい」「地元に貢献したい」「成長できる環境がある」といった言葉は、どの自治体や民間企業でも言えることです。
これらだけの志望動機では、「広島市役所である必要性」が伝わりません。
必ず「広島市ならでは」の要素(平和記念公園、デルタ、路面電車、カープなど)を盛り込み、固有名詞や具体的なエピソードで肉付けしてください。
民間企業と併願している場合も、志望動機の使い回しは厳禁です。
利益を追求する民間とは異なり、行政は「公益」を追求します。
「なぜ民間ではなく公務員なのか」という視点も忘れずに組み込むことが重要です。
広島県庁との役割の違いを理解する
広島市役所を志望する上で、広島県庁との混同は避けなければなりません。
県は広域的な調整や町村部の支援が主ですが、政令指定都市である広島市は、県と同等の権限を持ちながら、市民への直接サービスと独自の都市経営を行います。
「広島県全体の産業を底上げしたい」と書くと「それは県庁の仕事では?」と思われてしまいます。
「広島市という中枢都市の活力を高めることで、結果として県全体や中四国地方を牽引したい」や「現場に近い距離感で、かつ平和行政の実務を担いたい」といったように、政令指定都市・広島市ならではの立ち位置を正確に理解した表現を心がけましょう。
抽象的な「平和」論だけで終わらない
「世界平和を実現したい」「核兵器をなくしたい」という想いは素晴らしいですが、それだけでは活動家の主張や感想文になってしまいます。
市役所職員として求められるのは、「行政の仕組みを使って、具体的に何をするか」という実務家の視点です。
「平和」を語る際は、具体的な施策(平和教育、国際会議誘致、被爆樹木の保存など)に落とし込んで語るようにしましょう。
また、先述したように平和以外の業務(福祉やインフラなど)への関心も示し、バランスの取れた公務員としての適性を見せることが大切です。
【広島市役所の志望動機】広島市役所の志望動機例文
最後に、これまでのポイントを踏まえた具体的な志望動機の例文を3つ紹介します。
「平和行政・国際交流」「まちづくり・再開発」「福祉・防災」という異なるテーマで作成しています。
これらを参考に、自分の経験や言葉に合わせてカスタマイズしてください。
そのままコピーするのではなく、構成や表現の参考として活用しましょう。
例文1(平和行政・国際交流)
私は、「国際平和文化都市」として世界にメッセージを発信し続ける貴市で、平和の尊さを次世代へ繋ぐ架け橋になりたいと考え志望します。
大学時代、留学生との交流イベントを企画した際、広島の復興の歴史が彼らに大きな希望を与えていることを知り、この街が持つ発信力の強さを再認識しました。
G7サミットを経て注目が高まる今こそ、より多角的なアプローチで平和文化を広める好機だと捉えています。
入庁後は、平和推進課などで若者向けの平和教育や、平和首長会議のネットワークを活かした国際交流事業に携わりたいです。
持ち前の「語学力」と「異文化理解力」を活かし、世界中の人々と対話を重ねながら、ヒロシマの心を未来へ継承する一翼を担います。
例文2(まちづくり・再開発)
私は、中四国の中枢都市として発展を続ける貴市の活力をさらに高め、多くの人々を惹きつける魅力的な都市空間を創出したいと考え志望しました。
現在進行中の広島駅周辺の再開発や、サッカースタジアムを核とした都心部の賑わいづくりは、街の風景を一変させる大きな挑戦であり、そのダイナミズムに強く惹かれています。
私は、ハード面の整備だけでなく、「水の都」としての景観を活かした回遊性の向上など、ソフト面も融合させた都市経営に携わりたいと考えています。
ゼミ活動で培った「多様な利害関係者をまとめる調整力」を活かし、市民や民間企業と協働しながら、100年先も誇れる広島の街づくりに貢献したいです。
例文3(福祉・防災・市民生活)
私は、美しいデルタの景観と市民の平穏な暮らしを守り、「住んでよかった」と思える安全・安心な広島を築きたいと考え志望します。
貴市は豊かな水辺環境を持つ一方で、水害などのリスクとも隣り合わせです。
西日本豪雨の際、ボランティアとして活動し、災害への備えとコミュニティの重要性を痛感しました。
この経験から、ハード面の防災インフラ整備に加え、地域ごとの避難体制構築などソフト面の対策にも力を入れたいと考えるようになりました。
また、高齢者が安心して暮らせる地域包括ケアシステムの充実にも関心があります。
現場主義を貫き、市民一人ひとりの声に「誠実」に寄り添いながら、平和の基盤である市民の日常を支え抜く覚悟です。
まとめ
広島市役所は、中四国を牽引する中枢都市としてのダイナミズムと、国際平和文化都市としての崇高な使命感を併せ持つ、非常にやりがいのある職場です。
都市開発から平和外交まで、活躍のフィールドは広く、あなたの志次第で大きな仕事に挑戦できる環境が整っています。
志望動機を作成する際は、広島市ならではの「復興と平和」のアイデンティティを理解し、自身の経験や強みがどのように市の発展と市民の幸福に貢献できるかを論理的に伝えることが重要です。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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