【例文あり】長野県庁の志望動機の書き方とは？書く際のポイントや求められる人物像も解説

【長野県庁の志望動機】長野県庁とは

長野県庁は、約200万人の県民が暮らす長野県の行政運営を担う広域自治体です。

本州の中央に位置し、8つの県と隣接する地理的特性や、3,000メートル級の山々が連なる地形など、他の都道府県にはない独自の特徴を持っています。

県庁は、県内77市町村（全国で2番目に多い）という非常に多くの基礎自治体を広域的にサポートし、調整する役割を担っています。

また、「教育県」としての伝統や、全国トップクラスの健康長寿、精密機械工業の集積など、長野県が持つポテンシャルを最大限に引き出すための政策立案を行っています。

志望動機を考える上では、この広大で多様性に富んだ県土をどのようにマネジメントしていくかという視点が欠かせません。

長野県庁の業務内容

長野県庁の業務は、県民の暮らしと産業を守り、育てるために多岐にわたります。

具体的には、山岳道路や河川の整備といったインフラ管理、高原野菜や果樹などの農業ブランド化支援、豊かな自然を活かした観光プロモーション、そして医療・福祉体制の充実などが挙げられます。

特に長野県は、中山間地域が多く、都市部と農山村部では抱える課題が大きく異なります。

そのため、県内を10のブロックに分けた「地域振興局」を設置し、現場に近い場所できめ細かな対応を行っているのが特徴です。

また、近年では「ゼロカーボン」への先進的な取り組みや、DX（デジタルトランスフォーメーション）による行政サービスの効率化など、時代の変化に対応した新しい施策も積極的に推進しています。

長野県庁の特徴

長野県庁の特徴は、「対話と共創」を県政運営の基本姿勢として掲げている点です。

広大な県土と多くの市町村を持つ長野県では、県庁だけで解決できる課題は限られています。

そのため、市町村はもちろん、民間企業、大学、NPO、そして県民一人ひとりと対話を重ね、共に課題解決に取り組む姿勢が強く求められます。

また、長野県は「学びの県」としての歴史があり、教育や文化振興に力を入れていることも大きな特徴です。

さらに、移住・定住施策において全国をリードする存在であり、関係人口の創出や二拠点居住の推進など、新しいライフスタイルの提案者としての役割も担っています。

伝統を重んじつつも、新しい価値観を柔軟に取り入れる進取の気風がある組織と言えるでしょう。

【長野県庁の志望動機】長野県庁の魅力

長野県庁で働く魅力は、圧倒的なブランド力を持つ「信州」というフィールドで、日本が目指すべき豊かさのモデルケースを作れる点にあります。

物質的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさや健康、自然との共生を重視する長野県のライフスタイルは、これからの時代において大きな価値を持ちます。

職員として、その価値を磨き上げ、県民の「しあわせ」に直結する仕事ができることは、何物にも代えがたいやりがいです。

ここでは、就活生の皆さんにとって特に魅力的なポイントを、3つの視点から具体的に掘り下げていきます。

「移住したい県No.1」の魅力を守り育てる

長野県は、豊かな自然環境、治安の良さ、子育て環境の充実などから、幅広い世代から移住先として絶大な人気を誇ります。

県庁職員は、このブランド力を維持・向上させるために、移住支援金の給付や就労支援、空き家バンクの活用促進など、具体的な施策を展開しています。

単に人を呼ぶだけでなく、移住者が地域に溶け込み、活躍できる土壌を作ることは、地域の担い手不足解消や活性化に直結します。

自分が携わった施策によって、新しい住民が増え、地域に活気が生まれる様子を肌で感じることができるのは大きな喜びです。

選ばれる地域づくりの最前線で、地方創生の成功モデルを構築できる点は、非常に魅力的な仕事と言えます。

健康長寿や環境政策で世界をリードする

長野県は、男性・女性ともに全国トップレベルの平均寿命を誇る「健康長寿県」です。

県庁では、食生活の改善指導や予防医療の推進、高齢者の社会参加支援など、長年培ってきた健康づくりのノウハウを持っています。

また、美しいアルプスや森林資源を守るため、脱炭素社会の実現に向けた「気候非常事態宣言」をいち早く行うなど、環境政策においても先進的な取り組みを進めています。

こうした健康や環境といったテーマは、世界共通の課題でもあります。

地方自治体でありながら、世界に通用する先進的なモデルを構築し、発信していけるスケールの大きさも、長野県庁で働く醍醐味の一つです。

多様な地域文化と産業を支える面白さ

長野県は、地域によって気候や風土が異なり、それぞれに独自の文化や産業が根付いています。

北信のスキーリゾート、東信の高原野菜、中信の精密機械工業、南信の果樹栽培など、エリアごとの特色が非常に豊かです。

県庁職員は、こうした地域の個性を深く理解し、それぞれの強みを伸ばすためのオーダーメイドの支援を行います。

広域的な視点を持ちつつも、地域の現場に入り込み、農家や中小企業の経営者、観光事業者と膝を突き合わせて課題解決に取り組むことができます。

多様な地域性と産業に関わりながら、長野県のポテンシャルを最大化する仕事は、知的好奇心を刺激し、職員としての成長を促してくれます。

【長野県庁の志望動機】長野県庁の求める人物像

長野県庁は、人口減少や激甚化する自然災害など、困難な課題に直面する中で、「確かな暮らしを守り、信州からゆたかな社会を創る」ことを目指しています。

そのためには、従来の行政の枠組みにとらわれず、新しい発想で挑戦し続ける人材が必要です。

県の人事委員会などが発信しているメッセージからも、対話重視の姿勢や変革への意欲が求められていることが読み取れます。

ここでは、長野県庁が特に求めている職員の資質について、具体的なキーワードを用いて解説します。

これらを理解し、自分の強みとリンクさせることが重要です。

県民に寄り添い「対話」を大切にする人物

長野県庁の仕事の基本は、県民の声に耳を傾けることです。

広大な県土を持つ長野県では、地域によって住民のニーズや抱える悩みは千差万別です。

デスクワークで数字だけを見て判断するのではなく、現場に足を運び、住民や関係者と誠実に対話を重ねる姿勢が不可欠です。

相手の立場や心情を理解し、共感しながらも、行政のプロとして解決策を提示する高いコミュニケーション能力と共感力が求められます。

一方的な施策の押し付けではなく、県民と共に考え、共に悩み、納得感のある合意形成を図ることができる人物が、信頼される職員として活躍できるのです。

前例にとらわれず「変革」に挑む人物

社会環境の変化スピードが速い現代において、行政にもイノベーションが求められています。

長野県庁では、「前例がないからできない」という思考停止に陥るのではなく、「どうすれば実現できるか」を常に考え、新しい手法や技術を積極的に取り入れる姿勢を重視しています。

例えば、デジタル技術を活用した業務効率化や、官民連携による新しいサービスの創出など、既存の枠組みを超えた挑戦が歓迎されます。

失敗を恐れずに小さな一歩を踏み出し、より良い県政を実現するために自律的に考え行動する改革マインドを持った人物が求められています。

多様な主体と連携し「共創」できる人物

複雑化する地域課題は、県庁単独の力では解決できません。

市町村、民間企業、大学、NPO、地域コミュニティなど、様々な主体と連携し、それぞれの強みを活かしながら協力して取り組む必要があります。

長野県庁では、こうした多様なステークホルダーをつなぎ合わせ、共通の目標に向かってプロジェクトを推進するコーディネーターとしての能力が求められます。

自分の組織の論理だけでなく、相手のメリットも考えながらWin-Winの関係を築き、チーム信州として大きな力を生み出せる人物こそが、これからの長野県を支えるリーダーとなるでしょう。

【長野県庁の志望動機】志望動機を作成する際のポイント

長野県庁への志望動機を作成する際は、なぜ他の自治体や企業ではなく長野県庁なのかという理由を、論理的かつ情熱的に伝える必要があります。

「自然が好き」「住みやすいから」といった個人的な感想にとどまらず、行政官として長野県の課題をどう捉え、どう解決したいかという視点が不可欠です。

長野県の総合計画である「しあわせ信州創造プラン」などを参考にしつつ、以下のポイントを踏まえて、あなただけの説得力のある志望動機を練り上げてください。

なぜ「長野県庁」かを明確にする

まず、数ある選択肢の中で、なぜ長野県庁を選んだのかを明確にする必要があります。

長野県出身者であれば、地元への愛着だけでなく、「一度県外に出たからこそ分かる長野県の魅力と課題」について触れると深みが出ます。

県外出身者の場合は、「なぜ地元ではなく長野県なのか」という問いに対し、長野県の施策（教育、環境、移住など）への共感や、長野県でしか実現できないキャリアビジョンを語ることが重要です。

また、市町村職員ではなく県庁職員である理由として、広域的な調整や大規模なプロジェクトに関わりたいという意欲を示すことも忘れないでください。

原体験から「長野県への愛着・課題意識」を語る

志望動機に説得力を持たせるためには、あなた自身の実体験（原体験）に基づいていることが大切です。

「長野県の農家でのボランティアを通じて、後継者不足の現状を肌で感じた」「観光で訪れた際に、素晴らしい自然とアクセスの課題の両面を見た」「教育実習で信州教育の独自性に感銘を受けた」など、具体的なエピソードを盛り込みましょう。

これにより、志望動機が抽象的なものではなく、あなたの人生経験から生まれた本物の思いであることが伝わります。

エピソードを通じて、長野県に対する熱い思いや、何とかしたいという課題意識を具体的に描写してください。

「しあわせ信州創造プラン」への理解を示す

長野県は、県政の指針として「しあわせ信州創造プラン」を策定しています。

志望動機の中で、このプランが掲げるビジョンや重点施策に触れ、自分のやりたいことが県の方向性と合致していることをアピールすると効果的です。

例えば、「プランで掲げられている『学びの県づくり』に共感し、教育環境の整備に携わりたい」といった具合です。

県の政策をしっかりと研究していることを示すと同時に、入庁後も組織の目標に向かって貢献できる人材であることを印象付けられます。

ただし、プランの言葉をそのまま引用するだけでなく、自分の言葉で噛み砕いて表現することが大切です。

自身の強みがどう県政に貢献できるか

最後に、あなたの持つ強みやスキルが、長野県庁の業務においてどのように活かせるかを具体的に説明します。

例えば、「大学でのフィールドワークで培った行動力は、現場主義の長野県政で活かせる」「アルバイトで培った調整力は、市町村や関係団体との連携に役立つ」といった具合です。

長野県庁が求める人物像（対話、変革、共創）を意識し、あなたの強みがそれらにマッチしていることを示してください。

自分の能力を使って、長野県の未来をどう良くしていきたいかという具体的な貢献イメージを採用担当者に持たせることが重要です。

【長野県庁の志望動機】志望動機を伝える際の注意点

長野県への憧れが強くても、伝え方を間違えると「公務員の仕事を理解していない」「現実が見えていない」と判断されてしまうリスクがあります。

特に、観光客気分のままの志望動機や、理想論だけの提案は避けるべきです。

ここでは、志望動機をブラッシュアップする際に必ずチェックしておきたい、陥りやすいミスと注意点について解説します。

これらを踏まえて、プロフェッショナルな視点を持った志望動機に仕上げましょう。

どの企業・組織でも通じる内容にしない

「地域の人々に貢献したい」「やりがいのある仕事がしたい」といった抽象的な志望動機は、どの自治体でも言えることです。

これでは「長野県庁でなければならない理由」が伝わりません。

長野県固有の資源（アルプス、精密機械、教育、健康長寿など）や、具体的な施策名、地域名などを盛り込み、長野県ならではの文脈で語る必要があります。

また、民間企業でもできること（単なる商品の販売など）ではなく、行政だからこそできる制度設計や基盤整備、広域調整といった役割に焦点を当てることが重要です。

「自然が好き」という観光客目線だけで終わらせない

長野県の自然環境は大きな魅力ですが、志望動機が「自然が好きだから働きたい」だけで終わってしまうのは危険です。

県庁職員は、その自然を守るための地道な規制や管理、あるいは自然災害対策といった厳しい側面にも向き合わなければなりません。

単なる「ファン」としてではなく、「守り手・作り手」としての視点が必要です。

「自然が好きだからこそ、環境保全と観光振興の両立という難しい課題に取り組みたい」といったように、好きという気持ちを仕事への責任感へと昇華させて語るように心がけてください。

理想論ばかりで現実的な課題を無視しない

長野県は「移住したい県」としての華やかな側面がある一方で、人口減少、少子高齢化、公共交通の維持といった深刻な課題も抱えています。

志望動機において、良い面ばかりを強調しすぎると、現状認識が甘いと思われる可能性があります。

「長野県は素晴らしい」と褒めるだけでなく、直面している課題を直視した上で、それをどう解決したいかという姿勢を示すことが大切です。

地に足のついた現実的な視点と、それを変えていこうとする前向きな情熱のバランスを意識してください。

【長野県庁の志望動機】長野県庁の志望動機例文

最後に、これまでのポイントを踏まえた長野県庁の志望動機例文を3パターン紹介します。

「観光・移住」「教育・福祉」「環境・ゼロカーボン」という異なるテーマで作成しました。

これらをそのままコピーするのではなく、自分の経験や言葉に置き換えて、あなたオリジナルの志望動機を作成する際の参考にしてください。

構成や論理展開のヒントとして活用しましょう。

例文1：観光・移住促進（Uターン等を想定）

私は、世界に誇る信州の魅力を発信し、多くの人々が集い、定着する「選ばれる長野県」を作りたいと考え、貴庁を志望します。

大学進学で一度県外へ出た際、友人が長野県の自然や食に関心を持つ姿を見て、地元のポテンシャルを再認識しました。

一方で、実際の移住には仕事や住居などのハードルがあることも知りました。

貴庁は移住支援において全国をリードしていますが、さらに一歩進んで、関係人口の創出や二拠点居住の推進に力を入れています。

入庁後は、観光部局や地域振興局において、地域の魅力をコンテンツ化すると同時に、受け入れ環境の整備に尽力したいです。

私の強みである「相手のニーズを汲み取る傾聴力」を活かし、新しい人の流れを作る施策に貢献したいと考えています。

例文2：健康・福祉・教育（教育県としての側面）

私は、「教育県・長野」の伝統を受け継ぎつつ、誰もが生き生きと学び、活躍できる社会基盤を築きたいと考え、貴庁を志望します。

教育実習の経験を通じ、子どもたちの多様性が広がる中で、学校現場だけでは対応しきれない課題があることを痛感しました。

貴庁が掲げる「学びの県づくり」や、健康長寿の取り組みは、県民のQOL（生活の質）を高める上で不可欠な要素です。

私は、教育や福祉の分野において、行政の立場から学校、地域、家庭をつなぐ連携体制の構築に携わりたいです。

私の「粘り強く調整する力」を活かし、縦割りの壁を越えて、県民一人ひとりの可能性を伸ばす環境づくりに貢献する所存です。

例文3：環境・ゼロカーボン（自然環境保護）

私は、長野県の豊かな自然環境を次世代に継承し、環境と経済が好循環する持続可能な社会を実現したいと考え、貴庁を志望します。

登山サークルでの活動中、気候変動による生態系の変化を目の当たりにし、強い危機感を抱きました。

貴庁は「気候非常事態宣言」を発出し、ゼロカーボンへの挑戦を先導しています。

その先進的な姿勢に深く共感し、私もその一翼を担いたいと強く思いました。

入庁後は、環境部局において、再生可能エネルギーの普及や森林資源の活用促進に取り組みたいです。

私の「データに基づき論理的に考える力」を活かし、環境保全を単なる規制ではなく、地域経済の活性化につなげる新しいモデルを構築したいと考えています。

まとめ

長野県庁の志望動機を作成する鍵は、広大な県土と多様な地域性を持つ「信州」の特性を深く理解し、その未来を支える覚悟を示すことにあります。

移住人気や健康長寿といったブランド力に甘んじることなく、対話と共創を通じて新しい価値を生み出そうとする姿勢が評価されます。

自身の原体験を掘り下げ、なぜ長野県庁で働きたいのか、そこで何を成し遂げたいのかを具体的に言語化してください。

表面的な憧れではなく、地域に根ざし、県民と共に歩む熱意を込めた志望動機は、必ず採用担当者の心に響くはずです。

本記事を参考に、あなたらしい志望動機を完成させてください。

監修者

柴田貴司

明治大学院卒業後、就活メディア運営｜自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート