【2025年最新版】人事は学歴で決まる?出身大学の傾向と重要な評価ポイントを解説

【2025年最新版】人事は学歴で決まる?出身大学の傾向と重要な評価ポイントを解説

企業の「ヒト」という資源を管理し、組織の成長を支える「人事職」。

経営に近いポジションであり、社員の採用や評価に関わる重要な役割を担うことから、就活生からの人気は常にトップクラスです。

しかし、その人気の高さゆえに「人事になれるのは高学歴のエリートだけではないか」という不安の声が後を絶ちません。

実際のところ、人事職の採用において学歴はどの程度重視されるのでしょうか。

本記事では、人事職における学歴フィルターのリアルな実態や、企業が人事担当者に求める資質、そして学歴に自信がない学生が人事職を目指すための具体的な戦略について、業界の裏事情も交えながら詳しく解説します。

【人事 学歴】学歴フィルターの実態

人事職における学歴フィルターの有無について結論を述べると、「大企業では極めて厳しく、ベンチャー・中小企業では実力重視」という二極化の傾向が顕著です。

大手企業において、人事部は「出世コース」の登竜門と位置付けられていることが多く、将来の幹部候補としてトップクラスの大学出身者が配属されるケースが一般的です。

新卒でいきなり人事部に配属される人数は極めて少なく、その枠を巡って優秀な学生たちが争うため、結果として高学歴層が独占する形になりがちです。

一方で、急成長中のベンチャー企業や中小企業では、学歴よりも「カルチャーフィット」や「マルチタスク能力」が最優先されます。

採用業務だけでなく、総務や労務を兼務することも多いため、フットワークの軽さやコミュニケーション能力が高ければ、学歴に関係なく採用されるチャンスは十分にあります

つまり、人事職を目指すのであれば、企業の規模やフェーズによって求められるスペックが全く異なるという現実を理解し、戦う場所を正しく選ぶことが重要です。

【人事 学歴】出身大学の傾向と特徴

人事職に配属される新卒社員の出身大学には、ある程度明確な傾向が見られます。

大手企業や歴史ある企業の場合、東京大学、一橋大学、早稲田大学、慶應義塾大学といった最難関大学の、特に法学部や経済学部の出身者が多く選ばれます。

これは、労働法や社会保険などの法律知識を扱う業務が多く、論理的な思考力や法解釈の能力が求められるためです。

一方、IT系ベンチャーや人材系企業の人事職では、心理学部や社会学部、あるいは教育学部出身者など、出身大学や学部のバリエーションが非常に豊かになります。

ここでは偏差値よりも、人に対する興味関心の深さや、組織心理に対する洞察力を持つ学生が好まれる傾向にあります。

【人事 学歴】学歴が話題になる理由

なぜ人事職において、これほどまでに「学歴」が注目され、議論の的になるのでしょうか。

それは人事が単なる事務職ではなく、会社の「顔」として対外的に活動し、かつ社内の「規範」として振る舞うことが求められる特殊なポジションだからです。

企業側が人事担当者を選抜する際、学歴という指標を通して何を見極めようとしているのか、その意図を理解することは対策の第一歩です。

ここでは、人事職の採用で学歴が重視される背景にある具体的な理由を4つの観点から深掘りして解説します。

会社の「顔」としての対外的な信頼性

新卒採用担当者は、学生が最初に接触する「会社の代表」です。

特に上位大学の学生をターゲットにしたい企業の場合、対応する人事担当者が高学歴であることで、「この会社には優秀な人材がいる」というブランディング効果を狙うことがあります。

学生は自分と似たバックグラウンドを持つ社員に親近感や信頼感を抱きやすいため、リクルーターとしての役割を期待して、ターゲット校のOB・OGを人事部に配置する戦略が採られます。

また、人事担当者は大学のキャリアセンターや教授ともやり取りを行うため、対外的な折衝において信頼を得やすい学歴が、一種のパスポートとして機能する側面も無視できません。

労働法や規定を扱う高度な事務処理能力

人事の仕事は、採用のような華やかな業務ばかりではありません。

給与計算、社会保険の手続き、就業規則の改定、労使協定の締結など、法律に基づいた緻密でミスの許されない業務が山積しています。

労働基準法などの難解な条文を読み解き、正しく運用するためには、高い読解力と論理的思考力が不可欠です。

企業は、難関大学の入試や法学の勉強を通じて培われた「正確に文書を読み、論理的に処理する能力」を評価し、リスク管理の観点から高学歴者を配置しようとします。

特にコンプライアンスが厳格な大企業ほど、この「守りの人事」としての基礎能力を担保するために学歴を重視する傾向があります。

将来の経営幹部候補としての育成視点

「人事」は「経営」と表裏一体です。

組織戦略、人員配置、評価制度の設計などは、経営資源の最適化そのものであり、経営者視点がなければ務まりません。

そのため、多くの大企業では、将来的に経営の中枢を担う幹部候補生を、若いうちから人事部に配属し、会社全体の組織構造や人材の流れを学ばせるキャリアパスを用意しています。

この場合、採用基準は現場の即戦力スキルよりも、将来の伸びしろや地頭の良さ、俯瞰的な視座に置かれます。

結果として、ポテンシャルが高いと見なされる高学歴層が、エリートコースの第一歩として人事部に配属されるケースが多くなり、これが「人事は高学歴」というイメージを強化しています。

機密情報を扱う高い倫理観と自律性

人事部は、全社員の給与データ、評価内容、家庭の事情、あるいは極秘の組織変更情報など、社内で最もセンシティブな情報を扱います。

これらが漏洩すれば会社の信用は地に落ちるため、人事担当者には口が堅く、高い倫理観と自律心を持っていることが絶対条件となります。

もちろん学歴と倫理観は直結しませんが、企業側は「厳しい受験勉強を乗り越え、規律ある環境で学んできた学生」に対して、一定の真面目さや自律性を期待する傾向があります。

リスクを最小限に抑えたい企業心理として、社会的信用の高い大学出身者を選ぶという判断が、保守的な企業を中心に働いていることは事実です。

【人事 学歴】学歴より重要な評価ポイント

学歴フィルターの存在は否定できませんが、人事職の本質は「人を動かし、組織を良くすること」にあります。

どれだけ偏差値が高くても、人の痛みがわからなかったり、独善的であったりする人材は人事には不向きです。

実際の選考現場では、学歴以上に重視される「適性」や「人間力」があります。

ここでは、人事担当者が面接において厳しくチェックしている、人事のプロとして活躍するために不可欠な4つの資質について詳しく解説します。

相手の本音を引き出す「傾聴力」と対人感度

人事は、採用面接での候補者の見極めや、社員からの悩み相談、ハラスメント対応など、人の心の機微に触れる場面の連続です。

ここでは、単に話が上手いことよりも、相手の言葉の裏にある本音や感情を汲み取る「傾聴力」が何よりも重要になります。

面接官は、学生が自分の話ばかりしていないか、こちらの質問の意図を正確に捉えているか、そして相手に安心感を与える雰囲気を持っているかを見ています。

高圧的な態度は論外であり、相手の立場に立って物事を考えられる共感性と、状況に応じた柔軟なコミュニケーション能力こそが、学歴を超えて評価される最大のポイントです。

情報を漏らさない「口の堅さ」と信頼性

前述の通り、人事は「歩く機密情報」です。

どんなに能力が高くても、飲み会で会社の内部事情を話してしまったり、SNSでの発信が軽率だったりする学生は、その時点で採用対象から外れます。

面接では、質問に対する回答の端々から、情報の取り扱いに対する慎重さや誠実さがチェックされています。

例えば、アルバイト先の話をする際に、顧客情報や内部事情に触れないように配慮できているか、といった点が見られています。

「この人なら大事な情報を預けても大丈夫だ」と思わせる信頼感、落ち着き、そして誠実な人柄は、スキル以前の人事担当者としての絶対的な資質として評価されます。

私情を挟まず公平に判断できる「客観性」

人事評価や採用選考において、個人的な好き嫌いや偏見で判断を下すことは許されません。

人事担当者には、事実に基づいて冷静かつ公平に物事を判断する「客観性」が求められます。

面接では、トラブルに遭遇した際のエピソードなどを通じて、感情的にならずに原因を分析できたか、多角的な視点から解決策を導き出したかが問われます。

自分の意見を持ちつつも、反対意見にも耳を傾け、組織全体の利益を最優先に考えられるバランス感覚が必要です。

感情と論理を切り分けて思考できる冷静さは、組織の公平性を守る門番として不可欠な能力です。

変化に対応する「柔軟性」と「学習意欲」

働き方改革、リモートワークの普及、ダイバーシティ推進など、人事を取り巻く環境は激変しています。

過去の成功体験や古い慣習にとらわれず、新しい制度やツールを積極的に導入し、組織をアップデートしていく姿勢が求められます。

面接では、変化の激しい環境下でどのように適応したか、新しい知識をどのように習得したかという経験が評価されます。

特に労働法規やトレンドは常に変化するため、自ら情報をキャッチアップし続ける学習意欲があるかどうかが重要です。

「変化を楽しめるマインド」を持つ学生は、これからの時代の人事として高く評価されます。

【人事 学歴】学歴に不安がある人の対策

「人事は狭き門だから無理だ」と諦める前に、戦略的にアプローチする方法を考えましょう。

新卒で人事職に就くことは確かに難易度が高いですが、ルートやアピール方法を工夫することで、その可能性を飛躍的に高めることができます。

重要なのは、「人事になりたい」という憧れだけでなく、実務能力や適性を客観的な形で証明することです。

ここでは、学歴に不安を感じている学生が人事職を目指す上で有効な、具体的かつ実践的な4つの対策を紹介します。

社会保険労務士(社労士)や関連資格の勉強をする

人事職への本気度と実務能力を証明する最強の武器は、難関国家資格である「社会保険労務士」の勉強です。

学生のうちに合格することは非常に困難ですが、「勉強中であること」や「科目合格していること」を示すだけでも、他の学生と圧倒的な差別化になります。

また、衛生管理者やキャリアコンサルタント、簿記などの資格も、実務に直結するため評価されます。

学歴のハンデを埋めるには、誰の目にも明らかな「専門知識」を提示するのが一番です。

「入社後すぐに労務管理の戦力になれる」という期待感を持たせることができれば、採用担当者の評価は一変します。

ベンチャー企業の長期インターンで実務経験を積む

新卒採用において「経験者」は最強です。

多くの学生がイメージだけで人事を志望する中、実際にベンチャー企業などで人事アシスタントとして長期インターンを経験し、スカウトメールの配信や面接調整、内定者フォローなどの実務をこなした実績があれば、評価はうなぎ登りです。

「人事がどんな仕事か理解している」「地味な作業も厭わない」という証明になるため、即戦力として採用される確率が格段に上がります

Wantedlyなどの媒体を使えば、学生インターンを募集している人事部は見つかります。

まずは現場に飛び込み、実務経験という「武器」を手に入れることが近道です。

「総合職」として入社し、社内異動で人事を目指す

実は、多くの企業の人事担当者は、最初から人事だったわけではありません。

営業職や販売職で現場のビジネスを深く理解し、成果を出した社員が、その適性を見込まれて人事部に異動するケースが非常に多いのです。

特に学歴に不安がある場合は、まずは採用枠の大きい営業職などで入社し、現場で圧倒的な成果を出して「現場を知る人事」を目指すのが現実的かつ王道のキャリアパスです。

面接では「将来的には人事に挑戦したいが、まずは現場で顧客と向き合い、会社の利益に貢献したい」と伝えることで、キャリアビジョンを持った意欲的な学生として評価されます。

拡大中の成長企業(メガベンチャー)を狙う

組織が急拡大しているフェーズの企業では、採用人数が倍増し、制度設計が追いつかないため、人事部門の人手が常に不足しています。

こうした企業では、学歴や経験よりも、変化に強く、カオスな状況を楽しめるバイタリティのある人材を求めています。

大手企業にこだわらず、これから伸びるメガベンチャーやIPO準備中の企業にターゲットを絞ることで、新卒から人事職に就けるチャンスは広がります。

成長企業での人事経験は、会社作りそのものに関われるため非常に濃度が濃く、市場価値の高い人事パーソンへと成長できる最高の環境となります。

【人事 学歴】よくある質問

人事職を目指す就活生からは、職種特有の疑問や、ネット上の噂に関する不安の声が多く寄せられます。

「心理学の知識は必須?」「容姿が良くないと採用担当になれない?」といった質問は、その代表例です。

ここでは、多くの学生が気にしている人事職に関するよくある質問に対して、業界のリアルな実情に基づいた回答を用意しました。

これらの疑問を解消し、誤った思い込みを捨てて、正しい方向で就活を進められるようにしましょう。

心理学部出身でないと人事になれませんか?

全くそのようなことはありません。

確かに心理学の知識は、面接や社員のメンタルヘルスケアにおいて役立ちますが、必須条件としている企業はほとんどありません。

実際の人事担当者は、法学部、経済学部、文学部、理系学部など、多種多様なバックグラウンドを持っています。

実務においては、心理学的な知識よりも、労働法などの法律知識や、数値を扱う統計的なスキルの方が頻繁に使用されます。

学部にとらわれず、「なぜ人事なのか」という志望動機と適性をアピールすることの方が重要です。

「顔採用」があるって本当ですか?

「美男美女しか採用されない」という意味での顔採用はありませんが、「清潔感」や「好印象」という意味での外見への配慮は、他の職種以上に厳しく見られます。

採用担当者は会社の顔として多くの学生と接するため、第一印象が悪かったり、だらしない格好をしていたりすると、会社のブランドイメージを損なってしまうからです。

容姿の造作そのものではなく、スーツの着こなし、髪型、姿勢、表情の明るさなど、相手に不快感を与えない身だしなみと雰囲気作りができているかが重要です。

これは努力次第で誰でもクリアできる基準です。

新卒で人事になるのは難しいですか?

正直に申し上げると、新卒で人事職確約の求人は少なく、倍率は非常に高い「狭き門」です。

多くの企業では総合職として一括採用し、適性を見て配属を決めるため、希望通りに人事部に行けるとは限りません。

しかし、人材業界(人材紹介、派遣、コンサルティング)や、人事系アウトソーシング会社(RPO)であれば、新卒からプロの人事・採用コンサルタントとして働くことができます。

どうしても新卒から人事に関わる仕事がしたい場合は、事業会社の人事部だけでなく、人材業界も視野に入れて就活を進めることを強くおすすめします。

人事のキャリアパスにはどんなものがありますか?

人事のキャリアは専門性が高く、多岐にわたります。

まずは採用や労務などの担当業務からスタートし、徐々に教育研修、制度設計、組織開発へと守備範囲を広げていきます。

将来的には人事マネージャー(CHRO)として経営に関わる道や、特定の分野(例:給与計算のスペシャリスト、採用のプロ)を極める道があります。

また、人事のスキルはどの業界でも通用するポータブルスキルであるため、より好条件の企業へ転職したり、人事コンサルタントとして独立したりと、キャリアの選択肢は非常に豊富です。

長く安定して働ける専門職であると言えます。

まとめ

本記事では、人事職における学歴フィルターの現状と、学歴に不安がある学生のための対策について解説してきました。

大手企業の新卒人事枠は確かに高学歴層が有利な「狭き門」ですが、それは人事という仕事のごく一部の世界に過ぎません。

成長企業へのアプローチや、現場を経てからのキャリアチェンジ、資格取得による差別化など、熱意と戦略次第で人事への道は確実に開けます

人事は、人の人生の節目に関わり、組織の成長を支えるやりがいのある仕事です。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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