【業界研究】医療機器メーカーとは?向いてる人・向いてない人、仕事内容や魅力まで徹底解説!

【業界研究】医療機器メーカーとは?向いてる人・向いてない人、仕事内容や魅力まで徹底解説!

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はじめに

就職活動中の皆さん、こんにちは。

「人の命や健康に貢献したい」という思いから、医療機器メーカーへの就職を考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、医療機器メーカーの仕事と一口に言っても、その種類や求められる適性は多岐にわたります。

この記事では、医療機器メーカーの具体的な仕事内容から、どんな人がこの業界に向いているのか、そして就職を成功させるための具体的なポイントまでを、就活アドバイザーの視点から徹底的に解説します。

この記事を読めば、あなたが本当に医療機器メーカーで活躍できる人材なのかがわかり、選考対策に活かせるはずです。

【医療機器メーカーに向いてる人】医療機器メーカーの仕事内容

医療機器メーカーの仕事は、人々の生命に関わる製品を扱うという性質上、高い専門性と倫理観が求められます。

しかし、その分、社会貢献度の高い、大きなやりがいを感じられる仕事でもあります。

医療機器の開発・製造・販売は、非常に多くの工程と専門家が関わるチームワークであり、その各段階で様々な職種が活躍しています。

たとえば、新製品のアイデア出しから始まり、実際に製品を形にする研究開発、品質を保証するための製造・品質管理、そして医療現場に製品を届けるための営業活動など、医療機器メーカーのビジネスモデル全体を理解することが、自分に合った職種を見つける第一歩になります。

ここでは、具体的にどのような仕事があるのかを解説し、皆さんの業界理解を深めていきます。

医療機器の開発・設計を担う「研究開発」

医療機器の研究開発は、医師や医療従事者のニーズをヒアリングし、まだ世にない新しい医療機器を創り出す仕事です。

人々の命に関わるため、高度な工学知識、医学的な知見、そして何よりも安全性を最優先する姿勢が求められます。

単に技術的に優れたものを作るだけでなく、実際に医療現場で「使いやすいか」「患者さんの負担を減らせるか」といった視点も重要になります。

例えば、より正確な診断を可能にする画像診断装置の開発や、手術の侵襲性を低くする手術支援ロボットの研究など、未来の医療を形作る最前線で働くことになります。

研究開発職は、技術への飽くなき探求心と、それを社会の役に立てたいという強い使命感を持つ人に向いているでしょう。

製品を実際に生産する「製造・生産技術」

研究開発部門が設計した図面に基づき、実際に医療機器を製造し、安定供給を可能にするのが製造・生産技術の仕事です。

医療機器は、ほんのわずかなミスも許されないため、高い品質管理体制のもとで製造されます。

この職種では、効率的かつ高品質な生産ラインを構築・維持するための専門知識が求められます。

具体的には、製造プロセスの改善、生産設備の導入・メンテナンス、そして製造過程での品質チェックなどが主な業務です。

細部へのこだわりと、プロセスを改善し続ける粘り強さが重要になります。

製品の品質が患者さんの命に直結するという責任感とプロ意識を持って仕事に取り組むことが求められるでしょう。

医療現場と製品をつなぐ「営業(MR・MS)」

医療機器メーカーにおける営業職は、主にMR(Medical Representative:医薬情報担当者)とMS(Marketing Specialist:マーケティングスペシャリスト)に分けられます。

MRは、主に医薬品の情報を医療関係者に提供し、適切な使用を促進する役割を担いますが、医療機器メーカーでは臨床現場への導入支援や、製品のトレーニングまで幅広く行うことが多いです。

一方、MSは、病院やクリニックに対して自社の医療機器を販売する役割が中心です。

単に製品を売るだけでなく、医療現場が抱える課題を聞き出し、自社製品を通じてその解決策を提案するコンサルティング的な要素が非常に強いのが特徴です。

医療従事者との信頼関係を築くための高いコミュニケーション能力と、専門知識を分かりやすく伝える力が不可欠です。

製品の安全性を保証する「品質管理・品質保証」

医療機器が市場に出た後も、その安全性を継続的に監視し、保証するのが品質管理・品質保証の重要な役割です。

品質管理は、製造プロセスにおいて製品が定められた基準を満たしているかを確認するのに対し、品質保証は、製品の企画・開発から販売、そして使用後のサポートに至るまでの全工程で、法令や規制、自社の品質基準が守られているかをチェックします。

万が一、製品に問題が発生した際には、その原因を究明し、再発防止策を講じる責任があります。

冷静かつ客観的な判断力、そして、患者さんの安全を最優先するという強い使命感が求められる、非常に重要なポジションです。

【医療機器メーカーに向いてる人】医療機器メーカーの職種

医療機器メーカーの職種は、製造業としての基本的な部門に加え、医療という特殊な領域を扱うための専門職種が存在します。

それぞれの職種が、人々の命を救い、健康を支えるという共通の目標に向かって協力し合っています。

学生の皆さんがこの業界を目指す際には、自分の専門性や興味が、どの職種で最も活かせるのかを深く考えることが大切です。

特に、理工系出身者だけでなく、文系出身者でも活躍できるフィールドが豊富にあるのがこの業界の特徴です。

自分のスキルや適性が、企業のどの部分に貢献できるのかを見極めることが、内定獲得への鍵となります。

新しい技術とアイデアを形にする「研究職・開発職」

研究職は、医療分野の新しいニーズや未来の技術の可能性を探求し、製品の種となる基礎研究を行います。

一方、開発職は、研究で得られた知見や、すでに存在する技術を組み合わせて、実際に市場に出せる製品へと具体化していく役割を担います。

例えば、生体センサーの精度を向上させるための研究や、新しい素材の応用開発などがこれにあたります。

理系大学院出身者や、特定の工学分野に深い専門知識を持つ人が多く活躍します。

知的好奇心旺盛で、粘り強く課題解決に取り組める人材が求められる職種です。

医療現場で製品をサポートする「クリニカルスペシャリスト(CS)」

クリニカルスペシャリスト(CS)は、主に高度な医療機器を扱う企業に存在する専門職です。

営業担当者と一緒に医療機関を訪問し、医師や看護師に対して製品の専門的な説明や、実際の操作トレーニングを行います。

手術中や検査中に立ち会い、製品が正しく、かつ最も効果的に使用されるようサポートすることもあります。

医療現場のプロフェッショナルとして信頼されるため、製品に関する深い知識だけでなく、臨床的な知識も必要とされます。

製品を通じて、医療の質を高めることに直接貢献できる、非常にやりがいのあるポジションです。

企業の戦略と製品を動かす「マーケティング職」

マーケティング職は、市場の動向、競合他社の状況、そして何よりも医療現場のリアルなニーズを徹底的に分析し、どのような製品を、いつ、どのように市場に投入するかという事業戦略を立案・実行します。

製品の魅力を最大限に引き出し、効果的なプロモーション戦略を練ることも重要な仕事です。

新製品のコンセプト作りから、価格設定、プロモーションツールの制作まで、幅広い業務に関わります。

論理的な思考力と、市場を動かす戦略的な視点を持つ人、そして様々な部門を巻き込みながら仕事を進められるリーダーシップが求められます。

製品を世界へ送り出す「薬事申請・法務職」

医療機器は、国ごとに定められた厳しい薬事法や規制をクリアしなければ、製造・販売ができません。

薬事申請職は、製品がこれらの規制基準を満たしていることを証明するための申請書類の作成と、当局との折衝を専門に行います。

また、法務職は、契約書の作成・管理や、コンプライアンス遵守のための体制構築など、企業の法的リスクを管理・回避する役割を担います。

どちらの職種も、高い正確性と、緻密な文書作成能力が必要です。

製品を世に送り出すための「最後の砦」として、法規制に関する深い知識強い責任感を持って取り組むことが求められます。

【医療機器メーカーに向いてる人】医療機器メーカーの向いてる人の特徴

医療機器メーカーで活躍できる人材には、いくつかの共通する特徴があります。

単に「理系だから」「医療に興味があるから」というだけでなく、この業界特有の高い倫理観や粘り強さが求められます。

自分の適性がこの業界の求める人物像と合致しているかを見極めることは、入社後のミスマッチを防ぐ上で非常に重要です。

特に、人々の健康や命に関わるという意識を常に持ち続けることができるかどうかが、長期的に活躍するためのカギとなります。

ここでは、医療機器メーカーで成功を収めるために特に重要となる特徴を具体的に掘り下げていきます。

強い倫理観と責任感を持っている人

医療機器は、患者さんの治療や診断に直結するため、何よりも安全性が重視されます

そのため、医療機器メーカーで働く人には、自己の利益よりも患者さんの命と安全を最優先するという強い倫理観と責任感が不可欠です。

例えば、開発職であれば、多少の工期延長になっても安全性を妥協しない、営業職であれば、製品のメリットだけでなくリスクも正確に伝える、といった姿勢が求められます。

目の前の業務が、誰かの命に繋がっているという意識を常に持ち続けられる人が、この業界で最も信頼され、成長していけるでしょう。

失敗を恐れず粘り強く挑戦できる人

新しい医療機器の開発には、多くの時間とコストがかかり、失敗や試行錯誤の連続がつきものです。

また、製品が完成した後も、規制当局の承認を得るために、何度もデータの提出や改善を求められることがあります。

そのため、医療機器メーカーで働く人には、多少の困難では諦めない粘り強さと、失敗を恐れずに新しいアプローチを試みる挑戦心が求められます。

特に研究開発においては、一つの成果が出るまでに数年かかることも珍しくありません。

壁にぶつかったときに、「どうすれば解決できるか」を建設的に考え続けられる姿勢が、大きな成果を生み出す原動力となります。

論理的思考力と問題解決能力がある人

医療機器メーカーの仕事は、複雑な技術や規制、そして医療現場の専門的な課題を扱う必要があります。

営業職であっても、医師のニーズを論理的に分析し、製品を導入することで得られるメリットを具体的なデータに基づいて提案する必要があります。

また、品質管理の現場では、不具合の原因を論理的に追究し、根本的な解決策を見つけ出す能力が求められます。

感情論ではなく、データや事実に基づいた判断を下し、効率的かつ正確に問題を解決できる高い論理的思考力を持つ人が、どの職種においても重宝されます。

チームで協力し協調性を持って働ける人

医療機器の製造・販売は、研究開発、製造、品質保証、営業、薬事など、多様な専門性を持つ部門が連携して初めて成り立ちます。

特に、一つの製品を市場に送り出すまでには、部門間の調整や情報共有が欠かせません。

そのため、自分の専門分野だけでなく、他部門の役割を理解し、尊重できる協調性が求められます。

また、医療現場の課題解決のためには、社内だけでなく、医師や看護師といった社外のプロフェッショナルとも円滑にコミュニケーションを図り、チームとして動ける能力が不可欠です。

【医療機器メーカーに向いてる人】医療機器メーカーの向いてない人の特徴

医療機器メーカーでの仕事は、社会貢献性が高い一方で、その特殊性から、向き・不向きがはっきり分かれる側面もあります。

もし、以下のような特徴に心当たりがある場合は、入社後のミスマッチや、仕事で壁にぶつかりやすくなる可能性があります。

自分の弱点を把握し、それでもこの業界を目指すなら、意識的に改善に取り組む必要があるでしょう。

単に仕事が大変だから向いていないというわけではなく、この業界特有の厳格なルールや倫理観についていけない人が、特に苦労する傾向があります。

ルールや規制を軽視しがちな人

医療機器メーカーは、人命に関わる製品を扱うため、薬事法をはじめとする厳しい国の規制と、企業独自の厳格な品質管理ルールに縛られます。

これらのルールを軽視したり、「これくらい大丈夫だろう」と安易に自己判断したりする行為は、会社の信用を失墜させ、患者さんの安全を脅かす重大なリスクにつながります。

「正確性」と「コンプライアンス遵守」を何よりも重視できない人は、この業界では長く活躍することは難しいでしょう。

常に決められたプロセスを忠実に守れる几帳面さが求められます。

短期間での成果や派手な実績を求める人

医療機器の開発は、基礎研究から臨床試験、薬事申請を経て市場に出るまで、非常に長い年月がかかるのが一般的です。

また、営業職であっても、医療機関との信頼関係構築には時間がかかります。

そのため、すぐに目に見える成果や、派手な実績を短期間で得たいと考える人には、地道な努力が続くこの業界の仕事は物足りなく感じられるかもしれません。

むしろ、長期的な視点を持ち、コツコツと積み重ねることに価値を見出せる人が向いています。

専門知識の習得に意欲がない人

医療機器は、日々進化するテクノロジーと医療技術の最先端にあります。

そのため、メーカーで働く人は、自分の担当する製品や関連する医学・工学の知識を常にアップデートし続ける必要があります。

特に営業やCS職は、医師や専門家と対等に話せるだけの専門性が求められます。

新しい知識を学ぶことへの意欲が低い人や、勉強することを苦に感じる人は、常に変化する医療現場のニーズに対応できなくなり、活躍の場が狭まってしまうでしょう。

人とのコミュニケーションを避ける傾向がある人

先述の通り、医療機器メーカーの仕事は、社内の多部門連携はもちろん、社外の医療従事者や規制当局との綿密なコミュニケーションが不可欠です。

特に、製品が故障した際や緊急時には、迅速かつ正確な情報伝達が求められます。

人と関わることを苦手とし、情報共有を怠りがちな人は、チームワークを乱し、重大なトラブルを引き起こす原因になりかねません。

積極的なコミュニケーションを通じて信頼関係を構築し、円滑に仕事を進められるスキルが重要です。

【医療機器メーカーに向いてる人】医療機器メーカーのやりがいや魅力

医療機器メーカーの仕事は、時に厳しい規制や長い開発期間といった困難を伴いますが、それを上回る大きなやりがいと魅力があります。

人の命に関わるという点で、他の産業にはない社会貢献性の高さがこの業界の最大の魅力と言えるでしょう。

就職活動で志望動機を考える際には、これらの魅力を自分の言葉で語れるようにしておくことが大切です。

ここでは、医療機器メーカーで働くことで得られる具体的なやりがいと魅力を解説します。

自身の仕事が人々の命や健康に直結すること

医療機器メーカーで働く最大のやりがいは、自分が開発したり、販売をサポートしたりした製品が、実際に患者さんの命を救い、生活の質(QOL)向上に貢献していると実感できることです。

例えば、新しい診断機器によって病気が早期発見されたり、手術支援ロボットによって患者さんの負担が大幅に軽減されたりする場面を想像してみてください。

自分の仕事が、医療の進歩という形で社会に還元されているという事実は、何物にも代えがたい強いモチベーションとなります。

最先端の技術と知見に常に触れられること

医療機器業界は、工学、情報科学、医学、生物学といった様々な分野の最先端技術が集約されています。

新しい医療機器の開発は、まさに技術革新の連続であり、この業界で働くことは、常に最先端の知識や技術に触れる機会を得ることを意味します。

知的好奇心を満たしながら、自身の専門性を高め続けることができる環境は、自己成長を重視する人にとって大きな魅力となるでしょう。

グローバルな舞台で活躍できるチャンスが多いこと

医療機器は、世界中で共通して必要とされる製品であり、多くの日本の医療機器メーカーはグローバルに事業を展開しています。

特に、日本の高い技術力と品質は世界的に評価されており、海外市場での成長の機会も豊富です。

そのため、入社後、海外の支社で働く機会や、海外市場への製品展開を担うポジションに就くチャンスも多くあります。

グローバルな視野を持ち、世界を舞台に活躍したいと考える人にとって、医療機器メーカーは非常に魅力的なフィールドです。

専門職としてキャリアを構築できること

医療機器メーカーには、研究開発、薬事申請、クリニカルスペシャリストなど、高度な専門性が求められる職種が数多く存在します。

一度身につけた専門知識やスキルは、市場価値が高く、専門職としてキャリアを長く構築していくことが可能です。

特定の分野で深い知識を追求し、その道のプロフェッショナルとして医療の未来を牽引していきたいと考える人にとって、非常に適した環境であると言えるでしょう。

【医療機器メーカーに向いてる人】医療機器メーカーの代表企業

医療機器メーカーと一口に言っても、その事業領域や得意とする製品群は企業によって大きく異なります。

企業研究を進める際には、それぞれの会社がどのような製品で医療現場に貢献しているのか、どのような技術に強みを持っているのかを理解することが重要です。

ここでは、国内の代表的な医療機器メーカーをいくつか紹介します。

これらの企業を参考に、さらに深く企業研究を進めてみてください。

画像診断機器のリーディングカンパニー「富士フイルムヘルスケア」

富士フイルムヘルスケアは、X線撮影装置、CT、MRI、超音波診断装置といった高度な画像診断システムの開発・提供に強みを持つ企業です。

もともと写真フィルムで培った画像処理技術を医療分野に応用し、高画質で正確な診断をサポートする製品を提供しています。

診断機器だけでなく、医療情報のIT化を推進するソリューションにも力を入れており、最先端のデジタル技術を活用した医療の効率化に貢献したい人にとって魅力的な企業です。

内視鏡分野で世界トップシェアを誇る「オリンパス」

オリンパスは、特に内視鏡分野で世界的なシェアを誇る企業です。

胃カメラや大腸カメラといった消化器系内視鏡のイメージが強いですが、外科手術用の内視鏡や、それを活用した処置具なども開発しています。

内視鏡技術は、患者さんの体への負担が少ない低侵襲治療の普及に不可欠であり、同社の技術は世界中の医療現場で活用されています。

精密な機械工学光学技術に興味がある人には特におすすめです。

治療機器や検査薬分野で高い技術を持つ「テルモ」

テルモは、カテーテルなどの心臓血管分野の製品や、輸血・輸液システム、血糖測定器などの幅広い医療機器を手掛ける大手メーカーです。

特に、カテーテル治療の領域では、高度な技術力と製品開発力で知られています。

医療機器だけでなく、医薬品や検査薬も提供しており、総合的なヘルスケアソリューションを提供できる点が強みです。

人々の生活に身近な医療を支える製品に関わりたい人に適しています。

体外診断用医薬品と分析機器で知られる「シスメックス」

シスメックスは、主に血液や尿などの検体を用いた検査に使われる体外診断用医薬品と分析機器の開発・製造・販売に特化した企業です。

病院の検査室などで使われる同社の製品は、病気の診断や治療方針の決定に欠かせない重要な役割を果たしています。

生命科学や化学の知識を活かしたい人、そして医療の土台を支えるという役割にやりがいを感じる人にとって、非常に魅力的な企業です。

【医療機器メーカーに向いてる人】医療機器メーカーに就職するときのポイント

医療機器メーカーへの就職を成功させるためには、業界の特性を理解した上で、戦略的に選考対策を進める必要があります。

特に、なぜ数あるメーカーの中でその企業を選んだのかという志望動機の具体性が非常に重要になってきます。

人命に関わる仕事であるため、あなたの仕事への姿勢や倫理観も厳しくチェックされるでしょう。

ここでは、医療機器メーカーの選考で特に重視されるポイントと、内定獲得のための具体的なアドバイスを解説します。

強い志望動機と企業研究の深さをアピールする

医療機器メーカーの採用担当者は、「なぜ医療機器なのか」「なぜ他社ではなく当社でなければならないのか」という点を最も重視します。

単に「社会貢献したい」という抽象的な理由ではなく、その企業が扱う特定の製品や技術に触れ、「この技術を通じて、具体的にどのような医療課題を解決したいのか」という明確なビジョンを示す必要があります。

例えば、企業のIR情報や事業報告書を読み込み、製品ごとの市場シェアや競合優位性を理解した上で、自分の強みがどう貢献できるのかを具体的に述べることが重要です。

倫理観と責任感を具体的なエピソードで示す

医療機器メーカーで働く上で不可欠な高い倫理観と責任感は、面接で必ずと言っていいほど問われます。

例えば、サークル活動やアルバイトなどで、ルールを徹底した経験や、困難な状況で最後まで責任を果たしたエピソードなどを準備しておきましょう。

単に「責任感があります」と述べるだけでなく、「ミスが許されない状況で、どのような手順で、どのような心構えで臨んだか」というプロセスを具体的に説明することで、あなたのプロ意識を効果的にアピールできます。

専門知識を活かす意欲と学習能力を強調する

特に研究開発やクリニカルスペシャリストといった専門職を志望する場合、これまでに培ってきた専門知識(理系分野の知識など)をどのように仕事に活かしたいのかを明確に伝えましょう。

また、文系職種であっても、医療機器に関する新しい知識を積極的に学ぶ意欲と、それを短期間で習得できる学習能力をアピールすることが大切です。

面接で「入社までに何を勉強しておきたいですか」といった質問をされた場合に備え、具体的な学習計画を準備しておくと良いでしょう。

自身の職種への適性を明確に語る

医療機器メーカーは職種が多岐にわたるため、自分が希望する職種(営業、開発、薬事など)の仕事内容を深く理解し、なぜその職種が自分に向いているのかを説得力を持って説明する必要があります。

例えば、営業職であれば「医療従事者の課題を傾聴し、解決策を提案するコミュニケーション能力」、開発職であれば「複雑な問題に対して論理的にアプローチする探求心」など、職種ごとの求められる能力と自分の経験を結びつけて話すことが重要です。

【医療機器メーカーに向いてる人】よくある質問

医療機器メーカーへの就職活動を進める中で、多くの就活生が抱く疑問や不安があります。

ここでは、特に頻繁に寄せられる質問を取り上げ、就活アドバイザーとしての立場から、具体的な回答とアドバイスを提供します。

これらの質問への回答を通じて、あなたの不安を解消し、自信を持って選考に臨めるようサポートします。

疑問点をクリアにして、万全の体制で就職活動を進めましょう。

文系でも医療機器メーカーに就職できますか?

はい、もちろん可能です。

医療機器メーカーというと、理系の専門職というイメージが強いかもしれませんが、営業職(MS)、マーケティング職、人事、経理、法務といった文系出身者が活躍できる職種は非常に多く存在します。

特に、営業職は、製品の専門知識を学びながら、医療現場と信頼関係を築く高いコミュニケーション能力や戦略的な思考力が求められるため、文系学生も大いに活躍できます。

重要なのは、文系だからこそ持っている強み(例:交渉力、市場分析力、多角的な視点)を、どのように企業の課題解決に活かせるかを具体的に説明することです。

医療や工学の知識は入社前に必須ですか?

専門職でなければ、入社前に深い知識が必須というわけではありません。

多くの企業では、入社後に充実した研修プログラムを用意しており、製品知識や医療に関する基礎的な知識をOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を通じて習得することが前提となっています。

ただし、「入社後、貪欲に知識を習得していく意欲」は非常に重要です。

面接では、「入社までにどのような分野の勉強を自主的に進めておきたいか」など、自己学習への意欲を問われることがあるため、医療機器の基礎的な仕組みや、志望企業の主要製品について事前に調べておくことをおすすめします。

医療機器メーカーの働き方や残業は多いですか?

医療機器メーカーの働き方は、職種や企業、時期によって大きく異なります。

一般的に、研究開発職や薬事申請職は、締め切りや承認プロセスに応じて残業が多くなる傾向があります。

また、営業職は、医療機関の診療時間外に面会を設定することがあるため、勤務時間が不規則になることもあります。

しかし、近年では働き方改革の影響もあり、多くの企業でフレックスタイム制の導入やリモートワークの推進など、ワークライフバランスを重視する動きが広まっています。

企業の採用ページやOB・OG訪問を通じて、具体的な働き方や残業時間の実態を確認することが重要です。

医療機器メーカーの将来性はありますか?

はい、医療機器メーカーの将来性は非常に高いと言えます。

世界的に高齢化が進行していること、そして途上国の医療水準が向上していることから、医療機器のニーズは今後も増加していくことが確実視されています。

特に、AIやIoT、ロボティクスといった最先端技術を応用した新しい医療機器の開発競争は激化しており、技術革新によってさらなる成長が見込まれる分野です。

人々の健康を支えるという普遍的な価値を持つ産業であるため、景気の変動にも比較的強く、安定した成長が期待できる将来性の高い業界です。

おわりに

この記事では、医療機器メーカーで活躍できる人、向いていない人の特徴から、具体的な仕事内容、そして就職成功のためのポイントまでを詳しく解説しました。

医療機器メーカーの仕事は、人の命と健康を支えるという大きな責任と、それに匹敵する大きなやりがいがある素晴らしい分野です。

もし、あなたが強い倫理観と責任感を持ち、粘り強く専門知識を追求する意欲があるなら、この業界はあなたの情熱に応えてくれるはずです。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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