【企業研究】講談社はなんの会社?仕事内容や競合との違いと求める人物像まで徹底解説

【企業研究】講談社はなんの会社?仕事内容や競合との違いと求める人物像まで徹底解説

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【講談社はなんの会社】はじめに

出版業界、特に「講談社」と聞くと、多くの就活生が憧れを抱くのではないでしょうか。

『進撃の巨人』や『週刊少年マガジン』、あるいは『ViVi』や『現代新書』など、多彩なコンテンツを生み出し続ける講談社。

しかし、具体的に「なんの会社?」と聞かれると、イメージはあっても詳しくは知らない、という方も多いかもしれません。

この記事では、講談社がどのような会社で、どんな仕事をし、どのような人材を求めているのか、徹底的に解説していきます。

【講談社はなんの会社】講談社はどんな会社なのか

講談社は、1909年(明治42年)に創業された、日本を代表する総合出版社です。

その企業理念は「おもしろくて、ためになる」。

この言葉通り、コミック、雑誌、書籍(文芸、ノンフィクション、児童書など)、さらにはWebメディアや映像事業まで、非常に幅広いジャンルのコンテンツを世に送り出しています。

単に本を作って売るだけでなく、それらのコンテンツを元にしたアニメ化や映画化、商品化といったライツ事業、さらにはデジタル配信や海外展開にも力を入れています。

まさに「ものがたり」を軸に、多様なビジネスを展開するコンテンツ企業と言えるでしょう。

【講談社はなんの会社】講談社の仕事内容

講談社と聞くと、多くの人が「編集者」の仕事を思い浮かべるかもしれません。

確かに編集は花形の一つですが、総合出版社である講談社の仕事はそれだけにとどまりません。

生み出された「ものがたり」を、どうやって読者に届け、どうやってその価値を最大化するか。

そこには、編集部門だけでなく、営業部門、ライツ・海外部門、デジタル部門、そして会社全体を支える管理部門など、多岐にわたるプロフェッショナルたちが関わっています。

それぞれの部門が専門性を発揮しつつ、連携し合うことで、講談社の強力なコンテンツビジネスは成り立っています。

ここでは、就活生の皆さんが特にイメージしやすい主要な3つの仕事内容について、その具体的な役割とやりがいを深掘りしていきましょう。

自分のどの強みがどの職種で活かせるかを考えながら読み進めてみてください。

編集(コミック・文芸・雑誌)

編集者の仕事は、作家や漫画家といったクリエイターと二人三脚で「ものがたり」を生み出すことです。

コミック部門であれば、漫画家との打ち合わせを重ね、ネーム(絵コンテ)の段階から作品作りに関わります。

読者の反応を見ながら、どうすればもっと面白くなるかを一緒に考え抜きます。

文芸部門では、小説家から預かった原稿を読み込み、構成や表現について意見を交わします。

雑誌部門(ファッション誌、週刊誌など)では、特集の企画立案、カメラマンやライター、デザイナーへの発注、取材交渉、スケジュール管理まで、編集長のもとで雑誌一冊を丸ごと作り上げる役割を担います。

クリエイターの才能を最大限に引き出し、世の中にまだない「おもしろい」を形にするのが最大のミッションです。

非常にタフな仕事ですが、自分が関わった作品が世に出て、多くの人の心を動かす瞬間に立ち会えることは、何物にも代えがたいやりがいと言えるでしょう。

ライツ・海外事業

ライツ事業部門は、講談社が持つコンテンツ(出版物)の「権利(=ライツ)」を活用し、ビジネスを拡大する仕事です。

具体的には、漫画や小説のアニメ化、ドラマ化、映画化、ゲーム化、あるいはキャラクターグッズの商品化などを企画・推進します。

国内外のパートナー企業(テレビ局、映画会社、メーカーなど)と交渉し、契約をまとめ、プロジェクトを監修する役割を担います。

作品の魅力を深く理解し、「どうすれば作品の価値をさらに高められるか」を考え抜く力が求められます。

また、海外事業もこの部門の重要な役割です。

講談社の作品を海外の出版社にライセンス販売したり、現地の言語に翻訳・出版したり、海外のファンに向けたイベントを企画したりします。

日本の「ものがたり」を世界中に届け、グローバルなヒットを生み出すダイナミズムを味わえるのが、この仕事の大きな魅力です。

営業(販売・広告)

営業部門の仕事は、大きく「販売」と「広告」に分かれます。

販売担当の仕事は、講談社が発行する書籍や雑誌、コミックを、いかにして全国の読者に届けるかを戦略的に考えることです。

主な営業先は、取次会社(出版物を書店に卸す問屋)や全国の書店です。

「この作品は今、こういう層に売れているから、この書店ではこう展開してほしい」といった販売データに基づいた提案や、話題作りのためのイベント・フェアを企画します。

一方、広告担当の仕事は、雑誌やWebメディアの「広告枠」を、広告代理店や一般企業(クライアント)に販売することです。

メディアのブランド力や読者層を深く理解し、「この雑誌になら、こんな広告企画が効果的です」と提案します。

編集者が作ったコンテンツを「売る」という最終的な出口を担う重要な役割であり、市場の動向を肌で感じながら、自ら仕掛けてヒットを生み出す手応えを感じられる仕事です。

【講談社はなんの会社】講談社が選ばれる理由と競合比較

出版業界には、講談社のほかにも集英社、小学館、KADOKAWAなど、有力な企業が多数存在します。

その中で、なぜ講談社は多くの就活生から選ばれ、業界内で確固たる地位を築いているのでしょうか。

それは、講談社が持つ独自の強みと、長い歴史の中で培われてきた企業文化に理由があります。

単に「漫画が好きだから」「本が好きだから」という理由だけでなく、他社と比較した上で「なぜ講談社なのか」を明確にすることは、選考を突破する上で非常に重要です。

ここでは、講談社が持つ「総合力」や「競合他社との違い」、そして「将来性」という3つの観点から、その魅力を分析していきます。

自分が講談社のどの点に最も惹かれるのかを、ぜひ見つけてください。

多彩なジャンルを網羅する総合力

講談社の最大の強みは、その「総合力」にあります。

例えば、『週刊少年マガジン』『モーニング』などのコミック誌、『ViVi』『with』などの女性ファッション誌、『FRIDAY』などの写真週刊誌、『現代新書』『ブルーバックス』といった教養新書、さらには文芸書や児童書、絵本に至るまで、あらゆるジャンルの出版物を高いレベルで手がけています

特定のジャンルに偏らず、社会のあらゆるニーズに応えるコンテンツを持っていることが、講談社の経営基盤を安定させ、同時に新しい挑戦を可能にしています。

この「総合力」があるからこそ、例えばコミックで生まれたIP(知的財産)を、文芸や実写映画、さらにはWebメディアで多角的に展開するといったダイナミックな戦略が可能です。

幅広い分野の「おもしろい」に関わりたいと考える人にとって、講談社は非常に魅力的なフィールドと言えるでしょう。

競合他社との違い:集英社・小学館との比較

講談社を理解する上で、最大のライバルである集英社、そして同じく大手総合出版社の小学館との比較は欠かせません。

集英社は、『週刊少年ジャンプ』という圧倒的なブランドを軸に、漫画、ファッション誌(『non-no』『MORE』など)、エンターテインメント分野に非常に強いのが特徴です。

小学館は、『ドラえもん』や『名探偵コナン』といった国民的キャラクターを擁し、児童書や学習雑誌、教育分野で盤石の地位を築いています。

これに対し講談社は、集英社的なエンタメ性と小学館的な教育・教養性をバランス良く併せ持つのが特徴です。

『少年マガジン』という強力なコミックブランドを持ちながら、『現代新書』のような硬派な教養路線や、『群像』といった純文学雑誌、さらにはジャーナリズム分野でも強い存在感を示しています。

「エンタメも好きだが、社会的な課題解決や知の探求にも興味がある」という人にとって、講談社のバランス感覚は魅力的に映るはずです。

積極的なデジタルと海外展開

伝統ある出版社でありながら、講談社はデジタル化とグローバル化への対応にも非常に積極的です。

早くからデジタル部門に力を入れ、Webメディア『現代ビジネス』や『クーリエ・ジャポン』などを成功させてきました。

また、『マガポケ』をはじめとするマンガアプリ事業も好調で、紙とデジタルの両輪で収益を上げています。

さらに、海外展開にも注力しており、特に北米やアジア市場でのコミック人気を背景に、現地法人を通じた直接出版やライセンスビジネスを加速させています。

出版不況と言われる中でも、講談社が安定した成長を続けているのは、こうした新しい収益源を積極的に開拓しているからです。

既存の出版ビジネスの枠にとらわれず、新しいプラットフォームや市場で「ものがたり」を届けたいという意欲を持つ人にとって、講談社は挑戦しがいのある環境ですf.

【講談社はなんの会社】講談社の求める人物像

多くの学生が憧れる講談社ですが、一体どのような人材が求められているのでしょうか。

採用ホームページやこれまでの採用実績を見ると、単に「本が好き」「漫画が好き」というだけでは不十分であることがわかります。

講談社が掲げる理念「おもしろくて、ためになる」を、自らの手で生み出し、世の中に広めていく。

そのためには、受け手としてコンテンツを消費するだけでなく、「作り手」としての視点や覚悟が不可欠です。

変化の激しいエンターテインメント業界の最前線で活躍し続けるためには、生半可な熱意では務まりません。

ここでは、講談社が特に重視していると思われる3つの人物像について解説します。

自分自身がこれらの要素を持っているか、過去の経験を振り返りながら確認してみてください。

「おもしろくて、ためになる」への共感と体現

講談社が最も大切にしている理念、それが「おもしろくて、ためになる」です。

これは、単なる娯楽(おもしろい)だけでなく、読者の人生や社会に何かしらの良い影響(ためになる)を与えるコンテンツを届けたいという強い意志の表れです。

したがって、この理念に深く共感していることが大前提となります。

その上で、自分自身が「おもしろい」と「ためになる」を両立するような新しい企画やアイデアを考え、それを実現したいという情熱を持っているかが問われます。

面接では、「あなたが考える『おもしろくて、ためになる』とは何か」「それを講談社でどう実現したいか」といった問いを通じて、あなたの価値観と会社の理念がマッチしているかを見られます。

日頃から「これはなぜおもしろいのか」「これはどう社会の役に立つのか」を考える癖をつけておくと良いでしょう。

好奇心旺盛で、新しいことに挑戦できる人

出版業界は今、デジタル化やライフスタイルの変化という大きな変革期を迎えています。

かつてのように、紙の雑誌や書籍を作っていれば安泰という時代は終わりました。

Webメディア、SNS、動画、メタバースなど、新しいプラットフォームが次々と登場する中で、講談社も常に新しいビジネスモデルを模索しています。

このような環境で求められるのは、既存の常識や成功体験にとらわれず、旺盛な好奇心を持って新しい分野に飛び込んでいける人材です。

「これは前例がないから無理だ」と考えるのではなく、「どうすれば実現できるか」を考え、失敗を恐れずに挑戦できる推進力が不可欠です。

学生時代に、周りがやらなかったような新しい取り組みにチャレンジした経験などがあれば、それは大きなアピールポイントになるでしょう。

タフさとコミュニケーション能力

編集者であれ営業であれ、出版社の仕事は多くの人を巻き込みながら進めていくプロジェクトの連続です。

例えば編集者は、作家やデザイナー、印刷所など、多くの関係者との間に立ち、時には厳しい意見を交わしながらスケジュール通りに作品を完成させなければなりません。

そこには、自分の意見を論理的に伝え、相手の意見を尊重しつつ、プロジェクトを前に進める高度なコミュニケーション能力が求められます。

また、ヒット作はそう簡単には生まれません。

何度も企画が通らなかったり、読者の反応が芳しくなかったりすることもあります。

そうしたプレッシャーや困難に直面しても、粘り強く、ポジティブに乗り越えていける精神的なタフさも、この仕事で長く活躍するためには欠かせない資質です。

【講談社はなんの会社】講談社に向いてる・向いていない人

ここまで講談社の仕事内容や求める人物像について解説してきましたが、それを踏まえて、どのような人が講談社に向いていて、逆に向いていない可能性があるのでしょうか。

これはあくまで一般的な傾向であり、最終的には個人の適性や価値観によりますが、ミスマッチを防ぐためにも一度立ち止まって考えてみることは重要です。

講談社は、非常にやりがいが大きい反面、求められる熱量や能力も高い企業です。

「なんとなく面白そう」というイメージだけで入社してしまうと、現実とのギャップに苦しむことになるかもしれません。

自分が本当にこの環境で輝けるのか、自己分析と照らし合わせながら、客観的に見つめ直してみましょう。

向いている人:エンタメへの尽きない情熱を持つ人

講談社に向いているのは、何よりもまず「ものがたり」や「エンターテインメント」に対して、尽きない情熱と好奇心を持っている人です。

それは、特定のジャンルだけを愛好する「オタク」である必要はありません。

むしろ、コミックも、小説も、ファッションも、ニュースも、あらゆるジャンルに対して「なぜ今これが流行っているのか?」「次は何が来るのか?」と常にアンテナを張り巡らせている人が求められます。

そして、そのインプットを「自分ならこう仕掛ける」というアウトプット(企画)に転換できる人です。

「自分が面白いと思うものを世に問い、多くの人を熱狂させたい」という強いドライブを持っている人にとって、講談社は最高の舞台となるでしょう。

仕事はハードですが、その分、社会に与えるインパクトの大きさを日々実感できるはずです。

向いていない人:安定志向でルーティンワークを望む人

逆説的ですが、講談社に向いていない可能性があるのは、安定志向が強すぎる人や、決まった業務(ルーティンワーク)を淡々とこなしたい人です。

講談社は歴史ある大手企業ですが、その内実は「常に新しいヒットを生み出さなければならない」というプレッシャーに満ちた、変化の激しいベンチャー企業に近い側面も持っています。

「昨日と同じ仕事」はほとんどなく、常に新しい企画を考え、新しい関係者と調整し、新しい課題を解決していくことが求められます。

また、編集部門などは裁量労働制が導入されていることも多く、仕事とプライベートの境界線が曖昧になりがちなほど、仕事に没頭してしまう側面もあります。

「定時で帰ってプライベートをきっちり分けたい」「マニュアル通りの仕事を正確にこなしたい」という価値観を最優先する人には、講談社の働き方はフィットしにくいかもしれません。

【講談社はなんの会社】講談社に受かるために必要な準備

講談社は、就活生から圧倒的な人気を誇る、最難関企業の一つです。

生半可な準備では、膨大な数のライバルに埋もれてしまいます。

内定を勝ち取るためには、他の就活生とは一線を画す、徹底的かつ戦略的な準備が不可欠です。

「講談社で働きたい」という強い熱意を、具体的な行動に移し、選考官に「この学生と一緒に働きたい」と思わせる必要があります。

単なる「ファン」目線から脱却し、「作り手(ビジネスパーソン)」としての視点を持つことが、準備の第一歩です。

ここでは、講談社の選考を突破するために最低限必要な、3つの準備について解説します。

これらをどれだけ深く実行できるかが、合否を分けるカギとなります。

徹底的な企業研究とOB・OG訪問

「なぜ他の出版社ではなく、講談社なのですか?」という問いは、面接で必ず聞かれる核心的な質問です。

これに答えるためには、講談社の理念、歴史、強み、弱み、そして競合他社(集英社、小学館、KADOKAWAなど)との明確な違いを、自分の言葉で説明できなければなりません。

コーポレートサイトや採用サイト、IR情報(業績)を読み込むのはもちろんですが、それだけでは不十分です。

最も有効なのは、OB・OG訪問です。

講談社は採用サイトからOB・OG訪問を申し込める体制を整えている場合があります。

現場で働く社員の生の声を聞き、「理念が現場でどう息づいているのか」「今、会社が直面している課題は何か」を肌で感じることが重要です。

複数の社員に会うことで、講談社の多面的な姿を理解し、志望動機に深みを持たせることができるでしょう。

「好きなコンテンツ」の徹底的な言語化

「あなたが好きなコンテンツ(本、漫画、映画など)は何ですか?」という質問も、講談社の選考では定番です。

ここで重要なのは、「何が好きか」ということ自体よりも、「なぜそれが好きなのか」「その魅力はどこにあるのか」を論理的に分析し、言語化できるかどうかです。

「なんとなく面白かったから」という感想レベルでは評価されません。

「この作品のヒット要因は、〇〇という社会背景と、△△という新しい表現手法が噛み合った点にある」というように、作り手やマーケターの視点で客観的に分析することが求められます。

講談社のコンテンツである必要はありません。

自分が心から「面白い」と思うものについて、なぜそれが人の心を動かすのかを、誰にでも伝わる言葉で説明できるまで徹底的に考え抜く訓練を積んでください。

「入社してやりたいこと」の具体化

講談社は、「入社後に何をしたいか」を非常に具体的に問う企業です。

「漫画編集者になりたい」といった漠然とした夢を語るだけでは不十分です。

「なぜなら、こういう読者層に、こういうテーマの、こういう新しい企画を届けたいからだ」というレベルまで具体化する必要があります。

可能であれば、「(架空の)企画書」を準備するくらいの熱意が欲しいところです。

「今、社会では〇〇というニーズが高まっている。

そこで、講談社の持つ△△という強みを活かし、□□という新しい雑誌(あるいはWebメディア、イベント)を立ち上げたい」といった、具体的な提案ができると、単なる志望者から「未来の同僚候補」として見てもらえる可能性が高まります。

自分の強みと、講談社のリソースを掛け合わせて何ができるかを、真剣に考えてみましょう。

【講談社はなんの会社】講談社の志望動機の書き方

選考の第一関門であるエントリーシート(ES)、そして面接。

その中心となるのが「志望動機」です。

講談社のような人気企業では、似通った志望動機が溢れかえります。

「本が好きだから」「御社の作品に感動したから」といった理由だけでは、採用担当者の心には響きません。

必要なのは、「あなたでなければならない理由」と「講談社でなければならない理由」が、説得力を持って結びついていることです。

数ある志望動機の中で埋もれない、あなただけのオリジナリティと熱意を込めたストーリーを構築する必要があります。

ここでは、講談社の採用担当者に「会ってみたい」と思わせる志望動機を作成するための、3つの重要なポイントを解説します。

なぜ出版業界か、なぜ講談社かを明確にする

志望動機は、まず「業界」→「企業」へと絞り込んでいく論理構成が基本です。

第一に、「エンタメ業界」「メーカー」「金融」など数ある業界の中で、なぜ「出版」というビジネスに携わりたいのか、その原体験や動機を明確にしましょう。

「人々に感動を届けたい」だけでは弱く、「『ものがたり』という形で、人の価値観や行動に深く、長く影響を与えたいから」など、出版ならではの特性に言及すべきです。

第二に、出版業界の中で、なぜ集英社や小学館ではなく「講談社」なのか。

ここで企業研究で得た知識が活きてきます

「『おもしろくて、ためになる』という理念に共感したから」「コミックから教養新書まで扱う総合力に惹かれたから」など、講談社独自の魅力と、自分がやりたいことを結びつけて説明しましょう。

講談社の理念と自身の価値観をリンクさせる

講談社の核となる理念は「おもしろくて、ためになる」です。

この理念を、自分自身の経験や価値観と結びつけて語ることが非常に重要です。

例えば、「学生時代に〇〇という活動で、ただ楽しいだけでなく、参加者の△△という課題解決にも繋がる企画を実現した経験がある。

この時、人が動くには『面白さ』と『意義(ためになる)』の両方が必要だと痛感した。

この価値観は、御社の理念と深く通じるものだと感じている」といった具合です。

単に理念に「共感しました」と言うだけでなく、自分がその理念を過去に実践した(あるいは深く考えた)経験を示すことで、言葉に説得力が生まれます。

あなたの人間性が垣間見えるエピソードを盛り込みましょう。

過去の経験から「創造性」や「推進力」をアピールする

講談社は「新しいおもしろい」を生み出す企業です。

したがって、志望動機の中にも、あなたが「何かを生み出した経験」や「困難を乗り越えて物事を推進した経験」を盛り込むべきです。

これは、学生時代のサークル活動、アルバイト、ゼミ、インターンなど、どんな経験でも構いません。

重要なのは、「言われたことをやった」のではなく、「自ら課題を発見し、新しいアイデアを出し、周りを巻き込んで実行した」というプロセスです。

例えば、「所属していたサークルで、従来のやり方では新入生が集まらないという課題に対し、SNSを使った新しい広報戦略を企画・実行し、過去最高の参加者を集めた」といった具体的なエピソードです。

その経験から何を学び、その力を講談社でどう活かせるかを明確に示すことで、あなたが単なるファンではなく、即戦力となり得る人材であることをアピールできます。

【講談社はなんの会社】講談社についてよくある質問

ここまで講談社について詳しく解説してきましたが、就活生の皆さんからは、まだまだ具体的な疑問が寄せられます。

特に、給与や福利厚生といった待遇面、リアルな選考プロセス、そして入社後のキャリアパスなどは、なかなか表に出てこない情報だけに、気になるポイントだと思います。

もちろん、詳細な情報は年度によって変わるため、最新の募集要項や説明会で確認するのが一番確実です。

しかし、ここでは就活アドバイザーとして、一般的に言われていることや、OB・OG訪問などでよく聞かれる質問について、可能な範囲でお答えしていきます。

これらの情報を参考に、企業研究の解像度をさらに高めていきましょう。

平均年収や福利厚生は?

出版業界、特に講談社のような大手企業は、全産業の中でもトップクラスの給与水準であると言われています。

平均年収は非常に高いレベルにありますが、これは残業代や各種手当を含んだ金額であることが多いです。

特に編集部門などは、仕事の特性上、労働時間が不規則になりがちな側面もあります。

ただし、その分、社員の創造性を支えるための福利厚生は充実している傾向にあります。

例えば、住宅手当、家族手当、保養所の利用、自己啓発支援など、手厚いサポートが用意されていることが多いです。

高い報酬は、それだけ高い成果とプロ意識が求められることの裏返しでもあります。

待遇面だけでなく、その背景にある「仕事の厳しさ」も理解しておくことが重要です。

選考フローと重視されるポイントは?

講談社の選考は、一般的に「エントリーシート(ES)」→「筆記試験(Webテストやテストセンターでの独自試験など)」→「複数回(4〜5回程度)の面接」という流れで進むことが多いです。

ESの設問は独特で、「あなたを最もよく表す写真とその説明」や「最近おもしろかったエンタメ」など、あなたの個性や感性を問うものが多いのが特徴です。

筆記試験も、一般的なSPIや玉手箱とは異なる、時事問題や一般教養、出版業界に関する知識を問う内容が含まれる可能性があり、対策が必要です。

面接は、回数を重ねるごとに、現場の編集長クラスや役員クラスが登場し、「なぜ講談社か」「入社して何をしたいか」が徹底的に深掘りされます。

小手先のテクニックではなく、あなた自身の言葉で、講談社への熱意と自分の可能性を語りきれるかが重視されます。

配属先は希望が通りますか?

講談社は総合職採用が基本であり、「編集職」「営業職」といった職種別採用ではありません(一部例外を除く)。

ESや面接の段階で希望の部署ややりたい仕事について伝える機会はありますが、最終的な配属先は、本人の希望、適性、そして全社の事業戦略や人員バランスを考慮して決定されます。

したがって、「絶対にコミック編集部に行きたい」という強い希望を持っていても、最初は営業部門やライツ部門、あるいは雑誌部門に配属される可能性は十分にあります。

しかし、講談社にはジョブローテーション制度もあり、入社後も様々な部署を経験しながらキャリアを積んでいくことが奨励されています。

どの部署に配属されても、そこで全力を尽くし、会社のビジネスを多角的に学ぶ姿勢が求められると言えるでしょう。

まとめ

今回は、日本を代表する総合出版社「講談社」について、その事業内容から求める人物像、選考対策まで詳しく解説してきました。

講談社は、「おもしろくて、ためになる」という理念のもと、コミック、雑誌、書籍、デジタル、ライツと、多岐にわたる「ものがたり」ビジネスを展開する企業です。

その仕事は非常にクリエイティブでやりがいが大きい反面、常に新しいヒットを生み出し続けるタフさが求められます。

講談社の内定を勝ち取るためには、単なる「コンテンツのファン」から脱却し、「自分がどう貢献できるか」という「作り手」の視点を持つことが不可欠です。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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