はじめに
数ある企業の中でも、特に「信託銀行」と聞くと、「銀行と何が違うの?」「具体的にどんな仕事?」と疑問に思う方も多いかもしれません。
特に三菱UFJ信託銀行は、日本を代表する金融グループの中核企業ですが、その実態は意外と知られていないもの。
この記事では、三菱UFJ信託銀行が「なんの会社」なのか、その仕事内容から選考対策まで、就活生の皆さんが知りたい情報を徹底的に解説していきます。
企業研究を深めて、自信を持って選考に臨みましょう。
【三菱UFJ信託銀行はなんの会社】三菱UFJ信託銀行はどんな会社なのか
三菱UFJ信託銀行は、「信託」を専門に扱う銀行です。
通常の銀行業務(預金や融資)に加えて、お客様から現金だけでなく、不動産、有価証券、さらには知的財産権といった「財産」を預かり、管理・運用する「信託業務」が最大の特徴です。
個人のお客様の資産承継や相続の相談から、法人の企業年金の運用、不動産の仲介・管理、株主名簿の管理(証券代行)まで、非常に幅広い分野で高い専門性を発揮しています。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の一員として、グループの広範なネットワークと連携し、国内外のお客様に多角的な金融ソリューションを提供している、日本最大手の信託銀行です。
【三菱UFJ信託銀行はなんの会社】三菱UFJ信託銀行の仕事内容
三菱UFJ信託銀行の仕事内容は、一般的な銀行のイメージをはるかに超える多様性を持っています。
「金融サービスの総合商社」とも呼ばれるほど、その業務領域は広く、それぞれが高い専門性を要求されます。
個人のお客様の生涯にわたる資産形成や相続の悩みにお応えするリテール業務から、企業の経営戦略に関わる不動産や証券代行、さらにはグローバルな資産運用まで、実にさまざまです。
「信託」という仕組みを使い、お客様のあらゆる「財産」に関する課題解決をサポートするのが、この会社のミッションと言えるでしょう。
ここでは、その多岐にわたる仕事内容の中から、代表的な業務をいくつかピックアップして、具体的にどのような仕事をしているのかを詳しく見ていきましょう。
皆さんがどの分野に興味を持てるか、自身の適性と照らし合わせながら読み進めてみてください。
個人・法人の資産を幅広く扱う「リテール・ホールセール業務」
リテール業務は、主に個人のお客様を対象に、資産運用や資産承継、相続に関するコンサルティングを行います。
単に金融商品を売るのではなく、お客様のライフプランや将来の夢、不安に寄り添い、遺言信託や教育資金贈与信託など、信託銀行ならではの専門的なソリューションを提供するのが特徴です。
一方、ホールセール業務は、法人のお客様(企業)が抱える経営課題に対して、総合的な金融サービスを提供します。
例えば、事業承継のサポート、M&Aのアドバイザリー、あるいは従業員の福利厚生としての企業年金制度の設計・運用などが挙げられます。
どちらの業務も、お客様との長期的な信頼関係を築くことが非常に重要であり、高いコミュニケーション能力と金融知識が求められます。
お客様の人生や企業の未来に深く関わる、責任とやりがいの大きな仕事です。
企業の株式実務を支える「証券代行業務」
証券代行業務は、信託銀行が持つ非常に専門的な分野の一つです。
企業が株式を発行する際、株主名簿の管理、株主総会の運営支援、配当金の支払い手続きなど、株式に関わる一連の事務・法務手続きを代行します。
三菱UFJ信託銀行は、この分野で国内トップクラスのシェアを誇っており、多くの上場企業の株式実務を支えています。
この仕事の面白さは、企業の経営陣と密接に関わり、資本政策やIR(投資家向け広報)活動のコンサルティングまで行える点にあります。
企業のガバナンス(企業統治)を支える重要な役割を担っており、会社法や金融商品取引法などの専門的な法務知識が不可欠です。
企業の根幹を支える縁の下の力持ちとして、日本経済の安定に貢献できる、社会的な意義が非常に大きい業務と言えるでしょう。
不動産のプロフェッショナルとして動く「不動産業務」
三菱UFJ信託銀行の不動産業務は、単なる「仲介」に留まりません。
個人のお客様の不動産売買や有効活用のコンサルティングから、法人のCRE(企業不動産)戦略の立案、さらには不動産を証券化して投資家に提供する「J-REIT」の組成・運用まで、不動産に関するあらゆるニーズに応えます。
信託銀行は不動産を「信託財産」として預かり、管理・運用できるため、非常にダイナミックなソリューション提供が可能です。
不動産鑑定士やデベロッパーとも連携し、金融と不動産の両方の専門知識を駆使してプロジェクトを動かしていきます。
都市開発や大規模な不動産取引に関わることも多く、地図に残るようなスケールの大きな仕事に携われる可能性があります。
専門知識を活かして街づくりにも貢献したいと考える人にとって、非常に魅力的な分野です。
年金や資産運用を担う「受託財産・アセットマネジメント業務」
受託財産業務は、お客様(主に企業や機関投資家)から預かった大切な資産を管理・保全する役割を担います。
例えば、企業年金や投資信託の資産を安全に管理し、正確に事務処理を行う「カストディアン(資産管理専門銀行)」としての機能です。
一方、アセットマネジメント業務は、その預かった資産を国内外の株式や債券、不動産などに投資し、運用することで増やしていく仕事です。
三菱UFJ信託銀行は、国内最大級の機関投資家として、莫大な資金を運用しています。
グローバルな経済動向を分析し、最適な投資戦略を立てるファンドマネージャーやアナリストが活躍する世界です。
日本の多くの人々の年金や資産の未来を背負うという、極めて公共性の高い使命を帯びた業務であり、金融のプロフェッショナルとしてのスキルを存分に発揮できる分野です。
【三菱UFJ信託銀行はなんの会社】三菱UFJ信託銀行選ばれる理由と競合比較
数ある金融機関、そして信託銀行の中で、なぜ三菱UFJ信託銀行が選ばれるのでしょうか。
就活生の皆さんにとっても、企業選びの軸として「その会社ならではの強み」は非常に気になるところだと思います。
三菱UFJ信託銀行の最大の強みは、やはり日本最大の金融グループであるMUFGの中核企業であることに尽きます。
グループ各社との緊密な連携により、他の金融機関には真似できない広範なソリューション提供が可能です。
また、信託銀行として長年培ってきた各分野での高い専門性も、顧客から厚い信頼を得ている理由です。
ここでは、三菱UFJ信託銀行が持つ独自の魅力と、競合となる他の信託銀行と比べた場合の特徴について、深掘りしていきましょう。
「なぜ他社ではなく、三菱UFJ信託銀行なのか」、その答えを見つけるヒントがここにあります。
MUFGグループとの連携による「圧倒的な顧客基盤と総合力」
三菱UFJ信託銀行の最大の武器は、三菱UFJ銀行、三菱UFJ証券など、MUFGグループ各社との強力な連携(「銀信証連携」)です。
例えば、三菱UFJ銀行の取引先企業が事業承継に悩んでいれば、信託銀行が専門的なスキームを提案し、証券会社がM&Aをサポートするといった、グループ一体となったソリューション提供が可能です。
この圧倒的な顧客基盤とグループの総合力により、お客様のあらゆる経営課題やライフイベントに対して、ワンストップで最適な答えを導き出すことができます。
これは、他の金融グループや独立系の信託銀行にはない、明確な優位性と言えるでしょう。
若いうちからグループを横断するような大規模な案件に関われる可能性も高く、自身の成長にも繋がる環境です。
多岐にわたる専門分野を持つ「金融サービスの総合商社」としての強み
前述の通り、三菱UFJ信託銀行はリテール、不動産、証券代行、受託財産、アセットマネジメントなど、非常に幅広い事業領域を持っています。
それぞれの分野で業界トップクラスの専門性とノウハウを蓄積しており、まさに「金融サービスの総合商社」と呼ぶにふさわしい陣容です。
お客様のニーズが複雑化・多様化する現代において、一つの窓口で多様な専門サービスを提供できることは、非常に大きな強みとなります。
例えば「相続」という一つの課題に対しても、預金、不動産、有価証券、遺言信託など、あらゆる財産をまとめて相談できるのは、お客様にとって大きな安心に繋がります。
行員はジョブローテーションを通じてこれらの多様な業務を経験し、幅広い専門知識を身につけることが推奨されており、個人のキャリア形成においても魅力的な環境です。
競合他社(三井住友信託・みずほ信託)との違い
信託銀行業界は、三菱UFJ信託銀行、三井住友信託銀行、みずほ信託銀行の3メガバンク系で市場の多くを占めています。
その中での三菱UFJ信託銀行の特徴は、やはりMUFGという国内最大の金融グループに属していることによる安定した顧客基盤と案件の規模感です。
三井住友信託銀行は、旧住友信託と旧中央三井信託が合併して誕生した、国内唯一の専業信託銀行グループ(銀行持ち株会社傘下ではない)であり、特に不動産やリテール分野で独自の強みを持っています。
みずほ信託銀行は、みずほフィナンシャルグループの一員として、グループの法人営業力と連携したソリューション提供に強みがあります。
企業研究を進める上では、各社の強みや事業の特色、社風の違いを、インターンシップやOB/OG訪問を通じて肌で感じ取り、自分に最も合う企業を見極めることが重要です。
【三菱UFJ信託銀行はなんの会社】三菱UFJ信託銀行の求める人物像
三菱UFJ信託銀行がどのような人材を求めているのかを知ることは、選考を突破する上で非常に重要です。
彼らのビジネスの根幹には、「信託」、すなわちお客様からの「信頼」があります。
大切な財産を中長期的に預かるという業務の特性上、求められる資質も自ずと明確になってきます。
採用ホームページなどでは、「Fiduciary Duty(フィデューシャリー・デューティー=受託者責任)」という言葉が頻繁に使われています。
これは、「お客様の利益を最優先に行動する」という、信託銀行員としての根本的な姿勢を示すものです。
この基本精神に加え、変化の激しい時代に対応していくための挑戦意欲や、多様な専門家と協働するための人間性も重視されています。
ここでは、三菱UFJ信託銀行が掲げる、未来の仲間たちに求める具体的な人物像について、3つの観点から解説していきます。
顧客の最善を追求する「Fiduciary Duty(受託者責任)の精神」
三菱UFJ信託銀行が最も重視するのが、この「Fiduciary Duty(受託者責任)」の精神です。
これは、自分の利益や会社の利益よりも、常にお客様の利益を最優先に考え、行動するという強い倫理観を意味します。
信託銀行は、お客様の財産を何十年にもわたって預かることもあるため、短期的な成果ではなく、お客様の将来にとって何が本当に最善かを真剣に考える姿勢が求められます。
面接やエントリーシートでは、過去の経験において、誰かのために誠実に行動したエピソードや、高い倫理観を持って物事に取り組んだ経験を具体的に示すと良いでしょう。
「なぜ、あなたはお客様から信頼されると思うか」を自分の言葉で語れるように準備しておくことが鍵となります。
高い専門性を磨き続ける「学びと挑戦への意欲」
信託銀行の業務は、金融、法律、税務、不動産など、多岐にわたる高度な専門知識を必要とします。
また、社会情勢や法制度の変化も激しく、一度学んだら終わりではありません。
そのため、入社後も常に学び続け、自身の専門性を高めていく意欲が不可欠です。
現状に満足せず、新しい知識の習得や資格の取得に積極的に挑戦し、変化を恐れずに新しい分野の業務にも取り組む姿勢が評価されます。
学生時代の研究や部活動、アルバイトなどで、困難な目標に対して粘り強く努力し、専門性やスキルを身につけた経験は、強力なアピール材料になります。
自ら考え、主体的に学び、成長し続けられる人材であることを示しましょう。
信頼を築き、チームで動ける「誠実さと協調性」
信託銀行の仕事は、決して一人で完結するものではありません。
お客様の複雑な課題を解決するためには、行内のさまざまな専門部署(不動産、証券代行、法務など)や、時には弁護士や税理士といった外部の専門家とも連携する必要があります。
そのため、多様なバックグラウンドを持つ人々と円滑にコミュニケーションを取り、信頼関係を築きながらチームとして成果を出す「協調性」が極めて重要です。
また、お客様やチームメンバーからの信頼を得るための「誠実さ」は、言うまでもありません。
サークルやアルバイトなどで、異なる意見を持つメンバーをまとめたり、チームの一員として目標達成に貢献したりした経験は、この「協調性」と「誠実さ」をアピールする絶好の機会です。
【三菱UFJ信託銀行はなんの会社】三菱UFJ信託銀行に向いてる・向いていない人
これまでの解説で、三菱UFJ信託銀行の仕事内容や求める人物像が少しずつクリアになってきたかと思います。
では、具体的にどのようなタイプの人がこの会社で活躍でき、逆にどのような人にとってはミスマッチとなる可能性があるのでしょうか。
これは、皆さんが入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、非常に重要な視点です。
信託銀行の業務は、お客様と長期的な関係を築き、専門知識を駆使して地道に課題解決に取り組むことが中心となります。
派手さや短期的な成果よりも、堅実さや誠実さが求められる世界です。
ここでは、三菱UFJ信託銀行のカルチャーや業務特性を踏まえ、「向いている人」と「向いていない人」の傾向を具体的に解説していきます。
自己分析と照らし合わせながら、自分との相性を見極めてみてください。
向いている人:長期的な視点で顧客と向き合える人
三菱UFJ信託銀行の仕事は、相続や事業承継、年金運用など、世代を超えるような中長期的なスパンで物事を考えるものが大半です。
そのため、目先の利益や短期的な成果を追い求めるのではなく、お客様の5年後、10年後、さらには次の世代のことまで考え、じっくりと信頼関係を築いていける人が向いています。
「お客様の人生に深く、長く寄り添いたい」という強い思いや、コツコツと努力を積み重ねていくことにやりがいを感じる人にとって、これ以上ない環境と言えるでしょう。
「ありがとう」という言葉の重みを、長い時間をかけて実感したいと考える人には、最適な職場です。
向いている人:専門知識の習得に喜びを感じる人
信託銀行の業務は、法律、税務、不動産、金融工学など、非常に高度で専門的な知識の集合体です。
入社後も、新しい法改正や金融商品の知識を常にアップデートし続ける必要があります。
この「学び続けるプロセス」自体を楽しめる人、知的好奇心が旺盛で、複雑な物事を理解し、それを人のために役立てることに喜びを感じる人にとっては、まさに天職となる可能性があります。
「金融のプロフェッショナル」として、誰にも負けない専門性を身につけたいという強い向上心を持つ人には、その成長を後押ししてくれる環境が整っています。
向いていない人:短期的な成果や派手な仕事を求める人
一方で、信託銀行の仕事は、日々目に見える成果がすぐに出るものばかりではありません。
お客様の大切な資産を預かるという性質上、むしろ「地道」で「堅実」な業務が圧倒的に多いのが実態です。
例えば、投資銀行のM&Aディールのように派手な成果を求めたり、すぐに結果が出るスピーディーな仕事を好む人にとっては、物足りなさを感じるかもしれません。
また、成果が給与に即座に反映されるような、完全実力主義やインセンティブが強い環境を好む人も、長期的な信頼関係を重視する信託銀行のカルチャーとは少し異なるかもしれません。
【三菱UFJ信託銀行はなんの会社】三菱UFJ信託銀行に受かるために必要な準備
三菱UFJ信託銀行は、その安定性や専門性の高さから、就活生に非常に人気のある企業の一つです。
当然、選考の倍率は高く、内定を獲得するためには付け焼き刃ではない、入念な準備が必要不可欠です。
特に信託銀行の選考では、「なぜ数ある金融機関の中で、信託銀行なのか?」という問いに対する答えの深さが、合否を大きく左右します。
この問いに説得力を持って答えるためには、銀行や証券会社とのビジネスモデルの違いを正確に理解しておく必要があります。
さらに、「なぜ競合の信託銀行ではなく、三菱UFJ信託銀行なのか?」という問いにも、自分なりの言葉で答える準備が求められます。
ここでは、内定を勝ち取るために、今から皆さんが取り組むべき具体的な準備について、3つのステップに分けて解説します。
「なぜ銀行でなく信託銀行か」を明確にする徹底した業界研究
選考で必ず問われるのが、「なぜ銀行や証券ではなく、信託銀行を志望するのか」という点です。
これを明確にするには、まず業界研究を徹底的に行う必要があります。
銀行の主な業務は「預金」「融資」「為替」ですが、信託銀行はそれに加えて「信託業務」や「併営業務(不動産、証券代行など)」を手掛けます。
預かるものが「お金」だけでなく「財産」全般にわたる点が最大の違いです。
このビジネスモデルの違いが、お客様へのアプローチや提供できるソリューションの幅にどう影響するのかを理解しましょう。
「より広範な財産を扱い、お客様のより深い課題に、長期的に寄り添える点に魅力を感じた」といった、信託銀行ならではの志望動機を構築することが第一歩です。
「なぜ三菱UFJ信託か」を裏付ける企業研究と強みの理解
信託銀行業界への理解が深まったら、次は「なぜ三井住友信託やみずほ信託ではなく、三菱UFJ信託銀行なのか」を明確にする企業研究に移ります。
本記事でも触れた通り、三菱UFJ信託銀行の強みは「MUFGグループとしての圧倒的な総合力と顧客基盤」にあります。
グループ連携によってどのような大規模な案件や、多角的なソリューション提供が可能になるのか、具体的な事例を調べてみると良いでしょう。
また、各社が注力している分野(例えば、デジタル戦略、グローバル展開、サステナビリティへの取り組みなど)を比較し、自分が三菱UFJ信託銀行のどの点に最も共感し、そこでどのように活躍したいかを具体的にイメージすることが重要です。
インターンシップや説明会でのリアルな情報収集と自己分析
業界研究や企業研究で得た知識は、あくまで「情報」です。
それを「確信」に変えるためには、実際に働く人の声を聞くことが一番です。
三菱UFJ信託銀行が開催するインターンシップや説明会には積極的に参加しましょう。
特にインターンシップでは、信託銀行の具体的な業務を体験できるだけでなく、社員の方々の雰囲気や仕事への向き合い方を肌で感じることができます。
そこで得た「リアルな情報」と、「なぜ自分はこの仕事に魅力を感じるのか」という自己分析をすり合わせることで、志望動機に圧倒的な具体性と熱意が生まれます。
「インターンで〇〇という業務の△△な点にやりがいを感じた」といった具体的なエピソードは、面接官の心を動かす強力な武器になります。
【三菱UFJ信託銀行はなんの会社】三菱UFJ信託銀行の志望動機の書き方
選考において、エントリーシート(ES)や面接で伝える「志望動機」は、あなたの熱意と企業理解度を示す最も重要な要素です。
特に三菱UFJ信託銀行のような人気企業では、多くの学生が似通った志望動機を準備してくるため、いかに「あなたらしさ」と「三菱UFJ信託銀行でなければならない理由」を盛り込めるかが差別化のポイントになります。
単に「安定しているから」や「大きな仕事ができそうだから」といった漠然とした理由では、まず通用しません。
大切なのは、あなた自身の過去の経験や価値観と、三菱UFJ信託銀行の事業内容や企業理念とを、論理的に結びつけることです。
ここでは、面接官の心に響く、説得力のある志望動機を構築するための3つの重要な「型」について解説します。
自身の経験と「信託業務」への関心を結びつける
まずは、あなた自身の「原体験」を棚卸しすることから始めましょう。
例えば、「祖父の相続で家族が悩んでいた経験から、資産承継のサポートに興味を持った」「大学のゼミで不動産法を学び、不動産の持つ可能性に魅力を感じた」など、どんな些細なことでも構いません。
その経験と、三菱UFJ信託銀行が手掛ける「信託業務」(相続、不動産、資産運用など)とを結びつけ、「だから私はこの仕事に興味を持った」というストーリーを作ります。
この「原体験」こそが、あなただけのオリジナルな志望動機となり、なぜあなたが信託業務に惹かれるのか、その動機に説得力を持たせる土台となります。
競合他社比較を踏まえ、三菱UFJ信託銀行でなければならない理由を明確に
次に、「なぜ信託銀行の中でも、三菱UFJ信託銀行なのか」を明確にします。
これは、先ほどの「必要な準備」で深めた企業研究が活きる部分です。
例えば、「MUFGグループの広範な顧客基盤と銀信証連携を活かし、よりスケールの大きな課題解決に挑戦したい」「証券代行業務でトップシェアを誇る貴社で、日本企業のガバナンス強化に貢献したい」など、競合他社にはない三菱UFJ信託銀行ならではの強みに焦点を当てます。
「貴社の〇〇という強みに惹かれた」と述べるだけでなく、「その強みを活かして、私は△△がしたい」という形で、自分のやりたいことと結びつけることが重要です。
入社後にどの分野でどのように貢献したいか具体的に描く
最後に、入社後のビジョンを具体的に示すことで、志望動機の総仕上げをします。
「これまでの経験で培った〇〇という強みを活かし、まずはリテール業務でお客様一人ひとりと向き合い、信頼関係構築の基礎を学びたい。
将来的には、不動産部門のプロフェッショナルとして、企業のCRE戦略をサポートするような大きな仕事に挑戦したい」といった具合です。
どの事業分野に興味があり、そこで自分のどんな強みを活かし、どのように成長・貢献していきたいかを具体的に語ることで、面接官はあなたが働く姿を明確にイメージできます。
これは、あなたの企業理解度の高さと、入社への本気度を示す強力なメッセージとなります。
【三菱UFJ信託銀行はなんの会社】三菱UFJ信託銀行についてよくある質問
企業研究を進めていると、Webサイトやパンフレットだけでは分からない、ちょっと聞きにくい「本音」の部分が気になってきますよね。
特に、選考の難易度や入社後の働き方、キャリアについては、就活生なら誰もが抱く疑問だと思います。
ここでは、就活生の皆さんから特によく寄せられる質問について、就活アドバイザーとして集めた情報や一般的な傾向を踏まえて、Q&A形式でお答えしていきます。
もちろん、これらの回答はあくまで一つの参考であり、最終的には皆さん自身が説明会やOB/OG訪問などで直接確認することが大切です。
不安や疑問を解消して、万全の態勢で選考に臨みましょう。
Q. 学歴フィルターはありますか?
新卒採用において「学歴フィルター」の有無は、多くの就活生が気にするところです。
三菱UFJ信託銀行のような大手金融機関の場合、結果として難関大学からの採用者が多くなる傾向は否定できません。
これは、高度な専門知識を扱う業務特性上、地頭の良さや学習意欲の高い学生が求められるためと考えられます。
ただし、企業側が「〇〇大学以上」と明示的にフィルターをかけていると断言することはできません。
重要なのは、学歴そのものよりも、学生時代に何に打ち込み、どのような成果を上げ、何を学んだかを、エントリーシートや面接で論理的に説明できることです。
大学名に関わらず、ご自身の強みや信託業務への熱意をしっかりとアピールすることが、内定への一番の近道です。
Q. ワークライフバランスや働きやすさはどうですか?
金融業界と聞くと「激務」や「ノルマがきつい」といったイメージを持つ人も多いかもしれません。
確かに、お客様の大切な資産を扱う責任の重い仕事であり、専門知識の習得など自己研鑽も求められるため、楽な仕事ではありません。
しかし、近年は三菱UFJ信託銀行も「働き方改革」に力を入れており、長時間労働の是正、フレックスタイム制の導入、在宅勤務の推進、男性の育児休業取得促進など、ワークライフバランスの向上に積極的に取り組んでいます。
もちろん部署や時期によって繁忙期はありますが、以前に比べて格段に働きやすい環境が整備されてきていると言えるでしょう。
リアルな実態については、インターンシップや座談会などで、若手の社員の方に直接質問してみることをお勧めします。
Q. インターンシップやセミナーの参加は選考に影響しますか?
三菱UFJ信託銀行の採用ホームページでは、「インターンシップやセミナーへの参加有無が選考において有利不利となることはありません」と明記されていることが多いです。
これは、参加できなかった学生にも公平な機会を与えるための建前(タテマエ)と捉えることもできます。
しかし、本音(ホンネ)の部分では、インターンシップに参加し、そこで高い評価を得た学生が、早期選考に呼ばれたり、選考プロセスの一部が免除されたりするケースは、多くの企業で見られます。
何より、インターン参加者は業務理解や企業理解が深まっているため、志望動機が明確になり、結果として選考を有利に進められることは間違いありません。
参加する「だけ」では意味がありませんが、目的意識を持って参加すれば、内定に近づく大きなチャンスとなります。
まとめ
今回は、三菱UFJ信託銀行が「なんの会社」なのか、その多岐にわたる仕事内容から、求める人物像、選考対策までを詳しく解説してきました。
「金融サービスの総合商社」として、個人の資産承継から企業の経営戦略まで、幅広く高い専門性で支えるのが信託銀行の役割です。
特に三菱UFJ信託銀行は、MUFGグループの総合力を背景に、非常にスケールの大きな仕事に挑戦できる環境が整っています。
大切なのは、「なぜ銀行ではなく信託銀行なのか」「なぜ競合ではなく三菱UFJ信託銀行なのか」を、あなた自身の経験と言葉で語れるようになることです。
この記事を参考に、さらに企業研究を深め、自信を持って選考に臨んでください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート











