【例文3選】「優秀」と唸らせるガクチカの書き方!自慢話で終わらない戦略を伝授

【例文3選】「優秀」と唸らせるガクチカの書き方!自慢話で終わらない戦略を伝授

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はじめに:「優秀なガクチカ」とは「すごい実績」の自慢話ではない

「部活動で全国大会に出場した」「長期インターンで営業成績1位になった」。

輝かしい実績を持つあなたは、他の就活生に対して大きなアドバンテージを持っています。

しかし、その伝え方を一歩間違えると、単なる「自慢話」や「意識高い系のマウンティング」と受け取られかねません。

この記事では、あなたの持つ優れた実績を、嫌味なく、かつ「入社後も活躍してくれそうだ」と人事に確信させるための、戦略的なガクチカの書き方を解説します。

人事が本当に知りたいのは「結果」よりも「再現性のある優秀さ」

企業の人事担当者は、あなたの武勇伝を聞きたいわけではありません。

彼らが知りたいのは、その輝かしい結果を「どのような思考と行動によって生み出したのか」というプロセスです。

なぜなら、そのプロセスにこそ、あなたの「再現性のある能力」、つまり、環境が変わっても同じように成果を出せるポテンシャルが隠されているからです。

「全国大会に出場した」という結果よりも、「全国大会出場という目標のために、どんな課題をどう乗り越えたか」が重要なのです。

優秀な人ほど陥る「ただの自慢話」のワナ

実績が華々しいほど、それをそのまま伝えたくなります。

しかし、「〇〇で1位を取りました」「〇〇を達成しました」という結果の羅列は、「すごいですね」で終わってしまいます。

それだけでは、あなたが「すごい」ことは分かっても、「一緒に働きたい」とは思ってもらえません。

むしろ、「プライドが高そう」「チームの和を乱すかもしれない」といったネガティブな印象を与えてしまうリスクすらあるのです。

真の目的は、優秀さを認めさせ、かつ仲間として迎え入れたいと思わせることです。

【STAR+Pフレームワーク】優秀なガクチカを論理的に構成する方法

あなたの優秀さを、論理的かつ魅力的に伝えるための最強の武器が「STAR+Pフレームワーク」です。

これは、多くの外資系企業などで用いられるSTARメソッドに、入社後の活躍可能性(Potential)を加えたものです。

この型に沿って情報を整理することで、あなたの経験は「自慢話」から「再現性のある能力証明」へと昇華します。

S (Situation):状況 - どんな環境で、どんな課題があったか

まず、あなたが置かれていた状況と、そこにあった課題を客観的に説明します。

「私が所属していた〇〇部は、3年間、県大会の初戦敗退が続くレベルでした」のように、聞き手がイメージしやすいように、具体的な背景を提示しましょう。

課題が困難であればあるほど、後のあなたの行動が際立ちます。

T (Target & Task):目標と役割 - 具体的に何を目標とし、あなたは何をすべきだったか

その状況下で、どのような目標を掲げたのか、そしてチームの中であなたはどんな役割・タスクを担っていたのかを明確にします。

「『県大会ベスト4』という目標を掲げ、私は副部長として、練習メニューの抜本的な改革を任されました」のように、具体的な目標と、あなたの立ち位置を明らかにすることで、話の骨子が定まります。

A (Action):行動 - 目標達成のために、具体的にどう考え、どう行動したか

ガクチカの核となる部分です。

目標達成や課題解決のために、あなたが「どう考え」「どう行動したか」を具体的に記述します。

「まず、過去の試合映像を全て分析し、失点パターンの8割が特定の状況下で起きていることを突き止めました。

その課題を克服するため、〇〇という新しい練習法を考案し、監督やチームメイトに提案・導入しました。」

このように、思考のプロセスと、主体的な行動を詳細に語りましょう。

R (Result):結果 - 行動の結果、どんな成果が出たか(定量的・定性的に)

あなたの行動が、どのような結果に繋がったのかを具体的に示します。

可能な限り、「失点率が30%改善し、目標であった県大会ベスト4を達成できた」のように、定量的な成果を盛り込みましょう。

また、「チームの一体感が高まり、練習への参加率が9割を超えた」といった定性的な成果も有効です。

客観的な事実が、あなたの行動の正しさを証明します。

P (Potential):ポテンシャル - その経験から得た学びを、入社後どう活かすか

最後に、その経験から得た学びをまとめ、入社後にどう活かせるかをアピールします。

「この経験から、現状を分析し、課題を特定して、周囲を巻き込みながら解決策を実行する力を学びました。

この課題解決能力を、貴社の〇〇という事業において、新たな市場を開拓する上で活かしたいです。」

ここまで語ることで、人事はあなたが入社後に活躍する姿を具体的にイメージできるのです。

【例文3選】嫌味なく「地頭の良さ」が伝わる優秀なガクチカ

STAR+Pフレームワークを使い、実績を嫌味なく「再現性のある優秀さ」としてアピールする例文を3つ紹介します。

自分の経験をこれらの型に当てはめ、より洗練されたガクチカを作成してみてください。

ポイントは、「結果」に至るまでの「思考」と「行動」を具体的に描くことです。

1.【部活動】個人の成果とチームへの貢献を両立させる書き方

(S)私が所属していたサッカー部は、個々の技術は高いものの、チームとして機能不全に陥っていました。

(T)私はレギュラーメンバーとして、チームの「得点力不足」という課題を解決し、リーグ優勝に貢献することを目標としました。

(A)まず、過去10試合の映像を分析し、課題が「個人の単独突破に頼り、連携が不足している」点にあると特定しました。

そこで、練習後に毎回30分、攻撃陣のメンバーとミーティングを行い、パスの連携パターンを3種類考案・共有しました。

当初は連携がうまくいきませんでしたが、粘り強く改善を続けた結果、徐々にチームとしての攻撃が機能し始めました。

(R)結果、チームの総得点数は前期の1.5倍に増加し、目標であったリーグ優勝を達成できました。

(P)この経験から、課題の本質を特定し、周囲と協働して解決策を実行する力を学びました。

2.【長期インターン】成果の要因分析で「再現性」を示す書き方

(S)私は株式会社〇〇の長期インターンで、新規顧客開拓の営業を担当していました。

(T)当初、月間契約数1件という目標に対し、私は「月間5件の契約獲得」という個人目標を掲げました。

(A)ただ闇雲に電話をかけるのではなく、まず過去の成約顧客データを分析し、成約率の高い業界と担当者層を特定しました。

その上で、アプローチ先のリストを独自に作成し、各業界の課題に合わせたトークスクリプトを3パターン用意して営業活動を行いました。

(R)結果、3ヶ月目には月間7件の契約を獲得し、部署内でトップの成績を収めることができました。

(P)この経験から、仮説を立て、データを基に戦略を構築し、実行・改善するサイクルを回すことの重要性を学びました。

この能力は、貴社で営業戦略を立案する上で必ず活かせると考えております。

3.【学業・研究】専門性とビジネスへの応用力を示す書き方

(S)私は〇〇のテーマで卒業研究を行いましたが、当初、従来の手法では再現性のあるデータが得られないという壁にぶつかりました。

(T)指導教官からはテーマ変更も示唆されましたが、私はこの研究の社会的意義を信じ、「新たな実験系を構築して、年内に学会発表レベルのデータを出す」ことを目標としました。

(A)まず、国内外の論文を50本以上読み込み、自分の研究に応用できそうな3つの手法をリストアップしました。

それぞれのメリット・デメリットを比較検討した上で、最も確実性の高い手法を選択し、必要な機材を他大学の研究室から借り受ける交渉も自ら行いました。

(R)結果、3ヶ月後には安定したデータを得ることに成功し、目標通り学会でのポスター発表を実現しました。

(P)この経験から、未知の課題に対しても、自ら情報を収集・分析し、周囲を巻き込みながら解決策を見つけ出す探究心と実行力を学びました。

優秀さを際立たせる「プラスアルファ」のテクニック

STAR+Pフレームワークで論理的な骨格を作った上で、さらにあなたのガクチカを際立たせ、人間的な魅力も伝えるためのテクニックを紹介します。

これらを加えることで、あなたのガクチカは単なる「優秀な人の話」から、「一緒に働きたい優秀な人の話」へと進化します。

テクニック1:あえて「失敗談」や「苦悩」を語り、人間味を見せる

完璧な成功体験は、時に「出来すぎた話」として共感を得にくいことがあります。

「当初、私の提案はチームメイトから『理想論だ』と反対されました。

自分の視野の狭さを痛感し、一度は諦めかけました」のように、プロセスにおける失敗や内面的な葛藤を少し加えることで、ストーリーに深みとリアリティが生まれます。

そして、その困難を乗り越えた経験が、あなたの成長性をより強く印象付けます。

テクニック2:第三者からの客観的な評価を引用し、信憑性を高める

自分で「頑張った」と言うよりも、他人からの評価を引用する方が、はるかに客観的で信憑性が高まります。

「当初は反対していたチームメイトから、最後には『お前が諦めずに説得してくれたおかげだ』と言ってもらえた時は、本当に嬉しかったです。」

このように、監督、教授、顧客、同僚など、第三者からの具体的な言葉を引用することで、あなたの貢献が独りよがりなものではなかったことの強力な証明となります。

テクニック3:「学びの抽象化」で、どんな環境でも活かせるポータブルスキルを示す

「サッカー部での経験から、チームで勝つ方法を学びました」で終わらせず、その学びをより普遍的なスキルに「抽象化」しましょう。

「個々の強みが異なるメンバーの意見を調整し、一つの目標に向かってベクトルを合わせる『チームビルディング能力』を学びました。」

このように、どんな業界や職種でも通用するポータブルスキルとして提示することで、人事はあなたが自社でも活躍できると確信しやすくなります。

【企業別】評価される「優秀さ」の使い分け戦略

あなたが持つ「優秀さ」にも、様々な側面があるはずです。

どの側面を強調すべきかは、応募する企業のカルチャーによって異なります。

複数のエピソードを持っている場合は、企業に合わせて戦略的にガクチカを使い分けることで、内定の確度を高めることができます。

日系大手:「周囲を巻き込む力」「調整力」を強調する

多くの日系大手企業では、個人の突出した能力よりも、組織の中で円滑に業務を進めるための協調性が重視される傾向にあります。

ここでは、チームの中であなたがどのように立ち振る舞い、異なる意見を調整し、目標達成に貢献したか、というエピソードが響きやすいです。

「私が、私が」という主語だけでなく、「私たちが」という視点を盛り込むと良いでしょう。

外資系企業:「論理的思考力」「個人の成果」を明確にする

外資系企業、特にコンサルティングファームや投資銀行などでは、個人の能力や成果がシビアに評価されます。

ここでは、課題をどのように分析し、論理的に解決策を導き出し、結果としてどれだけの成果(数字)を上げたのかを、明確かつ端的にアピールすることが求められます。

STAR+Pフレームワークの中でも、特にA(Action)とR(Result)の具体性が重要になります。

ベンチャー企業:「主体性」「スピード感」をアピールする

少数精鋭で、常に変化が求められるベンチャー企業では、指示を待つのではなく、自ら課題を見つけ、行動を起こせる「主体性」が何よりも重視されます。

「誰も手を付けていなかった課題に、自ら問題意識を持って取り組み、短期間で形にした」といった、ゼロからイチを生み出した経験や、スピード感を持って行動した経験が特に高く評価されるでしょう。

面接でさらに「優秀」だと思わせる、深掘り質問への盤石な準備

優秀なガクチカは、面接官の興味を惹きつけ、必ず深い質問を呼び込みます。

その深掘り質問に的確に、かつ想定を超えたレベルで答えることができれば、あなたの評価は「優秀」から「極めて優秀」へと変わります。

以下の質問への回答を事前に準備しておきましょう。

「その時、他の選択肢は考えましたか?」への回答

この質問は、あなたの思考の広さと深さを測るためのものです。

「はい、考えました。

A案の他に、B案とC案も検討しました。

しかし、コストと実現可能性を考慮し、総合的にA案が最適だと判断しました。」

このように、複数の選択肢を比較検討した上で、なぜその行動を選んだのかを論理的に説明できれば、あなたの意思決定能力の高さを示すことができます。

「もし失敗していたら、どうしていましたか?」への回答

これは、あなたのリスク管理能力や、逆境への対応力を試す質問です。

「もし計画がうまくいかなかった場合に備え、次善の策として〇〇を準備していました。

また、失敗の要因を分析し、その学びを次のアクションプランに反映させるつもりでした。」

このように、成功だけでなく、失敗した場合のプランBや、失敗から学ぶ姿勢を示すことで、あなたの思慮深さと成長意欲をアピールできます。

「その経験を、当社の事業にどう活かせますか?」への回答

ガクチカの締め(Potential)で語ったことを、さらに具体的に、企業の事業内容と結びつけて語る必要があります。

「私が培った課題解決能力は、現在貴社が注力されている〇〇事業において、△△という課題を解決する上で活かせると考えております。

具体的には…」

ここまで具体的な事業内容に踏み込んで語るためには、徹底した企業研究が不可欠です。

この質問への回答が、あなたの志望度の高さの最終証明となります。

それでも不安なあなたへ

これだけの準備をしても、自分の伝え方が独りよがりになっていないか、不安に思うかもしれません。

そんな時は、客観的なフィードバックを求めることが最も効果的です。

自分一人で完璧を目指す必要はありません。

OB・OG訪問で、客観的なフィードバックをもらう

あなたのガクチカが、実際にその企業で働く社員にどう響くか、試してみる絶好の機会がOB・OG訪問です。

「このガクチカについて、〇〇業界で働く先輩として、率直にどう思われますか?」と聞いてみましょう。

内部の人間だからこそ分かる、評価されるポイントや、より響く表現について、貴重なアドバイスをもらえるはずです。

自信と謙虚さのバランスを意識する

優秀なあなたに最も必要なのは、「自信」と「謙虚さ」のバランスです。

自分のやってきたことには自信を持つ。

しかし、それは周りの人の協力があってこそ成し遂げられたことだという感謝の気持ちを忘れない。

この姿勢が、あなたの言葉に説得力と人間的魅力を与えます。

面接官は、その絶妙なバランス感覚に、あなたの成熟した人間性を見るのです。

まとめ:真の優秀さとは、結果を出す力と、それを誠実に語る姿勢に宿る

「優秀なガクチカ」とは、輝かしい実績のカタログではありません。

それは、一つの目標に向き合い、課題を特定し、思考を重ね、周囲を巻き込み、粘り強く行動した、あなただけの「物語」です。

そして、その物語を、驕ることなく、しかし自信を持って、論理的かつ誠実に語る姿勢にこそ、あなたの「真の優秀さ」は宿ります。

本記事で紹介したフレームワークとテクニックを武器に、あなたの素晴らしい経験を、正当な評価へと繋げてください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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