【27卒向け】早期選考と本選考の違いとは?どちらを受けるべきか徹底解説!

【27卒向け】早期選考と本選考の違いとは?どちらを受けるべきか徹底解説!

近年、就職活動は早期化が進み、大学3年生の夏頃から実質的な選考が始まるケースも珍しくありません。

この流れの中心にあるのが「早期選考」です。

しかし、多くの学生にとって、その実態や本選考との具体的な違いは分かりにくいものかもしれません。

この記事では、早期選考と本選考のスケジュール、目的、参加企業の違いといった基本的な知識から、それぞれに挑むメリット・デメリット、そして27卒の皆さんが今からできる対策まで、詳しく解説していきます。

この違いを正しく理解し、自分に合った就活戦略を立てることが、納得のいく内定への第一歩です。

この記事を読んで、周りより一歩リードした就活をスタートさせましょう!

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【早期選考と本選考の違い】就活の早期化が進む現在

「就活の解禁は大学3年の3月から」というルールは今も存在しますが、年々その形骸化が進んでいるのが現状です。

なぜ、これほどまでに就活は早期化しているのでしょうか。

最大の理由は、企業間の「優秀な人材の獲得競争」が激化しているためです。

少子化の影響もあり、将来有望な学生を他社に先駆けて確保したいという企業の思惑が、選考活動を前倒しにさせています。

特に、専門性の高いスキルを持つ学生や、地頭の良さ、行動力に優れた学生は、外資系企業やベンチャー企業を中心に早い段階で囲い込みの対象となります。

また、サマーインターンシップが実質的な選考の場として機能するようになったことも大きな要因です。

インターンシップに参加した学生の中から優秀者を選び、そのまま早期選考ルートへ招待する、という流れが一般化しつつあります。

このような状況を理解し、早期化の流れに乗り遅れないよう、早い段階から情報収集と準備を始めることが、現代の就活を成功させる鍵と言えるでしょう。

【早期選考と本選考の違い】早期選考と本選考の基本的な違い

早期選考と本選考は、単に時期が違うだけではありません。

その背景には、企業側の採用戦略や目的の違いが大きく関わっています。

具体的には、「選考時期とスケジュール」「募集している企業」「選考の目的」という3つの観点で明確な違いを見ることができます。

早期選考は、特定の学生層をターゲットにした、いわば「先取り」の採用活動です。

一方で、本選考はより多くの学生を対象とした、本格的な採用活動と位置づけられています。

この違いを理解しないまま、やみくもに選考に参加してしまうと、準備不足で本来の力を発揮できなかったり、ミスマッチに繋がったりする可能性もあります。

まずは、それぞれの特徴を正しく把握し、自分がどちらの選考に、どのように臨むべきかを考えるための土台を築きましょう。

選考時期とスケジュール

早期選考:大学3年の夏~冬

早期選考のスケジュールは非常に流動的ですが、一般的には大学3年生の夏から冬にかけて実施されるケースが多く見られます。

この時期に選考が行われる主な理由は、サマーインターンシップやオータムインターンシップと連動しているためです。

企業はインターンシップを通じて学生の能力や人柄を見極め、優秀だと判断した学生に対して、特別な選考ルートを用意します。

これが「早期選考」の代表的なパターンです。

インターンシップ参加後、すぐに面談や面接が組まれ、早い場合は年内に内々定が出ることもあります。

また、外資系企業のように、日本の就活ルールに縛られず、独自スケジュールで採用活動を行う企業もこの時期に集中します。

このように、早期選考は特定のきっかけ(インターンシップ参加など)があった学生を対象に、水面下で進められることが多いのが特徴です。

本選考:大学3年の3月~大学4年

一方、本選考は政府が要請し、経団連が定めた採用スケジュールに沿って行われます

具体的には、大学3年生の3月1日に広報活動(会社説明会など)が解禁され、大学4年生の6月1日に採用選考活動(面接など)が解禁されるのが基本的な流れです。

このルールは、学生が学業に専念する時間を確保することを目的としています。

そのため、経団連に加盟している多くの大手企業は、このスケジュールを遵守する形で採用活動を進めます。

3月からエントリーシートの受付が始まり、WEBテスト、複数回の面接、グループディスカッションなどを経て、6月以降に内々定が出始めるのが一般的です。

早期選考が一部の企業や学生を対象としているのに対し、本選考は日本のほとんどの企業と就活生が参加する、いわば「就活の本番」と言えるでしょう。

募集している企業

早期選考:外資系、ベンチャー、一部の大手企業

早期選考を積極的に実施しているのは、主に外資系企業、ベンチャー企業、そして一部の大手企業です。

外資系コンサルティングファームや金融機関は、世界中の優秀な学生を獲得するために、日本の就活ルールとは関係なく早い時期から採用活動を始めます。

また、急成長を続けるベンチャー企業やメガベンチャーは、企業の成長を支える即戦力人材をいち早く確保するため、知名度で劣る分、スピード感のある採用で大手企業に対抗しようとします。

さらに、近年では経団連に加盟している一部の大手企業も、インターンシップ経由などで実質的な早期選考を行っています。

これらの企業に共通するのは、変化への対応力や、自律的に行動できる優秀な人材を強く求めているという点です。

本選考:経団連加盟企業を含む多くの企業

本選考の時期になると、経団連に加盟している日系の伝統的な大手メーカー、金融、商社、インフラ企業など、非常に多くの企業が一斉に採用活動を開始します。

これらの企業は、社会的な影響力やルールの遵守といった観点から、定められたスケジュールに沿って広報活動や選考を進める傾向にあります。

そのため、学生にとっては3月の広報解禁が、幅広い業界・企業を知る絶好の機会となります。

早期選考が一部の企業に限られるのに対し、本選考では多種多様な選択肢の中から自分のキャリアを考えることができるのが大きな特徴です。

特定の業界に絞らず、様々な可能性を検討したいと考えている学生にとっては、この本選考の時期が本格的な就活のスタートラインと言えるでしょう。

選考の目的

早期選考:優秀な学生の早期囲い込み

企業が早期選考を実施する最大の目的は、「優秀な学生を他社に先駆けて確保すること」、つまり「早期囲い込み」です。

特に、論理的思考力が高い学生、リーダーシップを発揮できる学生、あるいは専門的なスキルを持つ学生は、業界を問わずどの企業も欲しがる人材です。

こうした学生は本選考の時期になると、多くの企業からアプローチを受けるため、採用競争が激化します。

そこで企業は、本選考が本格化する前に自社の魅力を伝え、早期に内定を出すことで、優秀な学生を確実に採用しようと狙っているのです。

インターンシップなどを通じて学生の能力をじっくり見極め、「この学生が欲しい」と確信した場合に、特別な選考ルートへ招待するのは、この目的を達成するための最も効果的な手段と言えるでしょう。

本選考:幅広い学生層からの採用

本選考の目的は、早期選考とは対照的に、「幅広い学生層の中から、自社にマッチする人材をできるだけ多く採用すること」にあります。

3月からの広報活動を通じて、自社の事業内容や理念、働きがいなどを多くの学生に知ってもらい、母集団を形成します。

その上で、エントリーシートや筆記試験、複数回の面接を通じて、多様なバックグラウンドや価値観を持つ学生の中から、カルチャーフィットする人材やポテンシャルを秘めた人材を見つけ出そうとします。

早期選考が「少数精鋭の獲得」を目指すものであるならば、本選考は「多様性の確保」と「組織全体の活性化」を目的とした採用活動と言えます。

そのため、部活動やサークル活動、アルバイト、留学など、様々な経験を積んできた学生に門戸が開かれています。

【早期選考と本選考の違い】早期選考におちても本選考に参加できるのか

早期選考に挑戦する上で、多くの就活生が抱く大きな不安の一つが、「もし早期選考に落ちてしまったら、その企業の本選考にはもう参加できないのだろうか?」という点ではないでしょうか。

挑戦してみたい気持ちはあるけれど、一度の失敗で本命企業への道が完全に閉ざされてしまうのであれば、リスクが高すぎると感じてしまいますよね。

この疑問に対する答えは、就活戦略を立てる上で非常に重要です。

結論から言うと、多くの場合は再挑戦が可能ですが、企業によっては参加できないケースも存在します。

ここでは、その原則と例外について詳しく解説していきます。

正しい知識を持つことで、安心して早期選考にチャレンジできるようになりましょう。

早期選考に落ちても原則本選考に参加できる

多くの企業では、早期選考で不合格になったとしても、その後の本選考に再度エントリーすることが可能です。

その理由は、企業側が「学生の成長」に期待しているからです。

例えば、サマーインターンシップの選考時点では準備不足だった学生が、数ヶ月後の本選考の時期には見違えるほど成長している、というケースは珍しくありません。

企業としては、その時点での能力だけで判断するのではなく、その後の成長ポテンシャルも見て採用を決めたいと考えています。

また、早期選考と本選考では、そもそも評価基準が異なる場合もあります。

早期選考では即戦力に近いトップ層を求めているのに対し、本選考ではより幅広い層から自社のカルチャーに合う人材を探している、というように目的が違うため、選考の土俵が別だと考えているのです。

そのため、一度の失敗で諦める必要は全くありません。

企業によっては本選考に参加できない場合も

原則として再応募は可能ですが、一部の企業では「同年度内の再応募は不可」としているケースも存在するため注意が必要です。

特に、採用プロセスが厳格に定められている企業や、通年採用で選考コースが一本化されている企業などで見られます。

このような企業では、インターンシップ選考や早期選考が、実質的に本選考の一部として組み込まれており、一度不合格の判断が下されると、その記録が残り、本選考にエントリーしても自動的に見送られてしまうことがあります。

こうした重要な情報を見逃さないためには、企業の採用サイトにある「よくある質問(FAQ)」のページを必ず確認しましょう。

「再応募は可能ですか?」といった項目があれば、そこに明確な記載があるはずです。

もし記載がない場合は、説明会や座談会の質疑応答の時間に、直接人事担当者に確認してみるのが最も確実な方法です。

【早期選考と本選考の違い】早期選考のメリット

早期選考のメリット
  • 早くに内定を獲得できる安心感
  • 本選考の面接やGDの練習になる
  • 志望度の高さをアピールできる
  • 優秀な学生との繋がりができる

早期選考に挑戦することは、単に早く内定がもらえるというだけでなく、就職活動全体を有利に進めるための様々なメリットをもたらしてくれます。

例えば、精神的な余裕が生まれることで、その後の本選考に落ち着いて臨めたり、選考自体が本番さながらの実践的な練習になったりします。

また、早い時期から行動を起こすことで、企業に対して志望度の高さを効果的にアピールすることも可能です。

さらに、同じように意欲の高い仲間と出会い、情報交換をしたり、互いに高め合ったりする貴重な機会も得られるでしょう。

ここでは、そんな早期選考に挑戦することで得られる具体的なメリットについて、一つひとつ詳しく見ていきましょう。

早くに内定を獲得できる安心感

早期選考を受ける最大のメリットは、何と言っても「早くに内定を獲得できることによる精神的な安心感」です。

多くの学生が不安を抱えながら就職活動を進める中で、早い段階で一つでも内定を持っているという事実は、計り知れないほどの心の余裕に繋がります。

この安心感があれば、「もう後がない」というプレッシャーから解放され、その後の本選考では、よりチャレンジングな姿勢で本当に自分が行きたい企業だけに集中して臨むことができます。

また、精神的に安定することで、面接でも本来の自分を出しやすくなり、結果的にパフォーマンスが向上するという好循環も生まれます。

就職活動は長期戦であり、メンタル面の維持が非常に重要です。

早期に内定という「お守り」を手にすることは、その後の戦いを有利に進めるための大きな武器となるでしょう。

本選考の面接やGDの練習になる

早期選考は、本命企業の選考が本格化する前の「絶好の腕試し」の機会となります。

面接やグループディスカッション(GD)は、どれだけ頭で対策を練っても、実際に場数を踏まなければ上達しないものです。

早期選考に参加することで、本番の緊張感を味わいながら、自分のコミュニケーション能力や立ち振る舞いを客観的に試すことができます。

面接官からどのような質問をされるのか、他の学生がどのような受け答えをするのかを肌で感じる経験は、何よりも貴重な学びとなります。

たとえ早期選考でうまくいかなかったとしても、その失敗経験は必ず本選考に活きてきます。

「面接でうまく話せなかった」「GDで全く発言できなかった」といった反省点を次に繋げることで、本命企業の選考までには、より完成度の高い状態で臨むことができるようになるのです。

志望度の高さをアピールできる

早い時期から企業のインターンシップに参加し、早期選考に臨むという行動そのものが、企業に対する「志望度の高さ」をアピールする強力なメッセージになります。

多くの学生がまだ本格的に動き出していない大学3年生の夏や秋から、特定の企業のために時間と労力を割いているという事実は、人事担当者から見ても非常に熱意のある学生として映ります。

特に、インターンシップでの真摯な取り組みや、その後のOB・OG訪問などを通じて企業理解を深めていれば、「なぜこの会社でなければならないのか」という問いに対して、本選考から参加する学生よりも説得力のある回答ができるはずです。

この「熱意」や「本気度」は、スキルや経験と同じくらい、企業が学生を評価する上で重要な要素。

早期からの行動は、それ自体があなたという人材の価値を高めるアピール材料になるのです。

優秀な学生との繋がりができる

早期選考に参加する学生は、総じて就職活動に対する意識が高く、明確な目標を持って行動している優秀な層が多い傾向にあります。

そうした仲間とインターンシップや選考過程で出会い、繋がりができることは、非常に大きな財産となります。

お互いの就活の進捗状況を共有したり、面接対策の練習をしたり、あるいはエントリーシートを添削し合ったりと、切磋琢磨できる仲間がいる環境は、孤独になりがちな就職活動において大きな支えとなるでしょう。

また、彼らがどのような業界を見ているのか、どのような企業から高い評価を得ているのかといった情報は、自分の視野を広げるきっかけにもなります。

こうした質の高いコミュニティに身を置くことで、自然と自分の基準も引き上げられ、就職活動全体のレベルアップに繋がっていくのです。

【早期選考と本選考の違い】早期選考のデメリットと注意点

早期選考のデメリットと注意点
  • 対策期間が短く、準備が不十分になりがち
  • 学業や研究との両立が難しい
  • 募集人数が少なく、競争率が高い場合がある

早期選考には多くのメリットがある一方で、もちろんデメリットや注意すべき点も存在します。

メリットばかりに目を向けて準備不足のまま臨んでしまうと、かえって時間と労力を無駄にしてしまう可能性も少なくありません。

例えば、本選考に比べて準備期間が圧倒的に短いため、自己分析や企業研究が中途半端な状態で選考に挑むことになりがちです。

また、大学3年生という学業や研究が本格化する時期と重なるため、両立に苦労する学生も多くいます。

さらに、募集人数が少ないために、本選考よりも競争率が高くなるケースも考えられます。

これらのデメリットを事前に理解し、しっかりと対策を立てた上で、早期選考に臨むかどうかを判断することが重要です。

対策期間が短く、準備が不十分になりがち

早期選考の最大のデメリットは、準備期間が非常に短いことです。

大学3年生の夏から選考が始まるとすると、その前の春学期中には自己分析や業界・企業研究、エントリーシートの準備などを終えておく必要があります。

しかし、多くの学生にとってこの時期は、大学の授業やサークル活動、アルバイトなどで忙しく、就活準備に十分な時間を割くのが難しいのが現実です。

その結果、自分自身の強みや価値観を深く理解しないまま、あるいは企業のビジネスモデルや文化を十分に調べないまま、選考に臨んでしまうことになりかねません。

準備不足は面接での受け答えの浅さに繋がり、人事担当者に見抜かれてしまいます。

早期選考に挑戦するならば、他の学生よりも早く、計画的に準備を進めるという強い意志が不可欠です。

学業や研究との両立が難しい

早期選考が本格化する大学3年生の秋から冬にかけては、専門科目の授業やゼミ、研究室での活動が忙しくなる時期と重なります。

特に理系の学生は、研究室に拘束される時間が長く、就職活動との両立に大きな困難を伴うことがあります。

エントリーシートの作成やWEBテストの受検、面接のために授業を欠席せざるを得ない状況も出てくるでしょう。

ここで無理をしてしまうと、就活も学業も中途半半端になってしまい、単位を落としてしまったり、卒業研究に支障をきたしたりするリスクがあります。

早期選考に挑戦する場合は、自分の学業のスケジュールを正確に把握し、無理のない範囲で就活を進める計画性が求められます。

時には、どちらを優先するべきか、冷静な判断を下すことも必要になるでしょう。

募集人数が少なく、競争率が高い場合がある

早期選考は、あくまでも「優秀な学生をピンポイントで採用する」ことを目的としているため、募集人数が本選考に比べて格段に少ないケースがほとんどです。

一方で、早期選考のルートに乗れるのは、インターンシップで高い評価を得た学生や、特定のスキルを持つ学生など、もともとレベルの高い層に限られます。

つまり、「少数の採用枠を、優秀な学生たちで奪い合う」という構図になりやすく、結果として本選考よりも競争率が遥かに高くなる可能性があります。

「早期選考だから受かりやすい」と安易に考えるのは危険です。

むしろ、本選考以上に狭き門であることを覚悟し、入念な準備と高いレベルのアウトプットが求められる選考だと認識しておく必要があります。

【早期選考と本選考の違い】どんな企業が早期選考を実施しているのか

どんな企業が早期選考を実施しているのか
  • 外資系企業(コンサル、金融、メーカーなど)
  • ベンチャー・メガベンチャー企業
  • IT・情報通信業界
  • 一部の経団連加盟大手企業(インターンシップ経由など)

では、具体的にどのような企業が早期選考を積極的に行っているのでしょうか。

先ほども少し触れましたが、その代表格は外資系企業やベンチャー企業です。

これらの企業は、日本の伝統的な就活スケジュールに捉われず、独自の採用戦略で優秀な人材の獲得に動いています。

また、変化の激しいIT・情報通信業界も、技術者の獲得競争が激しいため、早期化の傾向が顕著です。

さらに近年では、これまで本選考が中心だった経団連加盟の大手企業でさえも、インターンシップを実質的な選考の場とし、優秀な学生を早期に囲い込む動きが活発化しています。

ここでは、早期選考を実施している企業群の具体的な特徴と、彼らがなぜ早期に採用活動を行うのか、その理由について詳しく解説していきます。

外資系企業(コンサル、金融、メーカーなど)

外資系企業は、早期選考の代表格と言えます。

特に、戦略コンサルティングファームや投資銀行などの金融機関は、大学3年生の夏に参加したサマーインターンシップが実質的な選考であり、秋から冬にかけて内定が出るというスケジュールが一般的です。

彼らが早期選考を行う理由は、グローバル基準での人材獲得競争を勝ち抜くためです。

世界中のトップクラスの学生を相手に採用活動を行っているため、日本の就活ルールに合わせる必要がなく、最も優秀な人材をいち早く確保するために、早い時期から動き出します。

また、実力主義・成果主義の文化が根付いており、ポテンシャル採用というよりも、現時点での論理的思考力や問題解決能力といった「即戦力」を重視する傾向が強いことも、早期に見極めを行いたいと考える一因です。

ベンチャー・メガベンチャー企業

急成長を続けるベンチャー企業やメガベンチャー企業も、早期選考に積極的です。

これらの企業は、事業の拡大スピードが速く、常に新しい人材を求めています。

かし、伝統的な大手企業と比較すると、学生の間での知名度やブランド力で劣る場合が少なくありません。

そのため、本選考の時期に大手企業と真っ向から勝負するのではなく、学生がまだ特定の企業に志望を固めていない早い段階でアプローチすることで、優秀な人材を確保しようという戦略をとっています。

また、自社のビジョンやミッションに強く共感し、企業の成長に貢献してくれるような、熱意のある学生を求めているため、長期インターンシップなどを通じて学生と密にコミュニケーションを取り、カルチャーフィットを見極めた上で、早期に内定を出すケースが多く見られます。

IT・情報通信業界

IT・情報通信業界も、就活の早期化が非常に進んでいる業界の一つです。

この背景には、エンジニアやデータサイエンティストといった専門職人材の深刻な不足があります。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の波が社会全体に広がる中、IT人材の需要は高まる一方で、供給が追いついていません。

そのため、プログラミングスキルを持つ学生や、情報系の研究で実績のある学生を、他社に取られる前に確保しようと、各社が採用活動を前倒しにしているのです。

特に、専門スキルを評価する採用では、学年に関係なくインターンシップへの参加を認め、実質的な青田買いが行われることも珍しくありません。

技術力の高い学生にとっては、自分のスキルを武器に、早い段階で有利に就職活動を進められるチャンスがある業界と言えるでしょう。

一部の経団連加盟大手企業(インターンシップ経由など)

従来、経団連のルールを遵守してきた日系の大手企業の中にも、近年、実質的な早期選考を行う企業が増加しています。

その最も一般的なルートが、インターンシップです。

多くの大手企業が実施するサマーインターンシップやウィンターインターンシップは、単なる仕事体験の場ではなく、学生の能力や人柄を見極める「選考の場」としての色合いを強めています。

インターンシップ中に高いパフォーマンスを発揮した学生や、グループワークでリーダーシップを発揮した学生に対しては、社員との面談が設定されたり、「早期選考会」への案内が送られたりします。

表向きは大学3年の3月解禁というルールを守りつつも、水面下ではインターンシップを通じて優秀な学生に目星をつけ、本選考が始まる前には事実上の内々定を出す、という流れが一般化しつつあるのです。

【早期選考と本選考の違い】27卒が早期選考を突破するための対策

27卒が早期選考を突破するための対策
  • 大学3年の夏前から自己分析・業界研究を始める
  • サマー・オータムインターンシップに積極的に参加する
  • OB・OG訪問でリアルな情報を集める
  • 逆求人サイトや就活エージェントを活用して情報を逃さない
  • 筆記試験(WEBテスト)対策を早期に進める

ここまで読んで、「自分も早期選考に挑戦してみたい」と感じた27卒の皆さんも多いのではないでしょうか。

早期選考を突破するためには、他の学生よりも一足早く、そして計画的に準備を進めることが何よりも重要です。

周りがまだ本格的に動き出していない時期から、自己分析や業界研究といった基礎固めを始め、インターンシップなどの機会を積極的に活用していく必要があります。

また、情報戦とも言われる就職活動において、有利な情報をいかに効率よく収集するかも鍵となります。

ここでは、27卒の皆さんが早期選考という狭き門を突破するために、今すぐ始めるべき具体的な対策を5つのポイントに絞って解説します。

これらの対策を着実に実行し、ライバルに差をつけましょう。

大学3年の夏前から自己分析・業界研究を始める

早期選考の最初の関門となるサマーインターンシップの選考は、大学3年生の5月~6月頃から始まります。

この選選考を突破するためには、それよりも前の段階、つまり「大学3年の夏前」には自己分析と業界研究をある程度終えておく必要があります。

「自分はどんな人間で、何を成し遂げたいのか」「社会にはどんな業界や仕事があるのか」といった根本的な問いに対する自分なりの答えがなければ、説得力のあるエントリーシートを書くことも、面接で熱意を伝えることもできません。

大学のキャリアセンターを活用したり、自己分析ツールを使ったり、関心のある業界に関する書籍を読んだりすることから始めてみましょう。

この地道な準備が、後のインターンシップ選考や、その先の早期選考本番で大きな差となって表れます。

サマー・オータムインターンシップに積極的に参加する

前述の通り、インターンシップは今や早期選考への最も重要な登竜門となっています。

特に、サマーインターンシップやオータムインターンシップは、多くの企業が優秀な学生を見極める場として活用しています。

したがって、少しでも興味のある企業のインターンシップには、積極的に応募することが不可欠です。

インターンシップに参加することで、企業の雰囲気や仕事内容を肌で感じられるだけでなく、社員の方々と直接話すことで、Webサイトだけでは得られないリアルな情報を得ることができます。

そして何より、そこで高いパフォーマンスを発揮できれば、早期選考ルートへの招待という大きなチャンスを掴むことができるのです。

単に参加するだけでなく、「この学生と一緒に働きたい」と思わせるような積極的な姿勢で臨むことが重要です。

OB・OG訪問でリアルな情報を集める

自己分析や業界研究がある程度進んだら、次はOB・OG訪問で情報の解像度を高めていきましょう。

実際にその企業で働いている先輩社員から聞く話は、何よりもリアルで価値のある情報源です。

仕事の具体的なやりがいや厳しさ、社内の雰囲気、キャリアパスなど、説明会では聞けないような「生の声」を知ることで、企業への理解が深まり、志望動機に厚みが増します。

また、OB・OG訪問を積極的に行う姿勢は、それ自体が志望度の高さのアピールにも繋がります。

大学のキャリアセンターや、ビズリーチ・キャンパスのような専用のサービスを活用して、積極的にアポイントを取りましょう。

訪問前には、企業のIR情報などを読み込み、質の高い質問を用意していくことで、より有意義な時間にすることができます。

逆求人サイトや就活エージェントを活用して情報を逃さない

早期選考に関する情報は、企業の採用サイトで大々的に公開されることは少なく、水面下で進められることがほとんどです。

そのため、自分一人で情報収集をするのには限界があります。

そこで活用したいのが、逆求人サイトや就活エージェントです。

OfferBoxやdodaキャンパスといった逆求人サイトに自分のプロフィールやガクチカ(学生時代に力を入れたこと)を登録しておけば、あなたに興味を持った企業からインターンシップや特別選考のオファーが届くことがあります。

また、就活エージェントに相談すれば、一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえたり、プロの視点からエントリーシートの添削や面接対策のアドバイスをもらえたりします。

これらのサービスをうまく活用し、情報戦を有利に進めましょう。

筆記試験(WEBテスト)対策を早期に進める

多くの企業の選考で、最初の関門として課されるのがSPIや玉手箱といった筆記試験(WEBテスト)です。

どれだけ素晴らしい自己PRや志望動機を持っていても、このWEBテストで基準点に達しなければ、面接に進むことすらできません。

特に早期選考では、限られた時間の中で効率的に選考を進めるため、WEBテストで候補者を絞り込む傾向が強いと言えます。

WEBテストは、問題の形式に慣れ、解き方のパターンを覚えれば、必ずスコアを伸ばすことができます。

逆に言えば、対策を怠ると簡単に足元をすくわれてしまうということです。

市販の対策本を1冊購入し、繰り返し解くなどして、早い段階から対策を進めておきましょう。

大学3年の夏までには、ある程度の問題に対応できるレベルに仕上げておくのが理想です。

【早期選考と本選考の違い】本選考からでも大丈夫!早期選考に落ちた場合の心構え

本選考からでも大丈夫!早期選考に落ちた場合の心構え
  • 早期選考はあくまで「お試し」と捉える
  • 落ちた原因を分析し、本選考に活かす
  • 視野を広げ、新たな業界・企業を探すきっかけにする

ここまで早期選考の重要性について解説してきましたが、「もし早期選考に落ちてしまったら、もう終わりなのだろうか…」と不安に感じた人もいるかもしれません。

しかし、結論から言えば、全くそんなことはありません。

むしろ、早期選考での失敗は、本選考を成功させるための貴重な糧となり得ます。

就職活動の本番は、あくまでも多くの企業が採用活動を行う本選考です。

早期選考は、その本番に向けた予行演習であり、自分に足りないものを見つけるための絶好の機会と捉えることが大切です。

ここでは、万が一、早期選考がうまくいかなかった場合に、どのように気持ちを切り替え、その経験を次に活かしていくべきか、その心構えについてお伝えします。

早期選考はあくまで「お試し」と捉える

早期選考に落ちてしまうと、人格を否定されたような気持ちになり、自信を失ってしまうかもしれません。

しかし、それは大きな間違いです。

早期選考は、募集人数も少なく、企業側も非常に高い基準で学生を見ているため、通過できないことの方が当たり前だと考えましょう。

大切なのは、この選考を「本番に向けた貴重な実践練習の機会」と捉えることです。

面接の緊張感を味わえたこと、自分の準備不足な点が明確になったことなど、参加したからこそ得られた収穫があったはずです。

過度に落ち込むのではなく、「本命の企業じゃなくてよかった」「本選考までに課題が見つかってラッキーだった」と前向きに捉え、気持ちを切り替えて次の準備に取り掛かることが何よりも重要です。

落ちた原因を分析し、本選考に活かす

ただ落ち込んで終わりにするのではなく、必ず「なぜ落ちたのか」を冷静に分析し、次に活かすための具体的なアクションプランを立てましょう。

エントリーシートの内容が浅かったのか、WEBテストの対策が不足していたのか、面接でうまく話せなかったのか。

もし面接で落ちたのであれば、「どの質問にうまく答えられなかったか」「表情や話し方に問題はなかったか」など、できるだけ具体的に振り返ることが大切です。

友人や大学のキャリアセンターの職員に相談し、客観的な意見をもらうのも良いでしょう。

失敗の原因を特定し、それを克服するための努力を重ねることで、あなたは着実に成長できます。

早期選考での失敗は、あなたをより強くし、本選考での成功確率を高めるための最高の教材なのです。

視野を広げ、新たな業界・企業を探すきっかけにする

一つの企業や業界の早期選考に落ちたことをきっかけに、改めて自分の視野を広げてみるのも良い方法です。

もしかしたら、その企業や業界は、あなたが思っていたほど自分には合っていなかったのかもしれません。

「なぜ自分はこの業界を志望していたのだろう?」と原点に立ち返って考え直したり、これまで全く見てこなかった他の業界について調べてみたりすることで、新たな興味や可能性を発見できることがあります。

早期選考での経験を通じて、「自分はチームで何かを成し遂げる方が好きだ」「もっと裁量権のある環境で働きたい」といった、新たな自己理解に繋がることもあるでしょう。

失敗を、より自分にマッチした企業を見つけるためのポジティブな転換点と捉え、柔軟な視点で就職活動を進めていきましょう。

まとめ

今回は、早期選考と本選考の違いをテーマに、それぞれの特徴から具体的な対策、そして早期選考に落ちた場合の心構えまで、幅広く解説してきました。

早期選考は、早く内定を得られる安心感や本選考の練習になるといったメリットがある一方で、準備期間が短く、学業との両立が難しいといったデメリットも存在します。

重要なのは、これらの違いを正しく理解した上で、自分自身の状況や目標に合わせて、就職活動の戦略を立てることです。

早期選考に挑戦するもしないも、あなた次第の選択です。

挑戦すると決めたなら、周りよりも早く、計画的に準備を進める覚悟が必要です。

もし挑戦しない、あるいはうまくいかなかったとしても、全く悲観する必要はありません。

就職活動の本番は、あくまでも本選考です。

この記事が、あなたの就職活動の羅針盤となり、納得のいくキャリアを築くための一助となれば幸いです。

皆さんの就職活動が実りあるものになるよう、心から応援しています!

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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