ゲーム業界と聞くと、「好き」を仕事にできる華やかな世界をイメージする就活生も多いのではないでしょうか。
実際に、世界中の人々を夢中にさせるエンターテイメントを生み出す、非常にやりがいのある業界です。
しかし、その分、就職活動の難易度が高いのも事実。
特にゲーム会社のインターンシップは、本選考への足がかりとなるだけでなく、業界のリアルを知る絶好のチャンスとして、毎年多くの学生から絶大な人気を集めています。
ただ、人気が高いからこそ、「どんな準備をすればいいの?」「専門スキルがないと無理?」といった不安や疑問も尽きません。
この記事では、そんなゲーム会社のインターンシップについて、その実態から募集職種、選考突破のポイントまで、就活アドバイザーの視点から徹底的に解説していきます。
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【ゲーム会社のインターンシップ】ゲーム会社とは
皆さんが普段楽しんでいるゲーム。
それらを生み出し、世に送り出しているのがゲーム会社です。
しかし、一口にゲーム会社と言っても、その内実はさまざまです。
「スーパーマリオ」や「ファイナルファンタジー」のような、家庭用ゲーム機(コンシューマーゲーム)のソフトを開発・販売する大手企業もあれば、スマートフォンのアプリゲームをメインに手掛ける企業、あるいは特定のゲーム開発工程(例えば、CG制作やサウンド制作)だけを専門に請け負う企業もあります。
共通しているのは、ゲームというデジタルコンテンツを通じて、ユーザーに「面白い」「楽しい」という体験を提供するエンターテイメント企業であるということです。
単にゲームを作るだけでなく、それをどうやって多くの人に届け、利益を生み出すかというビジネスの側面も非常に重要です。
インターンシップでは、そうした「好き」を「仕事」にするための仕組みや、プロフェッショナルな現場の空気を肌で感じることができるでしょう。
【ゲーム会社のインターンシップ】インターンシップを募集している職種
ゲーム会社のインターンシップは、総合職として幅広く募集するケースもありますが、多くの場合、専門的な職種別に募集がかかるのが大きな特徴です。
これは、ゲーム開発が非常に専門分化されたスキルを持つプロフェッショナルたちの共同作業によって成り立っているためです。
例えば、ゲームの世界を創り出すエンジニア(プログラマー)、ゲームの面白さの根幹を設計するプランナー、そしてゲームのビジュアルを形にするデザイナーなどが代表的です。
インターンシップの段階から、自分がどの分野で強みを発揮したいのかを明確にしておく必要があります。
募集要項をよく確認し、自分が学んできたことや、これから伸ばしたいスキルと照らし合わせてみましょう。
専門職のインターンシップは、即戦力としてのポテンシャルを試される場でもありますが、同時に、学生にとっては自分のスキルが実際の現場でどこまで通用するのかを知る貴重な機会となります。
エンジニア(プログラマー)
エンジニア職、いわゆるプログラマーは、ゲーム開発の根幹を担う職種です。
プランナーが考えた仕様やデザイナーが作成した素材を、実際にコンピューター上で動く「ゲーム」という形に組み上げていきます。
インターンシップでは、C++やC#、Unityといったゲーム開発で実際に使われる言語やツールを用いて、特定の機能を実装したり、簡単なゲームを制作したりといった課題に取り組むことが多いです。
社員からのコードレビュー(プログラムのチェック)を通じて、学校では学べない実践的なプログラミング技術や、チームで開発を進めるためのノウハウを学ぶことができます。
応募時には、これまでに自分で制作したゲームやプログラムなどのポートフォリオ(作品集)の提出を求められることがほとんどです。
技術的なスキルの高さはもちろん、新しい技術を学ぶ意欲や、論理的に物事を考える力も重視されるため、自分の強みをしっかりとアピールできるように準備しておきましょう。
プランナー(企画職)
プランナーは、ゲームの「面白さ」を設計する職種です。
「どんなゲームを作れば売れるか」「どうすればユーザーが夢中になってくれるか」を考え、ゲームのルールやストーリー、キャラクター設定といった仕様書を作成するのが主な仕事です。
インターンシップでは、グループワーク形式で「新しいゲームの企画を立案し、最終的にプレゼンテーションする」といった課題が出されることが多く見られます。
この職種は、エンジニアやデザイナーとは異なり、応募段階で特定の専門スキルを必須としない場合もありますが、その分、「なぜ面白いのか」を論理的に説明できる思考力や、多様なアイデアを生み出す発想力が問われます。
また、チームメンバーや社員と円滑に議論を進めるためのコミュニケーション能力も不可欠です。
日頃から多くのゲームをプレイし、「自分ならこうする」といった分析を習慣づけておくと、企画立案の際に大いに役立つはずです。
デザイナー
デザイナーは、ゲームの世界観やキャラクター、UI(ユーザーインターフェース:メニュー画面など)といった、ゲームのビジュアル面全般を制作する職種です。
2Dデザイナー(イラスト制作)、3Dデザイナー(モデリング)、UI/UXデザイナーなど、社内でもさらに専門分野が分かれていることが多いです。
インターンシップでは、テーマに沿ったキャラクターデザインの作成や、3Dモデリングソフトを使った制作体験など、実際の開発ツールに触れながら課題に取り組むプログラムが一般的です。
この職種もエンジニアと同様に、応募時にはポートフォリオの提出がほぼ必須となります。
デッサンスキルやデザインソフト(Photoshop、Mayaなど)の操作スキルはもちろんですが、作品の「意図」を明確に説明できることも重要です。
なぜこのデザインにしたのか、どういったユーザー体験を意図したのかを、自分の言葉で伝えられるようにしておきましょう。
【ゲーム会社のインターンシップ】ゲーム会社のインターンシップの時期
ゲーム会社のインターンシップの時期は、他の業界と同様に、特定のシーズンに集中する傾向がありますが、その中でも特に注意すべき点があります。
まず、インターンシップ情報が公開され、エントリー(応募)が始まる「募集期間」と、実際にインターンシップが開催される「開催期間」は異なるということを押さえておきましょう。
ゲーム業界は、特に大手企業を中心に、優秀な学生を早期に確保したいという意図が強いため、募集開始時期が年々早まっている傾向にあります。
大学3年生(修士1年生)の春から夏にかけて募集が始まり、夏休みに開催される「サマーインターン」が最初の大きなチャンスとなります。
その後、秋から冬にかけて募集・開催される「ウィンターインターン」もあります。
人気のインターンシップはすぐに募集が締め切られてしまうため、志望する企業の動向は常にチェックしておく必要があります。
募集期間
ゲーム会社のインターンシップ募集期間は、大きく分けて2つのピークがあります。
一つ目は「サマーインターン」の募集で、大学3年生(修士1年生)の4月下旬から6月頃に情報が公開され、選考が行われます。
特に専門職のインターンシップは準備に時間がかかるため、この時期の動き出しが非常に重要です。
二つ目は「ウィンターインターン」の募集で、こちらは10月から12月頃が中心となります。
ただし、企業によっては通年で募集していたり、サマーインターンの選考に漏れた学生向けに再度チャンスが設けられたりすることもあります。
大手企業や人気企業ほど、募集開始から締め切りまでの期間が短い傾向にあるため、アンテナを高く張っておくことが不可欠です。
就活情報サイトや企業の採用ページをこまめに確認し、エントリーシートの準備やポートフォリオのブラッシュアップを早め早めに進めておきましょう。
開催期間
インターンシップの開催期間は、プログラムの内容によって大きく異なります。
最も多いのは、大学の長期休暇期間を利用したもので、8月から9月にかけての「サマーインターン」と、12月から2月にかけての「ウィンターインターン」です。
期間の長さも様々で、1日で完結する「1dayインターンシップ」から、数日間、1〜2週間、長いものでは1ヶ月以上に及ぶものもあります。
1dayインターンシップは、業界説明や簡単なグループワークが中心で、業界研究の第一歩として最適です。
一方、数週間以上の長期インターンシップは、実際の開発現場に近い環境で、社員の指導を受けながら具体的な課題に取り組む内容が多く、スキルアップや深い企業理解に直結します。
自分のスケジュールや目的に合わせて、どの期間のどのプログラムに参加するかを戦略的に選ぶことが重要です。
【ゲーム会社のインターンシップ】ゲーム会社のインターンシップの内容
ゲーム会社のインターンシップと一口に言っても、その内容は企業や職種、期間によって千差万別です。
大きく分けると、実際のゲーム開発に近い作業を体験する「開発体験型」、新しいゲームのアイデアを練り上げる「企画立案型」、そして業界や企業、技術に関する知識を深める「講義・セミナー型」などがあります。
特にエンジニアやデザイナーなどの専門職向けインターンシップでは、プロの現場で使われているツールや開発環境に触れながら、社員から直接フィードバックをもらえる貴重な機会となることが多いです。
また、プランナー職向けでは、チームを組んでアイデアを出し合い、最終的に役員や現場のプロデューサーに向けてプレゼンテーションを行うなど、実践的なスキルが試される場となります。
どのプログラムに参加するにしても、「学生気分」を捨て、プロの仕事現場に足を踏み入れるという意識を持って臨むことが大切です。
開発体験型
開発体験型のインターンシップは、特にエンジニア職やデザイナー職を志望する学生にとって、最も実践的な学びの場となります。
この形式では、参加者がチームを組んで、決められた期間内(例えば、1週間や2週間)に一つの簡単なゲームや、特定の機能(例えば、キャラクターの動作やUI画面)を実際に開発する課題が与えられます。
現場で活躍する社員がメンター(指導役)としてつき、日々の進捗管理や技術的なアドバイス、さらにはプロの現場で行われているようなレビュー(評価・フィードバック)を行ってくれます。
学校での制作との大きな違いは、チームメンバーと協力して開発を進める「チーム開発」の難しさと面白さを体感できる点です。
自分のスキルが現場でどれだけ通用するのかを試せるだけでなく、社員からの具体的なフィードバックを通じて、短期間で飛躍的にスキルアップできる可能性を秘めています。
企画立案型
企画立案型のインターンシップは、主にプランナー職を志望する学生向けに開催されます。
「新しいスマートフォンゲームの企画を立案せよ」といったテーマが与えられ、数名のグループでディスカッションを重ねながら、企画書を作成し、最終日には社員や役員の前でプレゼンテーションを行います。
このタイプのインターンシップで重視されるのは、単に奇抜なアイデアを出すことではありません。
「なぜそのゲームが今、売れると思うのか」という市場分析や、「ターゲットユーザーは誰か」「どのような点が面白いのか」といった企画の根拠を論理的に説明できるかどうかが厳しく評価されます。
社員からのフィードバックでは、アイデアの面白さだけでなく、ビジネスとしての実現可能性や収益性といった、プロならではの視点から鋭い指摘が入ることもあります。
ゲームの「面白さ」を構造的に分析し、言葉で伝える訓練として非常に有効です。
講義・セミナー型
講義・セミナー型のインターンシップは、1dayや半日といった短期間で開催されることが多く、業界研究や企業研究の入り口として最適です。
内容は、ゲーム業界の最新動向や、その企業が持つ独自の技術、ゲーム開発の基本的な流れ(フロー)についての講義が中心となります。
また、現場で働く若手社員やベテランのクリエイターが登壇し、キャリアパスや仕事のやりがいについて語るパネルディスカッションや座談会が設けられることもあります。
開発体験型や企画立案型と比べると、直接的なスキルアップには繋がりにくいかもしれませんが、ゲーム業界で働くことの具体的なイメージを掴んだり、その企業の社風を感じ取ったりするには絶好の機会です。
複数の企業のセミナーに参加することで、各社の強みや特徴を比較検討することもできるでしょう。
【ゲーム会社のインターンシップ】ゲーム会社のインターンシップが人気な理由
ゲーム会社のインターンシップがこれほどまでに高い人気を誇るのには、明確な理由があります。
まず第一に、多くの就活生にとってゲームが身近なエンターテイメントであり、「好き」を仕事にしたいという純粋な憧れが強いことが挙げられます。
自分が子供の頃から夢中になってきたゲームを開発した企業で働けるかもしれない、という期待感は、他の業界にはない強い動機付けとなるでしょう。
また、ゲーム開発は、プログラミングやデザイン、シナリオライティングなど、学生時代に培った専門スキルを直接活かせる分野が非常に多いことも、人気の理由の一つです。
さらに、インターンシップでの活躍が、後の本選考で有利に働くのではないかという期待感も、倍率を押し上げる大きな要因となっています。
これらの理由から、ゲーム会社のインターンシップは、毎年激しい競争が繰り広げられる「狭き門」となっているのです。
憧れの業界・企業で働けるチャンス
ゲーム業界は、多くの学生にとって「憧れの場所」です。
物心ついた頃から親しんできたゲーム、寝食を忘れて没頭したゲーム。
そうした感動的な体験を生み出した企業で、今度は自分が創り手として関われるかもしれない、という期待は非常に大きな魅力です。
特に、任天堂やソニー、スクウェア・エニックスといった世界的に有名なタイトルを持つ大手企業は、そのブランド力も相まって、圧倒的な人気を集めています。
インターンシップは、そうした憧れの企業のオフィスに足を踏み入れ、実際に働く社員の姿を間近で見ることができる数少ない機会です。
「好き」という熱意が、他の業界を志望する学生よりも強い傾向にあるため、インターンシップへの応募も自然と多くなります。
この「憧れ」こそが、高い倍率を生み出す最も大きな原動力と言えるでしょう。
専門スキルが活かせる・学べる
ゲーム開発は、専門技術の結晶です。
エンジニアであればプログラミング能力、デザイナーであればデッサン力やCG制作スキル、プランナーであれば論理的思考力や企画力が求められます。
大学や専門学校でこうした専門スキルを学んできた学生にとって、ゲーム会社のインターンシップは、自分の力を試す絶好の腕試しの場となります。
学校の課題とは異なり、企業のインターンシップでは、製品レベルのクオリティや、チームでの共同作業が求められます。
プロの社員から直接フィードバックをもらうことで、自分に足りない部分や、さらに伸ばすべき強みが明確になります。
スキルを活かせるだけでなく、最先端の技術やノウハウを吸収し、短期間で大きく成長できる環境が整っていることも、意識の高い学生たちを引きつける大きな理由です。
本選考への優遇・直結の可能性
多くの学生がインターンシップに参加する動機の一つに、「本選考への優遇」があります。
ゲーム会社においても、この傾向は顕著です。
企業側も、インターンシップを通じて優秀な学生を早期に見極め、囲い込みたいという狙いがあります。
インターンシップでの評価が高ければ、本選考の一部(例えば、一次面接や二次面接)が免除されたり、一般の選考とは別枠の「早期選考ルート」に案内されたりするケースが少なくありません。
特に、数週間にわたる長期のインターンシップでは、参加者のスキルや仕事への取り組み方をじっくりと評価できるため、内定に直結する可能性も高まります。
こうした「選考ショートカット」への期待が、ただでさえ高いゲーム会社の人気に拍車をかけており、インターンシップの選考自体が本選考さながらの厳しいものとなっています。
【ゲーム会社のインターンシップ】ゲーム会社のインターンシップの特徴
ゲーム会社のインターンシップには、他の業界とは異なるいくつかの際立った特徴があります。
これらを事前に理解しておくことは、準備を進める上で非常に重要です。
まず最も顕著なのが、先にも述べた通り「職種別採用」が基本であることです。
総合職採用が中心の業界とは異なり、エンジニア、デザイナー、プランナーなど、入社後の配属を前提とした専門職としての募集がほとんどです。
二つ目に、その人気ゆえの「競争率の高さ」が挙げられます。
特に大手企業の人気職種では、倍率が100倍を超えることも珍しくありません。
そして三つ目に、特にクリエイティブ職やエンジニア職においては、「ポートフォリオ(作品集)の提出が必須」であることが多い点です。
これらの特徴を理解し、それぞれに特化した対策を講じることが、狭き門を突破するための鍵となります。
専門性が非常に高い
ゲーム会社のインターンシップは、その多くが高度な専門性を要求します。
例えばエンジニア職であれば、単に「プログラミングを学びました」というレベルではなく、「C++を使ってこのようなゲームを制作しました」という具体的な成果物が求められます。
デザイナー職であれば、デッサン力はもちろん、PhotoshopやMayaといった専門ツールを使いこなせるスキルが前提となることもあります。
これは、インターンシップが「お試し」の場であると同時に、即戦力となり得るポテンシャルを見極める選考の場でもあるからです。
プランナー職であっても、ゲームに対する深い洞察力や、企画を論理的に構築する能力が問われます。
自分の希望する職種で、どのような専門性が求められているのかを正確に把握し、学生時代から意識的にスキルを磨いておく必要があります。
倍率が非常に高い
ゲーム業界のインターンシップは、その華やかなイメージと「好き」を仕事にできるという魅力から、文系・理系を問わず毎年非常に多くの学生が応募します。
特に、誰もが知る有名タイトルを持つ大手企業や、急成長中の人気企業には応募が殺到します。
その結果、インターンシップの選考倍率は、他の業界と比較しても群を抜いて高くなる傾向があります。
サマーインターンの段階で、本選考の最終面接と変わらないほど厳しい選考が課されることも珍しくありません。
「インターンだから」という甘い考えは通用しないと心得るべきです。
エントリーシートの段階から高いレベルの志望動機が求められ、面接やグループディスカッションでも、他の優秀な学生たちとの競争を勝ち抜かなければなりません。
この高い倍率を突破するためには、徹底した自己分析と企業研究が不可欠です。
ポートフォリオ提出必須の場合が多い
エンジニア職やデザイナー職を志望する場合、ポートフォリオ(作品集)の提出が必須となるケースがほとんどです。
これは、企業側が応募者の「現在のスキルレベル」を客観的に判断するための最も重要な資料となるからです。
どれだけ熱意を言葉で伝えても、実際の成果物(=ポートフォリオ)のクオリティが低ければ、選考を通過することは困難です。
エンジニアであれば、自分で開発したゲームやツール、GitHubのアカウントなどが該当します。
デザイナーであれば、デッサンやイラスト、3Dモデル、UIデザインなどをまとめた作品集が必要です。
ポートフォリオは一朝一夕には作れません。
大学1、2年生の早い段階から制作を始め、継続的にブラッシュアップしていく努力が求められます。
質の高いポートフォリオは、あなたのスキルと熱意を証明する最強の武器となります。
【ゲーム会社のインターンシップ】ゲーム会社でインターンシップに参加するメリット
競争率が高く、準備も大変なゲーム会社のインターンシップですが、それに見合うだけの大きなメリットがあります。
単に「参加した」という実績作り以上の、貴重な経験を得られるはずです。
最大のメリットは、憧れのゲーム業界の「リアル」を肌で感じられることでしょう。
華やかなイメージの裏にある、地道な開発作業や厳しいスケジュールの実態を知ることで、自分が本当にこの業界で働き続けたいのかを見極めることができます。
また、プロの現場で社員から直接フィードバックをもらえる環境は、自身のスキルを飛躍的に高めるチャンスです。
さらに、インターンシップでの評価が、その後の本選考に有利に働く可能性も大いにあります。
これらのメリットを最大限に享受するためにも、目的意識を持ってインターンシップに臨むことが重要です。
現場のリアルを知れる
インターンシップに参加する最大のメリットは、企業の「中」に入り、現場のリアルな空気を体験できることです。
普段、私たちが目にするのは完成された華やかなゲームですが、その裏側には、無数の試行錯誤や地道な修正作業、厳しい納期との戦いがあります。
インターンシップでは、社員の方々がどのような表情で、どのような議論を交わしながら仕事を進めているのかを間近で見ることができます。
また、ゲーム開発の難しさや厳しさだけでなく、チームで一つのものを作り上げる喜びや、自分のアイデアが形になる瞬間の感動も味わえるかもしれません。
インターネットや説明会では決して得られない生の情報に触れることで、入社後の「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを防ぎ、自分がこの業界で働く覚悟があるのかを確かめることができます。
スキルアップ・実績になる
特に専門職のインターンシップでは、プロのクリエイターやエンジニアから直接指導を受けられるため、短期間で集中的にスキルアップを図ることができます。
学校では「動けばOK」だったプログラムも、現場では「効率」や「保守性(後から修正しやすいか)」といったプロの基準で評価されます。
社員からの具体的なフィードバックは、自分では気づけなかった弱点や、伸ばすべき長所を明確にしてくれます。
また、インターンシップで制作した成果物は、許可を得られれば、自身のポートフォリオに「実績」として追加することができます。
企業での開発経験があるという事実は、その後の就職活動において、他の学生と差別化できる大きな強みとなるでしょう。
スキルアップと実績作りの両方を同時に実現できる、非常に効率的な機会と言えます。
早期選考につながる可能性
企業側にとって、インターンシップは「優秀な学生を早期に発掘し、自社に惹きつける」ための重要な採用活動の一環です。
特に数週間以上にわたる長期のインターンシップでは、参加者のスキルだけでなく、チームでの協調性や仕事への取り組み姿勢といった「人柄」や「ポテンシャル」もじっくりと評価されます。
インターンシップ中に高いパフォーマンスを発揮し、「この学生と一緒に働きたい」と社員に認められれば、本選考が一部免除されたり、一般とは異なる「早期選考ルート」に招待されたりする可能性が非常に高くなります。
内定に直結するケースも珍しくなく、就職活動を有利に進める上で大きなアドバンテージとなります。
もちろん、選考に直結することだけが目的ではありませんが、自分の実力をアピールする絶好のチャンスであることは間違いありません。
【ゲーム会社のインターンシップ】ゲーム会社でインターンシップを実施している企業(25年6月時点)
現在、多くのゲーム会社が新卒学生向けにインターンシップを実施しています。
特に大手企業は、サマーインターンやウィンターインターンとして、充実したプログラムを提供していることが多いです。
例えば、家庭用ゲーム機からスマートフォンゲームまで幅広く手掛ける「バンダイナムコエンターテインメント」や、技術力の高さを強みとする「Cygames」、そして世界的な人気コンテンツを持つ「任天堂」などが、毎年多くの学生から注目を集めています。
ただし、募集時期やプログラム内容は年によって変動しますし、ここで挙げた以外にも魅力的なインターンシップを実施している企業は無数にあります。
大切なのは、有名企業だからという理由だけで選ぶのではなく、自分の学びたいことやキャリアプランに合ったインターンシップを見つけることです。
企業の採用ページや就活情報サイトをこまめにチェックし、最新の情報を逃さないようにしましょう。
(※情報は25年6月時点のものであり、年度によって変更される可能性があります)
任天堂
任天堂は、「スーパーマリオ」や「ゼルダの伝説」など、世界中で愛されるゲームやゲーム機を生み出している企業です。
インターンシップは、エンジニア職やデザイナー職を中心に、非常に高い専門性が求められる内容で知られています。
例えば、実際のゲーム開発環境に近い状況で、提示された課題に対して技術的なアプローチを試みるようなプログラムが組まれることがあります。
また、デザイナー職では、任天堂が大切にする「独創性」や「遊び心」といった価値観に触れながら、制作に取り組むことが求められるでしょう。
インターンシップの選考自体が非常に難関ですが、世界トップクラスのエンターテイメント企業のものづくりに触れられる機会は、他では得難い貴重な経験となるはずです。
Cygames
「グランブルーファンタジー」や「ウマ娘 プリティーダービー」など、主にスマートフォンゲームの分野で大ヒット作を連発しているのがCygamesです。
「最高のコンテンツを作る」というビジョンのもと、特に技術力やグラフィックのクオリティに徹底的にこだわっていることで知られています。
インターンシップも、エンジニア、デザイナー、プランナーといった職種別に、非常に実践的かつ高レベルなプログラムが用意されています。
例えば、エンジニア向けには、同社の開発基盤に触れながら課題に取り組むコースが設定されるなど、最先端の技術を学ぶことができます。
社員からのフィードバックも手厚いと評判で、本気でスキルアップを目指す学生にとっては、非常に密度の濃い時間を過ごせるインターンシップと言えるでしょう。
バンダイナムコエンターテインメント
バンダイナムコエンターテインメントは、「機動戦士ガンダム」や「テイルズ オブ」シリーズなど、自社IP(知的財産)から他社IPまで、非常に幅広いジャンルのゲームを手掛ける総合エンターテイメント企業です。
インターンシップも多岐にわたり、ゲーム開発職(エンジニア、デザイナー、プランナー)はもちろんのこと、ビジネス職(プロデューサー、マーケティングなど)のプログラムも用意されているのが特徴です。
多様な事業展開をしているため、ゲーム単体だけでなく、アニメやおもちゃ、イベントなどと連動した「エンターテイメントビジネス」の仕組みを学ぶことができます。
企画立案型のグループワークでは、ビジネス的な視点や、多様なIPをどう活かすかといった、同社ならではの視点が求められることが多いです。
【ゲーム会社のインターンシップ】ゲーム会社のインターンに合格するためのポイント
これまで見てきたように、ゲーム会社のインターンシップは非常に人気が高く、選考を突破するのは簡単ではありません。
しかし、適切な準備と対策を講じれば、合格の可能性は確実に高まります。
「なぜゲーム業界なのか」「なぜ他社ではなく、その会社でなければならないのか」という志望動機の明確化は、あらゆる選考の土台となります。
また、エンジニア職やデザイナー職であれば、自分のスキルを証明するポートフォリオの質が合否を分けると言っても過言ではありません。
そして、プランナー職も含め、応募する企業が過去にどのようなゲームを開発し、どのような強みを持っているのかを深く理解する「企業研究」も不可欠です。
これらのポイントを一つひとつ丁寧に押さえていくことが、憧れの企業への扉を開く鍵となります。
志望動機を明確にする
「ゲームが好きだから」という理由だけでは、数多くの応募者の中に埋もれてしまいます。
面接官が知りたいのは、「なぜあなたはゲームを“作る側”になりたいのか」という点です。
例えば、「あのゲームのこういうシステムに感動し、自分もユーザーの心を動かす体験を作りたいと思った」というように、具体的な原体験と結びつけて語ることが重要です。
さらに、「数あるゲーム会社の中で、なぜウチ(応募先企業)なのか」を明確に答えられなければなりません。
その企業の「企業理念」や「作っているゲームの特色」に共感する点を見つけ、「自分のこの強みを、御社のこういう部分で活かしたい」と論理的に説明できるように準備しましょう。
この志望動機の深掘りが、エントリーシートや面接での説得力を大きく左右します。
ポートフォリオの質を高める
エンジニア職やデザイナー職において、ポートフォリオはあなたの「履歴書」であり「実力の証明書」です。
ポートフォリオの出来栄えが、書類選考の通過率に直結します。
単に作品を並べるだけでなく、「何を意図してこの作品を作ったのか」「どの部分で苦労し、どう乗り越えたのか」といった制作意図やプロセスを説明する文章を添えることが重要です。
また、企業の採用ページなどで、その企業がどのような人材やスキルを求めているかを研究し、それに合致するような作品をポートフォリオに含める工夫も有効です。
完成度を高めることはもちろん大事ですが、自分の「伸びしろ」や「学習意欲」が伝わるように構成することも意識しましょう。
早めに準備を始め、可能であれば大学の先生や先輩、キャリアセンターなどでフィードバックをもらい、何度もブラッシュアップを重ねてください。
企業研究・ゲーム研究
志望動機を深掘りするためにも、徹底した企業研究とゲーム研究が欠かせません。
その企業がこれまでにどのようなゲームを世に送り出してきたのか、その歴史や代表作を調べるのは基本中の基本です。
さらに一歩進んで、実際にその企業のゲームをプレイし、「このゲームの強みは何か」「他のゲームと比べてどこが優れているか」を自分なりに分析してみましょう。
プランナー志望であれば、「自分ならここをこう改善する」といった改善案まで考えておくと、面接で非常に強力なアピールになります。
企業のIR情報(投資家向け情報)を読み解き、現在どの事業に力を入れているのか、今後の経営戦略はどうなっているのか、といったビジネス面での理解を深めておくことも、他の就活生と差をつけるポイントになります。
【ゲーム会社のインターンシップ】ゲーム会社のインターンシップに関するよくある質問
ここまでゲーム会社のインターンシップについて詳しく解説してきましたが、まだ細かな疑問や不安が残っている人もいるでしょう。
例えば、「ゲームは好きだけど、専門スキルと呼べるものがない」「プログラミングもデザインも未経験だけど、参加できるインターンはある?」「ゲームが好きじゃないと、そもそも選考で不利になる?」といった質問は、就活アドバイザーとして毎年多くの学生から受けます。
こうした疑問は、業界の特性や企業の求める人物像を正しく理解することで解消できる場合がほとんどです。
ここでは、そうした就活生が抱きがちな典型的な質問をいくつかピックアップし、具体的にお答えしていきます。
最後の不安を解消し、自信を持って一歩を踏み出しましょう。
ゲームが好きじゃないとダメ?
結論から言うと、「好きであること」は大きな強みになりますが、必須条件ではありません。
ただし、「全く興味がない」という場合は難しいでしょう。
面接官は、「なぜゲーム業界を選んだのか」という問いを通じて、あなたの熱意を見ています。
ゲームが好きであれば、その熱意を具体的なエピソードで語りやすいのは事実です。
しかし、それ以上に重要なのは、ゲームを「エンターテイメント・ビジネス」として捉え、「どうすればユーザーに楽しんでもらえるか」「どうすれば利益を生み出せるか」を考えられる視点です。
例えば、「ゲームというメディアが持つ、人と人をつなぐ可能性に魅力を感じた」というように、ビジネスやテクノロジーとしての側面から志望動機を構築することも可能です。
むしろ、単なる「ゲームファン」目線を超えた、客観的な分析ができる人材を求めている企業も多いのです。
専門スキルがないと参加できない?
エンジニア職やデザイナー職の多くは、ポートフォリオの提出が必須であり、一定レベルの専門スキルが前提となることが多いです。
しかし、すべてのインターンシップがそうではありません。
例えば「プランナー職」や「ビジネス職(総合職)」のインターンシップでは、現時点での専門スキルよりも、論理的思考力や発想力、コミュニケーション能力といったポテンシャルが重視される傾向があります。
企画立案型のグループワークなどでは、多様な視点が必要とされるため、必ずしもゲーム開発経験者ばかりが集まるわけではありません。
募集要項の「応募資格」をよく確認し、「学部学科不問」「未経験者歓迎」といった記載があるかを見てみましょう。
スキルに自信がなくても、ゲーム業界への熱意と自分の強みを論理的に説明できれば、道は開けます。
服装はどうすればいい?
ゲーム会社のインターンシップでは、「私服でお越しください」と指定されるケースが非常に多いのが特徴です。
これは、ゲーム業界全体に、比較的自由でカジュアルな社風が根付いているためです。
しかし、「私服=何でも良い」というわけではありません。
企業の雰囲気が分からないうちは、Tシャツやジーンズといったラフすぎる服装は避け、いわゆる「オフィスカジュアル」(襟付きのシャツやブラウス、チノパンや奇抜すぎないスカートなど)を心掛けるのが無難です。
特に、最終日にプレゼンテーションが予定されている場合などは、清潔感を第一に、相手に失礼のない服装を選ぶのが社会人としてのマナーです。
もちろん、「スーツ指定」がある場合は、それに従ってください。
服装で悩んだら、キャリアセンターや、同じ企業を受けた先輩に相談してみるのも良いでしょう。
【ゲーム会社のインターンシップ】まとめ
この記事では、新卒就活生に向けて、ゲーム会社のインターンシップの実態から選考突破のポイントまでを詳しく解説してきました。
ゲーム業界のインターンシップは、専門性が高く、競争率も非常に厳しい「狭き門」です。
しかし、綿密な企業研究と質の高いポートフォリオ準備、そして何よりも「ゲームを創る側になりたい」という明確な志望動機があれば、必ず道は拓けます。
インターンシップは、憧れの業界のリアルを知り、自身のスキルを飛躍させ、さらには本選考への切符を掴むための絶好のチャンスです。
この記事で得た知識を武器に、自信を持って挑戦してください。
あなたの「好き」を「仕事」にするための第一歩を、心から応援しています。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート











