就職活動において学生時代に頑張ったこと(通称:ガクチカ)は、多くの企業がエントリーシート(ES)や面接で重視する項目です。
自分がどのような経験を積み、何を大切にしてきたのかを伝えることで、人柄や価値観、仕事への向き合い方を評価される機会となります。
しかし就活生の中には、ESと面接でガクチカの内容を変えた方がいいのでは?と迷ってしまう方もいるかもしれません。
実際、情報が重複することを気にして、別のエピソードを用意しようと考える人も少なくありません。
本記事では、ESと面接で同じガクチカを話しても良いのか?という疑問に答えつつ、面接でのガクチカの扱いや、整合性が求められる理由について丁寧に解説していきます。
これを読むことで、不安を減らし、自信をもってガクチカを語れるようになるはずです。
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ガクチカはESと面接で同じ内容を話しても大丈夫!
エントリーシートと面接で同じガクチカを話しても良いのか?という疑問は、多くの就活生が一度は感じるポイントです。
ESで書いた内容を面接でも話すと繰り返しになってしまうのでは?と心配になったり、逆に違う話をしたほうが印象に残るのではないかと考えたりする方もいるかもしれません。
しかし、実際にはESと面接で同じ内容のガクチカを使うことはまったく問題なく、むしろプラスに働くことが多いです。
企業側は、あなたがどのような価値観や経験を大切にしてきたのかを一貫して見ようとしています。
この記事では、なぜ同じ内容でも良いのか、一貫性の大切さ、そして面接での深め方について丁寧に解説していきます。
違う内容だと一貫性が問われることも
ガクチカのエピソードは、ESと面接で同じ内容を使用しても全く問題ありません。
むしろ、一貫性があることでこの人は自分の経験をしっかりと振り返り、自信をもって伝えられる人だと評価されやすくなります。
一方で、ESと面接で異なるエピソードを話すと、面接官になぜ内容を変えたのだろう?と疑問を持たれてしまう可能性があります。
その結果、一貫性がない、アピールしたいことが定まっていないといった印象を与えてしまいかねません。
もちろん、異なるガクチカを話すことで多面的な魅力を伝えるという戦略もありますが、それには高い自己理解と構成力が必要です。
無理に複数のエピソードを使おうとして話が浅くなってしまうよりも、自信のある1つの経験を軸にして、ESと面接で丁寧に伝える方が効果的です。
自分の強みや価値観が一貫していることを示すことは、企業に安心感を与えるポイントになります。
ESの内容と面接の内容にブレがないことが大切
面接は、ESで書かれた内容をもとにさらに深掘りし、あなたの考え方や人柄をより詳しく知る場です。
そのため、ESと同じガクチカを話すことに不安を感じる必要はまったくありません。
むしろ、ESには書ききれなかった背景や想いを補足することで、説得力のある自己PRにつながります。
例えば、サークルでイベント運営を頑張ったというエピソードがあったとして、ESでは実績や役割を中心に書いた内容を、面接では困難を乗り越えた過程やそこで感じた気づきに焦点を当てることで、話に深みを持たせることができます。
また、面接では言い回しや話し方を変えることで、より自然に、聞き手に伝わりやすくなります。
同じ内容でもどこを強調するかどの順番で話すかによって印象は大きく変わるのです。
ESと面接は別物ではなく、補完し合う関係です。
軸となるエピソードは変えずに、伝え方に工夫を加えることで、面接官の興味を引きつけることができるでしょう。
面接でESのガクチカはどのような扱いになるのか
ESに書いたガクチカが、面接でどのように扱われるのかを知っておくことは、選考対策を進めるうえで非常に重要です。
- 基本はESに沿って面接が進んでいく
- ESの内容との整合性がみられている
- ガクチカで話したこととESの内容は比較されている
ESと面接は別物のように見えますが、実は密接に連動しており、内容に一貫性があるかどうかが評価に大きく影響します。
面接官は、あなたが提出したESを手元に置きながら質問をしてきます。
そのため、面接はESの延長線上にあると考えるのが自然です。
ESの内容がどう見られているのか、話すときに注意すべき整合性とは何かなど、面接でのガクチカの立ち位置を理解することで、より説得力ある受け答えができるようになります。
ここではそのポイントを丁寧に解説していきます。
基本はESに沿って面接が進んでいく
面接では、あらかじめ提出されたESをもとに質問が進められるのが一般的です。
限られた時間内で効率よく人物像を掘り下げる必要があるため、志望動機や自己PR、学生時代に頑張ったことといった主要なトピックに重点が置かれます。
面接官は、ESを読み込んだ上で興味を持った点や、深掘りしたい部分について質問してくるため、ESの内容にしっかりと沿った回答が求められます。
つまり、ガクチカについても書いてある内容をどう補足し、どう深めて語れるかが評価のポイントになるのです。
そのため、ESで書いた内容をそのまま話すのではなく、なぜその行動をとったのか結果から何を学んだのかといった内面に焦点を当てる準備をしておくことが大切です。
具体的なエピソードを交えて、自分らしい言葉で伝えることを意識しましょう。
ESの内容との整合性がみられている
企業が面接で特に重視するのが整合性です。
ESに書かれている内容と、実際に口頭で話す内容が食い違っていないかをしっかり確認しています。
なぜなら、整合性が取れていない場合、本当の志望動機ではないのでは?自己PRをその場の思いつきで話しているのでは?といった疑念を抱かれてしまうからです。
たとえば、ESではチームでの協働を大切にしてきたと書いていたのに、面接では個人で成果を上げたことにばかり焦点を当てて話してしまうと、価値観のブレとして受け取られてしまいます。
整合性を意識することは、単に内容を合わせるという意味ではありません。
自分の考えや行動の背景を一貫して説明できるようにしておくことが重要です。
表面的な言葉だけでなく、自分の中で納得感のある説明ができるよう、あらかじめ振り返りを丁寧に行っておきましょう。
ガクチカで話したこととESの内容は比較されている
面接では、ESのガクチカと実際の受け答えが一致しているかを面接官が注意深く確認しています。
それはこの人は普段からこの経験を自分の強みとして認識し、大切にしているのかを見極めるためです。
たとえば、ESで困難に粘り強く取り組む力があると書いていれば、面接でも同じような姿勢が会話の中で感じられるかが見られています。
単なる一時的なアピールではなく、その人の根本的な価値観や行動原理が一貫しているかが重要なのです。
そのため、ガクチカについて語るときは、エピソードそのものだけでなく、なぜその経験が自分にとって大切なのかそれを今後どう活かしたいのかといった視点も加えると、より深い共感を得やすくなります。
ESと面接は、まったく同じ言葉で語る必要はありませんが、根底にある考えや価値観が一致していることが、信頼を得るための鍵となるのです。
面接でのガクチカの話し方
ESでしっかりと準備していても、いざ面接でガクチカを話すとなるとどういう順番で話せばいいの?説明が長くなりすぎないか心配…と戸惑うこともあるかもしれません。
- 概要(ガクチカの概要を一言で)
- 背景(活動の背景や経緯など)
- 課題(着目した課題)
- 施策(課題に対する施策)
- 結果(どのような結果が得られたか)
面接では、限られた時間の中であなたの経験や人柄を伝える必要があります。
だからこそ、伝え方の構成や話し方に工夫が求められます。
ガクチカを効果的に伝えるには、シンプルで分かりやすい構成を意識することが大切です。
本章では、概要→背景→課題→施策→結果という5つのステップに沿った話し方をご紹介します。
この流れをおさえることで、相手に伝わりやすく、説得力のあるガクチカを語れるようになります。
自分の経験に自信を持ち、面接でしっかりアピールできるよう準備を整えていきましょう。
1. 概要(ガクチカの概要を一言で)
まず初めに、ガクチカの概要を一言で簡潔に伝えることが大切です。
私は大学2年生のときに、学園祭の実行委員として来場者満足度の向上に取り組みましたといったように、取り組みの全体像がすぐに伝わるようにしましょう。
ここでのポイントは、相手にどんな活動だったのかをイメージしてもらうことです。
いきなり詳細な話から始めると、面接官は話の全体像がつかめず混乱してしまうことがあります。
まずは一文で何を頑張ったのかを述べ、そのあとに背景や具体的な内容へと話を進めていくことで、スムーズで理解しやすい説明になります。
この部分は自己紹介のような位置づけなので、簡潔かつ堂々と話すことで、聞き手の関心を引く導入にもなります。
最初の一言で話の軸をしっかり提示しましょう。
2. 背景(活動の背景や経緯など)
次に、ガクチカの背景やその活動に取り組むことになった経緯を丁寧に説明しましょう。
なぜその活動を選んだのかそのときどんな思いや目的があったのかを伝えることで、あなたの動機や価値観が伝わりやすくなります。
たとえば、大学入学後、何か新しいことに挑戦したいと思い、学園祭実行委員に参加しましたといったように、自分の意思や行動の原点を言葉にすることがポイントです。
単に役割を任されたから頑張ったという話ではなく、自分の意思で選び、行動したことを示すことで、主体性が伝わります。
背景の説明は長くなりがちですが、要点を押さえて簡潔にまとめることを意識しましょう。
どんな状況下で、どのような考えから活動が始まったのかを伝えることで、面接官の理解と共感を得ることができます。
3. 課題(着目した課題)
活動の中で直面した課題や自分が解決したいと思ったポイントを具体的に説明します。
この部分では、あなたがどのような視点で物事を捉えていたかが問われます。
課題の発見力や問題意識の高さは、仕事でも重要視される能力のひとつです。
たとえば、前年のアンケートで来場者の満足度が低いことに気づき、改善の必要があると感じましたといった形で、客観的なデータや周囲の声を交えて話すと、より説得力が増します。
また、課題は自分自身の中にあったものであっても構いません。
自分のコミュニケーション力に不安があり、それを克服するために○○に取り組みましたといった自己成長型の課題も、好印象を与えるケースが多くあります。
このセクションでは、課題をどう捉えたかに焦点を当て、次の施策に自然につながるような流れを意識しましょう。
4. 施策(課題に対する施策)
課題をどのように解決しようとしたのか、自分が実際に行った行動を具体的に伝えるステップです。
この部分では、自分の役割や工夫した点、試行錯誤したことなどを盛り込むと、あなたの主体性や行動力がしっかり伝わります。
たとえば、来場者満足度向上のために、企画ごとのアンケートを実施し、改善点を洗い出す仕組みを取り入れましたといったように、実際の取り組みとその目的をセットで語ると分かりやすくなります。
ここで重要なのは、自分自身が何を考え、どう動いたのかに焦点を当てることです。
チームでの活動であっても、自分の役割とその中での工夫に注目して話すことで、あなたの貢献が明確に伝わります。
企業は実行力や課題解決力を見ています。
ですので、行動の背景や理由を丁寧に説明することが大切です。
5. 結果(どのような結果が得られたか)
最後に、あなたの行動によってどのような結果が得られたのかを伝えます。
このとき、定量的な成果がある場合は具体的な数値を使って説明すると、説得力が格段に高まります。
たとえば、前年よりもアンケートの満足度が20%向上し、来場者数も1.5倍に増加しましたといった形で、成果が目に見える形で伝えられると理想的です。
また、結果が数字で表せない場合でも、チーム内の意識が高まり、役割分担がより円滑になったなど、質的な変化を丁寧に言葉にしましょう。
また、その経験から自分がどんなことを学び、どう成長したのかも併せて伝えると、より印象に残る締めくくりになります。
結果だけで終わらせず、未来につながる視点で話を結ぶことで、面接官にこの人と一緒に働きたいと思ってもらえるようなアピールが可能になります。
面接でのガクチカの効果的な話し方
ガクチカを面接で伝える際には、内容そのものだけでなくどう話すかも非常に重要です。
- ESの内容に活動を行った団体の詳細を加える
- ESの内容よりもガクチカを始めたきっかけを詳しく伝える
- 丸暗記はせず自分の言葉で内容を思い出しながら伝える
同じエピソードでも、話し方や伝え方の工夫次第で、印象は大きく変わってきます。
特に、ESに書いた内容をただ繰り返すのではなく、面接だからこそ伝えられる情報や言葉選びを意識することが、好印象につながるポイントです。
ここでは、ESの内容にプラスαの情報を加えることで説得力を高める方法や、面接の場にふさわしい自然な伝え方について解説します。
面接官にしっかり届くガクチカを目指して、話し方のコツを身につけていきましょう。
ESの内容に活動を行った団体の詳細を加える
ESでは文字数の制限もあり、活動した団体やプロジェクトの詳細まで十分に書き込むのは難しいことが多いです。
しかし、面接では時間の中で口頭で補足ができるため、その団体の規模や目的、特徴などを少し詳しく説明することで、あなたの活動の価値がより明確に伝わります。
たとえば、ボランティア団体でイベント運営を担当していましたとだけ書いてあったとしても、面接では地域の小学生向けに年に2回開催している、約100人規模の教育支援イベントで、私は企画全体をとりまとめる役割を担っていましたといった補足があるだけで、活動の責任感や規模感が伝わりやすくなります。
また、組織の中でどのような立ち位置にいたのかを明確に伝えることも、面接官にとって重要な判断材料になります。
何人中の何人のリーダーだったのか、どんな目的の中で活動していたのかといった情報は、あなたの経験の重みやリアリティを高めてくれます。
面接では、ESで語りきれなかった部分を自分の言葉で肉付けすることが求められます。
活動の背景や団体の性質を伝えることで、より深い理解を得ることができるでしょう。
ESの内容よりもガクチカを始めたきっかけを詳しく伝える
ESでは成果やエピソードの概要に重点を置きがちですが、面接ではなぜその活動を始めたのかというきっかけや動機に注目されることが多いです。
ここでしっかりと時間をかけて話すことで、あなたの価値観や行動の原点がより伝わり、面接官にとっての印象が深まります。
たとえば、アルバイトで売上向上に取り組んだという内容であれば、面接ではなぜそのアルバイトを選んだのかどんなきっかけで売上に課題を感じたのかといった前提を詳しく語ると、話に自然な流れが生まれます。
これは、あなたがどんな視点で物事を見て行動しているかを理解するヒントにもなるのです。
さらに、始めた当初の気持ちや悩みもあえて伝えることで、人間らしいストーリー性が生まれます。
はじめは自信がなかったけれど、少しずつ挑戦を続けた結果、自分なりのやりがいを見つけたといった内容は、聞き手の共感を呼びやすく、印象にも残りやすくなります。
ガクチカのきっかけは、あなたという人物をより深く理解するための大切な要素です。
数字や結果だけでなく、なぜそこに取り組んだのかを自分の言葉で丁寧に伝えましょう。
丸暗記はせず自分の言葉で内容を思い出しながら伝える
面接での受け答えにおいて、ガクチカの内容を事前に準備しておくことはもちろん大切ですが、暗記した文章をそのまま話すような伝え方は、かえって印象を悪くしてしまうことがあります。
特に、棒読みになってしまうと、あなたの熱意や人柄が十分に伝わらない可能性があります。
面接官は、この人が本当にその経験を大事にしているのか実体験として心に残っていることなのかを自然な話し方から感じ取ろうとしています。
多少言葉が詰まったり、表現に迷ったりしても構いません。
それよりも、自分の言葉で一つ一つ思い出しながら丁寧に話す方が、誠実さや本気度が伝わります。
話す内容の流れ(構成)を覚えることは必要ですが、具体的な文章を丸ごと暗記するよりも、この部分ではこういうことを伝えたいといった話の骨格を頭に入れておくことがおすすめです。
事前に話して練習することで、自然なテンポや言葉選びに慣れておくと安心です。
面接は会話です。
一方的なスピーチではなく、相手と対話する意識を持ち、感情を込めて語ることができれば、あなたのガクチカはより魅力的に伝わるでしょう。
面接でよくあるESの内容の深掘り質問
エントリーシート(ES)をもとに進められる面接では、ガクチカなどに関する質問がより具体的かつ深く掘り下げられる傾向があります。
- 課題を導いた理由
- 施策を選んだ理由
- 他に効果的な施策はなかったか
ESに書いた経験がどれほど真実味を持ち、あなた自身の考えとして根付いているのかを見極めるため、面接官はさまざまな角度から質問をしてきます。
特に、課題をどのように見出したかや、その課題に対してどんな施策を選んだか、他の選択肢を検討したかなど、なぜそうしたのかという理由を問う質問が多くなります。
ここでは、そうした深掘り質問に自信をもって答えられるよう、よくある質問とその意図について丁寧に解説していきます。
課題を導いた理由
面接でなぜその課題に注目したのですか?と聞かれることは非常に多くあります。
この質問には、あなたが状況をどう捉え、何に価値を感じて行動したのかという思考のプロセスを知りたいという意図があります。
たとえば、イベントの参加者が年々減っていたという事実だけで終わるのではなく、参加者の声をもとに、マンネリ化が原因ではないかと考えましたといった分析や気づきを加えると、課題発見力があることが伝わります。
また、自分だけで気づいたのか、周囲と話し合って気づいたのかといった気づきのプロセスを明確にすることも大切です。
企業は、問題に対して受け身ではなく、自ら考えて動ける人材を求めています。
だからこそなぜその課題を重要だと思ったのか?を自分の言葉で説明できるよう準備しておきましょう。
施策を選んだ理由
なぜその解決策を選んだのか?という質問も、面接で頻出します。
この質問は、あなたがどのように状況を分析し、選択肢の中から最適な方法を判断したのかを見たいという意図があります。
たとえば、アンケートを実施して改善点を洗い出しましたという施策を挙げた場合、それを選んだ背景に直接的に利用者の声を拾うことが、最も現実的かつ効果的だと考えたといった理由を添えると、論理的な思考力が伝わります。
また、時間的制約の中で実行可能な手段だったこと、周囲の協力を得やすかったといった現実的な判断基準も、施策を選ぶ上では大切な視点です。
これらを併せて語ることで、机上の空論ではなく、実行力のある人物だと印象づけることができます。
どんなに優れた施策であっても、なぜそれに決めたのかを自分の言葉で説明できなければ、評価にはつながりにくいものです。
選択の裏にある思考や配慮をしっかり整理しておきましょう。
他に効果的な施策はなかったか
この質問は、あなたの思考の柔軟性や多角的な視点を確かめるために行われます。
つまり、1つの施策に固執するのではなく、他の可能性も検討しながら最適解を導き出そうとしたかを見られているのです。
たとえば、アンケートによる改善だけでなく、インタビューや観察など他の手法も検討したが、現実的な面からアンケートに絞ったといった答え方をすれば、ただの思いつきではなく、比較検討の末に判断したことが伝わります。
この質問に対して他には思いつきませんでしたと答えてしまうと、少し視野が狭いという印象を与えてしまうかもしれません。
必ずしも実施していなくても、実は○○という手法も候補にありましたが、当時の状況では難しいと判断しましたといった検討の過程を話すことが大切です。
このように、柔軟かつ現実的な判断力があることを伝えることで、企業からの評価が高まりやすくなります。
面接でESと違うことを話すと落ちる?
ESと違う話をしてしまった…と面接後に不安になってしまう方は意外と多いものです。
- 面接でESと違うことを話すのはOK
- 面接でESと違うことを話しても評価は落ちない
もしかして評価が下がったのでは?と気にする気持ちもよくわかりますが、実はESと異なる話をすること自体が選考にマイナスになるわけではありません。
むしろ、面接の場ではあなたの人柄や思考の深さをより多面的に知ることが目的であり、ESと少し違う視点や経験を語ることが、プラスに働くこともあります。
大切なのは、一貫した価値観や強みが軸にあるかどうかです。
この章では、面接でESと違うことを話すのは本当に大丈夫なのか?という不安にお応えしながら、その理由と注意点について詳しく解説していきます。
面接でESと違うことを話すのはOK
面接では、ESに書かれていないエピソードを話しても基本的には問題ありません。
なぜなら、ESはあくまで限られたスペースの中で自己を表現する手段であり、面接はその補完として、あなたの魅力を多面的に伝える場だからです。
たとえば、ESでは部活動の経験を中心に書いたけれど、面接ではアルバイトでの挑戦について話した、というような場合でも、あなたの根本にある価値観や強みが共通していれば、十分に一貫性のあるアピールになります。
むしろ、面接官にとってはESに書いてない話が聞けることで新たな一面を知ることができ、興味を持ってもらえるチャンスにもなります。
ESと違う内容を話す際には、自分の価値観や強みがこの経験でも活かされているという説明を加えると、話にまとまりが生まれます。
大切なのは、ESとの整合性ではなく、自分という人間の軸がブレていないかどうか。
その軸さえしっかり伝われば、話す内容に多少の違いがあっても心配する必要はありません。
面接でESと違うことを話しても評価は落ちない
ESと違う話をすることが、選考で減点の対象になることは基本的にありません。
それよりも、面接官が見ているのはその場の質問にどう対応するか話の中に信頼感や一貫性があるかといったポイントです。
たとえば、ガクチカに関する質問でESとは違う経験を話したとしても、それが自分の価値観や強みと結びついており、なおかつ論理的に説明できるものであれば、むしろ評価が高くなるケースもあります。
逆に、ESと全く同じ話を繰り返すだけでは、この人は用意されたことしか話せないのかなと思われてしまうリスクもあります。
面接では柔軟に対応しながらも、自分の軸をブラさず話すことが重要です。
たとえば、ESには書かなかったけれど、実はこんな経験もありましたといった前置きを加えれば、違和感なく話題を展開することができます。
要は話す内容の違いではなく、そこに一貫したストーリーがあるかが問われているのです。
面接でESに書いてない内容を話す時のポイント
面接では、事前に提出したESに書いていない内容を話すこともあります。
- ESの内容と違うことを正直に伝える
- 前置きを説明しすぎない
- 内容を根本からは変えない
例えば、ESには部活動の話を書いたけれど、面接ではアルバイトの経験について話したくなることもあるでしょう。
内容が違ってしまって大丈夫なのかな?と不安になるかもしれませんが、結論から言えば、話すことが異なっていてもまったく問題はありません。
大切なのは、なぜこの話をするのか、どのように自分の強みとつながっているのかを意識しながら、誠実かつ簡潔に伝えることです。
ここでは、ESに書いていない内容を面接で話す際に気をつけるべきポイントを3つに分けてご紹介します。
ESの内容と違うことを正直に伝える
まず大切なのは、ESと違う内容を話すことを、最初に正直に伝えることです。
たとえば、ESでは部活動のことを書かせていただきましたが、本日はアルバイトでの経験についてお話しさせていただければと思いますと一言添えるだけで、面接官はすぐに状況を理解し、話に集中しやすくなります。
前置きがあることで、この学生は自分の意図をきちんと説明できる人だなという良い印象にもつながります。
逆に、何の説明もなく話が始まると、面接官はESに書いてあることと違うけれどどうしたのだろう?と疑問を感じてしまい、集中して話を聞けなくなってしまう可能性があります。
正直に一言伝えることは、相手との信頼関係を築く第一歩でもあります。
あくまで自分をよりよく伝えるための選択として、前向きに堂々と話しましょう。
前置きを説明しすぎない
正直に話す姿勢は大切ですが、前置きが長くなりすぎるのは避けましょう。
面接官の関心は、あなたのエピソードやその中で得た学びにあります。
前置きが長くなってしまうと、それより早く本題を聞かせてほしいと思われてしまうかもしれません。
理想は、30秒以内の一言でサラッと前置きを済ませることです。
ESでは〜と書きましたが、今回は別の経験である〇〇についてお話しさせてください程度で十分です。
その後はすぐに本題に入り、ガクチカの内容や自分の強みをしっかりと伝えていきましょう。
面接はあくまで会話の場です。
形式にとらわれすぎず、相手の聞きたいことを意識したテンポ感のある伝え方を意識すると、より魅力的に映ります。
自信を持って、あなたの経験を語ってくださいね。
内容を根本からは変えない
ESと違う内容を話すこと自体は問題ありませんが、伝える内容の軸が変わってしまうのは避けたほうが無難です。
たとえば、ESでは強みは忍耐力と書いていたのに、面接では強みは社交性と全く別の強みをアピールするような場合、面接官に一貫性のなさを感じさせてしまうことがあります。
このような食い違いは、本当に自分の強みを理解しているのか?その場の雰囲気で適当なことを言っていないか?と疑問を抱かれる原因になります。
面接ではESを手元に置きながら話を聞いているため、大きな矛盾は見逃されません。
別のエピソードを使う場合でも、強みや価値観は共通のものを軸にするのが理想的です。
たとえば、ESでは忍耐力を部活動の経験から書きましたが、今日はその忍耐力を発揮したアルバイトでの経験をお話ししますといったように、つながりのある話にすると違和感がありません。
部活動のガクチカの場合
大学のサッカー部で、マネージャーとしてチームの運営を支えました。
主な業務は練習環境の整備や対外試合の調整でしたが、特に練習の効率化に力を入れました。
毎回の練習における無駄な時間を改善するために、タイムスケジュールを見直す提案を行い、選手の集中力を保ちながら質の高い練習ができる環境づくりに貢献しました。
その結果、全体練習の質が向上し、練習後のフィードバックでもポジティブな反応が得られました。
大学ではサッカー部に所属し、マネージャーとして約2年間、チームの運営を支えてきました。
練習のサポートや備品管理だけでなく、チーム全体がより良い環境で練習できるよう意識して取り組んでいました。
その中で感じた課題が、「練習時間の中に無駄が多いのではないか」という点です。
実際に練習の様子を記録・分析してみると、移動や説明にかかる時間が多く、選手の集中が途切れてしまっている状況が見えてきました。
そこで私は、1週間分の練習スケジュールを見直し、ウォーミングアップから試合形式までの流れを再構成しました。
さらに、選手と定期的にミーティングを行い、実際に現場で感じている課題や改善点も吸い上げました。
何度も調整を繰り返しながら、無理のない範囲で効率化を進めた結果、練習後の集中度が向上し、「時間にメリハリがついて練習がやりやすくなった」という声も多く聞かれるようになりました。
この経験を通じて、課題を見つけ、実際に改善を提案・実行し、周囲の信頼を得ながら物事を動かすやりがいを感じました。
今後も、現状をただこなすのではなく、「どうすればもっと良くなるか」を考え行動していきたいと考えています。
大学ではサッカー部に所属し、マネージャーとして約2年間、チームの運営を支えてきました。
練習のサポートや備品管理だけでなく、チーム全体がより良い環境で練習できるよう意識して取り組んでいました。
その中で感じた課題が、「練習時間の中に無駄が多いのではないか」という点です。
実際に練習の様子を記録・分析してみると、移動や説明にかかる時間が多く、選手の集中が途切れてしまっている状況が見えてきました。
そこで私は、1週間分の練習スケジュールを見直し、ウォーミングアップから試合形式までの流れを再構成しました。
さらに、選手と定期的にミーティングを行い、実際に現場で感じている課題や改善点も吸い上げました。
何度も調整を繰り返しながら、無理のない範囲で効率化を進めた結果、練習後の集中度が向上し、「時間にメリハリがついて練習がやりやすくなった」という声も多く聞かれるようになりました。
この経験を通じて、課題を見つけ、実際に改善を提案・実行し、周囲の信頼を得ながら物事を動かすやりがいを感じました。
今後も、現状をただこなすのではなく、「どうすればもっと良くなるか」を考え行動していきたいと考えています。
アルバイトのガクチカの場合
飲食店でのホールスタッフとして2年間勤務する中で、新人教育における課題に気づきました。
新人スタッフが何度も同じミスを繰り返し、定着率が低いことに課題感を持ち、既存の教育マニュアルを見直すことを提案。
実際の業務と乖離していたマニュアルの内容を、写真やフローチャートを使ってより実践的な形式に改良しました。
その結果、教育の質が向上し、新人の定着率も改善されました。
アルバイトながらも、組織の課題を自分ごととして考え行動に移す力を身につけることができました。
大学時代、地元の飲食店で約2年間ホールスタッフとして働いていました。
接客だけでなく、後輩の育成にも関わる機会が多く、その中で新人スタッフがなかなか定着せず、1ヶ月も経たずに辞めてしまうという課題に気づきました。
当時の教育方法は、先輩が口頭で教え、マニュアルはほとんど活用されていない状態でした。
さらに、マニュアル自体も実際の業務とずれており、「使いづらい」と感じていました。
そこで私は、マニュアルを見直し、写真や図を取り入れたわかりやすい資料に改善する提案を行いました。
先輩スタッフや店長とも相談し、業務フローに合わせた手順書を作成。
実際の業務で新人がつまずきやすいポイントを中心に、すぐ使える内容に仕上げました。
結果として、新人スタッフのミスが減少し、教育の効率も大きく向上。
新しく入ったスタッフからは「これを見ながらだと安心して覚えられる」という声もあり、辞める人も減りました。
この経験を通じて、現場の課題を自分の仕事ではないと切り離さずに取り組む姿勢、そしてそれを形にして改善する力の大切さを学びました。
組織の中でも役割を超えて価値を発揮できる人間でありたいと感じています。
ゼミ活動のガクチカの場合
経済学ゼミにて「地域商店街の活性化」をテーマにした研究を行いました。
最初は既存の統計や文献をもとに課題を分析していましたが、現地調査を重ねる中で、実際の店舗運営における悩みや地域住民のニーズとのギャップが明らかになりました。
そのため、ヒアリングを通じて課題を再定義し、若年層へのアプローチを軸とした提案に変更しました。
具体的にはSNSの活用提案や、イベント開催による認知度向上の施策などを盛り込み、商店街にフィードバックを行いました。
この経験を通じて、データだけでなく現場の声を大切にする姿勢の重要性を学びました。
私は経済学ゼミに所属し、地域の商店街の活性化をテーマに約半年間、研究と提案活動を行いました。
初めはデータ収集や文献調査を中心に行い、「売上の減少」「来客数の低下」といった統計的な課題を抽出していました。
しかし、実際に商店街に足を運び、商店主の方々にヒアリングを重ねる中で、「数字には表れていない課題」が数多くあることに気づきました。
特に印象的だったのが、「若い世代が来ない」「SNSの使い方が分からない」といった声です。
この声を受けて、私たちの提案内容をデータ重視から“現場目線”にシフトしました。
学生ならではの視点で、Instagramの運用支援や学生向けのミニイベント開催など、若年層へのアプローチ施策を盛り込んだ提案を作成しました。
実際に、提案の一部が実行に移され、商店街内の掲示板にイベント告知が掲示されるなど、小さな変化にもつながりました。
私自身、提案内容が誰かの行動を後押ししたことにやりがいを感じ、「自分たちの考えを現場の人に届けることの難しさと面白さ」を強く実感しました。
この経験からは、机上の空論ではなく、実際に人と向き合いながら提案を練り上げていく姿勢の大切さを学びました。
将来的にも、現場の声を大切にしながら課題解決に貢献できる人材になりたいと思っています。
まとめ
ガクチカはESと面接の両方で問われる重要なテーマですが、同じ話でいいのか?違うことを話して大丈夫か?と悩む方も多いかもしれません。
この記事を通じて、同じ内容を話すことはむしろ一貫性の面でプラスであり、違う話をする場合も軸がぶれなければ評価が下がることはない、ということをご理解いただけたのではないでしょうか。
また、ガクチカを面接で効果的に伝えるためには、話の構成やエピソードの深め方も重要です。
練習の中で自分らしい言葉で語れるようになっていくと、面接での自信にもつながっていきます。
不安や緊張を感じるのは自然なことですが、あなたのこれまでの努力や経験には必ず価値があります。
しっかりと準備をして、堂々と自分を伝えにいきましょう。
あなたの頑張りが、きっと伝わるはずです。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート