就活の選考対策を進める際は、就活の軸と志望動機の違いがわからず、混同してしまうことも多いでしょう。
そこで今回は、就活の軸と志望動機の違いを明らかにしたうえで、軸を見つけるポイントや注意点などをまとめていきます。
就活の軸は志望動機とあわせて頻繫に聞かれる質問でもあるため、例文などもチェックしながら、スムーズに選考対策を進めていきましょう。
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【就活の軸と志望動機】2つの違い
就活の対策を進めるにあたって、就活の軸と志望動機の違いがわからず、困ってしまうケースは意外と少なくありません。
しかし、就活の軸と志望動機は似ているようで異なる概念にあたるため、まずは両者の違いや関係性を理解することが大切です。
そのためここからは、以下の点について詳しく解説していきます。
- 就活の軸とは
- 志望動機とは
- 2つの違いと関係性
それぞれの捉え方を押さえたうえで違いを明確にし、選考対策で混同してしまうことを防ぎましょう。
就活の軸とは
就活の軸とは、企業選びの基準・価値観を示す一つの指標を指します。
例えば「挑戦できる環境」や「社会貢献性の高い仕事」などが挙げられ、自分が働くうえで大事にしたいポイントを整理するものです。
就活を始める際は、自己分析を行ったうえで就活の軸を設定していきます。
軸がしっかりしていなければ、どのような業界・企業を志望すべきか、自分自身で方向性を定められないからです。
方向性がブレてしまうと、自分の適性を的確に見いだせず、強みや能力を正確にアピールできなくなります。
最終的にミスマッチが起こる原因になるため、自分が大切している価値観や将来に対する希みなどに基づいて方向性を定めるうえでは、就活の軸は必要不可欠なものといえます。
なお、就活の軸は志望動機や自己PRなどと同様に、面接においては頻繫に聞かれる質問になります。
選考対策の際は、どのような軸を持っており、なぜその軸を設定しているのかを明確に説明できるようにしておきましょう。
志望動機とは
志望動機は、特定の企業を志望する理由・動機を指します。
業界そのものではなく、なぜその企業なのかを明確に示し、企業の特徴や自分の経験を交えながら理由を伝えることが重要です。
何に興味があるのか、どのような点に魅力を感じたのかなどのポイントに触れ、自分の熱意や企業とのマッチ度をアピールしていきます。
なお、より魅力的な志望動機を作成するうえでは、志望企業に対して徹底的に企業研究・分析を行う必要があります。
企業の理念や価値観、事業内容などを踏まえたうえで、その企業でなければならない理由を明確に示せれば、企業にはマッチ度の高さを感じてもらえます。
結果、入社意欲や熱意が伝わるため、採用担当者からは「このような学生に入社してもらいたい」と思ってもらうきっかけになります。
2つの違いと関係性
就活の軸は企業選びの基準であり、志望動機はその基準を満たす企業を選んだ理由にあたります。
そのため、両者には確かに似ていたり関連していたりするポイントがありますが、別の概念であることを理解しておきましょう。
軸を明確に定めることで、志望動機にはより一貫性と説得力を持たせることができます。
なお、面接では就活の軸も志望動機も聞かれるケースが多いため、回答する際は明確に分けて内容を述べる必要があります。
就活の軸は、あくまで企業選びの軸・基準を問う質問であり、その企業をなぜ志望したのか答える質問ではないため注意しましょう。
対して志望動機は、その企業を選んだきっかけや動機、それにまつわるエピソードを伝えるものであり、自分が就活を進めるうえで大事にしている基準を説明するものではありません。
論点やテーマが異なることを理解したうえで、わかりやすい回答を意識しましょう。
【就活の軸と志望動機】就活の軸を持つべき理由
ここからは、就活の軸を持つべき理由を紹介していきます。
就活の軸の設定が重要である理由には、以下のことが挙げられます。
- 企業選びの指針になる
- 企業にとっての判断基準
- 自分のキャリアプランを明確にできる
あらかじめ軸を設定しておけば、企業選びがスムーズになり、面接での回答にも説得力が増します。
客観性のある判断基準を持つことができるため、考え方がぶれることでの企業選び失敗にもつながりにくくなります。
では、以下から3つの理由の詳細を紹介していきます。
企業選びの指針になる
就活の軸を持つべき理由は、あらかじめ軸を設定しておけば、自分に合った企業を見つけやすくなるからです。
無計画に企業にエントリーするのではなく、軸に沿った企業を選ぶことで、ミスマッチを避けられるようになります。
「どの企業を選べば良いかわからない」「どの企業も魅力的に見える(もしくは魅力的に見えない)」などの悩みを感じることなく、軸に沿っているかどうかで企業をスムーズに選べるため、自分に合った企業選びの質が向上するでしょう。
どのような業界・企業においても、ミスマッチは避けるべきといえます。
ミスマッチが起これば、早期退職につながりやすくなり、自分自身にとってはキャリア形成が遅くなる原因になるでしょう。
そのため、就活を始める際は何を重視して働きたいかを整理し、自分の目指すべき方向性として就活の軸を設けることが大切です。
企業にとっての判断基準
就活の軸を持つべき理由は、企業にとっての判断基準として、アピールにつなげられるからです。
「〇〇という軸があるからこそその企業を選んだ」という基準がわかれば、企業側も、就活生の価値観が自社と合っているかどうか判断しやすくなるということです。
明確な軸があれば、企業との相性を伝えやすくなるため、企業からは高評価を獲得しやすくなるでしょう。
企業にとって、採否を判断するうえでマッチ度・相性は重要なポイントになります。
特に新卒採用はポテンシャルを見たうえでの採用になるため、専門的な技術や経験などは問われません。
だからこそ就活では、企業に対して相性の良さを示すことで、ポテンシャルの高さをアピールすることが大切です。
そういった判断基準を企業に与えられるという意味で、就活の軸を持つことは重要といえます。
自分のキャリアプランを明確にできる
就活の軸を定めておけば、自分のキャリアプランを明確にできるというメリットにつながります。
就活の軸は、将来的に望む働き方やなりたい自分に沿って決めるものなので、決めておけば自然とキャリア像をつかみやすくなる仕組みです。
単なる就職ではなく、その先のキャリアの展望まで意識できるようになるため、長期的な目線で企業との相性の良さを見極められるでしょう。
自分のキャリアプランがしっかりしていれば、その内容を実現できるかどうかという点も、企業選びでは重要な基準になります。
そして、キャリアプランをもとに自分のやりたいことや目標などをアピールできれば、企業からは成長性を評価してもらえる可能性があります。
多くの企業は、将来を見据えたうえで高い成長意欲をもって活躍してくれる人材を求めています。
【就活の軸と志望動機】企業が就活の軸を重視する理由
就活の軸を定める際は、そもそも、なぜ企業は就活の軸を重視するのかをチェックしておきましょう。
選考において頻繁に聞かれる質問の中には、就活の軸も含まれるため、企業からは就活の軸が重要視されていることがわかります。
その理由は、主に以下が挙げられます。
- 企業とのマッチ度を判断するため
- 就活生の価値観や強みを知るため
- 志望度の高さを確認するため
特に重要な理由としては、採用のミスマッチを避けたい意図が関係しています。
では、それぞれの内容を詳しくチェックしていきましょう。
企業とのマッチ度を判断するため
企業が就活の軸を重視する理由には、企業とのマッチ度を判断したいという意図が関係しています。
基本的に、企業は自社の文化や価値観、方向性に深く共感できる人材を求めています。
その際に就活の軸は、本人との相性・マッチ度を確かめるうえで有効といえます。
就活の軸からは、本人がどのような働き方を望んでいるのか、どのようにキャリアを形成していきたいのかがわかります。
その内容からは本人の基本的な考え方や価値観、人柄も見えてくるため、自社とのマッチ度を測るうえでは有効な判断材料になるでしょう。
もし、自社の文化や価値観にそぐわない部分が感じられれば、企業にとっては採用のミスマッチにつながる可能性があります。
ミスマッチは就活生本人にとってもマイナスな結果にしかならないため、就活の軸を明確に設定し、ミスマッチのないエントリーを行うことが大切です。
就活生の価値観や強みを知るため
企業が就活の軸を重視する理由は、就活生の価値観や強みを知りたいという意図があるからです。
就活の軸からは、本人の価値観や強みが表れます。
例えば「人と関わる仕事がしたい」という軸であれば、人との触れ合いを好む人柄やコミュニケーション能力などが感じられます。
これまでたくさんの人と関わって成長してきたことなどもイメージできるため、就活の軸からは、本人のさまざまなポテンシャルや背景を知れることがポイントです。
企業は人柄や価値観をチェックしたうえで、自社の社風に合うかどうかを総合的に判断しているため、そういった意味でも就活の軸は企業にとって有効な質問になるのです。
そのため面接で就活の軸を述べる際は、自分が何を重視して物事に取り組んでいるのかなどの価値観を、具体的に伝えることが重要です。
志望度の高さを確認するため
企業が就活の軸を重視して選考を行う理由は、志望度の高さを確認したい意図があるからです。
本当に自社を志望しているのか、働くうえで強い熱意を持っているのかというポイントは、企業が採否を考えるうえで重要な要素になります。
特に新卒採用は成長性や相性などを見たうえでのポテンシャル採用なので、熱意が感じられるかどうかは、大きく影響する可能性があります。
就活の軸がしっかり定まっていれば、志望動機にも一貫性が生まれるため、自然と本人の志望度・入社意欲の高さは感じられるでしょう。
反対にアピールの内容が全体的に定まっていなければ、一貫性がないことでさまざまな点で疑問が生まれ、企業からは「本当に第一志望としてエントリーしているのかわからない」と思われるため注意が必要です。
【就活の軸と志望動機】自分に合う就活の軸を見つける方法
では、ここからは、就活の軸を自分に合う形で見つける方法を整理していきましょう。
就活の軸を定める際は、まずはとにかく、自分の思いや重視するポイントを明らかにすることが大切です。
具体的な方法は以下の通りです。
- 自己分析を深める
- 他己分析を活用する
- 業界・企業研究を行う
自己分析や業界・企業研究が不十分なままでは、自分の考えがなかなか見えてこないため、就活の軸も定まりません。
では、自分に合う就活の軸を見つける方法やそのうえで重要なポイントなどを見ていきましょう。
自己分析を深める
就活の軸を定めるには、まず、自己分析をしっかりと行う必要があります。
これまでの経験を振り返り、自分がどのような環境で力を発揮できるのかを考えていきましょう。
特に、達成感を得た経験や大切にしている価値観を言語化することが重要といえます。
自己分析を行えば、自分の強みや弱み、基本的なものの考え方などが見えてくるため、それによってどのような仕事・働き方を望むのかも把握しやすくなります。
例えば自己分析によって自分の強みがコミュニケーション能力だと把握できた場合は、そこから就活の軸を「人と関わる仕事がしたい」「周りの人と高め合って成長できる環境」などと定めていく流れになります。
なお、自己分析がうまくいかない場合は、性格や強みを診断できるツールを活用することも一つの方法といえます。
他己分析を活用する
就活の軸を見つけるうえでは、自己分析だけでなく、他己分析のアプローチを用いることも大切です。
自分だけで考えるのではなく、家族や友人、先輩などから客観的な意見をもらうことが重要といえます。
主観的な考え・意見のみでは、見方が偏ってしまう可能性があり、正確に自分の強み・弱みを把握できない可能性があります。
これに対して、自分について客観的な意見を得る機会があると、新たな視点を取り入れることができます。
より現実味のある軸を設定するきっかけにもなるため、自分自身について理解を深めて就活の軸を見つける際は、他己分析も積極的に活用しましょう。
その際は、自分の性格や強み、得意分野などについて、忌憚のない意見を求めることが大切です。
業界・企業研究を行う
自分に合う就活の軸を見つけるなら、業界・企業研究も欠かさず行う必要があります。
業界ごとの特徴や企業文化を知れば、自分に合った環境を見極められます。
それぞれの性質や特徴を把握することで、適応できるか・活躍できるかを判断できるようになるということです。
気になる業界・企業について持っているイメージは、意外と実態と大きくかけ離れているケースも多いため、業界・企業研究で解像度を高めることは必須といえます。
業界・企業について理解が深まれば、具体的にどのような仕事に携わりたいのかという自分の興味関心も見えてくるため、軸を定めるきっかけになります。
業界・企業研究を行う際は会社説明会やOBOG訪問を活用し、リアルな情報を集めることが大切です。
【就活の軸と志望動機】人事目線で見る良い軸・悪い軸の違い
就活の軸について、人事目線で見る良い軸と悪い軸の違いを紹介します。
就活エージェントとして活動してきた知見を活かして紹介するため、独自性が高く、信頼性のある内容です。
ぜひ熟読して、就活に役立ててください。
人事が好む軸の共通点とは?
人事が「良い軸」と評価するのは、応募者の価値観や将来像が明確に表れており、なおかつ応募企業の方向性とマッチしているものです。
「長期的に人と信頼関係を築ける仕事がしたい」「自分の工夫がサービスに反映される環境で働きたい」といった軸は抽象度が低く、具体的な行動や職種に落とし込みやすいため好印象です。
加えて、その軸をもとにして企業選びをしていることが伝われば、選考の説得力も増します。
さらに、なぜその軸を持つようになったのか、どのような経験を通じてそれが大切だと気づいたのかといった背景を語ると、よりあなたの人柄が伝わるでしょう。
なぜ抽象的な軸は響かないのか
就活の軸として「人の役に立ちたい」「成長できる環境で働きたい」といった表現はよく見られますが、こうした抽象的な言い回しだと、面接官の印象に残りづらいです。
なぜならば、同じような言葉を多くの応募者が使っており、企業との接点が見えにくいからです。
誰でも、どの企業を受ける人でも言えるような就活の軸だと、なかなか評価されないでしょう。
「目に見える形で社会インフラに関わりたい」「幅広い年齢のお客様と接する仕事にやりがいを感じる」といった具体的な表現であれば、しっかり企業研究を行い、応募していることが伝わります。
刺さる志望動機に共通する構造
評価される志望動機には理由(Why)・自分の経験や強み(How)・企業の特徴(What)という3つの要素が明確に構成されています。
まず「Why」の部分ではその業界や職種に興味を持った理由を語りましょう。
「デジタル技術によって社会課題を解決できる点に魅力を感じた」など、志望分野に関する本質的な理解を示します。
「How」ではアルバイト、ボランティアなどの経験を通じて得たスキルや価値観を提示し、それが仕事でどのように活かせるかを具体的に述べることが重要です。
そして最後に「What」で、その企業独自のビジョンや取り組みに触れたうえで「だからこそ貴社で働きたい」と繋げることで、一貫性のある説得力の高い志望動機になります。
【就活の軸と志望動機】面接で就活の軸を聞かれた際の答え方
ここからは、面接で就活の軸を聞かれた際に、どのようなポイントに注意して答えるべきなのかを整理していきます。
面接では、就活の軸は頻出質問の一つであるため、まさに事前の対策は必須といえます。
スムーズに回答するためのポイントは、以下の通りです。
- 結論を明確に述べる
- 具体的なエピソードを交える
- 志望動機との関連性を示す
- 入社後の貢献をアピールする
- 上記のポイントに沿って順に重要な点を述べていけば、就活の軸はより伝わりやすくなります。
以下から詳細をチェックしていきましょう。
結論を明確に述べる
就活の軸を述べるときは、まず、結論を明確に伝える必要があります。
結論とは伝えたいことの主旨であり、就活の軸の場合は、「私の就活の軸は〇〇です」という始め方になります。
このように就活の軸をはっきりと伝えれば、何を軸にして就活を進めているのかが明確にわかります。
面接官も、伝えたいことのテーマをスムーズに把握できるため、その後の掘り下げ部分も話を聞きやすくなるでしょう。
このように結論からわかりやすく述べることは、就活の軸だけに限らず志望動機や自己PRなどでも重要であるため、伝え方のポイントとしてしっかりと覚えておきましょう。
なお、結論を簡潔に述べたあとは具体的な理由や背景に触れていくと、より説得力のある説明になります。
具体的なエピソードを交える
就活の軸を伝える際は、最初に結論に触れたうえで、具体的なエピソードを述べていきましょう。
エピソードとは、その軸を設定した理由につながる、具体的な過去経験を指しています。
興味を持ったきっかけの経験や、やりがいを感じたエピソードなどが挙げられます。
具体的なエピソードを伝えれば、自分の経験に基づいて軸を設定していることがわかるため、より納得感の強いアピールになるのがポイントです。
理にかなっているアピール文章は、面接官にとっても印象に残りやすく、高評価につながります。
また、具体的なエピソードは自分の過去経験から来るものなので、ほかの人とは被らない唯一無二のものです。
そのため、ほかの就活生との差別化にもつながり、自分がどのような環境で成長できるのかを強いインパクトをもって示すことができます。
志望動機との関連性を示す
就活の軸を述べる際は、結論→エピソードの順番で詳細を伝えたうえで、志望動機との関連性を示すことが重要です。
志望動機と就活の軸に一貫性があることをアピールできれば、軸からブレずに、自分の適性を見極めたうえでエントリーしていることがわかります。
より説得力のあるアピールにつながるため、面接官に好印象を残すことができます。
具体的には、「私の軸は〇〇であり、貴社の△△という点に魅力を感じています」などのつなげ方が望ましいでしょう。
就活の軸と志望動機はそれぞれ別の概念ですが、関連性が高いことは確かであるため、このように関連性を示しながらアピールすることがインパクトを与えるポイントになります。
一貫性のあるアピールにならないときは、軸からブレた企業選びをしている可能性があるため、くれぐれも注意が必要です。
入社後の貢献をアピールする
就活の軸を話す際には、入社後どのように強みやスキルを活かして貢献したいのか、具体的にアピールする必要があります。
例えば「成長できる環境を求めている」軸を持つ人であれば、「新しいことに挑戦する姿勢を活かし、御社の〇〇分野で早期から戦力になりたい」などのように、具体的な業務や役割に結び付けて話すことが効果的です。
自分の価値観と企業の方向性がマッチしており、その中で自身の強みや性格的特徴などを活かして貢献できるという展望を伝えれば、企業側も「このような学生と働きたい」と思いやすくなります。
具体的な貢献・活躍の形を示してもらえるほど、採用担当者は働くイメージを持ちやすくなるものです。
あいまいな表現で完結させず、具体性のあるアピールでインパクトを残しましょう。
【就活の軸と志望動機】就活の軸を答える際のポイント
就活の軸をエントリーシートや面接などで聞かれた際は、明確に自分の軸を理解してもらえるように、答え方のポイントを押さえておく必要があります。
そのためここからは、就活の軸を答える際のポイントをまとめていきます。
具体的なポイントは、以下の3つがあります 。
- 企業ごとに適した軸を設定する
- 回答に一貫性を持たせる
- 抽象的すぎる表現を避ける
いずれも重要なポイントといえるため、就活の軸の答え方がわからないときは積極的にチェックしておきましょう。
では、詳細を一つひとつ見ていきましょう。
企業ごとに適した軸を設定する
就活の軸を伝える際は、まず、企業の特性や業界に合わせて柔軟に設定する必要があります。
伝える軸やそれに関連する自分の思い・熱意などが企業の方向性と合致していなければ、なぜその軸で自社を志望しているのか、採用担当者は正確に理解できなくなります。
例として、技術革新を重視するIT企業では「技術への興味」や「常に学び続ける姿勢」が軸になりやすいですが、顧客と積極的に接する営業系の企業では「コミュニケーション能力」や「チームワーク」を軸にしたほうが適切といえます。
このように企業に合わせて軸を調整すると、志望した理由とも関連性が生まれ、納得感のあるアピールになります。
企業の文化や求める人物像などは企業研究を通じて事前にリサーチし、それに即した軸を設定することで、より説得力のある伝え方につなげましょう。
回答に一貫性を持たせる
就活の軸を述べる際は、回答内容に一貫性を持たせることが大切です。
全体を通して一貫性のないアピールは、疑問が生まれる原因になるため、良い評価を獲得しにくくなります。
自己分析をもとにした軸は、面接やエントリーシートの回答で一貫して述べることで、信頼感が生まれます。
そのため就活の軸を決めたあとは、それに基づいた経験やエピソードを全ての回答に織り交ぜていくことで、強い印象を与えるようにしましょう。
例えば「挑戦心を軸にして成長を求める」という軸を決めた場合、どのエピソードにおいても挑戦心を絡めてアピールを行うと、話に一貫性が生まれます。
また、企業・職種ごとに軸を微調整すること自体は問題ありませんが、根本的な価値観や考え方に矛盾が生じないように気をつけましょう。
抽象的すぎる表現を避ける
面接やエントリーシートで就活の軸を答える際には、抽象的な表現は避け、具体性のあるアピールを行うことが大切です。
「成長したい」「社会貢献したい」といった平易な言葉では、企業側が求める人物像と一致しているかどうかが判断できません。
「具体的にどう成長したいのか」という深掘りの質問をされる原因になり、その際にうまく答えられなければ、自己分析や軸の設定が甘いと判断されてしまいます。
特に、就活の軸を決めたエピソードや自分の強みを発揮した過去の経験などは、具体的に伝える必要があります。
その経験の中で何を感じたのか、何を学んだのか、詳しく伝えることでほかの就活生との差別化も実現するでしょう。
抽象的すぎる表現が多いと、採用担当者の印象に残らない原因になるため、くれぐれも注意しましょう。
【就活の軸と志望動機】就活の軸を答える際の注意点
就活の軸を答える際は、事前にいくつかの注意点をチェックしておくことも肝心です。
そのためここからは、就活の軸の答え方における注意点をまとめていきます。
具体的な注意点は、以下の3つがあります。
- 「興味がある」だけの軸は避ける
- 複数の軸を挙げすぎない
- 企業に依存しすぎない軸を持つ
いずれも重要な注意点といえるため、軸を設定するときや回答を考えるときなどは、細かくチェックしておきましょう。
では、注意点の詳細を以下からまとめていきます。
「興味がある」だけの軸は避ける
就活の軸をエントリーシートや面接などで答える際は、「興味がある」だけの軸は避けるようにしてください。
単純に「興味がある」という理由だけでは、説得力に欠ける場合があるからです。
「IT業界に興味がある」「営業に興味がある」などの内容のみでは、なぜその仕事や業界を選んだのかが伝わらず、面接官にインパクトや個性を与えにくいといえます。
就活の軸を答えるうえで重要なのは興味だけでなく、その仕事を通じて自分がどのような価値を提供したいのか、どのように成長していきたいのかという具体的なビジョンを述べることです。
単純に「IT業界に興味がある」と述べるのではなく、例えば「IT業界に興味があり、データ解析を通じて企業の意思決定を支えたい」などの伝え方が効果的といえます。
自分の経験や将来の目標などを絡めながら、具体的にアピールするように心がけましょう。
複数の軸を挙げすぎない
選考の際に就活の軸を聞かれた場合は、複数の軸を挙げすぎないように注意しましょう。
なぜなら就活の軸を挙げすぎると、採用担当者に「本当に何を重視しているのかがわからない」と感じさせてしまうからです。
そもそも軸が多すぎると、一つひとつの説明やエピソードが浅くなり、深掘りして話すことが難しくなります。
結果として、何の印象にも残らないアピールになってしまうため、就活の軸は必要以上に列挙すべきではないといえます。
基本的には、自分の価値観や仕事に対する姿勢に基づいた軸を、多くても2~3に絞ることが大切です。
そのうえでそれぞれの軸にエピソードを加えて説明し、採用担当者の印象に残るアピールにつなげる必要があります。
企業に依存しすぎない軸を持つ
就活の軸は、企業の特徴や募集要項に対して、過度に依存しないようにしましょう。
例えば「〇〇社だから」という企業依存型の軸では、ほかの企業との違いがわかりにくくなるのが難点です。
どの企業にも当てはまる汎用的な軸と、その企業ならではの魅力を組み合わせてアピールすることが効果的といえるでしょう。
まずは「社会に対してこのように貢献したい」「このように成長したい」などの軸を明確にしましょう。
そのうえで、なぜその企業でなければならないのかを考えていく流れです。
企業の文化や事業内容、価値観などに目を向ければ、競合他社との違いも明確になるため説得力のあるアピールになります。
就活の軸の回答文を作成する際は、見直しポイントの一つとして、企業依存型の軸になっていないかしっかりチェックしましょう。
【就活の軸と志望動機】就活の軸と志望動機の一貫性と柔軟性のバランスを取るには?
就活の軸と志望動機の一貫性、そして柔軟性のバランスを取るにはどのような点を意識しなければならないのかについて紹介します。
特に、本音の軸と企業の特性がズレた時の工夫を意識しなければ内定が遠ざかってしまうため、ぜひ確認しておいてください。
本音の軸と企業の特性がズレたときの工夫
就活の軸として掲げている価値観と、実際に興味を持った企業の特徴が完全には一致しないことは多々あります。
「成長する環境を重視しているが、気になる企業は安定志向の社風だった」などというケースも少なくありません。
このような場面では無理に軸を曲げて合わせるのではなく、自分の価値観と企業の特性をどう接続するかがポイントです。
「安心して働ける基盤があるからこそ、自分の挑戦も継続できると感じた」など、自分の軸に沿った言い換えを心がけましょう。
無理に企業に合わせてしまうと、志望動機などと矛盾してしまい、嘘をついていると思われてしまいます。
選考ごとに軸を微調整するべきか?
就活の軸は自分自身の価値観やキャリア観に基づいた大きな方針であるべきですが、企業ごとに伝え方を工夫して調整する柔軟性も必要です。
つまり「軸そのものを変える」のではなく「伝える角度を工夫する」という意識が大切です。
「チームで協力して成果を出す環境を求めている」という軸があるとします。
コンサルティング業界では「課題解決型の働き方」に結びつけて説明し、メーカーでは「製品開発や生産ラインのチーム連携」に焦点を当てて伝えるといった具合です。
このように、企業や業界に合わせて具体例や表現を変えることで、一貫性を保ちつつ、しっかりと企業を理解した上で応募していると感じてもらえるでしょう。
【就活の軸と志望動機】就活の軸の例文10選
ここからは、就活の軸の例文を紹介していきます。
軸の設定の仕方、答え方などがわからないときは、事前に例文からチェックすることも大切です。
例文を見ておけば、どのようなパターンの軸があるのかがわかりやすくなるため、軸の設定や回答文作成がスムーズになります。
紹介する例文では、以下のことを軸に設定しています。
- 挑戦できる環境
- チームワークを重視する社風
- 社会貢献性の高い事業
- 自分の強みを活かす
- ワークライフバランスを重視
- グローバルな環境で働く
- 専門性を高められる環境
- 20代で最大限の成長をできる環境
- 新規事業に関われる環境
- 裁量権を持って働ける環境
では、就活の軸の例文をそれぞれ見ていきましょう。
例文1:挑戦できる環境
私の就活の軸は、常に新しいことに挑戦し、成長できる環境で働くことです。
大学時代はゼミでの研究活動を通じて、初めて取り組むテーマに対して試行錯誤しながら問題解決に取り組みました。
この過程で困難な課題に直面した際に、柔軟な発想と粘り強さが重要だと学びました。
また、失敗から得た教訓を次に活かすことが、自己成長に繋がることを実感しました。
その経験から、私は新しい分野や課題に積極的に挑戦し、自らを成長させられる環境を求めるようになりました。
自分の限界を試しながら解決策を見つけることに喜びを感じ、困難な状況でも前向きに取り組む姿勢が重要だと考えています。
入社後はさまざまな挑戦に取り組み、成長を実感できる仕事を通じて自分のスキルを磨きつつ、会社の発展に貢献したいと考えています。
例文2:チームワークを重視する社風
私の就活の軸は、チームワークを重視する社風です。
大学時代はサークル活動でイベントを企画する際、個々の役割を超えて、チーム全体で目標を達成することの重要性を実感しました。
メンバー間で意見を交換し、協力しながら進めることで、個人では達成できない成果を上げることができました。
この経験から、仲間と切磋琢磨し、お互いに刺激を与え合いながら成長できる環境で働きたいと強く感じました。
入社後は、チーム全体で高い成果を上げるために自分の役割を全うし、協力し合いながら成長し続けたいと考えています。
企業が求めるチームワークの中で、お互いに支え合い、目標達成に貢献できる人材として活躍したいです。
例文3:社会貢献性の高い事業
私の就活の軸は、社会貢献性の高い事業に携わることです。
大学時代は、ボランティア活動を通じて地域社会の問題に関心を持ちました。
特に、環境問題や貧困問題に直面する人々を支援することに強い意義を感じました。
この経験から、社会課題を解決する事業に携わり、自分の力を使って社会に貢献することが私の目標となりました。
入社後は、社会課題を解決するために自分のスキルを活かし、人々の生活をより良くするための事業に携わりたいと考えています。
社会に対して価値を提供できる仕事を通じて、充実したキャリアを築いていきたいと思っています。
例文4:自分の強みを活かす
私の就活の軸は、自分の強みを活かせる環境で働くことです。
これまでの学生生活では、ゼミ活動やアルバイトを通じて多様な人たちと関わり、相手の立場に立って考えるコミュニケーション力を培ってきました。
特に、ゼミでは意見の異なるメンバー同士の間に立ち、対話を重ねながら調整を図った経験があります。
この経験から、細やかなコミュニケーションを通じて円滑な人間関係を築くことが、組織にとって重要であると実感しました。
入社後は、この強みを活かしてチームでの協働や顧客との信頼関係構築に貢献し、企業の成長に寄与したいと考えています。
例文5:ワークライフバランスを重視
私の就活の軸は、ワークライフバランスを大事にしながら働くことです。
大学時代、学業とアルバイトを両立させる中で、時間管理の重要性を実感しました。
時間を有効に使うことは、限られた時間内で成果を上げることができるうえに、プライベートの時間を確保することにつながります。
私はこのことを学び、それが同時に、心身の健康に繋がることを実感しました。
その経験から、仕事に集中して打ち込むことも大切ですが、プライベートの時間も充実させることで、長期的に生産性を高めていきたいと考えています。
入社後は効率的に業務を進めながら、ワークライフバランスを意識した働き方を実現し、より円滑にキャリアを築いていきたいです。
例文6:グローバルな環境で働く
私の就活の軸は、グローバルな環境で働くことです。
大学時代、留学を通じて国籍や文化が異なる人々と共に生活し、仕事をする経験を得ました。
その中で、異なる価値観や考え方を尊重し、協力し合うことが仕事において重要であると学びました。
また、異文化を理解し共通の目標に向かってチームで協力することは、視野を広げて成長するきっかけにもなりました。
入社後は海外事業に関わる機会を通じて、異文化理解を深め、グローバルな視野を広げつつ企業の成長に貢献できるよう努めます。
将来的には、国際的なプロジェクトを牽引できるような人材として成長していきたいと考えています。
例文7:専門性を高められる環境
私の就活の軸は、専門性を高められる環境に身を置くことです。
大学では、特定の分野に深く関心を持ち、専門知識を習得することに力を入れてきました。
特に、〇〇の分野において実践的なスキルを磨くことに注力し、知識を実際の問題解決に活かす方法を学びました。
これにより、専門性を深めることの重要性を実感しました。
その経験から、私は自分の専門性をさらに高め、スペシャリストとして活躍できる環境で成長したいと考えています。
入社後は、貴社で提供される学びの機会や業務を通じて、自分の専門性をさらに深め、将来的には業界の第一人者として貢献したいと考えています。
例文8:20代で最大限の成長をできる環境
私の就活の軸は、20代で最大限の成長をできる環境です。
大学時代は、リーダーシップを発揮する機会を得ることができ、自己成長の重要性を強く実感しました。
特に、課題解決に向けてチームを牽引し、スピード感を持って成果を出すことが求められる場面では、自分の成長が加速したことを感じました。
こうした経験から、若いうちから多くの経験を積み、迅速に成長できる環境に身を置きたいと考えるようになりました。
入社後は、貴社の多様な業務やチャンスを活かし、早い段階で実績を上げることでスピーディーに成長していきたいと考えます。
そして将来的には、業務を牽引するリーダーとして活躍し、貴社の発展に貢献したいです。
例文:9新規事業に関われる環境
私の就活の軸は、新規事業に関われる環境下で、自分の能力を発揮することです。
大学でのビジネスプランコンテストに参加した際、自分のアイデアが形になり、多くの人に価値を提供できる可能性があることを実感しました。
そこで新しい価値を生み出す過程に魅力を感じ、事業開発やベンチャー精神を重視する企業に身を置きたいと強く思うようになりました。
入社後は、貴社の新規事業開発に積極的に関わり、自分のアイデアや視点を活かしながら事業を推進していきたいと考えています。
そして将来的には、企業の成長を支える中心的な存在となり、常に新しい価値を創出できるような仕事をしていきたいです。
例文10:裁量権を持って働ける環境
私の就活の軸は、裁量権を持って働ける環境です。
大学時代にグループプロジェクトを進める中では、自分が主体となってチームをリードし、意思決定を行うことの重要性を実感しました。
自分の考えを反映させ、責任を持って成果を出すことに大きなやりがいを感じ、これを仕事に活かしたいと思うようになりました。
意思決定には責任が伴うことも理解しているため、自己成長の機会として、貴社の挑戦的な環境や充実した教育体制には魅力を感じています。
入社後は、裁量権を持って仕事に取り組み、目の前の課題を自分の判断で解決しながらチームや会社全体の成長に貢献したいです。
さらに、将来的には業務の幅を広げながら責任ある役割を担い、新規プロジェクトに立ち上げから携われるようになりたいです。
【就活の軸と志望動機】就活の軸のNG例文3選
就活の軸のNGの例文も3つ紹介します。
以下のような回答を提示してしまうとマイナスな印象を与えてしまう可能性が非常に高いです。
内定が一気に遠ざかってしまうため、反面教師として確認しておいてください。
抽象的すぎて伝わらないNG例文
私の就活の軸は人の役に立てることです。
昔から人を喜ばせることが非常に好きであり、社会に貢献できる仕事をしたいと考えています。
御社のような社会貢献を大切にしており、日々ユーザーファーストの考えを取り入れながら業務に取り組んでいる企業でこそ、私の目標が実現できると考え応募いたしました。
「人の役に立つ」や「社会に貢献」といった表現は非常に広く曖昧な言い回しであり、具体的にどのような価値観を持っているのかが全く伝わりません。
また「なぜその企業なのか」という問いに対しても回答が非常に薄いため、軸と企業選びの結びつきが伝わりにくいでしょう。
企業任せ・受け身すぎるNG例文
私の就活の軸は自分の可能性を引き出してくれる会社で働くことです。
大学生活を通じて明確にやりたいことが定まらないまま時間が過ぎてしまい、今でも迷いがあります。
だからこそ幅広い業務を経験でき、先輩社員から刺激を受けられるような環境に身を置くことで、自分の特性や強みを見つけていきたいと考えています。
自己理解があまりに浅く、自らの価値観や方向性を軸として言語化できていないことが伝わってしまいます。
また「成長させてもらいたい」という受け身の姿勢が強調されており、主体性に欠ける印象も与えてしまうでしょう。
企業は「一緒に成長していく仲間」を求めているため、このような回答だと、マイナスな印象しか与えられません。
軸と志望動機がつながっていないNG例文
(志望動機で「国際的に活躍したい」と話した前提)
私の就活の軸は地域に密着した仕事ができることです。
大学進学を機に一度地元を離れたことで、地域の人の温かさやまちづくりへの関心が高まりました。
将来は地域に貢献できる仕事を通じて、住みやすく、活気あるまちづくりに携わりたいと考えています。
このような思いから、地域社会と関わりの深い企業を探しており、御社に興味を持ちました。
この文章だけで著しくマイナスな印象を与えるというわけではありませんが、大前提として志望動機で「国際的に活躍したい」と話していることを忘れてはいけません。
両方を確認した人事には「志望動機か就活の軸、どちらかで嘘をついている」と思われてしまうでしょう。
「突っ込まれても、明確な根拠を持って弁明できる」と思う人も居るかもしれませんが「就活の回答で、弁明が必要な時点でアウト」と言えます。
【就活の軸と志望動機】志望動機を答える際のポイント
ここからは、就活の軸とあわせて、志望動機を答えるときのポイントをチェックしていきましょう。
主なポイントは、以下の3つが挙げられます。
- 企業への入社意欲を明確にする
- その企業ならではの魅力を語る
- 深掘りされても対応できる準備をする
- 志望動機では、企業への熱意や入社後のビジョンを明確に示す必要があります。
就活の軸との違いもおさらいしながら、どのような点を意識して志望動機をアピールすれば良いのか、詳細をチェックしていきましょう。
企業への入社意欲を明確にする
志望動機を伝えるときは、まず、企業への入社意欲を明確に示す必要があります。
なぜその企業を志望するのか、誰もがわかる明確な理由や根拠を伝えましょう。
基本的なパターンでいうと、志望動機は、企業の理念や事業内容に共感した理由を述べる形がわかりやすいといえます。
その企業でなければならない独自の理由を伝えられるため、どのような業界・企業にも当てはまるような、あいまいな志望動機になることを防げます。
具体的な理由をアピールできれば、事前に企業理解をしっかりと深めていることがわかるため、熱意・入社意欲を伝えるポイントにもなるでしょう。
熱意・入社意欲とはいっても「頑張りたい」「一生懸命働く」などの言葉では抽象的なので、具体的にどのような点に共感しているのかを伝えるようにしましょう。
その企業ならではの魅力を語る
志望動機を説明する際は、その企業ならではの魅力に焦点を当てる必要があります。
ほかの企業ではなく、その企業を選んだ理由を明らかにすると、しっかり第一志望の企業としてエントリーしていることがわかります。
いわゆる使い回しのような志望動機にはならないため、採用担当者からは好印象を持ってもらえるでしょう。
同じような事業を取り扱う企業でも、企業ごとに環境や社風、求められる人物像などは異なるものです。
そのため、志望動機作成の際は、とにかく事前のリサーチが欠かせません。
企業の強みや独自性のある特徴をリサーチし、自分の価値観と照らし合わせながら話すと、説得力が増します。
公式ホームページやIR情報、募集要項などさまざまな場所に目を通しながら、企業について理解を深め、志望動機ではその企業ならではの魅力に積極的に触れていきましょう。
深掘りされても対応できる準備をする
志望動機を話す際は、深掘りされても対応できる準備を徹底する必要があります。
面接では、高い確率で深掘り質問をされることになるため、準備が不十分だと答えに詰まってしまう恐れがあります。
深掘り質問の傾向は、「どのように」「なぜ」という、より具体的なポイントを尋ねることです。
例えば志望動機に関連したエピソードを話す際は、どのように興味を持ったのかなどの経緯を、より詳しく話してほしいと質問される可能性があります。
そのため志望動機を作成する際は、自分の経験や考え方と関連付けながら、一貫性のあるストーリーを組み立てるようにしましょう。
そのうえで、深掘りされても困らないように、徹底的に考えをまとめておくことが大切です。
【就活の軸と志望動機】まとめ
就活の軸は、企業選びを行ううえで重要な基準になります。
これに対して志望動機は、その企業を選んだ理由を具体的に述べるものです。
両者はよく似ている部分はありますが、異なる概念であるため、それぞれを設定する際は混同しないように注意が必要です。
就活では、あらかじめ軸を明確にすることで、志望動機に説得力を持たせることができます。
なお、就活の軸も志望動機も、面接やエントリーシートにおいては頻出の質問といえます。
具体的な答え方については、例文なども参考にしながら、事前にしっかりと対策しておきましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート