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【デザイナーの自己PR】一般的な自己PRで企業が見ているポイント
続いて、一般的な自己PRにおいて企業が見ているポイントについて紹介します。
以下はデザイナー職に限らず、どのような職種においても確認されるポイントです。
したがって、デザイナーを目指す方はもちろん、他の職種を志望する場合でも、以下のポイントは覚えておいてください。
- 企業の求める人物像とのマッチ度
- 持っているスキルや能力
- 入社後の活躍ビジョン
企業の求める人物像とのマッチ度
自己PRを作成する上で最も重要なのは、企業の求める人物像と自分の強みが合致しているかどうかを意識することです。
どれだけ自信のあるスキルや実績をアピールしても、それが企業の方向性や価値観とズレていれば、アピールにはなりません。
採用担当者は自己PRを通じて「この人は自社の社風や求める役割にマッチするか」「長期的に活躍してくれる人材かどうか」を見ています。
したがって、まずは企業研究を徹底的に行い、求められている人物像を具体的にイメージしましょう。
例えば、チームでの連携を重視する会社であれば、協調性やコミュニケーション能力に触れるなど、相手のニーズに沿ったアピールが必要です。
持っているスキルや能力
企業が自己PRで確認したいのは、その人がどのようなスキルや能力を持っていて、それをどのように発揮してきたかという点です。
特にデザイナー職の場合、デザインソフトの操作スキルや制作実績といった技術的な能力はもちろん、課題を発見する力やアイデアを形にする力、ユーザー視点で考える力など、幅広い資質が求められます。
また、企業のスタンスによって「今すぐ現場で働ける即戦力を求めているのか」「将来性を見込んだ育成前提の採用なのか」は異なるため、自分のレベルや経験を把握し、相手のニーズにどう合致するのかを整理して伝えることが大切です。
入社後の活躍ビジョン
企業が自己PRから知りたいと考えている最も重要な要素の1つとして、現在のスキルや実績だけでなく「この人は入社後にどのような形で活躍しそうか」「自社の雰囲気に合っているか」といった将来的なビジョンがあります。
「UIデザインの知識・経験を活かし、ユーザー体験を向上させるプロジェクトに関わりたい」など、具体的なイメージがあると、能力が明確になり、企業側の採用メリットも伝わりやすいでしょう。
また、そのビジョンが会社の事業領域や価値観と重なっていれば「この人はしっかり調べた上で志望している」という印象を持ってもらえます。
【デザイナーの自己PR】デザイナーの自己PRで評価されるポイント
続いて、デザイナーの自己PRで評価されやすいポイントについて紹介します。
以下の4つのスキルはデザイナー職を目指す場合、どのような企業であっても求められる可能性が高い能力であるため、ぜひ積極的にアピールしましょう。
- 持っているデザインスキル
- デザインまでの思考プロセス
- コミュニケーション力・協調性
- 管理能力
持っているデザインスキル
デザイナー職における自己PRでは、何よりも自分の持っているスキルをどのように伝えるかが重要です。
Illustrator、Photoshop、Figma、After Effectsなど、ツールをどの程度使えるかは実務での即戦力を見極める材料になります。
新卒採用においてスキルの有無が合否に直結することは少ないものの、一定のスキルや作品があると「入社後、すぐに活躍してくれそうだ」と印象づけられ、評価が一気に高まります。
したがって、実績や資格がある場合は、必ずアピールしましょう。
ポートフォリオがある場合、提出して良いかを確認した上でESなどに添付するのもおすすめです。
デザインまでの思考プロセス
デザインまでの思考プロセスをアピールするのも非常におすすめです。
デザインの評価は完成したビジュアルだけで決まるものではありません。
そのデザインがどのような課題を解決しようとしているのか、どのような思考のもとで形になったのかというプロセスこそが、企業にとって大切な判断材料となります。
自己PRでこの思考過程を伝えることで、課題の本質を捉える力や、論理的に組み立てる力をアピールすることが可能です。
「直感的に操作しやすいインターフェースを意識した」「ブランドイメージに沿った色彩を選び、親しみやすさと印象のバランスを意識した」など、どのような背景と目的があり、それをどう形にしたかを丁寧に説明しましょう。
コミュニケーション力・協調性
デザイナーは単独で完結する仕事ではなく、常に誰かと関わりながら制作物を作っていく職種です。
したがって、自己PRにおいてコミュニケーション能力や協調性は非常に重要な評価ポイントと言えるでしょう。
ディレクターとのすり合わせ、クライアントとのやり取りなど、多くの場面で相手の意図や要望を正しく理解し、デザインに落とし込む力が求められます。
自己PRにおいてはチームの中でどう動いたか、自分がどのように周囲と連携して仕事を進めたのかを具体的に語ると伝わりやすいです。
また、対話を重ねて方向性を調整した経験や、相手の意見を尊重しつつ、自分のアイデアを説得力を持って伝えた経験などがあると、入社後、活躍できる印象を与えられます。
管理能力
デザインの仕事には見た目の美しさやアイディアだけでなく、納期やスケジュールを守る管理能力も欠かせません。
特にクライアントワークを前提としたデザイン職においては、期日を守ってクオリティの高いものを納品する責任感が求められます。
したがって、自己PRで「複数の案件を並行して進行し、優先順位をつけてタスク管理を行った」などのエピソードを話すと良いでしょう。
また、チームの進行管理やトラブル時に計画を立て直した経験などがあれば、それも大きなアピールポイントです。
企業は納期に遅れず、チームの信頼を得ながら継続的に業務を進められる人材を求めているため、管理能力の高さは積極的にアピールしましょう。
【デザイナーの自己PR】企業ごとの評価軸に注意
デザイナーを目指す人が就職することになる可能性が高い企業には様々なものがありますが、特に代表的なものは以下の3つです。
企業ごとに評価軸がそれぞれ異なるため、どのような点を評価されやすいのかを意識した上で、自己PRを作成してください。
- UI/UX企業
- 広告・グラフィック系
- メーカーやプロダクト系
UI/UXデザイン企業
UI/UXデザインを専門とする企業では、見た目の美しさはもちろん、ユーザー視点に沿った設計ができているかが重視されます。
自己PRでは「誰の、どのような課題を解決するためにデザインを行ったのか」「どのようなプロセスで改善したか」を丁寧に説明することが大切です。
ユーザーの行動データをもとにUIを再設計した経験や、ユーザーテストを繰り返しながら改善に取り組んだ経験があれば、それを具体的に紹介すると高く評価されやすいです。
また、その改善経験で何を学び、入社後の再現性があるかを伝えられれば、より評価が高まるでしょう。
広告・グラフィック系
広告やグラフィックを手掛ける企業においてはデザインの完成度に加えて企画力やアイデアの幅広さ、そしてスピード感を持って形にできる実行力が重視されます。
この業界ではクライアントごとに異なるブランドイメージや課題に応じて、短期間で印象に残るビジュアルを生み出す力が必要です。
したがって、自己PRでは「テーマに対してどのような狙いをもって企画し、どのように表現に落とし込んだのか」という過程が明確に伝わるよう心がけましょう。
また、トレンドや時代の流れを読み取り、それをデザインに取り入れる感度の高さも評価につながります。
そして、広告系のデザインは納期が短く、1日に数十本も納品を求められることもあるため、スピード感もアピールできれば理想的です。
メーカーやプロダクト系
メーカーやプロダクト開発に関わるデザイン企業では見た目の美しさに加えて機能性が重視される傾向があります。
したがって、自己PRでは「使いやすさとデザイン性をどのように両立させたか」を語ることを心がけましょう。
また、プロダクトデザインはチームで進める場面が多く、エンジニアや企画部門など異なる立場の人たちと連携してものづくりを行った経験が高く評価されます。
「リサーチを踏まえて機能を見直し、設計段階でエンジニアと仕様の調整を行った」などのエピソードがあれば、チーム開発に貢献できることをアピールできます。
表層のデザインだけでなく、製品としての完成度までを見据えた思考があることを示せると、評価されやすいでしょう。
【デザイナーの自己PR】スキル以外でアピールすべき長所
続いて、スキル以外でアピールすべき長所について紹介します。
「強み」と「長所」は混同されがちですが、厳密に分けて考えると、それぞれの意味には違いがあります。
強みとは「スキル」や「能力」といったものを指すもので、デザインスキルや英語力など、「経験を通じて培った技術」です。
一方、長所は育った環境や生まれ持った気質に起因するもので「性格」と呼んだ方がイメージしやすいかもしれません。
明るさや根気強さ、素直さといった特徴がこれにあたります。
こうした「長所」をスキルと組み合わせてアピールすることで、より魅力的な人物像を伝えることができます。
「長所」は性格や人柄など、比較的「生まれ持った特徴」や「普段の自分らしさ」を指します。
伸びしろを示すことが大切
基本的に、新卒の採用においては「伸びしろを示すことが大切である」ことを忘れてはいけません。
デザイナーを目指している方は特にスキルをアピールしたくなるでしょうが、企業が気になっているのは「入社後どのように働いてくれるのか」というポイントです。
性格や内面に近い「長所」をアピールして、伸びしろを示すことも心がけてください。
もちろん、スキルと長所の両方をアピールできれば理想的ですが、文字数や時間は限られているので、新卒採用の場合、性格的な部分をアピールした方が良い場合もあります。
協調性
デザイナーの仕事は個人の表現力に依存している部分もありますが、現場では他の職種との連携が必要不可欠です。
したがって、協調性はスキル以上に重要視されることも少なくありません。
デザインの方針を決める際にはディレクター、エンジニア、クライアントなど多くの人とやり取りをします。
そうした中で、自分の意見だけを押し通すのではなく、相手の立場や考えを尊重しながら、建設的にアイデアを交わせる姿勢が大切です。
修正依頼に対して快く応じたり、プロジェクト内で他人の負担をカバーしたりなど、細かな配慮が信頼関係を築きます。
協調性があり、プロジェクトの円滑な進行に貢献できることをアピールしましょう。
管理能力
管理能力の高さをアピールするのもおすすめです。
プロジェクトにおいてスケジュールを守ることは当然のこととされますが、その裏には「先を見越して動けるか」「予想外の事態にも落ち着いて対応できるか」という資質が求められます。
デザイン技術だけではなく、納品に間に合わせるために今やるべきことは何かを判断できる力は、社会人として不可欠です。
また、複数の案件を同時に進める場面でも混乱せずに優先順位をつけて動ける人はチーム内でも中心的な存在となり得ます。
忙しい大学生活で、どのような工夫をしてスケジュールを管理してきたかを語って、管理能力の高さを印象づけましょう。
創造力
創造力の高さはデザインの発想に直結するため、ぜひアピールしたいところです。
常識にとらわれず試行錯誤を楽しめる人は、企画の初期段階でも積極的にアイデアを出せる存在と期待されるでしょう。
また、創造力のある人は技術の引き出しだけでなく、発想の起点がどこにあるかが独特であることが多く、新たな視点を提供できます。
「何に興味を持ってきたか」「どのような場面でひらめきを得られ、デザインに活かしたか」といった情報を言葉にできれば、創造力の豊かさを印象づけることができます。
観察力
観察力は物事に丁寧に目を向け、細部に気づける能力です。
日常生活の中で、ふとした違和感や美しさを見逃さず、メモを取るような習慣がある人はデザインのインスピレーションを日頃から拾う力に長けています。
また、他者の表情や動きに敏感な人はコミュニケーションにおいても適切な反応ができ、デザインの方向性を柔軟に調整できる器用さも持ち合わせていることが多いです。
常に生活の中でデザインに関するアイディアを拾えることをアピールできれば「入社後に活躍できる」と判断されるでしょう。
どのような時に違和感を覚えるか、どのような瞬間にアイディアをひらめくかなど「自分の感じ方」を交えながら伝えれば、観察力の高さをアピールできます。
提案力
提案力は自分の考えを伝える力だけでなく、相手の意見や目的を汲み取った上で最適な解決策を示せる力で、社内のメンバーやクライアントとの打ち合わせで必要なスキルです。
特にデザイナーはクライアントやチームメンバーに対して自らのアイデアやビジュアルの意図を分かりやすく伝える必要があります。
その際「こうしました。このような結果がありました」ではなく「なぜそうしたのか」「どうすればもっと良くなるのか」といった点まで具体的に提示できる人は周囲から信頼されやすいでしょう。
また、意見が合わない際も、相手の意見を否定するのではなく、代替案を提示しながら前向きな方向に導ける提案力は、仕事において極めて重要です。
傾聴力
デザイナーの仕事ではクライアントやチームメンバーの要望を的確に把握することが大切ですが、その要望が曖昧だったり、言葉になっていなかったりすることもあります。
そうした時に、相手の話を表面的に処理して終わるのではなく、背景や意図まで汲み取ろうとする態度を持つ人、つまり傾聴力がある人は信頼を集めやすいでしょう。
また、傾聴力が高い人は自分と異なる意見を即座に否定せず、一度受け止めた上で建設的に議論を進めることができ、チームの和を保つことにも大きく貢献できます。
特にクリエイティブな現場では意見の衝突が起きやすいため、まず相手の意見をしっかりと聞く姿勢はプロジェクト全体の円滑な進行に欠かせない要素と言えます。
表現力
表現力が高い人も、多くの企業から重宝されるでしょう。
表現力のある人は言葉、ビジュアル、動きなど様々な手段を用いて、自分の思いを形にしようとする意欲があります。
また、伝え方を工夫する力も強く、相手にどう伝わるかを想像して試行錯誤できる点も特徴です。
デザイナーにとってはこの「相手に届くように形にする」という発想が極めて重要であり、自己満足ではなく、他者と共鳴できる作品づくりにつながります。
感じ取る力や伝えたい意識が強い人はデザインの完成度だけでなく、人の心を動かす表現ができるからです。
特に、メッセージ性の強いデザインを好む企業で求められるスキルと言えるでしょう。
課題発見力
デザイナーは仕様通りにデザインを仕上げるだけで満足するのではなく「ユーザーが離脱している原因は何か」などと問いを立てて調査し、改善の筋道を見つけることが求められます。
つまり、課題発見力が強く求められる職業と言えるのです。
この力は誰かに与えられるものではなく「もっと良くしたい」「使いやすくしたい」といった内発的な意識から生まれます。
課題発見力が高い人は日常の中でも違和感を見逃さず、改善の余地を見つけて行動に移せるタイプです。
サークルやアルバイトなどで積極的に課題を探し、解決を目指した経験などを話し、アピールしましょう。
柔軟性
柔軟性は変化や想定外の状況に対して素早く対応できる力です。
デザインの現場では急な仕様変更やスケジュールの調整、チームの編成替えなど、予定通りに進まないことも多々あります。
そのようなとき、柔軟性のある人は「今できる最善」を考え、落ち着いて対応できるため、役割をこなすだけでなく、チームに安心感を与える存在にもなります。
また、デザイナーの仕事ではクライアントの要望が二転三転することがありますが、変更された意図を理解し、最適なデザインに昇華させる発想力と器の広さも「柔軟性」の一部です。
柔軟性をアピールしたい場合は、問題が発生した際やスケジュール変更が発生した際、どのように対応したかについて触れると良いでしょう。
【デザイナーの自己PR】自己PRを書く前の準備
デザイナーの自己PRを作成する際は、事前にさまざまな準備を行うことで、より完成度の高いアピール文章に仕上げることが大切です。
そのためここからは、自己PRを書く前の準備として重要な工程を解説していきます。
重要なのは以下の3つです。
- 自己分析をする
- 志望企業を研究する
- 過去経験や強みを整理する
特に自己分析と企業研究は、魅力的な自己PRを作成するうえで重要なプロセスといえるでしょう。
では、具体的な準備の内容を解説していきます。
自己分析をする
デザイナーの自己PRを作成する際は、自己分析を行い、自分自身についての理解度を高める必要があります。
自己分析ではさまざまな点から「自分とはどのような人か」を分析していくため、強みや長所を的確に把握できます。
自分の強みを理解しておけば、どのような仕事・働き方に適性があるのかがわかりやすくなります。
また、自分の強みや長所を具体的にわかっていれば、自己PRでは説得力・深みのあるアピールができるでしょう。
どのような場面でどのようなスキルを発揮できるのかを明確にアピールするためにも、自己分析はしっかりと行いましょう。
自己分析を行えば今後自分が希望する方向性、将来のビジョンも自然と見えてくるため、今後の展望も具体的に伝えられるようになります。
志望企業を研究する
デザイナーの自己PRを作成するうえでは、志望企業についての研究も欠かせません。
志望企業の募集要項についてよくチェックするのはもちろんのこと、ほかにはその企業の理念や社風、事業内容などを具体的に把握しておくことが重要です。
志望企業を研究して理解を深めれば、どのようなスキルが求められているのか、どのような人物が社風にマッチするのかがわかるようになります。
すると自己PRは、求められる人物像に沿って作成できるようになるでしょう。
たとえば志望企業が協調性を重んじているなら、協調性を積極的にアピールするなどの工夫ができるということです。
企業が求める人物像や重視するスキルに合わせてアピール内容を工夫すれば、当然、企業からは好印象を持たれやすくなります。
魅力的な自己PRを作成するうえで重要なポイントといえるため、事前の企業研究は徹底的に行いましょう。
過去経験や強みを整理する
デザイナーの自己PRを作成する場合は、過去経験や強みを整理することも重要です。
過去にどのような経験をしてきたのか、その経験で何を学んでどのような能力を鍛えてきたのかを整理すれば、どのようなエピソードや強みをアピールするのが適切か把握できるでしょう。
自分の魅力や能力をアピールするうえで、過去の経験やエピソードを説明することは必要不可欠です。
エピソードは人それぞれ異なるため、具体的に説明して自分の能力や経験をアピールすれば、より採用担当者の印象に残りやすくなります。
自己PRは、抽象的であればあるほどほかの人と内容がかぶりやすくなり、採用担当者の記憶に残りにくくなります。
自分の個性や強みをアピールするうえでしっかりとインパクトを与えるためにも、過去の経験・エピソードは、よく振り返っておきましょう。
【デザイナーの自己PR】自己PRを書く際の注意点
デザイナーの自己PRを書くときは、せっかくのアピールを無駄にしないために、さまざまな注意点に目を向けておく必要があります。
そのためここからは、自己PRを書く際の注意点を解説していきます。
主な注意点は、以下の2つです。
- 実績紹介にならないようにする
- チームワークが重要であることを理解する
能力ややれることを羅列するのみではただの実績紹介になってしまい、アピールとして決定力に欠けるため注意が必要です。
また、デザイナーはチームワークが重要であることをしっかり理解したうえで自己PRを作成しましょう。
では、注意点を詳しく解説していきます。
実績紹介にならないようにする
デザイナーの自己PRを作成する際は、単純な実績紹介にならないように注意しましょう。
実績が豊富な人は確かに良い評価を獲得しやすいですが、自己PRは、実績を並べることではありません。
自己PRは自分の強みを伝え、企業でどのような貢献・活躍ができるのかを述べることが目的です。
ただ実績を紹介するだけでは企業に合うかどうかなどの細かい部分が不明確であり、採用担当者は適切に本人のポテンシャルを評価できないため、採用の決め手に欠けるといえます。
実績を伝える場合は、どのような強みがあってその実績につながったのか、そしてその強みや実績を活かしてどのような活躍ができるのかをアピールしましょう。
すでに自己PRを作成している場合は、実績を羅列しているだけになっていないか、内容をよく見直してみましょう。
チームワークが重要であることを理解する
デザイナーの自己PRを作成する際は、そもそもデザイナーはチームワークやコミュニケーションが重要であることを理解しておく必要があります。
クリエイティブ系の仕事は、一人で黙々と作業に没頭するイメージもあるかもしれませんが、実際は意外と違うことも多いものです。
デザイナーはプロジェクトに参加してデザインを担当するため、仕事を進める際は、他部署の担当者やクライアントとの細やかなやりとりが欠かせません。
クライアントの要望に応えるためには、何度もデザイン案を提案したり細かい部分をすり合わせしたりすることも少なくないため、チームワークやコミュニケーションを大事にできることは必須スキルといえます。
そういった性質をあらかじめ理解しておけば、アピールポイントも見極めやすくなります。
【デザイナーの自己PR】自己PRのおすすめ構成
デザイナーの自己PRを作成するときは、要点を明確に伝えられる構成を意識することが大事です。
そのため自己PRを書くときのポイントを押さえるなら、おすすめの構成もチェックしておきましょう。
おすすめの構成は、以下の流れのとおりです。
- 結論
- 具体的なエピソード
- 学んだこと
- 入社後にどう活かすか
以上の4ステップに沿って自己PRを作成すれば、どのような点が強みなのかが伝わりやすくなり、魅力的なアピール文章を書くことができます。
では、具体的にどのような点を書けば良いのか、詳細を見ていきましょう。
結論
自己PRでは、最初に結論として、「何が強みなのか」という点を明確に述べる必要があります。
最初に結論を持ってくるべき理由は、何を伝えたいアピールなのか、論点・テーマをわかりやすく示す必要があるからです。
最初に「私の強みは〇〇です」とアピールすれば、何についての話なのか理解が早くなるため、面接官にとっては話を聞きやすくなることがポイントです。
内容がわかりやすいアピールは、そこまで特別で個性のあることを伝えていなくても、より明確に理解できるからこそ印象に残ります。
逆に、エピソードなどから述べるアピールは論点がわかりにくいため、自己PRを伝える際は「結論ファースト」を徹底する必要があります。
結論ファーストの伝え方は、志望動機や長所短所などのアピールでも重要になるため、わかりやすいアピール方法の基本としてしっかり覚えておきましょう。
具体的なエピソード
自己PRを伝える際は、最初に結論をわかりやすく述べたうえで、具体的なエピソードにつなげましょう。
エピソードは、強みの詳細を伝えていくうえで重要な箇所だからです。
具体的なエピソードのない自己PRは説得力がなく、信憑性も低いと思われやすいため、高評価につながりません。
そのため自己PRで強みを伝える際は、必ずその具体例となるエピソードもあわせて取り上げるようにしましょう。
なお、エピソード自体も順を追ってわかりやすく説明することが重要です。
基本的には、以下の流れを踏まえて伝えることが望ましいでしょう。
- 直面した課題
- 解決のための行動
- 結果
どのような課題があり、強みを活かしてどのように行動したのかを述べることで、自分の強みはより伝わりやすくなります。
学んだこと
自己PRで強みを伝える際は、エピソードでどのように強みが発揮されたのかを述べたうえで、経験から学んだことに触れましょう。
学んだこととは、経験を通じて実感したこと、鍛えられた能力、自分に備わるようになった姿勢などを指します。
学んだことを述べれば、経験から学んだり能力を身につけたりすることができる人であることをアピールできるため、自分のポテンシャルや伸びしろを伝えるきっかけにもなります。
そのため、学んだことは具体的に伝えることが必要です。
たとえば「私はこの経験を通じて大事なことを学びました」「さまざまなことを勉強しました」などのあいまいな伝え方をすると、具体性がないことでマイナスな評価につながってしまいます。
培ったスキルの名前などには具体的に触れ、どのような強み・スキル・知識があるのかを明確に示しましょう。
入社後にどう活かすか
デザイナーの自己PRでは、どのように強みを今後活かしていくのか、最後に具体的なアピールをして締めくくる必要があります。
エピソードとともに具体的な強みを述べるのみでは、企業にとって、決定打のあるアピールとはいえないからです。
企業にとって重要なのは、強みを活かして会社に貢献してくれることです。
そのため自己PRでは、最後に、具体的な活躍・貢献の内容を示す必要があるのです。
そのアピール内容が具体的であればあるほど、企業からは魅力を感じてもらいやすくなるでしょう。
より強い意欲を持っている人材として評価してもらえるため、内定につながるきっかけになります。
そのため自己PRを決定力のあるアピールにするうえでは、自分の強みを企業でどのように活かせるか、企業研究・分析をすることで明確なビジョンを持つことが重要です。
【デザイナーの自己PR】自己PRの例文3選
デザイナーを志望する際は、ポートフォリオの質を高めたり制作を頑張ったりするだけでなく、自己PRの完成度も当然上げる必要があります。
しかし、初めて自己PRを作成する人は、アピールのコツや注意点を勉強してもなかなか良いアピール文章は書けないものです。
そんなときは、まずデザイナーを志望するときの自己PRの例文をチェックしておくと良いでしょう。
そのためここからは、デザイナーの自己PRの例文を3つまとめていきます。
どのような表現方法があるのかを学ぶためにも、完成度の高い自己PRを作成するなら、例文は積極的に見ておきましょう。
デザイナーの自己PRの例文1
私の強みは、協調性です。
大学時代は学園祭実行委員として広告制作プロジェクトに参加し、チーム内の円滑なコミュニケーションと連携に注力しました。
プロジェクト当初、メンバー間で意見が食い違い、制作が停滞してしまうという課題に直面しました。
そこで私は、それぞれの意見を傾聴し、異なる考え方の共通点を見出すことに取り組みました。
そのうえでデザイン案を視覚的に整理してプレゼンを行い、全員が納得する形で方向性を定めることに成功しました。
結果、スケジュールの遅れを取り戻し、制作した広告は来場者の方から好評を得ました。
入社後も協調性を活かし、チームメンバーとともに多様な視点を取り入れたデザインを生み出すことで、お客様に価値を提供することに努めたいと考えます。

協調性やチームワークなどのチームで動けることの強みをアピールする自己PRは、具体的かつわかりやすいアピールの仕方をすれば、多くの企業から魅力を感じてもらいやすくなります。
しかし、協調性やチームワークと一口にいってもどのような強みなのかはわかりにくいため、自己PRではとにかく具体性や詳細が重要です。
エピソードでどのような行動をしてきたのか、何を担当してきたのかを説明し、しっかりと魅力的な強みを持つことをアピールしましょう。
デザイナーの自己PRの例文2
私の強みは、柔軟な発想力です。
長期インターンでは、Web制作会社でデザイン業務の経験を積みました。
参加したプロジェクトでは、クライアントの求めるデザインが曖昧で方向性が定まらないという課題に直面しました。
そこで私は、クライアントの要望を深掘りするためのヒアリングシートを作成し、具体的なイメージを引き出しました。
ほかにはトレンドや競合分析を取り入れた提案も行い、複数の選択肢を提示しました。
結果、クライアントからは「想像以上の仕上がりだった」と高く評価していただけました。
入社後も柔軟な発想力を活かし、多様な視点から魅力的なデザインを生み出していきたいと考えています。
発想力などのクリエイティブ系の能力も、デザイナーを志望するうえではやはり積極的にアピールしたい強みといえます。

大学やこれまでの仕事などで発想力を培ってきた人は、どのようなプロジェクトに参加したのか、具体的に自分はどのように行動して発想力を発揮したのかなどをしっかり伝えましょう。
なお、強みを活かしてもたらした成果については、例文のように人からの評価に触れることも重要です。
たとえば「良い出来栄えだった」と主観的な伝え方になると、アピールとして弱いと思われやすいため、周りから評価された成果はぜひアピールしていきましょう。
デザイナーの自己PRの例文3
私が持つ強みは、コミュニケーション能力です。
大学のグループ制作では複数のメンバーと協力し一つの作品を完成させましたが、制作の過程では、メンバー間の役割分担が定まらず作業が停滞してしまうことがありました。
そこで私は、ミーティングの実施を提案し、それぞれの意見を聞き取ることで役割を再設定しました。
また、進捗管理のアプリを導入して情報共有を行い、メンバー全員が制作に集中できる環境を整えました。
結果、作品の完成度が高まり、学内の展示会では優秀賞を受賞しました。
貴社に入社した際は、コミュニケーション能力を活かしてクライアントやチームメンバーと信頼関係を築き、優れたデザインを生み出したいと考えています。

デザイナーを志望する際は、強みとして、コミュニケーション能力も評価されやすいでしょう。
しかしコミュニケーション能力こそ、単純に伝えるだけではさまざまな種類・形が考えられるため、あいまいさが際立つことが難点です。
そのため、どのような行動によってコミュニケーション能力を発揮してきたのかは具体的に伝える必要があります。
コミュニケーション能力を発揮した具体的なエピソードを伝えれば、企業も入社後の様子を想像しやすくなるため、採用においては良い結果につながるといえます。
【デザイナーの自己PR】まとめ
デザイナーの自己PRを作成するときは、どのような点が評価されやすいのか、どのような強み・長所をアピールすべきなのかを事前に理解することが大切です。
また、アピールの際は単純な実績紹介になっていないかなどのチェックも必要です。
ほかには、必要に応じて例文を参考にすることもぜひ意識しましょう。
デザイナーは、クリエイティブ関係の能力だけでなく、協調性やコミュニケーション能力も必須となる仕事です。
仕事の性質をよく理解したうえで適切なアピールポイントを考え、より魅力的な自己PRを仕上げましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)
柴田貴司
(就活市場監修者)
確かにスキルの高さは大切ではありますが、基本的に新卒採用は「ポテンシャル採用」です。
入社初日から、既存社員と同等のレベルで働くことを求められるわけではないため、あなたの内面的な強みや将来性を期待できる強みについて述べて「可能であれば、スキルについても触れる」という優先順位で話しましょう。