【ES】「はたらく上で大切にしたいと思うこと」の例文と通過のポイント【任天堂】

【ES】「はたらく上で大切にしたいと思うこと」の例文と通過のポイント【任天堂】

就活においては、はたらく上で大切にしたいと思うことについて聞かれることが多いです。

志望動機や自己PRよりは聞かれる可能性が低いですが、あらかじめ回答を用意しておかないと、面食らってしまうことがあります。

主にESに書く際に焦点を当てて紹介しますが、面接で聞かれることもあるため、どのようなタイミングで聞かれても、うまく答えられるようになっておきましょう。

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【はたらく上で大切にしたいと思うこと】「はたらく上で大切にしたいと思うこと」とは?

まず、はたらく上で大切にしたいことは何かという定義について考えてみましょう。

文字通り、業務に取り組むに当たって大切にしたいと思う価値観であり、集団の人間関係や仕事への向き合い方、捉え方など、業務を行う上で大切にしたい価値観のことを指す言葉です。

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柴田貴司
(就活市場監修者/新卒エージェント本部幹部)

柴田貴司
(就活市場監修者)

「はたらく上で大切にしたいこと」は、選考においてさまざまな企業から聞かれることになります。しかし、答えを準備していないとなかなか答えられない質問のひとつでもあります。実際、弊社に相談に来られる学生でこの回答に困っている就活生も少なくありません。この記事で解説する「はたらく上で大切にしたいと思うこと」が聞かれる理由とアピールのポイントをおさえて、選考を通過しましょう。

【働く上で大切にしたいと思うこと】ESで聞かれる理由

では、はたらく上で大切にしたいと思うことについて企業はなぜ聞いてくるのでしょうか。

相手側の意図を理解しておけば、よりスムーズに回答できるようになるため、ぜひ以下の3つを覚えておいてください。

仕事に対する価値観が知りたいから

企業にとって、価値観が合う人材は長期的に活躍しやすく、正規離職のリスクが少ないと考えられます。

応募者がチームで協力しながら成果を出すことを大切にしたいと考えている場合、個人の成果を重視する企業文化ではミスマッチが生じる可能性があります。

逆に、チームワークを重視する企業であれば、その価値観が共通感を生み、仕事にも自然と適用できるでしょう。

企業は応募者の考え方や行動の指向が自社の方向性や環境に適しているか知ることで、採用後の定着度や貢献度を判断します。

はたらくことに対する意欲が知りたいから

社会人になるということは、与えられた仕事をこなすだけでなく、自分の成長や組織への貢献が求められる立場に変わるということです。

そのため、自分なりにはたらくとは何か、どのような仕事に取り組みたいのかを考えている人材は入社後も前向きに行動し、成長する可能性が高いと判断されます。

例えば「新しいことに挑戦し、知識を広げてお客様に喜ばれる価値を提供したい」など、明確に話しましょう。

具体的にどのような場面でその考えを大切にしたいのか、エピソードを交えながら伝えると、採用担当者には響きやすくなります。

はたらくことに対する前向きな意欲が示されれば、企業側もこの人は目標を持って成長し、会社に貢献してくれるだろうと期待を寄せやすくなります。

仕事に対する責任感が知りたいから

仕事における責任感とは任された業務や役割を最後までやり遂げる意識であり、企業にとって欠かせない要素の1つです。

この質問を通じて、応募者がどのような場面で責任感を発揮し、それを今後どのように仕事に活かすつもりなのかを知ろうとしています。

例えば「約束したことを必ず守る」「業務のクオリティを維持するために、細部まで確認す」るなど、具体的な責任感の表れを述べましょう。

過去の経験を交えて、チーム全体の目標達成に向けて行動した際、最後まで粘り強く課題に取り組んだなどのエピソードを示すと説得力が高まります。

入社後の活躍の可能性を知りたいから

入社後の活躍の可能性を知りたいと思い、この質問をしてくる企業も多いです。

この質問を通じて、応募者が自律心や価値観、信念をどのように持ち、それを実際の業務でどのように反映させるかを見極めようとしています。

仕事に対する考え方や行動原則はその人の働き方に直結するため、企業がその内容に注目するのは自然なことと言えるでしょう。

「働く上で大切にしたいこと」を答える際、応募者の価値観が明確であればあるほど、企業はその人がどのように仕事に向き合うかを具体的に想像しやすくなります。

例えば、チームワークを大切にすると答えるならば、その人がチームの一員としてどのように他のメンバーと協力しながら仕事を進めるかが想像されます。

また、結果重視の姿勢を持つと述べるならば、目標を達成するためにどのような努力を重ね、具体的な成果を上げるかが企業にとっての注目ポイントとなります。

このように、企業に自分の行動や仕事への取り組み方を具体的にイメージさせられる回答を心がけましょう。

【はたらく上で大切にしたいと思うこと】見つからない際の4つの見つけ方

ここまで、はたらく上で大切にしたいことについて企業が聞いてくる理由を説明しました。

しかし、自分がはたらく上で大切にしたいと思っていることが何も思いつかない人も居るでしょう。

そのような方のために、見つけ方について紹介します。

以下の4つの対策に取り組めば、何も思いつかない場合でも何かしら言える要素が見つかるはずです。

個人ではなく集団で取り組んだことを振り返る

何も思いつかない場合、過去の集団での取り組みについて振り返ってみて、自分の役割や心がけた行動を整理してみると良いでしょう。

集団での経験は個人での活動以上に周囲との関わりや自分の役割が明確になる場面が多く、価値観を見つける手がかりが隠れています。

例えば、部活動やゼミ、グループやアルバイトでチームの一員として取り組んだ経験を思い出してみましょう。

その際、どのようなことを意識して行動したのかを具体的に振り返ることが大切です。

リーダーとしてメンバーをまとめた経験があるならば、全体の調和を大切にしたいという価値観が見つかるかもしれません。

逆にサポート役として注意を払った経験があるならば「人を支えることでチームに貢献することを大切にしている」と言えます。

また、目標達成のためにどのような工夫や努力をしたのかを整理することで、自分が仕事で大切にしたい考え方も明確になるでしょう。

希望の職種や仕事内容から考える

希望する職種や仕事内容に関連する経験を整理して、その中から価値観を探るのもおすすめの選択肢の1つです。

まず、自分が興味を持っている職種や企業の業務内容を確認し、それに必要とされる能力や思考を考えてみましょう。

その際、自分の過去の経験でその能力を発揮した場面について振り返ってみてください。

例えば、営業職を志望しているなら、相手との信頼関係を築くために意識した行動や工夫を掘り下げることで「人との関わりを大切にしたい」という価値観が見えてくるかもしれません。

また、企画職を目指す場合は課題を解決するために試行錯誤した経験を振り返ると「粘り強く問題解決に取り組むことを大切にしている」と気づけるでしょう。

このように、希望する職種と自分の経験を結びつけ、なぜその行動を取ったのか、誰のために何のために行動したのかを深掘りしておくことで、はたらく上で大切にしたいことが明確になります。

目指す将来像から考えてみる

はたらく上で大切にしたいことが見つからない場合、将来の自分がどうありたいかを考えることも有効です。

目指す将来像を描くことで、その実現に必要な力や考え方が明確になり、自分の価値観を見つけやすくなります。

例えば「人の役に立つ仕事をしたい」「専門性を高めて社会に貢献したい」などと述べた場合、その思いを実現するために必要な行動や考え方を整理してみましょう。

具体的になぜその将来像を目指したいのか、どのような行動が必要なのかを掘り下げることで、自分がはたらく上で何を大切にしているかが見えてきます。

将来像が明確であれば、その過程で直面する困難や課題に対する自分の姿勢や心がけも明確になります。

「挑戦を重ねて成長し続けたい」「チームと協力して大きな成果を出したい」といった価値観も見つかるでしょう。

OBOG訪問をしてヒントをもらう

自分でははたらく上で大切にしたいことが全く思いつかない場合、OBOG訪問を通じてヒントを得る方法もおすすめです。

実際に働いている社会人の価値観や考え方を聞くことで、はたらく上で大切にする要素が具体的にイメージできるようになります。

例えば、OBOGに「どの仕事でどのような価値観を大切にしているのか」「なぜその考え方を持つようになったのか」などを質問してみましょう。

そこから、自分も「人との信頼関係を築きたい」「挑戦を恐れず行動する姿勢を持ちたい」など、自分の考え方を見つけられることがあります。

また、異なる業界や職種ではたらく人の話を聞くことで、自分がどのような働き方をしたいのかが具体的になります。

OBOG訪問を通じた気づきを元に、自分の経験や考え方と照らし合わせながら価値観を整理しましょう。

【はたらく上で大切にしたいと思うこと】好印象を与える書き方のポイント

続いて、選考を通過するためにはどのような書き方をしなければならないのかポイントを紹介します。

以下のような書き方で、はたらく上で大切にしたいと思うことを伝えれば、企業の採用担当者にも理解されやすく、質の高い回答が出来上がるはずです。

ぜひ参考にしてみてください。

わかりやすい構成で伝える

はたらく上で大切にしたいことを伝える際には、まず分かりやすい構成で内容を整理することが大切です。

最初に自分が大切にしたいことを結論として端的に述べ、その後、その考えに至った根拠となるエピソードを詳しく説明します。

結論を明確に示すことで、採用担当者はあなたの価値観を理解しやすくなるでしょう。

エピソード部分では自分が過去にどのような経験を通じてその価値観を大切にするようになったのかを具体的に説明してください。

例えば、アルバイトやゼミ活動での体験を通じて学んだことや、自分の判断や行動がどのように周囲に良い影響を与えたのかを示すと説得力が増します。

最後に、入社後にその価値観をどのように活かし、企業や業務に貢献していくつもりなのかを述べることで、未来への意欲を示しましょう。

この「結論・根拠・入社後の展望」という流れを意識すると、採用担当者にとって読みやすく、印象に残る文章が作成できます。

志望企業へのマッチ度が高いことを伝える

はたらく上で大切にしたいことを伝える際には、志望する企業とのマッチ度を示すこともポイントです。

企業がこの質問をする意図の1つとして、応募者が自社の価値観や方針に共感し、長く働いてくれる人材かを見極めることが挙げられます。

そのため、企業の理念や業務内容をしっかり研究し、自分の価値観や考えがどの部分で合致しているのかを示しましょう。

例えば、チームワークを大切にしたいという価値観がある場合、企業が掲げる「協力して目標を達成する文化」や「チームで挑戦する姿勢」に共感していることを伝えられます。

志望企業の公式サイトや採用情報、社員インタビューなどを通じて企業文化や求める人物像を理解し、自分の考えと重なる部分を具体的に言葉にしましょう。

できるだけ具体的に伝える

これはESにおいて、どのような項目にも共通していることですが、内容を具体的に述べることは非常に重要です。

抽象的な言葉だけでは説得力に欠け、採用担当者にあなたの価値観や人柄が正確に伝わりません。

例えば、人間関係を大切にしたいと思っている場合、具体的にどのような場面でその考えを意識したのか、どのような行動を取ったのかを示しましょう。

「アルバイト先で新人のサポートに力を入れた結果、チーム全体の雰囲気が良くなり、売上も向上した」などの具体的なエピソードを用いることで、自分の価値観が伝わりやすくなります。

また「責任感を持って取り組みたい」という価値観であれば「担当したプロジェクトで最後まで粘り強く業務を遂行し、目標を達成した」などと話すと、説得力が増すでしょう。

具体的な内容は採用担当者にあなたの考え方が実際の行動で成果につながっていることを示し、信頼感を与えるものです。

長期インターンやアルバイトの経験と絡めて伝える

長期インターンやアルバイトの経験があるならば、積極的にその業務や経験と絡めて伝えることもおすすめです。

実際の業務経験を通じて得た価値観や気づきは具体性があり、説得力が高いため、採用担当者にも強い印象を残せます。

例えば「お客様との信頼関係を築くことを大切にしたい」という価値観を伝えるならば、アルバイト先で顧客の要望に応えるために工夫した経験や、その結果として得た信頼関係について述べると良いでしょう。

また、長期インターンでチームの一員として働いた経験があるならば「協力して業務を進めることで目標達成につながった」という具体例を示すことで、はたらく上での価値観が明確になります。

実際の経験に基づいて価値観を語り、仕事に対する意識の高さや行動力を伝えましょう。

ESの他の項目と矛盾しない内容にする

これはどのような項目を回答する際にも必要なことと言えますが、他の項目と矛盾しない内容にすることが重要です。

自己PRや長所短所などの項目で自分の特性や行動スタイルについてアピールすることがありますが、それらが一貫していない場合、信頼性や誠実さが疑われてしまう可能性が高いです。

一貫性は採用担当者にとって応募者の人柄や行動を理解するための重要な要素です。

自己PRでチームワークを大切にしていると述べているのに「働く上で大切にしたいこと」の項目で「個人の生活を最優先にする」と書いてしまうと矛盾が生じます。

このような矛盾は採用担当者に対して「この人は嘘をついているのだな」と思わせてしまい、信頼性を大きく損なう結果となります。

そこで、自己PRで挙げた内容と「働く上で大切にしたいこと」など、それぞれの項目を関連付ける必要があるのです。

【働く上で大切にしたいと思うこと】ESに書く際の注意点

はたらく上で大切にしたいと思うことを書く際の注意点は、以下の3点です。

はたらく上で大切にしたいと思うことを書く際の注意点
  • 今の自分には分からないと答えるのは避ける
  • 仕事に前向きでない内容は避ける
  • 当たり前すぎるない内容は避ける

質問に回答する際は、採用担当者に将来の姿を想像させ、企業が求める人物像とマッチしていることを伝えるのが重要です。

そのため、曖昧な表現や消極的な言葉の使用は避けましょう。

本章を参考にして、マイナスな印象を与えない文章にしてください。

今の自分には分からないと答えるのは避ける

書く際の注意点の1つ目は、今の自分には分からないと答えるのは避けることです。

採用担当者に消極的な印象を与えます。

とくに、入社意欲や成長意欲がない人物と判断されるでしょう。

就活において、物事に対する意欲が重要です。

新卒は、現在持っているスキルよりも、ポテンシャルが重要視されます。

そのため、採用担当者からの質問には、主体性をアピールし、入社したい気持ちを伝えましょう。

質問に対して「分からない」と回答してしまうと、アピールすべきポイントが採用担当者に伝わりません。

実際にはたらいた経験がない就活生にとって、想像しにくい質問でしょう。

しかし、採用担当者も経験がない、もしくは浅いことは理解しています。

現時点での自分の考えを伝えることが大切です。

仕事に前向きでない内容は避ける

書く際の注意点の2つ目は、仕事に前向きでない内容は避けることです。

マイナス表現を多用すると、採用担当者から「成長性がない」「将来性がない」と判断されます。

内定を獲得するには、採用担当者に将来活躍できる人材だとアピールすることが重要です。

また、ネガティブ発言を連発すると、採用担当者は就活生に対してネガティブな印象を持つでしょう。

一度、決まった評価を覆すのは非常に困難です。

とくに、マイナス評価が定着すると、採用担当者が余程のメリットを感じない限り採用にはいたりません。

わざわざ自分で自分の評価を下げる必要はないため、質問に回答する際は注意してください。

謙遜の意味をこめたくなりますが、避けるのが無難です。

当たり前すぎる内容は避ける

書く際の注意点の3つ目は、当たり前すぎるない内容は避けることです。

社会人としてのマナーに該当するものは、回答する必要はありません。

採用担当者にとって、当たり前のことであり、プラス評価にならないからです。

例えば「遅刻しない」「挨拶する」「敬語を話す」などは、避けましょう。

就活する段階で、身につけておくべきものです。

あえて発言することで、採用担当者から「社会人としてのマナーが欠けているかもしれない」と悪い印象を与えます。

さらに、他の就活生との差別化になりません。

自分なりの価値観や人間性を伝えるためにも、当たり前すぎる内容の使用は控えましょう。

抽象的な表現は避ける

抽象的な表現は必ず避けましょう。

「会社に貢献したい」「一生懸命働きたい」といった表現は言葉としては正しいものですが、具体的にどのような行動や価値観を持っているのかはイメージできるものではありません。

抽象的な内容ではあなたの人柄や考えが伝わらないため、評価が低くなる可能性があります。

具体性を持たせるためには自分の価値観や行動を明確に示すことが必要です。

「会社に貢献する」という言葉を使う場合「チームで協力しながらプロジェクトを最後まで導き、会社の利益向上に寄与することを大切にしたい」といった形で具体的に書くと、どのように貢献したいのかが相手に伝わりやすくなります。

このように、抽象的な言葉を補足する具体例や行動を添えることで、採用担当者はあなたの考え方や働き方を具体的にイメージできるのです。

【働く上で大切にしたいと思うこと】回答する際のおすすめ文章構成

続いて「働く上で大切にしたいと思うこと」を回答する際のおすすめの文章構成について紹介します。

以下の構成に沿って作成しておけば、質の高い文章を提供できることでしょう。

結論:働く上で大切にしたいこと

「働く上で大切にしたいこと」を回答する際には最初に結論を端的に述べることが重要です。

あなたが仕事をする上で、どのような価値観や姿勢を重視しているかを具体的に伝えることが求められます。

「私はチーム全体の成功を目指し、周囲と協力する姿勢を大切にしています」や「顧客満足を追求することを最優先に考えています」といったように、明確なテーマを提示しましょう。

このように最初に結論を述べることで、採用担当者はあなたの価値観や方向性を理解しやすくなります。

曖昧な表現や抽象的な言葉を避けて、具体性を持たせることが大切です。

エピソード:そう思った理由となる体験

次に、その価値観を大切にしたいと思った具体的なエピソードを理由を交えて説明しましょう。

この部分では自分の経験をもとになぜその価値観を重視するようになったのかについて語ることが大切です。

例えば「大学時代のアルバイトでリーダーを務めた際、メンバーがそれぞれの役割を果たすことで売上が向上した経験から、チームの協力が仕事の成果に直結することを学びました」といったように、具体的な事例を示すことで説得力が高まります。

エピソードを通じてあなたの考え方や行動が自然に伝わるようにしましょう。

また「ただの体験談」ではなく「その経験から何を学び、それがどのように働く上での価値観につながったのか」を明確に述べることがポイントです。

入社後について:どう行動していくか

最後に、入社後にどのように行動し、そんな価値観を実現していきたいかを述べましょう。

この部分では企業に対する具体的な貢献のイメージを示すことが重要です。

「入社後は顧客対応の場で積極的にチームメンバーと意見を交換しながら、業務改善に取り組み、チーム全体で成果を出せる環境を作ると考えています」といったように、行動計画を具体的に記述します。

この部分を企業の求める人物像や業務内容に反映させると、企業との適合性がさらに伝わりやすくなるでしょう。

また、自分の価値観をどのように企業の目標に結びつけるかを意識して述べることで、説得力がさらに高まるはずです。

このように、結論、理由、具体的な行動計画を一貫して述べることがポイントです。

【働く上で大切にしたいと思うこと】ESの回答例一覧

ここまで紹介してきたポイントや、おすすめの構成などを踏まえた上で、はたらく上で大切にしたいと思っていることについての回答例を紹介します。

例文のポイントについても詳しく説明するため、参考にしつつ自分のESも書いてみてください。

例文1:向上心を大切にする場合

例文

私は向上心を持って取り組み続けることを大切にしています。
私は先日までアルバイトを3つ掛け持ちしていましたが、飲食店でも学習塾でも家庭教師でも、常にスキルアップを目指して取り組んでいました。
飲食店ではより早く料理を作れるように、塾ではより集団に対して分かりやすく説明できるように、家庭教師では一人ひとりの生徒により寄り添えるように心がけていました。
これにより、常にスキルを向上させることができ、どのアルバイトの同僚からも高く評価され、さらに全員が私を参考にスキルアップに取り組んでくれるようになりました。
この経験から、向上心を持って取り組むことは自分のスキルアップだけでなく、周囲にも良い影響を与えられることに気づきました。
貴社に入社した際にはプログラマーとしてプログラミングの学習だけでなく、最新のIT業界の動向を追い続け、モチベーション高く取り組むことで、周囲を行動でモチベートできる人物を目指します。

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柴田貴司
(就活市場監修者/新卒エージェント本部幹部)

柴田貴司
(就活市場監修者)

なぜ向上心を持って取り組み続けることが大切と考えたのかのエピソードが非常に分かりやすいです。また、このエピソードは自分の中で完結しておらず、周囲からのフィードバックがあり、周囲に影響を与えられたという説明も加えられており、客観性が加わっています
さらに、向上心の高さは目まぐるしいスピードで技術が進化するIT業界に非常に重要なものであるため、能力や考え方と目指す企業の方向性が一致していることも伝えられています。

例文2:信頼関係を大切にする場合

例文

私が働く上で大切にしたいことは信頼関係の構築です。
仕事を円滑に進める上で、上司や同僚、取引先などとの信頼は基盤になると考えています。
大学時代、ゼミ活動でリーダーを務めた際、意見の衝突が原因でプロジェクトが停滞することが少なくありませんでした。
そこで、私は全員の意見に真摯に耳を傾け、透明性を持って進捗状況や課題を共有しました。
これにより、メンバーから信頼を得て、プロジェクトを無事成功に導くことができました。
この経験から、信頼関係が生む安心感や協力の強さを学びました。
入社後はどのような仕事でも誠実さを忘れず、約束を守り、相手の期待を超える成果を目指して行動したいと考えています。

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柴田貴司
(就活市場監修者/新卒エージェント本部幹部)

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まず最も基本的なことである「結論から述べる」ということができています。そして、文字数に余裕があるため、結論を補強するための説明も一言で分かりやすくできている点もポイントです。
実際にどのような場面で問題が発生したのか、そしてその問題を解決するためにどのように取り組んだのかについても非常に分かりやすいと言えます。最終的にどのような結果が得られたのかについても述べられていますし、入社後どのようにその経験を活かして貢献するかの説明も分かりやすくできているため、非常に良い例文であると言えるでしょう。

例文3:協調性を大切にする場合

例文

私が働く上で大切にしたいことは協調性を発揮することです。
仕事は多くの場合チームで進めるものであり、各メンバーの役割が連携して成果を生み出すため、協調性が重要であると考えています。
大学時代、サークル活動において文化祭のイベント企画に参加した際、メンバー間で企画内容について意見が割れてしまいました。
そこで、私はそれぞれの意見を詳しく聞き、全体の方向性を見直しながら常に調整を続けて進めました。
また、役割分担を明確にし、全員が持つスキルを最大限活かせるよう配慮した結果、メンバー全員が納得し、当日は来場者からの満足度100%という最高の成果を残すことができました。
入社後は自分の意見を大切にしつつも他者の意見も尊重し、質の高い折衷案を出すことで最善の解決策を模索する姿勢を持ち続け、貢献したいと考えています。

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柴田貴司
(就活市場監修者/新卒エージェント本部幹部)

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こちらも結論から述べられていて分かりやすいですし、なぜ協調性を大切にするようになったのかの説明が非常にスムーズにできています。どのような問題があったのか、その問題を解決するためにどのように工夫をし、その結果どのように成功させたのかの説明が流れるように読めるため、非常に分かりやすいです。
また、入社後その経験をどのように活かして貢献するのかについての説明も分かりやすくできているため、非常に印象の良い例文であると言えるでしょう。

例文4:責任感を大切にする場合

例文

私が働く上で大切にしたいことは責任感を持つことです。
責任を果たすことで信頼を得るだけでなく、結果に対する主体性が問われるため、仕事の成果に直結すると考えています。
大学時代、アルバイトで店舗の売上管理を任された際、売上目標が達成できない時期がありました。
私はそこで売上不振の原因を分析し、新たな販売促進策を提案しました。
スタッフ全員に施策の目的や方法を共有し、協力を得ながら実行に移した結果、2ヶ月後には売上目標を達成し、その後一度もノルマを下回ることはありませんでした。
この経験を通じて、責任感を持ち主体的に行動することが結果につながると感じました。
入社後は業務の大小にかかわらず責任を持って取り組み、信頼される社員を目指したいと考えています。

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柴田貴司
(就活市場監修者/新卒エージェント本部幹部)

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こちらの文章も「どのような経験を通じて責任感を大切にするようになったか」の説明が、非常にわかりやすくできています。また、自分が実際に工夫をして結果を出したという説明をする際も、数字を用いて説明できているため、誰が読んでも理解できる文章です。
そして、入社後はどのようにその責任感を活かすのかについての説明もできているため、非常に分かりやすい例文であると言えるでしょう。

例文5:コミュニケーションを大切にする場合

例文

私が働く上で大切にしたいことはコミュニケーションを円滑に保つことです。
職場での良好なコミュニケーションは仕事の質を高め、チームの結束力を強める鍵だと考えています。
大学時代、サークルで新入生歓迎イベントのリーダーを務めた際、メンバー間のコミュニケーション不足が原因で準備が進まず、トラブルが頻発しました。
そこで、私はメンバー一人ひとりと積極的に対話し、状況を把握することを心掛け、定期的に進捗共有の場を設けました。
これにより、情報の行き違いや誤解を防ぐことができ、イベントを無事に成功させることができました。
入社後は同僚や上司、取引先と積極的にコミュニケーションを取り、相互理解を深め、業務を円滑に進めることで、組織全体のパフォーマンスを高める役割を果たしたいと考えています。

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柴田貴司
(就活市場監修者/新卒エージェント本部幹部)

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なぜコミュニケーションを大切にするようになったのかの説明が非常に分かりやすくできています。失敗から学び、その後そのプロジェクトを軌道修正することで成功させたというエピソードは非常に良い印象を与えられるものです。
また、入社した際にそのコミュニケーションをどのように大切にして貢献していくのかについての説明もわかりやすくできているため、再現性がある回答であるという印象を持ってもらえることでしょう。

【はたらく上で大切にしたいと思うこと】ESのNG回答例

続いて、はたらく上で大切にしたいと思うことのNG例文を紹介します。

以下のような文章を提出してしまってはマイナスな印象を与えてしまう可能性が高いため、反面教師として活用してください。

NG例文

私がはたらく上で大切にしていることは、福利厚生の充実です。
私は先日までインターンに参加していましたが、営業職の業務で土日まで出勤させられ、すぐに体調を崩してしまいました。
非常に体育会系であり「契約を獲得できるまで帰ってくるな」と言われたこともあり、このような企業では絶対に働きたくないと考えました。
貴社は社員の健康管理を徹底しており、有給も多く、自社のサプリメントを安く購入できるなど、健康状態を整えやすい点に魅力を感じました。
貴社のような社員を大切にする文化が根付いている企業でこそ、安定して長く働き、スキルアップし、貢献していけると考えています。

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柴田貴司
(就活市場監修者/新卒エージェント本部幹部)

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「自社のサプリメントを安く〜」以降はそこまで悪くありませんが、前半のイメージが悪すぎる例文であると言えます。まず、主題を福利厚生の充実と言っている時点で、仕事に対するやる気がないと思われてしまう可能性があります。
また、何かの悪口を言うことは就活において絶対にNGです。確かに、ブラックなインターンであったことは伝わりますが「すぐ体調を崩す上にやる気がない人物」という印象を与えることは間違いありません。ESを作成する際は目指す企業に焦点を当て、福利厚生や休みの多さなど、マイナスな印象を与えやすい主題を外して説明するようにしましょう。

面接の場で「はたらく上で大切にしたいこと」の回答後に想定される質問

質問に回答した後には、さらに質問が続くため、あらかじめ想定しておくことが重要です。

本章では「はたらく上で大切にしたいこと」の回答後に想定される質問を、2つ解説します。

別角度からの質問にも柔軟に対応するために、参考にしてください。

どの質問が来ても、スムーズに回答し、将来について考えていることをアピールしましょう。

自分の考えとは異なる人とはどう働くのか

「自分の考えとは異なる人とはどう働くのか」と質問された場合は、相手の考えを尊重することを伝えましょう。

企業には大勢の社員が在籍します。全員が同じ考えになることは不可能です。

しかし、仕事を進めるには、協力する必要があります。

そのため、自分とは違う考えを持つ人とも、一緒に勤務できることをアピールしましょう。

例えば「もし、違う考えの人がいても、相手の考えを尊重し、価値観を共有することに努めます」と回答できます。

採用担当者に対して、職場環境に馴染める人材であることが伝わるでしょう。

仕事する際は、まったく異なる価値観を持った人と勤務する必要があると、認識しておくことが重要です。

「仕事をする上で大切なこと」が達成できない場合、どうするのか

もし自分の考えが達成できない場合は、柔軟に対応する姿勢をアピールしましょう。

加えて、前向きな姿勢が伝えられると効果的です。

勤務していると、自分の価値観に合わない瞬間が訪れます。

しかし、成果を出すためには、工夫して乗り越える必要があるでしょう。

そこで自分なりにどう対応するつもりなのか、しっかり述べてください。

例えば「解決策を模索しつつ、長期的な視点で目標達成を目指します」と主体的かつ、ポジティブな意見で返しましょう。

採用担当者から、臨機応変に対応できる人材だと評価されることが重要です。

トラブルに直面しても周囲と協力して解決できる人材は、重宝されます。

もし、自分の価値観に合わない場合でも、受け入れられる人材だとアピールしましょう。

【働く上で大切にしたいと思うこと】類似の質問と混同しないよう注意

続いて、働く上で大切にしたいことと似ている質問について紹介します。

以下の質問と混同してしまうと、相手が求めている回答を提供できない可能性があるため、それぞれの違いについて具体的に紹介します。

「大切にしている価値観」との違い

「働く上で大切にしたいこと」という質問は個人的な価値観全般について尋ねているわけではありません。

この点で「大切にしている価値観」とは明確に区別する必要があります。

「働く上で大切にしたいと思うこと」という質問では、具体的に仕事をする際の行動指針や心構えについて言及する必要があるのです。

「チームの目標達成に向けて積極的に意見を述べる」「顧客に満足してもらうために質の高いサービスを提供する」といった、職場での行動に直結する答えが重要です。

この違いを意識せずに回答してしまうと「質問の意図を十分に汲み取れていない」と思われてしまう可能性があります。

個人の価値観としての誠実さを示したい場合でも、職場でどのようにそれを体現するかを具体的に示す必要があります。

「あなたにとって仕事とは」との違い

「働く上で大切にしたいと思うこと」と「あなたにとって仕事とは」という質問も混同しがちですが、目的やニュアンスが異なります。

「あなたにとって仕事とは」という質問は仕事そのものに対する基本的な考え方を問うものです。

「自己成長のため」「社会に貢献する手段」といった、仕事を通じて何を得たいか、何を目指しているのかを答えるのが適切です。

一方「働く上で大切にしたいと思うこと」は日々の業務や職場での行動指針に焦点を当てた質問といえます。

お客様の満足度向上を最優先に考える、チーム全体の成果を意識して協力するといった具体的な行動や姿勢を挙げる必要があります。

このように、仕事そのものに関する考え方と、働く中での行動指針の違いを意識することで、明確で適切な回答ができるようになります。

「仕事をする上で大切なこと」との違い

「働く上で大切にしたいと思うこと」と「仕事をする上で大切なこと」は内容が非常に近いため、区別が難しい場合があります。

しかし「仕事をする上で大切なこと」は業務を遂行する際の具体的な要素に焦点を当てられることが多いです。

「期限を守る」「効率的に業務を進める」など、より実務的な内容が求められることが一般的です。

一方「働く上で大切にしたいと思うこと」は業務を超えて、職場全体での行動支援や人間関係のあり方にも含みを持たせた質問と捉えられます。

「多様な意見を尊重しながら意思決定を進める」「長期的な視点でチームを支える」といった答えが考えられます。

このように、質問の広がりを意識しながら、自分が伝えたい内容を質問の意図に合わせて調整することが重要です。

【働く上で大切にしたいと思うこと】予想される深掘り質問

続いて、働く上で大切にしたいと思うことについて聞かれた際の回答を深掘りされた場合に想定される質問の例を紹介します。

以下の2つは深掘り質問として聞かれることが多い内容であるため、ぜひ覚えておきましょう。

違うことを大切にしている人とどう働くか

働く上で大切にしたいことについて話した後「違う価値観を持つ人々とどのように働くか」という質問をされることが多いです。

このような質問がされる場合、職場が様々な価値観を持つ人々で構成されている企業である場合が多いです。

企業は採用する人材が自分の価値観だけを押し通すのではなく、周囲と調和を保ちながら成果を上げる力を持っているかを確認したいと考えています。

この質問に答える際には、まず自分が大切にしている価値観を簡潔に説明した上で、それが他者と異なる場合の対応指針を具体的に述べる必要があります。

例えば、自分が成果を重視する価値観を持っており、同僚がプロセスを重視する価値観を持っていたとしましょう。

その際、どのように相手の考えを尊重し、自分の意見を共有するかを説明することが重要です。

実際の業務シーンを想定した質問

「自分のノルマを抱えながら追加の業務を振られた際、どのように対処しますか」といった具体的なシナリオを提示される質問では、応募者の価値観が実際の業務にどのように影響を与えるのかが問われます。

この質問に対する答え方としては、普段から大切にしている考え方を基軸にして、その状況でどのような行動をとるかを論理的に説明することが重要です。

「自分のスキルでは時間がかかりすぎる業務に直面した場合、まずは上司や同僚に相談してアドバイスを求める」「そのアドバイスをもとに、自分で再度取り組む」など、具体的な行動を挙げると、解決力があることを伝えられます。

また、この際、自分の行動がチームやプロジェクト全体にどのように寄与するかを補足すると、より納得感のある回答になるでしょう。

【働く上で大切にしたいと思うこと】他の質問での活用方法

続いて「働く上で大切にしたいと思うこと」という質問を他の質問に応用するためのコツについても紹介します。

この質問は100%聞かれるものではないため、あらかじめ準備していたにも関わらず聞かれないと、損をしたような気分になってしまいます。

しかし以下のような質問にも応用可能な考え方であるため、全く無駄になるということはないのです。

志望動機でも活用できる

「働く上で大切にしたいと思うこと」の回答を作る際、整理した自分の価値観や仕事観は志望動機を述べる際にも活用できます。

志望動機の中で自分が大切にしている価値観と応募先企業のビジョンや理念の重なる点を強調することで、説得力のある回答ができます。

例えばあなたがチームで協力して成果を上げることを大切にしていて、応募先企業がチームワークを重視している文化であるならば、その点を具体的に結びつけて説明することが可能です。

このように、働く上での価値観を具体的に志望動機に織り交ぜることで、企業への適合性を端的にアピールできます。

キャリアビジョンを聞かれた時にも活用できる

キャリアビジョンに対する質問の回答にも「働く上で大切にしたいと思うこと」の回答は応用できます。

キャリアビジョンを問われた際に自分がどのような価値観を大切にしながら成長していきたいのかを軸に話を展開することで、面接官に強い印象を与えられます。

「挑戦を恐れず成長を続けることを大切にしている」という価値観ならば、その考えの延長として「将来的に新しい事業を立ち上げたい」と述べると、自分のキャリアに説得力を持たせることが可能です。

大切にしている価値観を明確に伝え、それを基にどのようなキャリアを築いていきたいのか具体的に述べることで、ただの理想論ではなく、実体験に基づいていることを示せるでしょう。

【新たな価値を生み出したと思うエピソード】具体的に回答してESを通過しよう!

今回ははたらく上で大切にしたいと思うことについて、ESで聞かれた際の回答の方法や例文、NG例文などを紹介しました。

100%聞かれる項目ではありませんが、しっかりと対策しておくことで、いざ聞かれた時もスムーズに回答できるようになります。

また、はたらく上で大切にしたいと思うことを明確にしておけば、就活の軸について聞かれた際もスムーズに回答できるようになるため、受ける企業で聞かれるかどうかに関係なく、回答を準備しておきましょう。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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