【例文8選】エントリーシートでの「働く上で大切にしたいこと」企業が見ている意図と答え方を徹底解説!

【例文8選】エントリーシートでの「働く上で大切にしたいこと」企業が見ている意図と答え方を徹底解説!

就活のエントリーシートや面接で頻出する質問の一つが、「あなたが働く上で大切にしたいと思うこと」です。

この質問は一見すると抽象的ですが、企業が知りたいのはあなたの価値観が自社の理念や仕事の進め方と合っているかという点です。

自分の考えを明確に言葉で表せる学生は、社会人としての基礎が整っていると評価されます。

この記事では、質問の意図から回答の構成、例文、NG回答までを具体的に紹介し、企業の心を動かす「働く上で大切にしたいこと」の書き方をわかりやすく解説します。

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【働く上で大切にしたいと思うこと】ESで聞かれる理由

では、働く上で大切にしたいことについて企業はなぜ聞いてくるのでしょうか。

相手側の意図を理解しておけば、よりスムーズに回答できるようになるため、ぜひ以下の3つを覚えておいてください。

仕事に対する価値観が知りたいから

企業にとって、価値観が合う人材は長期的に活躍しやすく、正規離職のリスクが少ないと考えられます。

応募者がチームで協力しながら成果を出すことを大切にしたいと考えている場合、個人の成果を重視する企業文化ではミスマッチが生じる可能性があります。

逆に、チームワークを重視する企業であれば、その価値観が共通感を生み、仕事にも自然と適用できるでしょう。

企業は応募者の考え方や行動の指向が自社の方向性や環境に適しているか知ることで、採用後の定着度や貢献度を判断します。

はたらくことに対する意欲が知りたいから

社会人になるということは、与えられた仕事をこなすだけでなく、自分の成長や組織への貢献が求められる立場に変わるということです。

そのため、自分なりにはたらくとは何か、どのような仕事に取り組みたいのかを考えている人材は入社後も前向きに行動し、成長する可能性が高いと判断されます。

例えば「新しいことに挑戦し、知識を広げてお客様に喜ばれる価値を提供したい」など、明確に話しましょう。

具体的にどのような場面でその考えを大切にしたいのか、エピソードを交えながら伝えると、採用担当者には響きやすくなります。

はたらくことに対する前向きな意欲が示されれば、企業側もこの人は目標を持って成長し、会社に貢献してくれるだろうと期待を寄せやすくなります。

仕事に対する責任感が知りたいから

仕事における責任感とは任された業務や役割を最後までやり遂げる意識であり、企業にとって欠かせない要素の1つです。

この質問を通じて、応募者がどのような場面で責任感を発揮し、それを今後どのように仕事に活かすつもりなのかを知ろうとしています。

例えば「約束したことを必ず守る」「業務のクオリティを維持するために、細部まで確認す」るなど、具体的な責任感の表れを述べましょう。

過去の経験を交えて、チーム全体の目標達成に向けて行動した際、最後まで粘り強く課題に取り組んだなどのエピソードを示すと説得力が高まります。

入社後の活躍の可能性を知りたいから

入社後の活躍の可能性を知りたいと思い、この質問をしてくる企業も多いです。

この質問を通じて、応募者が自律心や価値観、信念をどのように持ち、それを実際の業務でどのように反映させるかを見極めようとしています。

仕事に対する考え方や行動原則はその人の働き方に直結するため、企業がその内容に注目するのは自然なことと言えるでしょう。

「働く上で大切にしたいこと」を答える際、応募者の価値観が明確であればあるほど、企業はその人がどのように仕事に向き合うかを具体的に想像しやすくなります。

例えば、チームワークを大切にすると答えるならば、その人がチームの一員としてどのように他のメンバーと協力しながら仕事を進めるかが想像されます。

また、結果重視の姿勢を持つと述べるならば、目標を達成するためにどのような努力を重ね、具体的な成果を上げるかが企業にとっての注目ポイントとなります。

このように、企業に自分の行動や仕事への取り組み方を具体的にイメージさせられる回答を心がけましょう。

【働く上で大切にしたいこと】好印象を与える書き方のポイント

続いて、選考を通過するためにはどのような書き方をしなければならないのかポイントを紹介します。

以下のような書き方で、働く上で大切にしたいことを伝えれば、企業の採用担当者にも理解されやすく、質の高い回答が出来上がるはずです。

ぜひ参考にしてみてください。

わかりやすい構成で伝える

はたらく上で大切にしたいことを伝える際には、まず分かりやすい構成で内容を整理することが大切です。

最初に自分が大切にしたいことを結論として端的に述べ、その後、その考えに至った根拠となるエピソードを詳しく説明します。

結論を明確に示すことで、採用担当者はあなたの価値観を理解しやすくなるでしょう。

エピソード部分では自分が過去にどのような経験を通じてその価値観を大切にするようになったのかを具体的に説明してください。

例えば、アルバイトやゼミ活動での体験を通じて学んだことや、自分の判断や行動がどのように周囲に良い影響を与えたのかを示すと説得力が増します。

最後に、入社後にその価値観をどのように活かし、企業や業務に貢献していくつもりなのかを述べることで、未来への意欲を示しましょう。

この「結論・根拠・入社後の展望」という流れを意識すると、採用担当者にとって読みやすく、印象に残る文章が作成できます。

志望企業へのマッチ度が高いことを伝える

はたらく上で大切にしたいことを伝える際には、志望する企業とのマッチ度を示すこともポイントです。

企業がこの質問をする意図の1つとして、応募者が自社の価値観や方針に共感し、長く働いてくれる人材かを見極めることが挙げられます。

そのため、企業の理念や業務内容をしっかり研究し、自分の価値観や考えがどの部分で合致しているのかを示しましょう。

例えば、チームワークを大切にしたいという価値観がある場合、企業が掲げる「協力して目標を達成する文化」や「チームで挑戦する姿勢」に共感していることを伝えられます。

志望企業の公式サイトや採用情報、社員インタビューなどを通じて企業文化や求める人物像を理解し、自分の考えと重なる部分を具体的に言葉にしましょう。

できるだけ具体的に伝える

これはESにおいて、どのような項目にも共通していることですが、内容を具体的に述べることは非常に重要です。

抽象的な言葉だけでは説得力に欠け、採用担当者にあなたの価値観や人柄が正確に伝わりません。

例えば、人間関係を大切にしたいと思っている場合、具体的にどのような場面でその考えを意識したのか、どのような行動を取ったのかを示しましょう。

「アルバイト先で新人のサポートに力を入れた結果、チーム全体の雰囲気が良くなり、売上も向上した」などの具体的なエピソードを用いることで、自分の価値観が伝わりやすくなります。

また「責任感を持って取り組みたい」という価値観であれば「担当したプロジェクトで最後まで粘り強く業務を遂行し、目標を達成した」などと話すと、説得力が増すでしょう。

具体的な内容は採用担当者にあなたの考え方が実際の行動で成果につながっていることを示し、信頼感を与えるものです。

ESの他の項目と矛盾しない内容にする

これはどのような項目を回答する際にも必要なことと言えますが、他の項目と矛盾しない内容にすることが重要です。

自己PRや長所短所などの項目で自分の特性や行動スタイルについてアピールすることがありますが、それらが一貫していない場合、信頼性や誠実さが疑われてしまう可能性が高いです。

一貫性は採用担当者にとって応募者の人柄や行動を理解するための重要な要素です。

自己PRでチームワークを大切にしていると述べているのに「働く上で大切にしたいこと」の項目で「個人の生活を最優先にする」と書いてしまうと矛盾が生じます。

このような矛盾は採用担当者に対して「この人は嘘をついているのだな」と思わせてしまい、信頼性を大きく損なう結果となります。

そこで、自己PRで挙げた内容と「働く上で大切にしたいこと」など、それぞれの項目を関連付ける必要があるのです。

【働く上で大切にしたいと思うこと】ESに書く際の注意点

働く上で大切にしたいことを書く際の注意点は、以下の3点です。

働く上で大切にしたいことを書く際の注意点
  • 今の自分には分からないと答えるのは避ける
  • 仕事に前向きでない内容は避ける
  • 当たり前すぎるない内容は避ける

質問に回答する際は、採用担当者に将来の姿を想像させ、企業が求める人物像とマッチしていることを伝えるのが重要です。

そのため、曖昧な表現や消極的な言葉の使用は避けましょう。

本章を参考にして、マイナスな印象を与えない文章にしてください。

今の自分には分からないと答えるのは避ける

書く際の注意点の1つ目は、今の自分には分からないと答えるのは避けることです。

採用担当者に消極的な印象を与えます。

とくに、入社意欲や成長意欲がない人物と判断されるでしょう。

就活において、物事に対する意欲が重要です。

新卒は、現在持っているスキルよりも、ポテンシャルが重要視されます。

そのため、採用担当者からの質問には、主体性をアピールし、入社したい気持ちを伝えましょう。

質問に対して「分からない」と回答してしまうと、アピールすべきポイントが採用担当者に伝わりません。

実際にはたらいた経験がない就活生にとって、想像しにくい質問でしょう。

しかし、採用担当者も経験がない、もしくは浅いことは理解しています。

現時点での自分の考えを伝えることが大切です。

仕事に前向きでない内容は避ける

書く際の注意点の2つ目は、仕事に前向きでない内容は避けることです。

マイナス表現を多用すると、採用担当者から「成長性がない」「将来性がない」と判断されます。

内定を獲得するには、採用担当者に将来活躍できる人材だとアピールすることが重要です。

また、ネガティブ発言を連発すると、採用担当者は就活生に対してネガティブな印象を持つでしょう。

一度、決まった評価を覆すのは非常に困難です。

とくに、マイナス評価が定着すると、採用担当者が余程のメリットを感じない限り採用にはいたりません。

わざわざ自分で自分の評価を下げる必要はないため、質問に回答する際は注意してください。

謙遜の意味をこめたくなりますが、避けるのが無難です。

当たり前すぎる内容は避ける

書く際の注意点の3つ目は、当たり前すぎるない内容は避けることです。

社会人としてのマナーに該当するものは、回答する必要はありません。

採用担当者にとって、当たり前のことであり、プラス評価にならないからです。

例えば「遅刻しない」「挨拶する」「敬語を話す」などは、避けましょう。

就活する段階で、身につけておくべきものです。

あえて発言することで、採用担当者から「社会人としてのマナーが欠けているかもしれない」と悪い印象を与えます。

さらに、他の就活生との差別化になりません。

自分なりの価値観や人間性を伝えるためにも、当たり前すぎる内容の使用は控えましょう。

抽象的な表現は避ける

抽象的な表現は必ず避けましょう。

「会社に貢献したい」「一生懸命働きたい」といった表現は言葉としては正しいものですが、具体的にどのような行動や価値観を持っているのかはイメージできるものではありません。

抽象的な内容ではあなたの人柄や考えが伝わらないため、評価が低くなる可能性があります。

具体性を持たせるためには自分の価値観や行動を明確に示すことが必要です。

「会社に貢献する」という言葉を使う場合「チームで協力しながらプロジェクトを最後まで導き、会社の利益向上に寄与することを大切にしたい」といった形で具体的に書くと、どのように貢献したいのかが相手に伝わりやすくなります。

このように、抽象的な言葉を補足する具体例や行動を添えることで、採用担当者はあなたの考え方や働き方を具体的にイメージできるのです。

【働く上で大切にしたいと思うこと】構成

「働く上で大切にしたいと思うこと」を書く際には、筋道だった構成で自分の考えを伝えることが重要です。

採用担当者は、あなたの価値観や思考過程を通して「どんな社会人になりそうか」を見ています。

そのため、結論から明確に述べ、理由・背景・エピソード・入社後の展望という流れで構成すると、読み手が理解しやすくなります。

この構成を意識すれば、あなたの強みや人柄が自然に伝わり、一貫性と説得力のあるESに仕上がります。

①結論

最初に、自分が働く上で何を大切にしたいのかを、一文で端的に伝えることがポイントです。

例えば「チームで協力して成果を上げること」や「お客様に誠実に向き合う姿勢を大切にしたい」といったように、具体的な価値観を明確にしましょう。

ここで曖昧な表現を避け、採用担当者があなたの考えをすぐに理解できる言葉を使うことが大切です。

明快な結論は、読み手に「この人の軸は何か」が伝わりやすく、後に続く理由やエピソードの説得力を高める土台になります。

②理由や背景

次に、その価値観を持つようになった背景や理由を説明します。

単に「そう思うから」ではなく、「どのような経験がきっかけでその考えを持つようになったのか」を具体的に述べましょう。

たとえば「チームで成果を出せた経験から協力の大切さを学んだ」など、過去の出来事と価値観のつながりを明確にすることが大切です。

採用担当者はこの部分から、あなたの考え方の根拠と一貫性を読み取ります。

論理的な説明を加えることで、文章全体に深みと信頼性が生まれます。

③具体的なエピソード

理由を示したあとは、その価値観を裏付ける具体的なエピソードを紹介しましょう。

大学生活、部活動、アルバイト、インターンなど、実際に自分の考えを行動で表した経験を選びます。

その際、「課題→行動→結果」の流れを意識すると、自然で読みやすい構成になります。

たとえば「意見の対立を調整し、チームで成果を出せた」「顧客の声を反映し、売上が向上した」など、成果や学びが伝わる内容にしましょう。

このエピソードによって、あなたの価値観が言葉だけでなく実践に基づくものであることを示せます。

④入社後の展望

最後に、入社後にその価値観をどのように活かして働くのかを具体的に述べましょう。

「チームで協力して成果を出す」なら「部署全体の連携を強め、組織の成果に貢献したい」など、価値観と行動を結びつける表現を心がけます。

この部分で企業の理念や求める人物像と一致させることで、志望度の高さを印象づけることができます。

また、「将来的には後輩の育成や新規プロジェクトの推進にも関わりたい」など、成長意欲を示すとより好印象です。

自分の価値観が入社後の行動指針として一貫していることを伝えることが重要です。

【働く上で大切にしたいと思うこと】参考例文

「働く上で大切にしたいこと」は企業によって質問の仕方が異なりますが、根底にあるのは“あなたの価値観と企業理念の一致”を確認する意図です。

ここでは、実際に過去のエントリーシートで出題された代表的な企業の設問をもとに、模範的な回答例を紹介します。

それぞれの回答例では、企業の特徴を踏まえながら「自分の考えをどのように伝えるか」「どんな経験を組み込むか」を意識しています。

形式は違っても、どの企業でも共通して求められるのは一貫した価値観と行動の再現性です。

各社の質問形式を参考に、自分の回答をより深めるヒントにしてください。

任天堂 「働く上で大切にしたいと思うことを3つ挙げてください。」

私が働く上で大切にしたいことは、「楽しさを届ける姿勢」「挑戦を恐れない心」「チームで成果を生み出す協調性」です。

大学時代、子ども向けイベントの運営スタッフとして活動し、来場者が心から笑顔になれる企画を考えることに注力しました。

限られた予算や時間の中で工夫を重ね、子どもたちの反応を観察しながら改善を繰り返した結果、イベントの満足度が前年より30%向上しました。

この経験を通じて、「人々に楽しさを提供するためには常に挑戦と協力が欠かせない」と学びました。

任天堂でも、プレイヤーに驚きと喜びを届けるために新しい発想に挑み、仲間と協力しながら世界中の人々に笑顔を広げる存在を目指します。

アニメイト (コンテンツプロデューサー職などで)「働く上で大切にしたいと思うこと3つ」

私が働く上で大切にしたいことは、「感動を生み出す創造力」「作品に対する誠実さ」「ファンとの共感を大切にする姿勢」です。

大学ではアニメ研究会に所属し、イベント企画のリーダーとして多くのファンと直接交流しました。

そこで気づいたのは、「良いコンテンツは制作者の情熱とファンの想いが重なったときに生まれる」ということです。

制作過程では、納期や意見の食い違いに苦労しましたが、最後まで作品の魅力を信じて形にしたことで、参加者全員から高い評価を得られました。

今後も、アニメイトで多くの人に愛される企画を生み出し、作品とファンの架け橋となる仕事に全力を注ぎたいです。

双日 「あなたが働く上で最も大切にしたい価値観はどのようなことですか。これまでの経験を交えて教えてください。」

私が働く上で最も大切にしたい価値観は、「信頼関係を築きながら挑戦を続けること」です。

大学時代、ゼミの海外企業との共同プロジェクトに参加し、文化や言語の壁に直面しました。

初めは意思疎通に苦労しましたが、相手の意見を丁寧に聞き、互いの目的を共有することで関係性を深め、最終的に共同レポートを高く評価されました。

この経験から、成果を出すには相手を理解し、誠実な姿勢で信頼を積み重ねることが不可欠だと学びました。

双日でも、世界中のパートナーと信頼を築きながら、常に新しい挑戦を恐れずに前進し、グローバルに価値を創造していきたいと考えています。

花王 「あなたにとって仕事とは何ですか。」

私にとって仕事とは、「社会に価値を生み出すことで自分自身を成長させる場」です。

大学時代、地域の清掃ボランティアに参加し、地元企業と協力して環境美化活動を行いました。

活動を通じて、人々の生活をより良くする取り組みに関わることの意義を実感しました。

特に、住民の方から「ありがとう」と声をかけていただいた瞬間に、社会貢献とやりがいの両立を体感しました。

花王の「清潔・健康・美」という理念に共感し、製品やサービスを通して多くの人の暮らしを豊かにできるよう、常に誠実な姿勢で挑戦を続けたいです。

富士フィルム 「あなたにとって、仕事とは何ですか?(あなた自身が大切にしている価値観などを踏まえて、お書きください。)」

私にとって仕事とは、「新たな価値を創造し、人々の可能性を広げる手段」です。

大学時代、研究プロジェクトで写真技術を活用した地域活性化企画を担当しました。

限られた資源の中で最適な表現方法を模索し、被写体の魅力を最大限に引き出したことで、展示会では来場者数が想定を大きく上回りました。

この経験から、創意工夫によって社会にポジティブな変化を生み出せることを学びました。

富士フィルムでも、技術革新を通じて人々の生活や産業を支える製品を生み出し、世界に新しい価値を届けられる人材を目指します。

【働く上で大切にしたいと思うこと】NG例文

「働く上で大切にしたいこと」を伝える際に注意すべきは、“前向きな姿勢”と“主体性”を失わないことです。

どれだけ立派な言葉を並べても、待遇や環境面など表面的な要素ばかりに焦点を当てると、「受け身」「他責的」といった印象を与えかねません。

また、ワークライフバランスや働きやすさを強調しすぎると、仕事への意欲が薄く見えてしまう場合もあります。

ここでは、就活生が実際にやってしまいがちなNG例文を3つ取り上げ、それぞれをどう改善すべきか解説します。

本質的な「価値観」をどう伝えるかを意識しながら、自分の考えを前向きな言葉で表現できるようにしましょう。

待遇・条件・環境面だけを答える例文

私が働く上で大切にしたいことは、待遇や勤務環境の良さです。

大学時代のアルバイトでは、シフトや勤務条件が厳しく、体調を崩してしまった経験がありました。

そのため、今後は自分の生活を守りながら、安定した環境で働ける職場を選びたいと考えています。

福利厚生が整っており、残業が少なく、休暇制度が充実している職場であれば、自分の力を発揮しやすいと思います。

御社は社員を大切にする制度が整っていると伺っており、そのような環境の中で長く働きたいです。

安定した環境でこそ、自分の可能性を伸ばせると感じています。

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柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)

柴田貴司
(就活市場監修者)

待遇や条件を重視する姿勢自体は悪くありませんが、それだけでは「安定志向が強く挑戦意欲がない」と誤解されます。

改善するには、「働きやすい環境を活かして、自分の力を最大限発揮したい」など、前向きな目的を付け加えることが大切です。

また、「整った制度のもとで、自ら成長を続けていきたい」といった主体的な意識を盛り込むと好印象につながります。

ワークライフバランスを主張しすぎる例文

私が働く上で大切にしたいことは、仕事とプライベートの両立です。

学生時代から、勉強と趣味の時間をバランスよく保つことで、心身ともに充実した生活を送ってきました。

社会人になっても同様に、自分の時間を確保しながら働くことで、仕事の質を高めたいと考えています。

御社は働き方改革に積極的で、ワークライフバランスを重視していると伺い、その考え方に共感しました。

私もプライベートの時間を充実させることで、仕事にも良い影響を与えたいと考えています。

そのため、仕事と生活のバランスを大切にしながら、自分らしい働き方を実現したいです。

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柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)

柴田貴司
(就活市場監修者)

ワークライフバランスを重視する姿勢は共感を得やすいものの、主張が強すぎると「働く意欲が低い」と判断されるリスクがあります。

改善策としては、「心身を整えることでより高い成果を出したい」など、仕事への前向きな影響を示すことが有効です。

プライベートを重視するだけでなく、「結果的にチームや会社に貢献できる」という意識を付け加えましょう。

受け身でネガティブな例文

私が働く上で大切にしたいことは、上司や先輩からのサポートがあることです。

学生時代のグループワークでは、メンバーの指示を待つことが多く、自分から行動するのが苦手でした。

そのため、社会人になってからは、しっかりと指導してくれる先輩のもとで学びながら成長したいと思っています。

御社は研修制度が充実しており、未経験からでも安心して働ける環境が整っていると伺いました。

周囲のサポートを受けながら、自分の力を少しずつ高めていける環境で働きたいと考えています。

まずは教えてもらう立場として努力し、できることを増やしていきたいです。

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柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)

柴田貴司
(就活市場監修者)

この例文は「指示待ち」や「受け身」の印象が強く、主体性が欠けて見えてしまいます。

改善するには、「サポートを受けながらも、自ら学び行動する姿勢」を強調し、能動的な姿勢を示すことが重要です。

周囲の支えを力に変え、自分から挑戦していきたい」というように書き換えることで、成長意欲が伝わり、印象が大きく変わります。

【働く上で大切にしたいこと】見つからない際の見つけ方

「働く上で大切にしたいこと」が思い浮かばない就活生は多いですが、焦る必要はありません

価値観は一朝一夕で見つかるものではなく、過去の経験や将来の目標から少しずつ形になっていくものです。

重要なのは「自分の中にどんな考え方や行動の軸があったのか」を丁寧に振り返ることです。

そこで今回は、個人ではなく集団での経験・職種との関連・将来像・OBOG訪問という4つの方法から、自分の価値観を言語化するための具体的な手順を紹介します。

個人ではなく集団で取り組んだことを振り返る

まずは、自分一人ではなく、チームや集団で取り組んだ経験を思い出しましょう。

部活動、ゼミ、アルバイトなど、他者と協力して成果を出した場面は、価値観が表れやすい瞬間です。

「仲間と協力する中で意識していたこと」「チームのためにどんな行動をとったか」を振り返ると、自分が大切にしていた考えが見えてきます。

リーダーとしての立場であれば「全体の調和を意識した」、サポート役であれば「周囲を支える姿勢を重視した」など、それぞれの価値観が浮かび上がるでしょう。

自分の役割や行動の裏にある意識の軸を掘り下げることが、価値観を明確にする第一歩です。

希望の職種や仕事内容から考える

次に、自分が志望する職種や業務内容に焦点を当てることで、働く上での価値観を見つけやすくなります。

営業職であれば「人との信頼関係を築く力」、企画職なら「新しい発想で課題を解決する姿勢」など、職種によって求められる考え方が異なります。

自分がなぜその職種を志望しているのかを掘り下げることで、自然と「どんな姿勢で働きたいのか」が明確になります。

その際に過去の経験と結びつけ、「なぜその考えに共感したのか」「どんな行動を取ってきたのか」を整理することが大切です。

職種から考えると、将来の方向性と価値観に一貫性が生まれやすくなります。

目指す将来像から考えてみる

働く上で大切にしたいことが見つからないときは、自分の理想とする将来像をイメージするのも効果的です。

5年後、10年後にどんな社会人になりたいかを考えると、その実現に必要な価値観が見えてきます。

例えば「専門性を高めて社会に貢献したい」と思うなら、成長意欲や探究心が軸となるでしょう。

「周囲に信頼される存在になりたい」なら、誠実さや責任感が大切にしている価値観として浮かび上がります。

未来の自分を思い描きながら、その姿に必要な考え方や行動原則を逆算して整理すると、自分の働く上での指針が明確になります。

OBOG訪問をしてヒントをもらう

どうしても自分の中で見つからない場合は、OBOG訪問で社会人の価値観に触れるのも良い方法です。

実際に働いている人の話を聞くことで、「自分はどんな環境で働きたいのか」「どんな考え方に共感できるのか」が具体的に見えてきます。

質問をする際は、「どんな時に仕事のやりがいを感じますか」「どのような価値観を大切にしていますか」と尋ねてみましょう。

多様な意見を聞くことで、自分の考えを相対的に整理できます。

OBOG訪問は、自分の視野を広げるだけでなく、将来の働き方をリアルに想像するきっかけにもなります。

面接の場で「はたらく上で大切にしたいこと」の回答後に想定される質問

質問に回答した後には、さらに質問が続くため、あらかじめ想定しておくことが重要です。

本章では「はたらく上で大切にしたいこと」の回答後に想定される質問を、2つ解説します。

別角度からの質問にも柔軟に対応するために、参考にしてください。

どの質問が来ても、スムーズに回答し、将来について考えていることをアピールしましょう。

自分の考えとは異なる人とはどう働くのか

「自分の考えとは異なる人とはどう働くのか」と質問された場合は、相手の考えを尊重することを伝えましょう。

企業には大勢の社員が在籍します。全員が同じ考えになることは不可能です。

しかし、仕事を進めるには、協力する必要があります。

そのため、自分とは違う考えを持つ人とも、一緒に勤務できることをアピールしましょう。

例えば「もし、違う考えの人がいても、相手の考えを尊重し、価値観を共有することに努めます」と回答できます。

採用担当者に対して、職場環境に馴染める人材であることが伝わるでしょう。

仕事する際は、まったく異なる価値観を持った人と勤務する必要があると、認識しておくことが重要です。

「仕事をする上で大切なこと」が達成できない場合、どうするのか

もし自分の考えが達成できない場合は、柔軟に対応する姿勢をアピールしましょう。

加えて、前向きな姿勢が伝えられると効果的です。

勤務していると、自分の価値観に合わない瞬間が訪れます。

しかし、成果を出すためには、工夫して乗り越える必要があるでしょう。

そこで自分なりにどう対応するつもりなのか、しっかり述べてください。

例えば「解決策を模索しつつ、長期的な視点で目標達成を目指します」と主体的かつ、ポジティブな意見で返しましょう。

採用担当者から、臨機応変に対応できる人材だと評価されることが重要です。

トラブルに直面しても周囲と協力して解決できる人材は、重宝されます。

もし、自分の価値観に合わない場合でも、受け入れられる人材だとアピールしましょう。

【働く上で大切にしたいと思うこと】類似の質問

「働く上で大切にしたいと思うこと」と似た質問は、企業によってさまざまな形で出題されます。

たとえば「大切にしている価値観」「あなたにとって仕事とは」「仕事をする上で大切なこと」などは、いずれもあなたの価値観や仕事観を見極めるための質問です。

質問の意図を理解せずに同じような回答をしてしまうと、浅く見えてしまうこともあります。

それぞれの違いを正しく理解し、自分の軸を一貫して伝えながら、質問ごとに焦点を少し変えることで、より完成度の高いESを作ることができます。

「大切にしている価値観」 回答のポイントなど

「大切にしている価値観」を問う質問は、あなたの人間としての根本的な考え方を知るためのものです。

この質問では、「仕事」や「企業」を超えて、普段の生活や人間関係の中で一貫して大切にしている考えを述べることが重要です。

たとえば「人との信頼を築く」「挑戦し続ける」「誠実に行動する」といった価値観は、仕事に通じる普遍的な軸として伝えやすいです。

また、その価値観を形成した経験を具体的に語ると説得力が増します。

「大切にしている価値観」は、企業とのマッチ度を示すうえで非常に重要な設問です。

「あなたにとって仕事とは」 回答のポイントなど

「あなたにとって仕事とは」という質問は、働く目的や仕事観を問う設問です。

この質問に対しては、「社会や人にどう貢献したいか」「働くことでどのように成長したいか」を明確に示すことが大切です。

たとえば「人の暮らしを支える手段」「自己成長と社会貢献を両立する舞台」など、自分にとっての仕事の意義を具体的に言葉にします。

また、理想論だけでなく、過去の経験や学びと結びつけると現実味が出ます。

この質問では、あなたの「働く動機」と「価値提供の方向性」を一貫して伝えることがポイントです。

「仕事をする上で大切なこと」 回答のポイントなど

「仕事をする上で大切なこと」は、「働く上で大切にしたいこと」とほぼ同義の質問ですが、より行動面に焦点を当てて答えることが求められます。

価値観だけでなく、「その考えをどのように行動に移しているか」を具体的に示しましょう。

たとえば「信頼関係を築くために、日々の報連相を徹底している」や「成果を出すために常に改善を意識している」といった実践的な表現が効果的です。

採用担当者は、あなたが実際にどう行動する人なのかを見ています。

抽象的な理念ではなく、具体的な姿勢と行動例を交えて答えることが、印象を高めるコツです。

【働く上で大切にしたいと思うこと】予想される深掘り質問

続いて、働く上で大切にしたいと思うことについて聞かれた際の回答を深掘りされた場合に想定される質問の例を紹介します。

以下の2つは深掘り質問として聞かれることが多い内容であるため、ぜひ覚えておきましょう。

違うことを大切にしている人とどう働くか

働く上で大切にしたいことについて話した後「違う価値観を持つ人々とどのように働くか」という質問をされることが多いです。

このような質問がされる場合、職場が様々な価値観を持つ人々で構成されている企業である場合が多いです。

企業は採用する人材が自分の価値観だけを押し通すのではなく、周囲と調和を保ちながら成果を上げる力を持っているかを確認したいと考えています。

この質問に答える際には、まず自分が大切にしている価値観を簡潔に説明した上で、それが他者と異なる場合の対応指針を具体的に述べる必要があります。

例えば、自分が成果を重視する価値観を持っており、同僚がプロセスを重視する価値観を持っていたとしましょう。

その際、どのように相手の考えを尊重し、自分の意見を共有するかを説明することが重要です。

実際の業務シーンを想定した質問

「自分のノルマを抱えながら追加の業務を振られた際、どのように対処しますか」といった具体的なシナリオを提示される質問では、応募者の価値観が実際の業務にどのように影響を与えるのかが問われます。

この質問に対する答え方としては、普段から大切にしている考え方を基軸にして、その状況でどのような行動をとるかを論理的に説明することが重要です。

「自分のスキルでは時間がかかりすぎる業務に直面した場合、まずは上司や同僚に相談してアドバイスを求める」「そのアドバイスをもとに、自分で再度取り組む」など、具体的な行動を挙げると、解決力があることを伝えられます。

また、この際、自分の行動がチームやプロジェクト全体にどのように寄与するかを補足すると、より納得感のある回答になるでしょう。

【働く上で大切にしたいと思うこと】他の質問での活用方法

続いて「働く上で大切にしたいと思うこと」という質問を他の質問に応用するためのコツについても紹介します。

この質問は100%聞かれるものではないため、あらかじめ準備していたにも関わらず聞かれないと、損をしたような気分になってしまいます。

しかし以下のような質問にも応用可能な考え方であるため、全く無駄になるということはないのです。

志望動機でも活用できる

「働く上で大切にしたいと思うこと」の回答を作る際、整理した自分の価値観や仕事観は志望動機を述べる際にも活用できます。

志望動機の中で自分が大切にしている価値観と応募先企業のビジョンや理念の重なる点を強調することで、説得力のある回答ができます。

例えばあなたがチームで協力して成果を上げることを大切にしていて、応募先企業がチームワークを重視している文化であるならば、その点を具体的に結びつけて説明することが可能です。

このように、働く上での価値観を具体的に志望動機に織り交ぜることで、企業への適合性を端的にアピールできます。

キャリアビジョンを聞かれた時にも活用できる

キャリアビジョンに対する質問の回答にも「働く上で大切にしたいと思うこと」の回答は応用できます。

キャリアビジョンを問われた際に自分がどのような価値観を大切にしながら成長していきたいのかを軸に話を展開することで、面接官に強い印象を与えられます。

「挑戦を恐れず成長を続けることを大切にしている」という価値観ならば、その考えの延長として「将来的に新しい事業を立ち上げたい」と述べると、自分のキャリアに説得力を持たせることが可能です。

大切にしている価値観を明確に伝え、それを基にどのようなキャリアを築いていきたいのか具体的に述べることで、ただの理想論ではなく、実体験に基づいていることを示せるでしょう。

【新たな価値を生み出したと思うエピソード】具体的に回答してESを通過しよう!

今回は働く上で大切にしたいことについて、ESで聞かれた際の回答の方法や例文、NG例文などを紹介しました。

100%聞かれる項目ではありませんが、しっかりと対策しておくことで、いざ聞かれた時もスムーズに回答できるようになります。

また、働く上で大切にしたいことを明確にしておけば、就活の軸について聞かれた際もスムーズに回答できるようになるため、受ける企業で聞かれるかどうかに関係なく、回答を準備しておきましょう。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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