ガクチカのエピソードとして、飲食店のアルバイト経験は人気があります。
そのため、実際に飲食店アルバイトをガクチカとしてアピールしようと考えている学生は多いでしょう。
しかし、初めてガクチカを書くときは、何に注意すべきかわからないことも少なくありません。
そこで今回は、飲食店アルバイトでの接客経験をガクチカとして伝える際のポイントを紹介していきます。
あわせて例文や書く時の注意点も解説していくため、理解したうえで魅力的なガクチカを書きましょう。
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そもそもガクチカとは?
まずは、ガクチカとはそもそも何なのか、基本的なポイントを整理しておきましょう。
ガクチカとは、就活のESや面接で頻繁に聞かれる、「学生時代に力を入れたこと」です。
業界・職種問わず多くの企業で聞かれる質問なので、選考対策では、ガクチカを考えることは必須項目になります。
ガクチカの内容はある程度何でも問題ありませんが、よくある内容としては、アルバイトが挙げられます。
中でも飲食店での接客ではさまざまなことを経験するため、ガクチカとしてアピールはしやすいことがポイントです。
また、ガクチカを書く際は自己PRとの違いもあわせて見ておきましょう。
ガクチカと自己PRの違い
ガクチカを書く際は、自己PRとの違いも理解しておくことが大事です。
両者ともES・面接ではよく聞かれる項目であり、どちらも自分の経験に基づいて能力やスキルをアピールしていくため、混同されやすい傾向にあります。
自己PRでは、自分の強みやスキル、持っている能力などを具体的なエピソードとともにアピールしていきます。
これに対してガクチカは、学生時代に力を入れたことを述べ、その経験から得た成果や学びを伝えていくことになります。
自己PRのテーマは自分の強みであり、ガクチカのテーマは自分が学生時代に力を入れたことなので、両方とも自分自身をアピールする目的とはいえ論点が異なります。
結果として同じような内容を伝えることになるケースもありますが、そもそもスポットを当てるポイントが異なっているため、ガクチカを書く際は自己PRと混同しないように注意してください。
企業がガクチカから観ているポイント
企業がガクチカをチェックする際は、主に以下のようなポイントに注目しています。
- 本人の人柄や価値観、もののとらえ方
- 経験を経て成長したり学んだりする姿勢
- 課題解決能力
- 入社意欲や熱意
学生時代に何に一生懸命取り組んだのかは人それぞれ異なり、エピソードでその内容を深掘りすれば、本人の人柄や価値観などが見えてきます。
そこから企業は、自社の雰囲気や理念にマッチした人材かどうかを判断していきます。
ほかには学ぶ姿勢や成長に対する意欲、課題解決能力なども評価のポイントになります。
ガクチカでは締めくくりとして、学びを活かして入社への意欲もアピールしていくため、意欲や熱意が感じられるかどうかも重要なポイントになってくるでしょう。
ガクチカを作成する際は、このような評価基準をあらかじめ理解したうえで、自分の人柄や熱意が伝わる内容に仕上げることが大切です。
ガクチカに飲食店アルバイトの接客経験は使える?
ガクチカのエピソードにはさまざまな経験を活用することができるため、飲食店アルバイトの接客経験も、問題なくガクチカでアピールできます。
実際に飲食店アルバイトは、アルバイトの中でもメジャーな仕事なので、ガクチカのエピソードには活用されやすい傾向にあります。
特に接客の仕事では、さまざまなお客様と接して対応力を磨いていくため、能力を試される場面は多々あるでしょう。
エピソードを伝える際は具体的な流れや実践したことを述べやすくなり、差別化につながります。
そのため、飲食店アルバイトの接客経験をガクチカにする場合は、具体的な内容を話せるエピソードをピックアップすることが大切です。
どんなアルバイトのエピソードがいい?
飲食店アルバイトの接客経験をガクチカにする際に、気になることは、具体的にどのような接客のエピソードを取り上げるべきかという点です。
ガクチカでは、ほかの学生との差別化や自分自身の行動を明確に示すために、エピソードの具体性を高めることが重要となります。
さらに、「ただ集中して頑張った」という内容では頑張りが伝わりにくいため、課題に対して何らかの取り組みを実践したエピソードであることが望ましいです。
エピソードの例は、以下のとおりです。
- リピーターが少なかったため、笑顔で接客して常連を増やした
- 接客業務が効率的でなかったため、業務の順序を変更した
- メニューがわかりにくくかったため、積極的におすすめメニューを提案した
以上のようなエピソードであれば、課題解決のために自ら工夫し動いていることがわかるため、採用担当者に頑張りが伝わるものです。
企業が飲食店アルバイトの接客経験のガクチカから観ている評価ポイント
ここからは、企業が飲食店アルバイトの接客経験のガクチカをチェックする際に、具体的に見ている評価ポイントを整理していきます。
ガクチカを聞く際に、企業の採用担当者はさまざまなポイントに目を向けています。
採用担当者に刺さる内容のガクチカを書き、最終的に内定につなげるためには、良い評価をもらいやすいガクチカを書くことが大事です。
おもな評価ポイントは、以下が挙げられます。
- 接客業のアルバイトを通じて得た学び
- 目標や課題への向き合い方
- アルバイトに力を入れた理由や背景
では、具体的にどのような点が評価につながるのかをチェックしていきましょう。
接客業のアルバイトを通じて得た学び
企業は飲食店アルバイトの接客経験のガクチカを聞く際に、その経験から何を学んだのかをチェックしています。
ガクチカは単純に何を頑張ったのか聞くことが目的ではなく、経験から重要なことを学んだうえで成長につなげられる人材か、本人の学びの姿勢や吸収のポテンシャルを確かめることが目的だからです。
そのため学びについて何も触れていなかったり、経験が自分の糧になった様子がなかったりすれば、ガクチカでは良い評価を得られないでしょう。
接客経験では、ホスピタリティや気遣いの大切さ、効率的に物事を進めることの重要性などさまざまなことを学べるものです。
自分は飲食店アルバイトの接客経験を通じて何を学んだのか明確に述べ、その経験・学びを活かしてどう活躍していきたいのか示すことが大切です。
目標や課題への向き合い方
企業は飲食店アルバイトの接客経験のガクチカを聞く中で、目標や課題に対する本人の向き合い方をチェックしています。
ガクチカでは、どのような課題があり、それに対して何を考えてどう行動したのかを明確に伝えていく必要があります。
その取り組みのプロセスからは、本人の人柄や組織の中での立ち回り方が見えてきます。
企業はそういった点から業務への適性や社風に対するマッチ度を評価しており、自社で活躍できる可能性に期待できる人物かどうかを見極めています。
課題に対して他力本願のような姿勢を取っていないか・あまりに的外れな行動で対応しようとしていないかなどが重要なポイントで、より課題に対して高い意識を持ち主体的に行動していれば、評価につながることは間違いないでしょう。
アルバイトに力を入れた理由や背景
企業の採用担当者は、飲食店アルバイトの接客経験のガクチカを聞くことによって、アルバイトの接客経験に力を入れて取り組んだ理由や背景などもよく見ています。
なぜそのことに一生懸命取り組んだのか、ほかのことでなくアルバイトに夢中になった理由は何なのかなどは、ガクチカで深掘り質問されやすい傾向にあります。
企業がアルバイトに力を入れた理由を聞く理由は、そこから本人にどのような目標設定や価値観があったのか知ることで、人柄を確かめたいと考えているからです。
たとえば「将来人と関わる仕事がしたいので、アルバイトで接客スキルを磨きたかった」という理由があれば、将来設計がしっかりできている真面目な人柄であることがわかります。
ガクチカで指定される文字数が多ければ、このような力を入れた理由・背景なども具体的に盛り込み、自分の人となりをアピールしましょう。
飲食店アルバイトの接客経験をガクチカで伝えるときのコツ
ここからは、飲食店アルバイトの接客経験をガクチカで伝える際に重要となるポイント・コツを紹介していきます。
単純に「飲食店アルバイトの接客経験を頑張った」と伝えるのみでは、良いアピールにはならず、採用担当者から高評価を獲得することはできません。
ほかの学生とも差別化しつつ、良いガクチカを書くためには、以下のコツを押さえておきましょう。
- 定量的に評価することができるエピソードを伝える
- 成果よりも過程を協調してアピールする
- 企業が求める人物像にリンクするように伝える
- 飲食店での接客アルバイトを入社後に活かすビジョンを伝える
- アピールするアルバイト経験はひとつに絞る
では、それぞれの重要なポイントなどを詳しく解説していきます。
定量的に評価することができるエピソードを伝える
飲食店アルバイトの接客経験のガクチカは、定量的に評価することができるエピソードを用いましょう。
数字で表現して定量的に内容を説明できるエピソードであれば、何がどの程度素晴らしかったのか、どのような成果につながったのかがわかりやすくなります。
アルバイトの当事者である自分はその成果がすごいことだとわかっても、当事者でない採用担当者は、いまいち理解できない可能性があります。
しかし数字を使って定量的に表現すれば、具体性が増すため、採用担当者も理解しやすくなることで印象にも残るというわけです。
「良い結果が出た」などのあいまいな表現はできるだけ使わず、「1.5倍になった」「20%増した」などの表現を積極的に活用してみてください。
成果よりも過程を協調してアピールする
飲食店アルバイトの接客経験をガクチカにする際は、成果よりも過程に焦点を当ててアピールしましょう。
詳しく書くのは成果の内容ではなく、課題に対して考えたことや施策として実践したことの内容など、過程のほうが大事ということです。
なぜなら、ガクチカをチェックする際に企業は、課題に対する本人の向き合い方を確かめているからです。
そこから本人の人となりや価値観が見えてくるため、自社にマッチしている人材か判断しやすくなります。
そのため、よくあるような課題解決のエピソードだったとしても、解決までの過程に詳しく触れていれば問題はありません。
実際に課題解決のための過程が詳しく書かれたガクチカのほうが評価されやすいため、途中のエピソードをとにかく具体的に書くように意識しましょう。
企業が求める人物像にリンクするように伝える
飲食店アルバイトの接客経験をガクチカとしてアピールする場合は、企業が求める人物像にリンクするように伝える必要があります。
どれだけ魅力的なガクチカを作成して自分を積極的にアピールしたとしても、最終的に企業にマッチしていないと判断されれば、内定にはつながらないからです。
企業はミスマッチを避けるために、社風に合う人材であることを非常に重視しています。
そのため、ガクチカを書く際は、企業が理念として大事にしていることや採用基準などをよく見ておく必要があります。
たとえば協調性を大事にする企業であれば、飲食店アルバイトの接客経験をガクチカとして伝える中で、チームワークを学んだことを強くアピールすれば相性は良いといえます。
反対に「個人でコツコツ頑張る姿勢」などをアピールしてしまうと、ネガティブな評価をつけられるわけではありませんが、マッチ度は高いとはいえません。
ほかの学生との間で有利性を維持できないため、企業が求める人物像にリンクするようにガクチカを書くことは欠かせないでしょう。
飲食店での接客アルバイトを入社後に活かすビジョンを伝える
飲食店アルバイトの接客経験をガクチカにする際は、入社後に活かすビジョンも伝えることが必要です。
就活では、最終的に内定という目的を実現する必要があるため、自分を売り込む内容を常に意識しなければなりません。
そのため、何を頑張ってきたのか伝えるのみでは、アピールとして決定打に欠けてしまうでしょう。
接客経験で学んだことや磨いたスキルをどう活かしたいのか、具体的な活躍のイメージを伝えれば、採用担当者は「こういう学生なら活躍してくれそう」と期待を持つものです。
実際に業務内容や事業の特徴、社風などを絡めたうえで、具体的なビジョンを伝えることが大切です。
「一生懸命頑張りたいです」「精一杯働きます」など、どこの会社でも当てはまるような意気込みアピールは、あまり意味がないため注意が必要です。
アピールするアルバイト経験はひとつに絞る
飲食店アルバイトの接客経験をガクチカにしたい場合は、アピールするアルバイトの接客経験は一つのみに絞りましょう。
たとえば複数の飲食店アルバイトで接客を経験してきた人などは、経験豊富であることなどをアピールしようとして、複数のエピソードを取り上げようとするかもしれません。
しかし、複数のエピソードを話してしまうと、全体的に内容がわかりにくくなります。
「これはどっちの店舗の話?」と採用担当者が混乱してしまうため、結果としてわかりにくいというマイナス評価を受けてしまうでしょう。
複数の飲食店アルバイトを経験してきた人は、一つの店舗に絞り、触れるエピソードや強みも基本的に一つだけにしてください。
ガクチカでは内容のわかりやすさも重要な評価基準なので、話をごちゃつかせないことが大切です。
飲食店アルバイトの接客経験がアピールできる人の特徴
飲食店アルバイトの接客経験をガクチカにしたいときは、どのような人であればガクチカとして良いアピールができるのかチェックしておきましょう。
飲食店アルバイトの接客経験をガクチカにしやすい人は、以下のような人です。
- 成果を上げた経験がある人
- 長く続けた経験がある人
- リーダーや教育係を経験した人
上記に当てはまる人は、ガクチカのエピソードとして飲食店アルバイトの接客経験をアピールすれば、自分の強みや人柄を効果的に伝えられる可能性があります。
飲食店アルバイトをガクチカにすべきか悩んでいるときは、ぜひ上記の特徴に当てはまるかチェックしてみてください。
では、以下の項目から詳しく解説していきます。
成果を上げた経験がある人
飲食店アルバイトの接客経験をガクチカにするうえで、アピールしやすい人は、接客経験の中で成果を上げたことがある人です。
たとえば自分の頑張りや工夫によって売上を向上させたり、お客様満足度を高めたりした経験がある人は、具体的な数字をもって成果の程度をアピールできます。
ガクチカでは過程が特に重視されますが、もちろん、成果自体も華々しいものであればそれに越したことはないでしょう。
課題に対して正確な解決策を見いだすことができ、成果につなげられる人物として、企業からは良い評価を獲得できる可能性があります。
より印象的なアピールができるため、強いエピソードのガクチカで、ほかの学生に対して差をつけられる可能性にも期待できます。
長く続けた経験がある人
飲食店アルバイトの接客経験をガクチカにする際は、長く続けた人ほどアピールしやすい場合があります。
長く同じ飲食店でアルバイトを続け、接客経験を積んできた人は、長期的な視野をもっていることがわかります。
そのため企業からも、入社後も安定的に働き続けてくれる、という安心感を持ってもらえる可能性があります。
また、長期的に続けてきた飲食店アルバイトでは、とにかくさまざまなことを経験するものです。
できることが多くなれば新人教育に携わったり、業務効率化のために店舗に改善策を提案したりすることもあるでしょう。
そういった経験が多くなればアピールできるエピソードの選択肢も増え、より魅力的なガクチカが書ける可能性があります。
同じアルバイトをずっと続けている人は、その経験の長さがアドバンテージになるため、ぜひ活かしてガクチカの完成度を高めましょう。
リーダーや教育係を経験した人
飲食店アルバイトの接客経験のガクチカは、リーダーや教育係を経験した人もアピールしやすいといえます。
長く続けていたり働きぶりを評価されたりすれば、学生であっても、リーダーや教育係を経験することはあるでしょう。
そういったある程度の責任ある立場を経験していれば、通常の接客業務だけでなく、さまざまな仕事を経験するはずです。
自分自身の責任感も強まり、ますます仕事に対してやりがいを感じることで、意識が高まったという人も多いでしょう。
リーダーや教育係を経験していれば、リーダーシップやマネジメント経験もアピールできるため、組織で活躍できる人として評価される可能性も高まります。
飲食店アルバイトの接客経験をガクチカにするうえで、リーダーや教育係を経験している人は、その経験の中で工夫・努力したエピソードを取り上げると良いでしょう。
飲食店アルバイトの接客経験からアピールできること5選
飲食店アルバイトの接客経験では、以下のとおり多くのスキル・能力をアピールできます。
- 対人能力
- 傾聴力・ヒアリング力
- ビジネスマナー
- マネジメントスキル・教育能力
- 課題解決力・問題解決能力
これらのスキルは、社会人になっても多くの場面で役立つため、採用担当者からは能力の高い人材だと評価してもらえる可能性があります。
飲食店アルバイトの接客経験からアピールできることや、学びの内容、どのような成長を遂げたのかなどのポイントに迷った際は、ぜひ参考にしてみてください。
では、以下から詳しく見ていきましょう。
対人能力
飲食店アルバイトの接客経験のガクチカでは、対人能力をアピールできます。
接客業務では、人とのコミュニケーションが欠かせないため、多くの経験を積めば積むほど対人能力は鍛えられるといえます。
お客様に対する対応力はもちろんのこと、同じ現場で働く従業員と素早く連携を取るスキルなども、評価につながる対人能力の一つです。
どのような業界・職種でも、一定の協調性やチームワーク、報連相を大事にする姿勢などは求められるため、対人能力が高いことをアピールできれば魅力を感じてもらえるでしょう。
また、対人能力の高い人は、社交的で現場に溶け込むのも早いといえます。
「こういう学生なら、入社後も会社にすぐなじめそう」という期待も持ってもらえるため、内定につながる可能性が出てきます。
傾聴力・ヒアリング力
飲食店アルバイトの接客経験をガクチカにすれば、傾聴力やヒアリング力をアピールできる可能性もあります。
接客の仕事をする際には、お客様の意見や要望に耳を傾け、寄り添う姿勢が求められるからです。
お客様に合ったメニューを提案していた人などは、傾聴力・ヒアリング力は評価につながるでしょう。
傾聴力・ヒアリング力は、どのような業界でも役立つ能力といえます。
相手が何を求めているのか的確に聞き取り、そのうえで最適な提案につなげることは、より良いサービスを提供するうえで基本となるからです。
また、傾聴力・ヒアリング力のある人は、それだけで人に対して寄り添うことができる人物であることを察してもらえます。
聞き上手で一人一人と丁寧に接することができる点がわかり、人柄に対して高評価をつける企業もあるでしょう。
ビジネスマナー
飲食店アルバイトの接客経験のガクチカでは、ビジネスマナーがあることをアピールできる場合もあります。
接客経験があれば、正しく敬語を使えること、お客様に対して取るべき対応・ふるまいがわかっていることの証明になります。
社会人として歩み始める前に、そういった基礎的なビジネスマナーを身につけているとわかれば、企業の採用担当者からは「スムーズに教育できる」という好印象を持ってもらえます。
ビジネスマナーがあれば、社会人適性があることにもつながるため、多くの企業では高評価を獲得できるでしょう。
特にサービス業や接客業を志望する場合は、対人のビジネスマナーが重要になるため、学生のうちから身につけていることが評価につながります。
マネジメントスキル・教育能力
飲食店アルバイトの接客経験では、マネジメントスキル・教育能力をアピールできる場合もあるでしょう。
接客経験である程度のキャリアがあれば、学生アルバイトであっても、リーダーや教育係に任命されるケースは少なくありません。
そういった貴重な経験があれば、学生のうちからマネジメントスキルや教育能力を磨くことができるため、社会人になってもその能力の高さは存分に発揮できるでしょう。
そのため、アルバイトリーダーなどを務めていた人は、特に積極的にスキルをアピールしていきましょう。
リーダー経験があれば、リーダーシップや責任感、主体性などのアピールにもつながります。
周りに良い影響を与えられる人材として評価されるため、魅力的なガクチカになるでしょう。
課題解決力・問題解決能力
飲食店アルバイトの接客経験のガクチカでは、課題解決能力・問題解決能力のアピールにもつながります。
ガクチカでは、課題となっていることに対して実践した取り組みを具体的に伝えていく必要があります。
その課題に対する施策がしっかりと理にかなっているもので、実際に成果につながっていれば、課題解決能力・問題解決能力があることがわかります。
飲食店アルバイトの接客経験では、さまざまな課題に直面しながら自分の能力を高めていけるため、解決に向けて努力した経験があれば課題解決能力・問題解決能力はアピールしやすいでしょう。
課題解決能力や問題解決能力は、どこの現場でも求められる重要なスキルです。
主体的に行動して成長するうえでも欠かせない能力なので、就活の選考では評価につながりやすいといえます。
ガクチカで飲食店アルバイトの接客経験を効果的にアピールする構成
ガクチカを書く際はわかりやすく、かつ論理的に内容を伝えるために、アピールの構成を学ぶことが大切です。
構成に沿ってガクチカを書けば、文章を書くことが苦手な人でもガクチカは非常に書きやすくなります。
構成は、以下の流れのとおりです。
- ガクチカの結論
- 飲食店アルバイトに取り組んだ動機や理由
- 接客業での具体的なエピソード
- アルバイトから得た学び
- 入社後にアルバイト経験をどう活かすか
上記の流れを守ってガクチカを書けば、どのように飲食店アルバイトの接客経験に取り組んできたのかが明確にわかります。
では、それぞれの段落ごとに重要なポイントをチェックしていきましょう。
ガクチカの結論
ガクチカでは、何よりもまず、最初に結論を伝えなければなりません。
結論とはつまり、ガクチカの内容です。
そのためここでは、「私は学生時代、飲食店のアルバイトで接客業に力を入れました。」と述べることが望ましいでしょう。
はっきりと結論ファーストを意識して論点を伝えることで、話のテーマが明確になるため、採用担当者は何についての話なのかを理解しやすくなる仕組みです。
これに対して、エピソードなどの詳細部分を先に述べてしまうと、テーマが見えてこず話がごちゃごちゃしてしまう可能性があります。
なお、ガクチカに限らず、志望動機や自己PRなども基本的には結論から述べることが重要です。
わかりやすく伝えたいことを明確に伝えるための方法として、結論に最初に触れることはぜひ覚えておきましょう。
飲食店アルバイトに取り組んだ動機や理由
ガクチカで飲食店アルバイトの接客経験について述べる場合は、最初に結論としてその内容を伝えたうえで、なぜ飲食店アルバイトの接客経験に取り組んだのかを述べていくと良いでしょう。
ここは、ガクチカとしてそのことに一生懸命取り組んだ動機・理由・背景などをわかりやすく伝えるフェーズです。
動機や理由を伝えれば、本人の興味関心やモチベーションアップのきっかけ、将来の目標・ビジョン、なりたい自分などさまざまなポイントが見えてくるものです。
まさに本人の人柄や価値観を把握するうえで必要な要素なので、採用担当者は、動機・理由の部分も欠かさずチェックしているといえます。
飲食店アルバイトの接客経験のガクチカであれば、たとえば「人と関わって成長することにやりがいを感じたため」などの動機・理由が挙げられます。
接客業での具体的なエピソード
飲食店アルバイトの接客経験のガクチカを書く際は、結論→動機の流れで、次にエピソードを具体的に伝えていく必要があります。
エピソードは結論の深掘りの部分であり、頑張りや工夫を証明する部分でもあります。
ガクチカでは成果よりも過程がとにかく重要視されるため、エピソードについて述べる中では、自分の行動や考えについて具体的に触れるようにしましょう。
飲食店アルバイトの接客経験の中で何が課題であり、その課題に対してどう思って何に取り組んだのか…その流れと要点を意識して書くことが大切です。
また、エピソードを伝える際は具体性を高めて差別化したりインパクトを強めたりする必要があるため、数字を使って表現できる部分は積極的に表現しましょう。
ただし、具体性を高めようとするあまり、専門用語やマニアックな言葉などは多用しないように注意してください。
アルバイトから得た学び
飲食店アルバイトの接客経験のガクチカでは、自分の取った行動がわかるエピソードを具体的に述べたあとに、その経験を通じて学んだことに触れる必要があります。
学びについて何も触れていない状態だと、ガクチカを通じて何を得てきたのかがわからないため、採用担当者にはあまり響かなくなってしまいます。
課題や困難を経て何らかの成果を出せば、勉強になったと感じることや成長したと実感できることがあるはずです。
そういった学びや成長を述べれば、ガクチカという貴重な経験を通じて物事を学び、自分の成長につなげていける人物であることがわかるでしょう。
そういった基本的な学ぶ姿勢や成長に対する意欲は、社会人として常に求められるものです。
また、身につけたスキルをアピールすれば、会社で積極的に活躍できる人材として評価してもらえる可能性も出てきます。
エピソードを伝えたあとは、忘れずに、飲食店アルバイトの接客経験から得た学びを述べていきましょう。
入社後にアルバイト経験をどう活かすか
飲食店アルバイトの接客経験のガクチカを書くときは、最終的に、入社後にアルバイト経験をどう活かしていくか伝えることが大事です。
ガクチカを通じて得た学びやスキルを就活でアピールする場合は、やはり、志望先企業で役立つものでなければ意味がありません。
そのため、培ったスキルや学びを大事にしたうえで、志望先企業で積極的に活躍したいことを伝えていきます。
なお、ただ「学びを活かして頑張ります」だけではアピールにならないため、具体的な業務内容などに触れていくことが重要です。
たとえば接客業や営業職を志望するのであれば、最低限「培ったコミュニケーション能力を発揮しながら、お客様に最適なサービスを提案したい」などの具体性は必要といえます。
飲食店アルバイトの接客経験をアピールするガクチカ例文
では、飲食店アルバイトの接客経験のガクチカを書くときのポイントや構成などを踏まえたうえで、具体的なガクチカの例文をチェックしていきましょう。
ガクチカを書く際は、結局のところ、例文を参考にしなければ具体的な内容がイメージできないことも多いです。
「書くコツはわかったけれど、やっぱりお手本がないと書ける気がしない」と困ったときは、ガクチカの例文から文章の流れや言葉遣いを学びましょう。
では、以下から、飲食店アルバイトの接客経験のガクチカ例文を紹介していきます。
例文
私は学生時代に、アルバイトで接客スキルを磨きました。
取り組んだ理由は、私は人とのコミュニケーションを好む性格のため、対応力を高めることにやりがいを感じたからです。
アルバイト先の飲食店は、あまりリピーターが多くないせいで、目標の売上になかなか届かないことが課題でした。
そこで私は、リピーター獲得のためには接客で良い評価をいただくことが重要だと考え、それまで以上に笑顔を意識することや、積極的におすすめメニューを提案することに尽力しました。
結果、リピート率が上昇し、売上目標が100%を超える月が増えるようになりました。
私はこの経験で、心地の良い接客が事業においてプラスの効果を生むことを学びました。
入社後も明るく気持ちの良い対応を大事にし、接客が良いと評価していただける店舗づくりに貢献したいです。
上記の例文は、先ほど触れてきた構成の流れに沿って書いています。
そのため、「何がガクチカなのか」が最初にはっきりと理解でき、動機やエピソードで中身が深掘りされていることがわかります。
そして得た学びを伝え、最終的に入社に対する意気込みや意欲を伝えることで、アピールを締めくくっています。
上記の構成はどのような内容のガクチカにも通用するため、しっかり覚えておくことが大切です。
なお、エピソードで具体的に内容を述べる際は、自分だけの内容になっているかどうかを十分にチェックしましょう。
オリジナリティに欠けるエピソードは、「本当にそのことを頑張ったのか」と思われてしまう可能性があります。
エピソードでオリジナリティを出せば、採用担当者の印象に残りやすくなるため、具体性を高めることはしっかり意識してみてください。
ガクチカで飲食店アルバイトの接客経験を書く時の注意点
ガクチカで飲食店アルバイトの接客経験について触れる際は、以下のような注意点にくれぐれも注意してください。
コツを実践するのと同時に注意点も理解しておけば、ガクチカのアピールにおける失敗を防ぐことができるため、せっかく考えたアピール内容も台無しになりません。
具体的な注意点は、以下の3つがあります。
- アルバイト先の飲食店名は出さない
- 嘘のバイトリーダーの経験は書かない
- アルバイトの事実だけでは終わらせない
上記の注意点は、意外とやってしまいがちなポイントなので、ガクチカを書く際はリスクも含めて必ずチェックしておきましょう。
では、それぞれを詳しく紹介していきます。
アルバイト先の飲食店名は出さない
ガクチカでは、具体性を高める必要がありますが、その際はアルバイト先の飲食店名は出さないようにしてください。
具体性を高める=固有名詞を使う、という意味ではありません。
飲食店名を出してはいけない理由は、アルバイト先のコンプライアンス違反にあたる可能性があるからです。
アルバイト中に従業員側で起こったことについては、たとえプラスにつながることであっても守秘義務があります。
職場のルールや業務内容は軽々しく話して良いものではないため、ガクチカの中で固有名詞などを出すと、「堂々と守秘義務に違反する人」というイメージを与えてしまう可能性が高いです。
「同じように情報を漏らされるのでは」と思われれば、高評価は夢のまた夢になってしまいます。
アルバイト先の飲食店名は出さないように注意し、課題や自分の取り組みなどについて触れることで、具体性を高めていきましょう。
嘘のバイトリーダーの経験は書かない
ガクチカで飲食店アルバイトの接客経験について触れる場合は、嘘のアルバイトリーダーの経験は書かないようにしましょう。
ガクチカを書くときは、意外とやってしまいがちなことの一つとして、嘘をついてしまうことが挙げられます。
アルバイトリーダーや教育係などの強いエピソードを取り上げたいという思いから、噓をついてしまうと、嘘だと発覚した際にデメリットしかないためくれぐれも注意が必要です。
ESは読むだけなので通過する可能性がありますが、のちの面接では、ガクチカは必ずといって良いほど深掘りの質問をされます。
嘘をついていると、深掘り質問の際にバレてしまうことが多いため、嘘をつくことには非常にリスクが伴います。
嘘だとわかれば内定獲得は当然難しくなるので、必ず事実のみを述べるようにしましょう。
アルバイトの事実だけでは終わらせない
ガクチカで飲食店アルバイトの接客経験をエピソードとして伝える際は、単純な事実のみを伝える内容にならないように気をつけてください。
接客を頑張った、〇〇のスキルを磨いた、というだけでは単純に事実を述べるのみで終わってしまいます。
自分の魅力を伝えるためには、そのスキルや学びを活かしてどう活躍したいのか、再現性のあるアピールをすることが重要です。
そのためガクチカは、エピソードだけでなく、学びの将来的な活かし方までがセットといえます。
文字数や時間的に事実を語るのみで終わってしまいそうな場合は、ほかの部分を適宜削り、しっかりと最後のアピールまで済ませる必要があります。
「ガクチカを通じて〇〇を学び、スキルを磨いてきたからこそ、△△の活躍ができる」といった具体的なアピールをし、採用担当者に対してインパクトを残しましょう。
まとめ
飲食店アルバイトの接客経験をガクチカにする場合は、さまざまな点を意識したうえで、完成度の高いガクチカに仕上げることが大切です。
特にガクチカでは、エピソードを語る中で課題にどう向き合ってきたのかという過程が重視されます。
向き合い方と実行した施策については、しっかりと具体的に述べるようにしましょう。
そのうえで、志望先企業で活かせる強みやスキルなどにも触れていくことが望ましいです。
飲食店アルバイトの接客では多くのことを経験するため、魅力的なエピソードをぜひ取り上げて、自分自身の取り組みをアピールしていきましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート