【2024年版】IT業界は今後どうなる?将来性を解説!

【2024年版】IT業界は今後どうなる?将来性を解説!

就活を始めるにあたってIT業界に目を向ける際は、業界の現在の動向や将来性が気になるところです。

就職では「今後将来性の高さに期待できる業界を目指したい」という人も多いでしょう。

その際は、IT業界の今後について十分に理解を深めておく必要があります。

本記事では、IT業界の動向や現在重要視されている課題などを紹介していきます。

IT業界について多角的に理解を深め、将来性を見極めましょう。

この記事でわかること
  • 業種別に見るIT業界の動向
  • IT業界が抱える課題
  • IT業界の専門用語

【IT業界の今後】IT業界とは

IT業界の今後について正しい知識・情報を持つためには、まず、そもそもIT業界とは何か整理しておきましょう。

IT(Information Technology)業界とは、情報技術を活用した商品・サービスを提供する企業が所属する業界を指しています。

その中でもソフトウェア業界・ハードウェア業界など複数種類の業種に細かく分類でき、ITに関連した企業を全般的にまとめたものがIT業界として扱われることが特徴です。

IT業界について詳しく知りたいとき、IT業界を本格的に目指す場合は、自分がIT業界のどの分野に興味があるのか明らかにしておきましょう。

IT業界の業種
  • ソフトウェア業界
  • ハードウェア業界
  • インターネット・WEB業界
  • 情報サービス業界
  • 通信業界

なお、IT業界の詳しい業種解説については、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。

【IT業界の今後】業種ごとの動向

コロナ禍をきっかけとして、近年は各企業でDX投資がさかんになっています。

国内外問わず、ITサービスに多くの資金を投じる企業は増加しており、市場規模は全体的に拡大の一途をたどっています。

中でもソフトウェア、インターネット・Web業界が特に成長が見込まれます。

ここからは、以下のとおり業種ごとに分けたうえで、現在の動向を紹介していきます。

業種別に動向をよく理解したうえで、どの分野に興味関心があるのかを考えてみましょう。

ソフトウェア業界

ソフトウェア業界は、主にPCやスマートフォンで利用されるアプリケーション・システムを開発する業界です。

コロナ禍をきっかけに、現在では多くの企業が便利なソフトウェアを導入するようになり、市場拡大が著しい業界の一つといえます。

近年、ソフトウェア業界では、自社ネットワークではなく外部のクラウドサーバーを利用する形態への移行が進んでいることが特徴です。

クラウド化すれば、ネットワーク・サーバーを自社で管理する必要がなくなり、導入もスピーディーに進みます。

そのためソフトウェア業界において、現在主流となっている製品・サービスは、クラウド上でサービスを提供するSaaS(サース)といえます。

SaaSは月額料金を支払うサブスクリプション制が基本となるため、将来の売上がある程度約束される点が大きなメリットです。

そのため企業は今後の見通しを立てやすく、将来性にも期待できます。

ハードウェア業界

ハードウェア業界は、コンピュータ・スマートフォン・サーバー・IoT機器などを開発・製造・販売する業界になります。

あらゆるアプリケーション・システムを動かすためにはハードウェアが必要であり、ハードウェア業界も、IT業界の中では非常に重要な存在といえます。

国内の大手企業では、富士通がエフサステクノロジーズという新しい専業会社を発足しており、サーバー・ストレージ・法人向けネットワーク製品の開発や販売をすべて統合しています。

そのうえで、業務の効率化と迅速な意思決定を追求していることが特徴です。

なお、グローバルな見方では、日本を含むアジア太平洋地域がハードウェア業界において近年重要な役割を果たしています。

当該地域では在宅勤務の普及が進んでおり、ネットワーク機器・エンタープライズ向け製品のニーズが大きく高まっている傾向です。

よって、現在のハードウェア業界は専業化移行の傾向と、海外市場における需要拡大をきっかけとした技術革新が進んでいることが特徴です。

インターネット・WEB業界

IT業界の中でも特に好調な業界といえば、インターネット・WEB業界も挙げられます。

インターネット・WEB業界は、検索エンジン・SNS・ECプラットフォームなどのネット上で活用されるさまざまなサービスを提供する業界のことです。

近年のDX推進の流れにより、AI技術や業務自動化が重要な役割を果たしており、中でも需要が急拡大しているのは生成AIチャットボットなどが挙げられます。

AI生成チャットボットはあらゆる企業の前線で活用されており、ユーザーエクスペリエンスの向上に大きく貢献しているといえます。

EC市場・オンライン広告市場も伸びており、これに伴い、昨今はデータプライバシーやサイバーセキュリティに関する規制強化が重要視している傾向です。

これに加え、5G技術の普及がWEBサービスの高速化と信頼性向上をもたらし、最近はよりリアルタイムでのサービス提供が可能となっています。

情報サービス業界

情報サービス業界は、データ分析やITコンサルティング、クラウドサービスなどをおもに提供する業界です。

近年は各業界・各企業においてビジネスにおけるデータ活用が重要視されており、それに伴ってデータ分析関連のサービスは需要が伸びている状況です。

具体的には、2024年時点では企業が収集したビッグデータをもとに分析を実施し、ビジネスインサイトを引き出すためのシステム・サービスが積極的に求められています。

ほかにはデジタルヘルス(=IT技術をもって医療・ヘルスケア効果向上につなげること)やフィンテック(=金融サービスとIT技術を連携させたサービスのこと)といった新しい分野にも注目が集まっています。

これにより情報サービス業界は常にビジネスの中核を担っており、現在はより専門的かつ高度なデータ処理能力が求められているのです。

通信業界

通信業界は、電話・インターネットなどの情報通信インフラの構築・管理などの業務を担う業界です。

個人や企業の情報のやり取りを支えるため、現在の迅速な情報通信社会には欠かせない役割を果たしています。

5G技術の普及に伴い、昨今はさらなる上位技術である6Gの研究・開発が進んでおり、通信の高速化・高品質化に期待が持たれている状況です。

最近はIoT機器の増加やエッジコンピューティング導入促進により、ネットワークの柔軟性やスケーラビリティが重要視されています。

ほかには衛星通信技術が成長したことで、遠く離れた場所への高品質な通信も実現しており、衛星通信分野は今後も成長が見込まれる分野として注目されています。

近年はシェア争いが活発化しており、金融などの今まで通信技術と縁が薄かった分野の強化に力が入っている状況です。

【IT業界の今後】IT業界が抱える課題

IT業界といえば、業種問わず成長が期待されており、よく「将来性がある」と取りざたされることで知られています。

しかしそんなIT業界にもさまざまな課題はあるため、IT業界の今後を確かめたうえで就職を目指す際は、課題にも目を向ける必要があります。

IT業界が持つ課題とは、おもに以下が挙げられます。

IT業界が抱える課題
  • 技術者不足
  • サイバーセキュリティの脅威
  • 技術の急速な進化

いずれも看過できない重要な課題であり、すべての分野のIT企業において解決が急務となっています。

では、以下から、IT業界が持つ課題について詳細を解説していきます。

技術者不足

IT業界は、慢性的な技術者不足に悩まされている状態にあります。

人口減少に伴い働き手がそもそも減っていること・専門技術が必要でハードルが高いことも理由として挙げられますが、中でも大きな課題となっているのは、技術革新のスピードについていける技術者が少ないことです。

より高度な技術・知識を持つエンジニアは非常に少なく、各企業は優秀な人材の確保に苦労しています。

近年はあらゆるIT技術革新が凄まじいスピードで起こっており、技術が進化すればそれに伴い求められるスキルセットも変わっていく状況です。

既存の技術者も一度スキルを身につけたら終わり、ではなく、常に自己研鑽が求められているのです。

そのため、技術者不足解決は、近年ますますハードルが上がっているといえます。

サイバーセキュリティの脅威

IT業界では、サイバーセキュリティの脅威も大きな課題となっています。

技術が進歩すればさまざまな面で便利なシステム・サービスを利用できる反面、サイバー攻撃のリスクが増大することになります。

企業や個人の情報を保護するためのセキュリティ対策は昨今非常に重視されていますが、セキュリティ専門家の不足や、技術的な対応が追いつかないことも少なくありません。

特に中小企業やスタートアップはリソースが限られてしまうため、満足にセキュリティ対策を強化できず、重要なデータを危険にさらすリスクが伴います。

顧客データや社内の機密情報の漏洩は、どの業界・企業においても防ぐべき問題であり、セキュリティ強化は急務となっています。

技術の急速な進化

IT業界では、技術の急速な進化がかえって課題をもたらしているといえます。

AIやIoTといった新しい技術の革新が近年は高速化しており、状況に対応するための柔軟性は、企業には常に求められている状況です。

新技術がもたらす革新的なシステム・サービスについていけない企業は、市場における競争力を失うだけでなく、情報漏洩などのリスクも増すことから顧客の信頼を損なう可能性も指摘されています。

また、新しい技術の導入には膨大なコストがかかり、既存のフロー見直しも余儀なくされてしまいます。

企業は常に負担のかかる経営を強いられており、急速に進む技術革新の光と闇が垣間見える状況といえます。

成長が期待されている業界だからこそ、競争力に優れた企業とそうでない企業では、格差が広がりやすいことが課題となります。

【IT業界の今後】IT業界の専門用語

IT業界の今後・将来性について理解を深める際は、IT業界でよく使われる専門用語もチェックしておきたいところです。

IT業界は特に専門性が高いため、用語の意味を理解していなければ、業界・企業研究もなかなか進まないものです。

今回紹介する専門用語は、以下のとおりです。

IT業界の専門用語
  • DX
  • IoT
  • クラウド
  • デジタルヘルス
  • フィンテック
  • 下請け構造

では、一つひとつを詳しく見ていきましょう。

DX

DXは、デジタルトランスフォーメーションの略称であり、企業がIT技術を活用し新たな価値を創出することを指します。

ITシステムを取り入れたりAI技術を応用したりすれば、これまで生み出してきた製品・サービスとは違ったものが生まれ、業務プロセスにも大きな変化が起こります。

たとえばシステムを導入して自動化を図れば、従来の業務の進め方を根本から変革することで、これまでとはまったく異なる事業を展開したり組織のあり方を変えたりできます。

なお、DXは単純に便利なITシステムを導入して効率化を図ることではなく、企業文化・組織構造まで含めた包括的な変化を起こしていくことを示します。

IoT

IoT(アイオーティー)はInternet of Thingsの略称であり、直訳は「モノのインターネット」です。

さまざまな品物に通信技術やセンサーなどを搭載し、インターネット通信を可能にすることで、必要な情報のやり取りを行うことが特徴です。

最近普及しつつある「スマートホーム」がわかりやすい例で、テレビやエアコン、冷蔵庫などの家電をインターネットに接続し、スマートフォンなどで遠隔地から操作する技術があります。

IoT製品が増えればより便利な生活・業務が望めますが、サイバー攻撃による情報漏洩、犯罪(ハッキングで鍵を開けて侵入するなど)に対するセキュリティ対策が課題となっています。

クラウド

クラウドは、インターネット上にあるサーバー・ストレージなどのコンピューティング資源を、必要に応じて利用できるサービスです。

もしくは、その仕組み自体をクラウドというため、従来の自社ネットワークからクラウドに移行することを「クラウド移行」「クラウド化」と呼びます。

クラウドであれば自社でネットワーク・サーバーのインフラを構える必要がなくなるため、維持管理が楽になり、初期コストを抑えられることで導入も気軽にできます。

しかしすべて外部ネットワークに接続した状態でシステムを利用するため、クラウドもIoTと同様に、セキュリティ対策が重要となります。

デジタルヘルス

デジタルヘルスとは、IT技術を用いて健康増進や医療サービスの利用につなげる分野のことです。

IT技術は、たとえばスマートウォッチなどのウェアラブル端末で健康管理に活用できるため、高齢化に伴って人々の健康志向が高まる中で注目されています。

しかしながら、普及のためには、ITと医療の技術をあわせ持つエンジニアの育成が求められます。

ITも医療も専門性が高く、両分野の技術・知識を身につけることは決して簡単なことではありません。

よって、デジタルヘルス分野では、人材育成と技術者不足が大きな課題となります。

フィンテック

フィンテックとは、Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせて作られた言葉です。

金融とIT技術を掛け合わせることで革新的なサービスを生み出したり、これまでの金融サービスの常識を変化させたりする動きのことです。

ブロックチェーン技術を用いた仮想通貨、AIが行う投資アドバイスなどが、近年注目されているサービスとして挙げられます。

しかし、フィンテックには個人・企業が持つ重大な資産がからむため、普及によって今後サイバー攻撃リスクが高まることはいうまでもありません。

下請け構造

IT業界では、システム開発・インフラ構築などの一つのプロジェクトで、多重下請け構造が一般化しています。

膨大な開発プロジェクトを元請け企業が受注すれば、その一部を複数の下請け企業に依頼し、さらにその下請けが一部の業務を依頼する構造によりIT業界は成り立っています。

IT業界の専門用語ではないものの、多重下請け構造が根強く残るIT業界について理解を深める際は、知る必要のある言葉といえます。

なお、多重下請け構造の課題・問題点には、以下が挙げられます。

  • 下請けになるほど業務環境が劣悪化しやすい
  • トラブル発生時に責任の所在がわかりにくい
  • 顧客の意図が下請けにまで伝わりきらないことでトラブルになる

IT技術がもたらす便利なシステムは、一部は、劣悪な環境で働かざるを得ない下請け企業の犠牲のもとに成り立っている場合があります。

ほかにも複数の問題点があるため、下請け構造そのものを見直す必要がある点は、IT業界全体の課題になるでしょう。

まとめ

IT業界の今後について知る際は、現在の動向から、取り沙汰されている課題にまで目を向ける必要があります。

IT業界と一口にいっても具体的な業種はさまざまあり、業種によってトレンドとなっている技術やサービスは異なります。

また、成長が期待されているIT業界にも課題は多く存在するため、業界を目指す際は課題に対する理解も欠かせません。

ほかにはIT業界ならではの専門用語も勉強しつつ、業界研究を効率的に進めていきましょう。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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