就職先が決まらないまま大学を卒業すると「就職浪人」「就職浪人」になってしまいます。 新卒と違って就職浪人に対する企業の評価は厳しく、就活が不利になることも少なくありません。
就職先を決めるにはどのように過ごせばいいのでしょうか。
【就職浪人】就職浪人とは?
就職浪人とは、大学を卒業してからも就活を続けている人です。
就職浪人になる理由は様々ですが在学中に内定が出ない場合や、希望の企業を諦めきれず内定が出たのに断って就職浪人の道を選ぶ場合があります。
就職浪人は既に大学を卒業しているため、基本的には「既卒」枠で就活を行うこととなり、「新卒」ではなくなってしまいます。
就職留年との違いは?
就職留年と就職浪人の違いは、「大学に籍を置くか置かないか」という点です。
両者ともに「本来は4年で卒業し就職する予定だったが、その計画が遅れたことによって生じる状況」という側面では似ています。
企業側から見ると、どちらも「1年で就職先を決められなかった」という評価となるでしょう。
しかし就職浪人は大学に籍を置かないため、基本的には既卒という扱いとなります。
一方で、就職留年は大学に籍を置いたままとなるため、新卒カードを維持したまま就活ができます。
第二新卒との違いは?
第二新卒は通常、既に企業に入社してから3年以内に転職をする人を指します。
つまり、一度は就職して実務経験を積んだ後に再び転職活動を行っている人です。
一方、就職留年は大学卒業後に直接就職せずに1年以上を経てから就職活動をすることを指します。
この点で、第二新卒は就職浪人とは異なります。
また、第二新卒は既に実務経験がある点が大きな違いです。
【就職浪人】就職浪人はどのくらいいるの?
そもそも就職浪人をする人は全体の何割くらいいるのでしょうか。
文部科学省が平成29年5月に公表した「大学等卒業者及び高校卒業者の就職状況調査」によると、平成28年度の大卒者の中で就職できた人は希望者の97.6%です。
残り2.4%がいわゆる就職浪人です。
最初から就職を希望しなかった人(大学院の進学や自営、家事手伝いなど)が27.1%いるので、大卒者全体で見ると就職浪人の割合はかなり少ないといえるでしょう。
若干ですが女性よりも男性のほうが多いようです。
【就職浪人】就職浪人になる理由
大きく分けて就職浪人をする人には、3タイプ見られます。
1つ目は「就活をしたもののどこも内定をもらえなかった場合」、2つ目は「内定はもらえたけれど第一志望を諦めきれない場合」、3つ目は「留学以外に優先したいことがあった場合」が挙げられます。
このように就職浪人になる理由は様々です。
就活に失敗すれば、その後の進路選択を迫られることになります。
就職浪人するメリット
「浪人」という言葉を聞くと、あまり良いイメージが湧かない人もいるかもしれません。
けれども就職浪人という選択には、さまざまなメリットがあるのも確かです。
まず何より、学生時代よりも自由に使える時間が増えます。
時間に余裕があることは、就活をしていくうえでの大きなメリットです。
精神面へのプラスの影響もあるでしょう。
具体的に、就職浪人のメリットについて紹介します。
自分を見つめ直す時間が増える
忙しさに追われていると、なかなか自分を見つめる機会が持てません。
学生時代の就活において自己分析が必要と言われても、学業やサークル活動に追われる中で果たして本当に自分を深く見つめることはできたでしょうか。
自分を見つめるためには1人になる時間も必要です。
就職浪人をしてみると、1人で過ごす時間が増えた人も多いでしょう。
学生時代よりも自分とじっくり向き合う時間が持てるはずです。
自分に合う企業を見つけるためには、まずは自分と向き合い本当の自分の性格を知ることが不可欠です。
就職浪人をすることで持つことができた時間は、自己分析や自分磨きのために使いましょう。
自分を見つめる時間を作ることができるのは、就職浪人中ならではです。
人とは違う道に進むことによる自信が生まれる
同学年のみんなが先に就職した中で、就職浪人の道を選ぶのは勇気がいることです。
どこも内定をもらうことができず、仕方なく浪人している人もいるでしょうし、中には内定をもらっていた会社を断って浪人を選んだ人もいるはずです。
どちらにせよ、周りとは異なる道を進むことによって精神的に強くなれるのは確かです。
周りに振り回されることなく自分を信じて頑張ることにより、自然と自信も生まれることでしょう。
中には社会人経験としてアルバイトをしながら就活をする人もいるでしょう。
この期間に社会人マナーもますます身につけることで、さらに自信を持って面接に挑むことができるのではないでしょうか。
準備がきちんとできる
学生時代は、就職活動一筋に集中できるかと言えばそうではない人も多いのではないでしょうか。
まだ在校中なのでもちろん学業が優先になります。
サークル活動やゼミ活動を続けながら、時間を作っての就活になるかもしれません。
その結果、どこか妥協しての企業選びや準備不足での面接になってしまうケースもあるはずです。
しかしながら就職浪人の一番の目的は内定をもらうことなので、就活の準備に集中できるでしょう。
就活には欠かせない自己分析や企業研究も、学生時代よりもしっかり時間をかけて取り組むことができるはずです。
また計画的に企業セミナーにも行けますし、面接の練習も思う存分行えます。
就活における準備が心ゆくまでできることは、就職浪人の大きなメリットと言えるでしょう。
就職浪人するデメリット
メリットがあればデメリットがあるのも致し方ありません。
就職浪人をする際には、デメリットにおいてもきちんと頭に入れておくことが重要です。
デメリットに対する自分なりの対策を考えて、就活を進めていきたいものです。
どうしても世間の目がシビアになることは仕方ないと言えます。
就職浪人のデメリットについて知っておきましょう。
理解を得るのが難しいことがある
1年遅れて就職することを決めるにあたって、家族や先生と話し合いをした人も多いはずです。
家族や大学の先生からの理解が得にくいというデメリットもあります。
実際に、就職浪人することで、家族の心配を増やしてしまうことになるだろうこと実は否めません。
またゼミや研究室の先生たちも、励ましてくれるものの気がかりではあるでしょう。
そして、企業の人事担当者からシビアな見られ方をされてしまうこともあります。
時には、学生時代に遊んでいてきちんと就活をしていなかったのではないかと疑いの目を向けられる可能性もあります。
就職を1年延ばすという選択は、周りからの厳しい視線を受けることになる覚悟も必要です。
なぜ浪人したかを深掘りされる
「どうしてあの人は就職できなかったのだろう」と、いろいろな人に聞かれるのも就職浪人のつらさと言えます。
皆それぞれ事情がありますし本人にしたらそっとしておいてほしいものの、周りにしてみれば理由が気になるものです。
就職浪人の理由や原因について深堀りされることは、覚悟しておいた方が良いでしょう。
中には言いにくい理由もあるかもしれません。
家族やお世話になった恩師には本当のことを話すことが誠意でもあります。
あまり深い関係ではない人に対しては、うまく交わす口実を考えておくと安心です。
また当然のことながら、面接時にも面接官から深堀りされます。
この際はハキハキと的確な答えを説明することが重要です。
説得力のある浪人理由を言えなければ、身の程知らずなどと思われてしまう可能性も出てきます。
自分の中でも、浪人理由については整理しておく必要があると言えそうです。
メンタルの強さが求められる
就職浪人をしているときに、精神的に情緒不安定になってしまう人がいることは否めません。
学生時代よりは時間的に余裕がありますが、その分孤独感を得やすいのも確かです。
学生時代の友人の多くが就職してすでに働いている中で、自分だけがまだ就職できていないことへの不安も生じるでしょう。
きちんと内定をもらえるのかどうか焦りを抱く中、そういう気持ちを理解してもらえる人が少ないことも現実です。
就職浪人は、自分のペースで強い意志を持って毎日を過ごさなければつらくなってくるのです。
メンタル面において、落ち込みや不眠といった症状が出てくることもあるので気をつけなければいけません。
就職浪人は孤独との闘い、自分との闘いなのです。
対処法としては、同じような就職浪人中の友人と会うのも良いですし、「人は人、自分は自分」という考え方で割り切って就活をする姿勢も大切です。
不利になりやすい
就職浪人で就活を行う場合、多くの場合は既卒枠となるため、新卒と比べて不利な立場に置かれることがあります。
中途採用枠で応募しなければならないため、既卒者や中途採用者と競合することになるからです。
企業側は実務経験の有無や即戦力としてのスキルを重視する傾向にあるため、実務経験がない就職浪人は、実務経験のある応募者と比較される際に不利になることがあります。
そのため、十分な実務経験を積むためには、長期インターンシップやアルバイト、留学などさまざまな手段を活用して経験を積んでおくことが重要です。
就職留年がおすすめ
就職浪人のデメリットを回避し、憧れの企業に入社するためには「就職留年」がおすすめです。
就職留年を選択することで、新卒枠での就活を行うことが可能となります。
さらに、大学からのサポートも受けられるため、就職活動において心強い味方となることができます。
一方で、就職留年には授業費などで金銭的な不安が生じることもありますが、新卒枠での就活を行うことができるという点は大きなメリットといえるでしょう。
キャリアプランを着実に実現するための第一歩として、就職留年を検討する価値は十分にあるといえます。
一度落ちた企業を受けられないことがある
就職浪人を行う際には、一度落ちた企業を再度受けられないことがあります。
自身の適性や企業の求める人物像と合っていないなどの理由により、選考で不合格となってしまう可能性が高いです。
さらに、既に落ちた企業には履歴が残っており、エントリーが制限されることもあります。
【就職浪人】就職浪人の過ごし方
就職浪人は時間の過ごし方が重要です。
新卒の学生よりも時間に余裕があるため、浪人しているからこそできることもあります。
ここでは、内定獲得につながるおすすめの就職浪人の過ごし方について解説します。
就活の振り返りを行う
まず、過去の就活選考で落ちてしまった理由や第一志望企業からの不合格について振り返ることが重要です。
自身が適性のない企業や求める人物像と自身のイメージとの乖離があった場合、その原因を探りましょう。
「自分はどんなふうに働いていきたいのか」「将来どうなりたいのか」といったゴールを設定し、そのゴールに向けてなりたい自分になるための道筋を描いていくことが、内定への近道です。
今後の目標を整理し、就活の反省点を明確化することが大切です。
求人探しや就活イベントへの参加
就職先を見つけるために、積極的に求人情報を探して応募活動を行いましょう。
就活イベントの中には、就職浪人向けのイベントもあります。
実際にイベントに足を運び、企業とのコネクションを広げて行きましょう。
さらに、ハローワークなどを活用し、応募書類の添削や面接練習を受けることで、本番に近い環境で対策ができます。
「既卒だとなかなかESが通らない」という悩みに対しても、担当者が丁寧に相談に乗ってくれるでしょう。
長期インターンやアルバイト
就職浪人だからこそ、就活で他の新卒学生と差がつけられるポイントがあります。
それは、実務経験を積むことです。
長期インターンやアルバイトを通じて専門知識を深めたり、実践的なスキルを身につけたりすることで、即戦力としてアピールできます。
ただし、多くの長期インターンは学生を対象としているため、既卒向けの求人情報を探したり、直接企業にコンタクトを取ることも必要になるかもしれません。
その他にも、自己啓発書の読書やオンラインコースの受講、実務に関するボランティア活動への参加など、スキルアップの機会を積極的に探しましょう。
留学をする
留学やワーキングホリデーを通じて海外での経験を積むこともオススメです。
海外へ行くことで国際的な視野を持ち、語学力を向上させることができます。
最近では語学力に優れたグローバルな人材を求める企業も増えてきています。
留学やワーキングホリデーを通じて新たな知識や経験を得たり、語学力を向上させたりすることで、企業に対してさらなるアピールポイントを獲得することができるかもしれません。
【就職浪人】就職浪人が就活を成功させるポイント
就職浪人をするなら、1年を有効に使わなければ内定を得るのは困難であると伝えてきました。
前述したように、就職浪人をすると中途採用枠での就職活動になるために、卒業の後の空白期間が長ければ長いほどに、内定を得難くなります。
また、就職浪人を選んだら、面接でなぜそうしたのか、その期間に何をしてきたかをほぼ100%の確率で聞かれるでしょう。
就職浪人の期間をどう過ごせるかが就職活動を成功させるカギとなります。
では、具体的に就職浪人をした後何をするべきなのでしょうか?
志望業界を見直す
視点を変えるため、思い切って志望業界を見直してみるのも一つの手段です。
もし1社も内定を得られずに就職浪人になってしまった場合は、志望していた業界にあなたの適性がなかったのかもしれません。
事務職を選び失敗し続けていたけれど、思い切って営業職にチャレンジしたら内定を得られて入社後成果を上げたというケースもあります。
また、大企業には縁がなかった方も、勢いのあるベンチャー企業にはマッチするかもしれません。
次の就職活動で失敗しないために、業界の理解を深めて自分に適性があるかを見極めなければなりません。
そのために、企業研究する際もHPを見るだけでなく、毎日のニュースにも目を光らせて今後自分がどう活躍できるかを繰り返し自問自答する必要があります。
徹底的な自己分析
企業研究だけでなく、自分自身にも深く向き合う必要があります。
自分の強みや弱みや価値観を分析し、言語化する自己分析は就職活動の大切な第一歩です。
「自分はこういう人間だ」という思い込みで就職活動をするのは大変危険です。
自分の人生を振り返り、時期ごとに嬉しかった、悲しかったと印象に残るエピソードをそれぞれ5W2Hまで書き起こします。
すると、共通項が見えてくるために、本来の価値観が明るみに出るのです。
そのうえで業界や職種を選べば、失敗する確率は低くなります。
また、自分だけでなく、親しい友人や家族に自分のイメージを聞くことも客観的に自分を見つめるうえで大切です。
徹底した自己分析から生まれる自己PRは、面接官にも説得力を持たせることでしょう。
新卒扱いしてくれる企業に応募する
就職浪人であっても、一部の企業では大学卒業後3年以内の応募者を新卒扱いしてくれる場合があります。
これらの企業は、個々のポテンシャルや成長意欲を重視して採用を行う傾向があります。
そのため、実務経験がない状態であっても、自分の能力や意欲を十分に発揮することができる可能性が高くなります。
企業の採用情報をしっかりと確認し、新卒扱いを行っている企業に焦点を当てて就職活動を進めてみることが重要です。
【就職浪人】就職浪人にならずに就活を終わらせるには
現在大学4年生で就職浪人を選択すべきか、就活を頑張るべきか悩んでいる人もいるかもしれません。
しかし、この先の余計な金銭的な負担がない点や周囲からのサポートを受けられる点から、諦めずに就活を続けることをおすすめします。
4年生の後半に差し掛かるにつれ求人は減ってしまいますが、求人が全くなくなってしまうことはありません。
この章では、就職浪人にならずに就活を終わらせるにはどうすればいいのかを解説します。
自分がどうなりたいのかを改めて考える
新卒で入社し、スキルを身に着けた後に第一志望の企業を受けてみるという目標を立てるという選択をするのも有効です。
就職浪人で落ちてしまった企業に再度応募するより現実的と言えるでしょう。
また、大手企業にこだわらず広い視野で企業を見ることで惹かれる企業に出会うこともできます。
このように、ゴールを先延ばしにしたり、他の視点から自分を見つめなおしてみたりすることで、就活をどう進めるべきか、これからどうすべきかという答えが見えてくることでしょう。
諦めずに頑張る
4年生の後半に差し掛かるにつれ求人が少なくなるのは事実です。
また、周りがどんどん就活を終えているということにプレッシャーを感じることもあるでしょう。
そのような状況下では、スピード感をもって自己分析や企業研究、ESの完成度を上げ、面接練習も行う必要があります。
焦らずに着実に準備を進めることで、最適な企業との出会いを増やすことができます。
短期決戦で頑張ってみる
終わりが見えないときついと感じる人は、期限を決めて短期決戦で就活に注力してみるというのも一つの手段です。
期限が決まっているという点でモチベーションの維持が比較的しやすくなります。
その期間中は自分を追い込み、集中して取り組むことで、成果を上げることができるでしょう。
二次募集を探してみる
二次募集に絞って求人を探すことも一つの手です。
二次募集とは、一次募集が終了した後に追加で募集を行うことを指します。
大学入試の後期試験のようなもので、一次募集が終了した後にさらに追加の人材の募集が始まります。
一次募集のみで終わってしまう場合も多々ありますが、中には大手企業でも二次募集をかけているケースもあります。
求人情報をしっかりと見て、チャンスを逃さないようにしましょう。
二次募集について詳しく解説している記事はこちらです。
参考にしてみてください。
一度落ちた企業に再応募できる場合もある
企業によっては、一度落ちてしまっていても、再応募を許している場合があります。
募集要項に記載している企業がほとんどなので、気になる場合は確認してみましょう。
就活サービスを利用する
就活エージェントやキャリア支援サービスなどのサービスを利用することで、効率的に就活を進めることができます。
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おすすめは就活市場エージェント
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就活に関する悩みや不安を抱えている方は、就活市場エージェントの利用を検討してみることをおすすめします。
まとめ
就職浪人になる大学生は少数派で、その理由も企業側にしてみると納得しづらいのが大半です。
そのため就活では新卒よりも不利になり、枠も別になります。
それは留年して就活を続ける就職留年でも同じです。
やむを得ず就職浪人になってしまった場合は、その期間を有意義に過ごして新卒と差をつけることが大事です。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート