食品メーカーには有名企業も多く、就職先としても人気があります。
そのため、「以前から食品メーカーへの就職に憧れていた」「食品メーカーに興味がある」と感じている学生も多いでしょう。
そんなとき気になるのは、具体的にどこが大手なのか、どこがホワイト企業として知られているのかなどのポイントです。
本記事では、食品メーカーに分類される企業をランキング別に紹介していきます。
就職で食品メーカーを目指す人は、エントリーする企業を見つけるためにも、ぜひチェックしてみてください。
食品メーカーとは?
食品メーカーを目指すうえでチェックしたいのは、そもそも食品メーカーとは何かという基礎知識です。
食品メーカーとは、私たちが日常的に食べている食品を製造する会社のことです。
一般的に食品メーカーは原材料を仕入れたうえで、食品の開発・製造・流通を行います。
そのうえで、加工食品や飲料、調味料などさまざまな種類の食品を、法人や消費者の食卓に届けています。
なお、食品メーカーは、大まかにいうと以下の2つに分類されます。
- 食料品製造業
- 飲料・たばこ・飼料製造業
食品メーカーについてよく知りたい人は、以下の記事をチェックしてみてください。
食品業界の動向は?
食品業界について理解を深める際に知っておきたいのは、食品業界の現在の動向です。
現在の動向としてチェックしたいポイントは、以下のとおりです。
- 原材料価格の高騰
- 大手では食品以外にも着手
- 安全性の訴求に努めている
食品メーカーの動向をチェックしたうえで、業界ならではの特徴や将来性などを見極め、自分の適性判断につなげましょう。
では、上記の3つの動向について詳細を解説していきます。
原材料価格の高騰
食品メーカーは昨今、原材料価格の高騰に悩まされています。
価格高騰の理由は、ウクライナ戦争や円安などの国際情勢が関係しており、各原材料は値上げを余儀なくされています。
それに伴って商品一つひとつの価格も上げざるを得ず、そんな中で消費者に購入してもらうためには、他社との差別化・高付加価値化が鍵となっています。
高付加価値化とは、消費者にとって新しい魅力やメリットを提供することで、よりその商品の価値を高めることです。
そのため、食品メーカーにおいて近年求められるのは商品開発力であり、企画・開発・研究部門の腕が試される局面になってきたといえます。
大手では食品以外にも着手
食品メーカーの大手は、近年食品製造以外の事業にも着手している傾向にあります。
新しい方向性を見いだしている理由は、将来的な気候変動・人口減少による需要縮小に備えるためです。
確かに日本にとって人口減少は重要課題となっており、地球規模での環境破壊に伴う気候変動は、今後私たちの生活のあり方にさまざまな形で影響をもたらすと考えられます。
たとえば味の素はヘルスケア事業、日齢は低温物流で安定的な売上を記録しており、時代に合わせた変化が求められていることがわかります。
安全性の訴求に努めている
食品メーカーの多くは、昨今、安全性の訴求に力を入れています。
そのきっかけとなったのは、小林製薬の「紅麹」問題です。
問題に伴い、メーカーだけでなく政府も機能性表示食品制度の見直しを始めており、安全性の担保については国レベルでの動きがみられる課題といえます。
消費者も各商品の安全性には敏感になっており、安全性に少しでも疑問符が付くような商品は売れ行きが芳しくなくなります。
そのため各社とも改めて安全性について再認識を実施し、安全性の訴求に努めていることが特徴です。
食品メーカーの特徴別ランキングTOP5を紹介!
食品メーカーにはさまざまな特徴が見られるため、ここからは、特徴別に具体的な企業のランキングTOP5を紹介していきます。
ランキングの種類は以下のとおりです。
- 売上
- 年収
- 初任給
- ホワイト企業
- 外資
- 就職難易度
では、どのような企業がランクインしているのかチェックしていきましょう。
【売上】食品メーカーランキング
- 日本たばこ産業(JT) 2兆6500億円
- アサヒグループHD 2兆5100億円
- キリンHD 1兆9800億円
- サントリー食品インターナショナル 1兆4500億円
- 日本ハム 1兆1700億円
売上別に見る食品メーカーランキングTOP5は、上記のとおりです。
誰もが一度は目にしたことのある企業が並んでおり、人気企業・有名企業であるとともに、これらは正真正銘大手の食品メーカーといえるでしょう。
なお最も売上が高く、トップに君臨するのは日本たばこ産業(JT)であり、正直意外に感じる人は多いでしょう。
前述のとおり食品メーカーは「食料品製造業」または「飲料・たばこ・飼料製造業」に分類されるため、たばこメーカーも食品メーカーに当てはまります。
なお、JTではたばこのほかに加工食品の製造もおこなっており、主要製品には冷凍麺・酵母エキス調味料などが挙げられます。
【年収】食品メーカーランキング
- アサヒグループHD 1229万円
- 西本Wismettacホールディングス株式会社 1115万円
- サントリー食品インターナショナル 1114万円
- 味の素 1047万円
- 明治HD 1013万円
年収別に食品メーカーのランキングTOP5をまとめると、上記のとおりになり、トップはビールの製造などで知られるアサヒグループHDとなります。
ちなみに食品メーカーの平均年収は430万円~473万円であり、日本の平均年収466万円と比べると、食品メーカーの年収水準はやや低め~平均的といえることがわかります。
そんな中で年収の高い食品メーカーランキングに目を向けると、トップクラスの企業はその2倍以上の年収を記録しています。
【初任給】食品メーカーランキング
- 太陽化学 23.4万円
- 鳥越製粉 23.0万円
- マルイチ産商 22.4万円
- キリンビール 22.3万円
- 森永乳業 22.2万円
初任給で食品メーカーのランキングTOP5を作成すると、以上のようになります。
食品メーカーの平均初任給は、大卒で21万~23万円です。
トップクラスの企業ともそこまで平均が変わらないため、食品メーカーは、ある程度どの企業も大卒であれば21万~23万円ほどの初任給が望めるといえるでしょう。
なお、全業界通しての初任給の平均は20万円7,450円です。
平均と比べると、食品メーカーの初任給はやや高い傾向にあることが特徴です。
【ホワイト】食品メーカーランキング
- 日本たばこ産業株式会社(JT)フレックスタイム制度が導入、残業時間が5〜10時間
- 味の素 在宅勤務制度、副業OK、フレックスタイム制度
- 森永乳業 健康施策(健康診断実施や費用の負担)、住宅支援(ローンの最大8割を毎月支給)など福利厚生が充実
- 森永乳業 借り上げ社宅制度、社割で商品を買える
- 明治 休暇を自由に取れる、リモートで行われる、フレックスタイム制の導入
食品メーカーの「ホワイト度」に目を向けた際のランキングは、上記のとおりです。
傾向として食品メーカーはブラックといわれやすい部分がありますが、近年は働き方の多様化やブラック企業の問題の影響から、さまざまな面で労働環境の見直しが図られています。
たとえばトップのJTでは、フレックスタイム制が導入されており、残業時間は5~10時間と少なめの傾向です。
ほかには福利厚生を充実させている企業も多くみられ、近年は大手企業を中心に、食品メーカーのきつい労働環境も改善されてきているといえます。
【外資】食品メーカーランキング
- ネスレ ネスカフェやキットカットなど 日本で国内向け事業を展開
- ペプシコ ペプシコーラやマウンテンデュー
- アンハイザーブッシュ・インベブ 大手酒類メーカー コロナビールなど
- JBS ブラジル本社食肉加工会社
- タイソンフーズ アメリカ本社の食肉加工会社
外資の食品メーカーランキングは、上記の結果になりました。
近年の国内食品業界は、人口減少に伴い、昔と比べて需要が低下しています。
しかしその一方で、世界レベルで見るとアジアを中心に食品製造の市場は拡大しており、市場の変化がうかがえます。
そのため、グローバルに事業を展開する外資のほうが、食品メーカーにおいては安定的に求人がある傾向です。
外資の食品メーカーは、より将来性重視で志望先を決めたい人におすすめできます。
【就職難易度】食品メーカーランキング
- 味の素 高学歴や理系学生、留学経験がある学生を多く採用
- 日本水産 応募倍率が高い割に採用人数が少ない
- アサヒビール 選考倍率は150倍越え、内定者のほとんどは難関国立大・早慶上智・MARCH・関関同立
- サントリー 学歴フィルターがある、学生に大人気な企業
- キリン 高学歴も多いがMARCH未満の大学からも毎年数名採用、長い先行フローを勝ち抜いたものが内定
就職難易度で順位付けした食品メーカーランキングTOP5は、上記のとおりです。
ランクインしている企業はいずれも知名度が高く、より身近に感じられる業者だからこそ人気が集中しやすいことが特徴です。
さらに安定性が見込める企業も多く、年収の水準も高いといえます。
したがって内定を勝ち取れる学生には高いスキルや学歴が求められる傾向にあり、優秀な学生であっても、なかなか内定につながらないケースは少なくありません。
食品メーカーに受かるために行うこと
食品メーカーはどこの企業も人気が高いため、内定を獲得するためには、十分な対策が必要です。
「絶対に食品メーカーに就職したい」と考えている人は、以下の対策を実践しましょう。
- 自己分析
- 業界・企業研究
- インターンシップ参加
- OBOG訪問
- 志望動機添削
- WEBテスト対策
- グループディスカッション対策
- 面接対策
いずれも欠かせない対策のため、詳細を以下からチェックしていきましょう。
自己分析
食品メーカーから内定を獲得するためには、まず、自己分析が重要です。
自己分析とは自分のやりたいことや目標、興味のあること、将来のあり方を知るために、さまざまな側面から自己理解を深めることです。
自己分析を行えば、なぜ食品メーカーに就職したいのかがわかり、より説得力のあるアピールで採用担当者に印象を残せます。
基本的に自己分析は、過去の経験や印象に残っている思い出から言語化していく形になります。
特に自分オリジナルの価値観や経験を考えてみることで、自己理解を深め、食品メーカーの志望理由を明確にしましょう。
業界・企業研究
食品メーカーを目指す際は、業界・企業研究も欠かせない対策の一つになります。
業界・企業研究を実施すれば、現在の業界の動向や将来性、興味ある企業が扱う製品、展開している事業などを把握できます。
その企業ならではの特徴をとらえられるため、自己分析の結果をもとに、自分の適性をより判断しやすくなります。
自分ならこの企業でどんな活躍ができるかを明確にするためにも、業界・企業研究は徹底的に行いましょう。
なお、業界研究について詳しく知りたい人は、以下の記事をチェックしてみてください。
インターンシップ参加
食品メーカーに就職したいのであれば、まずは就活準備の一環として、インターンシップに参加しましょう。
インターンシップは3年生の夏・秋・冬のタイミングで開催されるため、機会を逃さずに早めに参加することが大切です。
インターンシップに参加すれば、業務内容や社風についてよりリアルに理解を深められます。
また、参加することによって早期選考などの優遇チャンスに恵まれるケースもあります。
少しでも有利に就活を進めるためにも、インターンシップ参加は積極的に検討しましょう。
OBOG訪問
食品メーカーに就職したい場合は、OBOG訪問も対策の一つとして行いましょう。
OBOG訪問とは、その企業で実際に働いているOBOGのもとを訪問し、社内の雰囲気や働き方について質問する機会を設けてもらうことです。
OBOG訪問は、自分が企業で働くイメージをより具体化するための良い機会です。
企業研究の一環として重要なため、OBOG訪問の機会は積極的に模索してみましょう。
なお、大学によってはキャリアセンターを通じて機会を作ってもらえるケースも多いといいます。
志望動機添削
食品メーカーへの就職を目指す場合は、志望動機添削も欠かせません。
志望動機は一度完成させるのみでは完成度が上がらず、場合によってはつまらないミスが出てしまうこともあります。
そのため、志望動機は多くの人にチェックしてもらい、添削と内容見直しを繰り返すべきといえます。
添削してもらう人は家族や友人、先輩のほかには就活エージェントが挙げられるでしょう。
就活エージェントは就活関連の書類作成のプロなので、相談して添削サービスを利用すれば、より的確なアドバイスを受けられます。
なお、志望動機だけでなく自己PRや長所短所なども同様です。
WEBテスト対策
就活生には、WEBテスト対策も欠かせないでしょう。
人気の食品メーカーほど、ライバルとなる学生はみな高学歴でスキルが総合的に高いため、WEBテストでは高得点を出してきます。
そのため、WEBテスト対策は入念に行う必要があります。
対策本や対策サイトなどを積極的に活用し、過去問を解いたり解答方法のコツを調べたりすることは徹底しましょう。
また、別の企業のWEBテストを受け、テストに慣れることも重要といえます。
グループディスカッション対策
食品メーカーを目指す際は、グループディスカッション対策も重要となります。
グループディスカッションを選考の中で取り入れている食品メーカーは多く、企業によってさまざまなテーマが出題されます。
グループディスカッションでは、単純に相手を論破したりほかの人より多く発言したりすれば良いわけではなく、任された役割をいかにまっとうしグループに良い結果をもたらせるかという点が重要となります。
慣れていなければ何もできずに終わってしまうため、立ち回り方のコツをつかむこと、自分の意見をわかりやすく伝えることなどの対策が必要です。
面接対策
食品メーカーに限らずいえることですが、就活の対策において面接対策を省略することはできません。
面接では、質問に対して的確に答える力や、総合的なコミュニケーション能力が評価の基準となります。
当然、対策なしでは理想的な回答はできないため、想定質問の把握や一般的な面接マナーなどは理解しておきましょう。
そのためには模擬面接を重ねることが重要なので、対策の際は、就活エージェントなどの支援サービスを積極的に活用しましょう。
まとめ
食品メーカーランキングをチェックしたあとは、いよいよ就活に向けて対策を始めましょう。
事前にしっかり対策すれば、人気企業から内定を獲得できるチャンスにも恵まれる可能性があります。
必要なポイントを押さえ、食品メーカーに受かるための対策を早めに実践しましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート