グループディスカッションの役割と人事から見た評価基準とは？

グループディスカッションは現在、多くの企業が選考に組み込む重要な選考の1つとされています。

同じ企業の選考を受けるライバルと共に行うグループディスカッションが苦手だという学生さんも多いのではないでしょうか

もちろん1対1の面接も緊張しますが、グループディスカッションではまた違った緊張感や、不安などを感じる方が多いのではないでしょうか？

本記事では、グループディスカッションとはどういうものかを説明し、グループディスカッションでの役割分担、さらにその役割ごとの人事目線で評価基準を徹底解説していきます！

グループディスカッションに不安を抱えている方や選考が近い方必見です！

グループディスカッションとは？

まず、グループディスカッションとは何か把握しておきましょう。

グループディスカッションとは、学生数人（5人前後）で議論する形態の集団面接です。

議論する形態は2種類あり、あるテーマについて結論を導き出すディスカッション型と、テーマについて賛成派・反対派に分かれて議論するディベート型があります。

企業によって議論形態や内容は変わります。事前にどの形態で行われるかを知れることはほとんどないと考えた方がいいでしょう。

グループディスカッションが選考で行われる理由はどういったところがあるのでしょうか？

理由としては、従来の筆記試験、個人面接、集団面接からは読み取れない学生の特徴を読み解くためにこのような採用方法ができたようです。

ですから議論内容そのものよりも、議論中の積極性やコミュニケーション能力、論理的思考能力、協調性などを面接官は見ていると言えるでしょう。

【グループディスカッションの役割】グループワークとの違い

グループディスカッションと似た言葉にグループワークというものがあります。

グループワークも就活での選考過程の一つで、集団での作業を伴うものです。

多くの学生がその違いを正確に理解しないまま就活に臨むことが多く、その結果、微妙なズレやギャップに戸惑ってしまうケースが少なくありません。

そこで、今回はこの二つの違いを明確に説明しますので、しっかりと把握しておきましょう。

資料作成の必要があるか

グループディスカッションでは、主に話し合いを通じて意見をまとめ、最後に発表ができれば十分とされることが多いです。

資料の準備に関しては学生自身の判断に委ねられることが多く、必須ではありません。

一方で、グループワークではプレゼンテーション資料の作成が求められるケースが一般的です。

最終的にはプレゼン形式で発表を行うことが多いため、パワーポイントなどを用いて共同で資料を作成する必要があります。

このように、資料作成という共同作業が求められる点が、グループディスカッションとの大きな違いといえるでしょう。

論理的思考力があるか

グループディスカッションやグループワークのどちらにおいても、チームワークや連携の良さが重視されるのは当然ですが、個々のポテンシャルも採否判断において重要な要素となります。

特にグループワークでは、個人の論理的思考力が厳しく評価される傾向にあります。

論理的思考力とは、考え方や説明が一貫して筋が通っていることを指し、企業はこれを通じて将来、様々な問題に直面した際に論理的なアプローチで問題解決に導けるかどうかを見極めます。

このように、グループワークではチームワークを重視しつつも、個人としてのポテンシャルがあるかどうかが特に注目される点が、グループディスカッションとの大きな違いと言えるでしょう。

グループディスカッションで役割が必要な理由

グループディスカッションにおいてはそれぞれ役割が分けられますが、なぜ役割を分担する必要があるのでしょうか。

理由を理解し、納得した上で取り組むことでよりグループディスカッションに集中して取り組めるようになるため詳しく解説します。

議論をスムーズにすすめられるため

グループディスカッションにおいて役割分担が必要な理由の1つとして、議論をスムーズに進められる点が挙げられます。

役割を明確にすることで、各メンバーの役割や責任が明確になり、議論の流れがスムーズに進みます。

特に、議論をリードする役割を担うメンバーを明確にしておけば、課題のテーマが明確に定められ、ディスカッションが脱線するのを防げることが多いです。

司会者はディスカッションの進行を管理し、各メンバーの発言を調整し、全員が意見を求められるように配慮します。

これにより、議論が一貫して進行し、時間を有効に活用できるのです。

また、書記やタイムキーパーなどの役割を設けることも重要です。

タイムキーパーはディスカッションの時間配分を管理して、議論が予定通りに進むようにサポートする役割を担います。

このように役割を明確にすることで、それぞれの議論に適切な時間配分ができます。

責任感をもって議論に参加できるため

人間は役割を与えられると責任感を持つ生き物であるため、各メンバーが責任感をもって参加するためにも、役割を設けることが重要です。

例えば、司会を任された人は「チームをまとめなければならない」という責任感を持ちますし、書記を任された人は「しっかりと議論の情報をまとめて、後で確認できるようにしておかなければならない」という責任感を持ちます。

このように、役割を与えられている場合と与えられていない場合では、それぞれのメンバーが責任感を抱く責任感は大きく異なってくるため、それぞれの役割を明確に決めることが重要なのです。

【グループディスカッションの役割】議論の進め方

グループディスカッションの所要時間は？

グループディスカッションの実施時間は平均30～45分です。

自己紹介をしてから役割を決める、そして時間を決めた後に意見交換なども含めた時間です。

短いと感じるかもしれませんが、少ない時間をどれだけ有効的に使えるかどうかも評価基準になって来るので、きちんと時間は把握しておくべきです。

進行の主な流れ

グループディスカッションの一般的な流れはこちらになります。この流れを頭に入れつつ臨機応変に対応して行きましょう！

【グループディスカッションの役割】役割の決め方

続いて、グループディスカッションにおける役割の決め方について紹介します。

基本的には以下のような方法で役割が決められることが多いため、覚えておきましょう。

また、役割分担において立候補者がいない場合の対処法についても紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

役割を立候補する

グループディスカッションにおいて、まず役割を決める際には自分が興味を持っている役割に積極的に立候補することが重要です。

自ら進んで役割を引き受ける姿勢を示すことで、リーダーシップや積極性をアピールできます。

しかし、ただ単に「やりたい」と主張するのではなく、周りのメンバーの同意を得ることも大切です。

特に司会などはアピールできる場面が多いため人気であり、周囲の様子を見ながら立候補しましょう。

役割を選ぶ際には、自分がその役割に適している理由を簡潔に説明することで、他のメンバーも納得してくれます。

全体のバランスを見ながら役割分担を進めることが肝要です。

司会が役割を指定する

グループディスカッションでは、最初に司会者が決まることも多く、司会者が議論をスムーズに進めるためにメンバーの役割を指定する場合があります。

司会者の役割は、メンバー間のコミュニケーションを円滑にし、全員が積極的に参加できる環境を整えることです。

司会者は役割分担を決める際、一人ひとりの意見を尊重しながら適切な役割を割り振ることが求められます。

司会者がメンバーの同意を得てスムーズに役割分担を行うことで、全員が納得感を持ってディスカッションに取り組むことができるでしょう。

したがって、自分が司会を担当する場合は、一人ひとりに向いている役割が何であるかを考えて任命し、司会が他の人の場合は、無理に自分で取り仕切ろうとせず、その人に任せることが大切です。

どうしても自分が苦手な役割を任せられた時以外は、基本的に任せられた役割をそのままこなすことを推奨します。

役割分担で立候補者がいない場合は？

グループディスカッションの役割分担をする際、立候補する人がおらず、進行が停滞してしまうこともあります。

このような場合には、状況を打開するために自ら率先して「自分は〇〇をやりますので、あなたには〇〇をお願いできますか？」といった提案をすることが効果的です。

自分が率先して役割を引き受ける姿勢を示し、他のメンバーにも自然な形で役割を割り振ることが重要です。

また、提案を行う際には、相手の得意分野や性格を考慮することで、無理なく役割分担を進めることができます。

メンバー全員がスムーズにディスカッションに参加できる環境を早く整え、時間を無駄にしないためにも、自分から積極的に提案することが大切です。

問題解決能力や調整力をアピールする機会にもなり、面接官に対しても好印象を与えることができるため、よほど人前で話すことが苦手という人以外は、ぜひ自分から立候補することを推奨します。

【グループディスカッションの役割】人事が見ているポイント

グループディスカッションを観察している人事担当者は、どんな点を見ているのでしょうか。

一人ひとりの発言内容をチェックされていると考え、意見を出すことばかりに集中してしまう人もいますが、それだけではありません。

実は内容そのものよりも、ディスカッションの進め方やグループの中でどのような役割を果たしているかや立ち回りの仕方、他のメンバーとの関わり方なども見られています。

具体的にチェックされているポイントについて見ていきましょう。

論理的思考力はあるか

発言する際や発言内容については、論理的思考力がチェックされています。

なにを言いたいのかわからない、主張が一貫していない、他のメンバーの意見にすぐに流される方や左右されてしまう方は評価が低くなる可能性があります。

発言をする際にはまずは結論を述べ、続いてその理由を明確かつ簡潔に話すという話し方からまずマスターしましょう。

自分の見解を明確にするとともに、他の方の意見を聞いて途中で意見を変える際には、その理由も明確にし、常に自分の立場をしっかりと保てるようにします。

発想力に富んでいるか

ありきたりな意見ばかり、人の意見に同調してばかりでは高い評価は期待できません。

企業が継続的な成長を遂げていくためには、安定を守るだけでなく、新しい商品の開発や新たな発想でのプロジェクトの遂行などが求められます。

これからの企業の成長に役立つ人材かを見極めるために、柔軟な発想ができるかがチェックされています。

といっても、的外れな発言や場を乱すような突飛な発言では意味がありません。

その後のディスカッションに刺激を与え、グループのディスカッションの流れをよい方向に変えるような内容が理想です。

コミュニケーション力や協調性はあるか

グループディスカッションでは自分ばかりが目立とうとする方や、他のメンバーの意見を打ち負かそうとする方や自分の意見を通そうと奮闘してしまう方も少なからずいます。

グループディスカッションの目的はディベートとは異なり、与えられたテーマや課題に対して協働で1つの結論へと導く共同作業です。

それゆえに、コミュニケーション力や協調性が求められます。

自分の意見を主張しまくる、人の意見の途中で割って入る、人の話をさえぎることや聞こうとしないなどはNGです。

すべてのメンバーが平等に意見が言える環境を整えようとしたり、意見を出しにくい人をフォローしたり、途中でみんなの意見をうまくまとめて、次の論点へと進んだり、結論が出るように進行したりと、上手に立ち回りができると高評価が得られます。

意見の出し方をわきまえているか

グループディスカッションは相手を論破するディベートではないので、それは違うとか、あなたの意見はなってないなどと批判や攻撃をしてはいけません。

反対意見を言う際も、その他のメンバーの意見や主張を尊重しつつ、自分の意見を述べることが大切です。

「〇〇さんの意見も一理あると思いますが、私はこう考えます。」、「確かに〇〇さんの意見も理解できますが、こういう考え方もできるのではないでしょうか。」など、どの意見も尊重しながら、自分の立場を明らかにすると好印象です。

多様な引出しを持ち合わせているか

与えられたテーマや課題がなぜ問題なのかわからないなど、知識の欠如はネックになります。

どんなテーマが与えられても、自分なりの考えや主張ができるよう、多様な引出しを持っておくことが大切です。

日頃から新聞のニュースに目を通したり、志望する業界の研究を通じて業界の課題などを考えてみたり、社会問題や世の中を変える新しい技術まで幅広く積極的に興味を持ち、多様な引出しを構築しておきましょう。

【グループディスカッションの役割】人事からの見られ方

司会

司会は先頭に立って進行を進めていく役割です。

グループディスカッションでは初めて出会った人たちをまとめ上げ、設けられた時間の中で進行をうまく回していく義務があります。

前に立って引っ張っていくことが好きな人が当てはまるでしょう。

プラスで人の意見や思考を引き出せる質問力のあるというところも重点におかれます。

人事チェックポイント

司会は話を進行して行くので、目立つ役割です。

そうなると積極性をアピールすべきとも思われますが、その中で自分の意見や存在を強調するのではなく参加者全員を巻き込んで行くようなリーダーシップが重要視されます。

書記

書記の役割としましては、議論されている内容を聞き取り、記録していくことです。

ただ聞き取って書くのではなく、重要事項や決定事項、話の流れや過程を順序良く記録し、要約していくことが求められます。

記録することで分かることとして、議論の趣旨や話の方向性がしっかりと見えます。柱となる方向性を見失わないためにもとっても重要な役割だと言えるでしょう。

人事チェックポイント

ここでは論理的に物事を捉えられるかどうかが重要になってきます。

議論の流れを捉え、全員の思考をまとめ、伝えるために、誰が聞いても納得できる展開を意識すると良いでしょう。

タイムキーパー

どんなことでも白熱してしまうと時間を忘れてしまいませんか？

グループディスカッションでも時間を忘れて議論が白熱してしまい、タイムオーバーになることもあります。

そんな時に必要なのがタイムキーパーです。

きちんと時間内に終わらせることはディスカッションでも社会人になってからも、非常に重要です。

時間内に言われたことをやり抜く力はどこでも通用します。ですが、タイムキーパーはずっと見張ってなくても大丈夫です。

他の役割と並行してやることをオススメします！

人事チェックポイント

タイムキーパーは、時間を管理する能力が求められるため、議論が白熱していたとしても冷静に自分の役割をこなすことができるマルチタスク能力が必要です。

グループディスカッションに慣れていない方は、時間を計ることだけに集中するのも選択肢の1つですが、もしある程度自信があるならば積極的に発言することも心がけてください。

役割なし

ギクッとしますよね。印象を残せる、せっかくのアピールの場で「役割なし」なんて・・。

グループディスカッションでは人数が多いほど少し出遅れてしまうだけで役割がなくなってしまうこともあります。

ですがそんなネガティブ要素に見える「役割なし」に本当はこんな魅力があったのです！

それは「それぞれの役割のサポート役」です。

誰よりも当事者として、客観視できるのが役割なしの魅力です。

司会が進行に夢中で話せていない人に目を向けていなかった時などに役割のないあなたが話を振ってあげるなどといった補助がとっさにできることが特徴です。

グループディスカッションは積極性だけが重視されることは限りません。周りをよく見て、様々な方向からサポートできるといいですね。

人事チェックポイント

役割なしだからといって、何もしなくて良いというわけではありません。

むしろ、特定の役割を与えられていないからこそ、積極的に発言できる人が向いています。

自分の意見をまとめて分かりやすく伝えることができる、コミュニケーション能力の高い人に向いていると言えるでしょう。

発表者

発表者は議論で導き出した結論を面接官や人事担当者、他の参加者に対して的確かつ簡潔に伝える重要な役割を担っています。

発表者の役割は、ただ結論を述べるだけでなく、その結論に至るまでの議論の過程や根拠、各メンバーの意見をバランスよく盛り込むことです。

発表が分かりづらかったり、論理の流れが不十分であったりすると、せっかくのディスカッションの成果が伝わらず、チーム全体の評価に悪影響を与えてしまう可能性もあります。

したがって、発表者は事前に議論の内容を整理し、論理的かつ分かりやすい構成を心がけることが求められます。

また、メンバー全員の意見を公平に反映させるのも大切です。

個人の意見や偏りが目立つ発表では、チーム全体の協調性が欠けている印象を与えてしまうことがあるため、各メンバーの貢献を取り入れた発表が望まれます。

人事チェックポイント

発表者は全員の意見をまとめて、分かりやすく他のグループに伝える必要があるため、プレゼンテーション能力がある人に向いています。

プレゼンテーション能力がある人は、要点をまとめて伝えたいことを短い時間で的確に発表できるため、発表者に最適です。

これまで大学やサークルなどでスピーチなど、大勢の前で話したことがある人に向いている役割と言えます。

【グループディスカッションの役割】役割別対策

グループディスカッションにおいて役割を与えられたら、自分がそれに応じた行動を取らなければなりません。

人事からの印象を良くするためにも、それぞれの役割別対策を見ていきましょう。

司会

司会は先頭を切って議論の振興を進めていくとはいっても、仕切る存在ではありません。

議論をそれぞれ整理したり活性化したりする役割があります。

注意点

あくまで仕切り役ではないことは念頭に置いて話を進行していかなければなりません。

自分が先頭に立つと言っても、出しゃばっていては良い印象を与えません。

それぞれの発言者にチャンスを与えることが大切です。

たとえば、人によってはワンマンで意見を出す人もいることでしょう。

全員が発言に参加することにグループディスカッションの意味はありますので、すべての人に発言権を与えられるように仕切っていく必要があります。

対策

司会者は議論をより活性化させるため、できるだけたくさんの人に話を振っていきましょう。

満遍なく全員が発言する機会を与えるような工夫をしたり、全員が積極的に討論に参加できる雰囲気づくりを生み出したりするのも司会者にとって大切です。

会話をするときは発言者だけでなく、全員の緊張を解きほぐして安心して発言ができるように、全員の目を合わせて進行していくと良いでしょう。

書紀

書記は、議論をまとめて記録する役割ですが、メンバー全員の意見をわかりやすく要約してまとめる必要があります。

注意点

あらゆる異なった意見をメモして編集していくので、一見地味でありながらも大変な作業です。

そのまま発言内容をメモしておくだけでは意味がありません。

また、書記の作業に追われるので発言も疎かになりがちですが、全員の意見をまとめて討論を1つの結論としてしっかりまとめられるように心がけましょう。

そしてメンバー全員が目を通すものですから、丁寧な字を心がけると良いです。

対策

うまく結論をまとめるためには、議論の進め方を先に決めておくと良いでしょう。

そうすることで方向性などが定まり、要点がまとめやすくなるはずです。

流れと時間配分などを考えて進めていけるように、自分から提案すると作業しやすくなります。

万が一、司会者が見切り発車で発言していくような流れになった場合は、書記から流れを組み立てる提案してみるのも良いです。

タイムキーパー

時間を管理するタイムキーパーですが、ただ時間を管理しているだけなので、この役割に誰もが専念する必要はありません。

注意点

もし役割に選ばれたとしても、この役に専念するのはやめて発言も心がけるようにすると良いでしょう。

しかし、タイムキーパーという任務を与えられた以上は責任を持って、時間と流れを管理する必要があります。

対策

タイムキーパーは基本的に他の役割などと兼務で行うケースが多いです。

グループディスカッションには、時間配分を考えて流れを決めて話が進行されることが良いディスカッションの進め方ですが、タイムキーパーとして時間配分について計画する際は自らが積極的に提案していくと良いでしょう。

また、時間配分が狂って来たとき、流れどおりに進むように正すのもタイムキーパーの役割としてぴったりです。

役割なし

誰でも人事からの目を惹くには役割につきたいものではないでしょうか。

しかし、役割なしは決して不利な立場ではなく、与えられた役に神経を使う必要がなく、積極的に発言できます。

注意点

役割なしでもまったく役割なしということではなく、役目を果たせていない役がいたら、サポート役になって流れを作ってあげられる存在として動くと良いです。

役割なしだからと言ってすべて人任せにして、ディスカッション自体がグダグダになってしまってはいけません。

協調性を活かして周りを見ながら、適切な行動を起こせるかもポイントです。

対策

司会者はとくに話の進行役を担ったり、全員に話を振るようにしたり、話が逸脱したら軌道修正することも行わなければならないことが多々あります。

これらはある程度タイムキーパーや書記などあらゆる役割の方がサポートしていければ良いのですが、それぞれが与えられた役割を担うのに精いっぱいでうまく進行できないことがあります。

そこで、話が逸脱したら元に軌道修正するように意見を出してみたり、時間配分が他の役の方からの提案で出なければこちらから提案してみたりするなど、他の役の総合サポート役を担うことで人事にも良い印象を与えることができます。

意外にも役割なしは役に集中する必要がないので、討論の間も、周りを客観的に見られる余裕があるので、損ということは決してありません。

発表者

発表者はグループの代表として議論の結果や過程をまとめ、プレゼンテーションを行う役割です。

グループ内で行われた議論を整理し、重要なポイントを分かりやすく伝えることが求められます。

グループディスカッション内容を明確に把握して、要点を分かりやすく伝えることで、聞き手に理解しやすい発表を行えるように心がけましょう。

注意点

発表者は発表前にメンバー全員の意見をしっかりと聞き、協調性を示すことが重要です。

自己主張をしすぎないように心がけつつ、グループ内でまとめた情報を客観的かつ的確に伝えましょう。

グループディスカッション中には積極的に意見を述べ、議論にしっかり参加する姿勢を持つことは大切ではありますが、あくまで公平であることは意識すべきです。

発表者はグループ内の意見を偏りなく反映し、公平な視点で発表を行うことが求められます。

また、グループの結論を正確に伝える責任があるため、メンバーとのコミュニケーションを密に行い、意見の相違があれば調整することも必要です。

そして、発表時間は限られているため、短い時間でもポイントを端的に伝える能力が求められます。

対策

発表者を目指す人が取り組んでおきたい対策として、メンバー全員の意見を的確に収集するための聞き手としてのスキルを高めることをおすすめします。

他のメンバーの意見を尊重し、積極的に質問を投げかける姿勢が重要です。

全員が発言しやすい環境を整え、異なる意見を受け入れる姿勢を持つようにしましょう。

発表の際にはグループの意見を適切に反映させ、発表内容がグループ全体の意向を反映しているかどうか確認することも重要です。

グループディスカッションの練習に取り組む際は、ぜひ上記の対策を覚えておいてください。

【グループディスカッションの役割】おすすめの役割

続いて、グループディスカッションの役割において初心者におすすめの役割と、高得点を狙える役割をそれぞれ紹介します。

あなたがグループディスカッションが苦手であるならば前者を、ある程度自信があるならば後者の役割を選ぶようにしましょう。

初心者におすすめの役割

初心者におすすめのグループディスカッションの役割は、タイムキーパーもしくは「役割なし」です。

いずれも議論において直接的な影響力を持たないため、初めてディスカッションに参加する学生も安心して取り組める役割です。

ディスカッションの進行時間を管理する役割がタイムキーパーであり、議論の流れを把握しつつ、時間を意識するスキルを磨くことができます。

自分が率先して意見を述べたり、まとめたりしなければならないわけではないため、比較的務めやすい役割です。

また、特定の役割がない場合、意見を述べることは重要ですが「グループを引っ張る」ほどの積極性は求められません。

流れを読みながら適宜発言するだけで良いため、比較的取り組みやすいです。

初めて取り組む際に司会や発表者など責任重大な役割を任されてしまうとプレッシャーを感じる人も多いでしょうから、まずはタイムキーパーや「役割なし」から取り組んでみてください。

高得点を狙える役割

一方で、ある程度慣れており、高得点を積極的に狙いたいという方には司会者の役割がおすすめです。

司会者は議論を簡潔にまとめて進行させる役割を担い、全体を俯瞰する能力が求められます。

議論を明確にし、メンバーが発言しやすいように話の流れを調整することが主な役割です。

また、発言が偏らないように配慮し、メンバー全員が意見を出しやすい環境を作ることも求められます。

議論が脱線しそうな時には適切なタイミングで議論に引き戻す役割も担います。

うまく立ち振る舞えば、ディスカッション全体を通じて高得点を得られる可能性が高いでしょう。

なぜならば、チームの進行役として全員の意見を引き出し、議論をまとめる能力がある人物は少ないからです。

コミュニケーション能力とリーダーシップ、問題解決能力という多くの企業が求めている能力の筆頭とも言える3つの能力の高さを積極的にアピールできます。

【グループディスカッションの役割】好印象を与える立ち回り

グループディスカッションで面接官に好印象を与えるには、どのように立ち回ればよいか気になる方も多いでしょう。

そこで今回は面接官に好印象を与え、グループディスカッションの選考を突破するための具体的なポイントを紹介します。

一番初めに発言する

まず、議論が始まったら、勇気を持って最初に発言しましょう。

全員が初対面で緊張している状況では、最初に声を上げるのは難しいかもしれません。

しかし、多くの学生が同じ不安を抱えていることを覚えておいてください。

最初に発言することで場の雰囲気を和ませることができ、面接官からも積極性を高く評価される可能性があります。

さらに、司会役を務めたい場合も、最初に発言することで自然とその役割を引き受けることができるので、一石二鳥の立ち回りが可能です。

発言ができていない人の意見を聞く

議論が進む中で、発言の機会をつかめずにいる人を見かけることがあるかもしれません。

そんな時は、積極的に話を振ってあげましょう。

協調性が重視されるグループディスカッションでは、こうした配慮が評価につながります。

グループディスカッションでは、つい周囲をライバルとして意識してしまうかもしれませんが、全員で選考を通過しようという協力の姿勢を持って臨むことで、自分自身の選考通過率も大きく上がるでしょう。

自分の役割を一貫して遂行する

グループディスカッションでは、司会、書記、タイムキーパーといった役割が割り振られることが一般的です。

自分に与えられた役割をしっかりと全うすることを常に意識しましょう。

もし、役割を忘れて意見を述べることに熱中してしまうと、面接官に「責任感がない」と思われ、評価が下がる可能性があります。

役割を果たすことは基本的なことではありますが、もし他のメンバーが自分の役割を果たせていないと感じた時には、その役割をサポートすることで、より高い評価を得ることができるでしょう。

【グループディスカッションの役割】役割を指定される場合

選考の流れとして、採用担当者が役割を指名する場合もあります。

もちろん採用担当者はあなたの性格を知らないのでどんな役割を任せてくるかは全く予測ができません。

向き不向きは人それぞれあるものではありますが、たとえ苦手な役割をやることになっても、苦手な役割でも自分なりにできることを精一杯やろうという姿勢が大切です。

企業に入社して仕事をするようになると、苦手なことでもやらなければいけないことはたくさんあります。

苦手なことでも精一杯やることで、自分の成長に繋がり、できることが増えます。グループワークでは役割が決まっているので、苦手な役割がある場合は事前に練習して対策しましょう。

どの役割でもこなせるように練習をしておく

グループディスカッションで活躍して好印象を与えるためには、どんな役割に割り振られても対応できるよう準備しておくことが重要です。

グループディスカッションでは、司会、タイムキーパー、記録係、発表者などの役割があり、それぞれ異なるスキルが求められます。

特定の役割に特化して準備するだけでは他の役割に対応できず、チーム全体のバランスを崩してしまうこともあります。

したがって、どの役割を担当することになってもスムーズに対応できるよう、事前にそれぞれの役割について理解を深め、練習を積んでおくことが大切です。

ただし、自分がどうしてもやりたくないという役割がある場合は、その役割以外の練習をしっかりとしておくことを推奨します。

「あれも嫌、これも嫌」と言うと悪い印象を与えてしまうかもしれませんが、どうしても担当したくない役割がある場合は、1つくらいなら避けても構いません。

自分に合った役割を理解しておく

グループディスカッションにおいて、どの役割でも対応できる柔軟性は大切ですが、それと同時に自分に合った役割を理解しておくことも重要です。

自分の強みや性格に合った役割を選ぶことで、より自分の能力を発揮しやすくなり、チーム全体のパフォーマンス向上にもつながります。

例えば、論理的に物事を整理するのが得意な人は、議論を進行させるリーダー役や、議論の方向性を導く意見出しの役割が適しています。

一方、細かいところに気がつく人や冷静に物事を判断できる人は、記録係やタイムキーパーとしての役割でチームの議論を支えることができます。

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【グループディスカッションの役割】求められるマナー

グループディスカッションはただ話し合って、結論を出してプレゼンするという一連の流れや発言内容、立ち回りなどを見られているわけではありません。

一人ひとりと面接をするより、他の応募者がいるからこそ、その人の行動の粗なども目につきやすくなります。

ディスカッション中も気を抜かず、マナーをわきまえて行動しましょう。

人の意見をしっかりと聞く

評価のポイントのコミュニケーション力などにも通じるところですが、人の意見はしっかりと聞き、どんなに反対の意見であったとしても尊重するようにします。

自分ばかりが意見を言いまくって、他の人が話せなくなることや人の話をさえぎって自己主張をするようなマナー違反はやめましょう。

発言はハキハキと

グループディスカッションは周囲で他のグループも話し合いをしているため、小さい声でもごもご言っていると、グループのメンバーにも観察している人事担当者などにも聞こえません。

意見を言うときはハキハキと、周囲にしっかり聞こえる声のボリュームで話しましょう。

ディスカッション中の癖や姿勢に注意

ディスカッションに慣れてくると足が崩れたり、ペンを回してしまったりと姿勢が乱れたり、いつもの癖が出てしまう人もいます。

頬杖をつく、腕を組んでふんぞり返る、足を組む、貧乏ゆすりをする、人をペンで指さすなどしないようにしましょう。

猫背になることやゆらゆらと落ち着きない状態にならず、背筋はピンと張って、常に議論に集中する前向きな体勢を取ることが大切です。

まとめ

グループディスカッションについての理解は深めていただけたでしょうか？

ここぞとばかりに、前のめりになりがちなグループディスカッション。

意外にも役割を担うことが重要ではなく、その役割でどう周りを巻き込んで行くか、どうまとめ上げるか、の立ち回りの方が重要ということがわかったかと思います。

同じ企業を受けるライバルではありますが、一緒にその場の空気や感情を一つにすることが大切です。

就活市場ではグループディスカッションの対策はもちろん、ES添削から面接対策、優良企業のご紹介まで幅広くサポートしております。

一緒に素敵な就活にしていきましょう！

監修者

柴田貴司

明治大学院卒業後、就活メディア運営｜自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート