就職先の決め方や判断基準がわからず、内定をもらったどの企業を就職先として選ぶべきか、悩んでしまうことは少なくありません。
就活を頑張った結果、複数の会社から内定をもらえば、どの企業も魅力的に思えてしまうこともあります。
また逆に、複数の内定を獲得できたものの、どの企業からも魅力を感じず困ってしまうケースも多いでしょう。
そろそろ就職先を決めて就活にピリオドを打ちたい…となったら、就職先を決める方法を積極的に整理しておきましょう。
今回は、そんな悩みを抱える皆さんに向けて、最終的な就職先の決め方や注意点について解説していきます。
- 就職先選びが重要な理由
- 就職先を選ぶうえで実践したいやりたいこと価値観の整理
- おすすめの就職先の決め方
- 内定先を比較するときのポイント
- どうしても就職先を決められないときの対処法
- 複数の会社から内定をもらい、就職先の決め方に困っている人
- どの企業も魅力的に見えてしまう、あるいはどの企業からも魅力を感じない人
- 就職先を決めたいが失敗しそうで怖い人
- 内定先を比較したいが、具体的に何を比較ポイントにすべきかわからない人
目次[目次を全て表示する]
就職先の決め方は将来のキャリアを左右する!
就職先の決め方は、自分自身の将来のキャリアを大きく左右することになるため、慎重になることが重要です。
どの企業を選ぶのかによって、将来身につくスキルやなりたい自分は変わってくるため、ぶれないためには就活軸を明確に定めなければなりません。
就職先選びが重要な理由4選
- 仕事は人生の大半を占めるから
- 早期離職に繋がる可能性があるから
- 働くことに苦痛を感じるようになってしまうから
- ストレスを感じる社会人生活に繋がるから
確かに「そろそろ就活疲れてきたし、内定もあるんだからさっさと解放されたい」と思ってしまうのは当然です。
しかし、ここで焦って誤った判断をしてはいけません。
イメージやなんとなくで会社を決定してしまうと、実際に入社した後に後悔することになってしまいます。
仕事は人生の大半を占めるから
就職先の決め方にこだわるべき理由は、そもそも、仕事は人生の大半を占めるからです。
1日24時間のうち、仕事では8時間働き、通勤や残業も含めると10時間以上を費やすことになります。
プライベートの時間よりもはるかに仕事関連の時間は多いため、納得のいかない仕事を選ぶと、人生において充実感を得られなくなる可能性があります。
毎日のようにストレスが続けば、心身に大きなダメージを与えることにもなるでしょう。
現代は多くの人が転職を経験する時代ではありますが、定年まで働くことを考えると、その企業と関わる年数は40年を超えることになります。
40年もの長い間、1日10時間も費やすことを考慮し、後悔のない選び方をすることが重要です。
早期離職に繋がる可能性があるから
就職先は慎重に決めないと、早期離職につながる可能性があるため注意が必要です。
早期離職とは、就職して数年以内のタイミングで仕事を辞めてしまうことです。
自分自身で志望し入社したにも関わらず、早期離職に至る主な原因は、採用のミスマッチが挙げられます。

就職先を決めるうえで自分が大事にしたいものをおろそかにすると、働いている中で理想とのギャップを感じてしまい、離職の可能性が上がってしまいます。つまり事前のリサーチ不足が早期離床を引き起こすため、事前の自己分析と企業分析は必要不可欠です。
早期離職すると、離職しなかった場合と比べて、キャリア形成が遅くなる可能性があります。
すぐに良い転職先が見つからなければ、収入状況すら不安定になってしまうため、就職先はミスマッチにならない決め方を心がける必要があります。
働くことに苦痛を感じるようになってしまうから
社会人になると会社中心の生活が始まり、1日、1週間のほとんどを仕事に費やすことになります。
「華やかな企業イメージ、実際はかなり地味な業務で、自分には合わない。」
「このままこの仕事を続けていたら、自分の理想のキャリアに繋がらない。」
などの場合、イメージと実情の乖離が激しいため、毎日の業務が苦痛となり、最終的には短期離職につながってしまいます。
企業イメージや知名度などの外面的な要素だけではなく、自分が働いている様子をイメージしながら就職先を決定する必要があります。
ストレスを感じる社会人生活に繋がるから
ただし「イメージと実情が乖離していた」という場合は、後々仕事の面白さややりがいに気づいたり、意外と自分の性格にあっていたり、新しいキャリアイメージがつかめたりする場合があり、必ずしも長期的なストレスになるとは限りません。
しかし、精神的肉体的に疲労が溜まるというような場合、職場や職種に問題があるため、短期的な改善は期待できません。
そのような中で無理に働きすぎると、体を壊してしまったり、精神を病んでしまうという最悪な事態に繋がります。
就職先が決められない理由
就職先の決め方がわからない、なかなか決められない…と悩んでいるときは、さまざまな点が要因になっているケースが考えられます。
そのため就職先が決められないときは、まず、その理由と向き合ってみましょう。
主な理由は、以下の4つが挙げられます。
- どんな仕事があるかわからない
- 自分に合う企業がわからない
- 情報過多になっている
- どの企業にも惹かれない
このように、就職先に迷う理由は人によってさまざまであり、就活生であれば誰でもこのような状況には陥る可能性があります。
では、就職先を決められない理由を詳しく見ていきましょう。
どんな仕事があるかわからない
就職先が決まらないのは、そもそも、どのような仕事があるのかイメージできないからです。
世の中には無数の職業があり、自分が知らない仕事・領域も少なくありません。
特に学生の場合は、アルバイトなどで関われる業界はある程度限られているため、仕事について具体的なイメージを持てない人も多いといえます。
その際は、業界研究や説明会などを通じて知識を増やす必要がありますが、情報が多すぎると混乱することもよくあります。
実際に、「情報過多で何から調べれば良いのかわからない」「わからないことだらけで頭が真っ白になってしまう」などの悩みで困っている人は多いでしょう。
そのためわからなすぎて業界研究すら進まない場合は、一度落ち着いて、まずは興味がある領域から調べることがおすすめです。
自分に合う企業がわからない
自分に合う企業がわからないせいで、就職先が決まらず、悩んでいる学生も多いでしょう。
自分の強みや価値観が明確でなければ、どの企業や業界が合っているのか正しく判断できません。
そのため、自分に合う企業がわからないのは、事前の自己分析が足りていないことが原因といえます。
自己分析が不十分な状態で企業を選ぼうとすると、「なんとなく良さそう」という決め方で就職先を選んでしまうため注意が必要です。
なんとなくで選んだ企業は、自分の強みやスキルとマッチしていないケースが多いため、ミスマッチによって後悔する可能性が出てきます。
ミスマッチが原因で転職することになれば、その分キャリア形成が遅くなる可能性もあり、デメリットは大きいといえるでしょう。
そのため、就職先が決められないときは、まずはとにかく自己分析を行うことが重要です。
情報過多になっている
就職先の決め方がわからない、自分に合う企業が見つからない…と悩んでいるときは、情報過多な状態で困っているケースも考えられます。
現代はSNSや就活サイトに大量の情報があふれており、人によっては、何が本当に重要なのかわかりにくくなるパターンも少なくありません。
口コミを見て不安になったり、複数の企業を比較しすぎて決められなくなったりなど、情報過多な状態に陥れば、確かに正しい判断はしにくくなります。
特に、ネガティブな口コミ・評判ばかりを見てしまうと、どの企業にも魅力を感じられなくなる場合があるため注意が必要です。
そのため、事前の情報収集は就活において欠かせませんが、情報過多な状態は避けたいところです。
特に、信憑性のわからない不必要な情報は、取り入れすぎないようにしましょう。
どの企業にも惹かれない
就活を始めるにあたって、就職先が決められない場合は、どの企業にも惹かれない状態になっている可能性もあります。
企業の魅力を感じられない原因はさまざま挙げられますが、より大きいのは、「自分が何を重視しているのか」が明確化されていないことです。
自分の中に重視するポイントが定まっていなければ、どの企業の情報を見ても、ピンと来ないものです。
「確かに魅力的ではあるけれど、〇〇は大変そう…」などのように、どの企業にでもある悪い部分にばかり目がいってしまうのです。
そのためどの企業にも惹かれないときは、給与や福利厚生だけでなく、仕事のやりがいや職場環境などにも目を向けたいところです。
新たな視点をもって企業を評価できるため、自分に合う企業が見つかる可能性があります。
就職先を決める前にやるべきこと
- 自己分析をしっかりと行う
- 企業分析をしっかりと行う
- キャリアプランを考える
- 就活の軸を明確にする
- 幅広い判断基準でみる
では、どうすれば複数の内定先の中から自分に合ったものを選ぶことができるのでしょうか。
結論から言うと、「自己分析」と「企業分析」を深めることに尽きます。
ここからは、自己分析と企業分析をさらに深めていく方法について解説していきます。
自己分析をしっかりと行う
就職先の企業を決める際は、自己分析をしっかりと行う必要があります。
前もって自己分析を行わなければ、自分の強みや能力、興味関心を正確に把握できず、どのような業界・職種に適性があるのか判断しにくいからです。
自己分析をじっくり行っておけば、説得力をもって自分の魅力をアピールできるため、選考でも有利に働きます。
そのため、就活を始める際の準備として、自己分析は欠かせないプロセスになります。
自己分析する際の具体的なアプローチは、以下のとおりです。
- 自分史を作る
- キャリアプランを考える
- 就活の軸を決める
まずは、時系列に沿ってこれまでの経験や出来事をまとめ、自分について理解を深めましょう。
そのうえで将来のキャリアプランを考え、将来どのような自分になりたいのか、何を成し遂げたいのかを把握する必要があります。
その将来像に基づいて譲れない条件を考えたうえで、就職先の決め方に大きく関わる就活の軸を明らかにしていきましょう。
企業分析をしっかりと行う
就活を始める際は、前もって企業分析をしっかりと済ませておく必要があります。
企業のことをよく知らなければ、どのような人材が求められているのか、どのような仕事をするのかを明確に把握できません。
そのため、企業のニーズに応えられるアピールもできなくなり、選考では的外れなアピールをしてしまう可能性があります。
企業分析・研究は以下のようなアプローチで行うのが望ましいでしょう。
- 企業のホームページを見る
- OB訪問をする
- 口コミサイトを見てみる
企業のホームページには、具体的な事業内容から企業理念、沿革までさまざまな情報が記載されています。
基本情報をつかむうえでは重要な資料になるため、事前の確認は必須です。
また、よりリアルな内部事情までチェックしたい場合は、OBOG訪問を行うことも重要です。
そのほかには、参考までに社員による口コミをリサーチすることも検討しましょう。
キャリアプランを考える
就職先を決める前は、具体的なキャリアプランを練ることが必要です。
どのような働き方をしたいのか、どのようなスキルを身につけたいのかを整理し、将来のなりたい自分や成し遂げたい目標をまとめていきます。
キャリアプランは、「〇歳までに」「入社〇年目までに」などのように、明確に期限を設けて決めることが重要です。
キャリアプランに具体性がなければ、その実現に向けてやるべきこと・選ぶべき企業などが見えてきません。
自分のキャリアプランの内容に基づいて、それを実現できる就職先や働き方を模索していきましょう。
なお、キャリアプランが思いつかない場合は、気になる業界・企業で実際にどのようなキャリア形成のパターンがあるのかを調べることがおすすめです。
就活の軸を明確にする
就職先を決める際は、就活の軸を明確に定める必要があります。
就活の軸とは、就職先となる業界・企業を決めるうえで重要な条件や基準となるものです。
軸がはっきりしていれば、その内容に基づいて業界・企業を選んでいけるため、自分の意思やキャリアプランからぶれない就職先の決め方ができます。
何を成し遂げたいのか、具体的にどのような働き方を望むのかなどを明確にしたうえで就活の軸をまとめておかなければ、「なんとなく気になる」などの曖昧な基準で就職先を選んでしまいます。
結果としてミスマッチによる早期離職が起こりやすくなるため、就活の軸の決定は欠かせません。
基本的に就活の軸は、将来のキャリアプランから逆算して考えることが望ましいです。
以下の記事では、就活の軸の決め方や例を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
幅広い判断基準でみる
就職先を決める際は、幅広い判断基準で見るという考え方を大事にしましょう。

例えばその企業で成長することを大本命として考えていても、実際に入社するとなると、福利厚生や給与などの待遇面も重要になってきます。やりがいや興味だけで仕事に集中することは難しいため、判断基準は一つに絞らないほうが、自分に合った就職先が見つかります。
反対に、福利厚生や給与などの待遇面の条件ばかりを気にしていると、やりがいの側面で長く続けられる仕事が見つからない可能性があるため注意が必要です。
特に、就活を意識して間もない頃は、情報や経験が不足しているせいで視野が狭くなりがちです。
一つの判断基準だけで偏った決め方をしてしまうことも多いため、常に視野を広げること、幅広い基準で選んでいくことをぜひ意識しましょう。
これから就活する人におすすめの就職先の決め方
事前に就職先の探し方決め方をチェックしておけば、あとで後悔することなく自分自身のキャリアプランを練ることができます。
「本当にこの就職先で大丈夫なのかな…」とエントリーしてから内定してから悩むこともなくなるでしょう。
就職先の探し方には、いくつかのポイントがあるため、そのポイントに沿って探すことが重要になります。
具体的には、以下の探し方が選択肢として挙げられるでしょう。
- 業界から絞る
- 職種から絞る
- 就活の軸から選ぶ
上記のように業界職種いずれかのポイントで絞り込んでやりたい仕事や興味のある分野を探せば、スムーズに自分自身に適した就職先が見つかる可能性があります。
就職先の見つけ方に困っている人は、積極的にチェックしたいところです。
では、それぞれの探し方のポイントを詳しく解説していきます。
1.業界から絞る
就職先を決めるには、まず、業界から絞ることを考えてみましょう。
就職先として選択肢になる「業界」は、たとえばメーカーや商社、サービス業などさまざまなものが挙げられます。
業界によって求められる人物像や特徴は異なるため、それに伴って向いている人の特徴も変わってきます。
そのため単純に「〇〇が好き」「興味がある」「楽しそう」というだけでは、決められないのも事実です。
自分自身の性格の特徴や趣味嗜好、価値観、そして就活の軸をもとに、向いている業界や興味関心を向けられる業界を探すのが望ましいでしょう。
一般企業の主な業界とは、たとえば以下のような業界があります。
- メーカー(例:自動車、食品)
- 商社
- 小売り(例:百貨店、スーパー、コンビニ)
- 金融(例:銀行、証券会社、保険会社)
- サービス(例:ホテル、フィットネス)
- マスコミ(例:出版、新聞)
- ソフトウェア
業界はしばしば、上記の種類に大別される傾向にあります。
それぞれの業界の特徴や仕事内容などを理解し、自分に適性のある業界を見極めていきましょう。
2.職種から絞る
就職先を探すときは、業界だけでなく職種から絞る決め方もあります。
自分の就職先は慎重に決めるに越したことはないため、就職先の探し方に迷ったときは、職種から候補を絞り込むことも検討しましょう。
職種から絞る考え方は、より具体的な仕事内容から適性をチェックしたい人やスキルを活かせる仕事を見つけたい人におすすめといえます。
一般的には、企業には以下のような職種があります。
- 営業
- 企画
- 事務経理
- 販売接客サービス職
- 専門職(コンサル、プログラマーなど)
- 技術研究
- クリエイティブ系
特徴が大きく異なる業界でも、上記の職種は会社を回すうえで最低限必要とされることが多いです。
3.就活の軸から選ぶ
就職先の決め方では、やはり、就活の軸に基づいて判断することも重要です。
あらかじめ決めておいた軸に沿って選べば、自分の興味関心や実現したい目標、希望する働き方などからぶれない決め方ができるからです。
就職先を決める際に企業の公式ホームページなどを見ると、どの仕事内容も魅力的に見えてしまうことは少なくありません。
採用関連のページには、待遇についても魅力的なポイントが多く書かれているため、「この企業も働きやすそう、でもあの企業も捨てがたい…」と目移りしてしまうものです。
そのような場合において必要以上に迷わないようにするには、就活の軸をあらかじめ定めておくことが重要です。
就活の軸は、実現したいキャリアプランに基づいて決められたものなので、軸に沿って就職先を決めれば自分の望む働き方が叶う可能性があります。
どの企業も魅力的に感じてしまって冷静な決め方ができないときは、入社後にしたいことが、その企業で叶えられるかを重要視しましょう。
就職先を決める際の判断基準
就職先の決め方において重要となる判断基準は、いくつか挙げられます。
事前に判断基準について理解を深めておけば、自分に合った就職先を見つけられるでしょう。
主な判断基準は、以下の5つがあります。
- 仕事内容
- 労働条件
- 職場環境
- ワークライフバランス
- 企業の将来性
自分に合った就職先の決め方がわからないときは、以上のポイントをチェックしながら、理想の働き方ができるかを考えていきましょう。では、5つの判断基準について重要なポイントを解説していきます。
仕事内容
就職先を決めるうえで一つの大きな判断基準になるのが、具体的な仕事内容です。
興味ある業務に携われるか、成長できる環境があるかなどを見極めることで、入社後のギャップを減らすことができます。
特に大学生は社会人としての経験がないため、具体的な仕事内容については、事前によく調べなければイメージがわかないことも少なくありません。

アルバイトで経験するような接客業などはある程度わかりやすくても、例えばBtoBサービスに関わる業務や技術職、事務職などはどのような仕事があるのかわかりにくいものです。その業界のビジネスモデルから具体的な業務内容まで、事前に細かく理解を深めておくと、自分に向いているかどうかは判断しやすくなるでしょう。
「社員の一日の過ごし方」や、口コミなども参考にしながら、仕事内容はしっかりリサーチしておきましょう。
労働条件
就職先の決め方としては、労働条件も重要な判断基準になるでしょう。
労働条件とは、給与や昇給制度、残業時間、休日制度などが主に挙げられます。
これらの条件は、快適に働くうえで重要な条件となるため、仕事内容とあわせてチェックが欠かせないものです。

どれだけ興味のある仕事に就けても、例えば給与が著しく低かったりサービス残業が横行していたりすれば、やりがいや仕事の楽しさだけでは快適に働くことはできません。とはいえ、学生であるうちは労働条件の良し悪しは判断しにくい場合があるため、基本的には他社と比較しながら判断していくことが重要といえます。
同じような事業内容の企業でも、企業ごとに労働条件は大きく異なるため、やはりより良い労働条件の企業を選びたいところです。
職場環境
就職先を決める際は、職場環境も重要な判断基準になるため、事前によくチェックしておく必要があります。
職場の雰囲気や人間関係は、働きやすさに大きく影響するものです。説明会やOBOG訪問を通じて、実際に働いている社員の声を聴くことが重要なポイントになります。
具体的な職場の雰囲気、男女比、年齢層、社員同士の距離の近さ、コミュニケーションの取りやすさなどが挙げられます。
職場の雰囲気があまり良くなければ、その他の条件に良い部分があっても働きにくさにつながるため、早期離職にはつながりやすくなります。
職場環境に関する情報は、公式ホームページや資料を見るのみではわかりにくいため、前述したOBOG訪問を含めさまざまなアプローチで企業について理解を深めていくことが重要です。
ワークライフバランス
就職先を決めるときに重要な判断基準には、ワークライフバランスも挙げられます。
仕事とプライベートのバランスが程よく保てる企業であれば、どちらも充実させた状態で自分のやるべきことに集中できます。
「仕事ばかりでプライベートの時間がない…」といったストレスを感じることもなくなります。
ワークライフバランスが整っている企業は、普段から適度にリフレッシュした状態で仕事に臨めるため、総合的にパフォーマンスが良くなりやすい点がメリットです。
具体的なチェックポイントとしては、フレックスタイム制の有無、リモートワークの可否、産休育休の取得実績などが挙げられます。
仕事にばかり自分のリソースを割かなければならない企業は、いわゆるブラックな労働環境であることも多いため、選ぶうえでくれぐれも注意が必要です。
企業の将来性
就職先を決める際の判断基準には、企業の将来性も含まれます。
当然ですが、将来性のほうが雇用が安定しやすいため、不安を感じることなく働くことができます。
反対に将来性に不安要素のある企業を選んでしまうと、常に倒産などのリスクを感じながら働かなければならないため、仕事では良いパフォーマンスを発揮できません。
やりがいのある仕事ができても、将来性がなければ会社自体が長く続かない可能性があるため、就職先としては選ぶうえでリスクがあると言わざるを得ません。
企業の将来性については、業績の推移や今後の事業戦略をチェックし、安定して働ける環境かどうかを見極める必要があります。
ホームページなどで公開されているIR情報には、投資家向けにさまざまな事業戦略が記載されているため、ぜひチェックしておきましょう。
企業理念や社会貢献性
就職先の決め方では、企業理念や社会貢献性を意識して選ぶことも重要です。
企業理念に共感できるかどうかは、自分の働くモチベーションに大きく影響するものです。
理念におけるマッチ度が低いと、高いモチベーションを維持できず、やりがいも感じられません。
働くうえではやりがいも重要であるため、就職先を決める際は、企業情報をよく見て理念・価値観についても理解を深めていきましょう。
また、その際は社会貢献性を考慮することも重要といえます。
仕事を通じて社会貢献できることは、やりがいやモチベーションを感じるポイントの一つになります。
人によっては、社会貢献できることを重視して就職先を決めたい場合もあるでしょう。
そのような人にとっては、特に社会貢献性は重要な選定基準になり得ます
企業について理解を深める際は、仕事内容をよく調べ、どのような形で社会のためになっているのかを明確にしましょう。
就職先として注意すべき企業の特徴
就職先の決め方を知る際は、あわせて、就職先として注意すべき企業の特徴を理解しておくことも重要です。
企業によっては、いくらマッチ度が高くてもその他の不安要素が多く存在する場合があるため、就職すれば結果として後悔につながる恐れがあります。
就職先として注意すべき企業の特徴は、以下のとおりです。
- 平均年齢が高すぎる企業
- 頻繁に求人募集をしている企業
- ネガティブなニュースが多い企業
上記の特徴に当てはまる企業を選ぶ際は、慎重に情報収集する必要があります。
では、特徴を一つひとつ見ていきましょう。
平均年齢が高すぎる企業
就職先の決め方では、平均年齢が高すぎる企業は注意が必要です。
なぜなら、平均年齢が極端に高い場合は、若手が定着しない職場であることが考えられるからです。
また、若手をほとんど採用してきていない可能性も考えられ、業績の悪さなどに不安要素があるといえます。
若手が定着しない職場では、古い考え方や企業文化が蔓延しているケースがあり、現代ならではの快適な働き方ができない可能性があります。
なお、大手企業であれば平均年齢は自然と高くなりますが、中小企業・ベンチャー企業は注意が必要です。
中小企業などは、例えば閉鎖的な雰囲気の目立つ、家族計画の会社なども考えられるでしょう。
現代ならではの快適な労働環境を望む場合は、企業を選ぶうえで、従業員の平均年齢に注意しましょう。
頻繁に求人募集をしている企業
就職先の決め方では、頻繁に求人の募集をかけている企業も注意が必要といえます。
同じ職種で常に募集が出ているような状況は、つまり、その仕事に人が定着せず非常に離職率が高いことが推測できます。
もしくは、待遇面のデメリットが大きすぎて、なかなか応募が来ないケースも考えられるでしょう。
労働環境や待遇に問題のある企業では、当然ながら、快適に長く働くことはできません。
働くうえで業務以外の問題が常に発生することになれば、ストレスも増大するため、良い職場とは到底いえないでしょう。
そのため、頻繫に求人募集をしている企業にエントリーする際は、事前の情報収集が欠かせません。
ただし、急成長中の中小・ベンチャー企業などはそもそも人手不足であり、積極的に採用を進めるために常に募集をかけているケースもあります。
ネガティブなニュースが多い企業
就職先を決める際は、ネガティブなニュースの多い企業は、積極的に選ぶべきとはいえません。
「ブラック企業ゆえに注意を受けた」「業務における不祥事があった」などのネガティブなニュースの多い企業は、社内環境に大きな問題を抱えている可能性が高いです。
企業の評判は、Web上に投稿される口コミにも表れることが多いため、あくまで参考程度ではあるものの確認しておきましょう。
ネガティブなニュース・評判が多くを占める企業に就職すると、何らかのトラブルに悩まされる恐れがあります。
ただし、企業に対する口コミは、繰り返しになりますがあくまで個人の意見として受け止める必要があります。
口コミは情報が偏っていたり誤っていたりする場合があるため、複数の情報源をチェックしたうえで、本来の評判を見極めることが重要です。
就職先を決める時のポイント7選
- 自分の思い描くキャリアを歩めるか
- 就活の軸に合致しているか
- 企業に入社するメリットデメリットをまとめる
- なぜ応募したのかを振り返る
- 企業を様々な観点で数値化する
- 内定先の社員と会ってみる
- 家族や友人に相談してみる
自分や企業についての理解が深まってきたら、いよいよ比較してみましょう。
「何社か内定を持っているけどどれも魅力的で選べない」
「本当にこの中から選んでいいのかな、まだ就活を続けるべき?」
などの悩みを抱える方に向けて、就職先を見極めるポイントを解説していきます。
自分の思い描くキャリアを歩めるか
まず、内定した企業でどのようなキャリアを歩めるのかを比較しましょう。
自分と企業をいかに照らし合わせるかが重要です。
自分のキャリアイメージが無かったり、ズレていたりすると、何のために苦労しているのか分からなくなってしまいます。
逆にキャリアイメージと合っていれば、モチベーションを高く維持することができますし、一時的に辛いことがあっても乗り越えやすくなります。
入社後の自分をイメージして、長く働けそうなのはどこか、自分が意欲的に働けるのはどこかを考えるようにしましょう。
就活の軸に合致しているか
次に、就活の軸にどの程度当てはまっているかを確認しましょう。
ここでは、「本音の軸」もしっかり検討することが大切です。
やりがいや成長などの「建前の軸」も大切ですが、基本給や残業時間、有給取得率などの「本音の軸」をないがしろにしてはいけません。
OB訪問や口コミサイトから集めた情報なども考慮しながら、企業をさまざまな角度から比較しましょう。
成長を求めて入社しても、短期離職してしまったり、心身を病んでしまったりしては元も子もありません。
自分に正直に、企業を比較しましょう。
企業に入社するメリットデメリットをまとめる
次に、企業に入社することのメリットデメリットをまとめましょう。
全ての要求を満たす企業は存在しないといっても過言ではありません。どの企業に就職するのにもメリットやデメリットはあるはずです。
- 「就活の軸に合致しているけど家から距離が遠い」
- 「業務内容が魅力的だけど給与が少ない」
- 「社風に惹かれたが勤務地が未定」
- 「成長できるし給料もいいけど、ライフワークバランスがとれていない」
などそれぞれです。
そのなかから自分が妥協できる点や、重視したい点を優先し、絞っていく必要があります。
なぜ応募したのかを振り返る
また、なぜ応募したのか、初心に振り返ることも有効です。
就活を進める中で、心情に変化が起こることは少なくありません。
「最初は安定性を求めていたが、自分が成長できる環境を重視し始めた」など仕事観が変わる場合もあれば、「とにかく内定がもらえればどこでもいいや」と思って応募した企業もあるかもしれません。
ES提出時点と今では心情に変化がある可能性があるので、なぜ応募したのかを振り返ることが重要です。
応募当時の心情を書き出してみて、今の心情とずれていないかどうかを探るのもおすすめです。
企業を様々な観点で数値化する
企業を項目ごとに点数をつけ、合計点が高い企業にするという方法もあります。
「業務内容」「社風」「給与」「残業時間」「福利厚生」などの項目をピックアップし、点数をつけていきます。
最終的にはその合計点が高い企業を選ぶことになると思いますが、「自分にとっては業務内容よりも職場の雰囲気や福利厚生の方が大切である」などの重視するものがある場合は、その項目の配点を高めるなどの工夫が必要です。
内定者イベントを活用しよう
最後に、内定者イベントの場を活かしましょう。
内定者イベントではざっくばらんと社員と話せる機会が設けられていることが多いです。その機会を利用し、疑問解決の場にするのもおすすめです。
既に選考が終わっているので、踏み込んだ話をしやすくなりますし、内定者同士の交流によって知らなかった情報を集めることもできます。
また、内定後にOB訪問を行い、これまで聞きにくかった残業や福利厚生などの条件名について聞くのもおすすめです。
内定先の社員と会ってみる
就職先を決める際は、詳しい情報を得るために、内定先の社員と会ってみることもおすすめです。
内定前のOBOG訪問で聞けなかったことを聞く良いチャンスになります。
内定が出たあとであれば、より詳しい情報が聞ける可能性があるうえに、アポも比較的取りやすくなる場合があります。
「内定はもらったけど、本当にこの企業で大丈夫か悩んでいる」というときは、最終的に入社を決める前に、積極的に情報収集して判断すべきでしょう。
いろいろな企業の選考を受けたあとになるため、内定前のOBOG訪問のときとは、自分自身のものの見方も変わっている可能性があります。
聞きたいことも増えているはずなので、積極的にアポを取り、仕事内容や職場の雰囲気などについてたくさん教えてもらいましょう。
家族や友人に相談してみる
就職先を決める際に迷ったり悩んだりしたときは、家族や友人に相談してみることもおすすめです。
最終的には自分自身で判断することが重要なので、あくまで参考程度ではありますが、身の回りの人に相談すれば客観的な意見を聞ける可能性があります。
自分の強みや適性については、客観視したうえで判断することが重要ですが、自分自身ではなかなか客観視できないことも事実です。
しかし身の回りの人であれば、自分よりも的確に客観的な意見をいえる可能性があるため、就職先を決めるうえで参考になるでしょう。
親や上の兄弟などは、すでに就職を経験している人たちなので、社会人としての立場からアドバイスをもらえる点がメリットです。
友人に相談する場合は、特にすでに内定を獲得している友人や同じ悩みを経験した友人であれば、お互いの悩みやつらいポイントを共有しながら良いアドバイスを受けられる可能性があります。
就職先選びの注意点
最後に、就職先選びの際の注意点を強調しておきます。
「就職活動を終わりにしてしまいたい」という焦りに身を任せて就職先を選んでしまうと、企業イメージが先行したり、他人の意見に流されたり、懸念点を軽視してしまったりしまいがちです。
しっかりと、自分自身や企業と最後まで向き合いましょう。
イメージで決めつけない
まず、イメージで決めつけてはいけません。
「有名な企業だしきっと社員を大切にしているはず」
「この業界のこの職種は大変そうだし辞退しよう」
などよく調べずにイメージで決めてしまうのは危険です。
イメージの元となっている情報源を思い出し、確度の高い情報を基に企業を比較するようにしましょう。
他の人の意見に流されない
就活をする上で、周りに相談したり、インターネットで調べるというのは有効です。
しかし、1つの意見に流されてしまったり、根拠のない意見に流されてしまったりするのはNGです。
他人の意見だからといって客観的であるわけではありません。
年齢層やその人の価値観、運、就活当時の能力などは人によって様々なので、それが自分にも当てはまっているとは限りません。
その意見を参考にしつつ、自分が納得できるポイントなのであれば候補に入れるなど、あくまで参考程度にとどめておきましょう。
懸念点は解消する
また、懸念点は解消しましょう。
- 「ここの部分が気になるけど、まあここでいいか」
- 「きっとこうなはずだし、この企業はいいかな」
と聞いたり調べたりせずに決めてしまうのは危険です。
例えば、基本給が少ない印象を受けた場合、自分が住宅手当を受けられなかったり、寮に入れなかったりすると非常に生活が苦しくなってしまいます。
内定者イベントなどを活用し、懸念点を払拭してから選ぶようにしましょう。
離職率が高い企業は注意
最後に、離職率が高い企業は注意しましょう。
離職率が高い企業は耐え難いネガティブな要素が含まれている可能性が高いです。
令和3年度の平均離職率は14.2%といわれています。この数値を上回ると離職率が高いといえるでしょう。
これらの情報は東洋経済新報社の「就職四季報総合版」などで確認できるので、一度目を通しておきましょう。
未回答の企業や、離職率が高い企業はいわゆるブラック企業である可能性が高いです。
ただし、離職率は業界により変化するので、その点は留意しておきましょう。
福利厚生や給与面だけで決めない
就職先の決め方では、福利厚生や給与面ばかりにこだわるのは避けましょう。
高い給与でも自分に合わない仕事であれば、ストレスばかりが溜まってしまい、到底長く働くことはできなくなります。
また、福利厚生が充実していても、社風や業務内容が合わなければ会社に対する満足度は上がりません。
そのため就職先は、福利厚生・給与などの待遇だけでなく、仕事内容なども含めた総合的な判断で決めるべきといえます。
興味が持てない仕事、モチベーションの上がらない仕事を続けることは、多くの人にとって苦痛な作業になります。
福利厚生や給与の水準が高ければ何とかなる、とは限らないので、さまざまな判断基準を設けて就職先を決めていきましょう。
自分の価値観は変化することもある
就職先を決める際は、途中にある、自分の価値観の変化に注意が必要です。
就職活動中の価値観と入社後の価値観は、必ずしも同じとは限らないため、言ってしまえばどのような人にも離職につながるリスクはあるといえます。
社会人として成長する過程で価値観や心境の変化があれば、当然、社会人になる前の価値観で選んだ会社には合わなくなる可能性が高いです。
その結果、転職を検討する人は珍しくないため、将来的に変化があることは前もって想定しておきましょう。
将来的な変化を想定して就活の準備を進めれば、柔軟にキャリアを考えることができます。
〇〇でなければならない、という凝り固まった考えばかりを持っていると、柔軟な選択ができない可能性があるため注意しましょう。
また、「将来の考え方は変わるかもしれないが、今は〇〇が良い」と断言できる意思の強さも必要です。
まとめ
いかがでしたか。
ここまで、複数の内定先から最終的な就職先を選ぶための自己分析企業分析の方法や、注意点な度について解説してきました。
確かに就活は辛いものなので「とにかく早く解放されたい」という気持ちになってしまいます。
周りの友人たちやSNSなどで他の就活生の動向を知ってしまうと尚更焦ってしまうことでしょう。
しかしここで焦って判断してしまうと、短期離職につながるなどの大きなデメリットが生じてしまいます。
ここが最後の踏ん張りどころだと思って、今一度冷静に、就職先を選ぶようにしましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)
柴田貴司
(就活市場監修者)
就職先を決めるうえで重要となる自己理解と企業分析は、欠かさず行うようにしましょう。自分に向いている仕事が見えてこない場合は、必要に応じて適職診断ツールを活用して選択肢を調べたり、強みや長所がわかるツールを使って適性を模索したりすることも大事です。