「座右の銘ってそもそも何?」 「就活で座右の銘を用意した方がいいって言われたけれど、どうして?」 就活の面接時に聞かれることのある座右の銘ですが馴染みのないものでもあるため、どういうものを選べばいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。
この記事では座右の銘とは何なのか、どうして聞かれるのかやどういった座右の銘を選べばいいのか、おすすめの座右の銘について紹介します。また、座右の銘を使った例文についても紹介しています。
この記事を読むことで、座右の銘についての理解を深められるでしょう。おすすめの座右の銘も紹介しているため、どれを選べばいいのか迷った際にも参考にできます。
就活の面接時に必要になる座右の銘について不安や疑問がある場合は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
目次[目次を全て表示する]
「座右の銘」とは?
「座右の銘」は自分が生きる上で大切にしている言葉や格言のことで、信念にも通じます。
とくに座右の銘がないという人も、心に残っている言葉や辛いとき悲しいときに思い出す言葉はないでしょうか。その言葉が、あなたにとって座右の銘にあたる可能性があります。
面接で座右の銘を聞く目的は?
ではどうして、企業の面接官は就活生の座右の銘を聞くのでしょうか。ここでは、面接で座右の銘を聞いてくる目的について紹介します。
どうして座右の銘を用意しなければならないのか分からないという人も、面接官の目的を知れば、納得できるのではないでしょうか。
個性や人柄を把握するため
座右の銘を聞いただけで個性や人柄を把握できるのかと思う人もいるでしょう。面接官は多くの就活生に接するため、1人1人を短時間で判断しなければなりません。その判断材料の1つとなるのが、座右の銘なのです。
たとえば「継続は力なり」ということわざを座右の銘にしている人なら忍耐強い人を、「案ずるより生むが易し」が座右の銘の人ならとにかく行動的、といったように簡単にイメージできるでしょう。
価値観や考え方の軸を知るため
面接で座右の銘を聞くことで、就活生がどんな価値観をしているのか、考え方の軸を知ることができます。
座右の銘を選んだからには、選んだだけの理由があるでしょう。面接官が重視しているのはどんな座右の銘かということよりも、その座右の銘を選んだ理由です。
仕事への取り組み方・行動特性を知るため
座右の銘を聞くことで、就活生が仕事へどんな風に取り組むのか、どんな行動特性を持っているのかを知ることができます。
たとえば「一期一会(いちごいちえ)」や「呉越同舟(ごえつどうしゅう)」といった四字熟語を座右の銘にしていた場合、人との出会いを大切にしている様子や仲が悪い人がいても協力して目標達成を優先するといった行動特性が分かるでしょう。
期待できる仕事や企業とのマッチ度を知るため
座右の銘によってはどんな仕事が期待できるのかだけでなく、どのくらい企業とマッチしているかを知ることができます。
人に関する座右の銘であればコミュニケーション力の必要そうな仕事が期待でき、「急がば回れ」が座右の銘であれば仕事においても慎重さを期待できるでしょう。
また、座右の銘から伝わる価値観が企業とマッチしているか知ることで、早期退職されるリスクを低くできます。
入社後のキャリアビジョンを知るため
たとえば「初志貫徹」を座右の銘にしている人であれば、面接時に語っているキャリアビジョンを継続して実現していく可能性が高いでしょう。
「不撓不屈(ふとうふくつ)」が座右の銘であれば、どんな困難にあっても目的を成し遂げキャリアビジョンを形成していくことが予想できます。
このように、座右の銘から入社後のキャリアビジョンについてもある程度把握できるのです。
座右の銘の選び方
ここまで紹介してきたように、面接で座右の銘を聞かれることには企業側にいくつか目的があります。そのため、適当に座右の銘を選ぶことはおすすめできません。
就活を成功させたいのであれば、座右の銘を選ぶ際も企業を意識して選ぶことが大切です。
ここからは座右の銘の選び方を紹介しますので、座右の銘に迷っている人だけでなくすでに選んでいる人もチェックしてみてください。
志望先の仕事に結びつくものを候補にする
座右の銘を選ぶときは、志望している仕事に結びつく四字熟語やことわざ、明言の中から選んでみましょう。
たとえば接客業のように人と接する仕事を志望している場合は、他の人とのコミュニケーションを大切にしていることがイメージしやすい座右の銘を選ぶのがおすすめです。
自分の経験や強み・個性とつながるものを選ぶ
どうしてその座右の銘を選んだのか説得力を持たせるためにも、自分の経験や強み、個性などとつながるものを選びましょう。
面接官への受けや志望先の企業のことだけ考えていても、その座右の銘が自分の経験や個性などとかけ離れていれば、説得力がなく違和感を与える可能性があります。
座右の銘を答えるときのポイント
面接で座右の銘を聞かれたとき、面接官はどんな座右の銘を選んだのかだけでなく、どんな風に答えているのかにも注目して見ています。
ではどんなポイントに気をつければいいのか、以下で紹介していきます。
- 面接では選んだ座右の銘をまず答える
- その座右の銘を選んだ理由を述べる
- 座右の銘を活かしつつ抱負を伝える
面接では選んだ座右の銘をまず答える
面接で座右の銘を聞かれたときは、まず結論として座右の銘を答えてください。
座右の銘を選んだ理由から答えるのではなく、まず先に結論である座右の銘を答えることが大切です。結論を先に答えることで、面接官に分かりやすくなるだけでなく面接に臨む姿勢を伝えられます。
その座右の銘を選んだ理由を述べる
続いてどうしてその座右の銘を選んだのか理由を説明しましょう。このとき、簡潔に伝えようとして要点をはぶいてしまわないように注意してください。
どうしてその言葉が座右の銘になっているのか、その背景をしっかり面接官に伝えることが大切です。珍しい座右の銘を選んでいた場合はその意味も伝えましょう。
また、誰かの名言を座右の銘にした場合は、誰の言葉なのかも伝えると好印象です。
座右の銘を活かしつつ抱負を伝える
選んだ理由について説明できたら、その座右の銘を入社した後でどう活かしていくつもりなのか、抱負を伝えましょう。
企業は入社後も活躍してくれる人材を求めています。座右の銘を活かしたキャリアビジョンをしっかり面接官に伝えることが大切です。
入社したいこと、入社した後で活躍できる自信があることを伝えましょう。
【ことわざ編】おすすめの座右の銘16選
座右の銘にどんな言葉を選べばいいのか分からない人は、「ことわざ」から選んでみましょう。ことわざであれば有名なものも多く、すぐに意味をイメージしてもらいやすいため、座右の銘としても使いやすいです。
ここからは座右の銘におすすめのことわざを紹介しますので、参考にしてみてください。
ことわざ | 意味 |
---|---|
不撓不屈 | 強い意思でどんな苦難困難にも負けない |
雨垂れ石を穿つ | 小さな力しかなくてもコツコツ続けることで成功する、成果をあげる |
案ずるより生むが易し | あれこれ悩むよりも実際に行動した方が案外簡単にできる |
一期一会 | 人との出会いを常にこれが最後かもしれないと思い大切にする |
情けは人のためならず | 誰かに親切にしたことがやがて自分に返ってくる |
初心忘るべからず | 未熟な頃や初めての頃のことを常に忘れない |
一寸の光陰軽んずべからず | ちょっとした時間であっても無駄にしない |
蒔かぬ種は生えぬ | 成功や成果が欲しいならば行動することが大切 |
荒馬の轡(くつわ)は前から | どんな困難にも真正面から立ち向かう |
馬には乗ってみよ人には添うてみよ | 何事も自分で経験してみなければ分からない |
七転び八起き | 何度失敗しても諦めずに何度も立ち上がる |
聞くは一ときの恥聞かぬは一生の恥 | 知らないことは素直に聞いた方がいい |
失敗は成功の基 | 失敗しても原因を解明すれば成功する原動力になる |
備えあれば憂いなし | 常に準備していれば心配はいらない |
しゃくとりの屈めるは伸びんがため | 成功したいならときには苦難に耐え時期を待つ必要がある |
山椒は小粒でもぴりりと辛い | 小さく見えても実は才能や気性が優れている |
【四字熟語編】おすすめの座右の銘16選
四字熟語はあまり馴染みがないように感じがちですが、生活の中に溶け込んでいるものもあります。ここからはおすすめの四字熟語を16個紹介しますので、参考にしてみましょう。
四字熟語 | 意味 |
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泰然自若(たいぜんじじゃく) | どんなトラブルが起こっても落ち着いているさま |
八面玲瓏(はちめんれいろう) | どこから見ても透き通るほど美しいさま(とくに女性) |
一騎当千(いっきとうせん) | 人並みはずれた能力や才能を持っている |
電光石火(でんこうせっか) | 非常に早い動きのこと |
国士無双(こくしむそう) | 国内において並ぶ者もいないほど優秀な存在 |
百折不撓(ひゃくせつふとう) | どれだけ失敗を繰り返してもけしてくじけないこと |
粉骨砕身(ふんこつさいしん) | 身を粉にするほど力を尽くすさま |
先手必勝(せんてひっしょう) | 相手よりも先に動く、攻撃することで有利になる |
勇往邁進(ゆうおうまいしん) | 目的・目標に向かってひたすら突き進むこと |
初志貫徹(しょしかんてつ) | 最初に決めたことを最後まで貫き通すこと |
万里一空(ばんりいっくう) | 目標を1つに決めて努力する |
冥冥之志(めいめいのこころざし) | 人に知られないように決意したり、努力したりすること |
不言実行(ふげんじっこう) | 余計なことを言わず黙って実際に行動に移すこと |
疾風勁草(しっぷうけいそう) | 不運や苦難な目にあったときこそその人の強さが分かる |
雲外蒼天(うんがいそうてん) | どんな苦労や試練があってもそれを乗り越えれば素晴らしい世界が待っている |
桜梅桃李(おうばいとうり) | 他人と比較する必要はなく自分の個性を磨くことが大切 |
【偉人・著名人の名言編】おすすめの座右の銘11選
過去の偉人や著名人は、たくさんの心に響く名言を残しています。他の人とは一味違った座右の銘を選びたいのであれば、偉人や著名人の名言から選んでみるのもいいでしょう。
ただ偉人・著名人の名言を座右の銘にする場合は、相手がその名言を知らない可能性もあるため注意しましょう。面接では誰が発言したのか、どんな意味を持つ言葉なのかを説明すると丁寧です。
偉人・著名人の名言 | 意味 |
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「勇気がなければ、他のすべての資質は意味をなさない」ウィンストン・チャーチル | どんな優れた資質があっても勇気がなければ意味がない |
「あなた自身を与えれば、与えた以上のものを受け取るだろう」サン=テグジュペリ | 人に自分の一部を与えれば、与えたもの以上を受け取れるだろう |
「強さとは、身体能力ではなく、不屈の精神から生まれるものだ」マハトマ・ガンディー | 強さは肉体的な力ではなく貫く意思から生まれてくる |
「じっくり考えろ。しかし、行動する時が来たなら、考えるのをやめて、進め」ナポレオン・ボナパルト | 考えたり準備をするのは大切だが、動くときが来たら考えるのではなく動け |
「自分に打ち勝つことが、最も偉大な勝利である」プラトン | 他人に打ち勝つことよりも、自分に克つことが難しく偉大である |
「難しいからやろうとしないのではない。やろうとしないから、難しくなるのだ」セネカ | それが難しいのではなく、自分自身で難しくさせている |
「今日という一日は、明日という日の二日分の値打ちがある」ベンジャミン・フランクリン | 明日に後回しにするのではなく、今日できることは今日しておくべきである |
「報われるまで努力するんだ」リオネル・メッシ | 成果がでるまでひたすら努力し続けるべきである |
「成功するためには、これがいつも最後だと思ってトライすることだ」フィル・ナイト | 常にこれが最後の機会だと思っておくことが、成功への秘訣 |
「志し高く」孫正義 | 目標は高く持つべき |
「結果の平等はともかく、機会というものは誰にでも平等であると固く信じている」スティーブ・ジョブズ | 考える機会は誰にもいつでも平等にある |
面接での座右の銘を使った例文
ここでは、実際に座右の銘をどのような構成でアピールするのかを紹介します。座右の銘を答えるときの参考にしてみてください。
私の座右の銘は、「塵も積もれば山となる」です。私は最初パソコンを扱うのが苦手でしたが、毎日のようにマニュアルを見ながら触っているうちに、自然に扱えるようになりました。
毎日少しずつですが勉強しつづけることで、日商PC検定やWord文書処理技能検定試験の資格も取得できました。御社に入社後に苦手なことがあったとしても、コツコツ努力を積み重ねることで克服し、貢献していけるよう頑張ります。
座右の銘の選び方・使い方の注意点
座右の銘を聞かれたときは、あなたが自分自身の価値観や考え方、どれだけ貢献できるかをアピールする良い機会です。しかし選んだ座右の銘によっては、逆効果になってしまうこともあるでしょう。
以下では座右の銘の選び方や使い方の注意点について紹介していますので、これらの注意点を把握した上で選んでみましょう。
意味をきちんと理解せずに使わない
自分が選んだ座右の銘の意味を正しく理解してから、使うようにしましょう。
意味を調べずにあやふやな状態で面接に臨んでしまうと、説得力がなくなるだけでなく面接官の心証も悪くなるでしょう。とくに意味を間違いやすいことわざや四字熟語には、注意が必要です。
マイナスな印象があるものは選ばない
明らかにマイナスな印象のある言葉や、マイナスな意味に受け取られかねない言葉は選ばないようにしましょう。
たとえば、「猪突猛進(ちょとつもうしん)」を「目的や目標に向かってひたすら突き進む」という意味で選んでしまうと、「後先を考えない行動」や「勢いだけで進む」という印象を与えかねません。
選んだ座右の銘にマイナスの印象はないか、マイナスに受け取られる可能性はないかしっかり見直しましょう。
志望先にマッチしないものは選ばない
志望先の企業理念にマッチしない座右の銘は選ばないようにしましょう。
もし志望先にマッチしないものを座右の銘にしてしまうと、自社と合わないのではと思われてしまい、採用されない可能性があります。志望先の企業についてしっかりと調べ、企業研究しておくことが大切です。
エピソード性に欠けるものは選ばない
自分の考え方と合わないものや自分と縁のない座右の銘を選んでしまうと、答えるときのエピソードが少なくなったり、説得力に欠けるエピソードになったりする可能性があります。
できるだけ自分の経験や考え方と共感しやすいものを選ぶようにしましょう。
座右の銘を決められないときは?
どれだけ考えても自分にしっくりする座右の銘が見つからない、座右の銘を決められないときは、友人に座右の銘を聞いたり、尊敬する人の座右の銘を参考にしたりしてみましょう。
他の人に座右の銘について聞くときは、どうしてそれを選んだのか理由も聞くと参考にしやすくなります。また、尊敬する人の座右の銘であれば自分にもしっくりくる可能性があるでしょう。
面接では自分の座右の銘をエピソードも交えて魅力的に伝えよう
面接では座右の銘について聞かれることが多いです。座右の銘は企業にマッチしたものや、自分と共感するものを選ぶようにしましょう。
また、面接官にどうしてその座右の銘を選んだのかがしっかり伝わるように、自分のエピソードも交えて伝えることも大切です。
この記事を参考にして、自分の座右の銘を魅力的に伝えられるようにしましょう。