自動車業界へ就職するなら知っておきたいこと|業界に見られる動向や課題とは?

自動車業界へ就職するなら知っておきたいこと|業界に見られる動向や課題とは?

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はじめに

「前もって自動車業界について調べておきたい」 「自動車業界に就くにはどうしたらいいの?」 「自動車業界を目指す際のポイントはなに?」 このように、自動車業界で働きたいけど不安や悩みがある人もいるのではないでしょうか。

本記事では、自動車業界に就職する場合に知っておくと便利な情報を紹介しています。大手メーカーや主な職種をわかりやすく紹介しているため、どのような分野があるのか、どの職種に興味があるのかの把握も可能です。

この記事を読むことで、自動車業界に就職するときの有利なポイントを知ることができます。志望動機や自己PRを書くことが苦手な人でも、ポイントを基に濃い内容をかけるようになるでしょう。

自動車業界の仕事に興味がある人やこれから自動車業界の筆記試験・面接試験を控えている人は、ぜひチェックしてみてください。

自動車業界に見られる6つの動向

まず自動車業界は今、どのような動きをしているのか確認してみましょう。業界の流れを把握することで、メーカーや企業が掲げるスタンスを深く理解することができます。

また、自動車業界の流れや動きを把握しておくことで、面接の際には良い印象を持ってもらえる可能性もあるでしょう。

1:自動車生産台数はアジアでの伸び率が高い

自動車生産台数は国内生産よりも海外生産の方が多く、その中でも特にアジアの伸び率が高いです。2015年時点では、アジアの自動車生産台数が海外生産台数の約半数を占めています。

日本ではリーマンショックや人口減少、消費税の値上げによって生産台数が落ち込む中、海外ではプラザ合意やリーマンショック後は右肩上がりが続きました。

結果、日本の生産台数よりも海外での生産台数の方が多くなり、2015年には海外生産台数が約1,809万台を突破しています。その中でもアジアの生産台数が約942万台、海外生産台数中の約52%を占めています。

出典:自動車産業の現状と今後の課題― TPPが我が国自動車産業に与える影響等も踏まえて ―|参議院

2:EV販売台数が伸びている

EVとはつまり電気自動車のことで、ガソリンスタンドや所定箇所で充電を要するタイプがあれば、走行中に充電するタイプもあります。「EV」は環境問題で重視されている、空気の汚染問題の対策として有効な自動車です。ガソリン車よりもEV車の方が圧倒的に排気量が少なくなるでしょう。

また、燃費の面でもコストを抑えることができるため、購入費用が少々高くても購入する人が増えており、EVの販売台数が伸びていることに繋がっています。環境問題の対策やコスパがいいため、EVの販売台数は今後さらに伸びていくでしょう。

3:新型コロナウイルス感染症拡大によって生産数が減った

新型コロナウイルスの感染症拡大により、世界的なロックダウンなどの影響で自動車の生産台数が減少しました。半導体不足や物流の滞りなども影響し、部品調達体制が以前のように戻らないことから生産台数が伸び悩んでいます。

しかし、車移動は感染リスクを低減できるとあって販売台数は増加しているメーカーもあります。そのため、需要と供給のバランスが崩れている状態になっているのです。

4:軽自動車から小型車へのシフトが進んでいる

見た目がコンパクトで女性からも支持されているのが小型車、別名「コンパクトカー」です。軽自動車は排気量が小さいですが、コンパクトカーは排気量が軽自動車に比べると大きく、普通自動車と同等の排気量を持っています。

小型車は軽自動車に比べると車内が広く、一人でドライブすることはもちろん、家族でドライブすることも可能です。また、乗車人数が軽自動車では4人までですが小型車であれば5人乗れます。

そのため、軽自動車よりも使い勝手がいいということで、軽自動車から小型車へのシフトが進んでいるのです。

5:「CASE」の概念による変化が起こる

CASEとは「C」コネクテッド、「A」自動運転、「S」共有サービス、「E」電気自動車を意味する単語です。

以前までは車は所有するイメージが定着していましたが、現在は自身の所有物にするのではなく、多くの人と共有するものとイメージが変化してきています。加えて、環境に影響を与えないような自動車も必要とされ、電気自動車の普及が増加傾向です。

また、自動車業界はコロナの影響で移動する機会が減り、以前に比べると自動車の需要が減りました。そのため、これ以上需要が減らないように性能やサービスの強化を行おうとしています。

例えば、ドライバーが負担にならないような自動運転システムであったり、スムーズな移動ができるようにネットを通したりすることです。このようにして、今までとは違った変化が起こりました。

6:MaaS分野に注目している

「MaaS」とはユーザーの利便性や効率性を考えて作られたサービスで、検索・予約・支払いまでがスムーズに行われます。検索してからまた別で予約して、また別で決済してといった手間な作業を省略でき効率が良い点がメリットです。

MasSは限られた公共機関だけではなく、電車やバス、タクシーはもちろんのこと、旅客船や旅客機の使用も可能になります。

そのため、自分自身の自動車を所有しなくても快適な移動が実現できるほか、自動車の使用を抑えることも可能です。結果、環境汚染への影響を抑えることに繋がると考え、自動車業界はMasS分野に注目しています。

自動車業界が持つ課題

自動車業界に就職したいと意気込んでいても、業界が抱える問題を知ることで、就職を考え直すケースは少なくありません。就職してから問題に直面しても、引き返すことは難しいです。

就職したいという気持ちも大事ですが、一度業界が抱える問題を確認してみて、本当に自分はこの業界に就きたいのか確認してみましょう。

新興国での販路拡大が必要であること

現在自動車の使用が多い日本ではある程度の人が自動車を所有しているため、これ以上所有者を増やす以外には販売台数を伸ばすことは難しいでしょう。

また、移動手段に車を用いない車離れにもなっています。そのため、現在ゆっくりと発展しようとしている新興国での販路拡大がポイントです。

この先販売地域を次々と拡大していくことで、さらなる自動車業界の発展が望めるでしょう。

慢性的な人手不足であること

自動車業界は人手が不足しています。ユーザーが一定数いたとしても、自動車を生産する人が少なければ元も子もありません。経験者の採用であれば比較的短期間で育成できますが、新たに採用となれば育成期間がかかって、その分また人手不足になってしまいます。

人口減少・少子高齢化によってほかの業界でも人手不足の問題に直面していますが、自動車業界もその中の1つです。

AIによる次世代自動車の普及が必要であること

現代は常に最新技術や利便性・効率性を考えたAI技術を求めつつあります。デジタル化が進む中で車も同様に、次世代の機能を兼ね備えた自動車の開発が期待されているでしょう。

そのため、国内や国外問わずAI技術を用いた自動車の開発がされていて、業界競争は激しいものとなっています。

環境問題に配慮した製品の開発が必要であること

現在、世界中で大気汚染が深刻で、ガソリン車による排気量を減らそうとする動きを見せています。しかし、ただ性能の良い自動車を製造すればいいだけではなくなりました。

日本が掲げる温室効果ガスやCO2削減のカーボンニュートラル目標を達成に導くためには、自動車業界の製品開発も大きく関係しています。そのため、良い環境変化を与えるような開発が必要です。

自動車業界の職種とは

ひとまとめに「自動車業界」と呼ばれていますが、中を覗いてみるとさまざまな職種があります。自動車業界といえば自動車を作っているようなイメージが強いですが、製造だけが自動車業界とはいいません。

事務職もあれば専門知識を活かす開発、ユーザーのニーズに答えた自動車を提供する企画もあるため、自身はどの職種に就きたいのか確認してみましょう。

新車や商品の企画・販売促進

企画・販売促進はユーザーが自動車に何を求めているのか、さらにユーザーに寄り添った自動車になるには何が必要なのかを考える職種です。

例えば、女性でも運転しやすいようなアイデアを出したり、家族やペットと一緒にドライブしやすいような車のアイデアを出したりと、さらに寄り添った自動車になるために企画・販売促進をします。

自動車の生産及び品質管理

研究開発や企画・販売促進の過程を進んだ後、ついに自動車の形として作りあげられるのが生産及び品質管理の職種です。

ユーザーが指定した期日に間に合うような工程を組んだのち、最後はユーザーの手元に届くように管理します。

生産及び品質管理は生産はもちろんのこと、異常がないかどうかの確認も必要で、安全な自動車を届けるための重要な職種です。

研究開発

研究開発は「トランスミッション」や「エンジン」、「モーター」など、自動車の各部位についてより深くまで追及する職です。豊富な知識を持った人々が集い、どのようにするとさらなる自動車の向上が見込めるか研究・開発を行います。

自動車の各部位以外では、電気自動車やハイブリッドの開発も行われており、高い専門知識が必要です。

自動車業界の分野

自動車業界では製造のイメージが強いですが、製造のほかにも自動車のサービスにあたる分野もあります。

自身は自動車の製造に携わりたいのか、完成された自動車を販売またはメンテナンスしたいのか考えてみましょう。

自動車メーカー

自動車メーカーは聞き慣れた名前で、自動車業界といわれれば自動車メーカーを想像する人が多いでしょう。自動車メーカーの仕事は自動車部品メーカーから部品を取り寄せて、自動車を製造する企業です。

例えば「日産」や「トヨタ」、「ホンダ」が自動車メーカーに当てはまります。製造した後は直接自動車メーカーが売るのではなく、自動車販売店がユーザーに販売するという流れです。

自動車ディーラー

自動車ディーラーは、ユーザーに自動車を販売する企業です。自動車メーカーと契約を結んで、自動車の購入を考えている人に販売します。

各メーカーを専門として取り扱っているディーラーもあれば、メーカーを問わずにさまざまな自動車を取り扱っているディーラーもあり、必ずしも一社のみの販売とは限りません。

自動車ディーラーはユーザーが求めているモデルやデザイン、自動車の使い道にマッチした自動車を提案できる力が求められるでしょう。

自動車部品メーカー

自動車部品メーカーは、自動車製造に必要な部品を作る企業です。自動車は部品がないと走ることはできません。

以前までは1つの企業に限定した取引を行っている部品メーカーが多い傾向にありました。しかし、現在では1つの企業に限定せず何社とも取引を行っている部品メーカーもあります。

自動車関連サービス

自動車業界には、自動車生産前やユーザーの手元に届く前に活躍する企業もありますが、その後の自動車のケアとして活躍する企業もあります。

主なサービスとしては自動車の点検やメンテナンス、カーシェアなど、自動車の維持に関係するサービスです。

また、現在は自動車を所有しない人も増えている傾向にあります。そのため、使うときだけ借りられるようなサービスも賑わいを見せています。

自動車業界の大手企業5社

メーカーに就職を考えているのであれば、自動車業界のトップを争う大手メーカーを狙ってみるのも1つの手です。人数が多く競争倍率や難易度が高い傾向がありますが、大手ということでやりがいを持って仕事ができるでしょう。

ここからは、自動車業界の大手企業5社を紹介していきます。

1:トヨタ自動車株式会社

メディアでもよく取り扱われる大手メーカーの1つが「トヨタ自動車株式会社」です。コンパクトカーやセダン、ワゴンと品揃えが良く、小型モビリティにも特化しています。

各所にオフィスを置き、さらなる向こうへ歩んで行けるように日々進化を続けているため、自動車好きには好奇心を揺さぶられる会社でしょう。

2:日産自動車株式会社

「日産自動車株式会社」も大手自動車メーカーの1つで、日産車を所有しているという人も多いでしょう。電気自動車で有名な「リーフ」や、コンパクトカーとして幅広い人に人気のある「ノート」は、技術の追及やユーザーのニーズに寄り添ったアイデアの心が感じられます。

日産自動車は常に向上心を持った人を必要としているため、追及心がある人は心を燃やして勤めることができるでしょう。

3:フォルクスワーゲン グループ ジャパン 株式会社

インパクトの強いロゴが魅力的な「フォルクスワーゲングループジャパン株式会社」は、ドイツの自動車メーカーです。

フォルクスワーゲングループジャパン株式会社は、クオリティーの高い自動車をユーザーに届けるために日々邁進しています。また、外資系の企業であるため国際的な交流を活発にしたいと考えている人にとっては、刺激的な自動車メーカーになるでしょう。

4:三菱自動車工業株式会社

「三菱自動車工業株式会社」は安全・便利に移動できるような自動車の開発に力を入れており、今までよりも進化した自動車の提供を目標にしています。また、好奇心を揺さぶられるような、楽しさを感じさせるデザインが特徴です。

三菱自動車工業株式会社は、ユーザーが楽しく運転できるように工夫しているだけではなく、働く側も楽しく仕事ができるような職場環境作りも行っています。

5:ゼネラルモーターズ・ジャパン株式会社

「ゼネラルモーターズ・ジャパン株式会社」はアメリカの自動車メーカーです。主に「シボレー」や「キャデラック」などのブランドを取り扱っています。

ゼネラルモーターズ・ジャパン株式会社は世界各国で販売を行っている点が特徴です。

自動車業界への就職を目指すときのポイント

自動車業界を目指す人は、たいていの場合自動車が好きだからという理由を持っているのではないでしょうか。興味のある自動車を扱う仕事に携わるためにも、以下のポイントを重視して就職を目指してみてください。

  • エンジニアや企画・営業・生産管理の仕事を狙う
  • 筆記試験や面接対策を行う

エンジニアや企画・営業・生産管理の仕事を狙う

専門知識は就職において有利に働きます。専門の力や有利な資格がある場合はエンジニアのような技術を問われる仕事を狙うようにしましょう。また、技術関係の仕事であれば学歴が関係してくる場合もあるため、理系出身は強いでしょう。

逆に営業であれば特に必要な資格や学歴はなく、売り手の交渉力が試されます。自動車業界への就職を狙うのであれば、自身がどの業界だと有利になるか考えてみるのも1つの手です。

筆記試験や面接対策を行う

就職するのであれば、たいていの場合筆記試験や面接があります。筆記試験や面接であまり良い印象をもらえなかった場合、残念な結果になることもあるでしょう。

特に大手の自動車メーカーであれば、就職を考えている人も多いです。ほかの就活生と差をつけるためにも、筆記試験や面接の対策は万全にしておきましょう。

面接においては就職を考えている自動車メーカーのリサーチを行い、質問に答えることができるようにするのもポイントです。

自動車業界に向けた志望動機の書き方

志望動機によっては好感を持ってもらえることもあれば、いまいちな印象に終わることもあります。自身が伝えたいことや強み・スキルを整理して、なぜ自動車業界に就職したいのか明確に書くようにしましょう。

また、自動車業界の中にはたくさんの職種やメーカーがあります。その中でも、なぜこの職種やメーカーを選んだのかはっきりさせると印象アップにつながるでしょう。

志望動機はいかに分かりやすく、良い印象を持ってもらえるのかが勝負です。

自動車業界に向けた自己PRの書き方

自身のアピールを書きつづることに苦手意識を持っている人は少なくありません。しかし、就職する上では多くの場合自己PRを避けて通ることはできないでしょう。

苦手意識を持っていても、自動車業界を選んだ理由を相手に伝わりやすくなるように自己PRを書くポイントがあるため、参考にしてみましょう。

自動車業界が必要とする人物像を把握しておく

自己PRはただただ自身が書きたいこと・伝えたいことを書くだけでは意味がありません。自身のアピールポイントや相手がどんな人物を必要としているのか、求められることを考えて文章を書くようにしましょう。

自動車業界から求められる人物像の例としては、多くの場合追及心や興味を持つ心を持っている人物です。また、諦めずやり抜く気持ちがある人も必要とされます。仕事仲間とのコミュニケーションがとれるかどうかも判断基準になるでしょう。

「結論・エピソード・学んだこと・入社後のビジョン」の構成で考える

だらだらと考えを書くのはあまり良い印象を与えません。読みやすく分かりやすいように整った文章で書くようにしましょう。

最初に結論を書くことで後の話が入ってきやすくなります。その後は結論に至るまでのエピソードや学びを添えると、さらに相手に伝わりやすい内容になるでしょう。

また、入社後はどのように仕事したいのか、何を目指しているのか、成し遂げたいことなどを定かにすると、より一層読み手に興味を持たせることができます。

自動車業界の詳細を知り就職を目指そう

ひとまとめに「自動車業界」と呼ばれていますが、自動車を製造してユーザーの手元に届くまでの間にはたくさんの過程があります。

現在自動車業界には人手不足や販売の範囲拡大、新たな技術の追及といった課題がありますが、生活のパートナーともなる自動車の製造に携わる仕事はやりがいがあるでしょう。

特に大手メーカーに就職を考えている場合は、いくら人手不足であっても応募する人が多く倍率が高いです。ほかの応募者よりも強い印象を与えられるように、筆記試験や面接はもちろんのこと、志望動機や自己PRに力を入れてください。

この記事を参考に自動車業界の詳細を知り、就職を目指してみましょう。

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