はじめに
「集団面接ってどんな質問をされるの?」 「集団面接ってどんなことに気をつければいいの?」 「集団面接で他の人と回答が被ったときの対処法が知りたい」 こんな悩みを抱えている就活生は、多いのではないでしょうか。集団面接は何人もの候補者が同じ部屋で面接を受けるので、回答を聞かれるのはなんだか恥ずかしいですよね。
この記事では、集団面接を初めて受ける人や苦手な人向けに、自己PRする際に注意するポイントや基本マナー、効果的な自己PRの方法などを詳しく解説していきます。
これを読めば、あなたも集団面接についての知識が身につき、恐れることなく集団面接に臨めるようになるでしょう。
集団面接を控えている人や、今後のために知っておきたい人はぜひ参考にしてください。
集団面接とは?
書類選考を通過した後に待ち受けているのが「集団面接」です。グループ面接と呼ばれることもあります。
集団面接は、企業側が自社の最低限の採用要件を満たしているかを、いち早く判定するために行うもので、多くの場合は、選考の初期段階で実施されます。
企業側は多くの候補者の中から、個人面接でじっくり判断する学生を選抜することが目的なので、1人1人にかける時間は他の面接と比べると短いのが特徴です。
集団面接と他の面接との違いは?
集団面接は選考の早い段階で用いられますので、質問されるのは自己紹介や自己PRなどの基本的なものです。
企業側が「どういった人物がいるのか」を知ることが主な目的になるため、特別なことをする必要はありませんし、特技などを披露する必要もありません。
以上について知ったところで、ここからは集団面接と他の面接がどう違うのか解説していきます。どういった違いがあるのか理解できると、対策が立てやすくなるでしょう。
自己PRの時間が短い
集団面接は一度に何人もの候補者が面接を受けるので、必然的に1人あたりのアピールの長さが短くなります。
また、1つの質問に対してそれぞれの候補者が回答するため、1人でしゃべり続けてしまうと悪目立ちして、評価を下げてしまう可能性があるでしょう。
面接時間は企業によって違いますので、事前に知ることができる場合は確認しておきましょう。そして、時間内で最大限に自分をアピールできるような内容を準備しておくことが大切です。
他の学生と比較されやすい
個人面接に比べると、他の候補者と比較される傾向が強いのが集団面接です。自己PRや質問に対する回答はもちろん、入室してからのマナーや印象、面接に対する熱量や責任感など、様々な要素が判断材料になります。
特に注意しなければいけないのがマナーです。自分の話す順番ではないときに気を抜いていたり、受け答えがぶっきらぼうだったりすると、悪目立ちしてしまいます。
集団面接では自己PR以外の部分もよく見られているため、マナーに気をつけて面接に臨みましょう。
話や内容を深堀されにくい
集団面接は、1人のアピール時間が短いため、回答の内容についても深堀りされにくい傾向があります。そのため、たとえ自分が深堀りされなくても「不合格になったのでは」と心配する必要はないでしょう。
集団面接は、選考の序盤で実施されるため、次の個人面接でどの候補者についてじっくり話を聞きたいかが評価するポイントです。限られた時間で話を詰め込みすぎず、与えられた時間が短くても印象に残るようにすることが大切です。
集団面接の流れと基本マナーについて
集団面接の特徴について理解できたでしょうか。
ここからは集団面接の実際の流れと、基本マナーについて解説していきます。気をつけるポイントをメモしながら読み進めると、より早くインプットできるようになりますので、ぜひ試してみてください。
集団面接の流れとは
ここでは集団面接の流れについて説明します。
まずは受付をして、順番が回ってくるまで別室で待機します。面接に呼ばれたら自分の荷物をもって、他の候補者とともに指定の待機場所で待機します。
「入室してください」と声をかけられたら他の候補者と一緒に順番に入室し、面接が始まります。面接の最後に挙手制の逆質問の時間があり、終了後は面接官の指示に従って退室します。
評価対象は入室から退室までで、基本的には他の面接との違いはありませんが、集団面接のみ注意するべきマナーもありますので、しっかりと理解しておきましょう。
集団面接において基本となるマナーとは
集団面接では、個人面接よりも基本的な部分が重視されます。そのため、人としての基本的なマナーがしっかりしていないと、他の候補者と比べて悪目立ちしてしまうでしょう。
特に言葉遣いや立ち振る舞い、服装などの身だしなみについては気をつける必要があります。服装は清潔感を重視し、ピシッとした姿勢で座って面接に臨みましょう。
また、面接中に髪やあごを触るなどの癖が出ないように注意し、言葉使いは自然に敬語を使えるよう普段から意識しておくことが大切です。
ここからは、それぞれのシチュエーションごとの基本マナーを紹介します。
集団面接前の基本マナー
面接会場に到着したら受付で挨拶をし、氏名(学生は学校名も)、来訪の目的を伝えます。待機中の態度も見られていますので、呼ばれるまで姿勢を正して待ちましょう。
また、スマートフォンをいじっていると誤解を与える可能性がありますので、確認することがある場合はノートや手帳などを使うようにしましょう。
入退室時の基本マナー
入室する際は、先頭ならばドアを3回ノックし「お入りください」と言われてからドアを静かに開けます。そして「失礼します」と一礼してから、入室しましょう。
2番目以降の場合はドアの前で一旦立ち止まり、「失礼します」と一礼してから入るのが基本です。最後尾になった場合は、入室した後に静かにドアを閉めてから「失礼します」と一礼します。
全員が椅子の前に揃うまで待ち、「お座りください」と声をかけられてから着席します。面接が終了した後は、挨拶と一礼をして、ドアに近い候補者から退室しましょう。
他の学生の質疑応答中の基本マナー
集団面接では、自分が発言していないときの姿勢もよく見られています。発言内容はもちろんですが、しぐさや態度も含めて総合的に判断されるため、自分が発言していないときでも油断してはいけません。
集団面接では自分の発言の時間よりも、他の候補者の話を聞いている時間の方が長いです。そのため、他の候補者の話にも耳を傾けるようにしましょう。
ときどき、「今の発言について、あなたはどう考えますか」と話を振られることもありますので、聞き逃さないためにも気を抜かないことが大切です。
集団面接を成功に導く3つのコツ
集団面接は個人面接と違う部分もありますが、どちらも一番力を入れるべきなのは面接での受け答えです。
集団面接でも個人面接でも、基本的な面接対策を綿密に行うことによって、本番で力を発揮することができます。
計画性をもって、事前準備をどれだけするかで評価は大きく変わってきますので、対策はしっかりと行いましょう。
ここからは集団面接の3つのコツについて解説していきます。
話を簡潔にする
個人面接よりも時間が限られている集団面接では、1人で長時間話しすぎると「協調性がない」と思われてしまうことがあるので、簡潔に話をまとめる必要があります。
そんなときは、まず結論から伝えるようにしましょう。結論を話してからその理由や背景を説明することで、簡潔にまとめることができます。
短い時間でも企業側の印象に残るように、要点をおさえたり、ひとことで伝わる言葉や英語を使ったりなど、伝え方を工夫しましょう。
質問には適切に回答する
適切に質問に回答することは、当たり前だと思う人もいるでしょうが、とても大切です。
集団面接では発言が順番に回ってくるため、自分の順番がくるまでの間に「どんな答えをすべきか」を確認しておく必要があります。
他の候補者が長い回答をしたりすることもありますが、自分のリズムで適切に回答することを心がけましょう。また、発言が終わったことが分かるように、最後に「以上です」をつけると面接官にも分かりやすいでしょう。
立ち振る舞いを意識した行動をとる
集団面接は、個人面接のように自分1人のみで評価されるわけではありません。面接官は「集団の中で個として自己表現ができているか」や「協調性などを意識して集団の中で行動できているか」を見ていますので、意識して行動することによって周囲と差をつけることができます。
かといって、意識しすぎると不自然な振る舞いになってしまうので、あくまで自然体で、自分らしく振舞うことを心がけるようにしましょう。
集団面接における注意点とは
ここからは、集団面接において注意すべきポイントについて紹介していきます。
これらのポイントに気をつけることで、企業からの評価が下がるのを防ぐことができます。悪目立ちしないためにも、覚えておきましょう。
身だしなみを整える
服装や身だしなみがだらしないと、第一印象で不快感を与えてしまいます。どんな形式の面接に臨むときでも、最低限身だしなみを整えることは大切です。
逆に、服装を気にしすぎて個性的なスーツやネクタイを着けてしまうと、悪目立ちしてしまいます。個性は自己PRで出すようにして、服装は清潔感のあるものにしましょう。
まれに「私服OK」の面接もありますが、そういった場合でも襟付きの服を選びましょう。
他の学生に対する傾聴姿勢
集団面接では、自分が発言していないときでも、他の候補者の話に耳を傾けるようにしましょう。真面目な人ほど、ついつい質問にどう回答しようかと考えてしまいがちですが、他の候補者の話を聞く協調性があるかも面接官はしっかり見ています。
集団面接では、自分よりも他の候補者が話している時間の方がはるかに多いです。当然、話を聞いている時間も評価に繋がりますので、油断しないようにしましょう。
集団面接で効果的な自己PRの方法について
自己PRを伝えるときには、流れをつくって話すことが大切です。先にエピソードを話してしまうとなかなか結論に辿りつかず、せっかくの強みが伝わりません。
まずは冒頭で結論を述べ、次にその理由と経験を具体的なエピソードで話します。そして最後に、経験したことを企業の仕事でどう活かせるかを伝えられれば、簡潔に印象的な自己PRを伝えられるでしょう。
間違いやすい!自己PRと自己紹介の違い
就活している人や転職活動している人の中には、「自己PR」と「自己紹介」の違いについて、いまいち理解できていない人もいるのではないでしょうか。
「自己PR」とは、自分のもっている強みなどを積極的に伝えることです。企業側に自分の良さを伝えるためのものになります。
一方で自己紹介は「私はこのような人物です」と、自分の人物像について説明することです。
この2つはよく混同されますが、伝える目的が違いますので、違いを理解して使えるようにしておきましょう。
集団面接に対応する自己PRのコツ
集団面接に対応した自己PRは、個人面接のときと大きく変わりません。
基本的に、まずは自分の能力や強みを簡潔に伝え、その強みが発揮された具体例について話します。そして最後に、自分の強みを入社した後にどうやって活かしていくかを伝えましょう。
自分の強みの活かし方は、企業理念と組み合わせると、より面接官の印象に残る自己PRになります。
印象に残る自己PRの書き方は、ライティングスキルを学ぶと身につけることができ、その後の卒論や就活の論文にも応用できるでしょう。
集団面接でよくある困りごとと対処方法
集団面接は、自分以外の候補者も一緒に面接を受けるため、不測の事態が発生する場合があります。そんなときでも事前に対処法を知っておけば、焦らずに回答を続けられるでしょう。
ここからは、起こりうるケースごとに対処法をお伝えします。これがすべて正しいというものではないので、練習していく中であなたに合った対処法を身につけてください。
他の学生と回答が被ってしまった場合
実際に起こりうるケースで候補者がよく焦ってしまうのが、自分の考えていた回答が他の学生とかぶってしまった場合です。この時点で多くの学生は焦ってしまい、しどろもどろな回答をして評価を下げてしまいます。
しかし、学生時代にした経験は、勉強やアルバイト、サークル活動、スポーツなど、大学に通っていれば誰でも経験することです。そのため、かぶりやすくなってしまいます。
企業側もその状況を分かっているため、たとえ回答がかぶるようでも問題はありません。全く同じ回答はありませんので、似たようなエピソードでも、堂々と自分の言葉で発言しましょう。
挙手制のときに手をすぐ上げられない場合
挙手制のときに手をすぐに上げられない場合は、自分の発言する内容をしっかりと確認してから発言することが大切です。
もちろん、先に手を上げて発言ができれば、発言のハードルが下がって大きなプレッシャーを感じずに済みます。また、積極性をみせることで、プラス評価も得られるでしょう。
ただし、面接官は発言のスピードだけでなく内容も重視しています。すぐに手を上げられない場合は、他の参加者が話している間に内容をまとめておき、焦らずに発言するよう心がけましょう。
他の学生の方が経験豊富だった場合
たとえ他の学生の方が経験豊富だったとしても、焦ることはありません。真似をして経験したことのない内容を話しても、評価を得ることは難しいでしょう。
大切なのは、その事実に圧倒されて委縮しないことです。不安な気持ちは態度に出てしまい、面接官にも伝わってしまいます。
たとえ自分のエピソードが他の学生ほど立派なものでなくても、自信をもって発言することがあなたの評価に繋がります。
面接官の急な質問に対応できない場合
面接官は、受け答えしている候補者の状況を見ながら「今の質問について、あなたはどう思いますか?」という質問を、他の候補者に振ってくることがあります。
どんなタイミングで質問が振られても対応できるようにしておく必要がありますので、周囲の話を聞く余裕がもてるように心がけましょう。傾聴姿勢を意識できれば、急に話を振られても困ることはありません。
立派なことを答える必要はありませんが、「わからない」と言うと何も考えていないように見えてしまうので気をつけましょう。
集団面接で自己PRを成功させよう
ここまで集団面接で成功する自己PRの方法について、解説してきました。いかがでしたでしょうか。
たとえ集団面接でも、「自分の強みを具体的なエピソードで伝え、その経験を企業でどう活かすか」という回答の本質は個人面接と変わりません。
面接中は他の候補者がいることで、どうしても自分と比較してしまいがちですが、人は人、自分は自分です。周囲を気にしすぎても良いことはありません。
この記事を参考に、自信をもって集団面接に挑めるようにしましょう。
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