就活をする中で、ほとんどの企業で聞かれることになるのが志望動機です。志望動機では「なぜこの会社なのか」という根拠を伝えることで、説得力があり、熱意をアピールできる志望動機に仕上げられます。
しかし、「その業界に興味がある」というだけで「同業他社と比較してなぜ、と問われると困る」という人もいるでしょう。
そんな方へ向けて「なぜこの会社に入りたいのか」ということが伝わり「本当に第一志望なんだ」という印象を持たせられるコツについて、ここではご紹介していきます。最後には例文なども記載しておきますので、参考にしてください。
- 志望動機で見られている部分
- なぜこの会社なのか企業が聞く理由
- なぜこの会社なのかを深掘りするポイント
- なぜこの会社なのか回答するときの構成
- 会社を選んだ理由を上手く話せなくて困っている人
- なぜこの会社なのか自分でもわかっていない人
- 適当に会社を選んでしまったため、説得力にかける説明になってしまう人
目次[目次を全て表示する]
【なぜこの会社を選んだのか】志望動機ではどこを見られているのか
それでは、まず志望動機では、一体どんなことを見られているかから押さえていきましょう。
志望動機というのは「私は、こういう理由でこの会社に入りたい」ということを書く場所ですが、それと同時に「こういう理由で選んでくれたのであれば、ぜひ一緒に働きたい」と思ってもらうためのプレゼンでもあることを忘れないようにしましょう。
その際、どういう点が特に見られているかについて、大きく3つに分けてここから解説していきます。
- 熱意
- 人柄
- 適性
熱意
まず第一に「この会社じゃなければいけないんだ」という熱量がはかられています。
たとえば特にこれといった熱意がない「なんとなく」で志望している学生の場合、同業他社に内定をもらったことで自社の内定を辞退されてしまったり、せっかくの新人教育にコストをかけて実施しても会社に定着することなく、すぐに離れてしまったりする事態になりやすい実情があるのです。
それは採用側として避けたいところであるため、企業としては自身の会社で定着して働いてくれる人を選ぶ必要が出てきます。
その判断の根拠として、ほかの企業ではなく「ここで働きたい」という熱意があるかどうかを志望動機では、重点的に見られることになるわけです。
人柄
会社とは人と人が共同で何かをする組織です。
したがって、志望者の人柄が企業にあっているかどうかも重要視されるポイントです。
その他の条件が合っていても、社内の雰囲気や人間関係が原因で早期離職しまうこともあります。
そのため、どういった部分に価値観を置いているかなどから人柄をはかられることも多々あるのです。
人柄が合うか合わないかも重要ですが、それ以前に自己を開示しないような内容だと、人柄が判断できないために入社後のミスマッチを懸念されてしまうことにもなります。
就活では自己開示をしっかりすることも、大切な要素です。
木下恵利
会社は人と人同士で働く場所です。そのため、人のマッチングを図るためにもまずは自己開示をして自分を知ってもらいましょう。
適性
企業が求めている人材像と、学生の描いているビジョンや、重要視しているポイントが合っているかどうかも見られています。
「自分は仕事を通してこうなりたいんだ」というビジョンや目的意識があいまいな人材を採用するのは、入社後にミスマッチを起こすリスクが高いため、そういった要素が不採用の要因になることも多くあります。
ただ「働いてみないとわからない」ということもあるのは事実です。
したがって、多少抽象的になってしまうかもしれませんが、企業研究を通して理念や成長戦略など企業が目指す先は、しっかり把握しておきましょう。
木下恵利
就活では人と会社のマッチングも見られています。そのため、企業研究を通して企業が目指す先を把握しておくと良いでしょう。
【なぜこの会社を選んだのか】志望動機で聞かれる理由
ほかの会社ではなく「なぜこの会社なのか」という部分は、志望動機を答えるうえで、非常に重視されるポイントです。
加えて、重視されるということ自体はイメージできる方も多いのではないでしょうか。
そして、その理由をきちんと具体的に理解できれば、より効果的な志望動機を考えられます。
一度、就活生として志望動機を書く側ではなく、採用する側の視点に立って「なぜこの会社なのか」を重視する理由について見ていきましょう。
- あなたの価値観を見るため
- 企業研究をしているか見るため
- 内定承諾してくれるか見るため
あなたの価値観を知るため
あなたがどのような価値観をもっているかや、自社の理念や方針のどういった部分に共感しているのかといった角度から人物像を知ることで、自社の理念や社風などとの相性をはかりたいと採用側は考えています。
価値観の違いは、ときとして交渉やお互いの我慢では埋めきれない食い違いを産んでしまったり、本人だけではなく周囲のモチベーション低下やストレスとして顕在化したりすることもあります。
ほかでもなく「なぜこの会社にしたのか」という部分には、その人の重視している物事が色濃く反映されていると考えられるので、あなたの価値観をはかるために重視されるという側面があるのです。
企業研究をしているか見るため
企業が志望動機を聞く理由の1つは、応募者がどれだけ企業研究をしているかを確認するためです。
「職種」「事業内容」「強み」「理念」など、企業には様々な特徴や情報があり、それらをどれだけ理解しているかは、志望度の高さや真剣さを示す指標となります。
また、競合他社と自社の違いをどの程度理解しているか、そしてその違いを踏まえて自社を選んだ理由を聞くことで、応募者がしっかりと企業分析を行ったかどうかを見極めようとしているのです。
企業にとって、自社のことをよく理解している応募者は「企業の理念やビジョンに共感しており、積極的に貢献してくれる可能性が高い」と判断されます。
そのため、志望動機では、企業のどの部分に魅力を感じているのか、他社との違いをどのように評価しているのかを具体的に述べることが重要です。
こうしたポイントを押さえて志望動機を語ることで、面接官に対して「この人は本気でうちの会社を選んでいる」と感じさせることができ、好印象を与えられます。
内定承諾してくれるか見るため
もう1つの理由として、応募者が内定を承諾してくれる可能性を見極めようとしていることも挙げられます。
採用活動には当然、時間やコスト、リスクが伴います。
特に、内定を出した後に辞退されたり、早期退職されたりしてしまうと、企業にとって非常に大きな損失です。
そのため、企業は志望動機を通じて「なぜこの会社を選んだのか」を詳しく確認し、応募者の志望度の高さを図っています。
志望動機が曖昧だったり、他の企業でも通用するような一般的な理由であったりする場合、企業は「本当にうちの会社を選ぶ気持ちがあるのか?」と不安に思います。
そのため、自分がその企業に入社したい理由を具体的に伝えましょう。
例えば「貴社の○○なビジョンに共感し、自分もその一員として貢献したい」といった明確な動機を示すことで、企業側に安心感を与え、内定承諾の可能性が高いと判断されやすくなるでしょう。
【なぜこの会社を選んだのか】企業選びの視点
「なぜこの会社を選んだか」を考えるにあたって、どのような視点で考えればいいのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
以下では、企業の特長を掴む上で注目すべきポイントについて解説していきます。
悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
- 理念
- 事業内容
- 社風
- 人柄
- 制度や待遇
理念
企業理念とは、企業が最も大切にしている価値観のことを指します。
企業により理念は異なりますから、企業の特長が表れる項目の1つと言えます。
そのため、会社を選んだ理由として「企業理念に惹かれた」と伝えるのは十分な回答と言えます。
企業側も、理念に共感してくれる学生を採用したいと考えているため、なおさらです。
ただし、企業理念に惹かれたことを話す学生は少なくありません。
差別化のために、「具体的にどの部分に惹かれたのか」「理念に共感する根拠(あなたのこれまでの経験や価値観)は何か」などを具体的に伝える必要があります。
具体的に志望動機に理念に対する共感を盛り込む方法はこちらの記事を参考にしてください
事業内容
事業内容とは、企業がおこなっている仕事内容のことを指します。
事業内容に惹かれてその企業を選んだということも、十分な理由にもなり得ます。
ただし、説得力のある説明が求められることに注意しましょう。
「なぜその事業内容に惹かれたのか」「事業を通じて達成したい目標は何か」「その事業になぜ携わりたいと考えているのか」を合わせて伝えることが重要になります。
あなたが大切にしている価値観と合わせて話すことも効果的です。
また、事業内容を会社を選んだ理由として伝える際は、「企業は一つの事業だけ行っているとは限らない」という点に注意しましょう。
例えば、トヨタは、車の製造だけでなく住宅や金融などの事業も行っています。
様々な事業を行っている企業の場合、「事業内容に惹かれた」という理由では説得力が弱く、熱意が少ないという印象を与えてしまう恐れがありますので、企業が納得できるような回答を考えましょう。
社風
社風とは、企業の雰囲気や規則などを指す指標のことを指します。
社風も、企業ごと異なるため、その企業でなければならない理由としては十分と言えるでしょう。
ただし、企業理念と同様、社風を志望動機にする学生は多いです。
そのため、「なぜその社風に惹かれたのか」「その社風に惹かれた根拠(過去の経験やあなたが大切にしている価値観)は何か」を伝えることが、説得力のある回答をする上で重要になります。
具体的に志望動機で社風について書く時のコツはこちらの記事を参考にしてください
人柄
企業により働いている人は異なりますから、社員や取締役の人柄を、その企業でなければならない理由としても良いでしょう。
しかし、社風と同様、社員の人柄を志望動機として話す学生は多いです。
そのため「なぜその人柄に惹かれたのか」などの理由をしっかりと伝える必要があります。
また、人柄だけだと、企業の事業や業務内容に関心がないと思われてしまうため、事業や業務への興味を示すような内容や、熱意をアピールする内容に仕上げることが重要です。
具体的に人柄を志望動機にする方法はこちらの記事を参考にしてください
制度や待遇
あなたが企業を選ぶ際に、待遇や給与を重視するのは問題ありません。
しかし、それを企業に伝えてしまうことはおすすめできません。
制度や待遇を企業を選んだ理由としてしまうと、事業や企業には興味がない、受動的というネガティブな印象を与えてしまいます。
さらに、制度や待遇で企業を選ぶ学生は、他に条件がいい企業があればそちらにいってしまうだろうという印象を与えますので、熱意が低い学生と評価されてしまいます。
企業は新卒に熱意やポテンシャルを求めていますから、求めている人物像は大幅に異なっているという評価を下され、選考に落ちてしまう可能性が非常に高いと言えるでしょう。
企業研究を深く行い、今一度理由を考えてみてくださいね。
【なぜこの会社を選んだのか】深掘りするための4つのポイント
なぜこの会社を選んだのか聞かれても、正直思いつかない…と思う方もいらっしゃると思います。
ですが、その会社を選んだからには何かしらあなたの中で会社に共感する部分があったはずです。
自己分析をしたり様々な業界・会社と比較することで会社に共感した部分が浮き彫りになり、会社を選んだ理由を明確に説明することができるようになります。
ここでは深掘りのポイントについて説明しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 企業選びの軸を考える
- 様々な業界を見てみる
- その会社の特徴をつかむ
- キャリアプランを考える
1.企業選びの軸を考える
就職活動において、企業選びの際に特に譲れない部分にあたるものを、企業選びの軸と呼びます。
「すでに就活を始めているがまだ軸について意識していなかった」という人も、これまでどのように自身が企業を選んできたかを振り返ることで、逆算的に分析できるはずです。
企業選びの詳しい説明については下記の記事にまとめてありますので、一緒に見てみてください。
メリット
企業選びの軸は企業選びの際の基準になるので、効率よく就活を進めることができます。
自分がどういった会社に入りたいのかわからず闇雲に会社の情報を集めたり選考を受けるよりも魅力に感じる会社だけに絞って就活を進めたほうが時間のムダが省けます。
企業を選ぶ基準が明確にあると「なぜこの会社なのか」という問いに対しても一貫した回答ができます。
そして企業選びの軸はあなたの譲れない部分も含まれていますので、入社後のミスマッチを防げる確率が上がります。
企業選びの軸を決めることで選考だけでなく、入社後にもメリットがありますのでぜひ決めてみましょう。
企業選びの軸の考え方
企業選びの軸を考えるには、自己分析を行いましょう。
「仕事を通して何を成し遂げたいのか」「何にやりがいを感じるのか」「仕事とプライベートどちらを優先したいか」などを考えることで、どういった会社があなたに合うのかがわかります。
そのためには自分史をはじめとした自己分析を行い、あなたの価値観を明確にしてみましょう。
また1人で自分を知るのには限界があるため、他己分析をすることもおすすめします。
自分では気づかなかった価値観や強みを見つけることができますので、ぜひやってみてください。
自己分析や他己分析の詳しいやりかたについては下記の記事を参考にしてみてください。
2.さまざまな業界を見てみる
早いうちから1つの業界に絞るのではなく、さまざまな業界のことについて調べてみることも必要です。
その業界がやっていることやそこの業界に行くとできること、それと自分のやりたいことを一つひとつ照らし合わせていくことで、それぞれの特徴が浮き彫りになってきます。
そうやって多くの業界を見たうえで志望度が高いところを絞っていき、そのあとで企業をチェックするようにしましょう。
まずは広く知るところから始めるのをおすすめします。
3.その会社の特長をつかむ
いきなり自分の志望動機を考えるところから入らず、まずはその会社の特徴をつかむところからスタートしてみましょう。
会社のHPなどに掲載されている基本的な公開報はもちろんですが、インターンやOB/OG訪問で得た情報も整理し、その会社の強みや社風といった強みになるであろう部分を押さえていきます。
そういった情報をもとにして、自信がしたいことやできることが、実際にその会社で成せるのかを整理する必要があります。
競合との比較がおすすめ
1つの企業そのものだけを見て情報をまとめても、他社と比較した際の特色や強みを見つけることは非常に難しいです。
競合する他社と比較をしていくことで、それぞれの違いや共通点が始めてわかってきます。
その過程を経て、その企業が業界内においてどのような特色や強みを持っているのかがはっきりとしてきます。
そうすることでより具体的にその企業の特徴をつかむことができ「なぜこの会社なのか」について言及した際、説得力が出てくるでしょう。
4.キャリアプランを考える
実際にその会社に入社したあと、自分がどのようなキャリアを歩んでいきたいかを考えることも必要です。
前提として企業研究や自己分析は必須であり、入社後のことを具体的にシミュレーションをしていることで、志望度の高さを印象づけられます。
実際にどのようなキャリアを歩むことができるかについては、会社のHPやナビサイトを活用してどう成長していけるのかを調べたり、OB/OG訪問でキャリアについて直接質問してみたりするのも良いでしょう。
キャリアプランや将来のビジョンの考え方や作り方はこちらの記事を参考にしてください
【なぜこの会社を選んだのか】NG解答例4選
志望動機において「なぜこの会社なのか」は特に重要視される部分です。
しかし、必ずしも自分視点での動機を書けばそれで良いわけではありません。
企業にとって、望ましい人材であるという印象を与えられるかどうかが大事になってきます。
どういったことに注意を払うかや、より良い志望動機の考え方について前項までは解説してきました。
それに加えて、ここでは逆に悪い印象を与えてしまうであろう、NG解答例の紹介をしていきましょう。
- 給与が高い・福利厚生が充実している
- 自分主体になっている
- その企業でできないことを話す
- 企業選びの軸との一貫性がない
1.給与が高い・福利厚生が充実している
その企業の業務や理念などではなく、待遇を中心にした解答は避けるべきです。
仕事内容に興味がない、また積極性や熱意も低いと捉えられることにつながり、非常に悪い印象を与えます。
また、給与や待遇のより良い競合他社があった場合内、定辞退や早期退職も考えられるため、そのリスクを避けるために採用を見送られることもあります。
実際に給与や待遇が良く、それが自身にとって大きな動機であったとしても、それを伝えることは採用の動機にはなり得ないため気をつけましょう。
2.自分主体になっている
志望動機で「成長したいから」といった自分主体の理由はNGです。
企業側は自社に貢献してくれる人材を探しているのであって、企業から何か与えてほしいと考えている人物は求めていません。
そのため「成長したいから」といった会社頼みの志望動機を述べてしまうと企業に悪印象を与えてしまいます。
志望動機を話す際は、自分が企業にいかに貢献できるかを伝えるようにしましょう。
3.その企業でできないことを話す
その企業でできないことを話すことは致命的なミスであり、意識していないとやってしまいがちなポイントでもあります。
たとえば、海外進出はまったく視野に入れず、地域密着型で事業をこれからも進めていこうとしている会社に対して「語学力を活かした海外への商品展開をしたい」というアピールしてしまった場合のことを考えてみましょう。
現在の会社が行っている事業への熱意の低さや、企業研究をまったくできていないことが相手へ明確に伝わります。
一見、どの企業においても強みになりそうだという理由で語学力のアピールをしても、このように大きなミスマッチを産んでしまう場合があるため気をつけましょう。
4.企業選びの軸との一貫性がない
面接では企業選びの軸について質問されることがありますが、その際に志望動機との乖離が激しいのはNGです。
基本的に企業選びの軸があっての志望動機のため、論理に一貫性がないと説得力にかけてしまいます。
また選考では「一貫性」が重要であるため、企業選びの軸から外れた嘘の志望動機は言わないようにしましょう。
企業選びの軸と志望動機に一貫性がないと面接官が違和感を覚えてしまい、印象が悪くなってしまうおそれがあります。
企業選びの軸と志望動機の違いについては下記の記事を参考にしてみてください。
【なぜこの会社を選んだのか】志望動機で答えるときの構成
ここでは「なぜこの会社なのか」について述べるときに、押さえておくべき構成についてお話しします。
仮にあなたには熱意があり、企業研究もしっかりしておりきちんとした「ここで働きたい」という意志があったとしても、それを伝えられなければ意味がありません。
「なぜこの会社なのか」を伝えるために、どういう構成で話したら良いのか、また各セクションにはどのような内容が適しているのかを3つに分けて解説していきましょう。
- 結論
- 根拠
- どう貢献するか
結論
まず端的に結論を述べましょう。
それによって以降の話はすべてその結論へ向かって進むことになり、わかりやすく、また説得力があるように感じます。
端的に、という部分もとても大切です。
結論部分にさまざまな説明や補足事項が含まれてしまうと「何が言いたいのか」があいまいになり、採用側は結論部分を探しながら話を追う必要が出てきます。
その結果、こちらの意図した内容が伝わらない可能性があるため、冒頭は端的にまとめるよう心がけましょう。
根拠
なぜ前項の結論に至ったのかという経緯をここで説明していきましょう。
自身の経験や持っているスキルについてや、その会社がもっている他社にない強みや社風について触れながら、結論に対して補足する形で「なぜこの会社なのか」という理由を肉付けしていきます。
ここで大切なのは、ただ事実を並べるだけではなく、結論に結びつくような根拠を示すことです。
ロジックにゆがみがないかどうかをしっかり確認しながら、このセクションを固めていきましょう。
他社との比較
志望動機について話す際には、他社との比較についても話さなければなりません。
特に競合他社が多く、業務内容なども似ている企業が多い場合は、なぜその企業に入りたいと考えているのか分かりやすく説明しましょう。
また、他社との比較は業界研究・企業研究をしっかり行っているアピールにもつながる話です。
様々な業界や企業について調べた上で、その企業に入りたいと志望しているということは、「長く働く意思がある」という意味でもあり、早期離職をしにくい人材であると企業から高く評価されるでしょう。
どう貢献できるか
最後には必ず、入社後はあなたがどう会社に貢献できるのかについて述べましょう。
会社にとって自身を採用するとメリットになることがアピールできれば、採用に間違いなく近づけます。
「なぜこの会社なのか」という問いかけに対して考えるとき、この項目が抜け落ちてしまうことは多々あります。
就活の軸や最初に述べた結論と関連付けながら「この会社に入社したら自分はこのように貢献できる」という角度からの志望動機を用意し「会社が自分を選ぶ理由」をしっかり作っていきましょう。
【なぜこの会社を選んだのか】聞かれるタイミング
「なぜこの会社を選んだのか?」という質問は、面接だけでなくESでも頻繁に聞かれる重要な質問です。
この質問は応募者がどれだけ企業に対して深い理解を持ち、真剣に志望しているかを測るためのものです。
そのため、選考を受ける前に、応募する企業の志望動機についてしっかりと考え、具体的に答えられる準備をしておきましょう。
ESで志望動機を記載する際は、自分の価値観や経験が企業の理念や事業内容にどう結びついているかをわかりやすく示すことがポイントです。
面接でも同様の質問をされることが多いため、一貫性を持たせて同じ内容を話すようにしましょう。
もしESと面接で異なる内容を話してしまうと、面接官に「考えがぶれている」「信念が弱い」と判断され、評価を下げる可能性があります。
【なぜこの会社を選んだのか】志望動機の例文5選
「考え方はわかったから実際に書こうと思ったけれど、いざやってみるとどう書いたら良いかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
そういった方のために、2つのケースについて想定した例文を用意いたしました。
就活の軸や自身がまとめた企業研究の情報などをまとめたうえで、この例文を活用しながらまずは書いてみると良いでしょう。
また、例文の要素を抜き出してここまでに記載したポイントなどと照らし合わせながら、ぜひ復習にもご活用ください。
例文①:社風に惹かれた
貴社の「仕事自体を楽しみながらやる」という社風に惹かれて志望いたしました。
私はお客様となる方一人ひとりと向き合いながら、その笑顔が増やせるようなイベントを企画していく仕事がしたいと常々考えていました。
貴社の説明会でうかがった「まずは自分が仕事を楽しみ、それを伝播させる形でファンを巻き込んでいく」という考え方の中であれば、そういったイベントを通じて、世の中に笑顔を増やしていけると考え、第一志望としております。
仮に入社できた際は学生時代にライブハウスでアルバイトしていた経験を活かし、お客様の視点に寄り添いながら生の声を拾い上げ、よりファンの需要にフィットしたイベントの企画や演出を担当し、満足度を上げていけると考えております。
例文②:技術に惹かれた
貴社がARの分野で開発したPerceptual superpowersという技術に惹かれて志望いたしました。
Perceptual superpowersは拡張現実ヘッドセットを開発していく中で産まれ、視覚情報をもとに音情報の分析からノイズを軽減し、音声を再構成して装着者に伝えるという技術です。
これは、人間の耳と脳が持っている音情報の指向性を拡張現実の技術で再現する唯一の技術であり、AIを活用したウェアラブルデバイスによって聴覚を拡張できるという画期的なものだと思います。
この技術のリアルタイムに柔軟な調整を行うことができるという特徴は、難聴で苦しむ方一人ひとりに合わせ状況に合わせた補正ができるという、従来の補聴器にはない特性です。
この技術をより発展して実用化に近づければ、多くの方の日常生活を改善できると考えております。
VRアトラクションの開発に携わっていた経験と、難聴に悩む家族と生活してきた知見を活かし、より実際の現場に即した観点から開発に貢献できると感じ、第一志望とさせていただいております。
例文③:人に惹かれた
私は貴社の社員の意識の高さに惹かれ、 志望いたしました。
私は就職活動の軸として自己成長を掲げています。
貴社のインターンシップや会社説明会への参加を通じ、社員の方々が明確な目標をもって働いている姿に感銘を受けました。
私は、高校時代のサッカー部の経験から、明確な目標を立て、そのために努力することの大切さを学びました。
以上の理由から、常に目標を持ち、達成するために切磋琢磨する貴社の社員の方々に強く惹かれました。
入社後は、貴社の一員として、目標の達成のために努力し続け、貢献できるよう努めて参ります。
例文④:事業内容に惹かれた
私は、IT技術を活用し、医療サービスを充実させるという貴社の事業内容に惹かれ、志望いたしました。
私は小学生の頃、祖父の体調が急変し、心臓病でなくなってしまいました。
現在はIT技術が進歩し、医療現場でも様々なIT技術が活用されています。
IT技術があれば、祖父の命を救えたのではないかと考え、IT技術と医療を掛け合わせたサービスに興味を持ち始めました。
貴社の扱う、患者の体調を自動で記録するというシステムは、多くの体調が急変しやすい患者の健康をサポートしています。
1人でも多くの人々の健康を支えるため、貴社のサービスを広められるよう努力して参ります。
例文⑤:企業の理念に共感した
私は貴社の「取引先との利益の共存」という理念に共感しています。
インターンにおいて営業を行うにあたり、自社の利益を追求するだけでなく、取引先の利益も追求することで長期にわたる関係を築けると学びました。
特に貴社は業界NO.1の業績を誇っているだけでなく、その利益を独占せず、取引先の企業との共存を図っている点に大きな魅力を感じました。
貴社に入社できた暁には、取引先の担当者の方一人ひとりとの関係を大切にし、良好な関係を築き続けることで、長期にわたる契約を勝ち取りたいと考えています。
【なぜこの会社を選んだのか】就活エージェントを活用しよう
さまざまなポイントやコツを押さえていても、実際に取り組んでみると意外と深掘りできていなかったり、違う企業を想定して書いた志望動機が似通ってしまっていたりするため、自分1人で内容を詰め切るのは難しいこともあります。
また、面接に臨んだときには思いがけない質問が飛んできて、慌ててしまうことも多くあります。
周りの就活生や先輩などに話を聞いてみても、やはり1人が体験したことだけにもとづいた話だけでは、自分にマッチした教訓にならないこともあるかもしれません。
そんなときは、志望動機のブラッシュアップや面接対策もしてくれる就活エージェントの活用がおすすめです。
特に、登録者の内定率が95%で年間1000人以上の就活生をサポートしている実績のある就活市場エージェントがおすすめです。
無料でアカウント登録できるので、ぜひご活用ください。
まとめ
志望動機の中でも特に重要性が高い「なぜこの会社なのか」を伝える方法について解説いたしました。
自分の就活の軸をしっかりとふまえ、しっかりと深掘りしていくことで、一貫した志望動機は誰でも書けるようになります。
この記事を参考にしながらぜひじっくりと取り組んでみてください。 もし1人で取り組むのに詰まってしまったときは、就活市場エージェントなどを上手に活用して、自分の志望する企業の内定を獲得していきましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
木下恵利
志望動機では他の会社ではなく、「ここで働きたい」という意欲を示すことが重要となります。そのため、熱意は必ず入れましょう。