はじめに
書類に書く志望動機の中でも、最後の締めの部分は特に重要です。
中学時代の校長先生の話など「途中何を言っているのかわからなくても、最後の言葉だけは印象に残っている」といった経験のある方は多いでしょう。
それは志望動機の文章であっても同じです。
一般的に、人は締めくくりの部分が強く印象に残りやすいため、締めをしっかり書くことで通過率を上げられます。
ここでは、志望動機における締めの上手な書き方をご紹介します。
【志望動機の最後の締め方】志望動機に含める内容
志望動機の最後の締め方を考える前に、まずは、志望動機に含めるべき内容をしっかり整理しておくことが重要です。
志望動機として何を伝えたいかが自分の中でまとまっていれば、締め方も自然と考えやすくなるはずです。
言い換えると、志望動機が定まっていないと締めもだらしなくなってしまいます。
書類ではさまざまなことをアピールしたくなりがちですが、基本的には以下の2点を中心として、書くべき内容が多くなりすぎないようにまとめましょう。
志望理由
動機とは、その出来事を起こすきっかけとなった原因、すなわち理由のことを意味します。
つまり志望動機とは、その企業を志望する理由であると捉えられるでしょう。
あなたがなぜその企業を選ぶのか、なぜ働きたいと思っているのかを、採用担当者は見ています。
明確な理由が記述できないことには、良い印象を持ってもらえません。
また「家が近いから」「待遇が良いから」といった、自分中心の志望理由も避けるべきです。
数ある企業の中でも、その企業でなければならない理由を探し、わかりやすく書くことが重要です。
志望する根拠
志望理由とあわせて、その根拠を伝えることも重要です。
いくつか理由がある中でも、何が志望する決め手になったのかを書きましょう。
その際、あなたの過去の経験や、就活の軸をもとに述べると、説得力が増します。
簡単な例をあげると「その企業の店舗に行ったときに気持ち良い接客を受けたから」などです。
あるいは「大学で学んだ専門分野のスキルを活かせる企業で働きたいから」といった気持ちを伝えるのも効果的です。
その企業を志望するに至った、前向きな根拠を記しましょう。
【志望動機の最後の締め方】志望動機は最後の締めが重要
志望動機としていろいろ伝えたいことはあると思いますが、最後の締めは強く印象に残りやすいため、特にしっかりと考えた文章にする必要があります。
どんな締めにすれば良いか迷った場合、効果的なのは、あなたが企業に一番伝えたいことを最後にもってくる方法です。
ここで採用担当者の心に響かせることができれば、ぐっと好印象を抱いてもらえるでしょう。
締めは力強く、あなたの本音が感じられる言葉でアピールすることが重要です。
【志望動機の最後の締め方】志望動機の締め方のポイント
流れとしては、志望動機→志望する根拠、そのあとに最後の締めが来ます。
ここぞという大事な場面ですが、それだからこそ、何を書けば良いかわからず悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。
そこで、失敗したくない方は、よくあるパターンを利用するのがおすすめです。
具体的なパターンは、どう貢献したいか・熱意の強さ・企業との適性を示す形式です。
これらをアピールすることで、誠実な印象を持ってもらえる最後の締めになります。
どう貢献したいかを述べる
一番おすすめの締め方は、企業に対して自分がどう貢献したいかを述べることです。
志望動機を話す際には、どうしてもあなたのやりたいことにフォーカスしがちです。
それももちろん重要なことですが、企業は職場で活躍できる人材を求めています。
そのため、あなたが企業内でどのような貢献ができそうかを述べることで、人事はあなたの活躍する姿を想像しやすくなるのです。
こうして具体的なイメージが湧くと、選考を通過できる可能性も高まります。
しかし、あまり難しく考える必要はありません。
能力の高さをアピールするよりは、「多くの人を笑顔にするため、お客様に寄り添った接客を心掛け、貴社の顧客満足度を維持したいと考えております」というように、素直なあなたの気持ちを書きましょう。
熱意をアピールする
また、企業は就活生の熱意を重視します。
なぜなら、熱意のある人材は仕事をどんどん吸収し、成長していくからです。
最初は即戦力にならない社員でも、熱意という伸びしろがあれば、いずれ企業にとって大きく役立ちます。
そこで、成長意欲があることや、働く目的を明確に持っていることをアピールしましょう。
就活をするうえでやる気が重要なのは当然ですが、その点においてライバルと差をつけられれば、人事の印象にも強く残ります。
今は仮に誇れるスキルがなかったとしても、たとえば「入社した暁には、営業のプロフェッショナルになるべく、さまざまな知識を吸収し、実践を繰り返していきたいと考えております」など、前向きな姿勢を見てもらうよう心掛けましょう。
企業との適性をアピールする
あなたが特にその企業へ思い入れがあるのであれば、企業との適性をアピールするのも効果的です。
企業に貢献する姿勢や、熱意を伝えるのももちろん大切ですが、どうしてもその企業でなければいけない理由がある方は、ぜひそれをアピールしましょう。
なぜなら、あなたにとってその企業が特別なら、企業にとってもあなたが自然と特別な存在になりやすいからです。
企業の特徴に絡めて、自分に適性がある根拠を述べると良いでしょう。
「以上から、私の人々を喜ばせたいという軸が、貴社の○○という方針に合致していることから、貴社で働きたいと考えております」など、企業についてしっかり理解していることもアピールすると強力です。
【志望動機の最後の締め方】好印象を残す志望動機の例文
それでは、志望動機の具体的な例文を見てみましょう。
志望動機のおすすめの構成は、結論→根拠→結論のように、理由をサンドイッチにする方法です。
間を置いて結論を2回書くことで、伝えたいことを相手に強く印象づけられる方法です。
この際、最初の結論は志望理由、根拠は志望するに至った経緯、最後の結論は締めの言葉として考えることができます。
以下に職種別の例文を紹介していくので、ぜひ参考にして、志望動機を書いてみてください。
営業志望
私は、常に顧客へ寄り添う提案を行っている貴社の営業職を志望します。
これまで携わってきた販売のアルバイトで、私はお客様に最適な商品を提案するよう心掛けて働いてきました。
なぜなら、お客様の笑顔を見られることが、私にとっての大きなやりがいであり、心の支えだったからです。
そして、私はこの経験をアルバイトだけで終わらせることなく、よりたくさんのお客様の笑顔を見るための糧として役立てたいと強く感じるようになりました。
顧客を大切にされている貴社では、私はそのような提案スタイルを続けることが可能だと思いました。
仕事の際には丁寧な提案を心掛け、貴社の売り上げアップと顧客満足度の向上に努めさせていただきたいです。
SE志望
私は、高度なIT技術を陰から支える貴社のSE職を志望します。
きっかけは1年前、貴社の〇〇というサービスを利用させていただいたことにより、それまでの生活が一変したことです。
そして、サービスを継続して利用するうちに、その基盤となっている貴社の技術力に魅力を強く感じるようになりました。
現在では、私も貴社独自の技術を活かして、さまざまなクライアントの要望に応えたいと思っております。
そのうえで、たとえ難しい課題に直面したとしても、挑戦することは、大変大きなやりがいになると信じています。
コードを書く際にとことん効率を追求する、私の几帳面な性格を貴社で活かして、利益に貢献できるよう日々努力を重ねていく所存です。
【志望動機の最後の締め方】志望動機の締め方の注意点
志望動機の締めを書く際に、注意しなければならないことがあります。
それは、誠実さと同時に積極性がアピールできる言葉選びをすることです。
耳障りのいい言葉ばかりを並べても、そこに説得力がなければ良いアピールにはなりませんし、逃げているような印象を与えてしまいます。
しかし反対に、自分にできるかどうかわからないことを「できる」と断言するのも無責任です。
そこで、以下のポイントに気をつけて志望動機を考えましょう。
積極的な姿勢を示す
志望動機を締めくくるときには、積極的な姿勢を示すことが大切です。
「〜していくつもりです」「〜だと思います」など、あいまいな表現は熱意に欠けると捉えられます。
そのため、そのような言い方は避けて「〜していきたいです」「〜に挑戦したいです」など、強い意志があることをしっかりアピールしましょう。
自分の意志に対して責任のある表現をすることで、あなたのやる気も人事に伝わります。
スキルに自信がない方でも、熱意だけはしっかり自信をもって言葉にしましょう。
具体的に書く
また、入社後の自分の姿やアピールポイントは、具体的に説明しましょう。
「入社後は一生懸命頑張ります」「積極的に貴社に貢献します」といった言い回しは、一見前向きで力強く思えますが、具体的に何をしようとしているのかが見えません。
「何を頑張るのか」「どのように企業に貢献するのか」など、主語を意識することが重要です。
それがないと、人事の印象に残りませんし、ライバルの中でも埋もれてしまいます。
必ず、自分ならではの考えを具体的に述べましょう。
誇張しない
積極性や具体性が大切である一方で、自分の考えを誠実に伝えることも意識しましょう。
たとえば「すべてのお客様を笑顔にします」「必ず売り上げを伸ばします」といった言葉は、頼もしさよりも不信感を与えます。
なぜなら、実現できるかどうかわからないことまで断言するのは不誠実だからです。
また、自信過剰なイメージももたれてしまうため、その点でも逆効果だと言えます。
「すべての」「必ず」などの誇張表現は避け、あくまでも実現可能な目標や姿勢を言葉にしましょう。
まとめ
志望動機は、企業とあなたがどう関わっていくかを人事に知ってもらうための大切な文章です。
限られたスペースで簡潔に述べなければいけない一方で、自分が企業についてどう思っているか、どう働きたいかを具体的にイメージしてもらう必要があります。
なかでも、強く印象に残る最後の締めの言葉は特に重要であるため、しっかり準備しなければなりません。
ライバルよりも好印象をもってもらい、選考を通過するためにも、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考にしてみてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート