はじめに
長期インターンは、実際に社会人と一緒に働くことで多くのことを学べ、就職活動でも有利になる可能性があるため、参加を希望する学生が増えています。
しかし、ただ漫然と参加しているだけでは、せっかくのチャンスを無駄にすることにもなりかねません。
長期インターンでより多くのことを吸収し、有意義な経験とするには、自分なりの明確な目標をもって参加することが大切です。
そこで今回は、長期インターンに参加するときの目標について、そのメリットや設定のコツについて解説します。
長期インターンとは
長期インターンシップとは、給与をもらいながら、半年間ほどの長期間、実際のビジネスの現場で就業することです。
数日で終了する短期インターンと違い、ビジネスに対する理解がより深まり、就職後に必要となるビジネススキルを獲得できるという特徴があります。
仕事内容も社員とほとんど変わらないので、その業界についての知識が深まるうえに、自分の本当にやりたかったことが見つかるかもしれません。
そして、長期インターンへの参加経験は、のちの就職活動でも役に立つでしょう。
長期インターンで得られるもの
長期インターンに参加することで得られるものはたくさんあり、毎日が学びの連続となることでしょう。
もちろん、長期インターンの間、サークル活動やアルバイトなどのほかの活動は、少し制限しなければならないかもしれません。
しかし、ほかの大学生は経験していないことを経験できるのは、長期インターンならではの大きな魅力ではないでしょうか。
長期インターンで学んだことは、就職活動でも大いに役立つはずです。
以下に、長期インターンで得られるものをご紹介します。
仕事の適性
長期インターンに参加すれば、仕事の適性がわかります。
実際のビジネス現場で働くことにより、何が自分に向いているのか、そして向いていないのかがわかるようになるのです。
仕事の適性がわかっていれば、就職活動の際にも面接を受ける企業の選択に役立ちます。
これがわかっていないと、自分には向いていない業界や企業に就職してしまうかもしれません。
就職後、ミスマッチによる早期退職という結果になってしまうおそれもあるのです。
しかし、長期インターンに参加しておけば、そういった可能性は低くなり、自分に合った企業に就職できるチャンスが広がります。
まだ「どういう業界に興味があるのかがわからない」「行きたい業界があっても適性があるのかが不安だ」という方は、ぜひ参加してみてください。
ガクチカ
学生時代に力を入れたこと通称「ガクチカ」は、就職活動の面接では定番の質問です。
長期インターンに参加していれば、この質問をされたときも自信をもって答えられます。
ガクチカは毎年多くの学生が答えに悩む質問であり、答える内容もアルバイトなどの普遍的なものになりがちです。
しかし、長期インターンに参加しておけば、ほかの学生には真似のできない経験ができます。
「働くということでは、アルバイトも同じだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、まったく違います。
社員と同じ働き方をする長期インターンとアルバイトでは、任される仕事の内容や責任の重さが異なり、経験できることの幅も桁違いなのです。
臆することなく堂々と答えられ、面接官の印象にも残りやすいのではないでしょうか。
業界や企業研究の理解
長期インターンで実際の現場に身を置くことで、業界や企業についての知識を得られてくわしくなれます。
働いているだけで、就職活動において重要な企業研究や業界研究にもなるのです。
志望する企業や業界に関する詳細な知識があれば、自分が就職活動を行う際は大きなメリットとなります。
知識が深ければ深いほど、就職活動を有利に進めていくことが可能になるでしょう。
就職活動では、その企業や業界についてしっかり研究し、自分なりの意見をもっていないと、答えられないような質問をされることもあります。
業界や企業の将来性や抱えている問題点の解決策などは、しっかり研究できていないと答えられません。
しかし、長期インターンに参加しておけば、そのような質問にもしっかりと答えられるはずです。
ビジネスマナー
長期インターンに参加して働いているうちに、業務に必要なマナーを身につけられます。
先輩社員と一緒に行動する中で、学生にはあまり縁がないであろう名刺交換などを経験することもあるでしょう。
以前、電話対応を苦手としている若者が増えているとニュースになっていましたが、長期インターンでは電話応対をする機会もあるかもしれません。
学生同士の付き合いにもマナーはありますが、社会人同士のマナーはそれとはまったく違います。
さまざまな背景をもっている人たちと関わるため、学生同士のようなノリは通用しません。
そして、基本的なビジネスマナーが身についていれば、それだけ早く一人前の社会人として通用するようになるため、採用する側にもメリットがあるのです。
ビジネススキル
業種によっては、専門的なスキルを必要とするものもあります。
長期インターンに参加すれば、そのようなビジネススキルを身につけることも可能です。
たとえば、営業のインターンであれば、顧客側のニーズをヒアリングする力や、そのニーズに対して自社製品やサービスを提案する力がつきます。
資料の作成などの手伝いをするだけでも、Office系ツールに関するスキルも伸ばせるでしょう。
エンジニアを志望している場合は、長期インターンでより実践的なコーディングを学ぶことも可能です。
以上のように、自分が働きたい業種に必要なスキルを実際の現場で経験できるため、就職活動でも有利になることは間違いないでしょう。
もちろん、入社後も同期を一歩リードできるはずです。
長期インターンの目標をもつメリット
長期インターンにはさまざまなメリットもありますが、明確な目標をもって臨まなければ、その効果もあまり発揮されないでしょう。
目的意識をもって参加してこそ、長期インターンの意味があるのです。
はっきりとした目標をもった参加希望者のほうが、採用する側としても気持ちよく採用できます。
また、実際に参加した際も高いモチベーションをもち続けられるはずです。
学びたいことや身につけたいことなどの目標を明確にしたうえで、参加しましょう。
採用面接で合格しやすくなる
長期インターンの目標をもつメリットの1つが、採用面接に合格しやすくなることです。
明確な目標をもっていれば、それだけ長期インターンシップ生として採用されやすくなります。
長期インターンの採用面接において、企業が目標について質問する理由は、優秀な学生を採用するためだけではありません。
できるだけ自社への志望度が高く、プログラムの内容に興味や関心がある学生を採用するためなのです。
そこで、長期インターンへの目標が明確であることを伝えられれば、面接官への印象が良く、採用面接を突破できる可能性が高まるでしょう。
また、企業側には、なるべく志望度が高い学生を採用したいという希望もあるため、長期インターンでの目標をもっている方のほうが有利です。
有意義な経験が得られる
有意義な経験が得られることも、目標をもって長期インターンに参加することもメリットです。
なんの目標ももたずに指示された業務をただこなしているだけでは、わざわざ参加した長期インターンも役に立ちません。
長期インターンは、アルバイトと違ってさまざまな業務をこなしていく必要があり、企画段階からプロジェクトに参加することもあります。
自分で考えて行動しなければならない場面や、学生の視点からの意見を求められることもあり、目標がなければついていけないかもしれません。
しかし、目標をはっきりともっていれば、それに向かってどんなことにでも精力的に取り組めます。
そうすれば成果にもつながりやすく、有意義な経験となるでしょう。
参加にあたっては、目標をはっきり設定しましょう。
長期インターンの目標設定のコツ
長期インターンには目標をもって参加すべきなのですが、その目標はどのように設定すれば良いのでしょうか。
参加をすでにご検討中の方でも、すぐには考えつかない方もいらっしゃるかもしれません。
また、ようやく目標が設定できても、それがうまく面接官に伝わらない、または具体性に欠け実現が不可能であれば意味がないのです。
また、その目標を達成するために、多数の企業がある中どうしてその企業を選んだのかについても、説明できるようにしておく必要もあるでしょう。
①自分のやりたいことを明確にする
まずは、長期インターンを通して自分がやりたいことを、明確にする必要があります。
自分のやりたいことがわからない方は、まずはご自分が長期インターンに求めるものを考えてみましょう。
今後の自分のキャリアを考えたとき、長期インターンで何をしておくべきなのか考えてみるのです。
このとき、就職活動を前提に考えてみると、長期インターンに自分の求めるものがわかりやすくなって良いでしょう。
のちの就職活動を有利に進めていくためには、どのような知識やスキルが必要なのか、それはどのようにして獲得できるのか考えることが、長期インターンの目標にもつながってきます。
そして、業務内容だけでなく、ビジネスマナーを学ぶチャンスでもあることにも、目を向けてみてください。
②その企業を選んだ理由について書く
目標を設定することは、自分のやりたいことをはっきりさせるだけではなく、その企業を選んだ理由について、明確にすることでもあります。
長期インターンを開催している企業はたくさんあり、実際に参加するときも、いくつかの企業から候補を絞って採用選考を受けることになるでしょう。
そのときは、なぜ多くの企業の中からその企業を選んだのか、具体的に書きましょう。
採用担当者に「それならどこの会社でも良いのでは」と、思われないようにするためです。
企業研究をしっかり行い、そこでしか達成できない目標を設定することは、企業への自己PRになります。
企業研究が行われていればいるほど、その企業への志望度が高いということになるからです。
企業に志望度の高さをアピールしましょう。
③最終的なビジョンをはっきりさせる
長期インターンへ参加する前に、最終的なビジョンをはっきりさせておく必要があります。
長期インターンは、参加すればそれで終わりではなく、そのあとの就職活動にも深く関わっていくものです。
したがって、参加したあとのことも同時に考えておかなければなりません。
自分をどのように成長させたいのか、長期インターンが終わったあと、どのような自分になっていたいのかを考えるのです。
終了までに身につけておきたいビジネススキルについて、検討してみても良いでしょう。
ゴールを定めることで、意欲的にプログラムに取り組みやすくなります。
特に就職後のキャリアプランがすでに決まっている方は、それを実現するために長期インターンで何をすべきなのか考えてみてください。
長期インターンの目標の例文
私が貴社の長期インターンに応募したのは、数字について解析するスキルを伸ばしたいと考えたからです。
私は、これまでもアルバイト先で新しいメニュー企画に携わっていました。
店で一番ヒットしたメニューの企画も担当し、そのとき痛感したのが、お客様の声を聞いて、それを形にするのは本当に難しいということです。
しかし、その経験からマーケティングに興味をもち、これまでにも経済学や心理学を自主的に学んできました。
貴社は、SNSの黎明期からアカウントを開設するなど、常に消費者動向を探るための努力を続けていらっしゃいます。
そのような活発な企業風土の中で、リサーチ結果について解析するスキルを身につけ、少しでも貴社に貢献できるように鋭意努力する所存です。
まとめ
長期インターンは、仕事の適性を見極めたり、就職後に必要となるビジネススキルやビジネスマナーを身につけたりする場です。
のちに始まる就職活動や、就職したあとでも十分役立つ経験を積めるでしょう。
しかし、目標を明確に設定していなければ、思ったような結果を得られないおそれもあります。
目標をはっきりさせるためには、自分のやりたいことは何か、どうしてその企業で長期インターンに参加することにしたのか、考えてみましょう。
また、最終的なビジョンも目標設定においては重要です。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート