はじめに
企業に好印象を与える方法は、面接で良い結果を出すことだけではありません。
挨拶や電話応対など、社員と接するあらゆるシーンで相手に好印象を与えられるチャンスがあります。
直接会わずに企業に入りたい熱意を伝える方法が、メールやお礼状です。
1dayインターンに参加したときは、どのようなお礼状を送れば良いのでしょうか。
この記事では、1dayインターンのお礼状の書き方をわかりやすく紹介します。
これからインターンに参加する方は、ぜひ参考にしてみてください。
【1dayインターンのお礼状】お礼状とは
お礼状は、インターンに参加したあとに感謝の気持ちを伝える手紙です。
すべての学生が、インターン後にお礼状を出しているわけではありません。
そのため、お礼状を出すか出さないかで、ほかの就活生と差をつけられるチャンスです。
しかし、ただお礼状を送るだけではあまり良い評価につながりません。
ビジネスマナー・ルールにもとづいたお礼状を送って、はじめて相手に誠意や感謝の気持ちが伝わります。
事前にお礼状の書き方をしっかり予習しておきましょう。
お礼メールとの違い
お礼状とお礼メールに趣旨の違いはなく、どちらを送っても相手に感謝の気持ちは伝わります。
ただし歴史ある企業を志望しているなら、ぜひ手書きのお礼状にチャレンジしてみましょう。
伝統を重んじる社風の企業では、手書きのほうが熱意を感じやすい経営者もいらっしゃいます。
一方、IT企業・ベンチャー企業だと合理性重視の考え方を取る経営者が多いです。
時間をかけてお礼状を書く学生よりメールで用件を伝える学生のほうが、論理的・合理的で優秀な方と考える可能性があります。
【1dayインターンのお礼状】お礼状を書くメリット
1dayインターン後にお礼状を書くメリットについて3点紹介します。
インターンを受けてみて、その企業で実際に働いて見たくなった方はぜひお礼状を出しましょう。
就職活動では、特に面接後半(役員や社長が出てくる面接)で熱意や志望度が高い学生を高く評価する企業が多いです。
インターンの担当者と採用担当者が同じだったり、もしくは近い部署で働いている方だったりすることは多々あります。
本格的に就活が始まる前からお礼状を出しておけば、採用担当の方に熱意が本物であることを伝えられるでしょう。
熱意をアピールできる
中途採用の転職活動では、何よりもこれまで働いてきた実績やスキルが第一に評価されます。
しかしほとんどの新卒の方は、これまでアルバイト以外で企業に所属して働いたことがなく、ポテンシャルと熱意がチェックされるポイントです。
お礼状で学生のポテンシャルを伝えることはできませんが、熱意は伝えられます。
ただ「参加させていただきありとうございました」とお礼をするだけでなく、理由を添えてインターン後の志望度がよりいっそう上がったことを伝えるのが効果的です。
人事に好感を与えられる
インターンを開催するのは、企業にとって決して楽なことではありません。
過去の調査を見ると、担当する方はかなり大きな負担を感じているというデータも見られました。
インターンを担当する方は、一年中その仕事に携わっているわけではありません。
自分の仕事に充てる時間を削って、学生のために時間を割いてくれます。
特に営業職など成果報酬型の給与システムで働いている方がインターンに参加すると、その時間は自分の営業実績をあげられません。
そのため、インターン担当者に感謝の気持ちを伝えると、非常に好感度が高くなります。
就職活動の後半、面接の段階まで来るとお礼状を送る学生はそれなりに多いです。
しかしインターンの段階では、まだお礼状を出す学生が多くありません。
そのような中、丁寧に感謝の気持ちを手紙で伝えることは大きな意味があります。
内容の振り返りができる
お礼状を書く際は、簡単にインターンの内容にも触れなければいけません。
そのため、お礼状を書くと自然にインターンの内容を振り返ることができます。
インターンはそのあとの就職活動に直結しているため、お礼状を出すためにインターンで学んだ内容を整理するのは、学生本人のためにもなります。
1dayインターンの場合は特に、セミナー型のように社員の話を聞くことが中心のプログラムで実施されていることも多いです。
話された内容の中で、自分が一番興味を持った部分はどこか振り返ってみましょう。
【1dayインターンのお礼状】お礼状に書くべき内容
次に、1dayインターンのお礼状で書いておくべき内容を5つに分けてチェックしていきます。
企業で働く方も忙しいので、あまり長いお礼状はかえって悪印象を与える可能性があります。
5つのポイントのうち自分が特に伝えたい要点2~3個に絞り、時間をかけずに読んでもらえるようにしましょう。
もちろん、手書きなので字の丁寧さにこだわることも大切です。
字を書くのが得意・不得意にかかわらず、その文字を丁寧に書いたか雑に書いたかは相手へ伝わります。
ペン字が苦手な方こそ、丁寧に書くことを心がけてください。
感謝の意
インターンに参加させてもらえたことへの感謝は、最初と最後に書くのがおすすめです。
特定の担当社員にお世話になり相手の名前がわかっている場合は、相手の名前や役職を盛り込むと感謝の気持ちがよりいっそう伝わります。
ビジネスに使うお礼状でも、感謝の言葉はシンプルに「ありがとうございます」で問題ありません。
学生の場合、あまりかしこまった表現を使っても不自然になります。
特にメールでお礼状を出す場合、シンプルで読みやすい表現の文章を心がけましょう。
企業の良かったところ
感謝の気持ちに続けて、インターンに参加してみて感じた企業の良かったところを述べてください。
「インターンでオフィスにおうかがいする機会を与えていただき、社員が活発に意見交換できる明るい雰囲気が伝わってきました」などの文章です。
この部分は長くならないよう、1~2文で簡潔にまとめてください。
良いと思ったことが複数ある場合も、一番良いと思ったポイント1つに絞って書きましょう。
2つも3つも良かったところを並べると、かえって相手にどこが良かったと感じてもらえたか伝わりにくいです。
学んだこと
インターンは学生にとって学びの場であるため、プログラムの中で何を学べたかもお礼状で簡単に書いてください。
この文章も長く書きたくなるところですが、ポイントは1つに絞ったほうが無難です。
特に1dayインターンであれば、就業型と違って実際の仕事を体験できるわけではありません。
どんなに優れたインターンのプログラムでも、1日で学べることは限られています。
相手をあまり褒めようと無理をせず、素直に自分が勉強になったと思うことを書きましょう。
インターンを通じて成長できたこと
学んだことと似ていますが、インターンを通じて自分が変われた・成長できたと思うことがあればぜひお礼状に書いてください。
インターンはさまざまな種類があり、プログラムによって得られる経験は違うはずです。
たとえばグループワークに参加した方なら「プレゼン力やヒアリング力を高められた」と書けるでしょう。
セミナー型の場合は、無理に「自分が成長できた」と書く必要はありません。
話を聞けた中で何を学べたか・どの話に感銘を受けたかを明確に伝えましょう。
参加後の気持ちの変化
文章の最後は「本日は本当に貴重な機会を与えていただき、ありがとうございました」などお礼の言葉で締めるのが普通です。
その直前に、インターンに参加した結果もっと企業を受けてみたい・知りたいという気持ちが高まったことを伝えると、より熱意の伝わるお礼状になります。
実際に、インターンで企業の志望度が高まる学生は非常に多いです。
「入社までにこんな能力を磨こうと思った」「ぜひ〇〇の分野で活躍したいと思った」など、具体的な意気込みを伝えましょう。
【1dayインターンのお礼状】お礼状の構成
続いて、お礼状の基本的な文章構成について紹介します。
インターンのお礼状は友人に出す手紙とは違うため、しっかり日本語のルール・ビジネスマナーが守られていなければなりません。
お礼状で相手に熱意が伝えられても「文章力に難がある」「マナーの知識がまったくなっていない」と見なされてはかえってマイナスです。
お礼状を書く前に、文章構成や正しい日本語について学んでおきましょう。
敬語も間違った単語を使わないよう、事前に予習しておくことをおすすめします。
①頭語
手書きのお礼状では「拝啓」など、手紙の頭語を最初に書きましょう。
儀礼的なものですが、自分がビジネス文書の書き方・一般常識をしっかりわきまえていると伝えるのには大切なことです。
ただしメールだとこの頭語を省略している場合もあり、それほどこだわる必要はありません。
メールでお礼状を出す場合は、タイトルから相手に要件や差出人が伝わるようにする・本文に続けて署名を付け自分の名前や連絡先を確実に伝えておく、といった配慮が大切です。
②挨拶
手書きのお礼状では「拝啓」などの頭語に続いて、同じく儀礼的なお決まりの挨拶を書いてください。
一番使いやすい表現でおすすめなのは「時下ますますご発展のこととお慶び申し上げます」という文です。
季節にかかわらず一年中使え、どの企業に出す場合もそのまま使い回せます。
その他季節を取り入れた挨拶表現は、以下の記事でご確認ください。
季節に合わせた良い挨拶が書けていれば、知的な印象を相手に与えられる可能性がかなり高いです。
③はじめの挨拶文
頭語・挨拶に続けて自分の名前や大学名を書き、感謝の気持ちを伝えます。
フルネーム・インターンシップに参加した日付・学部名もはっきり述べましょう。
企業によっては1dayインターンを複数日にわたって実施している可能性もあり、その中で同じ大学の方・同じ苗字の方がいてもおかしくありません。
など自分がはっきり特定できるようにしてください。
そのあとで
などお礼の気持ちを伝えます。
④本文
感謝の気持ちを伝えてから、具体的な本文を書いていきましょう。
ここは学生ごとによって書く内容が違うため、何を書くかで相手にどれだけ好印象を与えられるか差をつけるチャンスです。
企業の良かったところや自分が成長できたことを中心に文章を組み立てます。
お礼状は簡潔なことが大切なので、無理にすべての内容を盛り込む必要はありません。
伝えたいことを2つか3つにまとめ、結論・具体例・意気込みの順で伝えます。
結論から最初に書くのは、相手にすぐ要点を伝えるためのテクニックです。
この構成にしておくと、文章が非常に論理的な印象にもなります。
お礼状を出す目的の1つは、相手に熱意を感じてもらうことです。
どんな内容を書くにせよ、最後に意気込み・熱意を書くことは忘れてはいけません。
⑤結びの挨拶文
就職活動・入社に向けた意気込みまで本文を書いたら、再度インターンを開催してくれたこと・参加させてくれたことへのお礼を伝えます。
最初と最後にこの挨拶を入れると、非常に丁寧な印象になるでしょう。
まったく同じ文章にならないよう、少しお礼の述べ方を変えてください。
「お忙しい中時間を割いていただき」「貴重な機会を与えていただき」「良い経験をさせていただき」など、「ありがとうございました」の前に添えられる表現はたくさんあります。
⑥結語
最後は、頭語とリンクする結語で締めるのが手書きのお礼状のルールです。
「拝啓」なら「敬具」、「前略」なら「草々」と使った頭語によって結語を変えなければいけない点にご注意ください。
ただし基本的には、お礼状はすべて「拝啓」「敬具」で問題ありません。
このほかの頭語に「謹啓」「急白」などもありますが、わざわざ難しい言葉を書く意味はないので、もっともメジャーな表現を使いましょう。
こういった決まりごとは、何通か手紙を書く練習をする中で自然と身につけられます。
⑦日付
手書きのお礼状には、書いた日付も書いておきます。
メールの場合はメーラーに送信日時などが表示されるので、日付を書く必要はありません。
しかし、丁寧に日付を書いたほうが好印象なので、2022/1/1のような省略した書き方ではなく令和〇年〇月〇日と書きましょう。
もちろん、そこに書いてある日付と、相手に手紙の届いた日時が離れているのも良くありません。
お礼状を書いたら、すぐポストに投函してください。
基本的には、インターンに参加した当日または翌日に書き上げ投函します。
⑧署名
日付の下に、もう一度指名・大学名・学部名を書きましょう。
冒頭の挨拶部分でも名前を書きますが、重複しても問題ありません。
メールの場合はあらかじめ署名を作成しておくと簡単なので、ぜひ用意してください。
こちらでは大学名・学部名に加え、電話番号やメールアドレスも記載するのが一般的です。
署名欄は本文と区別できるよう、ハイフンなどの記号で仕切り線を付けます。
新規メールを作成する際、あらかじめ署名を表示する設定にしておけば、署名を入れ忘れずに済むでしょう。
⑨送り先の企業名・担当者名
相手企業の名前、担当者の部署・役職・氏名を丁寧に書くことも大切です。
特に「株式会社」が社名の前なのか後なのかは間違えやすいため、注意してください。
「(株)」と省略するのは、かしこまったお礼状では良くありません。
担当者の名前や役職は、インターンに一度参加しただけではわからないことがあります。
その場合「インターンご担当者様」と書けば大丈夫です。
相手の役職がわかっていれば「〇〇課長 〇〇様」と役職込みで名前を書いてください。
相手から名刺をもらっている場合、正しい役職名を確認できます。
ほとんどの企業で単に「課長」ではなく「人事課長」「労務部第一課長」などもっとくわしい肩書きが付いているので、名刺の役職名を参考に宛名を書いてください。
「労務部人事課長様 〇〇様」のように、敬称を2重に使ってしまうミスにも気をつけましょう。
封筒の書き方
お礼状で書き方のマナーを注意すべきポイントは、挨拶や本文だけではありません。
封筒の書き方にもポイントがあるので、しっかりマナーを守りましょう。
以下の記事に、封筒の選び方・宛名の書き方などくわしい情報が掲載されています。
最近はメールでビジネスのやり取りすることも増えましたが、まだまだ封筒で相手にビジネス文書を送る機会もあります。
若手がそうした仕事を任される可能性もあるので、ぜひ封筒の書き方も慣れておきましょう。
【1dayインターンのお礼状】お礼状の例文
人事部 〇〇主任 ××様
拝啓
時下ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
〇月×日の1dayインターンシップに参加した、〇〇大学××学部■■学科の就活太郎です。
この度は〇〇主任様・××様に貴重なセミナー・懇談の場を設けていただきありがとうございます。
お話しいただいた中で、特に「システムエンジニアはITスキルだけでなく相手のニーズがくみ取れる力を磨くことが重要」という教えが心に残っております。
私もエンジニアを目指すうえで、もっと相手の話に寄り添った対話ができる人間になりたいと感じました。
今回のインターンを経験しますます貴社で働いてみたいと思ったため、次はぜひ冬の説明会で話をうかがいたいと思います。
お忙しい中時間を割いてご指導いただいたことにお礼を伝えたく、お便りいたしました。
本当に貴重な機会を与えていただき感謝しております。
敬具
令和〇年×月×日
〇〇大学××学部■■学科3年
就活 太郎
【1dayインターンのお礼状】作成時の注意点
1dayインターンのお礼状を作成する際の注意点を、5点紹介します。
良い内容のお礼状を書いても、形式などの点で不備があっては相手に好印象を与えられません。
手書きでもメールでも、インターン参加後すぐきちんとしたものを書き上げられるように練習しておいてください。
特に手書きのお礼状は、普段なかなか書く機会がないでしょう。
字が不得意な方・あまり字を書く習慣のない方は、この機会に字をきれいに書く練習もしてはいかがでしょうか。
件名は必ず付ける
部署にもよりますが、ビジネスマンには毎日多くのメールが届きます。
件名がないと相手から迷惑メールと判断されてしまう可能性があるため、必ず件名で自分の名前と用件を伝えてください。
手紙の場合は封筒に自分の名前や住所も書いてありますが、こちらも封筒に用件を書いておいたほうが丁寧な印象を与えられます。
「インターンシップお礼状在中」と書いておきましょう。
就職活動で履歴書などの書類を企業に送付するときも、同様に「履歴書在中」「選考書類在中」と書きます。
参加後すぐに送ろう
インターンのお礼状は、参加後すぐに送るのが基本です。
どんなに遅くても、インターン当日から1週間以内に相手へ届くようにしてください。
つい忙しくて書きそびれてしまった、書くのを失念してしまったという場合、あとから気づいても送らないほうが無難です。
お礼状は送ったほうが丁寧です。
しかし、送らなければマイナス評価をつけられるわけではありません。
すべての企業にお礼状を出すまめな方のほうが少ないため、あまりに遅いお礼状を出すくらいなら、次の説明会などに出席した際、お礼状を出しましょう。
長くなりすぎないように注意
お礼状は、相手に読ませる時間を長く取らせてはいけません。
便箋1枚以内でおさまる内容にしてください。
本文で書きたいポイントは「何を学んだか」「企業のどこが良いと思ったか」「これからどのように成長したいか」などさまざまです。
しかしすべてを書いては、なかなか便箋1枚にはおさまらないでしょう。
本文以外にも自分や相手の名前、挨拶などを書くスペースも必要です。
伝えたいことを箇条書きにし、その中でもっとも伝えたい内容に絞って書いてください。
黒のボールペンで書こう
インターンに対するお礼状のような、フォーマルな文章は黒のボールペンで書くのが常識です。
色付きのボールペン、摩擦で消えてしまうボールペンは好ましくありません。
もちろん、鉛筆・シャープペンシルで書いたお礼状は論外です。
字が達者な方だと万年筆できれいな字を書く方もいますが、黒のボールペンでも丁寧な字で書いてあれば、十分日本語上手な印象を与えられます。
ボールペンは書き直しができないため、事前に鉛筆などで下書きを書いてから本番を書くのがおすすめします。
シンプルな便箋を選ぼう
文房具店に行くとセンスの良いおしゃれな便箋もたくさん売られていますが、ビジネス文書では柄付き・キャラクター付きの便箋はNGです。
白の無地便箋を使いましょう。
書類などを送る際に茶封筒を使う企業も多く、今では白い封筒と茶封筒でそれほど受ける印象が違わないという方も多いです。
しかし白い封筒のほうが丁寧に感じる、またはフォーマルに感じるという方もまだいらっしゃいます。
相手に好印象を与えるために出すお礼状であるため、もっとも無難な白の無地便箋を選んでください。
まとめ
1dayインターンに参加して、わざわざお礼状を出す方はそれほど多くありません。
そこまでして感謝を伝えてくれる学生は、企業側から見ると非常に熱意があると感じられます。
お礼状を書くうえでのポイントをしっかり予習し、相手に失礼のないよう送付しましょう。
短い文章でもインターンが貴重な経験だった・こんな話が聞けて良かったと伝えてもらえるのは、インターン担当者にとっても大きな喜びです。
就活で少しでも相手に好印象を与えたいなら、お礼状を書いて損はありません。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート