就活生は、履歴書と合わせてエントリーシートの作成に大きな時間を要します。
何十社もの会社にエントリーする際、エントリーシートを使い回したいと考える方も多いのではないでしょうか。
今回は、エントリーシートの使い回しが良いのかどうかについて解説していきますので、たくさんの企業にエントリーしたいと考えている人はぜひ参考にしてください。
- エントリーシートの使い回しは良いのか
- エントリーシートの上手な使いまわし方
- エントリーシートを使い回す場合の注意点
目次[目次を全て表示する]
【エントリーシートの使いまわし】ESは使いまわして良いのか?
就職活動中、多くの企業にエントリーする際、エントリーシートを使い回すことができるのか悩む人もいるでしょう。
エントリーシート作成には時間と労力がかかるため、少しでも効率的に進めたいと考えるのは自然なことです。
結論として、エントリーシートの使い回しは基本的にOKですが、いくつかのポイントに気をつける必要があります。
ここでは、使い回す際に注意すべき点について解説します。
企業の系統による
志望動機の使いまわしはNG
用紙自体の使いまわしもNG
企業の系統による
前述のとおり、エントリーシートは企業の所属する業界や志望する職種によっては、一部分を使い回ししてかまいません。
同じ業界で、さらに主力製品(サービス)も似たような企業に対して、まったく別の角度からアプローチするのは困難とされています。
ここで重要なのは、エントリーシートが企業に対してうまく刺さっているかどうかです。
革新を重んじる企業に対して、伝統を守る姿勢に共感したというようなエントリーシートでは通用しません。
使い回したことがバレてしまううえに、企業に対する熱意も疑われてしまうでしょう。
もしエントリーシートを使い回すのであれば、より慎重な対応が求められます。
すべての内容をコピー&ペーストでやり過ごしているようでは、書類審査は突破できません。
志望動機の使いまわしはNG
エントリーシートの使い回しに関しては問題ありませんが、志望動機の部分だけは、企業ごとにきちんと書き分けましょう。
志望動機は、その企業で働きたい理由が一番アピールされる部分です。
つまり、志望先企業に対する熱意が高い場合、ほかの企業と同じ志望動機になることはないと考えられます。
自分自身のことを説明する経歴や自己PRについては、ある程度の使い回しは許容範囲内です。
しかし、志望動機だけは使い回さない方が無難です。
就活では、企業が求める人物像と自分自身の個性のマッチングが内定へのカギといわれています。
詳細な志望動機が思いつかない企業へは、就職に対して強い思い入れがないとも考えられます。
万が一、内定がもらえたとしても長く勤めていくことは難しいでしょう。
用紙自体の使いまわしもNG
エントリーシートそのもの、つまり企業が配布する専用の用紙を使い回すことは厳禁です。
多くの企業では独自のエントリーシートフォーマットを使用しており、別の企業用のエントリーシートを提出すると、すぐに見破られてしまいます。
こうしたミスは、選考から外れる原因になることもあるため、十分に気をつけてください。
少しのミスや不信感が不採用にも繋がりかねません。
【エントリーシートの使いまわし】ESの使いまわしはバレる?
エントリーシートの使い回しは、読み手となる人事によってはバレてしまうことも少なくありません。
採用担当者は、毎年膨大な数のエントリーシートをチェックしています。
それこそ、エントリーシートの使い回しに見られるような傾向はすでにわかっていることでしょう。
木下恵利

「自社に対する学びが浅い」「志望動機が練られていない」と、人事の方に取られてしまわないよう注意が必要です。
相手は採用担当のプロであり、企業によっては毎年何百人・何千人ものエントリーシートに目を通しています。
エントリーシートは、企業に対する熱い気持ちをぶつけるアピールツールのひとつです。
企業独自の特徴が捉えられていないと、使い回しであることはすぐにバレます。
また、仮に使い回していなくとも、特徴的なアピールがなければ落とされるので注意が必要です。
使いまわしがバレるESの特徴
ESの使いまわしがバレるポイントはいくつかありますが、特に注意すべきなのは「志望動機」「企業情報」「エピソードの適切さ」の3点です。
これらが適切にカスタマイズされていないと、「このESは他社向けに書いたものを流用しているのでは?」と疑われる可能性が高くなります。
企業ごとに異なる部分をしっかりと書き換えることが、ESの説得力を高める鍵となります。
それでは、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
志望動機が使いまわされている
志望動機は企業ごとに異なるはずなのに、どの企業にも当てはまるような内容になっていると、すぐに使いまわしがバレてしまいます。
「貴社の成長性に魅力を感じました」「貴社の社風に共感しました」といった表現は、多くの企業に通用してしまうため注意が必要です。
また、企業名の部分だけを差し替えただけの文章も、不自然に感じられることが多いです。
志望動機を書く際は、企業の特徴や事業内容を具体的に盛り込み、「なぜその企業なのか」を明確にすることが重要です。
企業の情報が抜けている
企業の理念や事業内容に触れていないESも、使いまわしが疑われる原因になります。
企業ごとの強みや最近の取り組みをリサーチし、それに関連付けて志望動機を述べることで、使いまわしではなく「この企業のために書かれたES」であることを示せます。
IT企業なら新規事業の動向、メーカーなら製品の強みなど、具体的な情報を取り入れることで説得力が増します。
企業の情報がないまま自己PRや志望動機を書いてしまうと、「どこにでも通じるES」と判断されてしまうでしょう。
業界と関係の薄いエピソードが含まれている
自己PRやガクチカ(学生時代に力を入れたこと)で、業界との関連性が薄いエピソードを使っていると、ESの使いまわしが疑われやすくなります。
メーカーのESに「接客のアルバイト経験」だけを書いてしまうと、業界とのつながりが弱く感じられます。
異業種の経験でも活かせる要素はありますが、それをどう業界に結びつけるかが重要です。
使いまわす場合でも、応募する企業や業界に合った表現に調整することで、違和感のないESに仕上げることができます。
使い回しがバレると落ちる?
エントリーシートの使い回しが発覚しても、それで確実に落ちるというわけではありません。
たとえば、同じ業界で似たような製品・サービスを提供する2社に対してエントリーシートを使い回したとします。
自分が学生時代に力を入れてきたことや、アピールしたい自身の人物像については、同業他社であればそう大きくぶれることはないでしょう。
エントリーシートの使い回しが問題になるのは、受けようとしている企業が求めている人物像とエントリーシートの内容が合わない場合です。
【エントリーシートの使いまわし】他人のESを使いまわすとバレるのか?
就職活動では、エントリーシートの作成に時間と労力がかかるため、他人のエントリーシートを使い回したくなることもあるかもしれません。
しかし、これは非常にリスクが高く、企業からの信頼を失う原因になります。
ここでは、他人のエントリーシートを使い回す際の問題点について詳しく解説します。
他人のESは絶対に使わない
他の設問項目との書き方が違うのでバレる
書類は通過できても面接でバレる
他人のESは絶対に使わない
他人のエントリーシートをそのまま使うことは絶対に避けるべきです。
なぜなら、企業の多くは応募者の提出するエントリーシートに対して高度な確認システムを導入していることが多いため、コピペやテンプレートの使用がすぐに判別されてしまいます。
これにより、応募者が誠実さを欠いていると判断され、信頼を失うだけでなく、選考から外される可能性が非常に高くなります。
さらに、自分自身の経験やスキルを適切にアピールする機会を失い、他の応募者に差をつけられることにもつながります。
木下恵利

エントリーシートは、オリジナルのエピソードと自分の言葉で書くことが最も重要です。自分らしさが伝わる文章で、しっかりと自分の強みをアピールしましょう。
他の設問項目との書き方が違うのでバレる
他人のエントリーシートを使い回した場合、他の設問項目との書き方や表現の違いから、簡単に不自然さが露呈します。
企業のエントリーシートは、複数の質問に対して一貫した言い回しや考え方が求められるため、一部の回答が自分らしさを欠いた表現になっていると、すぐに怪しまれます。
特に、文章のスタイルや語彙が急に変わると、その違和感は採用担当者にとって明らかです。また、質問ごとの関連性を考慮せずに書かれた内容は、応募者が適当に書いたと判断されることもあります。
結果的に、エントリーシート全体の評価が下がり、書類選考の通過率が大幅に低くなる可能性があります。
自分の言葉で書いた一貫性のあるエントリーシートを心がけることで、より強いアピールが可能になります。
書類は通過できても面接でバレる
仮に書類選考を通過できたとしても、面接で他人のエントリーシートを使っていることが簡単に露呈する可能性があります。
面接官はエントリーシートをもとに質問を進めるため、自分が書いた内容でない場合、スムーズに回答することが難しくなります。
特に、具体的なエピソードや経験について質問された際に、曖昧な回答しかできなければ、エントリーシートの信ぴょう性が疑われます。
自分の言葉で書かれていないために、面接中の言葉遣いやエピソードの詳細に違和感が生じ、結果的に面接官に不信感を与えてしまいます。
面接で自信を持って話せるように、自分の経験をもとにエントリーシートを作成することが重要です。
【エントリーシートの使いまわし】ESの上手な使い回し方
エントリーシートを何社にも提出することが一般的ですが、その際に一度書いた内容をどのように上手に使い回せるかが重要です。
ただし、企業ごとの微妙な違いや質問内容に応じて調整が必要です。
ここでは、ガクチカや設問、業界別に上手にエントリーシートを使い回す方法を紹介します。
ガクチカの内容は使い回しでOK
同じ設問の場合
業界と企業の求める人物像がほぼ同じな場合
ガクチカの内容は使い回しでOK
ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)のエピソードは、基本的に使い回しても問題ありません。
多くの企業がこの質問をエントリーシートで出しており、どの企業に対しても同じ経験を基にアピールすることが可能です。
しかし、企業ごとに質問の意図や表現方法が微妙に異なることがあるため、その部分は細かく調整することが求められます。
例えば、ある企業では「具体的にどのように行動したか」を重視する一方で、別の企業では「結果から何を学んだか」に焦点を当てている場合があります。
したがって、エピソード自体は同じでも、その企業が求める視点に合わせて回答を調整することが大切です。
自己PRの内容は使い回しでOK
自己PRは、基本的にどの企業でも自分の強みをアピールするものなので、使い回しても問題ありません。
特に、「リーダーシップがある」「粘り強く取り組める」「分析力に自信がある」といった強みは、どの業界でも評価されるポイントです。
ただし、業界や企業ごとの特性に合わせて若干の調整を加えることが重要です。
コンサル業界では「論理的思考力」、営業職では「対人スキル」といった要素を強調すると、より説得力が増します。
基本となる自己PRの軸を決めた上で、企業ごとに適切な言葉を選びながら書き換えることで、効果的なアピールが可能になります。
同じ設問の場合
エントリーシートでは、同じような設問が複数の企業で聞かれることがよくあります。
特に、趣味や研究内容、自己PRといった基本的な質問では、内容をそのまま使い回しても問題ありません。
ただし、文字数や設問の形式が異なることがあるため、適切に調整する必要があります。
例えば、ある企業では200字で趣味を答えるように求められる一方で、別の企業では400字で詳細に記述することが求められることがあります。
このような場合、文字数に合わせて説明を簡潔にするか、エピソードを追加することで内容の調整を行います。
重要なのは、一貫性を保ちながら、企業の要求に応じて適切に情報を調整することです。
業界と企業の求める人物像がほぼ同じな場合
同じ業界に属する企業で、求められる人物像やスキルが類似している場合は、エントリーシートを使い回すことが効果的です。
例えば、IT業界や製造業など、特定の技術力や論理的思考を重視する業界では、志望動機や自己PRを再利用できる場合が多いです。
しかし、同じ業界でも企業ごとに特色があります。
例えば、企業Aでは「挑戦心」を強調しているのに対し、企業Bでは「チームワーク」を重視しているかもしれません。
そのため、基本的な枠組みを使い回しつつも、企業ごとの特徴を捉えた微調整を加えることがポイントです。
企業の強みやビジョンを反映させて書くことで、効果的にエントリーシートを活用することができます。
【エントリーシートの使いまわし】ESを使い回す場合の注意点
エントリーシートは、上手に使い回していけば、書き上げる時間が短縮でき、就活の準備が効率化します。
採用担当にエントリーシートの使い回しを悟られないためにも、以下の4点に注意しましょう。
固定する共通部分を決める
企業ごとに変える部分を決める
抽象的な言葉を使わない
文字数に気をつける
エントリーシートを使い回すなら、無意識的によるコピー&ペーストに陥ることを避けるための工夫が欠かせません。
どれもエントリーシートの内容そのものをブラッシュアップするコツでもあるので、ぜひ参考にしてください。
固定する共通部分を決める
エントリーシートを使い回すなら、どの企業に提出しても差し支えない部分をあらかじめ決めましょう。
たとえば自己PRやガクチカは、自分がどのような人間であり、どのような学生生活を送ってきたかを話す部分です。
人によってはいくつかエピソードがあるケースもありますが、自己PR・ガクチカともにエピソードは1つに絞ることをおすすめします。
この部分については、各エントリーシートで使い回しをしても構わない部分です。
もちろん、志望先の企業が求める人物像とのマッチングについてはしっかりと確認しておく必要があります。
ただし企業側も、既存の社員と似たような性格を持つ人だけを採用するということはほとんどありません。
“〇〇な人でなければならない”というような決まりはないからこそ、自己PRやガクチカは固定しても問題ない部分です。
企業ごとに変える部分を決める
エントリーシートを使い回す際は、エントリーシートの必ず変えなければならない部分もあらかじめ決めておく必要があります。
さらに、提出先である企業に対するリサーチも欠かせません。
小玉 彩華
就活では、企業がどのような人材を求めているかを考え、自分自身と企業がマッチングするポイントがあるかどうかを見極める必要があります。
内定を勝ち取りたい企業に提出するエントリーシートを作成するなら、事前のリサーチに力を入れましょう。
エントリーシートを使い回す場合、使い回す部分と使い回さない部分を明確に決めておきましょう。
先ほども軽く触れましたが、特に志望動機はその企業で働きたい理由を語る部分であり、使い回すことはNGとされています。
企業ごとにリサーチを進め、その企業にマッチした内容を記載するようにしましょう。
抽象的な言葉を使わない
エントリーシートでは、特に抽象的な言葉を使ってしまわないよう注意しましょう。
エントリーシートの使い回しが念頭にあると、自分の経験やアピール項目についても言い回しができるよう、抽象的な言葉を使いがちです。
説得力のある文章の基本構造は、結論・理由・具体例・結論(まとめ)の4段構成です。
誰にでも当てはまる、具体性に欠ける内容はすべて抽象的な言葉としてみなされます。
たとえば、嘘をつかない・素直に話を聞くというような、自分の信条や信念に基づいた主張をする方も多いのではないでしょうか。
しかし、このような内容は、世間一般的に使われているキーワードで、具体性に欠ける内容になってしまいがちです。
自分が話す題材をブラッシュアップしつつ、抽象的な表現や言葉がないかを確認しましょう。
文字数に気をつける
エントリーシートは、企業によって項目ごとの文字数や形式が違う場合があるため、合計の文字数も事前にチェックしておきましょう。
内容も重要ですが、エントリーシートは“与えられた課題について、質問の意図を理解して回答できている”という点も問われます。
300文字と指定があるにもかかわらず、その指定を無視して提出すると容赦なく落とされてしまうでしょう。
また形式(定められた文字数)のほか、誤字・脱字などもしっかりとチェックされます。
内容に大きな差こそありませんが、エントリーシートは企業によって形式がそれぞれ異なります。
小玉 彩華
使い回しをする場合でも、文章の言い回しを変えるなどして文字数の条件をクリアするようにしましょう。
【エントリーシートの使いまわし】ESができたら面接対策をしよう
エントリーシートの作成が終わったら、次に待っているのは面接です。
面接は、書類選考よりもさらに難易度が高く、緊張感も増す場面です。
そのため、しっかりと対策をして臨むことが必要です。
面接では、エントリーシートに書いた内容をもとに質問が行われるため、自分のエピソードやアピールポイントを明確に説明できるように準備しましょう。
また、質問に対して一貫性のある回答が求められ、企業の求める人物像に合った言動が重要となります。
エントリーシートで自分が書いた内容を確認し、面接で深掘りされる質問に備えることが大切です。
就活のプロに無料で相談できるサービスについては下記の記事を参考にしてください。
まとめ
エントリーシートの内容や、志望企業が同じ業界であるなど、いくつかの条件が揃えばエントリーシートの使い回しはやってかまいません。
しかし志望動機をはじめ、企業独自の内容が出る部分については、似たような企業・同業他社であっても使い回しは避けましょう。
就活の成功は、いかに時間を有効利用するかにかかっています。
エントリーシートの作成は、ある程度時間のかかるものです。
使い回せる部分はうまく使い回して、効率良く就活の準備に備えていきましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
木下恵利
たとえ質問内容が類似していたとしても、その企業専用の用紙に記入することが基本です。フォーマットが異なるだけで、採用担当者に不信感を与える恐れがあるため、用紙の確認や形式には細心の注意を払いましょう。