はじめに
就活生は、履歴書と合わせてエントリーシートの作成に大きな時間を要します。
何十社もの会社にエントリーする際、エントリーシートを使い回したいと考える方も多いのではないでしょうか。
今回は、エントリーシートの使い回しが良いのかどうかについて解説していきますので、たくさんの企業にエントリーしたいと考えている人はぜひ参考にしてください。
エントリーシートの使い回しは良いのか?
たとえば、同じ業界の首位を争う企業にエントリーシートを提出する場合、似たような内容になってしまうことも少なくありません。
業界にかける思いや、自分自身をアピールするためのエピソードが同じ業界の企業に対して大きく変わるとは考えにくいからです。
そのため、一般的にエントリーシートの使い回しは容認されています。
しかし、多くの企業でエントリーシートを使い回すと企業に使い回しだとバレるおそれがあります。
もちろん、提出したエントリーシートは社外秘ですが、読み手に「ほかの企業に向けて書いたものを使い回ししている」と悟られてしまうのです。
エントリーシートには、企業への就業意欲が書かれていなければなりません。
御社の事業について興味がある、御社の事業理念に共感したといった個別の理由を書く必要があります。
企業の系統による
前述のとおり、エントリーシートは企業の所属する業界や志望する職種によっては、一部分を使い回ししてかまいません。
同じ業界で、さらに主力製品(サービス)も似たような企業に対して、まったく別の角度からアプローチするのは困難とされています。
ここで重要なのは、エントリーシートが企業に対してうまく刺さっているかどうかです。
革新を重んじる企業に対して、伝統を守る姿勢に共感したというようなエントリーシートでは通用しません。
使い回したことがバレてしまううえに、企業に対する熱意も疑われてしまうでしょう。
もしエントリーシートを使い回すのであれば、より慎重な対応が求められます。
すべての内容をコピー&ペーストでやり過ごしているようでは、書類審査は突破できません。
志望動機はNG
エントリーシートの使い回しに関しては問題ありませんが、志望動機の部分だけは、企業ごとにきちんと書き分けましょう。
志望動機は、その企業で働きたい理由が一番アピールされる部分です。
つまり、志望先企業に対する熱意が高い場合、ほかの企業と同じ志望動機になることはないと考えられます。
自分自身のことを説明する経歴や自己PRについては、ある程度の使い回しは許容範囲内です。
しかし、志望動機だけは使い回さない方が無難です。
就活では、企業が求める人物像と自分自身の個性のマッチングが内定へのカギといわれています。
詳細な志望動機が思いつかない企業へは、就職に対して強い思い入れがないとも考えられます。
万が一、内定がもらえたとしても長く勤めていくことは難しいでしょう。
エントリーシートの使い回しはバレる?
エントリーシートの使い回しは、読み手となる人事によってはバレてしまうことも少なくありません。
採用担当者は、毎年膨大な数のエントリーシートをチェックしています。
それこそ、エントリーシートの使い回しに見られるような傾向はすでにわかっていることでしょう。
「自社に対する学びが浅い」「志望動機が練られていない」と、人事の方に取られてしまわないよう注意が必要です。
相手は採用担当のプロであり、企業によっては毎年何百人・何千人ものエントリーシートに目を通しています。
エントリーシートは、企業に対する熱い気持ちをぶつけるアピールツールのひとつです。
企業独自の特徴が捉えられていないと、使い回しであることはすぐにバレます。
また、仮に使い回していなくとも、特徴的なアピールがなければ落とされるので注意が必要です。
使い回しがバレると落ちる?
エントリーシートの使い回しが発覚しても、それで確実に落ちるというわけではありません。
たとえば、同じ業界で似たような製品・サービスを提供する2社に対してエントリーシートを使い回したとします。
自分が学生時代に力を入れてきたことや、アピールしたい自身の人物像については、同業他社であればそう大きくぶれることはないでしょう。
エントリーシートの使い回しが問題になるのは、受けようとしている企業が求めている人物像とエントリーシートの内容が合わない場合です。
エントリーシートを使い回す場合の注意点
エントリーシートは、上手に使い回していけば、書き上げる時間が短縮でき、就活の準備が効率化します。
採用担当にエントリーシートの使い回しを悟られないためにも、以下の4点に注意しましょう。
・固定する共通部分を決める
・企業ごとに変える部分を決める
・抽象的な言葉を使わない
・文字数に気をつける
エントリーシートを使い回すなら、無意識的によるコピー&ペーストに陥ることを避けるための工夫が欠かせません。
どれもエントリーシートの内容そのものをブラッシュアップするコツでもあるので、ぜひ参考にしてください。
固定する共通部分を決める
エントリーシートを使い回すなら、どの企業に提出しても差し支えない部分をあらかじめ決めましょう。
たとえば自己PRやガクチカは、自分がどのような人間であり、どのような学生生活を送ってきたかを話す部分です。
人によってはいくつかエピソードがあるケースもありますが、自己PR・ガクチカともにエピソードは1つに絞ることをおすすめします。
この部分については、各エントリーシートで使い回しをしても構わない部分です。
もちろん、志望先の企業が求める人物像とのマッチングについてはしっかりと確認しておく必要があります。
ただし企業側も、既存の社員と似たような性格を持つ人だけを採用するということはほとんどありません。
“〇〇な人でなければならない”というような決まりはないからこそ、自己PRやガクチカは固定しても問題ない部分です。
企業ごとに変える部分を決める
エントリーシートを使い回す際は、エントリーシートの必ず変えなければならない部分もあらかじめ決めておく必要があります。
さらに、提出先である企業に対するリサーチも欠かせません。
就活では、企業がどのような人材を求めているかを考え、自分自身と企業がマッチングするポイントがあるかどうかを見極める必要があります。
内定を勝ち取りたい企業に提出するエントリーシートを作成するなら、事前のリサーチに力を入れましょう。
エントリーシートを使い回す場合、使い回す部分と使い回さない部分を明確に決めておきましょう。
先ほども軽く触れましたが、特に志望動機はその企業で働きたい理由を語る部分であり、使い回すことはNGとされています。
企業ごとにリサーチを進め、その企業にマッチした内容を記載するようにしましょう。
抽象的な言葉を使わない
エントリーシートでは、特に抽象的な言葉を使ってしまわないよう注意しましょう。
エントリーシートの使い回しが念頭にあると、自分の経験やアピール項目についても言い回しができるよう、抽象的な言葉を使いがちです。
説得力のある文章の基本構造は、結論・理由・具体例・結論(まとめ)の4段構成です。
誰にでも当てはまる、具体性に欠ける内容はすべて抽象的な言葉としてみなされます。
たとえば、嘘をつかない・素直に話を聞くというような、自分の信条や信念に基づいた主張をする方も多いのではないでしょうか。
しかし、このような内容は、世間一般的に使われているキーワードで、具体性に欠ける内容になってしまいがちです。
自分が話す題材をブラッシュアップしつつ、抽象的な表現や言葉がないかを確認しましょう。
文字数に気をつける
エントリーシートは、企業によって項目ごとの文字数や形式が違う場合があるため、合計の文字数も事前にチェックしておきましょう。
内容も重要ですが、エントリーシートは“与えられた課題について、質問の意図を理解して回答できている”という点も問われます。
300文字と指定があるにもかかわらず、その指定を無視して提出すると容赦なく落とされてしまうでしょう。
また形式(定められた文字数)のほか、誤字・脱字などもしっかりとチェックされます。
内容に大きな差こそありませんが、エントリーシートは企業によって形式がそれぞれ異なります。
使い回しをする場合でも、文章の言い回しを変えるなどして文字数の条件をクリアするようにしましょう。
まとめ
エントリーシートの内容や、志望企業が同じ業界であるなど、いくつかの条件が揃えばエントリーシートの使い回しはやってかまいません。
しかし志望動機をはじめ、企業独自の内容が出る部分については、似たような企業・同業他社であっても使い回しは避けましょう。
就活の成功は、いかに時間を有効利用するかにかかっています。
エントリーシートの作成は、ある程度時間のかかるものです。
使い回せる部分はうまく使い回して、効率良く就活の準備に備えていきましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート