はじめに
「アパレル業界に就職するためにはどのような志望動機が良い?」
「そもそもアパレル業界の職種には何があるの?」
「アパレル業界に転職するための履歴書の書き方が知りたい」
このように、アパレル業界で働くためには、どのような志望動機を書けば良いか迷う人もいるでしょう。将来、希望のアパレル業に就くためのふさわしい志望動機やアピール手段に不安を感じることは少なくありません。
本記事では、アパレル業界で就職を考えている方に向けて、アパレル業界で働くための志望動機の内容や、面接官に印象を与えるポイント、気を付けるべき注意点などを紹介します。
この記事を読むことで、アパレル業界で働くための秘訣が入手できるため、面接前に迷うことがありません。また、知識を得ておくことで自信を持って面接に臨むことができるでしょう。
アパレル業界への就職や転職を目指している方や、志望動機に悩んでいる方は、この記事をぜひ参考にして下さい。
アパレル業界の動向や市場規模
アパレル業界の消費は市場でどのように推移しているのでしょうか。業界の動きを分析しておくことは、志望動機に繋がるため知識を得ておきましょう。
アパレル業界の市場規模は増加傾向にありましたが、2020年は大きく減少したといわれています。これは、新型コロナウイルス感染症の影響による、外出や買い物頻度の減少が影響しているといえるでしょう。
とくに、国内百貨店やショッピングセンターでは売上が伸びず低迷している現状があります。自粛生活による消費者の減少の打撃を受けて売上不振が続いているためです。
しかし、企業別で見ると国内のファストファッション企業は躍進しており、売上数や店舗数を上回るなど好調だといわれています。
また、通販サイトなどECやフリマアプリなどは新規事業の参入が増加傾向にあります。さらに、定額制のサブスクリプションやレンタル事業などの進出が見られているようです。
これは、自粛生活のため実店舗で買い物できない消費者のネット利用や生活の変化によって一部企業の売上増加に繋がっていると考えられます。
アパレル企業にとっての志望動機の重要性
志望動機では、「なぜ企業に応募したのか」の理由を述べる必要があります。また、自己PRと内容が重ならないように注意する必要もあるでしょう。
面接担当者は、自社のブランドに対してどれくらい興味があるか、どのような知識を持っているのか、熱量はどのくらいあるか、という点を志望動機で判断します。
志望動機は、企業にとって意欲を読み取るために重要であり、将来性のある人材か判断するための材料なのです。
アパレル業界に分類される職種
アパレル業界の中には様々な職種があります。自分が希望する職種に興味がある人もいるでしょう。
職種や業務内容を熟知して理解しておくことは、志望動機を書くために心がけておきたいことです。それぞれの職種が持つ内容を把握してアパレル業界全体の理解を深めましょう。
こちらでは、主に5つの職種について解説します。興味のある職種と照らし合わせながら参考にして下さい。
商品デザイン及び企画
商品のデザインや企画を担当する職種です。企業のブランド性を熟知した上で、最先端の流行を取り入れるなどトレンド力の高さが求められます。自分の企画したデザインが商品となり企業の顔となるためです。
また、顧客の動向や方向性などを意識していくことも大切です。顧客からの評価を得ることで、自分のモチベーションとなるでしょう。
企画では、デザインの仕事のみならず、販売や営業などと生産や予算の管理を行うこともあるでしょう。
販売スタッフ
実店舗でアパレルの販売を行うスタッフです。お客様の接客全般を担い衣服を販売します。販売スタッフは各店に配置されるため、アパレルの職種の中で応募件数が多い職種でしょう。
商品のデザインや企画などに比べて、アパレル未経験でも応募できる場合があるため、今まで経験がない人でもエントリーしやすい環境といえます。
お客様のニーズに合わせたコーディネートや、接客でのコミュニケーションの高さが求められる職種です。
店舗管理業務
アパレル業界では、店舗においてショップマネージャーやフロアマネージャーと呼ばれる職種です。店舗売上の予想や管理、スタッフの教育や人材管理など、販売における運営や管理などを行います。
店舗管理業務の内容の中には、企業が持つ各店舗を一括してまとめて管理するエリアマネージャーと呼ばれる職種もあるでしょう。
営業業務
アパレル業界の営業業務は、企業の商品について各施設での取り扱いや販売を交渉する役割があります。商品の取り扱い店舗を広めていくことや、より良い条件で契約を締結できるかがポイントとなる職種です。
営業以外にも店舗の外観や商品の展示の仕方について管理することもあるでしょう。また、他の販売スタッフや企画担当などと売上貢献のための運営を行うため、交渉する能力や発案、経営力なども必要です。
バイヤーやバッグヤード等の裏方
バイヤーやバックヤードなど裏方の職種です。バイヤーとは次の流行を考えて商品を買い付ける仕事です。常にファッションの動向を察知して最先端のデザインを理解しておくことが必要でしょう。
バックヤードは、ストックしてある商品の検品など管理や作業を行う役割を務めます。日々納品される商品の在庫の確認など、幅広い商品の管理を担当する職種といえます。
アパレル業界における志望動機を作成する10個のポイント
志望動機には内定を獲得するための書き方や効果的なアピール方法があります。面接で聞かれる内容であるため、企業についてよく調査をしてアパレル業で従事することにふさわしい人材であることをアピールする必要があるでしょう。
- ブランドに関する情報収集を行う
- 企業が必要としている人材を読み取る
- そのブランドへの個人的な思い入れについて考える
- 入社後のキャリアプランを考える
- 第三者に確認してもらう
- ファッションへ高い興味があることをアピールする
- コミュニケーション能力・勤勉性をアピールする
- 体力があることをアピールする
- エピソードを織り込んでアピールする
- 業界未経験でも接客業の経験をアピールする
1:ブランドに関する情報収集を行う
志望動機には具体性が求められます。内容を充実させるためには、企業のブランドに関する知識を深めておくことが必要です。
ホームページやSNSなどから情報を集めて、企業の経営理念や商品のコンセプト、販売商品などを調査します。とくに、コンセプトはブランドの個性や方向性、こだわりなどが表れる項目であるため熟知しておきましょう。
また、ブランドを利用する年齢層や、同企業が展開する事業についても収集しておくと志望動機に取り入れることができます。実際の店舗に足を運んで、売り場の雰囲気やスタッフの接客を頭に入れておくことも良いでしょう。
2:企業が必要としている人材を読み取る
企業の求人募集に目を通して、どのような人材を必要としているのか読み取ることが必要です。どのような流れで求人を募集しているのか、どのような職種を求めているのかなど、給与や福利厚生などの待遇面以外の部分を考えましょう。
3:そのブランドへの個人的な思い入れについて考える
面接担当者に企業に対する熱意を伝えるために、ブランドへの個人的な思い入れについて考えましょう。
ポイントは、なぜそのブランドが好きなのか、どういった部分に憧れを持っているのか、など内容を具体化して、ブランドを購入することになったきっかけなどを盛り込むことが大切です。
もし、きっかけを考えることが難しい場合は、ブランドの持つコンセプトや目標からヒントを得て、内容に沿ったものを自分の表現に置き換えましょう。
4:入社後のキャリアプランを考える
企業に入社した後の自分の将来について考えましょう。どのような職種に就いて何を実現したいか、など具体的に書くことが大切です。キャリアプランには、目標を達成するための積極性や行動力をアピールする意味があります。
また、面接担当者が自社企業の目標や方向性とマッチする人材であるかを判断する重要な項目といえます。
5:第三者に確認してもらう
志望動機を作成するポイントの1つに第三者に確認してもらう点があります。自分とは異なる立場の人に見てもらうことで、客観的な意見をもらうことができるためです。
とくに、就職エージェントなど専門的なサービスを積極性に利用することで、就職や転職のプラスになるアドバイスや相談を受けることができるでしょう。
6:ファッションへ高い興味があることをアピールする
ファッションに興味があったことが、アパレル業界で働きたいと感じたことのきっかけとなる場合があります。
なぜファッションに興味があるのか、自分の生活にどのような影響があるか、などを志望動機に取り入れることで、高い興味や意欲をアピールすることができるのです。
ただし、応募先企業のファッションと関連性のある内容でなければならないため注意しましょう。
7:コミュニケーション能力・勤勉性をアピールする
アパレル業界が求める人物像は、人柄や性格が重視される傾向があるため、コミュニケーション能力の高さや、勤勉性をアピールすることで高評価を得られる場合があります。
仮にアパレル業界が未経験であっても、前職では責任者として部署を牽引していたことや、職場では連携を図るためにコミュニケーションを大切にしていたことを書くことで、勤勉で意欲的なことがアピールできるでしょう。
8:体力があることをアピールする
体力があることを伝えることで、粘り強い性格であることがアピールできます。アパレル業界は接客など立ち仕事が多く、商品の管理なども体力を使うことが多いため、体が丈夫であることのアピールは評価されるでしょう。
例えば、部活は運動部で日々練習に励んでいた、などの学生時代の経験のエピソードを交えながら、体力面に自信があることを伝えましょう。
9:エピソードを織り込んでアピールする
アパレル業界で働いた経験がある場合は、過去のエピソードを交えることでスキルや即戦力がアピールできるでしょう。
前職では、どのような職種に就いていたか、経験年数、主にどのようなことを担当していたか、業務を通じて得たことや、経験から活かせることなど、入社後に活躍できる人材であることを伝える効果があります。
10:業界未経験でも接客業の経験をアピールする
応募する業界は未経験でも、接客業の経験がある場合はアピールすると効果的です。過去にアルバイトで経験してきたことや、勤めていた業界について、前職で得たスキル、どのような接客をしてきたかなどを志望動機に含めましょう。
接客についての基礎や、お客様への姿勢や対応の仕方など、共通する部分を盛り込むことで、経験者としてのアピールに繋がります。
志望動機を構成するポイント
志望動機を書くときは、構成を考えることで文章の印象が変わります。文章を整理せず構成がぶれていると志望動機が伝わりにくくなるためです。
現在就活や転職を考えている人の中には、志望動機の書き方に不安を感じている人も多いでしょう。書きたいことの要点を押さえて、正しく構成するための4つのポイントについて解説します。
- 箇条書きでリストアップする
- 優先順位付けをする
- 先に結論を持ってくる
- 文章構成を決める
箇条書きでリストアップする
志望動機で書きたい内容が多い場合は、まず箇条書きにしてリストアップしましょう。実際に、紙などに箇条書きにすることで、項目をまとめて脳内を整理できるためです。
リストアップして整理しておくと、長々とした文章を避けることができ、志望動機として伝えたい内容を絞ることができるでしょう。
優先順位付けをする
次に、志望動機をリストアップして箇条書きにしたものに優先順位を付けていきます。優先順位が高いものは、応募先の企業についてのエピソードで他の人と重なりにくい内容のものです。
ただし、やみくもに選択するのではなく、なぜそのブランドに応募したのかという理由が重要となります。
前職がある場合は、今までの経験やスキル、資格なども優先すべき内容のため積極的に記載しましょう。
先に結論を持ってくる
文章を書くときは、結論ファーストが大切です。最初に「応募した理由は◯◯です」というように結論を記載して、次になぜその結論に至ったかという経緯や理由を伝えます。
理由はより具体的なものが効果的で、「◯年前に貴社のブランドを購入する機会があり、デザインだけでなく素材や使用感に魅力を感じました」などと記載しましょう。
理由を記載した後は、就職したら自分はどのようなことを企業に貢献できるか、経験で活かせることなど目標で完結します。
文章構成を決める
志望動機をきちんとまとめるためには、文章構成をしっかりと構築させることが大切です。そのためには、企業についての情報収集を欠かしてはいけません。
ブランドの持つ独自性やこだわっている部分など、他の企業にない個性を理解して、志望動機に盛り込めそうなものを整理することが重要となります。
よくある文章にならないように、自分にしかできない表現方法に努めてきましょう。
アパレル業界における志望動機の注意点
志望動機を書いた経験のない場合は、どのような点に注意すれば良いか不安に感じることもあるでしょう。志望動機は、他の応募者に比べてアピールできるように気を付ける必要があります。
こちらでは、志望動機を書くときに、とくに注意したい内容を解説します。ポイントを押さえてアパレル業界に就職できるように今後の活動に役立てましょう。
なるべく自分の言葉で説明するように意識する
志望動機を書くことに迷いがあるときは、緊張をほぐしてリラックスしましょう。そして、なるべく自分の言葉を意識して説明することが重要です。
志望動機を書くことに慣れておらず内容が定まっていないときは、志望動機の例文を引用してしまいがちです。しかし、例文に頼ることで個性が主張できず、他の応募者との差は生まれません。
自身の志望動機を明確にして、自分の気持ちに従って選んだ言葉を用いることで、他にはない志望動機が完成するのです。
自己PRと内容が被らないようにする
志望動機は自己PRと内容が重なりやすいことがあります。そもそも、志望動機とは何か、自己PRとはどのようなことを伝える項目であるかを理解しておかなければなりません。
志望動機とは「自分が企業に応募した理由」です。面接担当者は、志望動機により企業やブランドについてどのくらい調査して理解を深めているか、という点を選考の材料とするでしょう。
また、自己PRは特技や長所など業務に活かせる内容をアピールする項目です。面接担当者は、自己PRで企業に必要な人材であるかを読み取り判断するのです。
志望動機と自己PRの区別がない面接では順番に注意する
企業の中には、志望動機と自己PRを区別しない方法で面接を行う場合があります。その場合は、先に志望動機を述べましょう。志望動機の後、自己PRを伝えることが適切な順番といえます。面接では、様々なパターンがあることを想定しておきましょう。
アパレル業界における志望動機例文
志望動機は、企業が選考する上で重要な項目です。志望動機の内容から応募者のやる気や熱意を読み取り、企業の将来に貢献して活躍できる人材であるか判断するためです。
こちらでは、アパレル業界で内定を獲得するための志望動機例文を、経験者・未経験者など応募者の立場別で紹介します。何を書けば良いかわからない人は参考にして下さい。
経験者の例文
アパレル業で働いた経験がある場合は、過去に自分が担当した業務内容や、企業に貢献できる具体的な内容を記載しましょう。
「貴社のデザイン性や確立されたブランド力に魅力を感じて応募させていただきました 私は以前にアルバイトとして販売業経験したことがあり、日々の接客や商品管理を勉強する中で、お客様のニーズに応えるための提案や説明に努めてまいりました。入社後は、これまでの接客の経験で得たスキルを活かして、貴社に貢献していきたいと考えています」
未経験者の例文
アパレル業が未経験の場合は、前職で培ったスキルや過去の経験から接客で活かせることをアピールすることが大切です。
「貴社のコンセプトであるサスティナブルで素材を生かした服作りに惹かれて志望いたしました。環境を持続可能なものにするための取り組みは、未来にとって大切な課題です。前職では事務職として従事した経験があり、部署ではコミュニケーションを通じて業務の活性化に努めてまいりました。入社後も、お客様とのコミュニケーションを大切にし、気持ちの良い接客を通じて貴社に貢献したいと考えています」
気を付けたいNG例文
アパレル業界の志望動機では、「自分が好きなブランドだから」などの理由だけではNGです。以下のような書き方をしないように気を付けましょう。
「貴社を志望した理由は、服が好きであるためです。また、テレビやSNSなどの広告で紹介されていて知名度が高いことも志望した理由の1つです。ファッションに関する知識はありませんが、入社後は仕事を通じて勉強したいと考えています。」
アパレル業界への就職に向けて志望動機を考えよう
アパレル業界で就職するためには、志望動機に企業の特徴を取り入れて熱意をアピールすることがポイントです。他社にはない独自の特徴を調べ、そこに共感したことなどを書くと良いでしょう。
そのために、企業の情報収集は入念に行いましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート