自己PRを魅力的に書くには構成が重要です。
そこで役立つのがPREP法という文章テンプレートを用いることです。
PREP法は就活だけでなく、ビジネスシーンにおいても非常に有用です。
しかし、活用方法について悩みや疑問を抱えている人は多いのではないでしょうか。
本記事ではPREP法を用いた自己PRの書き方について徹底解説をします。
メリットや注意点を理解して、魅力的な自己PRを書きましょう。
- PREP法とは
- PREP法を使うメリット
- REP法を使う際の注意点
- PREP法を用いた自己PRの例文
目次[目次を全て表示する]
【PREP法で自己PR】自己PRはPREP法で構成することで効果的になる
自己PRは構成が重要です。
限られた文字数、時間内に自分の魅力をアピールしなければならないからです。
自分の思いを上から順番に伝えていくだけでは、時間が足りなくなります。
そこでPREP法をうまく活用してください。
PREPの構成 |
意味 |
P(Point) |
要点・結論・主張 |
R(Reason) |
理由 |
E(Example) |
事例・具体例・データ |
P(Point) |
要点・結論・主張 |
文章構成しやすくなり、効果的に自分の強みを伝えられます。
その結果、採用担当者から高評価を得られるでしょう。
本記事では、PREP法が重要な理由や使い方について詳しく解説していきます。
自己PRの作成に役立つ内容になっています。
エピソードの構成にはSTAR法がおすすめ
自己PRをわかりやすく伝えるために、話の流れを整理し、聞き手が理解しやすい構成を意識することが大切です。
その際におすすめなのが、STAR法というフレームワークです。
Situation(状況)Target&Task(目標)Action(行動)Result(結果)の4つの要素で構成する方法で、特に具体的な経験を伝える際に有効な手法とされています。
それぞれの部分で何を話すのかについては後ほど詳しく紹介しますが、STAR法を活用すれば自己PRのエピソードの具体性を高めることができ、非常にわかりやすい内容になります。
「結論から話すのが難しい」「エピソードがまとまりにくい」といった問題を解決し、面接官に非常に分かりやすく伝わる構成であると言えるでしょう。
後ほど、それぞれの部分を詳しく分けて紹介するため、参考にしてみてください。
【PREP法で自己PR】自己PRで構成が重要な理由
自己PRの構成が重要な理由は以下の3つです。
- 長所・強みを分かりやすく伝えるため
- 負担を減らして楽に書くため
- 書くべき内容を漏らさず書くため
PREP法を使用する際は、重要性について理解しておく必要があります。
漠然と使用しても最大限の効果が得られないからです。
本章で解説する内容をきちんと理解したうえで、PREP法を活用してください。
魅力的な自己PRになり、採用担当者に好印象を与えられます。
1. 長所・強みを分かりやすく伝えるため
自己PRで構成が重要な理由の1つ目は、長所・強みを分かりやすく伝えるためです。
文章構成が整理されるため、自分の主張したい箇所が目立つようになります。
PREP法は冒頭に結論を伝えます。
たとえば「私の強みは協調性です」と説明してください。
採用担当者は、就活生の強みが最初から理解できるため、自己PRの全体像がすぐに認識できます。
また、文章中のどこに自分の強みを記載しているのか探す必要がなくなります。
自己PRで一番避けたいのは、自分の強みが採用担当者に伝わらないことです。
そのため、自己PRの始めに自分の長所や強みを述べましょう。
内容が理解しやすい自己PRになります。
2. 負担を減らして楽に書くため
自己PRで構成が重要な理由の2つ目は、負担を減らして楽に書くためです。
構成に沿って文章を考えるだけで、魅力的な自己PRになります。
確かに自己PRの作成に決まりはありません。
自分で最初から最後まで考えることは可能です。
しかし、作成に時間がかかるでしょう。
就活は自己PR以外にもやるべきことは多岐にわたります。
企業研究やエントリーシートの作成、面接対策などです。
自己PRに注力し過ぎると、ほかの準備がおろそかになります。
バランスよく対策するためにも、PREP法を活用してください。
また、負担を楽にすることは手抜きではありません。
効率よく就活を進めるための方法です。
就活をサボることにはならないため、安心してください。
3. 書くべき内容を漏らさず書くため
自己PRで構成が重要な理由の3つ目は、書くべき内容を漏らさず書くためです。
自己PRは、PREP法に含まれる構成を順番に満たすことで、魅力的なものに仕上がります。
もし自分の強みを記載し忘れると、自分の強みがアピールできません。
ほかにも具体的なエピソードがないと説得力に欠ける内容になります。
自己PRに必要となる要素を忘れないためには、PREP法に沿った作成が有効です。
最初は意識しながらの作成になるため、時間がかかるかもしれません。
しかし、自分の長所を伝え損ねる心配はなくなります。
PREP法を意識することで、何を書くべきかが明確になり、安心して作業できるでしょう。
【PREP法で自己PR】自己PRの構成におけるPREP法の使い方
自己PRの作成におけるPREP法の使い方を以下の順番で解説します。
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Example(具体例)
- Point(結論)
PREP法は、上記の流れで使用することが重要です。
順番を変えてしまうと、最大限の効果が得られないため注意してください。
PREP法に必要な内容を正しく知ることで、順番の重要性が理解できます。
魅力的な自己PRを作成したい就活生は、ぜひ参考にしてください。
Point(結論)
まずは、Point(結論)から伝えてください。
自分の長所や強みを印象づけられるからです。
たとえば「私の長所は、目標達成に向けてコツコツ努力できる忍耐力です」と伝えましょう。
結論を最初に述べることで、自分が何を一番主張したいのかが明らかになります。
採用担当者に自分の長所が何かを確実に伝えることが可能です。
また、結論は自信を持って述べるようにしましょう。
自信なさげに伝えるとアピールが弱い自己PRになります。
文末は「〜です」と言い切る形にしてください。
「〜と思います」「〜かもしれません」など、曖昧な表現は避けましょう。
採用担当者も長所として認識しづらくなります。
自己PRの冒頭は、結論から展開するようにしてください。
Reason(理由)
次に、Reason(理由)を伝えましょう。
結論の根拠を述べることで、自己PRに説得力が生まれるからです。
上記で解説した結論の例を参考にすると、文章の続きは「私は、毎朝5kmのランニングを1年間続けた経験があるためです」になります。
結論の次に理由を述べることで、忍耐力がある理由が明らかになります。
理由のない自己PRは、信憑性に欠けるため注意してください。
さらに、理由を述べることで採用担当者の疑問を解消する効果もあります。
採用担当者は自己PRの結論を読むと「なぜこの結論に至ったのだろう」と考えます。
そこで、採用担当者の気持ちを先回りすることが可能です。
その結果、違和感なく残りの文章が読めるでしょう。
結論の次は理由を忘れずに説明してください。
Example(具体例)
結論と理由に加えてExample(具体例)も重要です。
オリジナリティがある自己PRが完成するからです。
忍耐力のある就活生は、日本中にいます。
自己PRとしてアピールする就活生も多いでしょう。
そのため、忍耐力のみを伝えても、特別感や貴重性は感じられません。
周囲と差別化するには、具体的なエピソードを盛り込みましょう。
自己PRの題材が被ってしまっても、体験した内容や感想は人によって大きく異なります。
自分にしか書けない自己PRにすることで独自性が生まれます。
さらに、採用担当者は1日に大量の自己PRを読み聞きします。
同じ内容が続くと飽きが生じるかもしれません。
最後まで、興味を持って読んでもらうためには、具体例を記載しましょう。
Point(結論)
自己PRの最後には再び結論を述べてください。
採用担当者に、自分の長所や強みをあらためて印象づけたいからです。
たとえば「入社後は忍耐力を活かして、難しい業務にもコツコツ取り組むつもりです」と、結論と同じ内容を伝えましょう。
最初に述べた結論は、理由や具体例を読むうちに薄れます。
そこで最後に自分の一番主張したい強みを書くことで、採用担当者の記憶に残りやすくなります。
さらに、自己PRは入社後の姿が重要です。
入社したと仮定して、企業に対して自分がどのように貢献できるのか、伝えてください。
採用担当者は、就活生の将来性を想像しやすくなります。
自己PRの締めには、自分の長所と入社後の様子をセットにして伝えるようにしましょう。
【PREP法で自己PR】STAR法を併用してより効果的な構成にしよう
本章ではSTAR法について解説します。
STAR法とは、Situation(状況)Target&Task(目標)Action(行動)Result(結果)の頭文字を取った略称です。
過去の体験を具体的に伝えるために用いられる技法です。
PREP法とSTAR法を組み合わせることで、より効果的な自己PRが完成します。
以降の章でそれぞれの役割や使用方法について解説します。
STAR法を自己PRに盛り込んだことがない就活生は、ぜひ参考にしてください。
Situation(状況)
まずは、自分がどういった状況だったか説明しましょう。
採用担当者に前提となる条件を伝えるためです。
たとえば「私はテニス部のキャプテンを1年間務めました」と伝えてください。
今からテニス部時代の経験を話すことが明らかになります。
ほかにも「私は国際経済を学ぶゼミに所属しています」なども挙げられます。
自分の強みを説明するのに必要な具体例が、今から展開されることが読み取れるでしょう。
さらにPREP法で使用されるExample(具体例)を補助する意味もあります。
いきなりエピソードを展開しても、採用担当者は状況が飲み込めないかもしれません。
自己PRをきちんと読んでもらうためにも、自分の状況について説明しましょう。
Target&Task(目標)
次に自分で立てた目標や課題について触れましょう。
状況に対して自分がどのように考えたのか伝えるためです。
テニスに関する目標を話すなら「私はキャプテンとして、県大会ベスト8を目標にしました」と説明しましょう。
自分のモチベーションがどこにあるか伝えられます。
また、課題を話すなら「新入部員の数が昨年より20%減少しました」となります。
自分が取り組んだ課題の重要性を示せます。
ほかにも、計画性や継続力のアピールになるでしょう。
目標や課題は大きくする必要はありません。
採用担当者は目標や課題の大きさよりも、何を感じているのかに興味があるからです。
「全国大会優勝」のような目標にしなくても、きちんと評価されるため安心してください。
状況を説明したら目標もしくは、課題について説明しましょう。
Action(行動)
自己PRに具体性を持たせるには、課題に対してどのように行動したのか伝えましょう。
課題解決に向けてきちんと行動に移したことを証明するためです。
たとえば、新入部員を10名から20名に増員する計画があったとします。
計画達成に向けて「SNSで練習風景やメンバー紹介を実施しました」と伝えることで、実際に取り組んだ内容が明確になります。
立てた目標をやり遂げる力は仕事にも活かせます。
採用担当者は、就活生が計画倒れになっていないかチェックしているため、忘れずに記載しましょう。
さらに、行動内容に触れる際は、できる限り丁寧に説明してください。
自分の取り組みについて詳しく説明することで、理解しやすい自己PRになるからです。
Result(結果)
最後はResult(結果)を説明しましょう。
採用担当者は、課題解決に向けて行動した結果、どのような結末を迎えたのか知りたいからです。
採用担当者は、学生時代の取り組みから仕事ぶりを予想します。
自分が仕事に貢献できることをアピールするためにも、課題と結果はセットで伝えるようにしましょう。
自己PRは結果が成功・失敗のどちらでも問題ありません。
もちろん課題が達成できれば喜ばしいことです。
しかし、すべての取り組みが成功するとは限りません。
時には失敗に終わることもあるでしょう。
もし、課題解決できなかった場合は原因を分析し、次は失敗しないための方法を伝えてください。
採用担当者は、結果以外に得た学びや経験も重要視しているからです。
【PREP法で自己PR】PREP法を活用するメリット
「PREP法」はなぜ有効といわれるのでしょうか。
以下ではPREP法を用いることで得られるメリットを解説します。
- 相手が理解しやすい文章を作成できる
- 結論を印象付けられる
- 具体的で説得力のある文章を作成できる
- 文章作成が楽になる
相手が理解しやすい文章を作成できる
PREP法を活用することで、相手が理解しやすい文章を作成することができます。
なぜなら、最初に要点(結論・主張)を明示することで、話しの方向性を理解しやすくなるからです。
結論を最初に示す「結論をファースト」は文章のわかりやすさを格段に向上させることができます。
さらに、理由、根拠を続けることで具体的で説得力のある文章を作成することができます。
要点がわかりやすく、説得力のある文章に仕上がるため、相手が理解しやすい文章を作成できるのです。
最初に結論を明示することで面接官が話の全体像をつかみやすくなります。
これにより後の詳細をより詳しく理解しやすくなります。
要点を印象付けられる
PREP法を用いることで、結論を印象付けられます。
PREP法は最初と最後に結論するため、読み手に要点を印象付けることができます。
就活においては、企業の印象に残るアピールができるかも重要ですので、しっかりとアピールできるでしょう。
逆にネガティブな言葉は印象に残りやすいです。
言葉選びや言い換え表現を事前に準備しておきましょう。
具体的で説得力のある文章を作成できる
PREP法を用いることで、具体的で説得力のある文章を作成することができます。
PREP法では、「結論」の次にそれを裏付ける「理由」、「理由」の次にそれを裏付ける「具体例」という流れで構成されています。
このように、前述した事象に対し次の文章で根拠づけするという構造になっているため、文章に具体性を持たせることができるのです。
文章作成が楽になる
PREP法を用いることで、自己PR文を簡単に書くことができます。
通常、自分で自己PRする文章を整理し、構成を1から考えなければいけず、自己PRの作成に多くの工程や時間を使うことになってしまいます。
そこでPREP法に則って文章を埋めることで、構成を考えるという作業を省くことができます。
また、文章を思うがまま書き始めてしまうと、結局何が言いたいのかわからない文章になってしまうことも少なくありません。
そこでPREP法を用いることでシンプルで伝わりやすい文章を作成することができるのです。
【PREP法で自己PR】STAR法を併用するメリット
- 伝え方に一貫性が生まれ、わかりやすくなる
- 行動(Action)にフォーカスされやすい
- 結果(Result)が明確で説得力が増す
「STAR法を自己PRに活用すると良い」とは聞くものの、具体的にどのようなメリットがあるのかについてはまだよく理解できていない方も多いでしょう。
そこで、ここからはSTAR法を活用すればどのようなメリットが得られるのかについて、詳しく紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
伝え方に一貫性が生まれ、わかりやすくなる
STAR法を活用することで、自己PRに一貫性が生まれ、面接官に非常に伝わりやすい内容になります。
短い時間、もしくは文字数で自分の強みを的確に伝えることが自己PRの難しいところですが、STAR法を活用すれば明確な流れに沿って整理できるため、論理的でスムーズな説明が可能です。
「どのような状況だったのか」「どのような目標や課題があったのか」を説明し「そのためにどのような行動をとったのか」を詳しく伝えることで、一貫した話の流れを作ることができます。
その行動の結果として何が得られたのかを示せば、エピソードの締めくくりも明確になり、面接官に強い印象を与えられます。
面接官は多くの応募者の話を短時間で理解する、もしくは短い文字数から読み取って評価しなければならないため、論理的で整理された話し方ができる人の評価が高くなりやすいことを覚えておきましょう。
行動(Action)にフォーカスされやすい
企業は応募者を評価する際「何ができるか」よりも「どのように行動する人なのか」を重視することが多いです。
ただ「○○ができます」とスキルを列挙するのではなく「どのような場面で、どのような工夫をして行動したのか」を明確に伝えることで、選考で評価されやすくなります。
そのため、自己PRではSTAR法を活用して、自分が実際に取った行動をしっかりと説明することがおすすめです。
STAR法を活用すると、エピソードの中で自分の行動にしっかりと焦点を当てられます。
「どのような課題があり、自分は何を考えて行動したのか」を明確にできるため、ただ結果報告をして終わりではなく、自分の行動力や問題解決能力を同時に伝えることが可能です。
企業が知りたいと思っている情報を的確に提供できるため、相手があなたを評価しやすくなるでしょう。
結果(Result)が明確で説得力が増す
企業は「この人を採用したら、どのような成果を出してくれるのか」をイメージしながら選考を行います。
そのため、自己PRの中で「自分が行動した結果、どのような成果が得られたのか」を明確に伝えることは欠かせません。
成果が明確であればあるほど、面接官に対して説得力のあるアピールができるため、評価されやすくなります。
STAR法を活用するとエピソードの最後に結果をしっかりと説明できるため、自己PRの締めくくりが明確になります。
「新入生の参加率を増やすために工夫して取り組んだ結果、昨年より〇〇%増加した」というように、数字を用いて結果を示せば、より具体的なアピールが可能になります。
また、数字がない場合でも「メンバーの意見が一致しやすくなった」「お客様からのクレームが減り、満足度が向上した」など、目に見える変化や影響を伝え、面接官に強い印象を残すことを心がけましょう。
結果を明確に伝えれば「この人は実際に成果を出せる人であり、入社後も活躍してくれるだろう」と判断されやすくなるはずです。
【PREP法で自己PR】PREP法を用いる際の注意点
PREP法を用いることで、簡単にわかりやすく説得力のある文章を作成することができます。
しかし、PREP法はどんなものにも万能というわけではありません。
以下では、PREP法の活用に向かないケースについて紹介します。
- 長文には向かない
- 会話やスピーチには向かない
- 練習が必要
- 感情に訴えかける文章には向かない
長文には向かない
PREP法最大のメリットは「要点を簡潔に伝えられる」ことです。
そのため、文章が短く簡潔にまとめることに向いているため、長い文章には不向きであるといえます。
さらに、PREP法では要点を先に述べてしまうことも、物語に向かない点です。
読み手の興味を誘うという意味で、文学小説などの第一文は重要だとされています。
しかし、そこに物語のクライマックスをもってきてしまっては本末転倒です。
PREP法を用いる場合は、それがビジネスシーン向けの文章構成手法であることを必ず念頭に置いておかなければいけません。
物語などの作成においては「起承転結」や「序破急」など、徐々に話が展開していくタイプの文章構成が向いています。
会話やスピーチには向かない
先程メリットにて「スピーチ力が上がる」と触れましたが、実はPREP法自体はスピーチに最適なテンプレートではありません。
PREP法を使うのであれば、話しのオチ(この場合だと要点・結論・主張)を最初に持ってこなければならないからです。
まず、PREP法において重要視されるのはPoint(要点)の部分です。
そのため、あいだに構成されているReason(理由)・Example(事例・具体例)の部分は、印象として薄くなってしまいます。
日常の会話やスピーチは、段々と話が展開し、最後にはオチをつけるような「エピソード」を重視する傾向があります。
そのため、PREP法をそのまま用いてしまうと、淡白な印象を与えてしまうのです。
自身の追体験や印象的なエピソードは、話し手の感情や見聞きしたことが、聞き手にきちんと伝わることが重要です。
このようなシチュエーションでは最初に比較として述べた「起承転結」や「序破急」など、物語向きの文章構成の型を意識すると良いでしょう。
その一方で、話に説得力を持たせたいのであればPREP法を使うのがおすすめです。
スピーチをする相手・状況に応じて使い分けてみてくださいね。
感情に訴えかける文章には向かない
PREP法は、感情を訴えかける文章の作成には向いていないテンプレートです。
最初に要点(結論・主張)、つまりは答えを明示するからです。
何度も言いますが、PREP法を用いるのであれば最初は必ず要点でなければなりません。
話の内容を理解しやすくするためです。
しかしその反面、読み手は結論以降を読み進めてもワクワクしにくくなります。
読み手側からすれば、自分が知りたがっている答えが一番最初に提示されるわけですから無理もありません。
結論の後は理由・事例を書く
PREP法に基づいた文章は建設的な内容になる反面、どうしても機械的で冷たい印象の文章になりやすい傾向にあります。
イメージを簡単に言いますと、業務報告書のような冷めた文章になってしまうわけです。
業務報告書のような流れの文章で、相手の感情に訴えかけるのはどう考えても難しいですよね。
最初に答えを明示すること、文章の構成がロジカルが故に冷たい印象になりやすいこと。
この2つの理由で、PREP法を用いた文章で感情に訴えかけるのは困難と言えるのです。
もしも感情に訴えかける文章を書きたいのであれば、別の文章テンプレートを用いてくださいね。
【PREP法で自己PR】企業に響く自己PRを作成するポイント
先述した通り、PREP法を活用することで、相手が理解しやすい文章や説得力のある文章を作成することができます。
ただし、PREP法をただ使っただけでは、企業に響く自己PRとはいえない可能性もあります。
伝える内容や、伝え方の工夫によって、より企業に響く文章にしていきましょう。
ここからは、企業に響く魅力的な自己PRを作成するための内容や伝え方のポイントについて、解説していきます。
- 企業の求める人物像に合った強みをアピール
- 強みは1つに絞る
- エピソードは具体的に
- 強みを入社後どう活かすのか伝える
企業の求める人物像に合った強みをアピール
自己PRでは、あなたが入社後に活躍できるポテンシャルを示すことが重要です。
入社後に活躍できるという判断基準として、企業が定めているものが「求める人物像」です。
企業の求める人物像は、その企業で活躍するために必要な能力やスキル、その企業とマッチする人柄やマインドなどをもとに、それぞれの企業で設定される人物像です。
そのため、企業の求める人物像と合っている強みをアピールすることで、入社後の活躍イメージを企業に抱いてもらいやすくなります。
強みは1つに絞る
自己PRでは自分の強みを明確に伝えることが非常に重要です。
しかし、複数の強みをまとめて伝えようとすると、話の焦点がぼやけてしまいます。
そこで、よほど指定文字数や与えられた時間が多くない限り、強みは1つに絞りましょう。
社交性、行動力、継続力など様々な強みに自信がある場合でも、全てを伝えるのではなく「私は行動力が強みです」といった形で1つに絞り、アピールすることをおすすめします。
ただし「社交性を活かして、初対面の人とも積極的に関わりながら行動した」「困難な状況でも継続して挑戦し続けた」といった形で、他の強みを補助的に組み込むことは可能です。
「主題の強み」は1つにした方が良いですが、可能であれば、エピソードや表現から、他の能力も有していることがにじみ出てくるような書き方ができれば理想的です。
エピソードは具体的に
エピソードは必ず具体的に書くことを心がけてください。
誰しも、意識しないと主観的になってしまいがちですが、相手は基本的にあなたのことを何も知らない人です。
もしかすると、インターンや企業説明会で何度か会っているかもしれませんが、それでも、「あなたについて熟知している相手ではない」ということを忘れてはいけません。
必ず、自分のエピソードを話す際は「初対面の相手でも理解できるか」ということを心がけましょう。
部活でも、アルバイトでも、インターンでも、ゼミの話でも何でも、良いですが、その場に居合わせていなかった人が、話を聞くだけ、もしくは文章を読むだけで情景が浮かぶかということを意識してください。
これにより、説明の上手さや論理的思考力、相手の立場になって考える能力などを同時にアピールでき、さらにあなたのエピソードも伝わりやすくなります。
強みを入社後どう活かすのか伝える
強みを「入社後どのように活かせるのか」まで伝えることで、企業に与えるあなたの入社後の活躍イメージを、さらに具体化させることができます。
自己PRは、ただ単に強みを伝える場ではありません。
これまで培ってきた強みを、入社後には具体的にどのように活かせそうか、ビジョンを伝えることが大切です。
企業研究や職種理解を深め、入社後の役割や業務内容までしっかりと把握し、あなたの強みをどのように活かせそうかイメージしましょう。
加えて、あなたのキャリアプランと照らし合わせて、強みを活かしながら将来どのようにキャリアアップしていきたいかを考えましょう。
入社後に強みを活かせるイメージと、さらに先のキャリアビジョンが明確であればあるほど、「長期的に活躍し続けてくれる」という企業の評価に繋がりやすくなるでしょう。
【PREP法で自己PR】状況別!自己PRで注意すべきこと
- 書類選考は文字量や文字サイズに注意
- 動画選考はあいさつや自己紹介を含める
- 面接では応募書類に矛盾しないように注意
続いて、自己PRを作成、もしくは面接で話すにあたって注意しなければならないことについて紹介します。
書類選考の時、動画選考の時、面接の時などに分けて紹介するため、それぞれの場面において必ず覚えておいてほしい注意点をあらかじめ確認しておきましょう。
書類選考は文字量や文字サイズに注意
エントリーシートや履歴書などの書類選考では自己PRの内容だけでなく、文字の量や文字のサイズにも注意を払うことが重要です。
面接官は大量の応募者の書類を確認しなければならないため、読みやすさが選考の印象を左右することもあります。
文字が小さすぎたり、行間が詰まりすぎていたりすると内容が伝わりにくいため、適切なレイアウトを意識しましょう。
文字数が指定されていない場合、自己PRは300文字程度が適切とされています。
端的に自分の強みを伝えることができ、面接官が負担なく読める文字数です。
文字数が極端に少ないと、内容が十分に伝えられませんし、長すぎると要点がぼやけてしまい「簡潔に伝える力がない」と判断されてしまいます。
そのため、この記事で紹介したPREP法やSTAR法を活用しながら、論理的にまとめて作成しましょう。
以下の記事では受かる自己PRの書き方についてさらに掘り下げて紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
動画選考はあいさつや自己紹介を含める
動画選考では面接官から直接質問されるわけではないため、自分で内容を組み立てて話す必要があります。
自己PRに集中するあまり、挨拶や自己紹介を省略してしまうと、礼儀やコミュニケーションに欠けていると思われてしまう可能性が高いです。
限られた時間の中で自分をアピールすることが求められるため、冒頭の挨拶や自己紹介を含めて、礼儀正しく誠実な人柄を伝えましょう。
「なんとなく」で撮影するのではなく「画面の向こうには、自分の合否を判断する人が居る」ということを忘れずに、礼儀や礼節を大切にして、誰が見ても良い印象を受ける、質の高い動画を作成することを心がけましょう。
自己PR動画を撮影する際のコツについては以下の記事でさらに詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
面接では応募書類に矛盾しないように注意
面接の回答とエントリーシート、履歴書などの応募書類が矛盾しないように気をつけることも大切です。
基本的に、面接官はエントリーシートを熟読した上で、もしくはエントリーシートを手元に置いた状態で面接に臨みます。
あなたが企業にあらかじめ提供した情報と矛盾した話を面接でしてしまうと「嘘をついている」「何も考えずに応募している」と思われてしまう可能性が高いです。
エントリーシートの自己PRで「継続力が強みである」とアピールしていたにもかかわらず、面接で「弱みは短気なことです」などと答えてしまうと、完全に矛盾しており「どちらかで嘘をついている」と思われてしまうでしょう。
企業に提出する書類は自分でもコピーを取っておき「どのような回答を提示したか」を復習してから本番に臨むことを心がけてください。
【PREP法で自己PR】PREP法を用いた自己PRの例文【強み別】
以下ではPREP法を用いた自己PRの例文を3つ紹介します。
先ほど解説した、自己PRにPREP法を用いるポイントを思い出しながら、自己PRを作成する際の参考にしてくださいね。
例文1:提案力
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みは提案力です。
私は過去にアパレル店で販売のアルバイトをしていました。
商品の陳列レイアウトを社員の方と一緒に提案する場面があり、そこでエリアのモデルレイアウトとして紹介されるという成果をあげました。
普段から聞いていたお客様のお声だけでなく、店舗として押したい商品やセットアイテムとして購入していただき商品を近くにすることで、実際にセット買いの売り上げも増えたのです。
私はこのお客様目線に立った提案力という強みを生かし、貴社のお客様満足度をより向上させたいです。
例文2:主体性
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みは主体性です。
私は現在個人経営の飲食店でアルバイトをしており、勤続年数が長いことから新人アルバイトの研修を任せられました。
新人の研修の際にはマニュアルを渡すだけでなく、自分の仕事を早く終わらせ、いつでも新人のフォローに回れるよう心がけました。
また、普段の声かけや基本であるあいさつも忘れずに行うことで、新人が働きやすい環境作りにも努めました。
その結果、普段は2か月ほどかかる研修を1か月半で終わらせることができ、
私はこの全体の利益のために自分が何ができるかを考える主体性を活かし、頼れる上司になりたいです。
例文3:継続力
PREP法を利用した自己PR例文
私の知強みは、困難に屈しない継続力です。
私は小学生の頃から12年間、陸上競技に取り組んでいます。
陸上競技は個人競技のため、チームで活動するイメージは薄いかと思いますが、個人競技だからこそチーム全体の雰囲気が個々のパフォーマンスに大きく影響します。
大学では短距離パートのリーダーとして、後輩をサポートする立場になりました。
自分の練習もしながら一人ひとりが抱えている課題や目標を把握し、ほかのパートと共有するのは大変でしたが、やりがいも感じていました。
日々の練習後のミーティングや個別のやり取りを強化することで、ほとんどの部員が自分の目標を達成することができたのです。
私は困難に対処しながらやり遂げる継続力を生かし、入社後も日々成長していきたいです。
例文4:コミュニケーション
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みはコミュニケーション力です。
私は大学でのグループプロジェクトやアルバイトを通じて、多くのメンバーとのコミュニケーションを重視してきました。
大学のゼミでは、ゼミのテーマに関するディスカッションで意見をまとめる役割を務めました。
各メンバーの意見を尊重しながらも、全体としての合意を得るために、積極的にコミュニケーションを取りました。
その結果、ゼミのプロジェクトは予定通りに進み、学部内で最も高い評価を受けました。
貴社においても、この強みを活かし、メンバーの意見をまとめ、統合した案を出すことでプロジェクトを成功に導きたいと考えています。
例文5:問題解決能力
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みは問題解決能力です。
大学での研究やアルバイトでの業務を通じて、この能力を磨いてきました。
飲食店でアルバイトをしていた際、体調不良で4人が当日に欠勤し、オペレーションが間に合いませんでした。
そこで私は他のスタッフと協力して業務の優先順位を再設定し、効率的に対応しました。
その結果、サービスの遅れを最小限に抑えることができ、お客様からのクレームも無く、この緊急事態を乗り越えられました。
貴社においてもこの問題解決能力を活かし、課題に迅速かつ的確に対応しながら業務の改善に貢献したいと考えています。
例文6:チームワーク
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みはチームワークです。
大学の授業でグループでの課題に取り組む際にこの能力を発揮しました。
他学部のメンバーと合同の授業であったため、それぞれの専門分野を理解し、役割分担を決める必要がありました。
そこで私はリーダーを務め、それぞれの強みを活かせるよう、的確に役割を割り振りました。
プロジェクトは期限より3日早く完了し、教授からも高い評価を受けました。
この強みを活かし、将来はプロジェクトリーダーとして貴社のプロジェクトでもチーム全体をまとめ、成功に貢献したいと考えています。
例文7:向上心
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みは向上心です。
大学では専攻分野の学びに加え、独学でプログラミングやデータ分析の技術を学びました。
大学2年生の時にプログラミングコンテストに参加した際、初めての経験で最初は苦戦しましたが、毎日の練習と学習に取り組み、次第に理解を深めていきました。
また、どれほど忙しくとも、「毎日30分大学に早く登校し、学習をする」という習慣は図らずも周囲に影響を与え、他のメンバーも同じように取り組むようになりました。
その結果、コンテストではチームとして優秀賞を受賞することができました。
貴社においても、この強みを活かし、入社後、何年経とうとも常にスキルアップを目指し、技術面で貢献していきたいと考えています。
例文8:リーダーシップ
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みはリーダーシップです。
アルバイト先での経験を通じて、このスキルを培ってきました。
飲食店で働いていた際、シフトが月1回の提出で、融通が効かないことに不満を持つスタッフが多くいました。
そこでバイトリーダーとして店長に2週間に1回提出への切り替えと、1ヶ月前に提出したスタッフに対しては具体的に感謝の言葉を伝えることを提案しました。
これにより、サークルや学業で忙しいスタッフが働きやすくなり、もともとのシフト提出方法に不満が無かったスタッフもモチベーションを高めてくれました。
貴社においても、不満や課題を迅速に発見し、具体的な解決案を提案することで、プロジェクトの成功に貢献したいと考えています。
例文9:柔軟性
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みは柔軟性です。
大学で交換留学プログラムに半年間参加し、オーストラリアに留学した際は異なる文化、そして言語の中で生活しました。
最初は戸惑うこともありましたが、1週間後には適応し、多くの友人を作りました。
そして、TOEICの点数を450から800以上に伸ばす目標を達成しつつ、現在もFacebookで交流する友人が10人以上居るほど、私生活も充実させることができました。
貴社においても、この柔軟性と英語力を活かし、課題への迅速な対応と海外企業とのやりとりにおいて貢献したいと考えています。
例文10:創造力
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みは創造力です。
大学3年生の時に参加したマーケティングプロジェクトでは、新商品のプロモーション戦略を考える役割を担いました。
私はまずターゲット市場の詳細な分析を行い、SNSを活用したキャンペーンを提案しました。
特に「自社の商品を利用した際の体験談を募集し、最も興味深い投稿は漫画化して紹介する」という消費者の参加意欲を高めるアイデアが高く評価されました。
その結果、実際のプロモーションでも顧客のエンゲージメントが大幅に向上し、売上も増加しました。
貴社においても、このような創造力を活かして新たな価値を提供し、事業の成長、そして売上の向上に貢献したいと考えています。
例文11:誠実さ
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みは誠実さです。
大学のゼミの共同研究ではデータの収集と分析を担当しました。
正確にデータを算出することを重視し、他のメンバーが理解しやすいよう、一目で理解できるPDFを作成しました。
これにより研究がスムーズに進み、ゼミ全体として高い評価を受け、研究の成果を学内外で発表する機会をも得られました。
貴社においても、事務員として常に誠実に他の社員の方々の立場になって考え、一目で理解できる書類作成を心がけ、信頼される社員として貢献したいと考えています。
例文12:マネジメント
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みはマネジメント能力です。
大学のサークル活動で大規模なイベントを企画・運営した経験があります。
私はリーダーとして、メンバーの役割分担やスケジュール管理を行い、全体の進捗を管理しました。
特に、時間がかかりそうな作業には従来より多い人員と長い時間を割り振り、メンバーが焦らずに取り組めるよう取り計らいました。
その結果、イベントは無事に成功し、多くの参加者から好評を得ました。
この経験を通じて、マネジメントの重要性とその実践方法を学びました。
貴社においても、まずはいち社員として成長し、業務を問題なくこなせるよう成長を目指します。
そして、数年後にはプロジェクト管理を担当し、リーダーとして貢献したいと考えています。
例文13:自主性
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みは自主性です。
大学での研究プロジェクトでは研究テーマの選定からデータ収集、分析、発表までのすべての過程を自ら計画し、実行しました。
データ収集のために現地調査も行い、研究に活用できる情報を得ることもできました。
この自主的な取り組みと質の高い研究内容が評価され、学内で高い評価を受けました。
貴社においても、与えられた業務だけでなく、常に成長と他の社員の方々のサポートのために、お手伝いできることがあれば積極的に取り組みたいと考えています。
そして、本来の業務以外にも、人員が足りない際はピンチヒッターとして貢献できる人物を目指します。
例文14:計画性
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みは計画性です。
大学2年の春から半年間の留学に行くために、入学直後から費用の捻出のために計画的に行動しました。
これにより、毎月必要な収入と交際費などの支出を予測し、無理なく留学費用を貯めることができ、無事に留学を叶えました。
また、留学中も帰国後の目標のために貯金し、宅地建物取引士の講座を受講し、合格できました。
貴社においても、この計画性を活かして貢献したいと考えています。
特に、長期にわたるプロジェクトに参画する際はあらかじめスケジュールを綿密に設計し、円滑なプロジェクトの進行に貢献する所存です。
例文15:分析力
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みは分析力です。
大学での卒業研究では地域経済の発展に関する研究を行いました。
大量のデータを収集・分析し、的確に他のメンバーに伝えることで研究がスムーズに進み、メンバー全員が卒業論文を余裕を持って完成させられました。
教授からも高く評価され、学内の研究発表会で最優秀賞を受賞しました。
このように、私の分析力はデータから有益な洞察を引き出し、実際の成果に結びつけられるものであると考えています。
貴社においても、分析力を活かして課題や問題点を迅速に導き出し、業務改善や戦略立案に貢献する所存です。
【PREP法で自己PR】PREP法を用いた自己PRの例文【エピソード別】
PREP法を用いた自己PRの例文を3つ紹介します。
自己PRで何をアピールするのかは就活生次第です。
そのため、エピソード選びに困る就活生は多いでしょう。
本章では、ほとんどの就活生が経験する部活動とゼミ、アルバイトの例文を用意しました。
PREP法は理解できたが、実際の文章を読んでみないと想像できない就活生もいるでしょう。
本章を読み、自己PRの全体像把握に役立ててください。
例文1:部活動
PREP法を利用した自己PR例文
私は、目標達成に向けて粘り強く努力できる人間です。
大学時代に所属していたバスケットボール部での経験があるからです。
当時、私たちは県大会出場を目標に掲げていましたが、チームの実力は県内でも低いレベルでした。
目標達成のためには、個人のスキルアップに加え、チームとしての連携強化が不可欠でした。
そこで私は、チームの課題を分析し、具体的な練習メニューを提案しました。
個人スキル向上のためには、ドリブルやシュート練習に加えて、フィジカルトレーニングを取り入れました。
また、チーム連携強化のためには、戦術練習やチームミーティングを重ね、メンバー間のコミュニケーションを密にしました。
その結果、チームは着実に力をつけ、1年後には県大会出場という目標を達成できました。この経験を通して、私は目標達成のためには、困難に立ち向かう粘り強さ、そしてチームをまとめるリーダーシップが不可欠であることを学びました。
この経験を活かし、社会に出ても、目標達成に向けて粘り強く努力し、チームを牽引できる存在になりたいです。
部活動は、目標や課題が生まれやすい題材です。
また、定期的に大会が開かれるため、結果も明確に出ます。
自己PRでは上記の要素をきちんと伝えて、具体性のある文章にしてください。
例文2:ゼミ
PREP法を利用した自己PR例文
私は、論理的思考力と探求心を持ち合わせています。
大学院での研究活動を通して、これらの能力を培ってきました。
所属する研究室では、AIについて研究しています。
先行研究が少ない分野であり、実験結果の分析や考察に試行錯誤を要しました。
そこで、私は国内外の論文や資料を幅広く収集し、関連分野の知識を深めました。
その後、収集した情報をもとに仮説を立て、実験を通して検証しました。
そして実験結果を多角的に分析し、考察を深めました。
最後に得られたデータや考察をもとに、論理的な思考で結論を導き出しました。
これらの過程を通して、論理的思考力と探求心を磨きました。
社会に出ても、これらの能力を活かして、お客様の課題解決に貢献したいと考えています。
ゼミを題材にした自己PRは、自分の得意分野を説明するため作成しやすいのが特徴です。
自分の研究内容を整理することで自己PRになるため、作成のハードルが低くなります。
一方で、研究を説明するにあたって、専門用語は控えるようにしましょう。
採用担当者が専門用語の意味を知らない可能性があるからです。
誰が読んでも理解できる内容にするためにも、できる限り難しい言葉は使わないようにしてください。
例文3:アルバイト
PREP法を利用した自己PR例文
私は、状況把握力と臨機応変な対応力を強みとしています。
コンビニでのアルバイト経験があるためです。
私が勤務していた店舗は駅に近く、朝夕のラッシュ時には多くのお客様が来店されます。
とくに朝の時間帯はレジ待ちの列が長くなり、お客様の不満が高まることが課題でした。
そこで、レジの混雑状況やお客様の動きを常に把握し、レジ応援が必要かどうかを判断しました。
もし、レジ応援が必要な場合は、ほかのスタッフに応援を要請しました。
ほかにもお客様の購入商品を予測し、袋詰めを先にするなど、効率的なレジ対応を心がけました。
その結果、レジの待ち時間を短縮し、お客様の満足度向上に貢献しました。
入社後は状況に応じた柔軟な対応で、お客様やチームに貢献したいと考えています。
アルバイトに関する自己PRは題材が被ります。
そのため、オリジナリティを意識しましょう。
たとえばアルバイトしている最中の感情や自分が課題だと感じたきっかけを伝えてください。
周囲の就活生と話題が重なっても、差別化することが可能です。
また、アルバイトは社会に近い存在です。
採用担当者に入社後の姿を想像してもらうためにも、自分の担当した業務については詳しく説明しましょう。
【PREP法で自己PR】PREP法を用いた自己PRの例文【長さ別】
続いて、PREP法を用いた自己PRの例文を長さ別に紹介します。
自己PRは、自分の好きなように記載できません。
企業から文字数もしくは、時間が制限されます。
極端に短かったり、大幅に超えたりすると採用担当者の印象が悪くなります。
どのパターンでも柔軟に対応するためには、あらかじめ準備しておくことが重要です。
話の軸は同じでも、エピソードを増減させて調整しましょう。
以降の章で詳しく解説しているので、参考にしてください。
例文1:150字程度(約30秒)
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みは柔軟性です。
大学時代に短期のインターンシップに参加しました。
私の担当は2か月以内に新商品を開発することでした。
そこで柔軟な発想と臨機応変な対応力を発揮して、乗り越えました。
今回の経験から、新しい環境や課題に対して適応する柔軟性を身につけました。
入社後は、商品開発の部署で売上に貢献したいと考えています。
150文字は自己PRにおいて短い部類です。
書き始めると、あっという間に文字数制限になります。
そのため、自分の一番主張したいことを絞っておくことが重要です。
もし、面接で発言する場合は早口にならないよう注意しましょう。
早口で話すと時間が余ってしまい、余計に緊張します。
自己PRは余裕を持って話し、自分の強みをアピールしましょう。
例文2:300字程度(約1分)
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みは柔軟性です。
大学時代に参加したインターンシップで、メンバーと共に新商品開発に挑戦しました。
学生の頃からものづくりに興味はあったので自分には適任だと考えました。
インターンシップは、約2か月と短期間でした。
期日までに終わらせるには、さまざまなアイデアを提供する必要がありました。
しかし、柔軟な発想と臨機応変な対応力を発揮して、乗り越えました。
たとえば、売上向上のための斬新な販売戦略を考案し、実際にそれを実施する過程でチームメンバーと協力し合いました。
インターンシップを通して、新しい環境や課題に対して適応し、円滑に業務を進める柔軟性を身につけました。
この柔軟性を活かし、商品開発の部署でチームに貢献したいと考えています。
自己PRで300文字は一般的な長さと言えます。
面接でも同様です。
また、採用担当者から「1分程度でお願いします」と指示されます。
1分と言われたら、300文字程度に相当することを覚えておきましょう。
300文字は、具体的なエピソードを盛り込む余地があります。
150文字では説明しきれなかった部分を補強しましょう。
例文3:450字程度(約1分30秒)
PREP法を利用した自己PR例文
私の強みは、変化を恐れず、状況に合わせて柔軟に対応できることです。
大学時代に参加した2か月間のインターンシップで強く実感しました。
新商品開発という課題に対し、当初は意欲に燃えていたものの、短期間で成果を出すためには、困難を乗り越える必要がありました。
インターンシップでは、チームで協力し、斬新な販売戦略を考案する必要がありました。
しかし、メンバーの意見がまとまらず、議論が膠着してしまう場面もありました。
そこで私は、それぞれの意見を丁寧に聞き取り、共通点を見つけ出すことに注力しました。
さらに、予期せぬトラブルも発生しました。
販売開始直前に、商品の原材料が不足する事態です。
私は、代替の原材料を探し、供給元と交渉することで、販売開始に間に合わせました。
このような経験を通して、新しい環境や課題に対して、柔軟な発想と臨機応変な対応力で適応できることを学びました。
この柔軟性を活かし、商品開発の部署で、売上に貢献したいと考えています。
ほかにも、既存のやり方に囚われることなく、流行を先取りできる商品を開発したいです。
450文字は長い自己PRになります。
文章を考えるのに苦労するでしょう。
そのため、当時の様子や感情、トラブルなどを書き込んでください。
より詳しくすることで説得力のある自己PRになります。
ただし、主張したい内容は整理しておきましょう。
アピール数によって評価が比例するわけではありません。
あくまで長所や強みは、1つに絞っておくようにしましょう。
【PREP法で自己PR】就活で使えるPREP法以外の文章用法
文章を作成する際の用法は、PREP法以外にも多数存在します。
以下では、就活で役立てることができる用法3つと、PREP法との違いをそれぞれ紹介します。
「PREP法以外の用法も知りたい」「より魅力的な用法を知りたい」という方はぜひ参考にしてくださいね。
- SDS法
- TAPS法
- DESC法
SDS法
就活に使える文章作成の用法として、SDS法が挙げられます。
SDS法とは以下の略称を指します。
- S(要点:Summary)
- D(詳細:Details)
- S(要点:Summary)
SDS法はPREP法と同様、要点を最初と最後に示している点が特徴です。
一方、PREP法における理由と具体例の部分が「詳細」としてまとめられているため、自由度が高い用法であるといえます。
以下の例文を参考に、SDS法の特徴を掴みましょう。
S:(要点)
私の趣味は文章を書くことです。
D:(詳細)
作文・メール・レポート・論文・詩・短歌を問わず、文章を書くことがとにかく好きです。
そのため、1日に1回は何かしらの文章を作っています。
ちょうど1年前になるのですがWordPressにてブログを開設し、自分の趣味・日々の生活を毎日欠かさず綴っています。
その甲斐もあり、現在の文章力は1年前と比べて比べ物にならないほど上達しました。
S:(要点)
文章のことなら、ぜひお任せください。
PREP法とSDS法の違い
PREP法とSDS法の違いを一言で言うならば「伝わる情報の細かさ」にあります。
PREP法は具体的で説得力のある文章を作成できるのに対し、SDS法では広く浅い文章になりがちです。
一見、「就活で使いにくそう」と思えてしまいますが、こちらの用法は自己紹介の際などに活用することがおすすめです。
自己紹介は基本的に1分程度の時間制限がありますので、そこまで深い話をする必要はありません。
このように、概要の大枠を伝える際にSDS法を活かすことができます。
短時間で簡単な話を要求されたときはSDS法、と、1つの話を深堀する必要性があるときはPREP法と、うまく使い分けをしましょう。
TAPS法
就活に使える文章作成の用法として、TAPS法が挙げられます。
TAPS法とは以下の略称を指します。
- T(理想:To be)
- A(現状:As is)
- P(問題:Problem)
- S(解決策:Solution)
TAPS法はプレゼンの際に役立つ用法です。
TAPS法では、まず相手の理想像を提示し、共感や同意を得ます。
その後、現状との比較を提示し、そのギャップが発生している原因や問題に対する解決策を提案する、という流れで構成されます。
以下の例文を参考に、TAPS法の特徴を掴みましょう。
T(理想:To be)
「エントリーシート・面接対策として、PREP法などといった文章の書き方をマスターしておきたい。」
就活の時期が迫るにつれ、このように考える学生さんは多いことでしょう。
A(現状:As is)
しかし授業・部活・課外活動に忙しく、なかなか勉強の時間を確保できないのが現実ですよね。
P(問題:Problem)
そんなときは如何に時間を捻出するかが問題に見えますが、実は違います。
真の問題点は「自己PR文章を作るのに時間がかかり過ぎている」ことにあります。
授業の合間・電車での移動中などといった隙間時間で、自己PR文章をパパッと作れるようになればよいだけ。
日々の忙しい生活の中で時間を無理やり捻出するのではなく、わずかな隙間時間で本当に有効な自己PR文章を作れるようになればよいのです。
S(解決策:Solution)
そこで役立つのが、就活市場の自己PR作成ツール。
たった10分で、内定をより高確率で勝ち取れる自己PR文章を作ることが可能です。
面接官をクギ付けにする自己PR文章を、隙間時間で作りたい方はぜひ使ってみてください。
PREP法とTAPS法の違い
例文からわかるように、TAPS法とPREP法は大きく異なることがわかります。
例文を例にすると、PREP法であれば「勉強をしたい理由・その理由に至った事例」を解説する流れになります。
しかしTAPS法には、それに当たる部分がありません。
そのためTAPS法では、1つの話を深堀するのが不向きであることが伺えます。
しかしTAPS法は、活用の仕方次第では相手を強烈に惹きつけることができます。
例えば、就活においてはグループワークの発表やプレゼンテーションに活かすことができるでしょう。
また、営業職などでも生かすことができます。
DESC法
就活に使える文章作成の用法として、DESC法が挙げられます。
DESC法とは以下の略称を指します。
- D(課題を描写:Describe)
- E(説明:Express)
- S(提案:Suggest)
- C(選択:Choose)
DESC法は主に提案をする際に活用することができる用法です。
DESC法では、最初に課題を示し、それに対してあなたが感じたことを説明します。
そして説明した内容を解決するためのアイデアを複数提案・相手に選択してもらうという流れになります。
先ほど紹介したTAPS法と似ている部分が多い用法に感じられます。
以下の例文を参考に、DESC法の特徴を掴みましょう。
D(課題を描写:Describe)
あなたが書いたエントリーシートは、5回連続で落ちていますね。
E(説明:Express)
自分の理想や信念をしっかり伝えることは確かに大事です。
しかし、この結果を鑑みるに書き方を変える必要があるかもしれません。
S(提案:Suggest)
そこでご提案なのですが、一度文章テンプレートを使って書いてみてはいかがでしょうか。
文章テンプレートを使えば、要点を簡潔にまとめることができます。
その結果、今までは伝えきれていなかった部分を面接官に伝えられます。
そうすれば、エントリーシートの通過率も向上するかもしれません。
C(選択:Choose)
文章テンプレートには様々なモノがありますが、まずはPREP法・SDS法・TAPS法・DESC法の中から選んでみてください。
非常に使いやすく、短時間でまとまった文章を作成できます。
PREP法とDESC法の違い
PREP法とDESC法を比較すると、説明のパートに違いがあることがわかります。
上の例文の場合、PREP法であれば「考え方を変える必要があること」に対する理由に関して言及しなければなりません。
しかしDESC法の例文では、理由や事例は提示していません。
このように、PREP法を用いたほうが説得力のある文章を作成しやすいといえます。
DESC法を用いる際は、グループワークにおける話し合いなどの場面で活かせるでしょう。
木下恵利

PREP法とDESC法のメリットと活用方法を理解して上手く使い分けてみましょう。
【PREP法で自己PR】PREP法で魅力的な自己PRを作成しよう
「PREP法」は限られた文字数で、わかりやすく説得力のある自己PRを作成することができます。
本記事で紹介したポイントや例文を参考に、あなたの魅力がしっかりと表れる自己PRを作成してくださいね。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
小玉 彩華
また、先ほどの例文のように、少ない文字数で説得力のある文章を作成できるため、ESや履歴書の作成に適した用法であるといえます。