「製造業に求められる性格や能力を教えてほしい」
「自己PRの書き方を知りたい」
製造業への就職を目指しているけれど、効果的な自己PRの書き方がわからなくて不安や疑問を感じている人はいませんか。
本記事では、企業が自己PRに求めるもの、製造業に必要なスキル、製造業に向いている人の特徴、自己PRを作成するときのポイントについてまとめました。
併せて、自己PRの構成、アピール例と例文、思いつかないときの対処法についても紹介しています。
本記事を読めば、製造業を目指す人にとって効果的な自己PRを作成できるでしょう。
ぜひ、本記事を参考にして就職活動を成功させてくださいね。
- 製造業の業務内容
- 製造業の職種
- 製造業の自己PRの作り方
- 製造業に向いている人の特徴
- 製造業を目指す人
- 自己PRの書き方が分からない人
- 自分が製造業に向いているか知りたい人
- 自己PRの例文を読みたい人
【製造業の自己PR】企業が自己PRに求めるもの
どの業界を目指して就職活動をするにしても、自己PRは必要です。
企業は自己PRによって、あなたの人柄や能力を見ています。
良い自己PRができれば、ほかの就活生と差別化をはかれるでしょう。
自己PRの重要性は非常に高く、就活を成功させるにあたってのポイントです。
しかし業界によって、求めているものが違うのではないだろうかと気になる人もいるかもしれません。
製造業での就活では自己PRでどのような点を見ているのか考えてみましょう。
人柄
まず自己PRで見られているのはあなたの人柄です。
一緒に働くことになる人の人柄は、やはりどの業界だとしても見ておきたいものです。
そのため、自己PRではあなたがどのような人柄なのかわかるかどうかが重要になってきます。
企業側はあなたがどういった人間なのか、自社に合うかどうかなどを見極めたいと考えています。
ここで自分を良く見せようとしても、入社してから苦労をするだけです。
素直に自分の人柄が伝えられるような自己PRをしましょう。
ただしマイナスな考え方ではなく、基本的にはプラスな考え方で自分の人柄をとらえてください。
自分の短所については、企業から聞かれたときにだけ話しましょう。
ネガティブな思考の人だと思われるのは、あまり良い結果につながらない可能性があるためです。
入社後活かせる能力
次に自己PRで求められているのは、あなたがどのような経験をして、その結果どのような能力を身につけているのかという点です。
あなたがまったくの未経験の人なのか、それとも製造業の経験がある人なのかをまず伝えてください。
応募する際に経験者なのかどうかを聞かれる可能性はありますが、自己PRではより詳細に伝えられると良いでしょう。
そのためにもあなたの持っている能力について、自己分析をしっかり行って、自分で把握しておくことが重要です。
自己分析した結果を用いて、入社後にあなたの持っている能力がどのように企業で活かせるのか具体的にアピールしましょう。
これが伝えられれば、あとは企業から必要か必要でないのかの判断が下されるだけです。
ガクチカと自己PRの違い
就活でよく耳にする「ガクチカ」と自己PRの違いとはいったいなんでしょうか。
ガクチカとは「学生時代にあなたが力をいれたこと」の略です。
自己PRでは上記のようにあなたを採用するにあたってのメリットや理由をアピールすることが重要です。
一方ガクチカではあなたが成長した経験をアピールして、ポテンシャルや成長性を感じてもらいましょう。
似ているようですが、それぞれ企業が見たいと思っている点は違います。
前者は企業にとってどんなメリットがあるのか、後者はあなたがどんな人なのか見ていると考えるのがいいかもしれません。
ガクチカではあなたがどのように問題に取り組み、成長していく人なのかを伝えられれば問題ないでしょう。
【製造業の自己PR】製造業とは
製造業とは、特定の素材を作成・加工・組み立てることで商品を生産し、市場に供給する業種のことを指します。
原材料を加工し、中間製品や完成品に変えるプロセスが業務内容の中心です。
また、単に製造するだけでなく、製品のアイディアを考察してそれを市場で販売するまでの一連の工程なども含まれます。
消費者のニーズや市場の動向を分析し、それに応える製品を設計することも非常に重要であるとされています。
また、販売、つまり製造業は単に物を作るというだけでなく、製品のコンセプトから市場での販売までを含む、複雑な活動が多い仕事です。
比較的技術の進歩が早い業界であり、消費者の好みの変化やグローバルな競争など、さまざまな要因によって形成され、進化を続けているのが大きな特徴といえます。
【製造業の自己PR】製造業の職種
製造業の職種には大きく分けて6つの種類があります。
それぞれ役割は大きく異なり、直接業務において関わることが少ない職種同士もあります。
しかし、製造業を目指すにあたってはそれぞれの職種についてしっかりと理解しておく必要があります。
なぜならば、業界がどのように成り立っているのかについて理解する必要がありますし、業務において深く関わる職種同士もあるからです。
しっかりと理解しておくことで、お互いを尊重した上で業務を進めていけることでしょう。
- 営業
- 商品企画
- 研究開発
- 設計
- 生産管理
- 品質管理
営業
製造業の営業職は商品の提案や販売を行います。
主に企業などの法人を相手にする営業手法を取ること、つまりBtoBであることが多いです。
製品の特徴や価格納期など、さまざまな情報を提供し、顧客に対して購入を促します。
市場調査なども非常に重要であり、業界のトレンドや競合他社の動向を把握し、それに基づいて製品の販売戦略などを立てるのも営業の仕事です。
既存顧客との関係をより良くする、新規の顧客を開拓するのは当然のことながら、既存の顧客との関係を維持し、強化する役割も担っています。
つまり、顧客からのニーズやフィードバックを受けた上で製品開発やサービス向上のために開発部に伝える役割も担っているのです。
商品企画
製造業における商品企画の業務内容はさまざまありますが、市場のニーズと技術の可能性を橋渡しする、非常に複雑な作業でもあります。
技術的に可能であるかどうかについての判断は当然のことながら、コストやアイデアの実現が可能かどうかの検証のため、他の部署との連携が欠かせないのも商品企画の大きな特徴です。
また、得られた情報を元に製品のコンセプトを設定したり、特徴や売り文句を作ります。
製造業の商品企画は創造性や市場分析能力はもちろん、チームワークプロジェクト管理のスキルが求められる、非常に多面的な業務であると言えるでしょう。
研究開発
製造業における研究開発は、商品企画で作られた新たな商品のアイディアが技術的に可能なのかどうかを検証するのが主な役割となっています。
そして研究による新たな知識や技術を発見し、それを活かして製品開発や改良を行う仕事でもあります。
基礎研究を行うのも研究開発の業務の一つです。
企業における今後の製品開発など必要となる分野において、基礎的な研究をしっかりと行い、製品開発に必要な基礎的知見を収集開発していくのも仕事の一つです。
「今は必要ではないかもしれないが、中長期的に考えて必ず必要になるであろう知識」を得ておいたり、検証を行っておいたりするというのが研究開発の業務の一つでもあります。
設計
製造業における設計の役割は、商品企画で作られた新たなアイディアが技術的に実現可能となった場合に、具体的な商品の設計や仕様を決定し、図面に落とし込むのが主な業務内容となっています。
つまり商品企画が商品のアイディアを練り、研究開発がそれが技術的に可能であるかどうかを検証し、そして設計が具体的な商品の設計や仕様を決定し、図面に落とし込むという流れです。
いよいよ商品が具体的な輪郭を帯びていく段階であるので、非常に重要な役割の一つであると言えるでしょう。
生産管理
生産管理は商品を生産する際にその数を市場のニーズや生産能力を考えて調整するのが主な役割となっています。
納期を適切に守り、スケジュール通りに製品商品を生産するためにも非常に重要な役割の一つであると言えるでしょう。
生産管理業務はさらに製品を加工する際に必要な部品や材料の調達をするにあたっての発注手配なども行います。
生産計画や納期を考慮し、作業工程に影響が出ないような最適なタイミングで手配を行うなど、さまざまな工夫が求められる仕事の一つです。
品質管理
製造業の品質管理にもさまざまな仕事がありますが、まず第一に生産ラインでの品質管理が挙げられます。
工程を管理し、品質を検証、そして品質の改善を繰り返し行うことで、製品の品質を保証するのです。
また、不具合などの再発防止などにも取り組む必要があります。
そして、完成品の品質管理を行うのも品質管理の業務の一つです。
完成品を検査することや製品や、工程が正常であることを再確認します。
当然ながら不具合品を市場に出荷してしまうと、クレーム対応や製品回収対応が必要になるので、しっかりと品質を管理する必要があります。
また、原料や部品などの品質を確認する際、基準や規格内にあるかを確認するのも品質管理の業務の一つです。
サプライヤーに対して定期的に品質監査という形で正常に品質管理が行われているかをチェックすることも、品質管理の業務内容の一つであると言えるでしょう。
【製造業の自己PR】製造業志望におすすめの強み
製造業を製造業を志望する人がアピールすると効果的な強みには下記のようなものがあります。
あなたが持っている強みの中で最も当てはまると思うものを選び、それを具体的に表現していくようにしましょう。
- 忍耐力
- 集中力
- 体力
- 責任感
- コミュニケーション力
- 分析力
1.忍耐力
忍耐力があるということは、製造業を志望する時の強力な武器となります。
そもそも、製造業は決して華やかな仕事ではありません。
長年日本を支えてきたものづくりの現場に憧れを持っている方も多いとは思いますが、就活生の皆さんが思い描くような業務に就くにはかなり時間がかかります。
現在製造業で活躍している人たちも、入社したての頃は地味な作業を繰り返す毎日であったはずです。
製造業は、最初は単純作業の繰り返しになってしまうことも多く、そうしたことに耐えられないようであれば製造業は向いていません。
忍耐力があるだけでも、製造業にとっては貴重なスキルを持った人材であると言えるでしょう。
ぜひご自分の忍耐力をアピールして内定獲得に一歩近づきましょう。
2.集中力
日本製品が世界各国で人気を集めている理由の一つに、その品質の良さが挙げられます。
日本の製造業は、他国がなかなか真似できないようなハイクオリティな製品を作り続けてきましたが、それを支えてきたのが製造業に携わる人たちの集中力でした。
もちろん、今後も日本の製造業は一定以上のレベルのクオリティの製品を作り続けなければなりません。
そのためには、どうしても集中力は欠かせず、これはまさに必須スキルとも言えるでしょう。
ある程度集中力を発揮したエピソードの紹介が必要になりますが、集中力に自信がある方はぜひチャレンジしてください。
特に製品の品質を上げることを重視している企業であれば、集中力を持った人は高い評価を受けるはずです。
3.体力
製造業に就職するのであれば、当然工場勤務の可能性も出てくるでしょう。
24時間稼働している工場も多くその場合は夜勤を含む交代制勤務となりますし、現場では力仕事も多くなります。
ライン作業の場合は、1日仕事を休んでしまうだけでも迷惑がかかってしまうので、めったなことでは休めないかもしれません。
このように、とにかく体力が必要なのが製造業の特徴で、どんなに有能でも体力がなければやっていけないのです。
企業側も就活生が体力的に仕事についていけるかどうかをとても気にしています。
採用しても体力的に続かなければ、たちまち現場は人手不足に陥ってしまうからです。
体力に自信があるという方にとっては大きなチャンスとなるのではないでしょうか。
4.責任感
責任感のある人材はどの企業でも求められますが、特に製造業の現場では重宝される人材となれることでしょう。
納期に間に合うように、スケジュール通りに業務を進めることができる、責任感のある人材が求められています。
また、不良品を市場に流してしまうなど、損失やクレーム企業の大きなイメージダウンにつながってしまうようなことを防ぐことも、責任感がある人ならばできるでしょう。
一つひとつの業務に責任感を持って取り組み、誠実に行動することができる人材であることを強調できれば、製造業の企業からは良い印象を持ってもらえることでしょう。
5.コミュニケーション力
製造業と聞くと工場でただ黙々と作業するだけのように感じ、「コミュニケーション能力は必要ないのでは?」と感じる方も多いでしょう。
しかし、これまで説明してきたように、製造業はさまざまな部署と的確にコミュニケーション、連携を取り、仕事を進めていく必要があります。
特に、営業職として働く場合は、コミュニケーション能力が必須であると言えるでしょう。
営業職として働く場合はクライアントに良い印象を持ってもらう必要がありますし、傾聴力などを活かして相手が何を求めているのかを把握する必要があります。
「コミュニケーション能力が必要でない」どころか、人並み以上のコミュニケーション能力が求められていると言えるでしょう。
6.分析力
分析力がある人材も製造業において重宝されることでしょう。
市場のニーズをとらえて、生産数を調整したり、より売れる商品の開発をしたりする際に分析力は非常に重要であると言えます。
また、研究開発や設計などの際も、どのような工程で製品を生産するか、どのような方法で取り組めば、より効率的に商品を生産できるかなどについても、分析力がある人ならば考えられることでしょう。
どの部署においても分析力は非常に重要な能力の一つなので、自信がある人は積極的に自己PRに盛り込むことが大切です。
【製造業の自己PR】製造業に向いている学生の特徴
自分が「本当に働きたい」と考えている業界に向いているかどうか、悩む人は多いでしょう。
もちろん実際に働いた経験はなく、そのため向き不向きの判断基準がありません。
自分が向いているのかどうか気になる人のために、製造業に向いていると考えられる学生の特徴を紹介します。
しかしこれはあくまでも参考程度にしてください。
製造業とはいっても、企業によってさまざまな特徴があり、会社の雰囲気も異なります。
最終的に自分が向いているかどうかは、実際に働いてみないとわからないというのは覚えておきましょう。
- 長時間集中して作業ができる
- 責任感がある
- コミュニケーション能力がある
長時間集中して作業ができる
製造業では仕事の性質上、長時間同じような作業をする機会が多いです。
ずっと同じ作業をしていると、時々集中力が途切れてしまったり、作業が雑になったりしてしまうことがあるかもしれません。
しかし、もしも長時間同じ作業をしているうちに、集中力が切れてミスをしてしまうと、大きな損害につながってしまう可能性もあります。
あなたが同じ作業を長時間続けるのが得意な人であれば、製造業でその特性を活かせるでしょう。
長時間集中して同じような作業をした経験があれば、それについてエピソードを交えてアピールすれば非常に魅力的に映ります。
「製造業に向いている」という特徴を企業にしっかりとアピールできれば、就活を有利に進められるでしょう。
責任感がある
どの業界でも必要とされる能力ですが、責任感のある人が製造業に向いています。
製造業では、それぞれ担当の箇所を受け持つライン作業である場合が多いです。
どこかがミスをしてしまうと全体に迷惑がかかってしまい、企業としても大きな損失につながってしまう可能性があります。
自分の担当する箇所でミスが起きないように、しっかり責任感をもって取り組める人が求められているでしょう。
「大量に作っているから1つくらいミスをしても大丈夫だろう」という考えはNGです。
製造業では自分が作ったものすべてに責任をもてる人柄である必要があります。
自分の作ったものが商品の一部分であっても、それは最終的に顧客の手に渡って使われます。
ほんの少しのミスが重大なクレームにつながるかもしれません。
コミュニケーション能力がある
仕事ではコミュニケーション能力を必要としますが、製造業でももちろん同じです。
ただ黙々と物を作ることだけが仕事ではありません。
ライン作業などがあるといっても、誰ともかかわらずに仕事をすることはできないのです。
コミュニケーション能力を活かして周りと協力して作業をしたり、まとめたりすることが必要になります。
どこかでミスが生じた際は各部署とコミュニケーションを取って、問題の早期解決をはかりましょう。
製造業だからといって、コミュニケーション能力が必要ないわけではなく、むしろ必要とされる能力です。
役職が上になってくると、自分が部下たちに指示を出す機会も出てくるため、コミュニケーション能力のある人が製造業に向いているのです。
企業研究から見つける
自己PRに悩んでいて、自己分析もある程度済んでしまっている人におすすめなのは、企業研究を進めることです。
その企業がどういった人材を求めているのかを想像して、その求める人物像に自分がマッチしているかどうか考えてみましょう。
企業によって、社風や経営方針、職場の雰囲気などはさまざまです。
企業研究を進めていくと、このような点が明らかになってくるでしょう。
そしてどのような人物を人材として求めているのかもわかってくると思います。
自分がその人物像に当てはまっているのであれば、その部分からアピールを考えていきましょう。
このときに、受かりたいからといって嘘にならないよう注意してください。
自分が求めている人物像に当てはまっていなかった場合は、無理をせずにほかの企業を探すのも手です。
【製造業の自己PR】自己PRの考え方
製造業で必要とされるスキルがわかったら、実際に自己PRを作成しましょう。
ただし、かなり内容を練らないと採用担当者に響く自己PRにはなりません。
次のステップに進むためにとても重要な項目なので、内容をよく練ることが大切です。
肝心の内容ですが、仕事内容・企業が求めるスキルから考えることで、より良い自己PRを作成できるでしょう。
また、一度きりの経験ではなく再現性のあるエピソードを盛り込むことでさらに印象深いものになるはずです。
仕事内容から考える
自己PRは自分のスキルや長所を採用担当者にアピールするための項目ですが、就職した後も有益だと思われる内容でなければなりません。
どんなに立派な自己PRであったとしても、入社後にそれを発揮できる場面がなければあまり意味がないのです。
ですから、仕事の内容から自己PRの内容を考えてみましょう。
就職したらどんな仕事をすることになるのかはWebサイトや会社説明会などで確認できるので、それに合った内容の自己PRを作成してみましょう。
企業が見ているのは、過去の実績ではなく就活生がどれだけ自社で活躍してくれそうかという未来のことです。
自信を持って紹介できる学生時代の実績が少なかったとしても、就職した後に業務で活かせる内容であれば問題ありません。
自分の性格から考える
自己PRを書くとき、あなたの性格から考えてみましょう。あなたの性格が製造業で求められる性格や特徴にマッチしているかどうか分析してください。
製造業で求められる代表的な性格や特徴として「責任感」や「集中力」が挙げられるでしょう。そのような特性のある人は、積極的にアピールしてください。
製造業では高品質な製品を完成させなければならないため「責任感」が必要です。多くのスタッフは高い責任感を持って作業しています。性格的に責任感が高い人は、積極的に伝えましょう。
また、製造業はライン作業が多いので「集中力」も求められます。もし、集中力が欠けていると、作業効率が悪くなったりミスを発生したりする可能性があるでしょう。高い集中力を維持できる人は、ぜひアピールしてください。
職種に必要なスキルから考える
製造業には、企画開発や営業、エンジニアなどさまざまな職種が存在しています。自己PRを書くときは、それぞれの職種に求められるスキルをベースに考えてみましょう。
自己分析で把握したあなたのスキルが「製造業の中でどのような職種に活かせるか」という視点で自己PRを作成してください。
企業の求めるスキルを考える
どの企業にも就活生に求めているスキルや経験というものがあります。
とはいっても、まだ一度も就職したことがない新卒の学生に対してですので、仕事をしないと得られないようなスキルは求められていないのでご安心ください。
企業が新卒の学生に期待しているのは即戦力になることではなく、将来成長してどれくらい自社に有益な社員になれるのかというポテンシャルです。
企業が就活生に求めているスキルや経験は、企業研究や業界研究を行って初めて明らかになります。
どのようなスキルを持った人材が求められているのか把握し、それに沿って自己PRを作成してください。
そのためには業界の動向を追って自分なりに分析し、志望している会社の目指す方向を確認しておきましょう。
過去の経験から再現性のあるものを探す
ご自分で作成した自己PRを再現性という観点で見直したことがあるでしょうか。
就活生の中には、人目を引くエピソードにこだわったばっかりに、その再現性まで考えられていない方もいらっしゃいます。
学生時代の実績がどんなに優れていても、就職後もそのスキルが発揮されなければ、その就活生を採用する意味がありません。
企業は新卒で採用した社員を一人前になるまで教育しなければならないので、長い目で見て優秀な学生を採用したいと考えています。
ですから紹介するエピソードも、単発の結果で意味がなく、再現性のあるものを選びましょう。
誰もが感心するようなエピソードではなかったとしても、就職後に役立つスキルや経験を裏打ちするものであれば、ぜひ紹介してみてください。
【製造業の自己PR】自己PRを書く際のポイント
続いて、自己PRを書く際のポイントについても確認していきましょう。
このポイントを抑えた上で作成した自己PRと、そうでない自己PRにはクオリティに大きな差があります。
それぞれのポイントを踏まえた上で作成することで、企業の採用担当者により良い印象を与えられる自己PRを作成できるはずなので、ぜひ参考にしてみてください。
- エピソードを具体的に伝える
- 客観的なデータを用いる
- 強みを入社後どう活かすかを伝える
- エピソードを具体的に伝える
- コミュニケーション力
- 客観的なデータを用いる
- 強みを入社後どう活かすかを伝える
エピソードを具体的に伝える
エピソードを具体的に伝えることは、製造業の自己PRを作成する上で非常に重要であると言えるでしょう。
面接官は一日に何十人もの学生の面接をしているため「ただ強みは〇〇です。」と伝えるだけでは他の就活生と差別化することは難しいです。
よって、なぜあなたがその強みを持っていると自分で感じたのか、その強みを活かしてどのように行動したのかについて、簡潔かつ具体的に話す必要があります。
これにはエピソードが非常に便利であり、エピソードを用いることで客観的な視点を導入することもでき、その場に居合わせていなかった企業の採用担当者もあなたが自己PRする内容について深く理解できることでしょう。
客観的なデータを用いる
客観的なデータを用いるのも、製造業の自己PRを制作する上で非常に重要なポイントの一つであると言えます。
数字や第三者の意見など、客観的な情報を使うことで、自己PRがより具体的になるはずです。
ただ一言「効率を上げた」と言うだけでは抽象的で、どれだけの変化があったのか分かりません。
しかし「今まで一回の会計に平均6分かかっていたレジ対応が4分になった」など、定量的で分かりやすい客観的なデータを用いることで、変化の大きさが事情を知らない企業の採用を担当者にも伝わりやすくなります。
より分かりやすく、納得できる自己PRの文章となるはずです。
強みを入社後どう活かすかを伝える
強みを入社後にどのように活かすか伝えることができれば、企業の採用担当者はあなたのことをより魅力的であると感じてくれることでしょう。
企業は自社で活躍してくれる人材を探しており、あなたが活躍する人材かどうかを自己PRで非常に重要視しています。
そのため、強みを入社後どのように業務に活かすか伝えるようにしましょう。
これにより、面接官が入社後、あなたが活躍している状況をイメージしやすくなります。
また、強みをどのように活かすかイメージができているということは、企業の研究もしっかりと行っているということが伝わります。
企業研究をしっかり行っているということは、志望度が高く、内定を出した場合、就職をする可能性が高い信頼できる学生であると考えてもらえることでしょう。
【製造業の自己PR】自己PRの最強の構成
採用担当者の目に留まりやすい自己PRの構成とはどのようなものかご存じですか。
採用担当者は数え切れないくらいの自己PRに目を通さなければならないので、1つの自己PRを読むのにそこまで時間をかけられません。
ですから、目にした瞬間にその人の強みがわかるような構成であれば、ライバルから1歩リードできる可能性があります。
そのためには、結論から始まり、その根拠と将来の展望を述べ、最後にもう一度結論を述べる構成をおすすめします。
- 結論
- 根拠
- 入社後にどのように活かすのか
- 結論
結論
ここでいう結論とは、スキルや経験で立証される強みのことです。
自己PRは自分の強みを採用担当者に理解してもらうための項目であることを忘れてはいけません。
もし、自己PRが結論から始まっていなければ、それを読む採用担当者は結論に至るまで読み進めなければならないのです。
果たして忙しい採用担当者にそのような時間の余裕があるでしょうか。
一方、自己PRの冒頭でその人の強みが紹介されていれば、採用担当者も興味を持ちその先を読みたいと思うはずです。
自己PR全体に目を通してもらうためには、結論から始まり結論に終わる構成で自己PRを作成するようにしましょう。
冒頭から自分の強みを堂々と宣言してしまえば、あなたを採用するメリットがわかりやすくなります。
根拠
人にはさまざまな強みがあり、人の数だけ強みがあるとも考えられます。
しかし、採用担当者が求めているのは単なる「立派な人」や「良い人」ではなく、企業に利益をもたらしてくれる人材です。
ですから、結論のところで宣言した強みが自社にとって有益でなければ採用しません。
内定を得るためには、結論で述べた強みがどうして自己アピールになるのかという根拠を伝えなければならないのです。
自分の強みがどう企業の利益につながるのかイメージしにくいのは仕方ありませんが、製造業であれば品質の高いものづくりに絡めて説明すると良いでしょう。
質の良い製品を生み出す時にあなたの強みがどう役立つのか、採用担当者が納得できるくらいの論理的な根拠であることが望ましいです。
入社後にどのように活かすのか
企業が求めているのは自社に貢献してくれる人材であって、自社にとって有益でなければどんな人格者であろうと採用しないでしょう。
どんな強みを持っていても入社後に活かせなかったら意味がないのです。
ですから、結論と根拠を述べた後はその強みを入社後にどう活かすのかをアピールする必要があります。
企業が見ているのは就活生の過去や現在だけでなく入社後の未来であり、就活生がアピールすべきなのも未来の自分です。
自分の強みをその企業で活かすためにクリアすべき課題、そしてそれをどうやって解決するのかを同時に説明できると良いでしょう。
就職もしていないうちに企業に貢献する姿を想像するのは難しいでしょうが、それでは内定を得るのは難しいかもしれません。
結論
結論、根拠、入社後にどう活かすかを説明したら、最後に結論を繰り返してください。
やはり結論が一番大事なので、採用担当者の印象に残るためにはもう一度念を押さなければなりません。
とはいっても、自己PRは短すぎても長すぎてもよくありません。
限られた字数やスペースに収まるのか心配になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これだけの内容を限られた文字数で記述するには、冗長な表現を避け簡潔で論理的な文章展開が必要です。
特に就活を始めたばかりの方は慣れるまで一度で書き終えるのは難しいと思われるので、納得いくまで何度も推敲してください。
完成した自己PRを誰かに見てもらって、気になった部分を指摘してもらうのもおすすめです。
【製造業の自己PR】アピール例と例文
ここからは、実際に製造業の自己PRで使えるアピール例とその例文をご紹介していきます。
特に自己PRのネタ選びから迷っている方には良いヒントになるはずです。
今回は、「サークル・部活」「アルバイト経験」「長期インターン」という3つのネタをご用意しましたが、このうちどれも経験していない方は少ないでしょう。
どれも一般的な大学生が体験してきたことで、何も特別な体験を語る必要はないのです。
以下を参考にしてご自分の自己PRに役立ててください。
- サークル・部活
- アルバイト経験
- 長期インターン
サークル・部活
サークルや部活動は多くの就活生が経験しているのではないでしょうか。
企業側もサークルや部活に励んできた就活生を高く評価していますが、それは大学の授業を受けるだけではできない体験がたくさんできるからです。
特に前述した忍耐力や体力は、サークルや部活動で身につけたという方もたくさんいらっしゃることでしょう。
就活生にとってサークルや部活動はあなたの忍耐力や体力をアピールしやすく、自己PRの話題としてはおすすめです。
例文1
私はとにかく体力に自信があります。
私は学生時代にサッカー部に所属していましたが、毎日のように朝練と講義の後の練習があり、休日も練習や試合があることがほとんどでした。
そのような毎日の中で私が絶対に守っていたのが、大学の講義と練習の両方とも絶対に休まないことで、どんなに疲れていても出席するようにしていました。
最初のうちは辛くてたまりませんでしたが、そのうち辛いと思うことが少なくなってきました。
知らず識らずのうちに体力がついていたのです。
また辛くても我慢できる忍耐力も同時に身についたと思っています。
サッカー部で得た体力と忍耐力は私のかけがえのない財産です。
貴社に就職できたら、この体力を活かして日々研鑽し、早く戦力になれるように努力したい所存です。
アルバイト経験
製造業を志望している就活生であれば、アルバイトで製造業を体験している方も多いのではないでしょうか。
そういった場合は実際にものづくりに関わった経験をアピールできます。
アルバイトでも製造業を経験したからこそ作成できる自己PRもあるはずです。
学生時代からアルバイトとして製造業を選んできたことで、本気で製造業を志望していることのアピールにもなります。
企業側としても入社してから発覚するミスマッチを防ぐことにつながるのです。
例文2
私は集中力なら誰にも負けないつもりです。
大学入学直後から私は学費を稼ぐために近所の工場でアルバイトをしていました。
その時注意されたのが一瞬の気の緩みが思わぬ事故につながってしまうということです。
しかし、私はもともと機械をいじることや物を作ることに興味があったので、問題なく作業に没頭できました・
周囲には単純作業に嫌気がさしたのか早々に辞めていった人もいましたが、私には単純作業とは思えませんでした。
毎回自分なりの目標を立ててそれを達成するようにしていたので、私にとっては同じ作業の繰り返しではなかったのです。
この経験を活かして、貴社の製造ラインでも早く一人前になり、日本のものづくりを支えていきたいと考えています。
長期インターン経験
学生時代に長期インターンを経験した方は、ぜひそのことを自己PRでアピールしましょう。
長期インターンは普通の学生アルバイトよりもレベルの高い経験を求められますが、実際にそこで得た経験は確かな強みになることでしょう。
また、長期インターンを経験しているのは大学生の約3%と珍しく、採用担当者の興味を惹きやすいというメリットもあります。
長期インターンは自己PRのネタとしてはかなり使いやすいと言えるので、ぜひ使ってみてください。
例文3
私は大学2年生の春から長期インターンに参加しています。
働くということを早くから疑似体験してみたかったからです。
しかし、長期インターンは大学と違い、なかなか成果が出ずに周囲の足を引っ張ってしまい、辛い思いをしながら通ったこともありました。
私がそこで身につけたのは忍耐力です。
どんなに大変でも弱音を吐かずに、その時どうしたら良いかだけを考えて行動してきました。
その結果、インターン先でも結果を出せるようになり今ではかなり重要な案件も任せてもらっています。
すぐに結果が出なくても我慢して努力し続ければ結果を出せるということに気が付きました。
この忍耐力を活かして、貴社の発展のために努力し続けることが今の私の目標です。
【製造業の自己PR】志望職種別!自己PRの例文
ここからは志望職種別の自己PRの例文について詳しく紹介していきます。
ここまで紹介してきたポイントを抑えた上で作成しているので、この記事のおさらいにもなるはずです。
自分が目指している職種を中心に例文を確認し、あなたの自己PRの役に立ててください。
例文1:営業
私の最大の強みは部活動を通じて磨かれた、優れたコミュニケーション能力です。
部活では多様なメンバーと協力し、チームを一つの目標に導く重要な役割を担いました。
この経験から、相手の立場を理解し、説得力のあるコミュニケーションを取る能力を身につけました。
貴社に入社した暁には、この経験を活かし、製造業の営業職として、顧客のニーズを深く理解し、信頼を築きながら、効果的な提案を行っていきます。
例文2:生産管理
私の強みはスーパーでのアルバイト経験を通じて磨いた顕著な分析力です。
店内の売り場レイアウトを季節ごとに最適化する提案を店長に行い、実際に改善案が採用された経験があります。
このプロセスでデータを基にした効率的な分析と、それを実践的な提案に落とし込む能力を身につけました。
貴社の製造業の生産管理職として、この分析力を活かし、生産プロセスの最適化と効率化に貢献できると確信しています。
【製造業の自己PR】自己PRが思いつかない時の対処法
製造業の自己PRの例を紹介してきましたが、どうしても自己PRを思いつかないという方も珍しくありません。
自分が大学生活で体験してきたことがどうしても陳腐に思えてしまう方もいるはずです。
しかし、強みのない人などこの世のどこにもいません。
誰もがその人にしかない強みを持っているはずなので、まずはそれを見つける必要があります。
ここでは、ご自分の強みを見つけて自己PRに活かすためにはどうすべきか、そのやり方をご紹介します。
- 自己分析
- 他己分析
- 企業研究
自己分析
自己分析とは自分のことを客観的に把握するための作業です。
就職活動にはこの自己分析がとても重要で、これができていないために自己PRで悩んでしまうのだとも言えます。
まずは、これまでの自分の人生を振り返って印象に残った出来事やそれに対して自分が何を感じたのか思い出してください。
そこから、自分がこれまで大切にしてきたことや物事に対する判断基準がわかるのです。
就職するに際して絶対に譲れないことなども書き出してみると、本当に行きたい企業を選ぶ助けにもなるでしょう。
他己分析
自己分析に対して他己分析もあります。
これはあなた自身のことを、親や友達などあなたをよく知っている他人に分析してもらうやり方です。
ほかの人の目に自分がどう映っているのかを知ることは、自分で自分のことを理解するのに役立ちます。
いつもあなたのそばにいる親や友達であれば、客観的かつ詳細にあなたという人間のことを説明できるのではないでしょうか。
あなた自身は思いもしなかった強みを指摘してもらえることもあり、自己PRにふさわしいネタも見つかるかもしれません。
自分ではささいな出来事に思えたことが、案外良い自己PRになったりするのです。
就活をしている友達どうしお互いを分析し合うのも自分や相手のことを理解するのに効果的なのでぜひお試しください。
企業分析
自己PRでただやみくもに強みを伝えては意味がありません。
自己PRではあなたが入社後活躍できる人材かどうかを見られているため、その企業にとって魅力的な人物であることをアピールしなければなりません。
そのため事前に企業分析を行い、どのような人材が求められているのか、社風はどうかなど調べておきましょう。
また、その企業で製造している製品やそれらの特徴の把握をしておくとよいでしょう。
企業分析で調べた情報は志望動機を考える際にも役に立つので企業分析は必ずやるようにしましょう。
企業分析のやりかたについては下記の記事を参考にしてみてください。
製造業に求められるスキルを理解して自己PRしよう
製造業を目指している就活生の皆さんが最初にクリアしなければならないのが自己PRの作成です。
企業が求めているのは、将来その企業に利益をもたらしてくれる人材なので、自分がそうであることをアピールしなければなりません。
自己PRで一番おすすめの構成は結論(あなたの強み)から始めて、根拠・将来の展望を続けて最後にもう一度結論を述べるというものです。
これなら採用担当者の目に留まりやすく、興味を持ってもらえる可能性が高くなるはずです。
製造業の自己PRとして使える強みの例としては、忍耐力・集中力・体力などが挙げられます。
実際に自分の強みを発揮したエピソードを一緒に紹介することで、より信憑性の高いものとなるでしょう。
例文もご用意したのでぜひ参考にしてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート