就活を進めていくにあたって、避けられないのは業界研究です。
インターネットなどの科学技術が急速に普及したことや、コロナ禍もあり、キャッシュレス化などの新たなインターネットを使用したビジネスも増えてきています。
私たちの生活に必要不可欠な存在となったITですが、この技術の進化は私たちの就業をおびやかす存在でもあります。
将来、なくなってしまうかもしれない職業にはあまり就きたくないでしょう。
今回は、IT業界について紹介していきます。
【業界研究】IT業界とは
IT業界とは、情報技術(Information Technology)を基盤とするサービスや製品を提供する業界のことです。ソフトウェアやハードウェアの製造、販売を手がける企業などがこの業界にあたります。
主要企業にはGoogleやAmazon、Microsoft、SAPなどのグローバル企業も多いですが、日本企業である富士通やNEC、NTTデータなども代表的な企業として挙げられます。
近年のトレンドとしては、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、サイバーセキュリティへの注目が高まっており、取り扱う企業も増えてきています。
【業界研究】IT業界に向いてる人
IT企業はこれからますますの成長が予測されています。それでは、どういった人がIT企業に向いているのでしょうか。
「IT企業で働いてみたいけど、自分に合っているかわからない」と思い、最初の一歩を踏み出せないでいる方もいるはずです。IT企業に就職してから、「やっぱり自分はIT企業に向いていなかった」と公開することがないように、まずは自分がIT企業に向いているのかをチェックしてみましょう。
これからIT企業に適している人を説明していきます。
向上心がある人
IT企業に向いている人の特徴として、1つ目にあげられるのは「向上心がある人」です。IT業界の成長にともなって自分の成長が必要になるため、向上心をもっていることが大切です。
IT業界は、技術が日々進歩していき、新しい技術や知識を身につけていかなければなりません。
つまり、そういった新しい技術や知識に関する勉強をコツコツとできる方が向いています。現役のエンジニアでは、仕事以外の時間で勉強をすればするほど、スキルも高く、年収も高くなるといった例もあります。
継続的に勉強をし、長期的にコツコツと努力していき、物事を最後まであきらめずに自分のスキルをアップして、仕事に活かすという向上心のある人がIT業界には向いているでしょう。
論理的思考力がある人
IT企業に向いている人の特徴として、2つ目にあげられるのは「論理的思考力がある人」です。
「なんとなく」といった考え方ではなく「論理的」に考えられる人の方が、仕事の効率や生産性を高め、会社あるいはビジネスにおいて重宝される人材となります。
日常生活でも、物事についてきちんと筋道を立てて考えることや逆算して考えられる方はIT業界には向いています。特にエンジニアやプログラマーといった分野で活躍できるでしょう。
IT業界では、プログラミングは必要とされるスキルです。プログラミング作業では、間違いが起こらないよう論理的にコードを書いたり、数字を見て効率的にどうやって仕事をするのかを考えたりする必要があります。論理的思考能力がある方は、そういったプログラミングの分野でも活躍できるでしょう。
協調性がある人
IT企業に向いている人の特徴として、3つ目にあげられるのは「協調性がある人」です。意外だと思われる方も多いかもしれませんが、IT業界は協調性が大切なところです。
IT業界は周りの人と協力してタスクを行うことが多いため、協調性がないと非常にきびしいでしょう。
チーム単位で遂行する仕事も多く、どの場面でも協調性が必要となってきます。
また、仕事の取引先との関係を築いたり、仕事に関わる人々とのチームワークを大切にしたりする場面でも、協調性は必要です。
もし、協調性がないと情報共有の漏れが発覚し、仕事にもダメージを与えてしまうことがあります。
そのためにも、チームで常に情報共有をしていかなければなりません。そういった部分でも協調性は非常に大切なものなのです。
【業界研究】IT業界に向いてない人
以下の3点に当てはまる人はIT業界に向いていない可能性があります。
- 継続して学習することが苦手な人
- 感情や直感を優先する人
- 協調性がない人
IT業界は今もなお成長している業界です。IT業界に挑戦したいと考える就活生は多いでしょう。
自分の価値観とIT業界がマッチするか興味のある就活生は、ぜひ本章を参考にしてください。
継続して学習することが苦手な人
継続して学習することが苦手な人はIT業界に向いていません。IT業界の技術は日々進化していくからです。
新しい情報をキャッチする感受性や最新技術を習得しようと考える向上心がないと長続きしないでしょう。
長年の経験で作業できる部分はもちろんあります。しかし、技術の進歩に取り残されてしまうと市場価値が減ってしまいます。
常に企業から必要とされる人材であるためには自己学習が欠かせません。一方で継続して学習することが苦手な人は、自分の強みが活かせないでしょう。
新卒で入社し、定年を迎えるのは約40年後です。働き続けるためにはIT業界以外を目指した方がいいかもしれません。IT業界の常識に自分が馴染めるか確認しましょう。
感情や直感を優先する人
感情や直感を優先する人もIT業界には合わないでしょう。IT業界は論理的思考が求められるからです。数値や分析結果をもとに作業していきます。
「なんとなくA案がいい」「Bさんとは仕事したくない」など曖昧な考えや自分勝手な振る舞いは厳禁です。個人の考えや感情を優先させてしまうとプロジェクトに悪影響を及ぼします。
もちろんアイデアが生まれた時点では直感でも問題ありません。行動に移したり、メンバーに説明したりする際は根拠のある理由が必要です。
IT業界は多くのメンバーが集まって作業することで大きな成果を生み出します。自分1人の考えで好き勝手できるわけではないため注意してください。
協調性がない人
協調性がない人はIT業界では活躍できません。プロジェクトは関わるメンバー全員の協力があって成り立つからです。
「自己流で作業したい」「突然、明日は休みにします」など自分本位の行動ばかりが目立つと計画に支障が出ます。チームのメンバーや仕事を依頼したクライアントとさまざまな人に迷惑がかかります。
自分の意思や考えを持つことは重要です。しかし、チーム全体にとって有益になる行動が求められます。
また、自分から積極的にコミュニケーションを取ることも重要です。チーム内で技術を共有できたり、進捗状況の把握につながったりします。IT業界を目指している就活生は協調性を意識して就活しましょう。
【業界研究】IT業界の現状
IT業界の市場は科学技術の発達や、民間への普及によって拡大していきます。そのため、IT業界の市場規模は現在も拡大を続けており、現在の市場規模はおよそ18兆円を超えるといわれます。
市場規模が増え続けているということは、同時に市場を支えるための人材も必要になっていくといえるでしょう。市場拡大に伴い、人材不足が起こっているのはIT業界の現状です。
また、IT業界と聞いて、お金持ちになれそうというイメージをもたれる方も多いと思います。それは、IT業界の平均年収が約446万円と平均よりやや多いためでしょう。ほかの業界に比べて、多くの給与をもらえる業界ではあります。
一方で人手不足なのもあり、時間外労働やなども多くなってしまうという特徴もあります。
【業界研究】IT業界の分類一覧
続いて、IT業界の分類について紹介します。
多岐にわたる業務を行うIT業界ですが、大きく分けると以下の5つに分類できます。それぞれ業務を行うのか確認し、自分がどの業界に向いているのか考えてみてください。
ソフトウェア業界
ソフトウェア業界は特定の機能や処理を実現するためにソフトウェアの開発を行う業界です。例えば、企業の管理会計や人事管理、顧客管理システムなど様々な業務に役立つソフトウェアパッケージを提供しています。
近年、特にコロナ禍の影響でクラウドサービスの利用が急速に進展し、SaaSの導入が一般的になりました。SaaSは企業がインターネット経由でソフトウェアを利用できるサービスで、従来のオンプレミス型システムと比べて導入が容易かつ柔軟な運用が可能です。
これによりソフトウェア業界は急速に進化し、より多くの企業が業務効率化を実現するために重要な役割を担っているのです。
ハードウェア業界
ハードウェア業界は物理的な機器を製造する業界を指し、ソフトウェアと「対」になる存在です。パソコンやスマートフォン、キーボードやモニターなど「目に見える電子機器」の開発・製造を手掛けており、情報技術の進歩に伴い、その重要性は変わらず高いです。
特に近年ではIoTの普及により、ハードウェアの多様化が進んでいます。様々なデバイスがインターネットに接続され、データの収集や分析が行えるようになったことで、家電や自動車、産業機器などにもインターネット接続が可能な機能が組み込まれているのです。
このように、ハードウェア業界は新しいビジネスチャンスを生み出し、さらなる成長を続けています。
インターネット・Web業界
インターネット・Web業界はインターネット上でWebサイトや様々なオンラインサービスを開発・提供する業界です。ECサイト、SNS、動画配信サービス、そしてオンラインゲームの開発など、幅広い分野で消費者に直接価値を提供するサービスを運営しています。
この業界はユーザーのニーズに迅速に応えることが求められ、トレンドの変化に敏感です。例えば、スマートフォンの普及により、モバイル対応のアプリやサイトの需要が急増し、業界全体がモバイルファーストの姿勢を取るようになりました。
また、広告やデジタルマーケティングの分野でもインターネットは重要な役割を果たし、企業にとっては集客やブランディングのために欠かせない存在となっています。
通信業界
通信業界は固定電話や携帯電話、インターネットなどの通信インフラを提供する業界です。主に「固定通信」と「移動通信」の2つの分野に分かれています。「固定通信」では光ファイバーやケーブルを使って家庭やオフィスに固定回線を提供し、インターネット接続や固定電話のサービスを提供します。
一方「移動通信」とは携帯電話やタブレットなどのモバイルデバイス向けに屋外でも利用できるインターネット接続サービスを提供するものです。
近年は5Gの導入により通信速度と接続安定性が飛躍的に向上し、IoTデバイスの普及やスマートシティの実現に向けた取り組みが進んでいます。
通信業界は社会のデジタル化を支える基盤として今後もその役割が拡大することが期待されている業界の1つです。
情報処理サービス(SI)業界
情報処理サービス業界は情報システムに関する総合的なサポートを提供する業界です。主に企業向けに、情報システムのコンサルティング、開発、運用、そしてメンテナンスまでを一貫して支援します。
例えば、企業が業務効率化を図るために導入するシステムの設計や、導入後のトラブル対応、システムの改善提案などを行います。また、クラウドサービスの管理やデータ分析支援、サイバーセキュリティの強化など、情報システムの安全性と効率性を高める役割も担っています。
特に近年ではDXの進展に伴い、企業のITインフラ整備を支える重要な業界として需要が高まり続けています。
企業の競争力を高めるために不可欠な存在として、今後も成長が期待される分野です。
IT業界への就職を目指す際は、どのような企業があり、それぞれどのような事業・サービスを展開しているのか気になるところです。自分に合った企業や職種を見つけるうえでは、まず、具体的な企業の種類や名前を知ることが重要といえます。
そこから業界自体への理解が深まるケースも多いため、どのような企業があるのかチェックすることは、業界の動向をつかんだりトレンドをチェックしたりする業界研究にもつながります。
なお、IT業界は細分化すると、さらに細かく業界をいくつかに分けることができます。以下の記事では細分化された業界ごとに、IT企業ランキングを紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
【業界研究】IT業界の動向
IT業界についての業界研究を進める際は、IT業界の昨今の動向をよくチェックしておきましょう。
IT業界の市場規模は、2024年度で15兆8,900億円を記録しており、大きな規模を持つ業界であることがわかります。さらに、その規模は右肩上がりで年々成長しており、今後も技術の発展に伴って成長していくことが見込まれます。
そのため、IT業界は将来性の高い業界の一つといえます。
就職でIT業界を目指す際は、具体的にどのような技術が今注目されているのか、何が課題・問題となっているのかなども含めてよく理解を深めておきましょう。
【業界研究】IT業界の課題
IT業界は市場規模が大きく、今後も成長が期待されている業界ですが、課題として指摘されている点はさまざまあります。
業界研究を進める際は、IT業界の課題もしっかりチェックしておきましょう。
主な課題は、以下の3つが挙げられます。
- 人材不足
- 海外企業との競争激化
- 労働環境の改善
課題について理解を深める際は、なぜそれが課題なのか、原因も含めて知識を身につけることが重要です。
では、詳細をそれぞれ解説していきます。
人材不足
IT業界では、近年、人材不足が大きな課題となっています。
IT自体の需要は増しているものの、働き手の数は十分とはいえないため、長時間労働を余儀なくされるケースも少なくありません。人材不足が起こっている原因は、そもそも少子高齢化や人口減少が問題化している点もありますが、ほかにはエンジニアなどの専門職は働くうえでスキル面でのハードルが高いことが挙げられます。
技術トレンドは目まぐるしく変化するため、エンジニアは一度技術を身につければ安定的に働けるわけではなく、常に勉強が必要になります。
そういった意味でもIT人材になるハードルは高く、多くの企業は優秀な人材の確保に悩まされている状況です。
海外企業との競争激化
IT業界の課題には、海外企業との競争が激化していることも挙げられます。ネット環境の普及によりIT業界の市場はグローバル化しているため、各企業は、国内だけでなく海外の競合他社にも優位性を保たなければなりません。
しかし現実として、日本のIT業界は競争力が低いといわれており、海外企業との競争に勝っていくことは簡単ではないといえます。そのため多くのIT企業は、独自のサービスを始めたり積極的にブランディングを行ったりすることで差別化を実施し、競争力を保とうとしている状況です。
国内だけでなく海外も意識しながら十分な競争力を持たなければならないのは、非常に気が抜けない状況で、多くのIT企業にとっては悩ましい問題といえます。
労働環境の改善
IT業界では、労働環境の改善も重要な課題として指摘されています。特にエンジニアは、人手不足の影響を大きく受けており、多くの企業では長時間労働が問題化しています。
エンジニアは現行のプロジェクトにも携わりながら、発展する最新技術について新しい知識を身につける必要もあり、一人ひとりの総合的な負担は大きいと言わざるを得ません。
この労働環境の悪化は、慢性的な人手不足を解決しない限り改善は難しいと考えられています。
しかしそういった中でもITの需要は拡大し続けているため、人手不足とあわせて労働環境の問題は見過ごせない課題といえます。
【業界研究】IT業界の注目トピック
IT業界への就職を目指すのであれば、IT業界で昨今注目されているトピックもよくチェックしておきましょう。
ITは流行・トレンドがすぐに入れ替わる傾向が強いため、情報のキャッチアップは必須といえます。常にアンテナを張ったうえで話題になっているIT関係の情報をつかみ、業界自体に理解を深めていくことが大切です。
最近の注目トピックは、以下の3つです。
- AI
- DX
- クラウドサービス
では、どのようなものなのかを詳しく見ていきましょう。
AI
AIとは、人工知能(Artificial Interigence)のことです。
デジタルネイティブ世代である若い世代にとっては、AIはもはや当たり前の存在といわれており、授業などで活用している教育機関も少なくありません。IT業界でもAIへの注目は非常に高まっており、特に昨今トレンドとなっているのは、文章や画像、音楽などさまざまなものを生成する「生成AI」です。
代表的なサービスといえば、Open AIが開発した「ChatGPT」が挙げられるでしょう。最新の生成AIでは、従来のテキストのみを処理する「シングルモーダル」の仕組みから、画像・音声などの複数の情報源を処理できる「マルチモーダル」が主流になりつつあります。
さらに、検索拡張生成(RAG)も広まりつつあるため、AIについて理解を深めるならRAGについても積極的にチェックしておきましょう。これまでの生成AIは、学習されたデータからしか回答できないことが課題でしたが、RAGでは外部の文書・データベースを参照したうえで回答の生成が可能となります。
著作権侵害や生成内容の品質などさまざまな課題はあるものの、AI活用は、今後多くの場面で活発化していくと考えられます。
DX
DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略称です。これはIT技術を活用することで、製品・サービス・ビジネスモデル・組織・企業文化・風土そのものを変革させ、新たな価値を生み出す動きのことを指します。
企業の競争優位性を高めたり業務効率化を図ったりするうえで、DXは多くの業界・企業で進んでおり、国自体もその動きを推奨していることが特徴です。DXは主に金融・製造・IT業界において先行しており、それに続いて最近は流通やサービス業などでも、進行の傾向がみられる状況といえます。
しかしながら日本のDXは、主に業務効率化による生産性の向上にとどまるケースが多いことが、大きな課題です。いわゆる「攻めのDX」といわれるような新商品・サービスの創出、ビジネスモデルの変革などは多くの業界で遅れている状況で、今後もその状況が続くようであれば、国外との競争優位性を保つことは難しくなってくるでしょう。
そのため多くの業界・企業は、積極的にITに関心を寄せており、新たな価値の創出と変革に向けて奔走しています。
クラウドサービス
クラウドサービスとは、インターネット上でソフトウェアやインフラなどの各種システムを利用できるサービスのことです。インターネット技術は年々発展を続けており、この進歩によって、多くのサービス・システムはクラウド化が進んだといえます。
クラウドサービスは導入時のコストや契約期間の縛りなどの障壁が低いこと、通信環境さえあればどこでもアクセス可能なことが主なメリットであり、従来のオンプレミス型のサービスと比べて使い勝手に優れている点が特徴です。
企業のビジネススタイルに合わせて柔軟に変化させられる点も、クラウドサービスが人気を集めている理由の一つであり、今後もニーズは拡大していくと考えられます。クラウドサービスは、従来の「会社に出社して業務を行う」という働き方の常識にすら変革をもたらしたため、これからもさまざまな点に影響を与えていくことが見込まれます。
IT業界では、クラウド上で運用できるサービス・ソフトウェアであるSaaSの需要が特に伸びている点が特徴です。
【業界研究】IT業界の職種
人材不足の進むIT業界ですが、大きく4つの職種に分けられます。職種によっては、理系で専門的にプログラミングを扱っている学生はもちろんですが、文系学生であっても活躍できる職種があります。
そのため、IT業界は、文系学生でも十分に戦える業界です。ばく然とIT業界へ就職したいという気持ちから、IT業界で何をやりたいのかを考えられると、就職活動もやりやすくなっていきます。
それでは、自分がどの職種に適性があるのか、確認していきましょう。
エンジニア職
まず、1つ目にあげられる職種はエンジニア職です。ITと聞いて、多くの人が思い浮かべるであろう職種のため、イメージはしやすいかと思います。
エンジニア職はITに関連する技術職でシステムエンジニア、プログラマーなど約10種類に分類されます。主に開発の業務に携わる仕事でWebサイトを作成したり、アプリやゲームを実際に作ったりする職種です。
そのため、専門な知識が必要ともいえます。
プログラミングには、いくつか言語があります。
そのため、文系学生は入社してから少し苦労するかもしれない職種です。
しかし多くの企業では、即戦力ではない文系学生に向けて、プログラミング言語を習得するための期間を設けているため心配はないでしょう。
マネジメント職
IT業界では一般的な中間管理職のほかに開発に関わる管理職が存在します。
その職業がマネジメント職です。
マネジメント職は、開発プロジェクトが円滑に進むように人員や日程の調整、各開発職のメンバーのタスク管理などを担います。
つまり、人の働き方を管理する立場といえるでしょう。
そのため、納期などに無理はないのかを考えるだけのITスキルやITに関する知識に加え、リーダーシップや、多少の無理を押し通すといった交渉力も必要な職種になります。
マーケティング職
最後に紹介する職種は、マーケティング職です。
マーケティング職は、データの収集や、収集したデータを活用してマーケティングを担う職種です。
この職種はさらなる2つの職種に分けられます。
IT業界でのマーケティングは、膨大なデータを使用します。
近年ではIT技術の発展に伴い、顧客に関するさまざまなデータを瞬時に集められるため、その量も増加傾向にあるでしょう。
分析力や情報処理能力が、他の職種に比べ重要になってくる職種といえます。
データベースを扱う技術はもちろん、事業やマーケットの対する深い理解、データのスペシャリストとして考案した手段をわかりやすくプレゼンする能力が必要になります。
ご紹介したようにIT業界には様々な職種がありますが、大切なのは向いている職種、あなたがずっと働いていける職種を探すことです。ミスマッチにハマってしまうと、せっかく就職活動を頑張っても早期離職につながってしまいます。業界研究を十分に行った上で、決め打ちするのではなく様々な職種の説明会に参加してみましょう。
【業界研究】IT業界の魅力・メリット
IT業界で働く際は、具体的に業務においてどのような魅力を感じられるのか、事前にメリットを整理しておきましょう。
メリットを理解しておけば、業界研究につながり、自分に向いているのかどうかの判断がしやすくなります。
IT業界の魅力・メリットは以下の5つが挙げられます。
- 自由な働き方
- チームで仕事ができる
- 最新の技術に触れることができる
- 社会に新しい価値を提供できる
- 需要が高く将来性がある
上記のメリットを詳しく見たうえで、自分の適性や向き不向きを判断しつつ、IT業界が就活生の中で高い人気を集める理由をチェックしてみましょう。
自由な働き方
IT業界の魅力・働くメリットの一つには、ほかの業界と比べると、比較的自由な働き方が望める点が挙げられます。IT業界は、基本的に通信環境とPCがあれば、どこでも仕事ができる職種が多いです。
そのため、在宅ワークやコワーキングスペースなどで働くことが推奨されている企業も多く、それに伴ってフレックスタイム制などが導入されているケースも少なくありません。
時間や場所に縛られずに働けることは、通勤によるストレスの減少につながるため、ワークライフバランスも整いやすいといえます。現代の多様な働き方と非常に相性の良い業界といえるため、その自由度の高さに魅力を感じ、多くの学生の注目を集めていることが特徴です。
企業に雇用されている安心と、働くうえでの自由の両方が良いバランスで手に入ることが、昨今のIT業界の魅力といえるでしょう。
チームで仕事ができる
IT業界で働くメリットには、チームで仕事ができることも挙げられます。
IT企業の制作・開発のプロジェクトは、基本的に複数人のチームで進めることが多く、チームワークを発揮しながら成功を目指していく点が特徴です。仲間と協力しながら仕事をするという環境は、学生生活の中で部活・サークル・ゼミ・アルバイトなどの団体活動に身を置いていた人にとって、なじみやすい環境といえます。
皆で協力して一つのものを制作したり開発したりする状況は、途中にさまざまな課題はあるものの、大きな達成感につながるためやりがいを感じやすい環境です。チームワークを意識しながら動ける人やコミュニケーション能力の高い人などは、特に活躍できる可能性に期待できるでしょう。
チームで仕事ができれば、その中で一体感が生まれやすく、信頼関係が構築されやすいことも強みといえます。安心して頼れる仲間がいる状態で働けるため、心強い仕事環境ともいえるでしょう。
最新の技術に触れることができる
IT業界の魅力・メリットといえば、最新の技術に触れられるという点も重要です。
IT業界は、AIやロボットなど先端技術が求められる場面が多いため、そういった注目度の高い技術に触れながら働けることは良い意味で刺激が多いといえます。刺激の多い環境で仕事をすれば、いち社会人として知見や視野を広げられる良い機会を持てるでしょう。
また、IT業界を志望する人の多くは、そもそも先端技術に関して強い興味を持っている傾向にあります。自分が強く興味関心を寄せる分野の進化・発展を直に感じられることは、大きなモチベーションにもつながるでしょう。
便利なIT技術やシステムなどに関心がある人は、更新される技術について学ぶことにも抵抗がないため、業界に対する適応力も高いです。
社会に新しい価値を提供できる
IT業界で働く魅力・メリットといえば、社会に新しい価値を提供できることも挙げられます。現在、IT技術の導入によって各業界・企業はさまざまな進化と成長を遂げており、それによって多くの便利な製品・サービスが生まれています。
便利な技術は便利な製品・サービスを生み出し、そして人々の暮らしをより快適にしていきます。このように、社会に良い影響を与えられる仕事の特性については、多くの人がやりがいを感じられるでしょう。
社会貢献の意識が高い人や暮らしの課題を解決したい人などは、IT業界に就職しシステム・サービスを開発することで、直接的にそのビジョンを達成できる可能性があります。
このように仕事で強いやりがいを感じられることは、快適に、長く働くうえで重要なポイントです。
需要が高く将来性がある
IT業界の魅力・メリットといえば、その高い将来性も関係しています。ITシステム・サービスの需要は年々拡大しており、その程度は、需要と供給のバランスから人材不足が問題化するほどです。
そのためIT業界を志望すれば、より高度な技術知識を持っていなかったとしても、どこかしらの企業から内定をもらえる可能性は高いといえます。特に新卒は、ポテンシャル採用ゆえに即戦力としての技術・実績などは問われないため、人柄的に企業とマッチしていれば成長を見込まれて内定につながるケースは多いです。
そのため、働き手の需要の高さに期待し、IT企業を目指す就活生は多い傾向にあります。実際に企業のデジタル化・DXの動きに伴い、今後もIT市場はどんどん拡大していくと考えられるため、安定的な雇用につながる可能性は高いでしょう。
このような安定性・将来性の高さも、目指すうえでは大きな魅力・メリットになります。
【業界研究】IT業界のデメリット
続いてIT業界のデメリットは以下の3つです。
- 常に勉強し続けなければならない
- 長時間労働
- コミュニケーションが不足する
上記の3つはIT業界で働くなら避けては通れません。就職したのちに後悔しないためには、デメリットが自分にとって問題ないものか確認しておきましょう。
以降の文章で具体的なデメリット要素を解説していくので参考にしてください。
常に勉強し続けなければならない
IT業界のデメリットの1つ目は常に勉強し続けなければならないことです。IT業界は今現在も成長している産業です。勉強したスキルが5年後、10年後も活用できるとは限りません。
とくにAIは目まぐるしい進化を遂げています。「入社前に資格を取得したから大丈夫」「学生時代からパソコンには詳しいから問題ない」と油断していると時代に取り残されるでしょう。仕事終わりや休日に少しずつ勉強することが重要です。
ほかにも電車通勤の際に最新情報を集めたり、世界のIT企業の動向を調べておきましょう。
上記のように入社してからも継続してITに関する勉強が必要になります。仕事以外の時間でも努力できるか検討しておきましょう。
長時間労働
IT業界のデメリットの2つ目は長時間労働です。IT業界は主に以下が原因により長時間労働が常態化しています。
- 人手不足
- 突然のトラブル
- クライアントからの仕様変更
どの業界でも人手不足は課題になっていますが、IT業界は発展スピードに対して人手が足りていません。
さらにプロジェクトを進めていると原因不明のエラーやシステムトラブルに見舞われます。原因解明に時間がかかるため残業が発生しやすい状況です。
また、クライアントからの要望をもとに作業することが多いIT業界ですが、希望変更により作り直しを命じられることがあります。
自分たちでは防ぎようのない外的要因があることで、長時間労働を強いられることを覚えておきましょう。
コミュニケーションが不足する
IT業界のデメリットの3つ目はコミュニケーション不足です。IT業界はチームで活動するものの、実際に作業するのは個人になります。
さらにリモートワークが浸透したことで出社する必要がなくなりました。その結果、社員同士のコミュニケーションが減少しています。
また、プロジェクトによっては自分の作業に集中するため孤独を感じやすくなるでしょう。チームで議論を交わしながら一緒に仕事していきたい就活生にとっては、ストレスになるかもしれません。
企業ごとにイベントを開催したり、仕事終わりに交流会を開いたりなど対策しているため、社員同士のつながりが気になる就活生は調べておきましょう。
【業界研究】IT業界に就職するためにやるべきこと
IT業界といっても、いろいろな職種があることを紹介していきました。いろいろな職種があるということは、求められるスキルも職種によってさまざまです。
職種によっては向き不向きもあることでしょう。せっかく就職しても、業務内容についていけないなど、苦労するのも望ましくありません。
新卒や、IT業界未経験者であると、どのようなスキルを求められるのか、具体的にはわからないかと思います。
そこで、最後にIT企業へ就職するためにやっておくべきことを紹介していきます。しっかりと実践して、就職活動をより有利に進めましょう。
自己分析をする
IT業界に限らず、就活を成功させるためには、まず自己分析が不可欠です。なぜ自分がIT業界を目指すのか、過去の経験や興味の対象から具体的に考えましょう。
例えば「プログラミングで新しい価値を生み出したい」「ITを通じて解決したい社会課題がある」など、自己の動機を明確にすることで、志望理由がより説得力のあるものになります。
また、自己分析を通じて、自分の強みや価値観を把握し、その結果を基に業界や企業を選定することで、ミスマッチを避けることもできます。
就活において最初の一歩かつ最も重要な対策であるため、しっかり時間をかけて取り組みましょう。
業界・企業研究をする
IT業界にはソフトウェア開発、ハードウェア製造、インターネットサービス、通信など多岐にわたる分野があります。業界や企業ごとの特徴や強みを理解し、自分の適性に合った企業を見極めることが重要です。
業界研究で各企業の事業内容や経営方針、業績、また同業他社との違いを比較することで、自分に最適な環境を見つけることができます。
また、企業ごとの社風や働き方もリサーチすることで、長期的に成長できる職場を選ぶ参考になります。情報を集めることで面接でも具体的な志望理由を伝えやすくなり、採用担当者にモチベーションの高さを示すことができるでしょう。
業界研究の方法については以下の記事でさらに詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
志望動機を作成する
志望動機を作成する際には、他の応募者との差別化を意識することが重要です。
特に文系出身者は技術的な経験が少ない場合が多いため、自分の過去の経験や強みをどのようにIT業界で活かしたいのかを具体的に述べることが求められます。
例えば「顧客のニーズを深く理解する力を活かして、ユーザー視点に立ったソフトウェアの開発に貢献したい」というように、具体的なエピソードをもとに志望理由を構築することで、説得力が増します。
また、志望する企業に共感するポイントや「この企業だからこそ、入社したい」と思う理由を明確に伝えることで、面接官に対して強い意欲を示すこともできるでしょう。
ITに関する知識をつける
基本的なIT知識を身につけておくことも必須です。
面接では「興味のあるIT分野は?」「最近のIT業界に関するニュースで気になるものは?」などの質問が投げかけられることもあり、具体的に答えられるかどうかは評価に影響します。
したがって、日々IT関連のニュースや技術トレンドをチェックし、基礎的な知識のインプットを続けることが重要です。例えば、IoT、AI、ブロックチェーンなど、IT業界で注目されている技術について理解を深めると良いでしょう。
IT業界は急速に変化するため、入社後も継続して学ぶ姿勢が求められますが、就活の段階から学習する習慣が身についていることを示すことで、成長し続ける、意欲の高い人物であると思ってもらえます。
実践経験を積む
希望する職種が決まったら、それに合わせた実践経験を積んでいきましょう。
実践と聞くと、何をすればよいのかと戸惑う学生も多いかと思います。プログラミングスクールや、IT企業のインターンシップなどで、経験を積むことは学生でも可能です。
また、その経験はIT業界以外に就職をした際にも武器になりえる経験です。IT業界に絶対行きたいという学生はもちろんですが、それ以外の学生であっても、行って損はありません。
エントリーシートのネタ作りや、面接のネタ作りに困っている学生は、ぜひ行ってみてください。
また、職種によってはIT系の資格が必須であったり、優遇されたりという場合もあります。その場合は、資格の取得を目指して勉強するというのもよいでしょう。
【業界研究】よくある質問
続いて、就活生の方からよくいただくIT業界への就職を叶えるための対策などに関する質問を紹介します。
気になっているポイントがある場合は、ぜひ参考にしてみてください。
結論として、文系でもIT業界への就職は十分に可能です。
特に営業職やマーケティング職など、コミュニケーション力が求められる職種において文系学生が活躍する場が多く存在します。
また、近年ではIT人材の不足が続いているため、エンジニア職においても、文理問わず採用する企業が増えています。エンジニアを目指す場合でも、特にベンチャー企業の場合は入社後の研修でスキルを習得する機会が用意されていることが多いため、未経験からでも挑戦しやすい環境です。
特に論理的思考力やコミュニケーションスキルが高い人はIT業界で評価されやすく、プロジェクトマネージャーや顧客対応など、幅広い場面で活躍できるとみなされます。
したがって、文系でも自身の強みを活かし、IT業界に就職することは可能です。
IT業界を目指す際におすすめの資格は「ITパスポート」と「基本情報処理技術者」の2つです。
まず、ITパスポートはすべての社会人が知っておくべきITの基礎知識を証明する国家資格であり、ITに関する全般的な知識を身につけることができます。理系の方はもちろん、文系の方でも比較的取り組みやすく、IT業界の入門資格として人気があります。
基本情報処理技術者はプログラミングやシステム設計の基礎知識を習得できる資格であり、エンジニアを志望する方におすすめの資格です。
この資格を取っておけば、プログラム設計から開発、テストまでのプロセスを理解できるようになり、就職後にもスムーズに業務に取り組めるでしょう
文系でもIT業界に就職可能です。入社前から特別なスキルや技術は必要ありません。企業ごとに研修や育成プログラムがあるため、きちんと受講することで仕事をこなすことが可能です。
「文系だから」「プログラミング言語を知らない」などさまざまなコンプレックスを抱える就活生も多いでしょう。しかし、就活は勇気を出して挑戦することが重要です。
以下の記事で文系でもIT企業に就職できる理由を詳しく解説しています。興味のある就活生は、ぜひ参考にしてください。
業界研究には本とニュースサイトがおすすめです。短い時間で効率よく情報収集ができます。ITについて研究したい就活生は本を読みましょう。著名人の考え方や知識をお手頃な価格で読めます。
また、体系立てて解説されているため初めてITを勉強する場合でも読みやすいでしょう。一方でニュースサイトは最新の情報がすぐに手に入ります。電車内や授業の合間などでサッと読むことが可能です。忙しい就活生でも常に最新情報がインプットできます。
ただし、ニュースサイトは情報元を確認しましょう。まとめサイトや個人の発信では不正確な情報の場合があります。情報の発信元に注意しながら情報を集めてください。
まとめ
IT業界は会社の事業内容も多岐にわたりますが、その職種もとても種類が多いのです。
そのため、求められる人材もさまざまだといえます。
業界規模が拡大しており、人材不足と、就活生にとってはとても狙い目の業界です。
したがって、ばく然と就職活動を始めようとしている人にはとてもおすすめの業界になります。
何をしたいかわからない、自分の強みがわからないという方は、一度IT業界について研究してみてはいかがでしょうか。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
柴田貴司
(就活市場監修者/新卒エージェント本部幹部)
柴田貴司
(就活市場監修者)
IT業界はここ数年で就活生からの人気が激増している業界です。その分競争率も上がっており、内定獲得は以前と比べると難しくなっているといえるでしょう。本記事を参考にして、IT業界とはどのような業界なのか、どのような点を意識すれば内定獲得に近づくのか、を理解しましょう。