はじめに
就職活動に向けてエントリーシート(ES)を準備している人のなかには、ガクチカの書き方でつまずいているという方も多いのではないでしょうか。
ESは今後の就活を左右する重要なパートでもあるため、入念な準備をするのがおすすめです。
しかし、「ガクチカなんて書いたことがないし、どのように構成すればよいのかわからない」といった方もいるでしょう。
エピソードをいくつか思いついたものの、本当にそれでいいのか不安に感じているという方もいるかもしれません。
そこで今回は、ESのなかでも重要なパートであるガクチカの書き方をご紹介します。
ガクチカへの理解を深めるためのポイントはもちろん、PREP法を用いた構成の仕方や、例文についてもしっかりと解説します。
さらに、企業が実際に評価しているガクチカエピソードのランキングや、よくある質問への回答も充実させました。
ぜひこの記事を参考に、最強のガクチカ作りを目指しましょう。
【エントリーシート】企業がガクチカから知りたい3つのポイント
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」の略です。
学生時代に頑張ったことや、もっとも熱中して取り組んだことという、聞き方をされる場合もあります。
ESでは自己PRや志望動機と同じく頻出の質問となっています。
まずは企業がガクチカに、どういったものを求めているのかを確認していきましょう。
この質問の裏側にどのような意図があるのかを理解できれば、より評価されやすいガクチカにつながります。
ここでは企業がガクチカに求めている、3つのポイントを解説していきましょう。
課題解決能力と主体性
企業がガクチカで最も注目しているのは、あなたが直面した課題にどのように向き合い、主体的に解決しようと努力したかという点です。
単に「頑張りました」「熱中しました」と語るだけでは、あなたの能力や人柄を十分に伝えることはできません。
その活動を始めたきっかけや、困難に直面した際の具体的なエピソードは必ず書きましょう。
そして、その課題に対してあなたがどのような工夫や行動を起こしたのかといった部分が一番重要視されます。
例えば、「メンバー一人ひとりと個別で話す場を設けて意見を吸い上げた」「クレームの原因を徹底的に分析し、マニュアルを改善した」といったように、自分の行動によって状況がどう変化したのかまで説明することで、あなたの課題解決能力と主体性を強くアピールできます。
困難な状況を乗り越え、結果を出した経験は、入社後の活躍を具体的にイメージさせるための強力な材料となります。
思考力
企業はガクチカを通じて、あなたがどのような思考プロセスを経て行動するのかを見ています。
活動の内容だけでなく、その背景にあるあなたの論理的な思考力や計画性を知りたいのです。
たとえば、ボランティア活動を例にするなら、「参加者数を増やす」という目標を立て、「SNSでの告知を強化する」「ターゲット層に合わせたイベント内容を企画する」といった具体的な戦略を立てた、といったように、思考から行動までの一貫性を伝えることが重要です。
思考力は、どのような業界・職種でも必須となるスキルです。
与えられた仕事に対して、自ら課題を見つけ、解決策を考え、実行に移す力は、企業が新卒に最も期待している能力の一つと言えるでしょう。
「どのように考え、なぜその行動を取ったのか」を掘り下げて説明することで、あなたの論理的思考力を効果的にアピールできます。
この思考の過程を丁寧に語ることで、あなたの仕事への向き合い方を企業に理解してもらうことができます。
自社とのマッチ度
ガクチカは、あなたのスキル以外にも人柄や価値観を知るための重要な手がかりです。
企業は、あなたの経験を通じて、あなたが何に喜びを感じ、何を大切にしているか、またそれが自社の社風や文化とどれだけマッチしているかを確認しています。
チームで成し遂げた経験を語れば協調性やチームワークを重視する姿勢を、個人で目標を達成した経験を語れば自律性や責任感をアピールできます。
自分のガクチカが、企業の求める人物像や大切にしている価値観と一致していることを示すことができれば、採用担当者の心に強く響きます。
ガクチカを語る際には、その経験を通じて得た学びや、自分が大切にしている価値観が、志望企業で働く上でどのように活かせるかを具体的に結びつけましょう。
「この学生は自社の文化に馴染み、活躍してくれるだろう」と採用担当者に感じさせることができれば、選考を通過する可能性は大きく高まります。
【エントリーシート】評価されたガクチカエピソードランキングTOP7
- 1位 アルバイト経験
- 2位 部活動・サークル
- 3位 学業・研究活動
- 4位 ボランティア活動
- 5位 長期インターンシップ
- 6位 資格取得・留学
- 7位 趣味・特技
採用担当者へのアンケート調査結果に基づき、企業が実際に高く評価しているガクチカエピソードをランキング形式でご紹介します。
重要なのは、エピソードの種類ではなく、そのエピソードを通じてどのような成長や学びを得たかという点です。
ランキングは参考程度に、あなた自身の経験を深掘りし説得力のあるガクチカを作成していきましょう。
1位 アルバイト経験
アルバイト経験がガクチカで高く評価される理由は、「改善・貢献」の視点をアピールしやすいからです。
単に接客や調理をこなしただけでなく、「お客様に喜んでもらうために、マニュアルにない接客を工夫した」「売上を上げるために、新しいメニューを提案した」といったように、組織やチームへの貢献を具体的に示すことができます。
特に、課題を発見し、それを解決するために自ら考え、行動したエピソードは評価に繋がりやすいです。
企業は、入社後に自社の課題を主体的に解決できる人材を求めているため、アルバイトという身近な経験からでも、そうした資質をアピールできると非常に効果的です。
2位 部活動・サークル
部活動やサークル活動のエピソードは、リーダーシップやチームワークをアピールする上で非常に有効です。
特に、チームをまとめ、共通の目標に向かって努力した経験は、企業が求める協調性や目標達成意欲を示すことができます。
「部長としてチームの士気を高めるために、メンバー一人ひとりと向き合った」「サークルのイベント集客数を増やすために、SNSでの広報戦略を立てた」など、どのような役割を担い、チームにどう貢献したかを明確に伝えましょう。
失敗や挫折を経験し、それを乗り越えた過程を語ることで、あなたの粘り強さや人間性も深く伝わります。
3位 学業・研究活動
大学での学業や研究活動は、専門性や論理的思考力をアピールする絶好の機会です。
「なぜその研究テーマを選んだのか」「どのような仮説を立て、どのような方法で検証したのか」「どんな困難に直面し、それをどう乗り越えたのか」といったプロセスを詳細に説明することで、あなたの知的好奇心や課題解決能力を伝えることができます。
特に、企業が求めるスキルや知識に直結する内容であれば、その専門性の高さを強くアピールできます。
また、専門分野でなくても、一つのことを深く掘り下げて取り組む姿勢や、論理的に物事を組み立てて考える力は、多くの企業で高く評価されます。
4位 ボランティア活動
ボランティア活動は、社会貢献への関心や、利他的な精神をアピールできる点が評価されます。
「困っている人のために自分は何ができるか」を考え、行動した経験は、あなたの価値観や人間性を伝えるのに適しています。
「被災地でのボランティア活動を通じて、現地のニーズを汲み取る力を養った」「地域の子ども向けイベントを企画・運営し、多くの人を巻き込む力を身につけた」など、活動を通して得た具体的な学びや成長を伝えましょう。
この経験を通じて、チーム内外の人と協力し、目標に向かって行動した経験をアピールすることで、入社後の活躍もイメージさせやすくなります。
5位 長期インターンシップ
長期インターンシップは、実務経験や職業への理解度をアピールできる点が大きな強みです。
学生のうちから実際のビジネス現場で働くことで、仕事への責任感や、社会人としての基礎的なスキルを身につけたことを証明できます。
「営業インターンで、担当クライアントの課題解決に貢献した」「新規事業の立ち上げに携わり、マーケットリサーチから企画提案までを行った」など、具体的な成果や業務内容を明確に伝えましょう。
入社後の即戦力として期待できると判断されやすいため、志望業界や職種に直結するインターン経験は非常に高く評価されます。
6位 資格取得・留学
資格取得や留学経験は、明確な目標設定力や自己研鑽意欲を示すことができます。
「○○の資格取得のため、計画を立てて毎日勉強を続けた」「留学を通して、異文化理解を深め、コミュニケーション能力を向上させた」といったように、何のために、どのような努力をしたかを具体的に述べることが重要です。
特に、志望する職種や業界に役立つ資格や、語学力が必要とされる企業であれば、大きなアピールポイントとなります。
目標に向かってコツコツと努力を継続できる力は、入社後の学習意欲や成長性を示すことにも繋がります。
7位 趣味・特技
趣味や特技のエピソードは、あなたの継続力や個性をアピールできる貴重な機会です。
ランキング下位ではありますが、ユニークなエピソードは面接官の印象に残りやすいというメリットもあります。
「ゲームの企画・開発を通じて、論理的に物事を考える力を養った」「絵を描くことを通じて、独自の視点や発想力を磨いた」など、趣味から得た学びを仕事にどう活かせるかを言語化することが重要です。
継続して取り組んだ期間や、どれだけの熱意を持って取り組んだかを具体的に伝えることで、あなたの真摯な姿勢や熱意が伝わり、高い評価に繋がります。
【エントリーシート】受かるガクチカの構成
最強のガクチカを書くためには、読み手である採用担当者に意図が十分に伝わる書き方をする必要があります。
伝えたいことをずらずらと並べてしまっては、最終的に何を伝えたいのかがぼやけてしまい、説得力のない文章になってしまいます。
論理的に文章を組み立てる際に役立つのが、「PREP法」というテクニックです。
この方法でガクチカを書けば、内容が伝わりやすくなるだけでなく、論理的思考をもった人物であるという評価にもつながるでしょう。
Point
PREP法では、最初に結論を述べます。
つまりその問いに対する、最終的な答えを簡潔にかつわかりやすく述べるのです。
こうすれば読み手に、まずもっともいいたいことがすぐに伝わります。
相手にどういった話がはじまるのかをイメージさせられるため、どのような心構えでその先を読めばよいのかを話の最初から理解してもらえるのです。
また面接の場であれば、「この人は結局何を言いたいんだろうか」と予想しながら聞くことを防げます。
何を言いたいのかがすぐにわかるため、読み手のストレスが減るだけでなく、より注意深く読んでもらえるというメリットもあるのです。
ガクチカであれば、「私が学生時代に一番力を入れたことは、〇〇です」という風に書き出します。
Reason
次に結論に対する理由や根拠を述べます。
なぜその結論を選んだのかを、しっかりと説明するパートです。
この根拠があることで、自分の主張により説得力をもたせる効果があります。
読み手もより納得できるため、続きをしっかり読もうという気にさせられることでしょう。
ガクチカの場合では、そのことに熱中することになった理由や、背景を説明する必要があります。
困難を乗り越えたという場合には、その困難について具体的に説明しましょう。
この理由の部分では、何よりも説得力をもたせることが、重要なポイントになっていきます。
そのため主観的に自分の思いや考えを述べるのではなく、客観的な事実や具体的な経験をしっかりと書き込んでいきましょう。
Example
そして、実際に具体的な例(エピソード)を紹介します。
今まで説明したPointやReasonを証明するためのエピソードとなる部分へ具体的に肉づけをしていきましょう。
読み手は事前にどのような話なのか、ある程度イメージはできています。
PointやReasonをしっかり説明していることで、ここでの話が相手に伝わりやすい状態になっているはずです。
単純に「〇〇をしました」と出来事だけを書くのではなく、しっかりと起承転結を意識して、具体的な説明するようにするのがポイントです。
どういった困難に直面し、なぜその困難に立ち向かおうと感じたのでしょうか。
そして実際にどのようなアクションを起こしたのか、どういう結果を得られたのでしょうか。
これらをしっかりと盛り込みましょう。
Point
最後にもう一度最初の結論を述べます。
エピソードや根拠で自分の結論を納得させたうえで、さらにもう一度結論を述べれば、相手の記憶により残りやすくなるのです。
しかし、最初の1文をそのままコピーしてしまっては、いけません。
ここまでの内容を総括したうえで、まとめという形で文章を結ぶ必要があります。
そのためにもガクチカでアピールしたことを、今後どのように活かしていきたいのかを書くのが一番よい方法だといえるでしょう。
具体的には「学生時代に力を入れてきた〇〇の経験を活かして、貴社に〇〇として貢献していきたいです」という文章になります。
このようにPREP法を上手に利用すれば、よりわかりやすく説得力のある文章を簡単に構成できるようになるでしょう。
【エントリーシート】エピソード別ガクチカ例文9選
ここまで、企業がガクチカに求めるポイントや、評価されやすいエピソードの種類について解説してきました。
次は、いよいよ具体的な文章の作成です。
どんなに素晴らしい経験をしていても、伝え方次第で評価は大きく変わってしまいます。
ここでは、よくある9つのエピソードに絞ってガクチカの例文を紹介します。
単に文章を丸写しするのではなく、「どのような構成で書かれているか」「どんな点をアピールしているか」に着目して、あなた自身のガクチカ作成の参考にしてください。
1.アルバイト
私は、カフェでのアルバイトで、新人の早期戦力化に向けた指導体制の構築に尽力しました。
新人スタッフが業務を覚えるのに時間がかかり、先輩スタッフへの質問が多すぎるという課題がありました。
私は、業務内容を細分化し、各ステップを写真付きで解説した「業務チェックリスト」を作成。
新人スタッフが自分のペースで業務を習得できるようにしました。
また、定期的にチェックリストを活用したフィードバック面談を行い、個人の進捗に合わせてサポートしました。
結果、新人が独り立ちするまでの期間を平均1週間短縮できました。
この経験から、「相手の視点に立ち、課題を解決するための仕組みを考える力」を養いました。
2.学園祭実行委員会
私は、学園祭実行委員会の広報部門で、広報戦略の再構築に尽力しました。
学園祭の魅力を十分に伝えきれず、来場者数が伸び悩んでいるという課題がありました。
私は、若年層がターゲットとなるSNS広告の運用を提案。
広告のクリック率やエンゲージメント率を分析し、より反応の良い投稿内容や時間帯を検証しました。
また、投稿ごとに異なるハッシュタグを試すなど、地道な改善を重ねました。
その結果、学園祭公式SNSのフォロワー数が前年比200%増加し、来場者数も目標を達成しました。
この経験から、「目標達成のために、仮説と検証を繰り返す論理的思考力」を培いました。
3.留学
私は、交換留学先の大学で、チームプロジェクトの円滑な進行に貢献しました。
現地の学生とのグループワークで、文化や価値観の違いから意見の対立が頻繁に起こり、議論が停滞するという課題に直面しました。
私は、お互いの意見を理解するために、定期的に食事会を企画し、学業以外のプライベートな時間を共有することを提案。
お互いのバックグラウンドを知ることで、互いの意見の意図を深く理解できるようになり、プロジェクトの議論が円滑に進むようになりました。
この経験を通じて、「異なる文化を持つ人とも、粘り強くコミュニケーションを重ねて協調性を築く力」を培いました。
4.ボランティア
私は、地域のごみ拾いボランティア活動で、参加者の継続率向上に努めました。
参加者の多くは単発での参加が多く、活動が定着しないという課題がありました。
私は、活動をより楽しめるように、参加者同士が交流できる仕組みを考案。
ごみ拾い後に軽食をとりながら交流会を開催したり、「ユニークなごみ」を共有して笑い合う企画を実施しました。
その結果、参加者から「また来たい」という声が増え、翌月の継続率は前月比で40%向上しました。
この経験から、「課題解決のために、人の心を動かす企画力と実行力」を培いました。
5.部活動
私は、軽音楽部の会計係として、部費の透明化と部員の納得度向上に貢献しました。
部費の使途が不明瞭で、部員から不満が出ているという課題がありました。
私は、日々の収支を細かく記録し、誰でも見られるようにGoogleスプレッドシートで共有することを提案。
さらに、半期に一度、部員全体への説明会を開催し、部費が何に使われたかを具体的に報告しました。
この取り組みにより、部員の部費に対する納得度が高まり、部の運営が円滑になりました。
この経験から、「組織の課題を自ら見つけ、他者を巻き込みながら解決する力」を学びました。
6.サークル活動
私は、ダンスサークルで、新メンバーの技術力向上をサポートしました。
新メンバーの中には、上達スピードが遅いことを理由に辞めてしまう人がいるという課題がありました。
私は、新メンバー一人ひとりのレベルに合わせた練習メニューを考案し、先輩メンバーとマンツーマンで指導する体制を提案。
初心者向けの動画マニュアルを作成し、いつでも復習できるように工夫しました。
その結果、新メンバーの技術力が着実に向上し、サークル全体のパフォーマンスも向上しました。
この経験から、「相手の成長を長期的な視点で支える指導力と、課題解決に向けた仕組みづくり」を身につけました。
7.ゼミ
私は、ゼミの研究発表において、膨大な資料を効果的に整理・分析することに尽力しました。
チームでの研究テーマは広範囲にわたり、収集した資料が多すぎて議論が進まないという問題がありました。
私は、情報整理に特化したマインドマップツールを導入することを提案。
各自が調べた情報をツール上に集約し、関連性のある情報を結びつけることで、全体の構造を可視化しました。
これにより、無駄な議論をなくし、効率的に論点を絞り込むことができました。
最終的に、教授からも論理的で分かりやすい発表だと評価されました。
この経験から、「複雑な情報を整理・分析し、チームの生産性を向上させる力」を学びました。
8.趣味
私は、趣味の写真撮影を通じて、ターゲットに合わせた表現方法を追求しました。
風景写真を撮り始めた当初は、自分が良いと思った写真をただ撮るだけでした。
しかし、SNSでより多くの人に写真を見てもらうために、「どんな写真が人の心を動かすか」を考えるようになりました。
そこで、私は時間帯や光の当たり方、構図などを徹底的に研究し、写真にストーリー性を持たせる工夫をしました。
具体的には、見る人がその場所を訪れたくなるような、温かみのある写真を意識して撮影しました。
その結果、SNSでの写真の反響が大幅に増えました。
この経験から、「相手の視点を想像し、ニーズに応える表現力を磨く力」を身につけました。
9.インターンシップ
私は、ITベンチャーでの長期インターンシップで、新規事業の市場調査を担当しました。
新規事業のターゲットを明確にするため、私は顧客候補となるユーザー層へのヒアリング調査を任されました。
しかし、協力者を集めるのに苦労し、十分なデータを集めることができませんでした。
そこで、私はSNSを活用し、ターゲット層が興味を持つようなコンテンツを継続的に発信することで、ヒアリング調査への協力を募りました。
結果、当初の目標を上回る人数の協力者を得ることができ、質の高い市場調査レポートを提出することができました。
この経験から、「困難な状況でも、自ら新たな道を切り開き、成果を出す行動力」を学びました。
【エントリーシート】アピールしたいスキル別ガクチカ例文10選
ガクチカのエピソードは、あなたがアピールしたいスキルから逆算して作成することも有効な手段です。
企業が求める人物像に合わせて、自分の経験の中からどのスキルを強調すべきか考えることで、より説得力のあるガクチカを作成することができます。
ここでは、社会で求められる10のスキル別にガクチカの例文を紹介します。
1.リーダーシップ
私は、サッカー部でキャプテンとして、メンバーの自主性を引き出すためのチーム運営に尽力しました。
当時のチームは、監督の指示待ちになりがちで、自ら考えて行動する意識が低いという課題がありました。
私は、メンバー一人ひとりが練習の目標を自分で設定し、その日の成果をチーム全体で共有する仕組みを導入しました。
また、練習中に疑問点があればすぐに発言するよう促し、全員で解決策を探る姿勢を徹底しました。
この結果、部員はより主体的に練習に取り組むようになり、チーム全体のパフォーマンスが大きく向上しました。
この経験から、「指示するのではなく、メンバーの主体性を引き出し、チームを成長させるリーダーシップ」を養いました。
2.実行力
私は、アルバイト先の飲食店で、お客様の声に基づいた新メニューの開発を提案・実行しました。
お客様からのアンケートで、「定番メニュー以外の選択肢が少ない」という声が多いことを知りました。
私は、この声に応えるため、季節の食材を使った期間限定メニューの開発を提案しました。
商品の企画段階から、原価計算、調理オペレーションの確認、従業員への試食会開催まで、すべての工程を責任持って担当しました。
この新メニューは売上全体の1割を占めるヒット商品となり、お客様からの満足度も向上しました。
この経験から、「顧客のニーズを形にし、最後までやり遂げる実行力」を学びました。
3.課題解決能力
私は、大学のボランティア活動で、寄付金集めの効率化に取り組みました。
当団体では、手作業での寄付金集計に時間がかかり、集計ミスも発生するという課題がありました。
私は、このアナログな作業を改善するため、寄付金の集計と管理を自動化できる簡易的なスプレッドシートの作成を提案。
寄付者情報や金額を入力するだけで、自動で合計額やグラフが表示される仕組みを構築しました。
この新しいツールを導入した結果、集計にかかる時間を50%削減し、ミスもほぼゼロになりました。
この経験から、「業務の非効率な点を自ら見つけ、具体的なツールを活用して改善する力」を学びました。
4.協調性・チームワーク
私は、ゼミのグループ研究において、メンバー間の意見の対立を調整し、チームをまとめることに貢献しました。
研究発表のテーマ選定の段階で、メンバー間で意見が対立し、議論が停滞しました。
私は、お互いの意見を冷静に理解できるよう、全員の意見を可視化する「ブレインストーミング」を提案。
各自の意見を付箋に書き出し、それらを関連性で分類することで、共通点や対立点を明確にしました。
この整理によって、メンバーは客観的に議論を進めることができ、最終的には全員が納得するテーマを決定できました。
この経験から、「対立を恐れず、傾聴と対話を通じてチームの協調性を高める力」を培いました。
5.論理的思考力
私は、家計簿管理を通じて、日々の支出を改善しました。
漠然と「お金が貯まらない」と感じていましたが、何にいくら使っているかを把握できていませんでした。
私は、まず3ヶ月分のレシートをすべて記録し、支出を「食費」「交通費」「娯楽費」などの項目に分類して分析しました。
その結果、無意識のうちに「コンビニでの衝動買い」に多くお金を使っていることを発見。
この無駄をなくすため、事前に買い物リストを作成する習慣をつけました。
この取り組みの結果、毎月の支出を20%削減することができました。
この経験から、「現状を客観的に分析し、論理的に課題を特定・解決する力」を身につけました。
6.コミュニケーション能力
私は、所属サークルのイベントで、OB・OGと現役メンバーの交流を深めることに貢献しました。
毎年恒例のOB・OG会は、現役生が遠慮してしまい、交流が深まらないという課題がありました。
私は、両者が気軽に話せるように、事前にOB・OGの「学生時代の失敗談」を収集。
それをクイズ形式で発表する企画を提案しました。
この企画によって、堅苦しい雰囲気がなくなり、笑いを交えながら世代を超えた交流が生まれました。
結果、OB・OG会は例年以上に盛り上がり、多くの参加者から「楽しかった」という声をいただきました。
この経験から、「場の雰囲気を読み、相手の心を開くコミュニケーション力」を学びました。
7. 状況適応能力
私は、アルバイト先のカフェで、注文が殺到した際の対応を工夫しました。
ランチタイムは注文が集中し、お客様を待たせてしまうことがありました。
私は、この状況を改善するため、ピーク時にはお客様の注文を2人1組で対応することを提案。
一人が注文を伺っている間に、もう一人がドリンクの準備を進めるという役割分担を導入しました。
このシンプルな工夫によって、お客様一人あたりの待ち時間を短縮し、よりスムーズな接客が可能になりました。
この経験を通じて、「変化する状況を冷静に把握し、その場で最適な行動をとる適応力」を養いました。
8.粘り強さ
私は、大学の単位取得で、苦戦した経験があります。
ある専門科目の試験に、一度不合格になってしまいました。
悔しさと同時に、このままでは卒業が危ういという焦りを感じました。
私は、諦めずに再試験に挑戦するため、まずは不合格の原因を徹底的に分析。
教科書の全体像を把握できていなかったことに気づき、友人からノートを借り、分からない箇所を重点的に復習しました。
また、図書館で朝から閉館まで勉強することを日課にしました。
その結果、再試験では無事に合格することができました。
この経験から、「失敗から学び、諦めずに目標を達成する粘り強さ」を身につけました。
9.多様な視点
私は、大学の授業で、社会問題のレポートを作成する際、多様な視点から考察することに力を入れました。
テーマに関する文献を読むだけでなく、異なる立場の人々の意見を理解するために、関連するドキュメンタリーやインタビュー記事を複数見るようにしました。
例えば、「〇〇問題」についてレポートを書く際には、当事者や専門家だけでなく、問題を批判的に見ている人々の意見にも耳を傾けました。
この多角的な情報収集によって、一つの結論に飛びつくのではなく、様々な側面から物事を捉えることができるようになりました。
その結果、レポートでは、問題の複雑さを踏まえた、より深く説得力のある考察を提示することができました。
この経験から、「物事を多角的に捉え、本質を理解しようとする多様な視点」を身につけました。
10. マネジメント能力
私は、学業とアルバイト、サークル活動を両立するために、自己管理を徹底しました。
大学生活が始まると、複数の予定が重なり、日々のタスクをこなすことが困難になりました。
私は、この状況を改善するため、1日の計画を立て、優先順位をつけてから行動することを習慣化しました。
具体的には、前日の夜に翌日のスケジュールを立て、勉強やアルバイト、サークルの時間を明確に割り振りました。
急な予定が入った場合でも、優先順位を再考して臨機応変に対応しました。
この結果、すべての活動で成果を出すことができ、充実した学生生活を送ることができました。
この経験から、「限られた時間の中で、複数のタスクを効率的にこなす自己マネジメント能力」を養いました。
【エントリーシート】ガクチカNGポイントとNG例
ここまで、企業に評価されるガクチカの作成方法について解説してきました。
しかし、せっかく素晴らしい経験をしていても、伝え方を間違えると、その魅力は半減してしまいます。
ここでは、あなたのガクチカをさらに魅力的にするために避けるべき3つのNGポイントとNG例文を詳しく解説していきます。
情報が多すぎるガクチカ
ガクチカで情報が多すぎるのは、企業に伝えたいことが定まっておらず、かえって内容がぼやけてしまう大きな原因です。
あれもこれもと詰め込んでしまうと、最も重要な「あなたの強み」が何なのか、採用担当者には伝わりにくくなってしまいます。
例えば、サークル活動について書く際に、「新歓活動、イベント企画、練習メニューの考案、SNS広報」と多くの役割を羅列するガクチカはNGです。
これでは、それぞれの経験が浅いのではないかという印象を与えかねません。
内容が浅いガクチカ
内容が浅いガクチカとは、「なぜその行動をしたのか」「なぜその課題が起きたのか」といった「なぜ?」の部分が欠けているものです。
ただ事実を並べるだけでは、あなたの思考力や行動力が伝わりません。
例えば、アルバイト経験について「お客様に喜んでもらおうと頑張った」と書く場合、なぜそうしようと思ったのか、具体的な行動が欠けているため、内容が薄く感じられます。
結果のみを強調しすぎるガクチカ
ガクチカにおいて、結果をアピールすることはもちろん重要ですが、結果だけを強調しすぎるのは大きな落とし穴です。
結果はあくまで、そのプロセスを裏付ける一つの要素に過ぎません。
企業が知りたいのは、結果に至るまでのあなたの思考や行動、そしてそこから何を学んだのかです。
「売上を○%上げました」「優勝しました」といった結果だけを羅列するガクチカは、入社後に活躍する姿をイメージさせにくいです。
私の強みは行動力だといえます。
なぜなら学生時代に留学やバンド活動、ゼミのビジネスプランコンテストなどに参加したからです。
1年次にはアメリカへ1年間留学をしました。
現地では積極的に友達を作り、今でもその友達とは連絡を取っています。
バンド活動では自分たちで曲を作って、ライブハウスでライブをしていました。
コロナ禍でなかなか活動できない期間も続いていますが、この期間でも自分たちで作曲活動に励んでいます。
ゼミのビジネスプランコンテストでは、ゼミの仲間とグループワークを通して、自分たちの納得のいくものを作ろうと心がけていました。
その結果見事優勝できました。
そのため私が学生時代に得られた強みは、行動力です。
【エントリーシート】ガクチカが見つからない?ネタ探し完全攻略法
「ガクチカが思いつかない」と、頭を悩ませている学生は意外と多いものです。
たとえ思いついたとしてもありきたりすぎる、大したエピソードじゃないと考えてしまいがちでしょう。
ガクチカは自己PRとは違い、困難への取り組み方や成長過程を知りたいという企業側の意図があります。
そのためエピソード自体は、自分が本当に一番頑張ったことであればどういったことでもよいのです。
一番大切なのはそのエピソードを通して、どのように成長したのかという点です。
自分の経験からとっておきのエピソードを選びましょう。
参考にこちらの記事も用意しましたので、ガクチカを書き始める前にぜひ読んでみてください。
自分史をしてみる
あなたのこれまでの人生を振り返る「自分史」を作ってみましょう。
中学、高校、大学と時系列に沿って、楽しかったこと、苦労したこと、夢中になったことなどを自由に書き出してみてください。
この作業を通じて、あなたがどんな時にモチベーションを感じ、どんな壁にぶつかり、それをどう乗り越えてきたかが明確になります。
例えば、「中学時代にバスケ部でレギュラーになれず、悔しい思いをした」という経験は、その後の「高校で毎日自主練習に励み、技術を磨いた」という努力に繋がっているかもしれません。
ただ単に出来事を羅列するのではなく、それぞれの経験から「なぜそう感じたのか」「どう行動したのか」を深掘りしていくことが重要です。
この自分史の作業は、あなたの強みや価値観、そして将来のビジョンを言語化するための貴重な第一歩となります。
人よりも優れた経験である必要はない
エピソードが見当たらないという人は、人よりすごい経験やあっといわせられるようなインパクトのあるエピソードを見つけようとしている場合があります。
上記でも述べたとおり、ガクチカは決して周りの人と比べるようなものではありません。
自分らしさをアピールできるガクチカのほうが、より高い評価を受けられ、相手の印象にも残ることでしょう。
あまり周りと比べすぎずに、自分自身のこれまでの経験について自信をもって語りましょう。
人と同じ内容でもよい
ガクチカの定番といえば、アルバイトやゼミ・ボランティアなどがあげられます。
ありきたりすぎてほかの学生と内容が被ってしまうと気にしている方もいるのではないでしょうか。
しかし、エピソードの内容がありきたりであろうと、内容がほかの学生とかぶっていようとなんの問題もありません。
なぜなら同じ経験をしても、人それぞれに捉え方や対処の方法・成長の方法は異なっているからです。
そのため、ありきたりな内容ではないかと心配する必要はありません。
優れた結果よりも過程で何を思ったかが大切
試合で大きな結果を出したというような、実績を自慢できるエピソードでないといけないというのも大きな勘違いであるといえます。
ガクチカにおいて、採用担当者はその結果にこだわっているわけではありません。
そのため一生懸命頑張ったことであれば、むしろ最終的に失敗で終わったことでも大丈夫です。
また思うような結果は得られなかった経験でも、全く問題はありません。
むしろその失敗をどのように活かすのかという、気づきや取り組みのほうが重要視されています。
【エントリーシート】よくあるガクチカQ&A
- ガクチカの文字数はどのくらいが適切ですか
- 複数のエピソードがある場合の選び方は
- ガクチカで嘘をついても大丈夫ですか
- 失敗談をガクチカで話しても問題ないですか
- アルバイト経験しかない場合のアピール方法は
ガクチカ作成において、多くの学生が共通して抱える疑問にお答えします。
就活は一人で進めることが多いため、正しい方向に向かっているのか不安になることもあるでしょう。
以下のよくある質問と回答を参考に、より効果的なガクチカを作成してください。
ガクチカの文字数はどのくらいが適切ですか
ガクチカの文字数は、一般的に400文字程度が目安とされています。
ただし、企業によって指定される文字数は異なるため、必ず応募企業の指示に従いましょう。
300文字程度の短いものから、800文字以上の長いものまで様々です。
文字数が少ない場合は、エピソードの核心部分(課題・行動・結果・学び)を簡潔にまとめることが重要です。
文字数が多い場合は、具体的な状況説明や詳細なプロセス、学びの深掘りを含めてより詳しく説明できます。
いずれの場合も、制限文字数の90%以上は使い切るよう心がけ、内容の充実度を高めましょう。
複数のエピソードがある場合の選び方は
複数のエピソードがある場合は、志望企業・職種との関連性が最も高いものを選ぶことが重要です。
企業が求める人物像や職種に必要なスキルを事前に調査し、それに最も適合するエピソードを選択しましょう。
例えば、営業職志望なら「コミュニケーション能力」や「目標達成力」が伝わるエピソード、技術職志望なら「問題解決能力」や「学習意欲」が伝わるエピソードが効果的です。
また、エピソードの「具体性」と「成長性」も重要な判断基準です。
数値や具体的な行動で説明できるエピソード、そして明確な学びや成長が示せるエピソードを優先的に選びましょう。
迷った場合は、複数のエピソードでガクチカを作成し、信頼できる人に読んでもらって客観的な意見を求めることをおすすめします。
ガクチカで嘘をついても大丈夫ですか
ガクチカで嘘をつくことは絶対にいけません。
面接では、ESに書いた内容について詳しく質問される可能性が高く、嘘の内容では一貫性のある回答ができません。
採用担当者は多くの学生を見ているため、嘘や誇張された内容は比較的簡単に見抜かれてしまいます。
また、万が一嘘がバレた場合、その企業での選考は確実に終了し、場合によっては他の企業にも情報が共有される可能性があります。
それよりも、自分の実際の経験を丁寧に振り返り、その中から成長や学びにつながったエピソードを見つけることが重要です。
どんなに小さな経験でも、あなたなりの工夫や努力があれば、それは立派なガクチカになります。
失敗談をガクチカで話しても問題ないですか
失敗談をガクチカで話すことは全く問題ありません。むしろ、失敗からの学びと成長を示せる貴重な機会となります。
企業が評価するのは成功体験そのものではなく、困難な状況にどう対処し、そこから何を学んだかという「プロセス」です。
失敗談を話す際は、以下の点に注意してください。
まず、失敗の原因を他人や環境のせいにせず、自分の行動や判断の問題として捉えることが大切です。
次に、失敗から立ち直るためにどのような行動を取ったか、具体的な改善策や努力を詳しく説明しましょう。
最後に、その経験から得た学びを明確に述べ、今後の行動や仕事にどう活かしていくかを示すことで、成長性をアピールできます。
失敗を乗り越えた経験は、レジリエンス(回復力)や学習能力の高さを示す強力な材料となります。
おわりに
今回はESのなかでも重要な位置をしめているガクチカについて、その書き方のポイントや構成方法についてご紹介しました。
ガクチカではインパクトのあるエピソードにこだわるだけでなく、自分自身の成長過程をアピールできるような、説得のある内容を目指しましょう。
そのためにはしっかりと自己分析をしたうえで、PREP法を用いて書くことが必要不可欠です。
また周りの人による添削サポートを効果的に活用し、よりよいESに仕上げていきましょう。
企業が実際に評価しているエピソードランキングも参考にしながら、あなたの経験を最大限にアピールできるガクチカを作成してください。
ぜひともこの記事を参考に最強のガクチカ作りに取り組み、就活を成功させてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート












