はじめに
就活なんてしたくないと考えるのは、あなただけではありません。
あなたの周りにも数多くいますし、実際問題就職した人の多くが就活なんてしたくなかった人たちでしょう。
なによりも就活は生きていくうえで、かならずしなくてはいけないことでもありません。
就活や就職もせずに、十分にお金を稼いでいる人は数多くいます。
卒業を控えて就活だけが選択肢ではありません。
とりあえずアルバイトをしながら考えてもよく、休学してじっくり腰を据えて考えてみるという選択だってよいのです。
内定をとって働いてみたらまったく自分にあっていなかった、自分の生き方にまったく役に立たないことだってありえます。
今回は人生にとって就活とは何か、必要なのかどうか考えるヒントをご紹介していきましょう。
【就活なんてしたくない】そもそも就活って何するの?
就活ではエントリーからはじまって書類選考、適性試験などの筆記試験や複数回の面接を経て内定をもらいます。
複数の内定をもらって最も条件がよいところを選ぶというイメージが強いのではないでしょうか。
最初にいってしまうと、人生のなかで、就活はかならずしなければならないことではありません。
世のなかにはさまざまな仕事や職業があります。
農業や漁業はもちろん、美しく見栄えのよい葉っぱを山林で摘んで高級料亭に下ろす人、メディア向けにプラモデルを作る人やYouTube向けにオリジナル曲を作る人など、いろいろな職業で生計を立てている人がいます。
就活とは関係なくさまざまな人に依頼され、よろこばれて対価をもらって生活している人は数多くいるのです。
生計を立てていくことと就活は、イコールではないのです。
とはいえ、世のなかには会社に属して働くサラリーマンの数が絶対的に多いので、周りには就活をしている人ばかりにみえるかもしれません。
しかし多いからといって、それがあなたの人生の正解というわけではないのです。
進学の際は、基本的には受験しか選択肢はありませんでした。
しかし、これからの人生にはたくさんの選択肢があります。
就活のみという狭い選択肢だけにとらわれないことをおすすめします。
間違えてもよい失敗してもよい、あなたが思うとおりに行動して自分に誇れる生き方をしましょう。
【就活なんてしたくない】それでも就活する気になる方法
就活はあなたの人生の選択肢のひとつでしかありません。
嫌だなと思うことも、やってみるかと思うものも気の持ちようです。
まず自主的になってみることから考えましょう。
自主的になれないから就活したくないと思うかもしれませんが、自主的とは受け身の反対語です。
なにもせず待っていても内定はもらえません。
まずエントリーをぽちっと押す、いいね!ボタンを押すのと同じです。
これだけでもうあなたは「自主的に」「就活をはじめている」のです。
もう少し楽に考え、そしてさらに長く広い視線で考えましょう。
面接をすると予想外のことを聞かれて慌てたり、ネガティブなことをいわれたり落ち込んだ気持ちのまま終わることもあるでしょう。
しかし少し考えてみてください。
その面接官に「見返してやろう」という気持ちにもならなかったでしょう。
それは自分にとっても、どうでもいい会社だったというだけの話です。
また逆に思ったよりうまくいって、内定をもらうようなこともあるでしょう。
そのような場合でも、どうしても自分には合わない会社だと思う場合には断るという選択肢もあるのです。
いろいろと考えてみると、就活に関わるさまざまな事柄について、気に悔やむだけ損だと思いませんか?
以下からは自分の人生にとって就活とは何か、客観的・自主的に考える方法をお伝えします。
10年後自分がどうなっているのかを考える
就活に対してネガティブなイメージを持って接すると、どうしても狭く考えがちです。
自分の人生ですから、さらに長期的に、いったん現在を無視してマクロな視点で考えてみるのもよいでしょう。
一例として10年後の自分を考えてみましょう。
現在の状況や環境は忘れて10年後の未来の理想像です。
そしてそこから逆算的に考えてみます。
なるべく具体的に考えるのがポイントです。
年収・家族構成・住居・住んでいる地域はなんでしょう。
10年後の友人たちは、どのような人で構成されていますか。
それではその10年後の未来を実現するために、5年後にはどのようになっている必要があるでしょうか。
3年後にはどうなっている必要があって、7年後にはどのようになっている必要があるのか順に区切って考えてみてください。
10年後の理想の実現に就職したほうがよさそうと思えば、就職をひとつの選択肢として考えてみてもよいでしょう。
周りの友達になんで就活をしているのか聞く
ここまで長い期間で就活を考える視線を持つという話をしました。
次は広い視点で就活をみてみましょう。
そのポイントは「比較」です。
就活に悩んだり取り組んだりしているのはあなただけではありません。
あなたの身の回りにも、就活に取り組んでいる人は数多くいます。
自分の仲のよい友達に就活をどうやっているか、そもそもどうして就活しているか理由を聞いてみましょう。
周りの人は皆それぞれの思惑や感情を持って、就活に取り組んでいることでしょう。
さまざまな考えや感情を聞いて並べて比較してみることで、自分にとっての就活のイメージがつかめてくるのではないでしょうか。
あまり参考にならない意見もあるかもしれません。 しかし幅広く人の考えを聞くことで、就活というものについての考え方や人生に対する見方、さまざまな気づきが得られることでしょう。
今まで思ったことのないような就職先や働き方について選択肢が広がることで、自分にとっての就活とはなにかと思えるヒントがみつかるはずです。
就活しないで稼ぐ方法を考える
10年後の未来の話をしましたが、その未来の自分ははたして会社に就職している必要があるでしょうか。
収入について考えてみれば就職して初任給をもらう額よりも、さらに稼げるアルバイトもあります。
さまざまな情報をインプットして、ブログやYouTubeにアウトプットしていくことで人の役に立ち収入を得る方法もあります。
会社に就職するよりも、自分のやりたいことでより多く稼ぐことだってできるのです。
しかしアルバイトでは生活に関する十分な保証を得ることは難しく、昇給にも限界があります。
ブログやYouTubeも新しいテクノロジーにあわせてSNSも変わってくるでしょうし、年をとって同じことを続けているわけにもいきません。
常に先を読んで新しい技術を勉強して追いついていかないと、後から来た人に抜かされてしまいます。
しかし就職の場合は給料をもらいながらさまざまなスキルを学び、磨き上げることで数年後にはより多く稼げるポイントがあります。
就職しないで稼いでいく10年後20年後、就職して稼ぐ10年後20年後を考えて自分の望む生活スタイル、そのために必要な収入を比較して考えてみましょう。
そうすれば就活するモチベーションが湧いてくるかもしれません。
【就活なんてしたくない】結論を先延ばしにしてみる
10年後のイメージを考えてみたり、さまざまな人の意見も聞いて並べてみたり、就職以外の人生も考えてみたが選べないこともあるでしょう。
そういったときには、結論を先延ばしにすることも検討してみてもよいのです。
今就職しなくてはいけないことはありません。
休学して自由に過ごして考えるという選択肢だってよいのです。
卒業してしまうと就職浪人になります。
それはそれでもよいのですが、休学して就活すれば新卒扱いになります。
実際休学して新卒という流れは、就活においてほとんど問題になることはありません。
アルバイト・インターン・留学など、さまざまな経験をしながら自分にとって就活がベストかどうか考えてみてもよいでしょう。
実際に休学していた筆者の経験
それでは休学して就職してみた筆者の実体験をお話しましょう。
就職に対して、メリットやデメリットが今ひとつはっきりつかめなかったのです。
そこで卒業を選ばずに休学届を出しました。
大学によって違うでしょうが、自分の場合は年間10万円程度で休学扱いになりました。
頑張ってアルバイトすれば1か月もかからず稼げる程度の金額です。
休学をして、とあるインターンを募集している企業で働いてみました。
インターンではお金をもらいながら実際の仕事、実務を体験できます。
仕事のスキルも身につきますし、会社という社会の動きを肌で感じられるのです。
たまたまその会社でのインターン経験は自分にあっていたと思います。
インターンを通じて企業で働くことは決して嫌なことではないと思えましたし、自分がやりたい仕事というものみつけられました。
人生のなかで休学は、ひとつの選択肢として十分ありなこととして考えてみてよいと思います。
休学にかかる費用は十分なんとかなります。
【就活なんてしたくない】就職することのメリット
就活により真剣に取り組むために、就職することのメリットについて整理してみましょう。
就職のメリットは、以下のようなものがあります。
・福利厚生
・社会的信用を得る(クレジットカードが作れるなど)
・仕事のなかでさまざまな人と出会える
・仕事のなかでさまざまな考えを知れる
収入や生活の安定はもちろんですが、幅広い知見を得られるというのも大きなメリットです。
会社に入ってみると、意外と多くの人が実は就職に対してネガティブなイメージを持っていることがわかることもあります。
もちろんポジティブな人と出会うこともあり、自分のキャリアについて具体的に考えられるようになることもあるでしょう。
本当にその会社・その仕事が合わないと思うのであれば、会社をやめてしまうというのもひとつの選択肢です。
【就活なんてしたくない】就職しないことのデメリット
就職しないことのデメリットも取り上げましょう。
基本的にはメリットの裏返しで、とくに重要なのは以下のようなことです。
・福利厚生がなくすべて自分で責任をとらなくてはいけない
・社会的信用が得られにくい
・出会いや新しい経験が限定的で自分を伸ばしにくい
・スキルを伸ばすチャンスが少ない
初任給程度の給料を稼ぐことは意外と簡単ですが、それ以上の金額を稼ごうと思うと難しいことだと思えるのではないでしょうか。
営業職の場合で成果に対してインセンティブがつく場合には、1年目でも月収50万円以上稼げます。
そしてなによりも後になって就職しようと考えたときに、既卒就活は難しい(不利)という現実があります。
【就活なんてしたくない】人生や生き方を考えよう
自分にとっての未来図、人生や生き方を考えて何が大切でどれを選ぶべきか考えてみましょう。
弊社は就活を支援する側で、こんなことをいうのはおかしいのかもしれませんが、すべての人にとって就職をすることが正解だとは考えていません。
もしそうであったら、働くことだけが人生となってしまいます。
気分を上げてくれるYouTuberもいませんし、さまざまな場所で楽しませてくれるアーティストも存在しません。
就活しない人も数多くいることで、世のなかは成り立っています。
そもそも社会のなかで自分が何をやりたいのかわからなかったら、就活すらできません。
自分の人生をイメージしたときに、何が自分にとって大切なことなのか考えてみましょう。
お金を稼ぐことが大切なのか、好きなものを食べられる・好きな演劇やアーティストを追いかける、そのための収入さえ得られれば十分なのかなどがあります。
また収入は少なくてもコミュニティのなかで、人によろこんでもらって笑顔をみられることが大切な人もいるでしょう。
会社で働くとしても、実際にどういった仕事があるのかイメージしたところで、どんなに考えてもやってみなければわかりません。
会社のなかで与えられるであろう仕事についても、考えてみることは大事です。
就職することが自分の人生や生き方にとって、どのような意味を持つのかを今一度考えてみませんか。
おわりに
就職活動に対してどうしてもネガティブなイメージしかない、就職したくないという気持ちはおかしなことではありません。
就活よりも自分はこうなりたいというさらに大きな計画のなかで、就職がかならずしも必要かどうか考えてみることが大切です。
大きな視点で人生を考えたときに、就活はちっぽけな選択肢のひとつでしかありません。
今は就活で人生が決まるという時代ではなくなったのです。
どうしても就活したくないのであれば、いったん逃げてしまうというのも選択のひとつです。
休学を積極的に利用することで、より具体的なイメージや経験を得られることでしょう。
会社に入ってみると「とりあえず就活」というスタンスだった人が、本当に数多くいます。
「とりあえず内定」もらって「とりあえず入ってみた」の後で、どうしても合わないなと思えばやめてしまってもかまわないのです。
就活したくないは甘えではありません。
就職は人生のなかで「できることからはじめてみる」一歩と考えて、就活に取り組んでみてはいかがでしょうか。