はじめに
インターンにはさまざまな種類があるため、混乱してしまう大学生が少なくありません。
よく調べないままインターンに参加した結果、時間のやりくりに困る方や学業やサークル、アルバイトとの両立が難しくなる方もいます。
一方、給料がもらえると思っていたらもらえなかった、思ったほど稼げず、生活が成り立たないと困る方も少なくありません。
長期インターンとそれ以外のインターンとの差を理解しながら、長期インターンについてしっかり調べていきましょう。
【長期インターンの給料事情】長期インターンは給料が出る?
長期インターンでは給料が支払われるものがほとんどです。
一方で、短期インターンは給料が出ないものが多くなっています。
大学生の中には仕送りが十分にある方や実家暮らしで生活費には困らない方がいる一方、学費や生活費を自分で稼ぐ必要がある方もいます。
そのため、給料の支払いがあるかが重要となる方もいることでしょう。
そこで、インターンシップの種類やアルバイトとの違い、給与体系や実際にいくら稼げるのか例を出しながら紹介していきます。
【長期インターンの給料事情】インターンシップの種類を紹介
長期インターンの給料事情について知る前に、インターンには大きく2つの種類があることをしっかり理解しておきましょう。
なぜかといえば、インターンの種類を間違えると、給料がもらいたいと思っていてももらえないことがあるからです。
長期インターンは、実際に実務を行い、給料の出るタイプです。
これに対して短期インターンは会社説明会や職場体験に近く、給料が出ないケースがほとんどですので、両者の違いに気を付けましょう。
短期インターンとは
長期インターンについて詳しく確認する前に、もう1つの種類である短期インターンについても確認をしておきましょう。
まず、短期インターンの短期とはどのくらいの期間を指すのでしょうか。
短期インターンは一般的に3ヶ月未満と定義されますが、企業によってその日数はさまざまあります。
ワンデイの会社説明会の延長のようなスタイルやワークショップ形式のものが多く、2~3日程度や1週間から2週間がよくあるパターンです。
実際にやることは職場見学や職場体験のようなものをはじめ、ワークショップ形式もトレンドです。
グループに分かれて与えられた課題を解決する場合や実務を疑似体験するシミュレーション的な内容となります。
職業体験系は無給が基本で、新規事業立案など実際の業務に直接関わるケースがあれば、有給になることもあります。
長期インターンとは
長期インターンの期間は3ヶ月以上と定義されますが、半年から1年程度のものが多く中には途中でその企業に就活を行って内定を貰い、入社までインターンとして働く人もいます。
仕事を覚えるまでは研修期間がありますが、基本的には実務に従事するのが長期インターンの特徴です。
企業の実際の仕事を担当するのはもとより、一定の成果を求められるのが基本です。
インターンに参加するにあたって目標を定め、目標達成に向けて頑張り、上司から評価も受けます。
実際の実務を担当しますので、社員に準じた責任も持つ代わりに給料も支払われます。
頑張り次第で昇給することもありますが、給与体系は企業ごとや募集するインターンごとに異なるので事前によく確認しましょう。
【長期インターンの給料事情】アルバイトとの違い
長期インターンはあくまでも社員として入社するわけではなく、学生の立場で仕事をするので、アルバイトとどう違うのという疑問が湧いてくるのではないでしょうか。
そこで、長期インターンとアルバイトの違いをご説明します。
仕事に対する責任感
長期インターンとアルバイトで、仕事に対する責任感が重いのはどちらだと思いますか。
この点を勘違いしている方が少なくありません。
インターンは就活に有利になるからという理由や業界や職種を知りたいからという理由で参加する方も多く、期間を問わず、職場体験的な乗りで参加する方も少なくありません。
一方、アルバイトは稼ぐために求人に応募するので、給料を貰う以上、インターンより責任が重いと考える方がいます。
ですが、長期インターンの場合、社員に準じたポジションで社員と同等の実務や成果が求められるので、アルバイトより仕事に対しての責任は重くなります。
その分、実務経験や自己成長が得られるのがメリットです。
給料の違い
アルバイトはアルバイト独自の給与体系や就業規則のもとで雇用されるので、成果を出しても急に昇給したりすることは基本的にありません。
アルバイトは学生だけでなく、主婦やフリーターなど年代も働く目的もさまざまな人がいます。
これに対して、長期インターンは近い将来、正社員として活躍するための修行や経験を積むことが目的であり、成果を出せば評価されるのです。
特に成功報酬型では他のインターンとも差がつき、アルバイトより稼げることも多くなります。
【長期インターンの給料事情】長期インターンってブラックじゃないの?
学生アルバイトとして働けば、何かあれば社員が責任を取ってくれなど、成果もそこまで求められないのに、同じ学生でも長期インターンとして働くと責任が重くなるのは、ブラック環境ではないのかと不安になるかもしれません。
もっとも、アルバイトは将来の就活とは関係なく仕事を選ぶことも多く、目的も異なります。
アルバイトは誰でも簡単にできる仕事が多いですが、長期インターンは将来をイメージできるよう、社員に準じた仕事をするので、責任が重いからといってブラックとは言えません。
法律で守られている!
長期インターンがブラックと噂される理由の一つとして、責任が重いと言われる割には給料が安いケースがある点が挙げられます。
企業の中には就活に有利に働くからという学生の気持ちを利用して、安い時給で長期インターンを指せている例もありました。
ですが、長期インターンもアルバイトや社員と同じ労働者であり、最低賃金法や労働基準法に守られています。
法制度に違反する給与体系は許されません。
慣れるまではアルバイトや派遣社員より時給が安いこともありますが、研修を終えて成果が出せるようになれば、昇給も期待できます。
【長期インターンの給料事情】長期インターンの給料体系
では、実際に長期インターンの給料体系はどうなっているのでしょうか。
一定の期間が定められていたとしても、一定期間でまとめていくらという給料体系は基本的にありません。
時給制が多いですが、成果や成果物が出しやすい仕事の場合は成果報酬型となるケースもあります。
それぞれの特徴やどのような職種・業界が多いのか、どのように稼げるのかを見ていきましょう。
時給型
アルバイトでもよくある形式です。
あらゆる業界や職種に適用できる形式ですが、長期インターンの場合、事務的な仕事や短期間では成果が出しにくい仕事、一人ひとりではなく、チームで取り組む仕事や製造工程の一端を担うなど、1人では完結できないプロセス的な仕事で採用されます。
時給の相場は業種や職種、企業の規模や地域によっても異なります。
かつては、就職に有利になりたいと希望する学生を利用しようと低賃金だった企業も確かに存在しました。
ですが、長期インターンへの人気が高まり、学生の企業を選ぶ目も厳しくなり、労働基準監督署の目も厳しくなったため、地域の最低賃金を切ることはまずありません。
1,000円前後を平均相場に、難しい仕事などの場合、1,200円から1,500円ほど貰えることもあります。
成果報酬型
一人ひとりの成果が見えやすい営業職やITなどにおいて一人ひとりで成果物を作成するようなケース、タクシー運転手などの顧客対応サービスなども挙げられます。
IT系でいえば、プログラマーのように指示のもとで制作プロセスの一端を担う立場だと時給制が多くなりますが、システムエンジニアならプレゼンや交渉の結果、受注が取れたら成果報酬が入る、Webデザイナーとして顧客が満足するサイトを完成させたら成果報酬が得られるといった形です。
成果報酬の額は扱うものによっても異なり、一般的には契約を得た場合や成果を出す難易度が高くなるほど、1件あたりの売上金額が大きくなるほど高くなります。
売上のすべてが成果報酬となるのではなく、企業も利益を得るので、業種や企業により、売上の1割から3割程度が目安になります。
【長期インターンの給料事情】実際いくらくらいもらえるの?
では、長期インターンに取り組んでいる学生は、実際どのくらい貰っているのでしょうか。
長期インターンの期間や時給額や成果報酬の割合などにもよりますが、それぞれの学生が実際にどれくらい働くかによっても異なります。
長期インターンに複数の学生が参加したとして、同じ日程で勤務するとは限りません。
大学の授業やサークル、ほかのアルバイトなどと調整を図りながら、働くことができる場合も多いです。
時給型ならサークルや授業との両立のためアルバイトのようなスタイルで働くか、長期インターンにフルコミットして働きまくるのかでも、給料の額に大きく差が出ます。
成果報酬型は能力や頑張り次第です。
能力が高ければ、短時間でも大きな成果が出せますし、頑張れば頑張るほど成果を上げて稼ぐこともできます。
学業・サークルなどと両立する場合
時給1,013円として週2、週3くらいで授業後に数時間働くとした場合、どのくらいの月給が稼げるでしょうか。
ケース1として、時給1013円、授業後に4時間、週2回、月に4週働くとすれば、月給は32,416円です。
ケース2として、時給1013円、授業後に2時間、週3回、月に4週働くとすれば、月給は24,312円です。
このケースではおこづかい程度か、生活費の足し程度にしかなりません。
もっとも、仕送りがあり、学業・サークルと両立する程度で良いなら十分な額です。
長期インターンにフルコミットで働く場合
時給型で一日8時間ほど週5で働いた場合の月給はどうでしょうか。
時給は同じく1,013円、4週で計算します。
月給の額面は162,080円となります。
ただし、就業時間が多くなると社会保険への加入が必要です。
厚生年金保険料や健康保険料が控除され、所得税などの控除も踏まえると、手取り額は月に13万6,000円程度になるでしょう。
手取りが減るのは残念に思えますが、万が一の障害年金や老後の年金が増えると考えれば、必ずしも不利ではありません。
成果報酬型で働く場合
時給型は働いた時間数に応じて給料が得られる安定した方式で、どのくらい働けばいくら貰えるのかも、事前にシミュレーションがしやすくわかりやすいです。
これに対して成果報酬型は、成果が出せないと給料が得られません。
長期インターンでは大きく分けて、一件、数万円の案件を狙う働き方と一件数百円~数千円の案件を積み重ねて稼ぐ働き方との2種類が考えられます。
自由度の高い働き方ができますが、稼ぎたいときにはしっかり頑張る必要があります。
成果報酬型の給料の一例を紹介
成果報酬型の長期インターンに参加した実際の私の例をご紹介します。
業務内容はライター・メディア運営業務で、記事作成や広告作成などを行い、その成果物に対して報酬が払われる仕組みです。
先ほどご紹介した一件数百円~数千円の案件を積み重ねていくスタイルです。
1日あたり5~6時間ほど、およそ月10日の勤務で約8万円稼げる月もあれば、約5万円の月もありました。
これは案件の難易度や文字数などにより、単価が低いケースや高いケースがあるためです。
どんな案件が出るかも、広告主次第ですが、単価の高い案件をスピーディーにこなして件数もこなせれば成果報酬を増やせます。
同僚には月10万以上稼ぐ人もいたりと、やる気と能力によって大きく変動する仕組みです。
まとめ
仕送りもしっかり貰えるし、おこづかい程度の額が稼げれば良い方なら、自分が興味のある業界のやってみたい職種で、給与体系や働き方なども気にせず、仕事内容や企業の社風などを重視して選ぶことが可能です。
一方、学費や生活費を自分で工面する必要がある方は、業界や職種に加えて、どのくらい稼げるかも考える必要があります。
しかも、学業やサークルなどとの両立ができるかも検討しなくてはなりません。
自分が稼ぎたい額に合った働き方ができる長期インターンをよく検討して選びましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート