はじめに
転職を考えるタイミングは人それぞれですが、その時点ですべての人が必ずしも転職目的を明確にできているとは限りません。
ただ転職目的は、転職活動を始めるときにとても重要な項目です。
どこでも真っ先に聞かれることですし、何より転職を成功させるためには重要なことですので、ここでしっかり転職目的を明確化しておきましょう。
【転職する目的の明確化】転職する目的の明確化が重要な理由
転職する目的を明確にしておかないと、転職先探しに失敗してしまう可能性が高くなります。
自分が転職したい原因と向き合い、それが克服できるような転職先を探さなければ、転職を繰り返すことになってしまうからです。
まずは「自分がなぜ転職を志したのか」「転職してどうなりたいのか」など、転職の理由や目的を分析してみましょう。
原因と向き合い、自分に合った転職先の条件を絞り込むことにより、転職が成功しやすくなります。
【転職する目的の明確化】転職する目的の探し方
転職をする目的は人それぞれですが、転職を成功させるためには、理由をふまえて目的を明確化することが欠かせません。
目的が曖昧なままだと、自分に最適な転職先を見つけるのは難しくなります。
しかし実際には、転職の理由が複数あり、うまく整理できないのがよくあるパターンです。
自分が納得できるかたちで転職を成功させるには、自分なりにポジティブな目的を定めることが大切です。
ここでは、転職する目的をどう探すと良いのか、3つのステップごとに解説します。
ステップ1:転職したい理由を深掘りする
まずは、自分がなぜ転職したいのかあらためて考えてみましょう。
たとえば、転職したい理由が「給与が低いこと」だとします。
そこで、漠然と「給与が高そうな会社」を探して転職したところで、根本的な原因が解決していなければ、また同じ事態になりかねません。
転職理由が「給与が低いこと」だとしても、その原因を掘り下げると、実は人それぞれ根本的な理由は異なります。
業界自体の給与水準が低い・自分のスキル不足・会社の業績悪化などのさまざまな理由が考えられ、それをふまえて考えると、転職で目指すべき道(業界や業種など)が明確になります。
ステップ2:大事にしたいことをあげてみる
目指すべき業界や業種が定まれば、次に絞るべきは企業です。
待遇や働き方など、自分が大切にしたいことや譲れないポイントをあげることで、志望する企業が絞り込めます。
まずは、自分が大事にしたいことを思いつくままにあげてみましょう。
さらにそれらを順位づけして、企業に求める条件を自分なりに絞っていきます。
一般的に大事だとされる条件ではなく、あくまでも自分が求めるものを考えるのが重要です。
自分が納得するかたちで転職するため、「自分が大事にしたいこと」を明らかにしましょう
ステップ3:自分の一番大切な価値観を挙げる
自己分析でとても大切なのが、自分の価値観を自分でしっかり理解することです。
これは転職に限ったことではありませんが、価値観は人生の物差しや方位磁石であり、迷いやおそれが生じたときに原点に戻してくれる大切なアンカーでもあります。
転職活動を開始してすぐ理想どおりに進むなら良いですが、途中迷ったり、安易な道に進みたくなったりする場合も少なくありません。
そうしたときに価値観からブレない選択をすることで、誤った選択を避け、本当に望む職場を得られる確率が高くなります。
価値観を知るステップを最後に据えたのは、転職の目的を深く掘り下げ、自分が真に求めているものを洗いざらい表に出してから自分の礎を確認するためです。
転職活動が長引き、場合によっては最初の進路から方針を変えざるを得ない状況になることもありますが、価値観からブレなければ不本意な選択で転職を繰り返すことは避けられるでしょう。
【転職する目的の明確化】転職する主な目的3選
転職の際、応募先の企業などからまず聞かれるのが転職目的です。
ありとあらゆる理由がありますが、いざ改めて聞かれるとうまく言葉にできない人も多いでしょう。
中にはそのまま伝えると、マイナス評価になってしまう内容もあります。
とはいえ、誰もが使う典型的な転職目的は採用担当者には響きませんし、転職さえできればどこでもいいのだろうと受け止められてしまうおそれがあります。
相手の心を動かせるのはその人の本心から出た言葉だけなのですが、本音を言えばいいかというとそうでもない、そこが転職目的を語るうえで難しいポイントであり、カギでもあります。
語るべき転職目的にふさわしいものはどのようなものなのでしょうか。
仕事内容への不満
仕事内容が不満で転職を考えるというのも考えられるでしょう。
例えば、仕事がルーチンワークになっていて、達成感を感じられないということが考えられます。
そのような方は、転職では、業種や業界を変えるなど、新しい分野へのチャレンジや、新規事業などを積極的に展開している職場を選ぶなどがおすすめです。
以下では、仕事内容が不満な場合の転職理由の例を紹介します。
今の仕事がつまらない
人生において、仕事はとても大きなウエイトを占める存在です。
それがつまらなく感じてしまうと、たしかに大きな不満につながるでしょう。
ただここで重要なのは、いったい何がつまらないのかを自分自身で明確にすることです。
たとえば自分の適性に合わない仕事はつまらなく感じますし、達成感を得られないと何を成し遂げてもつまらなく感じます。
自己分析ができていないまま就職してしまうとありがちですが、そのままの状態で転職してしまうと、また同じようなミスマッチを起こすリスクがあります。
もしわからないなら、一度転職エージェントのカウンセリングを受けて適性やキャリアプランを明確にするのも良い手段です。
自分に合う分野や業種業界がわかれば、一転してやりがいが持てる仕事を見つけられるかもしれません。
面接を受ける際にも仕事がつまらないから転職したいというのではなく、新しい目的にチャレンジしたいと言えるようになります。
就業時間で効率的に業務を終わらせることが、企業にとっても大きなプラスであるという姿勢が大事です。
成長できてる実感が持てない
成長できず停滞したまま何年も過ぎてしまうと、人生を浪費しているような焦燥感を抱いてしまうことがあります。
これも転職理由になりやすいですが、この場合は何を持って「成長」と考えるか自己分析が必要です。
たとえば何らかの技術を身につけることが成長なのか、新しいポジションを得ることが成長なのかは捉える人によって異なります。
給料がアップしたり、部下がついたりしなければ成長とは言えない人もいるかもしれません。
ただやはり給料や待遇ばかりを求めるのはマイナスですので、自分にとっても企業にとってもプラスに働く成長の形を模索するのがオススメです。
面接の場では自分が求める姿をきちんと説明し、実現できる環境に移るのが転職目的だというのが理想です。
キャリアステップのため
やりがいの項目でも述べましたが、転職目的をキャリアアップに置くなら、自分がどのようなキャリアパスを描くかが重要です。
キャリアステップのために転職するのは王道ですし、客観的に見てもポジティブな内容なので決して悪くありません。
具体的なイメージができないなら転職エージェントを利用するのも良い手段ですし、どうなれば自分は満足できるのか将来について考えてみると良いでしょう。
単に給与や待遇が上がれば良いというのが本音かもしれませんが、それはあくまで理想の働き方に付随するものであり、メインにはしない方が良いでしょう。
やりたい仕事と違う
やりたい仕事ができないからそれをするために転職するというのは、基本的にポジティブな転職目的と言えます。
ただ「今の仕事をやりたくない」という気持ちの方が前面に出てしまうと、単なる愚痴レベルになってしまいます。
採用担当者に好意的に受け止めてもらうためには、これから将来に向けてやりたい仕事の方へ軸足を置いて説明しましょう。
こんなプロフェッショナルになりたい、こんな風に活躍したいといった夢を語る方が、熱意や意欲が伝わり相手に響く内容になります。
労働条件への不満
残業が多い、プライベートとの両立が厳しいなどの理由で転職を考える人もいるでしょう。
転職の際は、残業時間の少ない業界・業種を変更したり、待遇などを確認したりすることで、転職の目的を達成できるでしょう。
以下では、労働条件が不満な場合の転職理由の例を紹介します。
結婚、出産のため
人生において仕事と同じくらい大切なのが私生活です。
結婚して家族を持つ、出産して子供を持つという一大イベントにおいては、男女問わずさまざまな選択肢があるでしょう。
働き方も変わるかもしれませんし、住む場所すら変わるかもしれません。
それを機に転職を考えるのは納得できる理由ですし、もちろんポジティブに捉えられます。
ただ大切なのは、そうした生活の変化があったうえで、今度どのような働き方をしていきたいかが明確になっていることです。
ライフプランを家族で話し合い、将来を見据えたうえで活躍できることを企業にアピールしましょう。
残業が多い
残業が多い、労働時間が長いというのは大きな不満になりますし、転職理由になりやすいでしょう。
仕事は人生においてとても大切な存在ではありますが、それと同じだけ仕事以外の生活も重要ですし、自分の時間を大切にすることも重要です。
ただ、昨今多くの企業が働き方に取り組み始めており、無残業やフレックスタイム制、時差出勤制の採用を開始し始めています。
残業時間減を転職目的にするのであれば、あらかじめ制度を採用している企業を選ぶことで、ある程度解決できる問題になりつつあります。
転職目的としては、ライフワークバランスを整えることで勉強する時間を確保したい、資格を取得したいといった目的も良いでしょう。
給与への不満
給与への不満も転職の目的として挙げられ、メジャーな転職理由となっています。
このように、多くの人が給与アップを転職目的としますが、給与は自分が成し得た仕事についてくるものですので、まずはそこを大前提として考えましょう。
自分にはスキルや実績があり、企業に対してこれだけ貢献する予定なので、それに見合う報酬を求めるというのがロジカルなスタンスです。
自分が企業にどれだけ貢献できるか、給与を上げたいならまずそこをしっかり計算しましょう。
また実力を正当に評価してくれる企業を選ぶことも重要です。
給与制度や昇給制度は、応募前にしっかり内情を調べる必要があるでしょう。
もちろん業績の良い会社を選ぶことが重要ですが、入社後も社員が希望すれば異動できるシステムがある企業の方が後々の不満も起こりにくいです。
面接において、そうした制度に魅力を感じたというのも志望動機になり得ます。
【転職する目的の明確化】転職の目的を聞かれたときの答えるポイント
それでは相手企業から転職の目的を聞かれたときに答えるポイントをまとめておきましょう。
伝えること伝えないことを明確にする
たとえば一般的な採用面接の場でこの質問が出たときに、今の職場に対して大きな不満を並べ立ててしまうのは避けるべきです。
実際には収入が低かったり人間関係がうまくいかなかったりすることが大きな不満となっていることもあるでしょうが、それらをそのまま面接の場で言ったところで、良い評価を得られるはずもありません。
あらかじめ決めておくべきなのは、「伝えること」と「伝えないこと」です。
掘り下げる段階ではすべての気持ちや要望はしっかり認識しておく必要がありますが、相手企業に伝えるべきではないことは胸にしまい、言うべきことだけを言う姿勢に徹しましょう。
面接官によっては、本音を引き出すために一見親しげに話しかけて来る場合もありますが、雑談だと思って油断しないように気をつけてください。
目的をもとに入社後どうしていくかを伝える
転職目的はあくまで自分側の都合であり、相手企業にとってのプラスではありません。
重要なのは入社後にどのような貢献ができるかですので、相手にとってメリットとなる働きを伝えてください。
自信や意欲を見せようと大風呂敷を広げるのは危険ですので、あくまで謙虚に、自分ができる範疇でアピールすることが重要です。
また場合によっては、自分より年下の上司の命令に従って一から勉強しなければならないかもしれません。
協調性を持ち、チームのため、組織のため、貢献できる姿勢も大切でしょう。
まとめ
転職にあたっては、転職目的はどこでも必ずと言っていいほど聞かれる内容です。
曖昧だったり不平不満しか言えなかったりするようでは、転職を成功させることは難しいでしょう。
目的を明確にすることは面接対策としてだけでなく、自分が本当に満足できる働き方を見つけるためにもとても大切です。
どうしてもイメージできない場合は転職エージェントの力を借りるのも良い手段ですし、納得できる職場を見つけるためにもじっくり考えることが重要です。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート