はじめに
就活を始めたばかりの皆さん、「自分に合う業界って何だろう」と不安に思うことはありませんか。
この疑問をそのままにしてなんとなく業界を選んでしまうと、就職してから自分の理想とのズレに気付き後悔することもあります。
就活で最初にやるべきことは業界選びではないのです。
この記事は業界選びの前に「将来のビジョン」を描くことに重点を置いています。
なぜかというと将来のビジョンが定まればおのずと業界選びが楽になるからです。
就活生の皆さんがワクワクして就活できるよう、業界選びのお手伝いをいたします。
「業界は決まってるの?」
就活をしていると「業界は決まっているの?」という質問をよく受けます。
IT業界、化粧品業界、物流業界、金融業界…いろいろな業界があり、どれも魅力的で引っ越しに選ぶのは難しいことです。
この質問の弊害で就活生は先に業界を考えてしまいます。
考えるうちに志望する業界がどんどん変わることもあります。
働く経験と知識がない状態なのですから考えるほど悩むのは当然です。
焦ると業界選びも不十分なままエントリーする企業を決めなければなりません。
ここは焦らず、将来のビジョン・業界選びという順番で考えていきましょう。
個人にとって仕事は人生の価値観が表れます。
軸があれば就活に臨機応変に対処できます。
業界選びをする前に必要な2つのこと
業界選びをする前に必要なのは「将来のビジョン」とそこから派生して「キャリアの把握」です。
この2つを具体的に思い描くほど自分軸で就活を進めることができます。
また、女性は妊娠・出産の希望の時期を考えておくことも必要です。
命は計画すればできるというものではありませんが、妊娠・出産は必ずキャリアに影響します。
このことも含めて将来のビジョンを描いていきましょう。
将来のビジョンを描こう
「キャリアビジョン」と「将来のビジョン」は視点が違います。
キャリアビジョンは仕事上での成長や具体的な目標です。
将来のビジョンは「このような人になりたい」という理想です。
尊敬する人はいませんか。
身近ですごいと思った人や歴史上の人物や映画の登場人物などです。
何人でも良いので思い浮かべてみましょう。
自分がいいなと思った人の在り方が「どんな人間でいたいか」の答えになります。
人物が思い浮かばない人は「多くの子供が希望を持てる社会」などの理想を考えてみてください。
なぜビジョンが必要なのか?
どんな人間になりたいかをイメージすることは遠回りに思うかもしれません。
ですがここがあやふやですと、働くうちに「なぜ働いているのか」など自分軸が大きくズレてしまうことがあります。
人は忘れやすい生き物です。
心理学でエビングハウスの忘却曲線といって、人は覚えたことを1日後には74%忘却してしまうといわれています。
仕事をしていて自分軸がズレてしまったとき、修正してくれ、自分の道を再確認できるのが将来のビジョンなのです。
ビジョンがなくても大丈夫!
いま将来のビジョンがなくても大丈夫です。
これから考えていきましょう。
思考の整理には書くことが有効なので紙とペンを用意してみてください。
書いていくうちに人生の方向性が見えてくると思います。
書けば書くほど具体的になり、後で振り返ることもできます。
オススメの書き方は紙を2枚用意して、左側の紙に「将来のビジョン」右側の紙に「キャリア」と書くことです。
文章を読みながらぜひ手を動かしてください。
心の底で思っていたことを意識化することができます。
将来どんな人になりたいか?
将来のビジョンの紙に「将来どんな人になりたいか?」の答えを書いていきましょう。
ロールモデルとなる人物がいると考えやすいので、まずは尊敬できる人の名前を考えてみます。
何人でも挙げられるだけ挙げてみてください。
性別・年齢・国籍・仕事の分野は取り払って「いいな」と思った人の名前を挙げていきましょう。
名前の下にそう思った理由や職業を書くのも良いと思います。
たとえばイチロー(元プロ野球選手)さんでしたら「コツコツ努力ができるところ」などです。
父母や友人など身近な人も視野に入れてみてください。
20代で尊敬できる人、30代、40代、50代…と年代別に人物を挙げるのも良いと思います。
これを土台にして「将来どんな人になりたいか?」の答えを文章にまとめてみてください。
将来のビジョンから自分のキャリアの志向を把握しよう
たとえば「自分の仕事で人々が笑顔になり、目標に向かってコツコツ努力できる人間になること。」や「貧困をなくす社会にしたい」のような将来のビジョンを描いたとします。
これにキャリアの志向「成長」「やりがい」「挑戦」と紐づけて考えていきます。
紙がありましたら、成長・やりがい・挑戦の枠を作ってください。
何を成し遂げたいか理由ときっかけに気付くことができます。
キャリアの志向<成長>
「将来のビジョン」と「成長」を実現するために何が必要でしょうか。
答えの例として「資格取得やスキル向上」「年数を重ねることで実力を上げる・成果主義で実力を上げていく」などがあります。
自分にあった成長の仕方はどのような姿勢になるでしょうか。
企業の面接では「5年後はどうなっていたいですか」などとキャリアビジョンを聞かれることがあります。
22歳・23歳・24歳・25歳・26歳と自分にどのような成長が期待できるか想像してみてください。
キャリアの志向<やりがい>
やりがいには大まかに「達成感・給与・仲間・仕事内容・誇り」などがあります。
一つ選ぶとしたらどれになるでしょうか。
やりがいがあることで仕事に励むことができます。
仕事を成し遂げた達成感、満足な給料、チームワークのある仲間、自分の得意な仕事内容、親や友人にこういう仕事をしているといえる誇り、すべてあれば最高に良い職場だと思います。
現実的には妥協するところが出てくると思いますが、一つでも自分のやりがいを見出せば仕事が楽しくなると思います。
あなたがやりがいを見出して仕事をすることが、大きな社会貢献となっていくのです。
仕事にやりがいが見出せるのか不安な人もいると思います。
モチベーションを常に高く持たなくても、わかれば、できれば、いずれ仕事が楽しくなります。
仕事をする中で、いつかやりがいと呼べるものをぜひ見出してください。
キャリアの志向<挑戦>
たとえば将来のビジョンが「貧困をなくしたい」であれば、この業界で挑戦したいこと、この企業で挑戦したいことが見えて「貧困をなくしたいのでこの企業で何々をしたいです。」と伝えることができます。
少しおおげさになっても将来のビジョンから導き出された挑戦は自分軸があります。
学生のときは仕事は先輩に教われば良いと思いがちです。
それは正解なのですが、自分から課題を見つけて挑戦していくという力も必要です。
一人ひとりの挑戦していく力がその職場のレベルを上げていきます。
自分の立場でできる挑戦を頑張れば、たとえ新人でも気持ちの良い挨拶一つで職場の雰囲気を良くすることができます。
業界と企業をある程度絞り込んだら、どういったことに挑戦したいかアイデアを書き出しておきましょう。
志望動機に記載しても良いですし、面接でアピールするのも良いと思います。
業界を選ぶときのポイント
業界を選ぶときは業界の研究用のノートを作成するのがオススメです。
ノートを活用して「成長ができるか、やりがいがあるか、挑戦できるか」のポイントを確認することができます。
20ほどの自分の興味のある業界を比較検討すると絞り込みしやすいと思います。
業種は大きく8つに分かれており、メーカー・商社・流通・金融・サービス・IT・広告・官公庁があります。
細かく分類すると食品、スーパー、銀行、レストラン、ソフトウェア…など多数あります。
その業界の給与、雇用形態、働きやすさなど比べてみてください。
イメージと違ったり、思わず良い業界を見つけたりと発見があると思います。
ノートをつけることで業界を選ぶポイントが可視化されます。
根本的な成果や適正
成果主義は日頃の仕事を評価し、昇進や給与に直結するものです。
今までは年功序列が一般的でしたが、近年は短時間で成果を上げるシステムへと変化しています。
勤続年数に左右されない成果を上げるためには、学生時代以上に努力が必要となります。
そのため、自分にその業界が合っているかという適正はとても重要です。
自分のビジョンに紐づくか?
適正があるかないかはやってみないとわからない面もあります。
しかし、自分のビジョンに紐づいているかどうか重要です。
紐づいていれば大きく適正がないということにはならないと思います。
事業内容などへの興味はあるか?
少しでも興味がある仕事をするべきだと思います。
興味があることがわからないという方は、自己分析シートなどで自分の興味を探ってみてください。
興味があるかないかは仕事のモチベーションにも影響します。
将来のビジョンと密接に関わっている部分ですし、業界への関心や好意を普段から意識してテレビ・ネット・書籍から情報を収集してみましょう。
興味や好きなことが仕事と重複する部分があればその業界へ行くのが楽しみになると思います。
給料や仕事量は適当か?
正社員の仕事は労働基準法で守られています。
就活生では少ないと思いますがフリーランスで契約する方は注意が必要です。
時間ではなく納品した商品で対価が支払われるので、勤務時間が曖昧です。
正社員として働くにあたっては、仕事量に対して給料は見合っているのかを業界別・企業別に比べることが大切だと思います。
中小企業では人事が固定されて昇進がほとんどないところもあります。
新卒時の給与だけでなく、どういった成果で給与が上がるかなどの給与形態のチェックもしておくと将来の設計がしやすくなります。
将来性や景気の動向はどうなるか?
業界分析のノートをつけるとき「将来性」の欄も作っておくと良いでしょう。
10年後にはなくなるといわれている職業や技術の進歩から少しは良そうできると思います。
今の世の中は5年前とは違うほど変化のスピードが速いです。
その中で予測するのは難しいと思います。
ですが今ある情報で未来を予想しておくことで、その業界にいても世の中に対応する土台が作られます。
一番最初にやるべきことはあなたの未来と向き合うこと
就活の初めは誰でも不安だと思います。
一番最初にやるべきことはあなたの未来と向き合うことです。
20代・30代・40代の自分を想像するのは大変だと思います。
考えぬいた先に自分なりの答えを見つけることができますので、この就活を120%でやりきってください。
まとめ
就活ではいきなり業界選びからするのではなく、ぜひ将来のビジョンから考えてみてください。
逆算して考えると行き当たりばったりの就活から抜け出すことができます。
地図のない人生は迷子になってしまいます。
行く先がわからないことは不安で苦しいことです。
ゴールへ辿り着くまで進路変更もあると思います。
何を大切にして生きるかは一生かかってわかる答えですが、働く前にこの難しい問題を考えることで良い仕事に出会えると思います。
皆さまの業界選びが満足なものになるよう願っております。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート