就活を始めるにあたって、まず最初に決めなければならないのは、自分が進むべき進路です。
将来どういう業界で仕事に就きたいのか、まずはそれを決めなければなりません。
それを決める際に欠かせないのが業界研究です。
自分の志望先となる業界については、まずそれを研究し、よく知ることが必要です。
以下で具体的にどのように業界研究を進めていけば良いかについて述べていきます。
業界研究とは?
業界研究とは、就職活動や転職活動の際に志望する企業の特徴や業界動向、企業文化などについて調査・分析を行うことです。
これにより、企業のニーズや求める人材像を理解し、自分がその企業でどのように貢献できるかを具体的に考えることができます。
業界研究の方法としては、企業の公式ウェブサイトやニュース記事、業界の動向をチェックすることが一般的です。
また、OB・OG訪問やインターンシップ参加など、実際にその企業で働いている人と接するなどさまざまな方法があります。
業界研究の目的
業界研究をする目的は以下2つがあります。
- 志望業界を絞る
- 志望業界の知識をつける
業界研究を行うことで就活でのミスマッチを防ぐだけでなく、面接対策も行えるので、とても大切です。
納得いく選択ができるよう業界研究は進めましょう。
それぞれ、詳しく解説します。
1.志望業界を絞る
業界研究を行う目的の一つは、志望業界を絞り込むことです。
多くの業界の中から自分に合った分野を見つけるためには、各業界の特徴や動向などを深く理解しておく必要があります。
業界研究を通じて、どの業界に興味があり、どの業界が自分のスキルや価値観にマッチするかを明確にすることができます。
業界を絞り込むことは、自己分析を深めることにもつながり、具体的な目標設定や転職・就職活動において、より自分に合った企業選びができるようになります。
2.志望業界の知識をつける
業界研究を行う目的の二つ目は、志望業界の知識を深めることです。
各業界には独自の市場動向、競争環境、必要なスキルなどが存在します。業界研究をすることで、その業界がどのように成長してきたのか、今後どのような方向に進むのかを理解できるようになります。
志望業界の知識を身につけておくと面接や選考時に企業のニーズに合わせたアピールができ、自信を持って自分の強みを伝えることができます。
業界研究を疎かにするとどうなる?
業界研究を疎かにすると以下3つの状態になってしまう可能性があります。
- イメージ就活になってしまう
- 就活が長期化してしまう
- 入社後のミスマッチが起きる
業界研究は今後のキャリアにも影響しかねない大切なことなので、疎かにしないようにしましょう。
それぞれ、詳しく解説をします。
イメージ就活
まず、就活が表面的な印象に基づく上っ面なものに終始してしまう危険があります。
いわば、実地の理解が伴わないイメージ就活とでもいうべきものになってしまうということです。
結果として、地に足が着いていない就活のままシーズンを終え、意に添わない結果を迎える可能性が高くなります。
採用する側は、志望者をよく見て採用判断をしています。
表面的な理解しかないイメージ就活の志望者なのか、しっかりとした理解のもとで確固たる動機を持った志望者なのかは、採用過程でおのずと明らかになります。
どちらのほうが採用されやすいかは言うまでもありません。
イメージだけの就活では成功はないといえます。
就活の長期化
次に、就活そのものが長期化してしまうというデメリットがあります。
業界研究がしっかりできていないと、自分の中でも業界像が曖昧になってしまい、自分が志望している業界が果たして適切なのかどうか自信が持てなくなってしまいます。
そういう状態ですから、就活活動をしていても、ずっと悩んでしまい、なかなか意志決定をすることができなくなってしまいます。
結果として、就活期間が長期化してしまうことになってしまいます。
長期化するだけならまだしも、最後まで納得できる決定ができないリスクがあります。
入社後のミスマッチ
それから、就活を終えて入社したものの、蓋を開けてみたら自分がイメージしていた会社とまったく実態は違っていたということも起こりえます。
業界研究が不十分であればあるほど、そうしたリスクが高まります。
事前の研究を怠った結果ですから文句は言えませんが、極力回避したい事態です。
業界調査をしっかりと入念にしておけば、かなりの確率で防ぎ得ることです。
また自分なりに調査を経て納得した上で入社したのであれば、もし幾分想いとずれた面があってもある程度割り切ることもできます。
なんら業界調査をせずにイメージだけで入社してしまうことが引き起こすリスクについては、充分に認識しておく必要があります。
入社後のミスマッチによる早期離職
さらにやっかいなのは、イメージ就活一辺倒の結果、入社した後、大いに現実とのミスマッチに悩まされ、早期に離職してしまうことがあることです。
イメージだけで就活を進めていくことの問題が不幸にして現実になってしまうケースです。
自分の中と現実とのミスマッチの感情は、なかなか払拭が難しく、早々に離職してしまうケースが珍しくありません。
こうなってしまっては、せっかくの就活の苦労もいったん無駄となり、再就職の苦労が発生してしまいます。
非常に残念な事態に陥ってしまうことになります。
以上を踏まえ、業界研究は就活成功に欠かせない重要なことであると認識する必要があります。
業界研究はいつからいつまで?
業界研究は、就職活動を始める前に計画的に行うことが重要です。
一般的には、業界研究は企業説明会や面接が開始される前の6月〜2月頃(大学3年生、もしくは大学院1年生)までに終わらせるのがベストです。
この時期に業界の動向や求められるスキルを理解しておくと、その後は自己分析や企業研究に集中できるようになります。
また、業界研究を早めに終わらせることで、志望業界を絞り込む時間も確保でき、実際の選考に向けた準備がスムーズになります。
これにより、企業選定や応募書類の作成、面接対策を十分に行う時間が確保できるので、早めに業界研究に着手しましょう。
【初心者必見】業界研究のやり方
業界研究をしたことがない方にとってはどのように進めていけばいいのかわからないですよね。
そこで、ここからは以下の手順で業界研究のやり方を解説します。
- どんな業界があるか把握する
- 業界に関する情報を収集する
- 情報を整理する
それぞれ、詳しく解説をしますので、業界研究の参考にしてください。
1.どんな業界があるか把握する
業界研究を行うなら、まずはどのような業界が存在するのかを把握しましょう。
これにより、自分の興味や適性に合った業界を見つけやすくなります。
業界は大きく以下のように分類できます。
- 製造業
- 金融業
- サービス業
- 運輸業
- 情報通信業
- 建設業
- 医療・福祉
- 不動産業
- 教育・研究
各業界にはさまざまな特徴があり、業務内容や必要なスキルも異なるため、広く理解したうえで、興味のある分野を重点的に調べてみるとよいでしょう。
また、以下の記事では業界の一覧を詳しく紹介しているので、どのような業界があるのか気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
2.業界に関する情報を収集する
どんな業界があるか把握できたら、次に業界研究に関する情報を収集しましょう。
業界の仕組みや市場規模、主要な企業、現在の課題や将来性などを理解することで、業界全体の動向や特徴をつかめます。
情報を収集するときは新聞や業界誌、インターネットなどを活用し、信頼性の高い情報源から最新の情報を得ると効果的です。
- 市場規模
- ビジネスモデル
- 仕事内容・職種
- 求められる人物像
- 特徴や魅力
- 今後の動向・将来性
- 関連するほかの業界
- 平均年齢・年収・勤続年数
こうした基礎知識があると、志望する業界や企業への理解が深まり、就職活動にも役立つでしょう。
3.情報を整理する
業界に関する情報を収集したら、次に情報を整理していきます。
集めた情報を「市場規模」「主な企業」「成長性」「課題」などの項目ごとに分類すると、業界の特徴が見えてきます。
情報を分かりやすくまとめておくことで、企業研究や面接準備にも役立つでしょう。
情報を整理するにあたって、自分で表を作るのがめんどくさい…という方もいらっしゃると思います。
こちらの記事では無料で業界研究ノートのテンプレートを配布しているので、ぜひ覗いてみてください。
また、こちらの記事でも業界研究のポイントについて詳しく解説しているので参考にしてください。
【初心者必見】業界研究の情報収集の方法
業界研究のやり方がわかったら、次は情報を集める方法について解説します。情報を集める方法は以下6つあります。
- インターネット
- 就活情報サイト
- 新聞やニュースサイト
- 業界研究の本
- 業界研究セミナー
- OB・OG訪問
自分に合った方法で情報を集めるようにしましょう。それぞれ、詳しく解説をします。
1.インターネット
業界研究の情報収集は、まずインターネットを活用するのがおすすめです。
インターネットなら最新の業界ニュースや動向、企業情報が簡単に手に入り、時間や場所を問わず情報収集が可能だからです。
具体的には、企業の公式サイトやニュースサイト、業界専門のメディアをチェックしましょう。
また、就職情報サイトも業界概要や業務内容がまとめられており便利です。
多様な情報源から幅広い知識を得て、業界の現状や将来の展望をつかむことが業界研究の成功につながります。
2.就活情報サイト
業界研究の情報収集には、就活情報サイトを活用するのも効果的です。
就活情報サイトでは、業界の概要や主要企業の特徴、求められるスキルなど、就活生に役立つ情報がまとめられているため初心者でも理解しやすいです。
また、企業ごとの社員インタビューや業界の将来展望など、他では得られない情報も豊富です。
サイト内で業界を比較し、自分の関心に合う業界を見つけやすくなるため、志望業界の絞り込みにも役立つでしょう。
3.新聞やニュースサイト
業界研究の情報収集には、新聞やニュースサイトも活用しましょう。
これらは業界の最新ニュースやトレンド、企業の動向がリアルタイムで報じられるため、常に新しい情報を得られるのがメリットです。
具体的には、経済新聞や業界専門のニュースサイトを定期的にチェックし、業界の成長性や課題、注目される技術やサービスについて理解を深めるとよいでしょう。
こちらの記事では無料で業界研究ノートのテンプレートを配布しています。
業界の動向やトレンドを書き込み、業界の理解を深めましょう。
4.業界研究の本
業界研究の情報収集には、業界研究の本を活用する方法もおすすめです。
本には、各業界の基礎知識や成り立ち、主要な企業の概要などが体系的にまとめられており、初心者でも全体像を把握しやすいのが特徴です。
また、業界ごとの特徴や求められるスキルが詳しく解説されているため、自分の適性や興味に合った業界を見極める助けにもなります。
この記事では業界地図についてさらに詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
5.業界研究セミナー
業界研究の情報収集に、業界研究セミナーを活用する方法もあります。
業界研究セミナーでは、業界の専門家や現役社員から直接話を聞けるため、リアルな情報を得られるのが大きなメリットです。
具体的な仕事内容や業界の将来展望、働く上での魅力や課題など、ネットや本だけではわからない詳細な情報を知ることができます。
また、質問の機会もあるため、自分の疑問を解消しながら理解を深められます。
セミナーを通じて業界への理解を深め、他の就活生と差別化された志望動機を構築することができるでしょう。
6.OB・OG訪問
業界研究の情報収集には、OB・OG訪問もいいでしょう。
実際にその業界で働く先輩から直接話を聞くことで、仕事内容や業界の雰囲気、現場で求められるスキルなどをリアルに知ることができます。
OB・OG訪問では、自分が興味を持っている企業や職種についての率直な意見を聞くことができ、疑問点や不安を解消しやすい点がメリットです。
具体的には、就職支援サービスや大学のキャリアセンターを通じて訪問を依頼し、事前に質問を準備して臨むと有意義な時間にできるでしょう。
この経験は、志望動機に深みを持たせ、説得力を高めるのに役立ちます。
どうしても志望業界がわからない場合
ここまで業界研究のやり方や情報収集の仕方などを紹介してきましたが、それでもどうしても志望業界がわからない場合は以下の方法を試してみましょう。
- 絶対にやりたくないことを書きだす
- 自己分析をもう一度やってみる
自分が探していた業界にめぐり会えるようになるためにも、妥協せずにやりましょう。
それではそれぞれ、詳しく解説をします。
1.絶対にやりたくないことを書きだす
業界研究をしても志望業界が定まらない場合は、絶対にやりたくないことを書き出してみましょう。これは、自分の価値観や働き方の優先順位を明確にするための方法です。
- 長時間労働は避けたい
- 数字に追われる仕事は合わない
やりたくないことをリストアップすると、自分に向いている業界や職種が見えてきます。
否定的な視点から見つめることで、自然と興味のある分野や志望業界の絞り込みに役立つでしょう。
2.自己分析をもう一度やってみる
業界研究をしても志望業界が見つからない場合は、自己分析をもう一度やってみることが有効です。
自分の強みや価値観、働く上で大切にしたいことを改めて整理することで、自分に合う業界が見つかりやすくなります。
- これまでの経験で楽しかったこと
- 達成感を感じたこと
- 辛かったこと
過去を振り返ると、自分の特徴や志望業界が明らかになります。
自己分析を行うことで、興味を持てる業界や自分の強みを生かせる分野が見えてきて、志望業界の絞り込みが進むはずです。
業界研究は就活エージェントと一緒にやろう!
業界研究を一人やってもなかなかうまく進まないことがあります。そんなときは就活エージェントと一緒にやることをおすすめします。
就活エージェントは自分だけでは得られにくい業界の最新情報や採用情報に詳しくリアルな情報をもっています。
なかでもおすすめの就活エージェントはジョブコミットです。
就活相談に本気で向き合ってくれる会社で、ひとりひとりに親切・丁寧にサポートをしてくれます。業界研究で悩んだらジョブコミットに相談してみましょう。
まとめ
業界研究は、就活の第一歩として大変重要なプロセスであることが、ご理解いただけたかと思います。
興味がある業界があれば、まずは業界研究に着手してください。
漠然としたイメージを持っているだけでは実際のことはわからないままです。
業界研究を通じて、自分の進むべき業界を、自信を持って決定されることを願ってやみません。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート