近年食品の安全志向がより高まってきており、食品業界への関心が高まってきています。
そんな食品業界に対して「なんだか大変そう」「ブラック企業が多そう」など漠然とした不安を持ち、食品メーカーへの就職を避けている就活生もいるでしょう。
ネットでは「食品メーカーはオススメしない」と言い切っている人までいます。
では実際食品メーカーではどのような業務を行なっているのでしょうか?
今回は食品メーカーの営業に絞って業務内容ややりがい、大変なことなどについて詳しくまとめていきます。
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【食品メーカー:営業職】食品メーカーとは?
食品メーカーとは、消費者向けの食品を製造・販売する企業を指します。
これらの企業は、原材料を仕入れ、製品の開発、製造、包装、そして流通までを一貫して行います。
食品業界には多様な事業内容があり、地域性が強いため、全国的に有名な大手企業もあれば、地域密着型で高い知名度を持つ中小企業も存在します。
また、地域の食文化や消費者ニーズに合わせた商品開発を行い、地域特有の食品を製造するケースも多いです。
加工食品
加工食品メーカーは製造又は加工された飲食物を生産します。
- パンやお菓子
- 冷凍食品
- レトルト食品
- 調味料
- 缶詰、保存食
- 水産、畜産食料
生鮮食品
生鮮食品メーカーは加工食品及び添加物以外の飲食物を生産します。
- 青果(野菜や果物)
- 鮮魚
- 精肉
以下の記事を読むことで食品メーカーについてさらに理解を深めることができます。
ぜひ参考にしてください。
【食品メーカー:営業職】の業務内容は?
食品メーカーの営業は大変なこともありますが、やりがいも多い仕事となっています。
では食品メーカーの営業の業務内容はどのようなものなのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
①卸売店やメーカーへのルート営業
食品メーカーの営業の主な業務はもちろん営業です。
卸売店やメーカーへ自社の商品を発注してもらうように営業や挨拶をして回ります。
顧客になる卸売店やメーカーと良好な関係を築くために、担当者に商品のサンプルや資料を使って詳しく説明したり、時には商品の陳列を一緒に手伝ったりといった営業努力が必要となってきます。
営業の腕の見せ所でしょう。
ルート営業は、すでに取引のある卸売店やメーカーなどの既存顧客を訪問し、関係を維持・強化しながら商品提案や受注を行う営業スタイルです。
安定した信頼関係を築くことが重要です。
②量販店向けの量販営業
ここでいう量販店とはスーパーなど食品を大量に取り扱うお店を指します。
量販店向けの営業では自社の商品を発注してもらうための営業はもちろんですが、発注してもらった商品を目立つところに陳列してもらうように交渉したりもします。
他社の競合商品よりも目立たせるため、POPで装飾したりキャンペーンを行なったりするよう働きかけるのも量販店向け営業の大切な仕事となります。
スーパーやドラッグストアなどの量販店に対して、商品の販売促進や新商品の提案を行う営業です。
大量販売が期待され、マーケットの動向を把握し提案力が求められます。
③飲食店向けの業務用営業
食品を取り扱うのは卸売業者や量販店だけではありません。
レストランや飲食店も立派な取引先となります。
飲食店向けの営業としては店舗に直接出向いて、自社の商品を直接売り込み、発注してもらうように働きかけます。
注文を取るためには飲食店の発注者と丁寧な付き合いをすることが必要となり、毎日お店に行って顔を覚えてもらったり、仕事外で一緒に食事や飲みに行ったりして仲良くなったりといったようなことをしている人もいるようです。
レストランや居酒屋などの飲食店に業務用の自社製品を売り込み、採用してもらうための営業です。
飲食店のニーズに合わせた提案力が重要です。
④商品の配達
企業によっては工場や倉庫から量販店や卸売店、飲食店への商品配送を営業の人が行うというところもあります。
また乳製品や練り物など賞味期限が短い物は日配といって毎日配達しなければいけない物もあり、営業が行うとかなりの負担となります。
商品の配達を営業が行う場合、配達した後に次回の発注をとったり、新たな商品を紹介したりといったことがしやすくなるため、企業としては一石二鳥です。
⑤クレーム処理
食品メーカーは安全な食品を世に流通させることが義務付けられており、食の安全志向が高まっている近年ではクレームも増えてきています。
食品の劣化や異物混入などが起こってしまえば社会問題に発展してしまう可能性もありますのでクレームを受けた後に迅速な対応が求められます。
基本的に個人からのクレームはコールセンターなどの部署が行うことが多いのですが、量販店や卸売店からのクレームは営業が対応することになります。
【食品メーカー:営業職】仕事のやりがいは?
何かと大変なことも多い食品メーカーの営業職ですが、日々の業務の中にはやりがいを感じることも多いと言います。
そんな食品メーカー営業のやりがいについてまとめてみました。
①自社商品が棚に棚に並ぶ
小売店では取り扱う商品を「コンペ」によって決定します。
そのため食品メーカーの営業は自社の商品が小売店で採用されるようにPRする必要があります。
自分が自信を持って推していた商品が落選したり、そうでもなかった商品が選ばれたりとかなり意外性があります。
もしコンペに通って自分のPRした商品がスーパーやコンビニなどで並んでいると達成感があり、「仕事したなあ」という気分になるという人も多いそうです。
②プロモーションイベントが成功した時
食品メーカーでは新商品を発売する前に、その商品がいかに美味しくお買い得な物であるかをPRするためにプロモーションイベントを行うことがあります。
この時職員メーカーの営業がプロモーションイベントを手がけることも多く、会場の設営をしたり、路上に立って試供品を配ったりといったこともしなくてはいけません。
そんな大変なプロモーションイベントが成功した時は大きな達成感があり、やりがいを感じる人も多いです。
③繁忙期を乗り越えた時
食品メーカーの繁忙期は世間的に休みを取る人が多く、消費も多くなる年末年始です。
この期間には運送業者の業務がストップすることもあり、その前に発注や納品をしなければならず、非常に大変な時期となっています。
特に食品メーカーの生産をする職種の人たちは忙しく、営業や他の部署の人たちが手伝いに入ることもあるそうです。
そんな繁忙期を乗り切ると達成感や充実感に満ち溢れるのだといいます。
食品工場の繁忙期は需要が急増し、食品工場が最も忙しくなる時期を指します。
イベントや行事、季節、学校給食や企業の需要などの理由で需要が変動し、忙しくなります。
【食品メーカー:営業職】仕事は激務?
食品メーカーの営業はかなり激務だという噂を聞いたことのある方も少なくはないでしょう。
一部では食品メーカーは「きつい」「ブラック」「やめとけ」と言われています。
実際食品メーカーの営業は様々な取引先へ営業に行くだけでなく、クレーム対応やキャンペーンやPRイベント、企業によっては商品の配送も行うため、勤める場所によってはかなりの激務となるでしょう。
しかしその分やりがいを感じる時も多く、充実した毎日を送ることができるといったメリットもあります。
食品メーカーの営業だからといって激務、ブラックだと決め付けるのは早計です。
【食品メーカー:営業職】向いている人は?
ここまで記事を読んできて食品メーカーの営業に少し興味が出てきた人もいることでしょう。
では食品メーカーの営業に適性がある人とはどのような人なのでしょうか?
食品メーカーの営業に向いている人をまとめていきます。
①食が好きな人
まず食品メーカーは食品販売をする企業ですので、食に興味がある人でないと勤まらないでしょう。
自社の商品をPRする際、一切食に興味がないという人が自社の食品の魅力を伝えられるかと言われると想像しにくいですよね。
食が好きな人がその商品の魅力を説明すれば説得力がありますし、売り上げも好調になるでしょう。
②コツコツ仕事ができる
食品メーカーの営業では目に見えるほど大きな成果が一度に降りかかってくるということはあまりありません。
そのためコツコツと自分の実績を積み上げながら仕事ができる人は食品メーカーの営業に向いているかもしれません。
小さな達成感を積み上げながら日々働くのも良いものです。
③相手のことを考えられる人
相手のことをしっかり理解し、気持ちを汲み取る能力は食品メーカーのみならず営業に必要な能力でしょう。
小売店や飲食店などに営業に回っている時、「この人はどのような商品を求めているか」「どんなことに不自由を感じているか」などを汲み取って商品を提案することができれば売り上げはかなり上がってくるでしょう。
相手の気持ちを汲むことが得意だという人は営業に向いているかもしれません。
【食品メーカー:営業職】就職するためのポイント
大変な仕事が多くありますが、やりがいも多い食品メーカーの営業。
そんな食品メーカーの営業に就職するためにはどのような学歴・資格などが必要なのでしょうか?
食品メーカーの営業になるためのポイントについて解説していきます。
①基本的に大卒以上
食品メーカーは新卒採用の場合大学の卒業見込みがあるということが求められます。
大企業ではありがちな高学歴な学生たちしか採用しない「学歴フィルター」が存在しているといった口コミは少なく、しっかり大学で学んで卒業することができれば面接を受ける資格はあると言えるでしょう。
有名大学の出身ではないからと諦める必要はありません。
②技術系職種は理工系を募集
営業ではありませんが食品メーカーの技術系職種に就職を希望する場合、理工系の学部を卒業していないと就職試験を受けられない可能性もあります。
技術系職種とは研究職や生産職、エンジニアなどです。
営業は文系・理系問わずに募集していますので、問題ないでしょう。
③コミュニケーション能力
食品メーカーの営業は取引先と顔を合わせる機会も多く、コミュニケーション能力は必須となります。
自社の商品を効果的に売り込むためには、取引先の人に好意的な印象を持ってもらう必要があり、コミュニケーションをしっかり取ることが重要です。
人と話すのが苦手だという方は食品メーカーのみならず、営業職は難しいかもしれません。
【食品メーカー:営業職】志望動機の書き方
食品メーカーの営業職は多くの学生に人気があり、良い志望動機を書くことが求められます。以下では、効果的な志望動機の書き方を3つのステップに分けて解説します。
①企業の志望理由を簡潔に書く
まず、なぜその食品メーカーを志望するのかを明確にします。
具体的には、その企業の特定の商品や事業展開に対して魅力を感じた理由を述べることが効果的です。
自分がその企業に惹かれた理由を、自分の価値観や経験と関連付けて説明することで、志望理由に説得力が増します。
また、その企業の独自性を強調し、なぜ他の企業ではなくその企業なのかを明確にしましょう。
②オリジナルの内容
他の応募者との差別化を図るため、あなたの経験や価値観を反映させた内容を加えることが大切です。
具体的なエピソードを盛り込み、志望する企業でどのような価値を提供できるかを明確に示します。
たとえば、自分がこれまでの経験で学んだことが、どのように企業の事業内容や目標と合致しているかを説明することが効果的です。
このように、その企業にどのように貢献できるかを具体的に表現することで、オリジナリティを出します。
③入社後にどう活躍できるか伝える
入社後のビジョンも明確に示すことで、企業に対する熱意を伝えます。
これまでの経験を活かして、どのように企業に貢献し、将来的にどのように成長していきたいかを具体的に描きます。
たとえば、営業職として顧客との関係をどのように築き、売上や信頼関係の向上に貢献したいかなど、具体的なシナリオを提示すると良いです。
入社後に自分がどう企業で成長していきたいかを示すことで、採用担当者にポジティブな印象を与えましょう。
以下の記事に例文があるので、こちらも参考にしてみてください。
まとめ
ここまで食品メーカーの営業について詳しくまとめてきました。
食品メーカーの営業はなんとなく激務なイメージもあり、敬遠していた就活生もいるかと思いますが、やりがいも多い仕事です。
是非この記事をよんで食品メーカーへの就職も視野に入れてみてはいかがでしょうか?
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート